チラシの裏~弐位のゲーム日記
社会人ゲーマーの弐位のゲームと仕事とブログペットのことをつづった日記

 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 今度は、春恵も呪主だと認めた後からスタート。


 父親の話をする。
 「さっき、会ったわ」
 「そうですか」
 「不器用そうな人だった」
 「はあ」
 「真面目で愛嬌がある感じで、娘さん可愛がりそうだけど」
 「やめてください。気持ち悪いので。何も知らない外の人間が、よその家庭の問題に口出さないほうがいいですよ。まあ、うちはもう他人ですが」
 「親権はなくなっても血のつながりはあるのでしょう?」
 「ないですよ、そんなの。たぶんあの人も。わたしが何も気づいていないと思ってるでしょうけど。いろいろ見てれば、あの両親と血が繋がってないことくらいわかりますから」
 「養子ってこと?」
 「気になったら調べられますよ。わたしは赤ん坊のときにもらわれて、育てられただけです。母が結婚してすぐに身籠ったひとりめの子供が、死産だったそうです。それでだいぶ心を痛めてしまったようで、見てられなかったんでしょうね。母のためにって、わたしがその子に代わって引き取られたみたいなんです。父の独断で。」
 「独断?」
 「気を利かせたつもりなんですかね。だから、誰でもよかったんです。行き場をなくした母性の受け皿になれば」
 「人ひとり育てるってのは、そんな簡単はものじゃないんだけれどね」
 「母にしても勝手に見ず知らずの赤ん坊を育てろと言われても戸惑うだけですし、そのくせ父も母任せで何の面倒も見ず。勝手ですよね、本当。母も父との距離感が掴めなくて、お互いに機嫌を探り合ってる感じで、すごく気持ち悪かった。ちぐはぐな家庭でしたよ。まあ、わたしのせいなんですけどね」
 「そんなこと」
 「不器用なのも仕事の都合もわかるけど、それを免罪符にするなって感じです。なのでわたし、早く家を出て一人暮らししたかったんです。学費や仕送りでは頼ってますけど、そのくらい当然な気もしますし、今更その程度で父親ヅラしないで欲しいですけどね」
 「それはつらい。家族全員もれなくつれない話。ごめんなさい。確かに他人がとやかく言うことじゃなさそうね」
 「うっかりべらべら話しちゃいましたね。何が条件になってるかもわからないのに。今の話が繰り拍子木の条件に関係してるんですか?」
 「さあ、どうでしょうね」


 根島の話をする。
 「根島史周はどうやって殺したの?」
 「教えないですよ」
 「私にとっても、因縁がないわけじゃない男だから。子供を誘拐された理由のひとつにあいつも関わってるし」
 「話してたら向こうがうまい具合に条件を踏んだってだけです」
 「過去の事件を反省している感じはあった?」
 「それは、なさそうでしたね」
 「そう」
 「どうしようもない男ばっかですよね」
 「それは、同意」


 根島の話をする。
 「結果的に、あなたが根島の大量殺戮を止めたとも言えるのよね」
 「それは、どうでしょうか。わたしがやらないとも限らないですよ?」
 「え?」
 「片葉の芦の呪詛珠を手に入れたんですが、この呪詛とんでもない内容です。残念ながら、自分のじゃない呪詛珠はさすがに夜にならないと使えなさそうですけど」
 「それ言って良かったの?」
 「あ、やっちゃいましたね。テヘ」


 願いの話をする。
 「あやめさんの願いは、やっぱり葛飾北斎の蘇生?」
 「はい、それより大切な命は世の中にないですから。自分のも含めて」
 「北斎が蘇るなら文字通り、死んでもいい、と?」
 「命は不等価ですよ。少なくとも、わたしにとっては。人の心を揺さぶる芸術作品を生み出せる命のなんと尊いことか。何も生み出せない自分の命に価値なんてないです」
 「過激ね」
 「若いので。でも、おばさまもそうじゃないんですか?」
 「え?」
 「自分の命よりも大切な、そしてそのほかの多くの命よりも大切な命のために頑張っているんじゃないんですか?」
 「確かに、そう。あの子を助けられるなら、私の命も、他人の命も、どうなってもいい」
 「過激ですね~」
 「人の親ですもの」
 「実の親の想いってそんなにすごいんですね」


