チラシの裏~弐位のゲーム日記
社会人ゲーマーの弐位のゲームと仕事とブログペットのことをつづった日記

 

アパシー鳴神学園七不思議+危険な転校生
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 今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
 倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
 1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
 2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
 3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)


 4人目は風間望を選択!


 「ボクの名前は風間望。3年生だ。通称、鳴神学園の貴公子、ノゾムンを呼ばれている。すべての女子生徒はボクのことを親愛の意を込めてノゾムンと呼ぶんだよ。
 キミは男子だけれど特別にノゾムンと呼ばせてやってもいいぜ」
  • 呼びたいです
  • 別にどっちでも
  • お断りします
  • なんでノゾムンなんですか?
 「別にどっちでもだって?キミは何て主体性のない人間なんだ」
 この後、風間はカレーライスとライスカレーの違いを力説しだす。
  • あのう、怖い話をしていませんが?
  • これって、七不思議の集会ですよね?
  • ありがとうございました
  • 本当にこれで終わりなんですか?
 「あれ?キミはボクの話がまだ理解できないの?」
 風間は、ラーメンライスはあるけど、ライスラーメンはないことを説明しだす。
  • だから、怖い話をしていませんが?
  • これって、七不思議の集会ですよね?
  • ありがとうございました
  • あのう、ちょっといいですか?→シナリオ:下半身ババア
 「仕方ない。それじゃあ、とっておきの怖い話をしてあげよう」


 シナリオ:ひとり七不思議開始!


 「正門の横に、校長先生の銅像があるのは知ってるだろう?あれは、夜中になると、ひとりでに動き出すんだ。終わり」
 「なに、もっと詳しく話してほしい?まあでも仕方ないな。それでは詳しく話してやろうか」


 生徒通用門から入り右手に進み7本目の植木の左にある花壇越しに見える裏庭から新校舎の北へ向かった117歩ほど歩いたところで左に曲がった場所にしめやかにたたずむ校長先生の銅像。
 終わり。


 「なんだ、キミのその不満そうな眼は。きちんと話したじゃないか」
 「意味が違う?ほほう、実はキミ、あの銅像の秘密を知っているんじゃないのか?
 まさか、我が学園にボク以外にあの銅像の秘密を知っている人間がいたとはね。キミの博識に免じてあの銅像の秘密をここで公表しようじゃないか」


 「実はあれは銅像ではない。あれは、ブロンズ像だ」
 (風間望・・・いい名前だ。こんな名前を持つ人物は、日本のトップに立つべきだ。そうすれば、きっと日本も争いのない平和な世界になるだろう。
 この人があまりにもめちゃくちゃなんで、僕もわけのわからないことを考えてしまった)と坂上は思っていると、風間が話しかけてきた。
 「なんだよ、そのキツネにつかまれたような顔は。
 怖い話をしろ?それじゃあ、もう一つ取っておきの話をしてやろう」


 実は1年生が使っているゲタ箱に、異常な悪臭を放っている靴が置かれているのは知っているか?
 その匂いの酷さに思わず顔を背けてしまう。恐ろしい話だよね。終わり。
  • これで終わりなんですか?
  • ありがとうございました
 どちらを選んでも同じ→「仕方ない。それじゃあ、キミのためにもう一つだけ話すとするか」
  • ええ、もちろん聞きますよ
  • じゃあ、やめます
 どちらを選んでも同じ→ボクのクラスの小出照男っていう奴がいるのを知ってるかい?
 あいつ、ヒキガエルに取り憑かれているんだ。許せないだろ。
 終わり。
  • そんな話で終わらせません
  • ありがとうございました
 どちらを選んでも同じ→実はな、ボクのクラスに沢見つかさって女子がいるんだ。
 彼女、真面目なんだが付き合いが悪いのさ。誰が誘おうとも、決して誰とも付き合おうとしないんだ。
 いつも、さっさと帰ってしまう。帰宅部なのさ。
 ボクはね、ある日そんな彼女の秘密を偶然に知ってしまったんだよ。
 なんと彼女、8つも進学塾に通っていたんだ。
 終わり。
  • さっさと次の話に行ってください
  • ありがとうございました
 どちらを選んでも同じ→学校の食堂は、とてもまずい。
 終わり。
  • さあ次が七話目ですよ
  • ありがとうございました
 どちらを選んでも同じ→実はボクは1枚の写真を持っている。これはね、去年の学園祭のとき撮った写真さ。
 何の変哲もない写真だよな。2人の女子高生が写っているだけの。
 実は、この写真は心霊写真なんだよ。
 ボクのおじさんに、非常に霊感の強い人がいてね。このおじさんが、何気なくボクのアルバムを見てね。
 そのおじさんの指が、ふとあるページで突然止まったんだ。それが、このページだった。
 「望!お前、この写真、どこで撮った?」
 「学校で撮ったんですよ。学園祭のときだったと思いますけど」
 「この子はお前の友達か?この左側に写っている女の子だよ」
 「ええ、ボクと同じクラスの子ですけど」
 「この子、今どうしてる?無事なのか?この子には、子供が取り憑いている。この写真に、その子供がはっきり写っている」
 ボクは慌ててその写真を奪い取った。けれど、ボクには何も見えなかった。
 「よく、見てみろ。彼女の足に、子供が写っているじゃないか」
 ボクは目を皿のようにしてその写真を見入ると、確かに彼女の足には、しっかりと子供がくっついていたんだ。
 ほら、膝いしっかりと子供がくっついているじゃないか。その子供の名は、膝小僧。どうだ怖いだろう」
 「ああ、終わりさ。おっとボク一人で7話全部話しちゃったね。これで恐ろしいことが起きてもボクは知らないぞ」
 みんな、あきれている・・・
 「おかしいなあ、いつもは大爆笑間違いなしなのになあ」
 風間は、ぶつぶつ独り言を言って、いきなりズボンの裾をまくりあげて、足をボリボリと掻き始めた。
 坂上は、思わず息を呑んだ。
 風間の膝小僧のところに子供の顔が見えたのだ。
 人面痣ってやつだ。そいつが、坂上のほうを見てニタっと笑った。
 風間は、ズボンの裾を下ろしながら「ひとり七不思議をすると恐ろしいことが起きる。それは誰の身にも降りかかってしまう。ボク以外の誰かに。今更後悔しても、もう遅いからね。あはははは」と満足そうに笑った。
 でも、風間さんはもう呪われている、と坂上は確信した。
 

 エンディング№186:呪われた膝小僧
 エンディング数 70/657 達成度10%
 キャラクター図鑑 54/122 達成度44%
 イラストギャラリー 39/283 達成度13%

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 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
 倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
 1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
 2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
 3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)


 4人目は風間望を選択!


 「ボクの名前は風間望。3年生だ。通称、鳴神学園の貴公子、ノゾムンを呼ばれている。すべての女子生徒はボクのことを親愛の意を込めてノゾムンと呼ぶんだよ。
 キミは男子だけれど特別にノゾムンと呼ばせてやってもいいぜ」
  • 呼びたいです
  • 別にどっちでも
  • お断りします
  • なんでノゾムンなんですか?
 「別にどっちでもだって?キミは何て主体性のない人間なんだ」
 この後、風間はカレーライスとライスカレーの違いを力説しだす。
  • あのう、怖い話をしていませんが?
  • これって、七不思議の集会ですよね?
  • ありがとうございました
  • 本当にこれで終わりなんですか?
 「あれ?キミはボクの話がまだ理解できないの?」
 風間は、ラーメンライスはあるけど、ライスラーメンはないことを説明しだす。
  • だから、怖い話をしていませんが?
  • これって、七不思議の集会ですよね?
  • ありがとうございました
  • あのう、ちょっといいですか?→シナリオ:下半身ババア
 「仕方ない。それじゃあ、とっておきの怖い話をしてあげよう」


 シナリオ:ひとり七不思議開始!


 「正門の横に、校長先生の銅像があるのは知ってるだろう?あれは、夜中になると、ひとりでに動き出すんだ。終わり」
 「なに、もっと詳しく話してほしい?まあでも仕方ないな。それでは詳しく話してやろうか」


 生徒通用門から入り右手に進み7本目の植木の左にある花壇越しに見える裏庭から新校舎の北へ向かった117歩ほど歩いたところで左に曲がった場所にしめやかにたたずむ校長先生の銅像。
 終わり。


 「なんだ、キミのその不満そうな眼は。きちんと話したじゃないか」
 「意味が違う?ほほう、実はキミ、あの銅像の秘密を知っているんじゃないのか?
 まさか、我が学園にボク以外にあの銅像の秘密を知っている人間がいたとはね。キミの博識に免じてあの銅像の秘密をここで公表しようじゃないか」


 「実はあれは銅像ではない。あれは、ブロンズ像だ」
 (風間望・・・いい名前だ。こんな名前を持つ人物は、日本のトップに立つべきだ。そうすれば、きっと日本も争いのない平和な世界になるだろう。
 この人があまりにもめちゃくちゃなんで、僕もわけのわからないことを考えてしまった)と坂上は思っていると、風間が話しかけてきた。
 「なんだよ、そのキツネにつかまれたような顔は。
 怖い話をしろ?それじゃあ、もう一つ取っておきの話をしてやろう」


 実は1年生が使っているゲタ箱に、異常な悪臭を放っている靴が置かれているのは知っているか?
 その匂いの酷さに思わず顔を背けてしまう。恐ろしい話だよね。終わり。
  • これで終わりなんですか?
  • ありがとうございました
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  • ええ、もちろん聞きますよ
  • じゃあ、やめます
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 終わり。
  • そんな話で終わらせません
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 彼女、真面目なんだが付き合いが悪いのさ。誰が誘おうとも、決して誰とも付き合おうとしないんだ。
 いつも、さっさと帰ってしまう。帰宅部なのさ。
 ボクはね、ある日そんな彼女の秘密を偶然に知ってしまったんだよ。
 なんと彼女、8つも進学塾に通っていたんだ。
 終わり。
  • さっさと次の話に行ってください
  • ありがとうございました
 どちらを選んでも同じ→学校の食堂は、とてもまずい。
 終わり。
  • さあ次が七話目ですよ
  • ありがとうございました
 どちらを選んでも同じ→実はボクは1枚の写真を持っている。これはね、去年の学園祭のとき撮った写真さ。
 何の変哲もない写真だよな。2人の女子高生が写っているだけの。
 実は、この写真は心霊写真なんだよ。
 ボクのおじさんに、非常に霊感の強い人がいてね。このおじさんが、何気なくボクのアルバムを見てね。
 そのおじさんの指が、ふとあるページで突然止まったんだ。それが、このページだった。
 「望!お前、この写真、どこで撮った?」
 「学校で撮ったんですよ。学園祭のときだったと思いますけど」
 「この子はお前の友達か?この左側に写っている女の子だよ」
 「ええ、ボクと同じクラスの子ですけど」
 「この子、今どうしてる?無事なのか?この子には、子供が取り憑いている。この写真に、その子供がはっきり写っている」
 ボクは慌ててその写真を奪い取った。けれど、ボクには何も見えなかった。
 「よく、見てみろ。彼女の足に、子供が写っているじゃないか」
 ボクは目を皿のようにしてその写真を見入ると、確かに彼女の足には、しっかりと子供がくっついていたんだ。
 ほら、膝いしっかりと子供がくっついているじゃないか。その子供の名は、膝小僧。どうだ怖いだろう」
  • まさかこれで終わりですか?
  • ありがとうございました
 「ありがとうござました、風間さん。あれ?」
 坂上が礼をした頭を上げると、いつのまにか部室から風間の姿が消えていた。みんな、キツネにつままれたような顔をしている。
 誰も部屋から出た気配はない。それにほんの一瞬の出来事だ。
 「こんなことになってしまったけれど、話を続けるの?」
 岩下の声で我に返った坂上。
 「この集まりは、何かに呪われているような気がします。今日は、もうやめましょう」
 坂上がそう言うと、皆は足早に部室を後にした。
 そして、誰もいなくなった部室を坂上が最後に出ようとした瞬間、恐ろしいことが起こった。
 なんと、風間が机の下からひょいと現れたのだ。
 「ははは、ちょっと隠れただけなのに、みんな臆病だなあ。
 坂上君も、七不思議の聞き役なのに、これくらいのことでビビッてどうするんだい?」
 (きっとみんなは風間さんが机の下に隠れていたことはわかってたはずだ。でも、みんなもこんな集会は早く終わらせたかったのだろう。だから、誰も何も言わずに帰っていってしまった。
 参った、本当に参った。日野先輩に何て謝ろう)
 この時、坂上は学校の七不思議の特集記事に、こう一文を書いてやろうとここに決めた。
 『この学校の七不思議の最大の一つ、恐ろしい人間の話をしよう。この学校には、風間望という、恐ろしくふざけた奴がいる。終わり』
 

 エンディング№187:ひとり七不思議
 エンディング数 69/657 達成度10%
 キャラクター図鑑 54/122 達成度44%
 イラストギャラリー 38/283 達成度13%

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 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
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 4人目は風間望を選択!


 「ボクの名前は風間望。3年生だ。通称、鳴神学園の貴公子、ノゾムンを呼ばれている。すべての女子生徒はボクのことを親愛の意を込めてノゾムンと呼ぶんだよ。
 キミは男子だけれど特別にノゾムンと呼ばせてやってもいいぜ」
  • 呼びたいです
  • 別にどっちでも
  • お断りします
  • なんでノゾムンなんですか?
 「別にどっちでもだって?キミは何て主体性のない人間なんだ」
 この後、風間はカレーライスとライスカレーの違いを力説しだす。
  • あのう、怖い話をしていませんが?
  • これって、七不思議の集会ですよね?
  • ありがとうございました
  • 本当にこれで終わりなんですか?
 「あれ?キミはボクの話がまだ理解できないの?」
 風間は、ラーメンライスはあるけど、ライスラーメンはないことを説明しだす。
  • だから、怖い話をしていませんが?
  • これって、七不思議の集会ですよね?
  • ありがとうございました
  • あのう、ちょっといいですか?→シナリオ:下半身ババア
 「仕方ない。それじゃあ、とっておきの怖い話をしてあげよう」


 シナリオ:ひとり七不思議開始!


 「正門の横に、校長先生の銅像があるのは知ってるだろう?あれは、夜中になると、ひとりでに動き出すんだ。終わり」
 「なに、もっと詳しく話してほしい?まあでも仕方ないな。それでは詳しく話してやろうか」


 生徒通用門から入り右手に進み7本目の植木の左にある花壇越しに見える裏庭から新校舎の北へ向かった117歩ほど歩いたところで左に曲がった場所にしめやかにたたずむ校長先生の銅像。
 終わり。


 「なんだ、キミのその不満そうな眼は。きちんと話したじゃないか」
 「意味が違う?ほほう、実はキミ、あの銅像の秘密を知っているんじゃないのか?
 まさか、我が学園にボク以外にあの銅像の秘密を知っている人間がいたとはね。キミの博識に免じてあの銅像の秘密をここで公表しようじゃないか」


 「実はあれは銅像ではない。あれは、ブロンズ像だ」
 (僕は、彼の生と愛と死について考え・・・やめよう。
 まぜこんな気持ちになってしまったのだろう。
 風間さんのせいだ、まったく、この人は何なんだ?あまり、関わり合いにならない方がよさそうだ)と坂上は思った。

 エンディング№185:どうでもいい愛と死について
 エンディング数 68/657 達成度10%
 キャラクター図鑑 54/122 達成度44%
 イラストギャラリー 37/283 達成度13%

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 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
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 1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
 2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
 3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)


 4人目は風間望を選択!


 「ボクの名前は風間望。3年生だ。通称、鳴神学園の貴公子、ノゾムンを呼ばれている。すべての女子生徒はボクのことを親愛の意を込めてノゾムンと呼ぶんだよ。
 キミは男子だけれど特別にノゾムンと呼ばせてやってもいいぜ」
  • 呼びたいです
  • 別にどっちでも
  • お断りします
  • なんでノゾムンなんですか?
 「別にどっちでもだって?キミは何て主体性のない人間なんだ」
 この後、風間はカレーライスとライスカレーの違いを力説しだす。
  • あのう、怖い話をしていませんが?
  • これって、七不思議の集会ですよね?
  • ありがとうございました
  • 本当にこれで終わりなんですか?
 「あれ?キミはボクの話がまだ理解できないの?」
 風間は、ラーメンライスはあるけど、ライスラーメンはないことを説明しだす。
  • だから、怖い話をしていませんが?
  • これって、七不思議の集会ですよね?
  • ありがとうございました
  • あのう、ちょっといいですか?→シナリオ:下半身ババア
 「仕方ない。それじゃあ、とっておきの怖い話をしてあげよう」


 シナリオ:ひとり七不思議開始!


 「正門の横に、校長先生の銅像があるのは知ってるだろう?あれは、夜中になると、ひとりでに動き出すんだ。終わり」
 「なに、もっと詳しく話してほしい?まあでも仕方ないな。それでは詳しく話してやろうか」


 生徒通用門から入り右手に進み7本目の植木の左にある花壇越しに見える裏庭から新校舎の北へ向かった117歩ほど歩いたところで左に曲がった場所にしめやかにたたずむ校長先生の銅像。
 終わり。


 「なんだ、キミのその不満そうな眼は。きちんと話したじゃないか」
 「意味が違う?ほほう、実はキミ、あの銅像の秘密を知っているんじゃないのか?
 まさか、我が学園にボク以外にあの銅像の秘密を知っている人間がいたとはね。キミの博識に免じてあの銅像の秘密をここで公表しようじゃないか」


 「実はあれは銅像ではない。あれは、ブロンズ像だ」
 (この人はなぜ、この世に生をうけたのだろうか。もういいや、次の人の話を聞こう)
 坂上がそう思い、「それでは風間さんの話は終わりにして・・・」と言いかけると、風間が、話はまだ終わっていない、と文句を言い出し、話を続けた。


 校長先生の銅像は夜中に動き始めて、こう言うのでした。
 悪い子はブツゾウ。


 「銅像なのにブツゾウ、最高だね、あっはははは」と風間は独りで笑い転げている。


 エンディング№184:銅像なのに仏像
 エンディング数 67/657 達成度10%
 キャラクター図鑑 54/122 達成度44%
 イラストギャラリー 37/283 達成度13%

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  • 呼びたいです
  • 別にどっちでも
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 この後、風間はカレーライスとライスカレーの違いを力説しだす。
  • あのう、怖い話をしていませんが?
  • これって、七不思議の集会ですよね?
  • ありがとうございました
  • 本当にこれで終わりなんですか?
 「あれ?キミはボクの話がまだ理解できないの?」
 風間は、ラーメンライスはあるけど、ライスラーメンはないことを説明しだす。
  • だから、怖い話をしていませんが?
  • これって、七不思議の集会ですよね?
  • ありがとうございました
  • あのう、ちょっといいですか?→シナリオ:下半身ババア
 「仕方ない。それじゃあ、とっておきの怖い話をしてあげよう」


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 「正門の横に、校長先生の銅像があるのは知ってるだろう?あれは、夜中になると、ひとりでに動き出すんだ。終わり」
 「なに、もっと詳しく話してほしい?まあでも仕方ないな。それでは詳しく話してやろうか」


 生徒通用門から入り右手に進み7本目の植木の左にある花壇越しに見える裏庭から新校舎の北へ向かった117歩ほど歩いたところで左に曲がった場所にしめやかにたたずむ校長先生の銅像。
 終わり。


 「なんだ、キミのその不満そうな眼は。きちんと話したじゃないか」
 「意味が違う?ほほう、実はキミ、あの銅像の秘密を知っているんじゃないのか?
 まさか、我が学園にボク以外にあの銅像の秘密を知っている人間がいたとはね。キミの博識に免じてあの銅像の秘密をここで公表しようじゃないか」


 「実はあれは銅像ではない。あれは、ブロンズ像だ」
  • 何で先輩はこんな人を呼んだんだろう、と考える
  • この人がこの世に生をうけたわけを考える
  • この人の生と愛と死について考える
  • 風間望・・・いい名前だ
 (一体何なんだこの人は)
 坂上がそう思っていると、風間は、「ボクみたいな色男が、レディとのデートを振り払ってきてるんだからさ、お茶でも出したら?」と言い出した。
 (もうこの人とは話したくない。
 いいじゃないか、こういう話も、非常に学校の七不思議らしいオーソドックスに話だ。
 さあ、気を取り直して集会を進めよう)


 エンディング№183:これぞ普通の七不思議
 エンディング数 66/657 達成度10%
 キャラクター図鑑 54/122 達成度44%
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 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


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 キミは男子だけれど特別にノゾムンと呼ばせてやってもいいぜ」
  • 呼びたいです
  • 別にどっちでも
  • お断りします
  • なんでノゾムンなんですか?
 「別にどっちでもだって?キミは何て主体性のない人間なんだ」
 この後、風間はカレーライスとライスカレーの違いを力説しだす。
  • あのう、怖い話をしていませんが?
  • これって、七不思議の集会ですよね?
  • ありがとうございました
  • 本当にこれで終わりなんですか?
 「あれ?キミはボクの話がまだ理解できないの?」
 風間は、ラーメンライスはあるけど、ライスラーメンはないことを説明しだす。
  • だから、怖い話をしていませんが?
  • これって、七不思議の集会ですよね?
  • ありがとうございました
  • あのう、ちょっといいですか?→シナリオ:下半身ババア
 「仕方ない。それじゃあ、とっておきの怖い話をしてあげよう」


 シナリオ:ひとり七不思議開始!


