今日の428 ~封鎖された渋谷で~はどうかな?
加納 10:30 追う?追わない?
A:このまま泳がせるのはリスクが高すぎる。
追って捕まえるしかない!
B:いや、追跡はほかの捜査員に任せて、自分は別のことをやるべきだ。
亜智 10:35 ナニゴトだ?
A:なにやら物騒な雰囲気がする。
話しかけて事情で聞いてみよう。
B:どうせ映画かドラマのロケだろう。気にすることはない。
そう思ったとき、今度はくたびれた背広姿の中年男性がゆっくりと近づいてきた。
足がわるいのだろうか杖を使って歩いている。
杖の男が懐から、拳銃を取り出した。
杖の男は、拳銃を握った右手を女の子に向けて伸ばしたが、女の子は杖の男に気付いた。
とっさに亜智の体が動き、勢いよく駆け出し、杖の男に思い切りタックルを入れると、杖の男は地面に倒れこんだ。
男はすぐに拳銃を構え直し、起き上がってくる。
「来い!」
青ざめている女の子の腕を強引に引っ張った。
A:とにかく交番だ!
B:ひとまず逃げるんだ。
後ろを振り返りもせず、山手線のガード下をくぐり抜ける。
通りかかった公園のゴミ捨て場にゴミを捨てて、再び走り出す。
「待て!」
ふいに背後から声が聞こえた。
亜智が驚きながら振り返ると、見知らぬ若い男が追ってきていた。
女の子足ではいずれ追いつかれるだろう、と判断した亜智は足を止め、女の子を後ろにかばいながら若い男に向き直った。
「とにかく彼女を離せ」
若い男は女の子を知っているようだったが、女の子は困惑した様子で首を横に振った。
その時、目の前の男の頭に何かが降ってきた。
男はくるりと目玉を回して、地面に倒れこんだ。
その向こうには、さっきホスト風の男たちに絡まれていた女の子が立っていた。
倒れた男の近くに、やたら分厚い本が落ちている。
「危ないと思って、つい投げちゃったんですけど」
「ありがとう、すげぇ助かった」
「いえ、助けてもらったお礼ですから」
「あんたもこいつが起きる前に逃げたほうがいいぜ」
亜智はずっしりと重たい本を拾って女の子に渡すと、その場を離れた。
しばらく行くと、数十メートル先に杖の男の姿をちらりと見えた。
とっさにすぐそばの路地裏に入り、ビルとビルの間を塞いであった木の板を蹴り破った。
杖の男も裏路地に入ってきてしまった。
「俺は遠藤亜智、22歳。女の子がヘンな男に追われていたら迷わず助ける。理屈じゃねぇ、本能だ!」と亜智は真剣な顔で女の子を見つめると、女の子は小さくうなづいた。
追いかけてこられないように、亜智はそばに積んであったビールケースの山を倒した。
ビールケースの隙間から杖の男が悔しそうな顔を覗かせている。
ビルの隙間を通り抜けて細い路地に出ると、小さなスナックが何軒も並んでいた。
「ここでしばらく様子見だな」
古ぼけたスナックの前に立つと女の子を手招いた。
入り口付近のスイッチを押すと、安っぽいシャンデリア風の照明が二人を照らした。
「ここ、知り合いのやってた店でさ、もう潰れてっから安全かなって思って・・・」
必死に言い訳すると女の子は小さく笑った。
「改めて、俺は遠藤亜智、亜智って呼んでくれ」
「大沢ひとみです。私もひとみで・・・」
「とりあえず聞かせてくれよ、いったい何がどうなっているんだ?なるべく、わかりやすく頼むわ。あんま頭よくねーから、難しい話ってダメなんだわ」
「昨夜、姉が誘拐されたんです。犯人は身代金の引き渡しに私を指名してきました。引き渡しの時間は午前10時、場所は渋谷のハチ公前。約束の時間に、外国の男性が身代金の入ったアタッシュケースを取り来ましたが、そのあと、杖の人が現れて、私に銃を向けて・・・」
TIPS:ついていけなくなった
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「ドッキリとかじゃないよな?」
「本当の話です」
「ちなみに身代金っていくら?」
「5000万円です」
「誘拐事件って聞いてわかったぞ。交差点であの外国人を追っかけていたのは張り込んでた刑事だったんだな?ちょっと待てよ、誘拐犯はアタッシュケースを持って逃げたわけだろ>じゃあ、手ぶらのひとみを追ってきたあの杖のヤツはなんなんだ?」
「わかりません・・・」
「早いとこ警察に駆け込んだ方が」
「それはダメなんです、警察には相談できないんです。」
そういってひとみは席を立った。
「ありがとうございました。私、行きますね。これ以上、ご迷惑はかけられません。」
ひとみがドアを開けた途端、二人は言葉を失った。
目の前に杖の男が拳銃を構えて立っていたのである。
TO BE CONTINUED
亜智の10時の物語はこれで終了だが、加納に物語がBAD ENDになってしまう状態です。
亜智の10:35に戻り、選択肢を操作して、加納の運命を変えてあげてください。
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