 願いの話をする。
 「だとしたら、あなた、その願いが果たせなかった場合、今後どう生きていくの?」
 「ずっと、それを果たすために生きていくのかもしれないですね」
 「やっぱり、過激。ヒハクの会長もあなたみたいなタイプなのかもね」
 「誰ですか、それ」
 「強すぎる執念が渦巻いて妖怪変化みたいになった存在」
 「わたしもそうなるってことですか?」
 「将来が楽しみになった?」
 「そんな歳まで叶わないのつらすぎますよ。今叶えたいので」


 願いの話をする。
 「わたしが命をかけらるのは北斎先生だけですから」


  タバコの話をする。
 「あなた、タバコは吸う?」
 「まあ、少し」
 「吸いたかったらどうぞ、遠慮なく」
 「大丈夫です、この部屋灰皿なさそうですし。ここ吸わない家庭ですか?」
 「うちは珍しく誰も」
 「どうして急にそんな話を振ったんですか?」
 「さあ?」
 「ふーん」


 呪詛行使
 「呪詛使おうとしました?そっちの条件、踏んでなかったみたいですね。持ってたライターをさっきこっそり足元に捨てたのが、良かったのかな」
 「いつの間に」
 「タバコの話をしちゃったのは失敗だったと思いますよ?火種の所持、これが条件だったら、もうわたしがそっちの条件を踏むことはないですよね。おばさまは会話で探る必要なんてなかった。ただ先に呪詛を使えば良かったんです。わたし、根島の持ち物を全部持ってきたんで、ライターもその中にあったんですよ。でも、もう終わりですかね」
 「そうね」


 交渉する。
 あやめ「さて、おばさまは手の内がバレたのでもう打つ手がないと思います。そっちの探偵と力づくで抑え込むことはできるかもしれないですが、それはきっと、この探偵はやらないですよね」
 利飛太「ああ、条件が確定できないうちは、僕はそこまでのリスクは冒せない」
 春恵「意気地なし」
 あやめ「わたし、おばさまを呪い殺して滓魂を手に入れるために来たんですけど、ひとつだけ言わせてください。蘇りの秘術、もう諦めたらどうです?さっき言ってた息子さん、ですよね。蘇らせたいの。もう、充分じゃないですか。そこまで想ってもらえたら、お子さんだって満足ですよ。わたしは北斎先生が蘇るなら本当に死んでもいいんですけど、おばさまはダメでしょう?息子さんが蘇ったなら、あなたも生きなきゃダメでしょう?というか本当は一緒に生きたいんですよね?」
 春恵「ああ・・・」
 あやめ「まあ生きていくとしても、人様の命に手を掛けてまで生き返らせた自分の姿を見せて育てることになりますし、犠牲にしたすべての命の重さをまだ小さい息子さんが背負うことになりますけども、いいんですか?本当に」
 春恵「ううっ!」
 あやめ「それを考えていなかったのだとしたら、おばさまは息子さんの人生のためじゃなくて、自身のために、自分の拠り所にするために蘇らそうとしてたんじゃないですか?」
 春恵「違う」
 利飛太「マダム、冷たいことを言うようだが、彼女の言う通りだ。『息子のために何でもできる自分』をアイデンティティにしてはいけない」
 春恵「違う!違う!」
 利飛太「誘拐事件の真相は判明した、あとは時間をかけて自分の気持ちと折り合いをつけていくべきだ。そのためにできる協力は惜しまないよ。人の心に寄り添うのが探偵だからね」
 あやめ「どうします?」
 利飛太「マダム、呪詛珠を呪主に譲渡すれば、自身は呪主ではなくなる。命を狙われることはなくなる。あやめ君は見逃してくれようとしているようだ。よく考えて、返事をしたまえ」


 呪詛珠を渡す
 呪珠珠を渡さない→志岐間春恵の伝説(春恵は隠し持っていたライターであやめに火をつけてから、呪詛を行使)


 春恵「これを」
 あやめ「ありがとうございます」
 利飛太「マダム、いい判断だ」
 あやめ「本当に滓魂全然ないんですね」
 春恵「使うとしても、一度きりだと決めていた。でも、回数の問題じゃない」
 あやめ「火種か、使えるかな。じゃあ、わたしはこれで失礼します。おばさまの滓魂が獲れなくなったので、次の呪主のところに行きますね」
 利飛太「それは、誰だがかわっていて言っているのかい?」
 あやめ「さっきの話でだいたい。止めます?」
 利飛太「僕が決めることではないがね」
 あやめ「そうですよね。じゃあ電話貸してもらってもいいですか?」
 春恵「いいけど、どこに掛けるつもり?」
 あやめ「警察ですよ。直接呼び出すのが早いと思いますので」

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 大人になりきれない社会人ゲーマー。
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