 「正門の横に、校長先生の銅像があるのは知ってるだろう?あれは、夜中になると、ひとりでに動き出すんだ。終わり」
 「なに、もっと詳しく話してほしい?まあでも仕方ないな。それでは詳しく話してやろうか」


 生徒通用門から入り右手に進み7本目の植木の左にある花壇越しに見える裏庭から新校舎の北へ向かった117歩ほど歩いたところで左に曲がった場所にしめやかにたたずむ校長先生の銅像。
 終わり。


 「なんだ、キミのその不満そうな眼は。きちんと話したじゃないか」
  • それは言葉の意味が違います
  • やっぱり、いいです
 「すみません、やっぱり聞かないでおきます。何か嫌な予感がしますから」と坂上が言って、室内を見回すと、みんな不満そうな顔をしている。
 (いまさらやっぱり話してくれなんて言えない)と坂上が風間の方を見ると、風間はいつのまにか眠ってしまっていた。


 エンディング№182:風間さんは夢の中
 エンディング数 65/657 達成度9%
 キャラクター図鑑 54/122 達成度44%
 イラストギャラリー 37/283 達成度13%

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アパシー鳴神学園七不思議+危険な転校生
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 今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
 倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
 1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
 2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
 3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)


 4人目は風間望を選択!


 「ボクの名前は風間望。3年生だ。通称、鳴神学園の貴公子、ノゾムンを呼ばれている。すべての女子生徒はボクのことを親愛の意を込めてノゾムンと呼ぶんだよ。
 キミは男子だけれど特別にノゾムンと呼ばせてやってもいいぜ」
  • 呼びたいです
  • 別にどっちでも
  • お断りします
  • なんでノゾムンなんですか?
 「別にどっちでもだって?キミは何て主体性のない人間なんだ」
 この後、風間はカレーライスとライスカレーの違いを力説しだす。
  • あのう、怖い話をしていませんが?
  • これって、七不思議の集会ですよね?
  • ありがとうございました
  • 本当にこれで終わりなんですか?
 「あれ?キミはボクの話がまだ理解できないの?」
 風間は、ラーメンライスはあるけど、ライスラーメンはないことを説明しだす。
  • だから、怖い話をしていませんが?
  • これって、七不思議の集会ですよね?
  • ありがとうございました
  • あのう、ちょっといいですか?→シナリオ:下半身ババア
 「仕方ない。それじゃあ、とっておきの怖い話をしてあげよう」


 シナリオ:ひとり七不思議開始!


 「正門の横に、校長先生の銅像があるのは知ってるだろう?あれは、夜中になると、ひとりでに動き出すんだ。終わり」
  • これで終わりなんですか?
  • 黙って様子を見る
 風間はシャツをまくり上げ、おもむろにお腹をかきはじめた。
 しばらくすると、かくのを止め、腰を浮かせ、身を乗り出した。
 「ごめんごめん、おならしちゃった」
 風間の浮かせた腰の辺りからは、恐ろしく危険は香りが漂っていた。
 坂上は、風間の言動にこれ以上耐えられなくなり、もう関わりたくない、と思った。
 「風間さん、素晴らしいお話をありがとうございます。あ、帰っていただいても結構ですよ。
 そうですか、まだここにいるおつもりなんですか。でも、つまらなくなったらいつでも帰ってくださいね」」


 エンディング№181:危険な香り
 エンディング数 64/657 達成度9%
 キャラクター図鑑 54/122 達成度44%
 イラストギャラリー 37/283 達成度13%

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アパシー 鳴神学園七不思議 通常版
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 今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
 倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
 1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
 2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る


 3人目は福沢玲子を選択!


 「突然だけど坂上君って、宗教は入っている?」
  • 親と一緒→シナリオ:恋愛教
  • あまり人には言いたくない
  • 無神論者


 「もしかしたら、世間で悪い噂があるような宗教なのかな?
 坂上君、大変だよね。将来、苦労するよ、絶対」
  • 宗教から離れてください
  • それ、わかります
 「私がするのはするのは、他人に言えない悩みを抱えている人の話だよ」


 シナリオ:彼と彼女の秘密


 福沢のクラスに八重樫彰という男子生徒がいた。
 彼は甘いマクスで、アイドルみたいだって、入学当初からクラスで話題になっており、彼に恋い焦がれる女子も多かった。
 女の子たちは、八重樫とお付き合いできたらどんなにいいだろうって、あれこれ頭の中で想像を膨らませていたが、実際にアクションを起こせる人はそんなに多くなく、自分に自信がある女の子だけが、八重樫に果敢にアプローチしていった。
 その方法は、みんなの前で堂々と話すのではなくて、ラプレターだった。だから、八重樫の机や下駄箱には、しょっちゅう可愛い封筒のラブレターが入っていた。
 そして、校舎裏あたりに呼び出された八重樫は、女の子たちからの真剣な告白を受けるが、八重樫にも細かい好みがあるらしく、なかなか応えてあげることができず、女の子たちは軒並み討ち死にだった。
 しまいにはいったい誰と付き合うんだろう、って女の子間では噂になっていった。


 その日も登校した八重樫が机の中を確認すると、ラブレターが入っていた。
 そして日課のように、彼は放課後になると呼び出し場所に向かった。
 そこで佇んでいたのは、同じクラスの美津見志保だった。
 この瞬間、美津見はとりたてて美人というわけじゃないが、どこか惹かれる魅力を持っている女の子だと、八重樫は感じだ。
 「一目見た時から好きでした。私と付き合ってください」
 「ああ、いいよ」


 晴れて恋人同士になった八重樫と美津見は、周囲に見せつけるようなことはなくて、初々しく健全な学生らしいお付き合いをしていた。
 キスなんて当然してないし、手をつなぐこともない。そんな二人を周囲は静かに見守っていた。
 八重樫にふられた子たちも、腹いせに嫌がらせをするとかもなく、美津見にとっては穏やかな、そして甘い時間を過ごすことができた。


 実は八重樫は不良グループの一員だった。
 彼は、表向きは優等生で通っていたが、裏ではケンカに万引き、不良が通る道は一通り済ませているっていうなかなかの不良だった。
 そして、ケンカもなかなか強かった。
 ルックスが爽やかな美少年だから、親や先生には全然バレず、暇さえあれば不良仲間とつるんでいた。
 そんな八重樫だったが、美津見のために悪い連中とは縁を切ったほうがいいんじゃないか、と思い始めた。
 八重樫は、美津見の告白を受けた時、自分が本当は不良だなんてことはもちろん言えなかった。
 でも、そういうグループから抜けるのって、すごく勇気がいる。
 暴力に訴えられなくても、悪い噂を流されるかもしれない。それも真っ赤な嘘じゃなくて、さんざん仲間と繰り返してきた真実だから、否定することは無理だった。
 そんなことされたら、美津見に知られるどころか学校中に広まってしまう。
 結局、八重樫は、美津見に不良グループのことを話せず、脱退する決意を持てず、そのままずるずると隠しながら付き合うことを続けた。
 八重樫と美津見は休日になるたびに、つつましくデートを重ねていった。
 でも、楽しい時間を過ごす一方で、八重樫は、このままでいいのだろうかって、複雑な気持ちだった。
 不良ってことがバレたら、きっと美津見は悲しみ、怒る。そして、別れを切り出されてしまう。
 それはなんとしてでも避けたいというのが、八重樫の一番の望みだった。


 八重樫は、彼女ができてからは、不良連中と会う頻度を減らしていたが、最近付き合いが悪いことに、吉川虎之助と星野元風に気づかれてしまった。
 「なあ、最近付き合い悪くね?」
 「まあ、ちょっといろいろ忙しいもんで」
 「まさか、女でもできなんじゃないだろうなあ?」
 「いや、それは・・・」
 「おいおい、図星かよ。それで、最近は呼んでも断ってきたんだな。
 でよう、どんな彼女なんだ?」
 「可愛っすよ」
 「八重樫よ、彼女ができたからって、俺らと疎遠になるってことはないよな?」
 「そんなことはないっす。彼女ができたのは初めてなんで、なるべく構ってやりたかったんですよ。これからはグループの付き合いもちゃんと参加させていただきますから」


 八重樫はしばらく、美津見と彼氏と不良グループの一員という二足のわらじを、3対7くらいの割合で履いていた。
 美津見は八重樫と一緒にいられる時間が少し減ったが、特に疑問に思わなかった。むしろ、短い時間で濃密なデートを求めようとした。
 「手、繋いでみていい?」
 「うん」
 そっと握った美津見の手は、とても女の子らしい柔らかさと温かさがあって、ますます八重樫は美津見がいとおしくなった。
 同時に、自分の秘密が明らかになることを恐れた。幻滅されたくない、この子に、自分が不良だということを、絶対に知られたくない、と。


 不良仲間に気を遣って、つるんでいる時間をなるべく増やしていた八重樫だが、彼女と一緒にいるほうが楽しいし、この仲間から離れたい、と思っているせいか、思っていることが顔に出てしまっていた。
 「なあ、八重樫、心ここにあらずってか?」
 「別にそんなことはないっすよ。勉強もやらないとならないんで、ちょっと疲れてるっす」
 「お前は勉強もできるし、顔もいい。俺たちの希望の星だからな。
 お前の彼女さ、俺たちに紹介してくれねえ?」
 自分が不良だってことを誰よりも知られたくない八重樫には、無理に決まっていた。


 「逆らったらどうなるかわかったもんじゃない。
 ねえ、坂上君ならどうする?」
 八重樫は、もうこれ以上問題を引き延ばすのは止めようと決心し、今こそ不良グループを抜けて、悪の道と決別しようと思った。
 「ダメっすよ。彼女は関係ないっす」
 「なんだと?」
 「俺はもう、このグループを抜けます。不良はもう辞めます」
 「ふざけるな!おう、お前らやっちまえ!」
 八重樫はあっという間に取り囲まれ、ボコボコにされて、病院に担ぎ込まれた。


 「八重樫君、どうしてこんなことに」
 何も知らずに見舞いにきた美津見は、涙を浮かべて聞いてきた。
 「はは、ちょっとチンピラのケンカに巻き込まれて」
 八重樫は、決して本当の理由を言おうとはしなかったが、美津見は疑ってかかった。
 「この前から、何かに悩んでいる風だったよね。それが関係あるんじゃないの?」
 「そんなことないよ」
 「嘘つかないで。やっぱりそうなのね。わかった」
 美津見はやけに悲壮な顔をして、何かを決意したみたいだった。
 「私に任せて。あなたの悩み、取り除いてあげるから!」
 そう言って美津見は病室を出て行った。


 そして数日後、事件は起きた。
 「これ、見て」
 八重樫を見舞いに来た美津見が、とっても嬉しそうな顔をして新聞を持ってきた。
 八重樫が言われるがままに記事に目を通すと、『集団自殺か』なんて見出しで、駅のホームで事故が起こったとあった。
 鳴神学園の男子生徒数名が、いきなり手を繋いでそのまま線路に飛び込んで電車に轢かれたってことが書かれていた。
 そこに書かれている名前は、あの不良グループのメンバーだった。
 「もう、あなたを困らせて奴らはいないわよね」
 「ああ」
 そう言いかけて、八重樫はおかしいと思った。いつ、どうやって彼女は、自分と不良グループとの関係を知ったのかって。
 「どうして君が、こいつらのことを」
 そう質問すると、美津見は背筋が寒くなるような微笑みを浮かべた。
 「私ね、あるお方にお願いしたの。あなたの悩みを取り除いてほしいって」
 「え?」
 「前から、そのお方の噂は耳にしていたの。そのお方と契約すれば、どんなことも思いのままだって。
 噂は本当だったわ。私は迷わず、そのお方と血の契約を結んだのよ」
 「嘘だろう、そんなこと」
 「嘘じゃないわ。契約内容はね、私の死後の魂を差し出すこと。
 そして私は、あなたを苦しめていた連中の始末を頼んだわ。ふふ、確かな効果があったわ。
 そのお方はね、他に人間の魂を差し出せば、また願いを聞いてくれるって言うのよ。
 うふふ、これからも、何かあったときは私があなたを守ってあげるから、安心して」


 「ちょっといいかしら」と突然、岩下が口を挟んだ。
 「あなた、そのお方のこと、知っているのかしら」
 「いえ、知りませんけど、たぶんどっかの邪教集団の教祖じゃないかなって」
 「私、心当たりがあるの。そのお方って、2年C組の中山真美華のことだと思うわ」
 細田が「あのー、僕、中山さんと同じクラスですよ」と言った。
 福沢「どんな子かよく知ってますよねえ」
 細田「どんでもない。あの子にだけは何があっても近寄りたくないですよ。実験材料にされちゃいますから」
 岩下「とにかく中山真美華が動き始めたとなると、まずいわね。福沢さん、その八重樫君と美津見さんをちょっと呼んでもらえるかしら?」
 細田「はい、メールしてみます」
 岩下「風間君、綾小路君に連絡取れる?」
 風間「呼ぶから待ってて子猫ちゃん」
 福沢「連絡取れました。二人とも、会えるそうです」
 風間「綾小路も来るってさ」
 岩下「坂上君、できればもうこの集会を終わらせたいんだけど、いいかしら?」


 坂上(いったい、どうすればいいんだ?)
 坂上「わかりました。なんだが重大そうなことが起きそうなので、いったん集会は止めにします」
 岩下「賢い選択だわ」
 坂上「その代わりと言ってはなんですが、僕も連れて行ってください」
 岩下「それは賢い選択とは言えないわ」
 坂上「お願いします。僕もこの会の聞き役という責任がありますから」
 岩下「確かにそうね。でも邪魔はしないでよ。そして、自分の命は自分で守ること。
 新堂君と荒井君はどうするの?」
 新堂「俺も付き合わせてもらうぜ」
 荒井「もちろん僕もお付き合いしますよ」
 そして、全員が新聞部を後にした。
 これから一体何が始まるのか、まだ坂上は知らなかった。


 エンディング№145:終焉の始まり
 エンディング数 63/657 達成度9%
 キャラクター図鑑 54/122 達成度44%
 イラストギャラリー 37/283 達成度13%


 (エンディング№143は岩下の話を聞いてない場合なので、また別の機会に)

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 今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
 倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
 1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
 2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る


 3人目は福沢玲子を選択!


 「突然だけど坂上君って、宗教は入っている?」
  • 親と一緒→シナリオ:恋愛教
  • あまり人には言いたくない
  • 無神論者


 「もしかしたら、世間で悪い噂があるような宗教なのかな?
 坂上君、大変だよね。将来、苦労するよ、絶対」
  • 宗教から離れてください
  • それ、わかります
 「私がするのはするのは、他人に言えない悩みを抱えている人の話だよ」


 シナリオ:彼と彼女の秘密


 福沢のクラスに八重樫彰という男子生徒がいた。
 彼は甘いマクスで、アイドルみたいだって、入学当初からクラスで話題になっており、彼に恋い焦がれる女子も多かった。
 女の子たちは、八重樫とお付き合いできたらどんなにいいだろうって、あれこれ頭の中で想像を膨らませていたが、実際にアクションを起こせる人はそんなに多くなく、自分に自信がある女の子だけが、八重樫に果敢にアプローチしていった。
 その方法は、みんなの前で堂々と話すのではなくて、ラプレターだった。だから、八重樫の机や下駄箱には、しょっちゅう可愛い封筒のラブレターが入っていた。
 そして、校舎裏あたりに呼び出された八重樫は、女の子たちからの真剣な告白を受けるが、八重樫にも細かい好みがあるらしく、なかなか応えてあげることができず、女の子たちは軒並み討ち死にだった。
 しまいにはいったい誰と付き合うんだろう、って女の子間では噂になっていった。


 その日も登校した八重樫が机の中を確認すると、ラブレターが入っていた。
 そして日課のように、彼は放課後になると呼び出し場所に向かった。
 そこで佇んでいたのは、同じクラスの美津見志保だった。
 この瞬間、美津見はとりたてて美人というわけじゃないが、どこか惹かれる魅力を持っている女の子だと、八重樫は感じだ。
 「一目見た時から好きでした。私と付き合ってください」
 「ああ、いいよ」


 晴れて恋人同士になった八重樫と美津見は、周囲に見せつけるようなことはなくて、初々しく健全な学生らしいお付き合いをしていた。
 キスなんて当然してないし、手をつなぐこともない。そんな二人を周囲は静かに見守っていた。
 八重樫にふられた子たちも、腹いせに嫌がらせをするとかもなく、美津見にとっては穏やかな、そして甘い時間を過ごすことができた。


 実は八重樫は不良グループの一員だった。
 彼は、表向きは優等生で通っていたが、裏ではケンカに万引き、不良が通る道は一通り済ませているっていうなかなかの不良だった。
 そして、ケンカもなかなか強かった。
 ルックスが爽やかな美少年だから、親や先生には全然バレず、暇さえあれば不良仲間とつるんでいた。
 そんな八重樫だったが、美津見のために悪い連中とは縁を切ったほうがいいんじゃないか、と思い始めた。
 八重樫は、美津見の告白を受けた時、自分が本当は不良だなんてことはもちろん言えなかった。
 でも、そういうグループから抜けるのって、すごく勇気がいる。
 暴力に訴えられなくても、悪い噂を流されるかもしれない。それも真っ赤な嘘じゃなくて、さんざん仲間と繰り返してきた真実だから、否定することは無理だった。
 そんなことされたら、美津見に知られるどころか学校中に広まってしまう。
 結局、八重樫は、美津見に不良グループのことを話せず、脱退する決意を持てず、そのままずるずると隠しながら付き合うことを続けた。
 八重樫と美津見は休日になるたびに、つつましくデートを重ねていった。
 でも、楽しい時間を過ごす一方で、八重樫は、このままでいいのだろうかって、複雑な気持ちだった。
 不良ってことがバレたら、きっと美津見は悲しみ、怒る。そして、別れを切り出されてしまう。
 それはなんとしてでも避けたいというのが、八重樫の一番の望みだった。


 八重樫は、彼女ができてからは、不良連中と会う頻度を減らしていたが、最近付き合いが悪いことに、吉川虎之助と星野元風に気づかれてしまった。
 「なあ、最近付き合い悪くね?」
 「まあ、ちょっといろいろ忙しいもんで」
 「まさか、女でもできなんじゃないだろうなあ?」
 「いや、それは・・・」
 「おいおい、図星かよ。それで、最近は呼んでも断ってきたんだな。
 でよう、どんな彼女なんだ?」
 「可愛っすよ」
 「八重樫よ、彼女ができたからって、俺らと疎遠になるってことはないよな?」
 「そんなことはないっす。彼女ができたのは初めてなんで、なるべく構ってやりたかったんですよ。これからはグループの付き合いもちゃんと参加させていただきますから」


 八重樫はしばらく、美津見と彼氏と不良グループの一員という二足のわらじを、3対7くらいの割合で履いていた。
 美津見は八重樫と一緒にいられる時間が少し減ったが、特に疑問に思わなかった。むしろ、短い時間で濃密なデートを求めようとした。
 「手、繋いでみていい?」
 「うん」
 そっと握った美津見の手は、とても女の子らしい柔らかさと温かさがあって、ますます八重樫は美津見がいとおしくなった。
 同時に、自分の秘密が明らかになることを恐れた。幻滅されたくない、この子に、自分が不良だということを、絶対に知られたくない、と。


 不良仲間に気を遣って、つるんでいる時間をなるべく増やしていた八重樫だが、彼女と一緒にいるほうが楽しいし、この仲間から離れたい、と思っているせいか、思っていることが顔に出てしまっていた。
 「なあ、八重樫、心ここにあらずってか?」
 「別にそんなことはないっすよ。勉強もやらないとならないんで、ちょっと疲れてるっす」
 「お前は勉強もできるし、顔もいい。俺たちの希望の星だからな。
 お前の彼女さ、俺たちに紹介してくれねえ?」
 自分が不良だってことを誰よりも知られたくない八重樫には、無理に決まっていた。


 「逆らったらどうなるかわかったもんじゃない。
 ねえ、坂上君ならどうする?」
 八重樫は、もうこれ以上問題を引き延ばすのは止めようと決心し、今こそ不良グループを抜けて、悪の道と決別しようと思った。
 「ダメっすよ。彼女は関係ないっす」
 「なんだと?」
 「俺はもう、このグループを抜けます。不良はもう辞めます」
 「ふざけるな!おう、お前らやっちまえ!」
 八重樫はあっという間に取り囲まれ、ボコボコにされて、病院に担ぎ込まれた。


 「八重樫君、どうしてこんなことに」
 何も知らずに見舞いにきた美津見は、涙を浮かべて聞いてきた。
 「はは、ちょっとチンピラのケンカに巻き込まれて」
 八重樫は、決して本当の理由を言おうとはしなかったが、美津見は疑ってかかった。
 「この前から、何かに悩んでいる風だったよね。それが関係あるんじゃないの?」
 「そんなことないよ」
 「嘘つかないで。やっぱりそうなのね。わかった」
 美津見はやけに悲壮な顔をして、何かを決意したみたいだった。
 「私に任せて。あなたの悩み、取り除いてあげるから!」
 そう言って美津見は病室を出て行った。


 そして数日後、事件は起きた。
 「これ、見て」
 八重樫を見舞いに来た美津見が、とっても嬉しそうな顔をして新聞を持ってきた。
 八重樫が言われるがままに記事に目を通すと、『集団自殺か』なんて見出しで、駅のホームで事故が起こったとあった。
 鳴神学園の男子生徒数名が、いきなり手を繋いでそのまま線路に飛び込んで電車に轢かれたってことが書かれていた。
 そこに書かれている名前は、あの不良グループのメンバーだった。
 「もう、あなたを困らせて奴らはいないわよね」
 「ああ」
 そう言いかけて、八重樫はおかしいと思った。いつ、どうやって彼女は、自分と不良グループとの関係を知ったのかって。
 「どうして君が、こいつらのことを」
 そう質問すると、美津見は背筋が寒くなるような微笑みを浮かべた。
 「私ね、あるお方にお願いしたの。あなたの悩みを取り除いてほしいって」
 「え?」
 「前から、そのお方の噂は耳にしていたの。そのお方と契約すれば、どんなことも思いのままだって。
 噂は本当だったわ。私は迷わず、そのお方と血の契約を結んだのよ」
 「嘘だろう、そんなこと」
 「嘘じゃないわ。契約内容はね、私の死後の魂を差し出すこと。
 そして私は、あなたを苦しめていた連中の始末を頼んだわ。ふふ、確かな効果があったわ。
 そのお方はね、他に人間の魂を差し出せば、また願いを聞いてくれるって言うのよ。
 うふふ、これからも、何かあったときは私があなたを守ってあげるから、安心して」


 「ちょっといいかしら」と突然、岩下が口を挟んだ。
 「あなた、そのお方のこと、知っているのかしら」
 「いえ、知りませんけど、たぶんどっかの邪教集団の教祖じゃないかなって」
 「私、心当たりがあるの。そのお方って、2年C組の中山真美華のことだと思うわ」
 細田が「あのー、僕、中山さんと同じクラスですよ」と言った。
 福沢「どんな子かよく知ってますよねえ」
 細田「どんでもない。あの子にだけは何があっても近寄りたくないですよ。実験材料にされちゃいますから」
 岩下「とにかく中山真美華が動き始めたとなると、まずいわね。福沢さん、その八重樫君と美津見さんをちょっと呼んでもらえるかしら?」
 細田「はい、メールしてみます」
 岩下「風間君、綾小路君に連絡取れる?」
 風間「呼ぶから待ってて子猫ちゃん」
 福沢「連絡取れました。二人とも、会えるそうです」
 風間「綾小路も来るってさ」
 岩下「坂上君、できればもうこの集会を終わらせたいんだけど、いいかしら?」


 坂上(いったい、どうすればいいんだ?)
  • だめです。座ってください
  • わかりました。止めましょう
 坂上「すいません、岩下さん。僕は日野先輩からこの会を預かっているので、勝手に止めるわけにはいきません。どうか、座ってください」
 岩下「そう、じゃあ退席させてもらうわ。あとはみんなで続けて。ただ、福沢さんと飾区んは借りていくわよ」
 福沢「はーい。なんかそっちの方が面白そうだしぃ。私、岩下さんについて行きまーす」
 風間「子猫ちゃんに誘われたら、断れるわけないじゃないか。また今度ね」
 細田「あ、僕も行きます!中山さんが関係しているのなら気になりますから」
 金髪のちょっと怖そうな人「じゃあ、俺も帰らせてもらうぜ」
 まだ話をしていない男「残ったのは、僕と坂上君だけですか。それではもう集会は続けられませんね。僕も帰らせていただきます」
 なんと全員帰ってしまい、誰もいなくなった新聞部に坂上一人が取り残された。
 集会は、なんとも気まずい雰囲気で幕を閉じた。
 (7人目も結局は来なかったし、僕も帰るか)


 エンディング№144:そして誰もいなくなった
 エンディング数 62/657 達成度9%
 キャラクター図鑑 54/122 達成度44%
 イラストギャラリー 37/283 達成度13%


 (エンディング№143は岩下の話を聞いてない場合なので、また別の機会に)

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 今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
 倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
 1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
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 3人目は福沢玲子を選択!


 「突然だけど坂上君って、宗教は入っている?」
  • 親と一緒→シナリオ:恋愛教
  • あまり人には言いたくない
  • 無神論者


 「もしかしたら、世間で悪い噂があるような宗教なのかな?
 坂上君、大変だよね。将来、苦労するよ、絶対」
  • 宗教から離れてください
  • それ、わかります
 「私がするのはするのは、他人に言えない悩みを抱えている人の話だよ」


 シナリオ:彼と彼女の秘密


 福沢のクラスに八重樫彰という男子生徒がいた。
 彼は甘いマクスで、アイドルみたいだって、入学当初からクラスで話題になっており、彼に恋い焦がれる女子も多かった。
 女の子たちは、八重樫とお付き合いできたらどんなにいいだろうって、あれこれ頭の中で想像を膨らませていたが、実際にアクションを起こせる人はそんなに多くなく、自分に自信がある女の子だけが、八重樫に果敢にアプローチしていった。
 その方法は、みんなの前で堂々と話すのではなくて、ラプレターだった。だから、八重樫の机や下駄箱には、しょっちゅう可愛い封筒のラブレターが入っていた。
 そして、校舎裏あたりに呼び出された八重樫は、女の子たちからの真剣な告白を受けるが、八重樫にも細かい好みがあるらしく、なかなか応えてあげることができず、女の子たちは軒並み討ち死にだった。
 しまいにはいったい誰と付き合うんだろう、って女の子間では噂になっていった。


 その日も登校した八重樫が机の中を確認すると、ラブレターが入っていた。
 そして日課のように、彼は放課後になると呼び出し場所に向かった。
 そこで佇んでいたのは、同じクラスの美津見志保だった。
 この瞬間、美津見はとりたてて美人というわけじゃないが、どこか惹かれる魅力を持っている女の子だと、八重樫は感じだ。
 「一目見た時から好きでした。私と付き合ってください」
 「ああ、いいよ」


 晴れて恋人同士になった八重樫と美津見は、周囲に見せつけるようなことはなくて、初々しく健全な学生らしいお付き合いをしていた。
 キスなんて当然してないし、手をつなぐこともない。そんな二人を周囲は静かに見守っていた。
 八重樫にふられた子たちも、腹いせに嫌がらせをするとかもなく、美津見にとっては穏やかな、そして甘い時間を過ごすことができた。


 実は八重樫は不良グループの一員だった。
 彼は、表向きは優等生で通っていたが、裏ではケンカに万引き、不良が通る道は一通り済ませているっていうなかなかの不良だった。
 そして、ケンカもなかなか強かった。
 ルックスが爽やかな美少年だから、親や先生には全然バレず、暇さえあれば不良仲間とつるんでいた。
 そんな八重樫だったが、美津見のために悪い連中とは縁を切ったほうがいいんじゃないか、と思い始めた。
 八重樫は、美津見の告白を受けた時、自分が本当は不良だなんてことはもちろん言えなかった。
 でも、そういうグループから抜けるのって、すごく勇気がいる。
 暴力に訴えられなくても、悪い噂を流されるかもしれない。それも真っ赤な嘘じゃなくて、さんざん仲間と繰り返してきた真実だから、否定することは無理だった。
 そんなことされたら、美津見に知られるどころか学校中に広まってしまう。
 結局、八重樫は、美津見に不良グループのことを話せず、脱退する決意を持てず、そのままずるずると隠しながら付き合うことを続けた。
 八重樫と美津見は休日になるたびに、つつましくデートを重ねていった。
 でも、楽しい時間を過ごす一方で、八重樫は、このままでいいのだろうかって、複雑な気持ちだった。
 不良ってことがバレたら、きっと美津見は悲しみ、怒る。そして、別れを切り出されてしまう。
 それはなんとしてでも避けたいというのが、八重樫の一番の望みだった。


 八重樫は、彼女ができてからは、不良連中と会う頻度を減らしていたが、最近付き合いが悪いことに、吉川虎之助と星野元風に気づかれてしまった。
 「なあ、最近付き合い悪くね?」
 「まあ、ちょっといろいろ忙しいもんで」
 「まさか、女でもできなんじゃないだろうなあ?」
 「いや、それは・・・」
 「おいおい、図星かよ。それで、最近は呼んでも断ってきたんだな。
 でよう、どんな彼女なんだ?」
 「可愛っすよ」
 「八重樫よ、彼女ができたからって、俺らと疎遠になるってことはないよな?」
 「そんなことはないっす。彼女ができたのは初めてなんで、なるべく構ってやりたかったんですよ。これからはグループの付き合いもちゃんと参加させていただきますから」


 八重樫はしばらく、美津見と彼氏と不良グループの一員という二足のわらじを、3対7くらいの割合で履いていた。
 美津見は八重樫と一緒にいられる時間が少し減ったが、特に疑問に思わなかった。むしろ、短い時間で濃密なデートを求めようとした。
 「手、繋いでみていい?」
 「うん」
 そっと握った美津見の手は、とても女の子らしい柔らかさと温かさがあって、ますます八重樫は美津見がいとおしくなった。
 同時に、自分の秘密が明らかになることを恐れた。幻滅されたくない、この子に、自分が不良だということを、絶対に知られたくない、と。


 不良仲間に気を遣って、つるんでいる時間をなるべく増やしていた八重樫だが、彼女と一緒にいるほうが楽しいし、この仲間から離れたい、と思っているせいか、思っていることが顔に出てしまっていた。
 「なあ、八重樫、心ここにあらずってか?」
 「別にそんなことはないっすよ。勉強もやらないとならないんで、ちょっと疲れてるっす」
 「お前は勉強もできるし、顔もいい。俺たちの希望の星だからな。
 お前の彼女さ、俺たちに紹介してくれねえ?」
 自分が不良だってことを誰よりも知られたくない八重樫には、無理に決まっていた。


 「逆らったらどうなるかわかったもんじゃない。
 ねえ、坂上君ならどうする?」
  • 彼女を紹介する
  • 逆らった
 八重樫は、彼女のことより、自分の保身を優先した。


 翌日、八重樫は美津見を遊びに誘った。
 「今日は友達を紹介したいんだ。そいつらも一緒に遊ぼうと思ってるんだけど、いいかな」
 「わかったわ。初めての友達が一緒なら、おめかししていかないとね」
 八重樫が美津見を連れて、待ち合わせ場所まで向かうと、すでに不良仲間たちは全員そろっていた。
 ニヤニヤ笑いながら、不良たちは舐めるように美津見を品定めした。
 美津見は、目つきは悪いし、髪を染めていたり、ピアスをしている不良たちをみて、ビックリしていた。
 不良たちは八重樫と美津見を連れて、ゲーセンにカラオケと回ったが、誰にも憚らずタバコをふかしていた。
 八重樫が美津見の顔を覗き見ると、あからさまに嫌そうな顔はしていなかったが、楽しそうな表情でもなかった。
 リーダーの吉川が、アジトへ行くか、と声を掛けた。
 不良たちは、人気の少ないところにある誰も使っていない廃墟をたまり場にしていた。


 アジトに着くと、いきなり吉川は八重樫を殴りつけて、「本当はグループを抜けたいって、顔に出まくりなんだよ。そんなこと許すわけねえだろうが!」と怒鳴った。
 「俺らの子と内心バカにしてだんたろう?ああ」と他のメンバーもガシガシと蹴ってくる。
 そして吉川は、「ナメた野郎には、お灸を据えてやらなきゃな。へへ、お前の目の前で、この女を・・・」と言って、美津見を無理やり地面に押し倒した。


 「ねえ、坂上君なら、こんな状況でどうするの?」
 「てめえら、彼女に何かしてみろ!絶対に殺してやる!」
 八重樫は大声で怒鳴った。
 でも結局、不良たちは全然止まらない。
 突如として八重樫の目の前が、白くまぶしく爆発し、そのまま気を失った。


 次に気づいた時、八重樫は自分の足で立っており、目の前の光景は様変わりしていた。
 一面が血の海だった。不良たちが全員、首を掻き切られて倒れ死んでいた。
 見れば、八重樫は彼らから受けた返り血で、真っ赤になっていた。どう考えてみて、殺したのは自分・・・
 「うわああああ!」
 あまりの不可解さに、八重樫が錯乱してしまうと、優しい女の声が聞こえた。
 「八重樫君」
 美津見が、血の海の真ん中に立っていた。彼女は何事もなく、衣服もまったく汚れていなかった。
 「ありがと、八重樫君。私を助けてくれて」
 惨状の中で美津見はうっとりと笑った。そこで、ついに八重樫が壊れた。
 「そうだね、俺は君を守ったんだ。あははは」


 「その後八重樫君は警察に逮捕されたよ。
 たった一人で、どうやってここまで殺せるのかって、警察も頭を悩ませてみたいだけど、八重樫君があくまでも自分がやったって言い張ったから、そのまま彼は施設行き。
 錯乱状態で全く記憶がなかったということと、殺めた相手が複数であるものの彼らから監禁状態になったことなど、情状酌量の余地はあると言われているものの、今もまだ真実はよくわかっていないみたいだけれどね。
 でも彼はね、今は病院にいるの。まあ精神が穏やかじゃないからさ。
 八重樫君、ひたすら美津見さんのことをつぶやいているそうでさ。
 ま、ある意味で幸せなのかな?あの愛する美津見さんのせいで、人生を台無しにさせられたってことを知らないで済むんだから。
 不良を殺したのは、美津見さんが八重樫君を操ったからなんだよ。美津見さんの正体は悪魔なの。その悪魔の能力でもって、八重樫君に不良を殺させたんだ。
 実はさ、事件があった時、私も現場にいたんだよ。
 実は私も八重樫君に告白したことがあるんだけど、ふられちゃって。そのすぐあと、八重樫君は美津見さんと付き合いだしたの。で、納得がいかなかっらから、あの二人を監視してたよの。
 私が見ていた限りでは周囲が光ったかと思うと、次の瞬間には八重樫君が不良たちを殺しにかかっていてね。
 それで私、はっきり見たんだ。殺戮を見守る美津見さんの顔がまるで人間とは思えぬ恐ろしい顔になっていたのを。それに影も人間の形じゃなかった。ツノを生えてたし、羽と尻尾も生えていたんだよ。
 美津見さんは今もこの学校にいるけど、近づかないほうがいいよ。悪魔なんだから、何かの拍子に殺されちゃうかもしれないからね」


 エンディング№142:悪魔に魅せられて
 エンディング数 61/657 達成度9%
 キャラクター図鑑 54/122 達成度44%
 イラストギャラリー 37/283 達成度13%

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 今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
 倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
 1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
 2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る


 3人目は福沢玲子を選択!


 「突然だけど坂上君って、宗教は入っている?」
  • 親と一緒→シナリオ:恋愛教
  • あまり人には言いたくない
  • 無神論者


 「もしかしたら、世間で悪い噂があるような宗教なのかな?
 坂上君、大変だよね。将来、苦労するよ、絶対」
  • 宗教から離れてください
  • それ、わかります
 「私がするのはするのは、他人に言えない悩みを抱えている人の話だよ」


 シナリオ:彼と彼女の秘密


 福沢のクラスに八重樫彰という男子生徒がいた。
 彼は甘いマクスで、アイドルみたいだって、入学当初からクラスで話題になっており、彼に恋い焦がれる女子も多かった。
 女の子たちは、八重樫とお付き合いできたらどんなにいいだろうって、あれこれ頭の中で想像を膨らませていたが、実際にアクションを起こせる人はそんなに多くなく、自分に自信がある女の子だけが、八重樫に果敢にアプローチしていった。
 その方法は、みんなの前で堂々と話すのではなくて、ラプレターだった。だから、八重樫の机や下駄箱には、しょっちゅう可愛い封筒のラブレターが入っていた。
 そして、校舎裏あたりに呼び出された八重樫は、女の子たちからの真剣な告白を受けるが、八重樫にも細かい好みがあるらしく、なかなか応えてあげることができず、女の子たちは軒並み討ち死にだった。
 しまいにはいったい誰と付き合うんだろう、って女の子間では噂になっていった。


 その日も登校した八重樫が机の中を確認すると、ラブレターが入っていた。
 そして日課のように、彼は放課後になると呼び出し場所に向かった。
 そこで佇んでいたのは、同じクラスの美津見志保だった。
 この瞬間、美津見はとりたてて美人というわけじゃないが、どこか惹かれる魅力を持っている女の子だと、八重樫は感じだ。
 「一目見た時から好きでした。私と付き合ってください」
 「ああ、いいよ」


 晴れて恋人同士になった八重樫と美津見は、周囲に見せつけるようなことはなくて、初々しく健全な学生らしいお付き合いをしていた。
 キスなんて当然してないし、手をつなぐこともない。そんな二人を周囲は静かに見守っていた。
 八重樫にふられた子たちも、腹いせに嫌がらせをするとかもなく、美津見にとっては穏やかな、そして甘い時間を過ごすことができた。


 実は八重樫は不良グループの一員だった。
 彼は、表向きは優等生で通っていたが、裏ではケンカに万引き、不良が通る道は一通り済ませているっていうなかなかの不良だった。
 そして、ケンカもなかなか強かった。
 ルックスが爽やかな美少年だから、親や先生には全然バレず、暇さえあれば不良仲間とつるんでいた。
 そんな八重樫だったが、美津見のために悪い連中とは縁を切ったほうがいいんじゃないか、と思い始めた。
 八重樫は、美津見の告白を受けた時、自分が本当は不良だなんてことはもちろん言えなかった。
 でも、そういうグループから抜けるのって、すごく勇気がいる。
 暴力に訴えられなくても、悪い噂を流されるかもしれない。それも真っ赤な嘘じゃなくて、さんざん仲間と繰り返してきた真実だから、否定することは無理だった。
 そんなことされたら、美津見に知られるどころか学校中に広まってしまう。
 結局、八重樫は、美津見に不良グループのことを話せず、脱退する決意を持てず、そのままずるずると隠しながら付き合うことを続けた。
 八重樫と美津見は休日になるたびに、つつましくデートを重ねていった。
 でも、楽しい時間を過ごす一方で、八重樫は、このままでいいのだろうかって、複雑な気持ちだった。
 不良ってことがバレたら、きっと美津見は悲しみ、怒る。そして、別れを切り出されてしまう。
 それはなんとしてでも避けたいというのが、八重樫の一番の望みだった。


 八重樫は、彼女ができてからは、不良連中と会う頻度を減らしていたが、最近付き合いが悪いことに、吉川虎之助と星野元風に気づかれてしまった。
 「なあ、最近付き合い悪くね?」
 「まあ、ちょっといろいろ忙しいもんで」
 「まさか、女でもできなんじゃないだろうなあ?」
 「いや、それは・・・」
 「おいおい、図星かよ。それで、最近は呼んでも断ってきたんだな。
 でよう、どんな彼女なんだ?」
 「可愛っすよ」
 「八重樫よ、彼女ができたからって、俺らと疎遠になるってことはないよな?」
 「そんなことはないっす。彼女ができたのは初めてなんで、なるべく構ってやりたかったんですよ。これからはグループの付き合いもちゃんと参加させていただきますから」


 八重樫はしばらく、美津見と彼氏と不良グループの一員という二足のわらじを、3対7くらいの割合で履いていた。
 美津見は八重樫と一緒にいられる時間が少し減ったが、特に疑問に思わなかった。むしろ、短い時間で濃密なデートを求めようとした。
 「手、繋いでみていい?」
 「うん」
 そっと握った美津見の手は、とても女の子らしい柔らかさと温かさがあって、ますます八重樫は美津見がいとおしくなった。
 同時に、自分の秘密が明らかになることを恐れた。幻滅されたくない、この子に、自分が不良だということを、絶対に知られたくない、と。


 不良仲間に気を遣って、つるんでいる時間をなるべく増やしていた八重樫だが、彼女と一緒にいるほうが楽しいし、この仲間から離れたい、と思っているせいか、思っていることが顔に出てしまっていた。
 「なあ、八重樫、心ここにあらずってか?」
 「別にそんなことはないっすよ。勉強もやらないとならないんで、ちょっと疲れてるっす」
 「お前は勉強もできるし、顔もいい。俺たちの希望の星だからな。
 お前の彼女さ、俺たちに紹介してくれねえ?」
 自分が不良だってことを誰よりも知られたくない八重樫には、無理に決まっていた。


 「逆らったらどうなるかわかったもんじゃない。
 ねえ、坂上君ならどうする?」
  • 彼女を紹介する
  • 逆らった
 八重樫は、彼女のことより、自分の保身を優先した。


 翌日、八重樫は美津見を遊びに誘った。
 「今日は友達を紹介したいんだ。そいつらも一緒に遊ぼうと思ってるんだけど、いいかな」
 「わかったわ。初めての友達が一緒なら、おめかししていかないとね」
 八重樫が美津見を連れて、待ち合わせ場所まで向かうと、すでに不良仲間たちは全員そろっていた。
 ニヤニヤ笑いながら、不良たちは舐めるように美津見を品定めした。
 美津見は、目つきは悪いし、髪を染めていたり、ピアスをしている不良たちをみて、ビックリしていた。
 不良たちは八重樫と美津見を連れて、ゲーセンにカラオケと回ったが、誰にも憚らずタバコをふかしていた。
 八重樫が美津見の顔を覗き見ると、あからさまに嫌そうな顔はしていなかったが、楽しそうな表情でもなかった。
 リーダーの吉川が、アジトへ行くか、と声を掛けた。
 不良たちは、人気の少ないところにある誰も使っていない廃墟をたまり場にしていた。


 アジトに着くと、いきなり吉川は八重樫を殴りつけて、「本当はグループを抜けたいって、顔に出まくりなんだよ。そんなこと許すわけねえだろうが!」と怒鳴った。
 「俺らの子と内心バカにしてだんたろう?ああ」と他のメンバーもガシガシと蹴ってくる。
 そして吉川は、「ナメた野郎には、お灸を据えてやらなきゃな。へへ、お前の目の前で、この女を・・・」と言って、美津見を無理やり地面に押し倒した。


 「ねえ、坂上君なら、こんな状況でどうするの?」
 「うおおおおお」
 やっぱり諦めたくない。そう思った八重樫は、頭の血管が切れそうなほどに叫んで身をよじった。
 でも、無駄な足掻きで、八重樫は頭を掴まれ、固い地面にガンガン叩きつけられ、頭が割れて血まみれになった。
 もっと俺に力があれば、こんなことには・・・際限のない怒りが八重樫を支配したその時、周囲の気温がものすごく高くなっていった。
 立ち上がった八重樫の瞳が、炎のように赤く燃え盛っていた。熱は彼の全身から発散sれて、まるで砂漠の真ん中にでもいるかのようだった。
 八重樫の全身が赤く燃えていた。
 「てめぇら、許さねえ!」
 次の瞬間、八重樫はリーダーをぶんなぐっていた。
 リーダーは軽く10メートルは吹っ飛んで、口から血と折れた歯をまき散らして、そのまま失神した。
 我先にと逃げ出す不良たちだが、八重樫はチーターみたいな瞬発力で回り込み、クマみたいなパンチで殴ると、誰も彼も一撃で地面に倒れて行った。
 最後の一人を倒すと、リーダーから失神から目覚めた。
 状況を理解したリーダーは、八重樫が何も言わないうちに、ものすごい勢いで土下座をした。
 「やめてくれえええ!俺らが悪かった!」
 八重樫はリーダーに近づくと、その頭を靴の裏でグリグリとした。
 「なら、これから俺がリーダーだ。俺に忠誠を誓うか?」
 「誓う!」
 「言葉遣い!」
 「あ、すいません。誓わせていただきます。だから命だけはどうかご勘弁を!」
 「よぉし、よくできました!」
 不良たちは順に目覚めていったけど、八重樫を同じように踏んづけて、自分に忠誠を誓わせていった。
 そして、すべてを見守っていた美津見は、
 「ありがとう、八重樫君。諦めず、私を助けようとしてくれて」
 と言って、悪魔のような力をふるった彼氏に、何も恐れず寄り添った。
 八重樫は大声で笑って、彼女の肩を抱き寄せた。
 「俺、すごくいい気分だ。何か、不思議な力が宿ったような気がするぜ。これからも君を守ってみせるよ」
 「ええ、頼りにしているわ」


 「こうして八重樫君はグループの新しいリーダーになったの。今も彼らはつるんでいるわ。
 休日は朝から公園や駅前の掃除、そして午後からは老人ホームや児童養護施設の慰問をしているの。
 それに元リーダーの吉川さんて、怖い顔しているけれどお年寄りや児童には物凄く優しいんだって。
 まあ、逆らったら何をされるかわかっているから余計に必死なんだとは思うけど、もしからしたら、性根は真面目で優しい人だったのかもね。
 私さ、八重樫君に告白したけどふられちゃって。それなのに、彼ってば、美津見さんと付き合したもんだから、納得できなくてさ。
 それでいつも、二人を監視してたの。まさか、あんな場面がみられるなんてねえ。
 その時私、しっかり確認したんだ。八重樫君に寄り添う美津見さんの影が、人間ではない生き物の形になっているのをさ。
 影に羽が生えているの。あれって悪魔?それとも天使?
 実は、その時美津見さんとうっかり目が合っちゃってね。
 そうしたら彼女、私を見てにっこり微笑んでウインクなんかしたんだよ。あれは小悪魔?それとも堕天使?
 でもさ、人間じゃないのは間違いないよね。
 八重樫君が不良たちを叩きのめせたのは、美津見さんの能力を分け与えらえれたからなんだよ。
 このことを新聞に書いたら、もしかしたら大スクープになるかもね。もっとも、みんなが信じてくれればの話だけれど。
 実は私、あの後美津見さんに呼び出されたの。でね、その時こう言われたの。
 『私たちのことを知ったあなたに、これをあげるわ。これは時を呼ぶペンダントっていうの。いつか、これをあげる人が見つかったら、渡してあげて』
 『それって、どんな人?』
 『その人と会えたら、直感があなたに教えてくれるから。だから、忘れないで渡してね』
 それが、この時だ。今、ビビッときたもの。
 だからね、この時のペンダントってやる、渡しておくよ。何がどうなるのかさっぱりわからないけれど、私からのプレゼントだと思って大事にしてね。きゃはははは」


 エンディング№141:悪魔と天使の狭間で
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 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
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 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
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 1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
 2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る


 3人目は福沢玲子を選択!


 「突然だけど坂上君って、宗教は入っている?」
  • 親と一緒→シナリオ:恋愛教
  • あまり人には言いたくない
  • 無神論者


 「もしかしたら、世間で悪い噂があるような宗教なのかな?
 坂上君、大変だよね。将来、苦労するよ、絶対」
  • 宗教から離れてください
  • それ、わかります
 「私がするのはするのは、他人に言えない悩みを抱えている人の話だよ」


 シナリオ:彼と彼女の秘密


 福沢のクラスに八重樫彰という男子生徒がいた。
 彼は甘いマクスで、アイドルみたいだって、入学当初からクラスで話題になっており、彼に恋い焦がれる女子も多かった。
 女の子たちは、八重樫とお付き合いできたらどんなにいいだろうって、あれこれ頭の中で想像を膨らませていたが、実際にアクションを起こせる人はそんなに多くなく、自分に自信がある女の子だけが、八重樫に果敢にアプローチしていった。
 その方法は、みんなの前で堂々と話すのではなくて、ラプレターだった。だから、八重樫の机や下駄箱には、しょっちゅう可愛い封筒のラブレターが入っていた。
 そして、校舎裏あたりに呼び出された八重樫は、女の子たちからの真剣な告白を受けるが、八重樫にも細かい好みがあるらしく、なかなか応えてあげることができず、女の子たちは軒並み討ち死にだった。
 しまいにはいったい誰と付き合うんだろう、って女の子間では噂になっていった。


 その日も登校した八重樫が机の中を確認すると、ラブレターが入っていた。
 そして日課のように、彼は放課後になると呼び出し場所に向かった。
 そこで佇んでいたのは、同じクラスの美津見志保だった。
 この瞬間、美津見はとりたてて美人というわけじゃないが、どこか惹かれる魅力を持っている女の子だと、八重樫は感じだ。
 「一目見た時から好きでした。私と付き合ってください」
 「ああ、いいよ」


 晴れて恋人同士になった八重樫と美津見は、周囲に見せつけるようなことはなくて、初々しく健全な学生らしいお付き合いをしていた。
 キスなんて当然してないし、手をつなぐこともない。そんな二人を周囲は静かに見守っていた。
 八重樫にふられた子たちも、腹いせに嫌がらせをするとかもなく、美津見にとっては穏やかな、そして甘い時間を過ごすことができた。


 実は八重樫は不良グループの一員だった。
 彼は、表向きは優等生で通っていたが、裏ではケンカに万引き、不良が通る道は一通り済ませているっていうなかなかの不良だった。
 そして、ケンカもなかなか強かった。
 ルックスが爽やかな美少年だから、親や先生には全然バレず、暇さえあれば不良仲間とつるんでいた。
 そんな八重樫だったが、美津見のために悪い連中とは縁を切ったほうがいいんじゃないか、と思い始めた。
 八重樫は、美津見の告白を受けた時、自分が本当は不良だなんてことはもちろん言えなかった。
 でも、そういうグループから抜けるのって、すごく勇気がいる。
 暴力に訴えられなくても、悪い噂を流されるかもしれない。それも真っ赤な嘘じゃなくて、さんざん仲間と繰り返してきた真実だから、否定することは無理だった。
 そんなことされたら、美津見に知られるどころか学校中に広まってしまう。
 結局、八重樫は、美津見に不良グループのことを話せず、脱退する決意を持てず、そのままずるずると隠しながら付き合うことを続けた。
 八重樫と美津見は休日になるたびに、つつましくデートを重ねていった。
 でも、楽しい時間を過ごす一方で、八重樫は、このままでいいのだろうかって、複雑な気持ちだった。
 不良ってことがバレたら、きっと美津見は悲しみ、怒る。そして、別れを切り出されてしまう。
 それはなんとしてでも避けたいというのが、八重樫の一番の望みだった。


 八重樫は、彼女ができてからは、不良連中と会う頻度を減らしていたが、最近付き合いが悪いことに、吉川虎之助と星野元風に気づかれてしまった。
 「なあ、最近付き合い悪くね?」
 「まあ、ちょっといろいろ忙しいもんで」
 「まさか、女でもできなんじゃないだろうなあ?」
 「いや、それは・・・」
 「おいおい、図星かよ。それで、最近は呼んでも断ってきたんだな。
 でよう、どんな彼女なんだ?」
 「可愛っすよ」
 「八重樫よ、彼女ができたからって、俺らと疎遠になるってことはないよな?」
 「そんなことはないっす。彼女ができたのは初めてなんで、なるべく構ってやりたかったんですよ。これからはグループの付き合いもちゃんと参加させていただきますから」


 八重樫はしばらく、美津見と彼氏と不良グループの一員という二足のわらじを、3対7くらいの割合で履いていた。
 美津見は八重樫と一緒にいられる時間が少し減ったが、特に疑問に思わなかった。むしろ、短い時間で濃密なデートを求めようとした。
 「手、繋いでみていい?」
 「うん」
 そっと握った美津見の手は、とても女の子らしい柔らかさと温かさがあって、ますます八重樫は美津見がいとおしくなった。
 同時に、自分の秘密が明らかになることを恐れた。幻滅されたくない、この子に、自分が不良だということを、絶対に知られたくない、と。


 不良仲間に気を遣って、つるんでいる時間をなるべく増やしていた八重樫だが、彼女と一緒にいるほうが楽しいし、この仲間から離れたい、と思っているせいか、思っていることが顔に出てしまっていた。
 「なあ、八重樫、心ここにあらずってか?」
 「別にそんなことはないっすよ。勉強もやらないとならないんで、ちょっと疲れてるっす」
 「お前は勉強もできるし、顔もいい。俺たちの希望の星だからな。
 お前の彼女さ、俺たちに紹介してくれねえ?」
 自分が不良だってことを誰よりも知られたくない八重樫には、無理に決まっていた。


 「逆らったらどうなるかわかったもんじゃない。
 ねえ、坂上君ならどうする?」
  • 彼女を紹介する
  • 逆らった
 八重樫は、彼女のことより、自分の保身を優先した。


 翌日、八重樫は美津見を遊びに誘った。
 「今日は友達を紹介したいんだ。そいつらも一緒に遊ぼうと思ってるんだけど、いいかな」
 「わかったわ。初めての友達が一緒なら、おめかししていかないとね」
 八重樫が美津見を連れて、待ち合わせ場所まで向かうと、すでに不良仲間たちは全員そろっていた。
 ニヤニヤ笑いながら、不良たちは舐めるように美津見を品定めした。
 美津見は、目つきは悪いし、髪を染めていたり、ピアスをしている不良たちをみて、ビックリしていた。
 不良たちは八重樫と美津見を連れて、ゲーセンにカラオケと回ったが、誰にも憚らずタバコをふかしていた。
 八重樫が美津見の顔を覗き見ると、あからさまに嫌そうな顔はしていなかったが、楽しそうな表情でもなかった。
 リーダーの吉川が、アジトへ行くか、と声を掛けた。
 不良たちは、人気の少ないところにある誰も使っていない廃墟をたまり場にしていた。


 アジトに着くと、いきなり吉川は八重樫を殴りつけて、「本当はグループを抜けたいって、顔に出まくりなんだよ。そんなこと許すわけねえだろうが!」と怒鳴った。
 「俺らの子と内心バカにしてだんたろう?ああ」と他のメンバーもガシガシと蹴ってくる。
 そして吉川は、「ナメた野郎には、お灸を据えてやらなきゃな。へへ、お前の目の前で、この女を・・・」と言って、美津見を無理やり地面に押し倒した。


 「ねえ、坂上君なら、こんな状況でどうするの?」
  • 諦める
  • 諦めずに抵抗する
  • 相手を脅す
 為す術がないまま、自分も美津見もボロボロにされる、と八重樫が絶望して顔を背けたその時、自分の頭に何か生ぬるいものが降りかかった。
 リーダーの悲鳴が聞こえて、八重樫は反射的に顔を上げると、そこには全身が黒くて、闇の世界から生まれ出てきたような異様な姿の生き物いた!
 周囲からはもうもうとした煙が立っていて、気温が急激に冷えてきた。少なくとも、それは人間じゃなかった。
 その傍らには頭が破裂している美津見を押さえつけていた不良メンバーが転がっていたが、美津見の姿は見当たらない。
 吉川が「てめえ」と言うと、怪物が「情けないわね」と聞き覚えのある女性の声で答えた。
 吉川が一目散に駆け出した途端、頭が風船みたに弾け飛んで、脳やら頭蓋骨やらの破片がその場にぶちまけられた。
 他のメンバーも蜘蛛の子を散らすように逃げるが、数歩も行かないまま、頭が破裂していった。
 そして、不思議なことに死体が霧のように消えていき、地面に染み付いた夥しい血も最初から何もなかったように消えて行って、その場には倒れたままの八重樫と怪物だけが残された・・・
 「美津見さんなのか?」
 「そう、私よ。私は人間じゃない。この世界では悪魔と呼ばれているわ。
 それより、知られたくなかったのに・・・私の正体を知った人間は許さない」
 これから自分は、あいつらみたいに頭を吹っ飛ばされて死ぬんだ、と八重樫が思っていると、
 「怖がらないで。八重樫君は私の彼氏だから、特別に許してあげるわ。
 でも、誰かに言ったら、その時は許さないから。
 あなたはずっと私のもの。殺させないでね。いい?約束できる?」


 「不良グループや行方不明ってことで処理されたみたい。
 八重樫君は、今も美津見さんとお付き合いと続けているよ。でも、相手は悪魔だから、内心は、ビクビクしまくりだと思うな。
 ちょっと怒らせたら、頭パン!だもんね。
 ん?どうして今の話を知ることができたのか気になるんだ。
 私が知っているってことは、八重樫君が死んでなきゃおかしいよね。
 実はさあ、私も八重樫君に告白したことがあってさ。ふられちゃったけど・・・その後すぐ、八重樫君は、美津見さんと付き合いだしたの。
 納得いかないじゃん。どうして私がダメで、美津見さんなのかって。だから私、しょっちゅうあの二人を尾行してたんだ。
 それで、あの事件に出くわしたんだ。映画なんか比較できないくらい、リアルだったよ。
 ねえ、坂上君、今の話、絶対に記事にしてよね。
 これを記事にしたら、美津見さんの正体がみんなに知られるでしょ。情報の出どころが八重樫君だって、美津見さんは思うだろうね。
 八重樫君、殺されちゃうんじゃないかって?私を振ったような男、死んだって構わないじゃない。
 私、八重樫君に復讐するために、この話をしたんだよ。きゃはははは。
 え?そんなことをして、私は殺されないのかって?
 私、八重樫君の親衛隊だからさ、彼のこと付けてたら、マスクをした怪しい人が『僕なら君を助けることができると思う』って接触してきてね。
 マスクの人は綾小路行人って名前でね、八重樫君が悪魔と付き合っていることを知っていたの。
 だからね、もし私が美津見さんに殺されそうになったら、彼に助けてもらうの。へへへ、頭いいでしょ?
 だから、遠慮なく八重樫君のこと書いちゃっていいよ。これで私の話は終わり。きゃははは」


 エンディング№140:美津見さんの正体
 エンディング数 59/657 達成度8%
 キャラクター図鑑 54/122 達成度44%
 イラストギャラリー 37/283 達成度13%

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 今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
 倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
 1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る


 2人目は細田友晴を選択!


 僕ね、今日のこの会をとっても楽しみにしてたんですよ。坂上君も楽しみにしてましたか?
  • 楽しみにしていた
  • 特に気にしていない
  • あまり乗り気ではなかった


 坂上君は立場的にみんなを盛り上げるべきだと思うけどなあ。そこまではっきり言われると、なんだかちょっと引いちゃうかも。
 それにしても、7人目はどうしちゃたんでしょうかねえ。
 迷惑するのは、坂上君なんですもんねえ。かわいそうに。
 あ、申し遅れました。僕は細田友春っていいます。2年C組です。
 あのう、坂上君って、友達とかいます?
  • 多いほう
  • あまりいない
  • 早く話を進めてください


 細田は、自分がデブだという自覚があるが、ダイエットをしてもどうしても食べたり、汗っかきですぐに喉が渇いてしまい、お茶よりもおいしいジュースを飲んでしまうため、どうしても痩せられないとのことで、小学生の頃から太っており、細田なのにデブと言われ続けていた。


 ①風間と岩下の話を両方聞いている
 ②風間と岩下と新堂の話を全て聞いている。
 ③風間と岩下と新堂の話を全て聞いていない。
 3つの条件をすべて満たさなかったので(簡単にしようとすると、1話目に風間・岩下・新堂を選択し、2話目に細田を選択)、シナリオ:サトリサマ開始!


 「君ってトイレは好きかな?」
 「ええっ、君だってトイレに行くだろ?トイレは、人間にとっても必要不可欠なものなんだよ」


 サトリサマが流行ったのは、今からちょうど半年前。
 サトリという人の心を読む妖怪がいる。サトリサマは、その名が示す通り考えていることを見透かす神様である。
 何を見透かすかと言うと人間の悪い心だ。
 サトリサマは実際におり、机の中に「〇〇はお前のことを嫌っている」「〇〇と××はお前の隠れて付き合っている」というような手紙が入っており、手紙を受け取った人の友人や恋人の陰口が書かれていた。
 最初は誰も信じなかったが、注意深く指摘された人物を観察していると、どうやら手紙に書かれていたことが本当だってことがわかってくる。


 「坂上君はどう思う?サトリサマは神様か、それとも誰かのイタズラか」
 「実はね、この妖怪はトイレに関係あるんだよ。
 トイレの個室のトイレットペーパーにボールペンで懲らしめたい奴の名前を100回書くんだよ。
 その時、絶対にトイレットペーパーを破ったり、書き損じたりしてはいけないんだ
 見事成功すると、サトリサマがそいつの机にこっそりと内緒の弱味を書いた手紙を忍ばせてくれるんだよ。
 ちなみにサトリサマは、別名かきとり小僧って言うんだよ。
 トイレットペーパーに書き取るから、そう呼ばれているのかもしれないね。
 トイレに出没する恐ろしいサトリサマ、別名かきとり小僧。これで鳴神学園の七不思議はバッチリだよ。うぷぷぷぷ」


 エンディング№265:かきとり小僧
 エンディング数 58/657 達成度8%
 キャラクター図鑑 53/122 達成度43%
 イラストギャラリー 36/283 達成度12%

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 今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
 倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
 1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る


 2人目は細田友晴を選択!


 僕ね、今日のこの会をとっても楽しみにしてたんですよ。坂上君も楽しみにしてましたか?
  • 楽しみにしていた
  • 特に気にしていない
  • あまり乗り気ではなかった


 坂上君は立場的にみんなを盛り上げるべきだと思うけどなあ。そこまではっきり言われると、なんだかちょっと引いちゃうかも。
 それにしても、7人目はどうしちゃたんでしょうかねえ。
 迷惑するのは、坂上君なんですもんねえ。かわいそうに。
 あ、申し遅れました。僕は細田友春っていいます。2年C組です。
 あのう、坂上君って、友達とかいます?
  • 多いほう
  • あまりいない
  • 早く話を進めてください


 細田は、自分がデブだという自覚があるが、ダイエットをしてもどうしても食べたり、汗っかきですぐに喉が渇いてしまい、お茶よりもおいしいジュースを飲んでしまうため、どうしても痩せられないとのことで、小学生の頃から太っており、細田なのにデブと言われ続けていた。


 ①風間と岩下の話を両方聞いている
 ②風間と岩下と新堂の話を全て聞いている。
 ③風間と岩下と新堂の話を全て聞いていない。
 3つの条件をすべて満たさなかったので(簡単にしようとすると、1話目に風間・岩下・新堂を選択し、2話目に細田を選択)、シナリオ:サトリサマ開始!


 「君ってトイレは好きかな?」
 「ええっ、君だってトイレに行くだろ?トイレは、人間にとっても必要不可欠なものなんだよ」


 サトリサマが流行ったのは、今からちょうど半年前。
 サトリという人の心を読む妖怪がいる。サトリサマは、その名が示す通り考えていることを見透かす神様である。
 何を見透かすかと言うと人間の悪い心だ。
 サトリサマは実際におり、机の中に「〇〇はお前のことを嫌っている」「〇〇と××はお前の隠れて付き合っている」というような手紙が入っており、手紙を受け取った人の友人や恋人の陰口が書かれていた。
 最初は誰も信じなかったが、注意深く指摘された人物を観察していると、どうやら手紙に書かれていたことが本当だってことがわかってくる。


 「坂上君はどう思う?サトリサマは神様か、それとも誰かのイタズラか」
 「わからない?ちょっとは考える努力をしなきゃ」


 サトリサマは僕だ、と細田が言い出す。
 細田は暗い性格を自覚しており、入学してから去年の今頃まで友達はできなかった。
 細田は自分が太っているから友達ができないと話す。


 「坂上君はどう思う?」
 「君を困らせるつもりで言ったんじゃなかったんだ。何となく、君なら僕の気持ちをわかってくれるんじゃないかと思ってね」


 友達がいない細田は休み時間が辛かった。誰も口をきいてくれないのだから。
 そして、細田は気づいたら休み時間にトイレの個室に入り浸るようになった。
 そのうち細田は、トイレに入ると皆、開放的は気分になるのか結構きわどい会話がされており、特にクラスメートの陰口なんかが聞こえることに気づいた。


 サトリという妖怪のように心の声が聞こえてしまって、愉快になった細田は、ある日イタズラしたくなった。
 その日、トイレには細田のクラスの4人に生徒がおり、クラスでも乱暴者で有名な吉川虎之助の話題が上がっていた。
 トイレで会話している大河内雄大、高田護、川辺志道、星野元風の4人は、吉川といつもは仲良しだが、吉川のことを借りた金は返さないし、偉そうにしている割に先輩にはペコペコしていると話していた。
 以前吉川にぶつかられた時に、吉川は細田に向かって「ブタ!ブタ語で謝罪しろ。四足で歩け」と言いながら蹴りを入れてきたので、従うしかなかったことがあった細田は、仕返しをすることにした。
 放課後の誰もいなくなった教室で、細田は、吉川の机の中に誰が吉川の陰口を叩いていたのかを書いた手紙を入れた。


 翌日、吉川は4人の前で切れ散らかしながら手紙を読み上げ、4人に殴りかかった。
 それを見ていた菊崎あきなが「最低」と呟いた瞬間、みんなが吉川をののしり始め、スマホでその様子を写し出したため、吉川は大人しくなった。
 その瞬間、担任の稲垣先生が入ってきた。
 現場を押さえられた吉川は、2週間の停学処分を受けた。
 そして、今度こそ少しでも問題を起こしたら退学にすると先生に念を押された、吉川はおとなしくなった、というより誰にも相手にされなくなり孤立した。


 それ以来細田は、どこのトイレに、誰が来るのかをまとめたメモを作った。


 「君はこんな僕のことを異常だと思うかい?」
 「ありがとう、坂上君、君ならそう言ってくれると信じて疑わなかったよ」


 細田はメモを頼りに次々と情報を集めた。
 そして、ある程度ネタが固まったら、手紙をそっと机に忍ばせると、騒動が起こる。
 細田はそれを見るのが楽しくて、これ以上の快感を得られなかった。
 いつしか細田からの手紙は、神様、サトリサマからの手紙だと噂されるようになった。


 ある日、細田はいつものように情報を集めようとトイレに入った。


 「坂上君、その日、僕はどこのトイレに入ったと思う?」
 その日は細田は休み時間が始まると、いつもの1年生のトイレではなく、他の学年のトイレで張り込むことにした。
 数分経った頃、二人組の男性生徒が中に入ってきて会話を始めた。
 「知ってるか、サトリサマの噂」
 「ああ、本当に神様の仕業なのかねえ」
 「誰かのイタズラに決まってるよ」
 「でも、言い当てる情報は確かなもんなんだろ」
 「隣の組の佐藤直之、サトリサマの手紙に自分が浮気してるって書かれて、そのせいで彼女にバレで大変なことになったって噂になってるじゃねえか」
 「そうみたいだけどよ。あんな情報、心の中を読まなくても手に入れられるものばかりだぜ」
 「まあな」
 「案外、サトリサマって身近にいるのかもしれねえな。例えば、お前とかさ」
 「何言ってんだよ、お前のほうこそ、怪しいんじゃねえの」
 皆が疑心暗鬼に陥っていたが、誰も細田を疑いはしなかった。
 細田は、やりすぎるとサトリサマは誰かのイタズラだと思われて、追跡の手が迫ってくるかもしれないので、サトリサマの手紙をいったん止めることにした。
 皆が陰口を言わなくなったので、トイレでネタを集めるのも難しくなってきたのもあったし、サトリサマを騙るやつらも出始めていたからだ。


 そして、とうとう細田にもサトリサマの手紙が届いた。
 それには「お前のしてきたことを知っている」と書かれていた。
 手紙の主は、細田がサトリサマだと知っているのだろうか?
 それから、細田は周囲をよく観察し、誰がサトリサマの手紙を出したのか探し始めた。
 細田の手紙は真実しか書いてないが、偽サトリサマの手紙はつまらない冗談ばかり書いているので、みんなはサトリサマの呪縛から解放された。
 細田は、サトリサマを偽る犯人にうすうす想像がついていた。
 それはやましいことをしたやつで、ありもしないデマをばらまくことで、サトリサマの持っている効力を消したのだ。そうすれば、本物のサトリサマの手紙が来ても、誤魔化すことができるからだ。


 1週間後の放課後、教室で休んでいた細田の前に5人の男女が現れた。
 「細田君だね?」
 「あのう、どちら様でしょうか?」
 「僕は、サトリサマだよ」


 実は、この学校で細田が起こしたサトリサマのような騒ぎは今回が初めてではなかった。そして、それを起こしていたのは彼ら5人だった。
 あくまでも彼らの身近にいる気に食わない奴に焦点を絞って、お互いに協力して秘密を探り、一番知られたくない相手にそっとその秘密を知らせる、という程度のことをしていた。


 「ごめんさない。そうとは知らず大変なことをしてしまいました。このことは誰にも言いませんから、殺さないでください」
 「おいおい、何を勘違いしてるんだい。君を殺したりしないよ。むしろ歓迎しているんだ」
 「我々は、各学年に僕らの仲間となるべく選ばれた生徒を探して勧誘する。暗くて友達も少なく、ストレスをため込んでいる同志たちをね」
 「今年の候補は、荒井君と細田君の二人を見つけたんだ」
 「それで様子を見ていたら、君は我々がやり方を教える前にから、自分で気づいて実行した。素晴らしい才能だ!」
 「おまけにサトリサマなんていうあだ名まで付けるなんて、この会創設以来の天才の登場だよ」


 要は学校の日陰者たちが、騒動を起こすべく集まったのが、サトリサマの正体だった。
 その場で勧誘された細田は、当然OKと答えた。
 そして、今まで根暗の会という名前だったが、これを機会にサトリサマの会と改名した。


 「僕がサトリサマだってバラしてもいいのかって?僕たちは、もはや、この学園のありとあらゆる生徒の弱味を握っているんだよ。なのにサトリサマの会が存続しているのは、わかるよね?
 もちろん、君の情報だって調べはついているんだ。君は、みんなには知られたくないんじゃないかな?うふ、うふふふ。
 そういえば、君はトイレが嫌いなんだよね。トイレが好きだったら、僕がサトリサマに入れるよう口利きしてあげてもよかったんだけど・・・トイレが嫌いって言うんなら仕方がないよねえ。
 実は、今年はまだ大きな活動をしてなんだよね。でもいろいろ面白いネタはたまっているんだ。これから、いろいろと面白くなっていくと思うよ。坂上君の周りがきっとね、うふ。うふふふふ」


 エンディング№264:サトリサマ
 エンディング数 57/657 達成度8%
 キャラクター図鑑 53/122 達成度43%
 イラストギャラリー 36/283 達成度12%

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 1週目クリア
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 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
 倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
 1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る


 2人目は細田友晴を選択!


 僕ね、今日のこの会をとっても楽しみにしてたんですよ。坂上君も楽しみにしてましたか?
  • 楽しみにしていた
  • 特に気にしていない
  • あまり乗り気ではなかった


 坂上君は立場的にみんなを盛り上げるべきだと思うけどなあ。そこまではっきり言われると、なんだかちょっと引いちゃうかも。
 それにしても、7人目はどうしちゃたんでしょうかねえ。
 迷惑するのは、坂上君なんですもんねえ。かわいそうに。
 あ、申し遅れました。僕は細田友春っていいます。2年C組です。
 あのう、坂上君って、友達とかいます?
  • 多いほう
  • あまりいない
  • 早く話を進めてください


 細田は、自分がデブだという自覚があるが、ダイエットをしてもどうしても食べたり、汗っかきですぐに喉が渇いてしまい、お茶よりもおいしいジュースを飲んでしまうため、どうしても痩せられないとのことで、小学生の頃から太っており、細田なのにデブと言われ続けていた。


 ①風間と岩下の話を両方聞いている
 ②風間と岩下と新堂の話を全て聞いている。
 ③風間と岩下と新堂の話を全て聞いていない。
 3つの条件をすべて満たさなかったので(簡単にしようとすると、1話目に風間・岩下・新堂を選択し、2話目に細田を選択)、シナリオ:サトリサマ開始!


 「君ってトイレは好きかな?」
  • 好き
  • 嫌い
  • 好きでも嫌いでもない→再選択
 「これから話す話は、トイレが大好きな坂上君にぴったりな話だよ」


 サトリサマが流行ったのは、今からちょうど半年前。
 サトリという人の心を読む妖怪がいる。サトリサマは、その名が示す通り考えていることを見透かす神様である。
 何を見透かすかと言うと人間の悪い心だ。
 サトリサマは実際におり、机の中に「〇〇はお前のことを嫌っている」「〇〇と××はお前の隠れて付き合っている」というような手紙が入っており、手紙を受け取った人の友人や恋人の陰口が書かれていた。
 最初は誰も信じなかったが、注意深く指摘された人物を観察していると、どうやら手紙に書かれていたことが本当だってことがわかってくる。


 「坂上君はどう思う?サトリサマは神様か、それとも誰かのイタズラか」
 「坂上君、君は勘がいいね」


 サトリサマは僕だ、と細田が言い出す。
 細田は暗い性格を自覚しており、入学してから去年の今頃まで友達はできなかった。
 細田は自分が太っているから友達ができないと話す。


 「坂上君はどう思う?」
 「そうだよね。誰だって、それがわかれば苦労はしないよね」


 友達がいない細田は休み時間が辛かった。誰も口をきいてくれないのだから。
 そして、細田は気づいたら休み時間にトイレの個室に入り浸るようになった。
 そのうち細田は、トイレに入ると皆、開放的は気分になるのか結構きわどい会話がされており、特にクラスメートの陰口なんかが聞こえることに気づいた。


 サトリという妖怪のように心の声が聞こえてしまって、愉快になった細田は、ある日イタズラしたくなった。
 その日、トイレには細田のクラスの4人に生徒がおり、クラスでも乱暴者で有名な吉川虎之助の話題が上がっていた。
 トイレで会話している大河内雄大、高田護、川辺志道、星野元風の4人は、吉川といつもは仲良しだが、吉川のことを借りた金は返さないし、偉そうにしている割に先輩にはペコペコしていると話していた。
 以前吉川にぶつかられた時に、吉川は細田に向かって「ブタ!ブタ語で謝罪しろ。四足で歩け」と言いながら蹴りを入れてきたので、従うしかなかったことがあった細田は、仕返しをすることにした。
 放課後の誰もいなくなった教室で、細田は、吉川の机の中に誰が吉川の陰口を叩いていたのかを書いた手紙を入れた。


 翌日、吉川は4人の前で切れ散らかしながら手紙を読み上げ、4人に殴りかかった。
 それを見ていた菊崎あきなが「最低」と呟いた瞬間、みんなが吉川をののしり始め、スマホでその様子を写し出したため、吉川は大人しくなった。
 その瞬間、担任の稲垣先生が入ってきた。
 現場を押さえられた吉川は、2週間の停学処分を受けた。
 そして、今度こそ少しでも問題を起こしたら退学にすると先生に念を押された、吉川はおとなしくなった、というより誰にも相手にされなくなり孤立した。


 それ以来細田は、どこのトイレに、誰が来るのかをまとめたメモを作った。


 「君はこんな僕のことを異常だと思うかい?」
 「ありがとう、坂上君、君ならそう言ってくれると信じて疑わなかったよ」


 細田はメモを頼りに次々と情報を集めた。
 そして、ある程度ネタが固まったら、手紙をそっと机に忍ばせると、騒動が起こる。
 細田はそれを見るのが楽しくて、これ以上の快感を得られなかった。
 いつしか細田からの手紙は、神様、サトリサマからの手紙だと噂されるようになった。


 ある日、細田はいつものように情報を集めようとトイレに入った。


 「坂上君、その日、僕はどこのトイレに入ったと思う?」
 その日は細田は休み時間が始まると、いつもの1年生のトイレではなく、他の学年のトイレで張り込むことにした。
 数分経った頃、二人組の男性生徒が中に入ってきて会話を始めた。
 「知ってるか、サトリサマの噂」
 「ああ、本当に神様の仕業なのかねえ」
 「誰かのイタズラに決まってるよ」
 「でも、言い当てる情報は確かなもんなんだろ」
 「隣の組の佐藤直之、サトリサマの手紙に自分が浮気してるって書かれて、そのせいで彼女にバレで大変なことになったって噂になってるじゃねえか」
 「そうみたいだけどよ。あんな情報、心の中を読まなくても手に入れられるものばかりだぜ」
 「まあな」
 「案外、サトリサマって身近にいるのかもしれねえな。例えば、お前とかさ」
 「何言ってんだよ、お前のほうこそ、怪しいんじゃねえの」
 皆が疑心暗鬼に陥っていたが、誰も細田を疑いはしなかった。
 細田は、やりすぎるとサトリサマは誰かのイタズラだと思われて、追跡の手が迫ってくるかもしれないので、サトリサマの手紙をいったん止めることにした。
 皆が陰口を言わなくなったので、トイレでネタを集めるのも難しくなってきたのもあったし、サトリサマを騙るやつらも出始めていたからだ。


 そして、とうとう細田にもサトリサマの手紙が届いた。
 それには「お前のしてきたことを知っている」と書かれていた。
 手紙の主は、細田がサトリサマだと知っているのだろうか?
 それから、細田は周囲をよく観察し、誰がサトリサマの手紙を出したのか探し始めた。
 細田の手紙は真実しか書いてないが、偽サトリサマの手紙はつまらない冗談ばかり書いているので、みんなはサトリサマの呪縛から解放された。
 細田は、サトリサマを偽る犯人にうすうす想像がついていた。
 それはやましいことをしたやつで、ありもしないデマをばらまくことで、サトリサマの持っている効力を消したのだ。そうすれば、本物のサトリサマの手紙が来ても、誤魔化すことができるからだ。


 1週間後の放課後、教室で休んでいた細田の前に5人の男女が現れた。
 「細田君だね?」
 「あのう、どちら様でしょうか?」
 「僕は、サトリサマだよ」


 実は、この学校で細田が起こしたサトリサマのような騒ぎは今回が初めてではなかった。そして、それを起こしていたのは彼ら5人だった。
 あくまでも彼らの身近にいる気に食わない奴に焦点を絞って、お互いに協力して秘密を探り、一番知られたくない相手にそっとその秘密を知らせる、という程度のことをしていた。


 「ごめんさない。そうとは知らず大変なことをしてしまいました。このことは誰にも言いませんから、殺さないでください」
 「おいおい、何を勘違いしてるんだい。君を殺したりしないよ。むしろ歓迎しているんだ」
 「我々は、各学年に僕らの仲間となるべく選ばれた生徒を探して勧誘する。暗くて友達も少なく、ストレスをため込んでいる同志たちをね」
 「今年の候補は、荒井君と細田君の二人を見つけたんだ」
 「それで様子を見ていたら、君は我々がやり方を教える前にから、自分で気づいて実行した。素晴らしい才能だ!」
 「おまけにサトリサマなんていうあだ名まで付けるなんて、この会創設以来の天才の登場だよ」


 要は学校の日陰者たちが、騒動を起こすべく集まったのが、サトリサマの正体だった。
 その場で勧誘された細田は、当然OKと答えた。
 そして、今まで根暗の会という名前だったが、これを機会にサトリサマの会と改名した。


 「僕がサトリサマだってバラしてもいいのかって?僕たちは、もはや、この学園のありとあらゆる生徒の弱味を握っているんだよ。なのにサトリサマの会が存続しているのは、わかるよね?
 もちろん、君の情報だって調べはついているんだ。君は、みんなには知られたくないんじゃないかな?うふ、うふふふ。
 そうだ、坂上君、実は、まだ1年担当のサトリサマ候補が決まってなくてね
君さえよければ、僕が口利きしてあげてもいい。
 え?興味ない?うそでしょ?じゃあ、集会が終わったらゆっくり話そうか。
 そういえば、最近自殺があったよね。坂上君と同じ1年生の子だっけ。確か死ぬ前に『サトリサマが見てる』なんて遺書を残していたらしいよ。
 ひどいよね、まるで僕たちが何かやったみたいじゃないか。
 でも、彼女は残念だった。1年生でサトリサマの会に入るのは、あの子しかいないと思っていたからね。どうして自殺しちゃたんだろう。入会を考えてくれ、なんて言ったからかな?
 坂上君、この会が終わったら二人っきりで相談だ。君は立派なサトリサマになれるからね。うふ、うふふふふ」


 エンディング№263:君も一緒に
 エンディング数 56/657 達成度8%
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 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
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 僕ね、今日のこの会をとっても楽しみにしてたんですよ。坂上君も楽しみにしてましたか?
  • 楽しみにしていた
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 それにしても、7人目はどうしちゃたんでしょうかねえ。
 迷惑するのは、坂上君なんですもんねえ。かわいそうに。
 あ、申し遅れました。僕は細田友春っていいます。2年C組です。
 あのう、坂上君って、友達とかいます?
  • 多いほう
  • あまりいない
  • 早く話を進めてください


 細田は、自分がデブだという自覚があるが、ダイエットをしてもどうしても食べたり、汗っかきですぐに喉が渇いてしまい、お茶よりもおいしいジュースを飲んでしまうため、どうしても痩せられないとのことで、小学生の頃から太っており、細田なのにデブと言われ続けていた。


 ①風間と岩下の話を両方聞いている
 ②風間と岩下と新堂の話を全て聞いている。
 ③風間と岩下と新堂の話を全て聞いていない。
 3つの条件をすべて満たさなかったので(簡単にしようとすると、1話目に風間・岩下・新堂を選択し、2話目に細田を選択)、シナリオ:サトリサマ開始!


 「君ってトイレは好きかな?」
  • 好き
  • 嫌い
  • 好きでも嫌いでもない
 「どっちかはっきりしてもらわくちゃ。坂上君、もう一度聞くよ」
  • 好き
  • 嫌い
 「これから話す話は、トイレが大好きな坂上君にぴったりな話だよ」


 サトリサマが流行ったのは、今からちょうど半年前。
 サトリという人の心を読む妖怪がいる。サトリサマは、その名が示す通り考えていることを見透かす神様である。
 何を見透かすかと言うと人間の悪い心だ。
 サトリサマは実際におり、机の中に「〇〇はお前のことを嫌っている」「〇〇と××はお前の隠れて付き合っている」というような手紙が入っており、手紙を受け取った人の友人や恋人の陰口が書かれていた。
 最初は誰も信じなかったが、注意深く指摘された人物を観察していると、どうやら手紙に書かれていたことが本当だってことがわかってくる。


 「坂上君はどう思う?サトリサマは神様か、それとも誰かのイタズラか」
  • 神様だと思う
  • 誰かのイタズラ
  • 妖怪の仕業
  • わからない
 「こんなの神様の仕業としか思えないよね。でもね、実は違うんですよ」


 サトリサマは僕だ、と細田が言い出す。
 細田は暗い性格を自覚しており、入学してから去年の今頃まで友達はできなかった。
 細田は自分が太っているから友達ができないと話す。


 「坂上君はどう思う?」
  • 太っているから
  • わからない
  • そんな事を聞かれても困る
 「君もそう思うんだ。世の中、外見ばかりで人を差別する人が多いから、困っちゃよね」


 友達がいない細田は休み時間が辛かった。誰も口をきいてくれないのだから。
 そして、細田は気づいたら休み時間にトイレの個室に入り浸るようになった。
 そのうち細田は、トイレに入ると皆、開放的は気分になるのか結構きわどい会話がされており、特にクラスメートの陰口なんかが聞こえることに気づいた。


 サトリという妖怪のように心の声が聞こえてしまって、愉快になった細田は、ある日イタズラしたくなった。
 その日、トイレには細田のクラスの4人に生徒がおり、クラスでも乱暴者で有名な吉川虎之助の話題が上がっていた。
 トイレで会話している大河内雄大、高田護、川辺志道、星野元風の4人は、吉川といつもは仲良しだが、吉川のことを借りた金は返さないし、偉そうにしている割に先輩にはペコペコしていると話していた。
 以前吉川にぶつかられた時に、吉川は細田に向かって「ブタ!ブタ語で謝罪しろ。四足で歩け」と言いながら蹴りを入れてきたので、従うしかなかったことがあった細田は、仕返しをすることにした。
 放課後の誰もいなくなった教室で、細田は、吉川の机の中に誰が吉川の陰口を叩いていたのかを書いた手紙を入れた。


 翌日、吉川は4人の前で切れ散らかしながら手紙を読み上げ、4人に殴りかかった。
 それを見ていた菊崎あきなが「最低」と呟いた瞬間、みんなが吉川をののしり始め、スマホでその様子を写し出したため、吉川は大人しくなった。
 その瞬間、担任の稲垣先生が入ってきた。
 現場を押さえられた吉川は、2週間の停学処分を受けた。
 そして、今度こそ少しでも問題を起こしたら退学にすると先生に念を押された、吉川はおとなしくなった、というより誰にも相手にされなくなり孤立した。


 それ以来細田は、どこのトイレに、誰が来るのかをまとめたメモを作った。


 「君はこんな僕のことを異常だと思うかい?」
  • 異常だ
  • おかしくない
 「君なら、僕の気持ちをわかってくれると思ったのに・・・」


 細田はメモを頼りに次々と情報を集めた。
 そして、ある程度ネタが固まったら、手紙をそっと机に忍ばせると、騒動が起こる。
 細田はそれを見るのが楽しくて、これ以上の快感を得られなかった。
 いつしか細田からの手紙は、神様、サトリサマからの手紙だと噂されるようになった。


 ある日、細田はいつものように情報を集めようとトイレに入った。


 「坂上君、その日、僕はどこのトイレに入ったと思う?」
  • 1年生のトイレ
  • 他学年のトイレ
 その日も細田はいつものように休み時間が始まると、1年生のトイレに入って情報を集めようと思い、近くのトイレに駆け込んだが、いつもとちょっと違い先客がおり、細田は、珍しいこともあるもんだ、と思いながら個室に入った。
 「ねえ」と隣の個室の奴が、声を掛けてきた。
 「君のしてきたこと、知ってるよ」
 細田は驚いたが、その声に思い当たる人物はいなかった。
 思わず細田は自分がいた個室を出て、隣のトイレのドアを開けようとすると、鍵がかかっておらず、トイレの中には誰もいなかった。
 声が聞こえてから扉を開けるまで、ほんの数秒しかなかったはずなのに、そんな短時間で音もたてずに外に出られる?
 細田は背筋に冷たいものを感じながら、トイレを出た。
 そして、その日を境に何かが少しずつ変わって行った。


 翌日、細田が教室に入ると、菊崎がサトリサマから手紙が来たと言って騒いでいる。
 細田は驚いた。昨日は情報が集まらず、サトリサマを行えなかったから、サトリサマからの手紙が来るわけがないのに。
 もしかしたら、誰かがサトリサマの名を騙り出したのかもしれない。
 今回のサトリサマの手紙は、細田が書いているものとはちょっと違うみたいだった。
 「お前たちの担任の稲垣は、クラスの米田秋と不倫している」と言う内容の手紙だった。
 そんな噂、細田やクラスの子たちも聞いたことすらなかったので、驚いていた。
 稲垣先生は、中年のおじさんで結婚しており、子供もいたが、浮いた噂なんてまったくなかった。
 そして米田のほうは、細田に負けず劣らず地味な子で、いつも教室の隅で本を読んでいるようなタイプだった。
 この時すでに、サトリサマの手紙は絶対的なものとして学校中に広まっていたので、皆が囃し立て、あっという間にこの噂が学校内に広まってしまった。
 職員会議でも、手紙の内容が議題に上がり、稲垣先生はいろいろと追及を受けたそうだ。
 そして、奥さんの耳にも入ったみたいで、激しい夫婦喧嘩をしたらしく、翌日、顔中あざだらけになっていた。
 一方、米田は、クラスメイト達からの質問攻めにも何一つ答えず押し黙っていたし、先生たちから二人の関係を聞かれても、何一つ答えなかった。
 反対に稲垣先生は、毎日続く質問攻めや、授業中に起こるヤジやボイコット行為のせいで、精神的に疲れてしまい休職してしまった。


 そして次の事件が起こった。
 「お前の友達は誰々援助交際をしている」とか「何々先生は、ヤクザと付き合いがある」とか、内容がどんどんいやらしい俗っぽい手紙ばかりが増えて行った。
 もちろん、細田はあの日から、聞き込み調査を止めてしまったので、手紙は出していない。サトリサマは細田の手を離れて一人歩きしてしまったのだ。
 元祖?本家?家元?サトリサマの細田は、何とかしてもの状況を変えることができないかを悩み、目には目を歯には歯を、サトリサマにはサトリサマを、って思いついた。


 放課後、細田は、稲垣先生と米田のあの噂は嘘だったというサトリサマの手紙を入れようと、自分の教室に入った。
 すると、誰もいないはずの教室に米田がいたので、細田は思わず声を掛けてしまった。
 びくっと震えてこちらを振り返った米田を見て、細田はこのまま黙っていることは危険だと感じた。
 「あの、米田さんも大変だよね。稲垣先生との噂さ。僕はわかるよ。君が、稲垣先生と不倫なんかしてないって」
 「なんで、私の気持ち、わかっちゃったんだろう」
 米田はぼそっと呟くと教室を後にした。そして、それが米田を見た最後だった。


 翌日、米田は死体で見つかった。
 学校の屋上から飛び降りたのだ。
 屋上には遺書が残されており、稲垣先生とは不倫の関係ではないことと、迷惑をかけたことを死んでお詫びする、といった内容だった。
 きっと、細田と会ったあの後に屋上に向かったのだ。
 サトリサマの手紙で、ついに死人が出てしまった。
 あの手紙を送ったのは誰だろう、と細田が思ったとき、ふとトイレでの会話を思い出した。
 「君のしてきたこと、知ってるよ」
 あのトイレに行けばもう一度アレに会えるかもしれない、と思った細田は、授業中、先生にトイレに行くと言って、あのトイレに向かった。


 細田がトイレに入ると、あのトイレ一つだけが扉が閉まっていた。
 ノックしても返事がなかったので、声をかけたが、返事はなかった。
 もう一度ドアのノックすると、ひとりで扉が開き、中には、首が伸びきり、だらりと舌を伸ばした首吊り死体が、細田を睨むように凝視していた。
 細田が口をパクパクさせていると、死体が、「これでわかっただろう>」としゃべった。
 細田が、ごめんさないと謝り続けていると、いつの間にか死体は消えていた。
 あとでわかったことだが。昔、あのトイレで自殺した生徒がいたとのこと。
 自殺の原因は、何気なくいった友人への一言を本人に告げ口され、それが元でいじめに発展した挙句、自殺してしまったらしい。


 「あの霊は、僕がサトリサマとして行った行為を怒っていたんでしょうか。それで、その行いを諭すために、あんな手紙を出したんですかね。
 けど、あれ以来、サトリサマの手紙が来ることはなくなったんです」


 稲垣先生は、疑いが晴れて学校に戻って来た。
 稲垣先生は米田の自殺は自分の責任だと言ってた。以前米田がカンニングをしていると疑ってしまい、強く責めたことがあり、それ以来米田は、自分の力を発揮できない生徒になってしまった、と。
 そして、米田の自宅から母親に宛てた遺書が見つかり、稲垣先生は悪くない、自分は何もあれていないという潔白を証明する文言が書かれていた。
 ただ、それ以来細田のせいで死んだ米田が出るようになった。教室で自分の席に座って俯いたままじっとしているとのこと。
 たまに細田が誰かに見られている視線に気づくと、米田が細田を見ていることがある。もしかしたら、米田は、細田がサトリサマだったってことに気づいていたのかもしれない。
 最近では、米では細田をじっと凝視したまま視線を話そうとしないようになってきており、細田は、米田が仲間だと思って連れて行こうとしているのじゃないか、と思い始めている。


 エンディング№262:人の噂も・・・
 エンディング数 55657 達成度8%
 キャラクター図鑑 53/122 達成度43%
 吉川虎之助
 星野元風
 稲垣優作
 大河内雄大
 高田護
 川辺志道
 米田秋
 イラストギャラリー 36/283 達成度12%

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 今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
 倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る



 1人目は岩下明美を選択!


 岩下は3年A組とのこと。


 「あなた、私のことどう思う?」
  • 優しそうな人
  • 厳しそうな人
  • 初対面なのでわかりません
  • 美しい人(1人目に選択した時のみ)
  • モテそうな人
 シナリオ:ポプリ


 「あら、嬉しいわね。私の第一印象を美しいと言ってくれるなんて。
 坂上君、女性を喜ばせる術を心得ているいるなんて、憎いわね。そんなあなたの行為に応えて、私も美しい女性の話をしましょうか。
 その女性はね、この鳴神学園の卒業生。
 でもね、いつの時代美女には秘密が付き物なの。
 秘密は、時にそれを無理に暴こうとする者に、災いをもたらすわ。特に美女の秘密はね」


 鳴神学園に女の子が転校してきた。
 彼女の名前は名倉寧々。
 転校生は自然とクラスになじんでいくものだが、名倉はいつまで経ってもクラスの中で特別な存在だった。
 例えるなら、まるでアヒルの群れに白鳥が混じっているような、そんな感じだった。
 名倉は美しかったが、際立って美人だったというわけではなかった。
 あるものは絶世の美女と言い、あるものは気味が悪いという。そんな個性的で特別な美貌を兼ね備えていた。
 そんな彼女だけれど、みんなは一目置いていた。
 落ち着いた物腰と思慮深さを感じさせる発現。そして何よりも、彼女からはいつもとてもよい香りがしていた。
 香りといっても、ブランド物の香水のように主張が激しいものではなく、彼女の動きに合わせて、ほんのりと空気に混じるような、そんな控えめな香りだった。
 名倉とすれ違う時、ふわりと風に乗ったその香りにときめいて、思わず振り返ってしまう男子も多かった。
 だから、名倉の香りの秘密の聞きたがる女の子は、後を絶えなかった。
 でも、名倉は誰にもでも打ち明けてくれた。
 ポケットから可愛らしい小袋を取り出して、匂いの元はこれよって。
 その袋の中には、ポプリが入っていた。
 ポプリというのは、香りのいい花やハーブ、スパイスなどを乾燥させたものだ。
 数種類のドライフラワーを作り、それに何種類か混ぜ合わせてから保留剤に精油を加えて、なじませて、完成まで1カ月ほどかかる。
 簡単に作れるが、何のドライフラワーを使うと、そして精油はどんな香りを使うかで完成したときの香りは変わってしまう。
 絶妙なバランスがポプリ作りの最も難しいとこであり、また醍醐味でもあると言われている。
 女の子たちから、「このポプリ私も欲しい」と言われた名倉は、自分で作っている、と答えた。
 作り方を教えてほしい、と言われた名倉は、「特殊な作り方をしているから、みんなにはちょっと難しいと思うわ」と答えて、ポプリを分けてくれた。
 あっという間にクラス中の女の子たちの間に、名倉のポプリが広まった。
 そして、ポプリが入っていた可愛らしいサシュも、名倉の手作りだった。


 「みんながその時点で満足していたら、何も問題は起こらなかったわ。
 でも、中にはいるのよね、秘密といわれると、どうしても知りたくなる人。
 あなた、名倉さんのポプリがどうやって作られているか、秘密を暴きたいと思っているじゃないかしら?」
 「あら、そうなの。
 他人のプライバシーには、踏み込まない主義なのかしら?
 でも、人間は表の顔と裏の顔を使い分けることができる生き物だわ。あなたも、人前だから綺麗事を口にしただけで、本心はわかったものじゃないわ、
 今から話す人みたいなことに、ならないといいのだけれど。うふふふ」


 名倉のクラスに八戸安蘭という子がいた。
 彼女も、名倉からポプリをもらっていたが、彼女は、他人が少しでも自分より勝っているのが気に食わないという性格だった。
 自分も名倉以上にいい香りのポプリを作って、みんなを羨ましがらせないと考えた。
 八戸は、名倉からもらったサシュの袋をばらして、中身を見た。中にはたくさんの種類のドライフラワーや、乾燥させたスパイスが入っていた。
 それを一つ一つ調べて、同じようなものを用意した。
 でも、同じように素材を用意しても、まったく同じものを作ることは難しかった。アロマオイルは香料を混ぜて、オリジナリティを出していたからだ。
 八戸は、必死にポプリの匂いをかいで、どんな香料が使われているのか、突き止めようとした。
 でも、どんなに同じように作っても、オリジナルには、到底及ばない出来だった。
 八戸は悔しい気持ちを必死に隠して、名倉に作り方ノレシピを教えてほしい、と頼み込んだが、名倉は決して教えてくれなかった。
 名倉は作り方を独り占めして、自分だけ人気者でいたいに違いない、と八戸は、次第にそんな風に思いつめるようになっていった。


 そんなある日、なんとしてもポプリの秘密を知りたかった八戸は、こっそりと名倉の後をつけようと考えた。
 もしかしたら材料を仕入れているお店に立ち寄るかもしれないし、家の窓をのぞいたら材料が見られるかもしれない。
 名倉が学校を後にすると、八戸が後を付けていることに気づかず確かな足取りで歩いて行った。
 名倉は、住宅街を抜け、田畑はあぜ道ばかりが目立つ景色も通り越し、夜の闇が空を覆い始めるころに薄暗い森の入り口に差し掛かった。
 木々はうっそうと茂り、先はまったく見えない。


 「それで、彼女はどうしたと思う?」
 八戸は勇気を振り絞って、暗い森の中へ足を踏み出した。
 鬱蒼とした森の中は、すっかり宵闇に包まれていた。
 名倉は鞄の中から懐中電灯を取り出した。
 懐中電灯は八戸にとっても救いの神だった。懐中電灯の明かりを見失わないように後をつければいい。
 しばらく歩いていると、木々が開けて、月の明かりの中に一件の小さな家が浮かび上がった。それは丸太を組んで作られた山小屋のような小さな建物だった。
 暗くてよくわからなかったけど、灯りは点いていなかった。ということは家には誰もいない。
 名倉は、手慣れた手付きで玄関のドアを開けると中に消えていった。
 しばらくして窓に明かりが灯ったことを確認すると、八戸は自分もその小屋に近づいた。
 お伽噺に出てくる魔女のおばあさんが住んでそうな、無骨で陰気な木の小屋。
 八戸が忍び足で窓辺に歩み寄り、中を覗こうとしたその時、突然家のドアが開いたので、八戸は手近な茂みに姿を隠した。
 家から出てきた人物は、八戸の存在に気づく素振りも見せず家の裏手へと歩いていった。
 家から出てきた人物は、頭からすっぽりと黒いローブを被っていた。
 裾からのぞくスカートは鳴神の制服だったので、きっと名倉だろう、と八戸は思った。
 そして、少し離れた木々の間から、その人物の挙動を探ることにした。
 黒いローブの人物は、家の裏手にある物置ほどの大きさの小屋に入ったかと思うと、黒い何かを掴んですぐに出てきた。
 バタバタを大きな音をたてて暴れ、のどから絞り出すような声を上げていたのは1羽の雄鶏だった。
 そして人物はしゃがむと、躊躇うことなく雄鶏の首を両手でつかみ、その場でくびり殺した。
 初めて命が奪われる瞬間を目にした八戸は、恐怖のあまり、歯の根が合わなくなるくらいに動揺して、両の目からは涙がぽろぽろとあふれてきた。
 (こんなに怖い思いをするぐらいなら、もう帰ったほうがいいかもしれない)


 「坂上君なら、どうする?」
 「本郷にその先を知っても後悔しない?」
 湧き上がる恐怖をぐっとこらえて、八戸はその場に踏み留まった。
 でも、目の前の光景に気をとられていたせいか、後ずさったときに、服に木の枝が引っ掛かって音を立ててしまった。
 黒いローブを被った人物は鋭くあたりを見回して、八戸が潜む木陰へと近づいた。


 「坂上君、あなたならどうする?」
 (逃げよう)
 そう決断した八戸は、元来た道を目指して、木陰を飛び出した。
 でも、黒いフードの人物が八戸の腕を掴んだ。
 「離して!」
 「八戸さん?」
 黒いローブの下から姿を現したのは名倉だった。
 「何をしているの、こんなところで?」
 名倉の声は、いつものように穏やかで優しい口調だった。
 「あの、道に迷って」
 「大変だったわね。こんな時間に外で立ち話もなんだから、ちょっと寄ってく?ごめんなさいね、お夕飯の鳥を絞めていたところだから、びっくりしたでしょう?」
 「ええ・・・」
 「どう?よろしければ、一緒にお夕飯食べていかなくて?」
 「私、体質でニワトリを食べると蕁麻疹が出てしまうの。ごめんなさい、せっかく誘っていただいて」
 優しい笑顔の影で、名倉は八戸の服の裾をしっかりと掴んでいた。


 「ようこそ、私の家へ」
 「うん、綺麗なおうち、すごく綺麗」
 八戸は、部屋の中央にある木のテーブルに案内された。
 「お茶でもいかが?」
 「あ、ありがとう」
 まるで雪山のロッジのような家の中は、整頓されてはいたけれど、質素で生きていくのに必要最小限のものしか置かれていなかった。
 ただ窓際には、これからポプリに材料にするのかしら、ドライフラワーになる途中の薔薇の花束がいくつも吊るされていた。
 部屋の隅には、蝋燭が灯ったアロマポットがあって、そこからなんともいえない甘くていい匂いが漂ってくる。
 トレーにティーカップを2つ載せて名倉がやってきた。
 「名倉さん、ここに一人で住んでるの?」
 「そうね、一人と言えば一人かな。そんなことより、飲んで」
 「あ、ありがと」
 八戸は、カップをひとつ受け取ると中を覗き込んだ。
 それは、アロマポットから漂う香りに似て、甘く八戸の鼻腔をくすぐった。
 「ところで、これ何のお茶?」
 「ああ、これ?私が作ったハーブティーよ。どうぞ」
 八戸はカップに口を近づけた。


 「この先、彼女は本当に飲んだと思う?」
 「名倉さんは飲まないの?」
 「飲むわよ。この香り、本当に落ち着くわね」
 名倉はそう言うと、優雅な仕草でカップを口に運んだ。
 「八戸さんもどうぞ」


 「あなただったら、本当にこのままハーブティを飲む?」
 八戸は、じっと見つめている名倉けがけて、そのお茶をぶちまけた。
 (逃げなければ殺される)
 お茶をかけられ悲鳴を上げている名倉を突き飛ばし、八戸はとっさに森の中に飛び出した。


 (逃げなければ!)
 「こっち、こっち」
 突然、森の中で女の声が聞こえてきた。
 見ると、森の茂みの中に一人の女の子が立って手招きしていた。
 「一緒に逃げよう。ここは迷いの森だから魔女の捕まっちゃう」


 「どうする?坂上君なら、その声の主を信用する?」
 突然森の中で得体のしれない女の声を掛けられ、それに従ったところでとても助かるとは思えない。
 その女の声を振り払い、八戸は必死に走った。


 気が付いたとき、いつの間にか白々として夜明けが近かった。そして、彼女は森の入り口の田舎道で倒れ込むようにして、ぜぇぜぇと息を吐いた。
 森から出られたといっても名倉が襲ってくるかもしれない。そんなことを考えながら、彼女は残りの力を振り絞って走った。
 やがて荒地の中に田畑が現れ、ちらほらと住居が見えるようになって、初めて彼女はホッと気を吐いた。
 やっとの思いで家に帰った八戸は両親に物凄い剣幕で怒られたけど、そんなものはちっとも平気だった。だって、生きているから。
 そして1日中死んだようにぐっすりと眠った。


 「翌日学校を休んでしまったんだけど、クラスメイトから電話が掛かってきて名倉さんが転校したことを知らされたの。
 もともと名倉さんの家は地方を転々と巡業する旅の一座だったらしいの。
 それを聞いた八戸さんは、旅の巡業でちょっとここに立ち寄っただけだから、すぐにいなくなるのがわかっていて、あんな所に棲んでいただけかもしれない。ポプリが好きなのも、そういう理由だからかもしれない、と思った。
 もし今度会うことができたら、友達になりたい、って涙を流したの。
 名倉さんが抱えていた秘密、その片鱗にちょっと触れてしまった八戸さん。名倉さんの本心はいまだにわからないけど、彼女が無事助かったということだけは事実だから。
 坂上君も、秘密を探ろうと思ったら気を付けることね。八戸さんのように生きて帰れるなんて、滅多にないのだから。うふふふ」


 エンディング№217:生きて帰る
 エンディング数 54/657 達成度8%
 キャラクター図鑑 46/122 達成度37%
 イラストギャラリー 35/283 達成度12%

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 今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
 倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る



 1人目は岩下明美を選択!


 岩下は3年A組とのこと。


 「あなた、私のことどう思う?」
  • 優しそうな人
  • 厳しそうな人
  • 初対面なのでわかりません
  • 美しい人(1人目に選択した時のみ)
  • モテそうな人
 シナリオ:ポプリ


 「あら、嬉しいわね。私の第一印象を美しいと言ってくれるなんて。
 坂上君、女性を喜ばせる術を心得ているいるなんて、憎いわね。そんなあなたの行為に応えて、私も美しい女性の話をしましょうか。
 その女性はね、この鳴神学園の卒業生。
 でもね、いつの時代美女には秘密が付き物なの。
 秘密は、時にそれを無理に暴こうとする者に、災いをもたらすわ。特に美女の秘密はね」


 鳴神学園に女の子が転校してきた。
 彼女の名前は名倉寧々。
 転校生は自然とクラスになじんでいくものだが、名倉はいつまで経ってもクラスの中で特別な存在だった。
 例えるなら、まるでアヒルの群れに白鳥が混じっているような、そんな感じだった。
 名倉は美しかったが、際立って美人だったというわけではなかった。
 あるものは絶世の美女と言い、あるものは気味が悪いという。そんな個性的で特別な美貌を兼ね備えていた。
 そんな彼女だけれど、みんなは一目置いていた。
 落ち着いた物腰と思慮深さを感じさせる発現。そして何よりも、彼女からはいつもとてもよい香りがしていた。
 香りといっても、ブランド物の香水のように主張が激しいものではなく、彼女の動きに合わせて、ほんのりと空気に混じるような、そんな控えめな香りだった。
 名倉とすれ違う時、ふわりと風に乗ったその香りにときめいて、思わず振り返ってしまう男子も多かった。
 だから、名倉の香りの秘密の聞きたがる女の子は、後を絶えなかった。
 でも、名倉は誰にもでも打ち明けてくれた。
 ポケットから可愛らしい小袋を取り出して、匂いの元はこれよって。
 その袋の中には、ポプリが入っていた。
 ポプリというのは、香りのいい花やハーブ、スパイスなどを乾燥させたものだ。
 数種類のドライフラワーを作り、それに何種類か混ぜ合わせてから保留剤に精油を加えて、なじませて、完成まで1カ月ほどかかる。
 簡単に作れるが、何のドライフラワーを使うと、そして精油はどんな香りを使うかで完成したときの香りは変わってしまう。
 絶妙なバランスがポプリ作りの最も難しいとこであり、また醍醐味でもあると言われている。
 女の子たちから、「このポプリ私も欲しい」と言われた名倉は、自分で作っている、と答えた。
 作り方を教えてほしい、と言われた名倉は、「特殊な作り方をしているから、みんなにはちょっと難しいと思うわ」と答えて、ポプリを分けてくれた。
 あっという間にクラス中の女の子たちの間に、名倉のポプリが広まった。
 そして、ポプリが入っていた可愛らしいサシュも、名倉の手作りだった。


 「みんながその時点で満足していたら、何も問題は起こらなかったわ。
 でも、中にはいるのよね、秘密といわれると、どうしても知りたくなる人。
 あなた、名倉さんのポプリがどうやって作られているか、秘密を暴きたいと思っているじゃないかしら?」
 「あら、そうなの。
 他人のプライバシーには、踏み込まない主義なのかしら?
 でも、人間は表の顔と裏の顔を使い分けることができる生き物だわ。あなたも、人前だから綺麗事を口にしただけで、本心はわかったものじゃないわ、
 今から話す人みたいなことに、ならないといいのだけれど。うふふふ」


 名倉のクラスに八戸安蘭という子がいた。
 彼女も、名倉からポプリをもらっていたが、彼女は、他人が少しでも自分より勝っているのが気に食わないという性格だった。
 自分も名倉以上にいい香りのポプリを作って、みんなを羨ましがらせないと考えた。
 八戸は、名倉からもらったサシュの袋をばらして、中身を見た。中にはたくさんの種類のドライフラワーや、乾燥させたスパイスが入っていた。
 それを一つ一つ調べて、同じようなものを用意した。
 でも、同じように素材を用意しても、まったく同じものを作ることは難しかった。アロマオイルは香料を混ぜて、オリジナリティを出していたからだ。
 八戸は、必死にポプリの匂いをかいで、どんな香料が使われているのか、突き止めようとした。
 でも、どんなに同じように作っても、オリジナルには、到底及ばない出来だった。
 八戸は悔しい気持ちを必死に隠して、名倉に作り方ノレシピを教えてほしい、と頼み込んだが、名倉は決して教えてくれなかった。
 名倉は作り方を独り占めして、自分だけ人気者でいたいに違いない、と八戸は、次第にそんな風に思いつめるようになっていった。


 そんなある日、なんとしてもポプリの秘密を知りたかった八戸は、こっそりと名倉の後をつけようと考えた。
 もしかしたら材料を仕入れているお店に立ち寄るかもしれないし、家の窓をのぞいたら材料が見られるかもしれない。
 名倉が学校を後にすると、八戸が後を付けていることに気づかず確かな足取りで歩いて行った。
 名倉は、住宅街を抜け、田畑はあぜ道ばかりが目立つ景色も通り越し、夜の闇が空を覆い始めるころに薄暗い森の入り口に差し掛かった。
 木々はうっそうと茂り、先はまったく見えない。


 「それで、彼女はどうしたと思う?」
 八戸は勇気を振り絞って、暗い森の中へ足を踏み出した。
 鬱蒼とした森の中は、すっかり宵闇に包まれていた。
 名倉は鞄の中から懐中電灯を取り出した。
 懐中電灯は八戸にとっても救いの神だった。懐中電灯の明かりを見失わないように後をつければいい。
 しばらく歩いていると、木々が開けて、月の明かりの中に一件の小さな家が浮かび上がった。それは丸太を組んで作られた山小屋のような小さな建物だった。
 暗くてよくわからなかったけど、灯りは点いていなかった。ということは家には誰もいない。
 名倉は、手慣れた手付きで玄関のドアを開けると中に消えていった。
 しばらくして窓に明かりが灯ったことを確認すると、八戸は自分もその小屋に近づいた。
 お伽噺に出てくる魔女のおばあさんが住んでそうな、無骨で陰気な木の小屋。
 八戸が忍び足で窓辺に歩み寄り、中を覗こうとしたその時、突然家のドアが開いたので、八戸は手近な茂みに姿を隠した。
 家から出てきた人物は、八戸の存在に気づく素振りも見せず家の裏手へと歩いていった。
 家から出てきた人物は、頭からすっぽりと黒いローブを被っていた。
 裾からのぞくスカートは鳴神の制服だったので、きっと名倉だろう、と八戸は思った。
 そして、少し離れた木々の間から、その人物の挙動を探ることにした。
 黒いローブの人物は、家の裏手にある物置ほどの大きさの小屋に入ったかと思うと、黒い何かを掴んですぐに出てきた。
 バタバタを大きな音をたてて暴れ、のどから絞り出すような声を上げていたのは1羽の雄鶏だった。
 そして人物はしゃがむと、躊躇うことなく雄鶏の首を両手でつかみ、その場でくびり殺した。
 初めて命が奪われる瞬間を目にした八戸は、恐怖のあまり、歯の根が合わなくなるくらいに動揺して、両の目からは涙がぽろぽろとあふれてきた。
 (こんなに怖い思いをするぐらいなら、もう帰ったほうがいいかもしれない)


 「坂上君なら、どうする?」
 「本郷にその先を知っても後悔しない?」
 湧き上がる恐怖をぐっとこらえて、八戸はその場に踏み留まった。
 でも、目の前の光景に気をとられていたせいか、後ずさったときに、服に木の枝が引っ掛かって音を立ててしまった。
 黒いローブを被った人物は鋭くあたりを見回して、八戸が潜む木陰へと近づいた。


 「坂上君、あなたならどうする?」
 (逃げよう)
 そう決断した八戸は、元来た道を目指して、木陰を飛び出した。
 でも、黒いフードの人物が八戸の腕を掴んだ。
 「離して!」
 「八戸さん?」
 黒いローブの下から姿を現したのは名倉だった。
 「何をしているの、こんなところで?」
 名倉の声は、いつものように穏やかで優しい口調だった。
 「あの、道に迷って」
 「大変だったわね。こんな時間に外で立ち話もなんだから、ちょっと寄ってく?ごめんなさいね、お夕飯の鳥を絞めていたところだから、びっくりしたでしょう?」
 「ええ・・・」
 「どう?よろしければ、一緒にお夕飯食べていかなくて?」
 「私、体質でニワトリを食べると蕁麻疹が出てしまうの。ごめんなさい、せっかく誘っていただいて」
 優しい笑顔の影で、名倉は八戸の服の裾をしっかりと掴んでいた。


 「ようこそ、私の家へ」
 「うん、綺麗なおうち、すごく綺麗」
 八戸は、部屋の中央にある木のテーブルに案内された。
 「お茶でもいかが?」
 「あ、ありがとう」
 まるで雪山のロッジのような家の中は、整頓されてはいたけれど、質素で生きていくのに必要最小限のものしか置かれていなかった。
 ただ窓際には、これからポプリに材料にするのかしら、ドライフラワーになる途中の薔薇の花束がいくつも吊るされていた。
 部屋の隅には、蝋燭が灯ったアロマポットがあって、そこからなんともいえない甘くていい匂いが漂ってくる。
 トレーにティーカップを2つ載せて名倉がやってきた。
 「名倉さん、ここに一人で住んでるの?」
 「そうね、一人と言えば一人かな。そんなことより、飲んで」
 「あ、ありがと」
 八戸は、カップをひとつ受け取ると中を覗き込んだ。
 それは、アロマポットから漂う香りに似て、甘く八戸の鼻腔をくすぐった。
 「ところで、これ何のお茶?」
 「ああ、これ?私が作ったハーブティーよ。どうぞ」
 八戸はカップに口を近づけた。


 「この先、彼女は本当に飲んだと思う?」
 「名倉さんは飲まないの?」
 「飲むわよ。この香り、本当に落ち着くわね」
 名倉はそう言うと、優雅な仕草でカップを口に運んだ。
 「八戸さんもどうぞ」


 「あなただったら、本当にこのままハーブティを飲む?」
 八戸は飲むふりをしたが、その様子をじーっと名倉は見ていた。
 「お味はどう?」
 「おいしいわ」
 「なら全部飲んでいいのよ。おかわりも用意するから」


 名倉は、八戸が口をつける振りをしていることはわかっていた。
 これ以上はごかませそうにない。
 八戸は、じっと見つめている名倉けがけて、そのお茶をぶちまけた。
 (逃げなければ殺される)
 お茶をかけられ悲鳴を上げている名倉を突き飛ばし、八戸はとっさに森の中に飛び出した。


 (逃げなければ!)
 「こっち、こっち」
 突然、森の中で女の声が聞こえてきた。
 見ると、森の茂みの中に一人の女の子が立って手招きしていた。
 「一緒に逃げよう。ここは迷いの森だから魔女の捕まっちゃう」


 「どうする?坂上君なら、その声の主を信用する?」
  • 信用する
  • 信用しない
 心細かった八戸は声の主のもとに走って行った。
 近くまで行くと、彼女のことがはっきりと分かった。彼女は八戸と同じくらいの年齢だけれど、日本人じゃなかった。そして全身にタトゥーを入れていた。
 「あなたは?」
 「私の名前はターシャよ。あなた、森の魔女から逃げてきたのね」
 「ああ、彼女って森の魔女って呼ばれているのね?あなたはどうしてこんなところにいるの?」
 「あなたは森の魔女から逃げてきたんでしょ?」
 「そうよ、あなたも逃げてきたの?」
 「違うわ、私はお客様。メキシコから魔女のポプリを引き取りにきた」
 「え?」
 なんとなく事の顛末を察した八戸は急いで逃げようとしたが、踵を返した瞬間、目の前には別の少女が立っていた。
 「ダメ。この森からは出られない。ターシャ、遊んでいる暇はないでしょう」
 「マリアンナはいつも厳しい。お父様は見ていない。だから、この子と一緒に遊ぼう?」


 「ああ、もう殺してしまった。マリアンナは気が早い」
 「そいつを寧々のところに運びなさい。新しいポプリの材料なのだから」
 「えっ、こんな重いのをどうやって運ぶ?」
 「担いで」
 「一人じゃ無理よ」
 また別の少女がやってきて、「私も手伝う」と言った。
 「シェンファは優しい。鬼のマリアンナとは違うね」
 「あっ、足、くじいた。重いの運べなくなった」
 「役立たず、口だけ!」


 「いきなり現れた3人の少女に八戸さんは殺されてしまったの。そして、遺体は名倉さんのもとに運ばれていった。
 それきり、彼女たちが何者か、八戸さんがどうなったのかはわからないのよ。
 その森には魔女が棲んでいるという噂があるそうよ。
 坂上君、よければ今度一緒に行ってみる?運が良ければ、魔女に会えるかもしれないわよ。うふふふ」


 エンディング№216:三人の少女
 エンディング数 53/657 達成度8%
 キャラクター図鑑 46/122 達成度37%
 シェンファ
 ターシャ
 マリアンナ
 イラストギャラリー 35/283 達成度12%

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 今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
 倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る



 1人目は岩下明美を選択!


 岩下は3年A組とのこと。


 「あなた、私のことどう思う?」
  • 優しそうな人
  • 厳しそうな人
  • 初対面なのでわかりません
  • 美しい人(1人目に選択した時のみ)
  • モテそうな人
 シナリオ:ポプリ


 「あら、嬉しいわね。私の第一印象を美しいと言ってくれるなんて。
 坂上君、女性を喜ばせる術を心得ているいるなんて、憎いわね。そんなあなたの行為に応えて、私も美しい女性の話をしましょうか。
 その女性はね、この鳴神学園の卒業生。
 でもね、いつの時代美女には秘密が付き物なの。
 秘密は、時にそれを無理に暴こうとする者に、災いをもたらすわ。特に美女の秘密はね」


 鳴神学園に女の子が転校してきた。
 彼女の名前は名倉寧々。
 転校生は自然とクラスになじんでいくものだが、名倉はいつまで経ってもクラスの中で特別な存在だった。
 例えるなら、まるでアヒルの群れに白鳥が混じっているような、そんな感じだった。
 名倉は美しかったが、際立って美人だったというわけではなかった。
 あるものは絶世の美女と言い、あるものは気味が悪いという。そんな個性的で特別な美貌を兼ね備えていた。
 そんな彼女だけれど、みんなは一目置いていた。
 落ち着いた物腰と思慮深さを感じさせる発現。そして何よりも、彼女からはいつもとてもよい香りがしていた。
 香りといっても、ブランド物の香水のように主張が激しいものではなく、彼女の動きに合わせて、ほんのりと空気に混じるような、そんな控えめな香りだった。
 名倉とすれ違う時、ふわりと風に乗ったその香りにときめいて、思わず振り返ってしまう男子も多かった。
 だから、名倉の香りの秘密の聞きたがる女の子は、後を絶えなかった。
 でも、名倉は誰にもでも打ち明けてくれた。
 ポケットから可愛らしい小袋を取り出して、匂いの元はこれよって。
 その袋の中には、ポプリが入っていた。
 ポプリというのは、香りのいい花やハーブ、スパイスなどを乾燥させたものだ。
 数種類のドライフラワーを作り、それに何種類か混ぜ合わせてから保留剤に精油を加えて、なじませて、完成まで1カ月ほどかかる。
 簡単に作れるが、何のドライフラワーを使うと、そして精油はどんな香りを使うかで完成したときの香りは変わってしまう。
 絶妙なバランスがポプリ作りの最も難しいとこであり、また醍醐味でもあると言われている。
 女の子たちから、「このポプリ私も欲しい」と言われた名倉は、自分で作っている、と答えた。
 作り方を教えてほしい、と言われた名倉は、「特殊な作り方をしているから、みんなにはちょっと難しいと思うわ」と答えて、ポプリを分けてくれた。
 あっという間にクラス中の女の子たちの間に、名倉のポプリが広まった。
 そして、ポプリが入っていた可愛らしいサシュも、名倉の手作りだった。


 「みんながその時点で満足していたら、何も問題は起こらなかったわ。
 でも、中にはいるのよね、秘密といわれると、どうしても知りたくなる人。
 あなた、名倉さんのポプリがどうやって作られているか、秘密を暴きたいと思っているじゃないかしら?」
 「あら、そうなの。
 他人のプライバシーには、踏み込まない主義なのかしら?
 でも、人間は表の顔と裏の顔を使い分けることができる生き物だわ。あなたも、人前だから綺麗事を口にしただけで、本心はわかったものじゃないわ、
 今から話す人みたいなことに、ならないといいのだけれど。うふふふ」


 名倉のクラスに八戸安蘭という子がいた。
 彼女も、名倉からポプリをもらっていたが、彼女は、他人が少しでも自分より勝っているのが気に食わないという性格だった。
 自分も名倉以上にいい香りのポプリを作って、みんなを羨ましがらせないと考えた。
 八戸は、名倉からもらったサシュの袋をばらして、中身を見た。中にはたくさんの種類のドライフラワーや、乾燥させたスパイスが入っていた。
 それを一つ一つ調べて、同じようなものを用意した。
 でも、同じように素材を用意しても、まったく同じものを作ることは難しかった。アロマオイルは香料を混ぜて、オリジナリティを出していたからだ。
 八戸は、必死にポプリの匂いをかいで、どんな香料が使われているのか、突き止めようとした。
 でも、どんなに同じように作っても、オリジナルには、到底及ばない出来だった。
 八戸は悔しい気持ちを必死に隠して、名倉に作り方ノレシピを教えてほしい、と頼み込んだが、名倉は決して教えてくれなかった。
 名倉は作り方を独り占めして、自分だけ人気者でいたいに違いない、と八戸は、次第にそんな風に思いつめるようになっていった。


 そんなある日、なんとしてもポプリの秘密を知りたかった八戸は、こっそりと名倉の後をつけようと考えた。
 もしかしたら材料を仕入れているお店に立ち寄るかもしれないし、家の窓をのぞいたら材料が見られるかもしれない。
 名倉が学校を後にすると、八戸が後を付けていることに気づかず確かな足取りで歩いて行った。
 名倉は、住宅街を抜け、田畑はあぜ道ばかりが目立つ景色も通り越し、夜の闇が空を覆い始めるころに薄暗い森の入り口に差し掛かった。
 木々はうっそうと茂り、先はまったく見えない。


 「それで、彼女はどうしたと思う?」
 八戸は勇気を振り絞って、暗い森の中へ足を踏み出した。
 鬱蒼とした森の中は、すっかり宵闇に包まれていた。
 名倉は鞄の中から懐中電灯を取り出した。
 懐中電灯は八戸にとっても救いの神だった。懐中電灯の明かりを見失わないように後をつければいい。
 しばらく歩いていると、木々が開けて、月の明かりの中に一件の小さな家が浮かび上がった。それは丸太を組んで作られた山小屋のような小さな建物だった。
 暗くてよくわからなかったけど、灯りは点いていなかった。ということは家には誰もいない。
 名倉は、手慣れた手付きで玄関のドアを開けると中に消えていった。
 しばらくして窓に明かりが灯ったことを確認すると、八戸は自分もその小屋に近づいた。
 お伽噺に出てくる魔女のおばあさんが住んでそうな、無骨で陰気な木の小屋。
 八戸が忍び足で窓辺に歩み寄り、中を覗こうとしたその時、突然家のドアが開いたので、八戸は手近な茂みに姿を隠した。
 家から出てきた人物は、八戸の存在に気づく素振りも見せず家の裏手へと歩いていった。
 家から出てきた人物は、頭からすっぽりと黒いローブを被っていた。
 裾からのぞくスカートは鳴神の制服だったので、きっと名倉だろう、と八戸は思った。
 そして、少し離れた木々の間から、その人物の挙動を探ることにした。
 黒いローブの人物は、家の裏手にある物置ほどの大きさの小屋に入ったかと思うと、黒い何かを掴んですぐに出てきた。
 バタバタを大きな音をたてて暴れ、のどから絞り出すような声を上げていたのは1羽の雄鶏だった。
 そして人物はしゃがむと、躊躇うことなく雄鶏の首を両手でつかみ、その場でくびり殺した。
 初めて命が奪われる瞬間を目にした八戸は、恐怖のあまり、歯の根が合わなくなるくらいに動揺して、両の目からは涙がぽろぽろとあふれてきた。
 (こんなに怖い思いをするぐらいなら、もう帰ったほうがいいかもしれない)


 「坂上君なら、どうする?」
 「本当にその先を知っても後悔しない?」
 湧き上がる恐怖をぐっとこらえて、八戸はその場に踏み留まった。
 でも、目の前の光景に気をとられていたせいか、後ずさったときに、服に木の枝が引っ掛かって音を立ててしまった。
 黒いローブを被った人物は鋭くあたりを見回して、八戸が潜む木陰へと近づいた。


 「坂上君、あなたならどうする?」
 (この人は名倉さんよ、大丈夫)
 八戸は意を決して黒い人物の前に進み出た。
 「こんばんは」
 その人物は一瞬ギクッと動きを止め、ゆっくりと振り向くとローブに手をかけた。八戸は思った通り、その下から現れたのは見慣れた名倉さんの顔だった。
 「あら、八戸さん。こちらには何の御用?」
 「ポプリの作り方を教えてほしくって、それで名倉さんの後を付けたの。ごめんなさい」
 「そう」
 名倉さんは口元に手を当てて、しばらく何かを考えていたみたいだが、ふいにいつもの笑顔に戻って言った。
 「いいわ、あなたにだけは教えてあげる、どうぞ、いらっしゃい」
 天にも昇るような心地で八戸は、名倉の後をついて家の中に入って行った。


 「ぎゃぁ!」
 「心配しないで、ちゃんと約束は守るから」
 後頭部に鈍い痛みを感じて、八戸はぼんやりと目を覚ました。
 彼女の両手は冷たい鉄の枷に嵌められ、一糸まとまぬ姿で天井から吊るされていた。
 見ると、両の足首もまとめて枷がはめられており、どんなに暴れても冷たい器具が食い込み、新たな痛みを生み出すだけだった。
 「誰かー、助けてー!」
 声の限りに叫んでみても、石の壁に反響するばかりで呼びかけに答えるものはなかった。
 その時、扉を開けて入ってきた名倉と目が合った。
 「こんなことして、ただで済むと思ってんの!」
 名倉は八戸の様子など気にも留めずに、部屋の隅へ行き、大きな注射器を手にとった。
 注射器の中には緑色の液体が詰まっていた。
 「や、やめさないよ!」
 名倉は、無表情に八戸の胸に注射器の針を押し当てた。
 太い針が八戸の胸の肉に差し込まれると、緑色の液体が流し込まれた。
 「人殺し!」
 名倉は、恐怖に震えて涙を流す八戸には目もくれず、傍らに置かれた台の上に空になった注射器を置いた。
 そして、緑色の血管が息づく八戸の身体を両の手でゆっくりと撫でまわした。
 「瑞々しい肌だこと」
 そして、置いた注射器の代わりに、今度はメスを手にした。
 そして、空いたもう片方の手でいつも学校に持ってきているサシュのような布袋を持った。
 名倉は、八戸の腹部を丁寧にさすると、そこにメスでさっくりと切り込みを入れたが、驚くほど八戸には痛みはなかった。
 名倉は、切り込みを入れた傷口に、布袋から取り出した小さな黒い物体を押し込んだ。
 「ぎゃー!!!痛いよ、死んじゃうよ!」
 「死なないから。痛みも慣れると快感よ」
 名倉は、袋の中から取り出した黒い粒を八戸の目の前に持っていき、よく見えるように動かした。
 「これはね、あのポプリの材料になる特殊な薔薇の種なの。
 この薔薇は、不思議なことに、動物の体内の中でないと花を咲かせないの。
 しかもね、どういうわけか人間の体内で育てると特に美しい花を咲かせ、あなたも嗅いだあの芳しい香りを放つようになるのよ。
 でもね、うまくいって、成功するのは五分五分かしらね。成功すればあなたもあの美しいポプリになれるわ。
 失敗すると、体中穴だらけになって醜い死体になってしまう。
 私、あなたには期待させていただくわ。その強い執着心で生き抜いて、立派な薔薇の花を拝ませてくださいませ」
 八戸は狂ったように暴れたが、名倉は今度は右太ももにメスを走らせ、同じように黒い種子を埋め込んだ。
 「お願い、やめて!絶対に誰にも言わないから!」
 名倉は、懇願する八戸を余所に淡々と作業を続けた。


 「それからも、名倉さんが作るポプリは大人気だったそうよ。
 八戸さん、いつの間にかいなくなっていたけど、学校側からも特にこれといった発表はなかったそうよ。
 もしかしたら名倉さん、学校側の関係者と特別な関係にあったのかもしれないわね。
 どちらにしろ、私は名倉さんのような存在に憧れるし、彼女はとても尊敬できる人よ。
 あなたは、名倉さんが怖い?だったら、あなたは八戸さんと同じね。あたなはそちら側の人間だということ。
 だって、そうでしょう。人には秘密があるのだから。それに触れてはならないの。
 それに触れなければ、八戸さんは今も幸せに生きていることができたでしょうに。ねえ。坂上君。うふふふ」


 エンディング№215:媚薬の香り
 エンディング数 52/657 達成度7%
 キャラクター図鑑 43/122 達成度35%
 イラストギャラリー 35/283 達成度12%

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 今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
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 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
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 2週目開始!
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 1人目は岩下明美を選択!


 岩下は3年A組とのこと。


 「あなた、私のことどう思う?」
  • 優しそうな人
  • 厳しそうな人
  • 初対面なのでわかりません
  • 美しい人(1人目に選択した時のみ)
  • モテそうな人
 シナリオ:ポプリ


 「あら、嬉しいわね。私の第一印象を美しいと言ってくれるなんて。
 坂上君、女性を喜ばせる術を心得ているいるなんて、憎いわね。そんなあなたの行為に応えて、私も美しい女性の話をしましょうか。
 その女性はね、この鳴神学園の卒業生。
 でもね、いつの時代美女には秘密が付き物なの。
 秘密は、時にそれを無理に暴こうとする者に、災いをもたらすわ。特に美女の秘密はね」


 鳴神学園に女の子が転校してきた。
 彼女の名前は名倉寧々。
 転校生は自然とクラスになじんでいくものだが、名倉はいつまで経ってもクラスの中で特別な存在だった。
 例えるなら、まるでアヒルの群れに白鳥が混じっているような、そんな感じだった。
 名倉は美しかったが、際立って美人だったというわけではなかった。
 あるものは絶世の美女と言い、あるものは気味が悪いという。そんな個性的で特別な美貌を兼ね備えていた。
 そんな彼女だけれど、みんなは一目置いていた。
 落ち着いた物腰と思慮深さを感じさせる発現。そして何よりも、彼女からはいつもとてもよい香りがしていた。
 香りといっても、ブランド物の香水のように主張が激しいものではなく、彼女の動きに合わせて、ほんのりと空気に混じるような、そんな控えめな香りだった。
 名倉とすれ違う時、ふわりと風に乗ったその香りにときめいて、思わず振り返ってしまう男子も多かった。
 だから、名倉の香りの秘密の聞きたがる女の子は、後を絶えなかった。
 でも、名倉は誰にもでも打ち明けてくれた。
 ポケットから可愛らしい小袋を取り出して、匂いの元はこれよって。
 その袋の中には、ポプリが入っていた。
 ポプリというのは、香りのいい花やハーブ、スパイスなどを乾燥させたものだ。
 数種類のドライフラワーを作り、それに何種類か混ぜ合わせてから保留剤に精油を加えて、なじませて、完成まで1カ月ほどかかる。
 簡単に作れるが、何のドライフラワーを使うと、そして精油はどんな香りを使うかで完成したときの香りは変わってしまう。
 絶妙なバランスがポプリ作りの最も難しいとこであり、また醍醐味でもあると言われている。
 女の子たちから、「このポプリ私も欲しい」と言われた名倉は、自分で作っている、と答えた。
 作り方を教えてほしい、と言われた名倉は、「特殊な作り方をしているから、みんなにはちょっと難しいと思うわ」と答えて、ポプリを分けてくれた。
 あっという間にクラス中の女の子たちの間に、名倉のポプリが広まった。
 そして、ポプリが入っていた可愛らしいサシュも、名倉の手作りだった。


 「みんながその時点で満足していたら、何も問題は起こらなかったわ。
 でも、中にはいるのよね、秘密といわれると、どうしても知りたくなる人。
 あなた、名倉さんのポプリがどうやって作られているか、秘密を暴きたいと思っているじゃないかしら?」
 「あら、そうなの。
 他人のプライバシーには、踏み込まない主義なのかしら?
 でも、人間は表の顔と裏の顔を使い分けることができる生き物だわ。あなたも、人前だから綺麗事を口にしただけで、本心はわかったものじゃないわ、
 今から話す人みたいなことに、ならないといいのだけれど。うふふふ」


 名倉のクラスに八戸安蘭という子がいた。
 彼女も、名倉からポプリをもらっていたが、彼女は、他人が少しでも自分より勝っているのが気に食わないという性格だった。
 自分も名倉以上にいい香りのポプリを作って、みんなを羨ましがらせないと考えた。
 八戸は、名倉からもらったサシュの袋をばらして、中身を見た。中にはたくさんの種類のドライフラワーや、乾燥させたスパイスが入っていた。
 それを一つ一つ調べて、同じようなものを用意した。
 でも、同じように素材を用意しても、まったく同じものを作ることは難しかった。アロマオイルは香料を混ぜて、オリジナリティを出していたからだ。
 八戸は、必死にポプリの匂いをかいで、どんな香料が使われているのか、突き止めようとした。
 でも、どんなに同じように作っても、オリジナルには、到底及ばない出来だった。
 八戸は悔しい気持ちを必死に隠して、名倉に作り方ノレシピを教えてほしい、と頼み込んだが、名倉は決して教えてくれなかった。
 名倉は作り方を独り占めして、自分だけ人気者でいたいに違いない、と八戸は、次第にそんな風に思いつめるようになっていった。


 そんなある日、なんとしてもポプリの秘密を知りたかった八戸は、こっそりと名倉の後をつけようと考えた。
 もしかしたら材料を仕入れているお店に立ち寄るかもしれないし、家の窓をのぞいたら材料が見られるかもしれない。
 名倉が学校を後にすると、八戸が後を付けていることに気づかず確かな足取りで歩いて行った。
 名倉は、住宅街を抜け、田畑はあぜ道ばかりが目立つ景色も通り越し、夜の闇が空を覆い始めるころに薄暗い森の入り口に差し掛かった。
 木々はうっそうと茂り、先はまったく見えない。


 「それで、彼女はどうしたと思う?」
 八戸は勇気を振り絞って、暗い森の中へ足を踏み出した。
 鬱蒼とした森の中は、すっかり宵闇に包まれていた。
 名倉は鞄の中から懐中電灯を取り出した。
 懐中電灯は八戸にとっても救いの神だった。懐中電灯の明かりを見失わないように後をつければいい。
 しばらく歩いていると、木々が開けて、月の明かりの中に一件の小さな家が浮かび上がった。それは丸太を組んで作られた山小屋のような小さな建物だった。
 暗くてよくわからなかったけど、灯りは点いていなかった。ということは家には誰もいない。
 名倉は、手慣れた手付きで玄関のドアを開けると中に消えていった。
 しばらくして窓に明かりが灯ったことを確認すると、八戸は自分もその小屋に近づいた。
 お伽噺に出てくる魔女のおばあさんが住んでそうな、無骨で陰気な木の小屋。
 八戸が忍び足で窓辺に歩み寄り、中を覗こうとしたその時、突然家のドアが開いたので、八戸は手近な茂みに姿を隠した。
 家から出てきた人物は、八戸の存在に気づく素振りも見せず家の裏手へと歩いていった。
 家から出てきた人物は、頭からすっぽりと黒いローブを被っていた。
 裾からのぞくスカートは鳴神の制服だったので、きっと名倉だろう、と八戸は思った。
 そして、少し離れた木々の間から、その人物の挙動を探ることにした。
 黒いローブの人物は、家の裏手にある物置ほどの大きさの小屋に入ったかと思うと、黒い何かを掴んですぐに出てきた。
 バタバタを大きな音をたてて暴れ、のどから絞り出すような声を上げていたのは1羽の雄鶏だった。
 そして人物はしゃがむと、躊躇うことなく雄鶏の首を両手でつかみ、その場でくびり殺した。
 初めて命が奪われる瞬間を目にした八戸は、恐怖のあまり、歯の根が合わなくなるくらいに動揺して、両の目からは涙がぽろぽろとあふれてきた。
 (こんなに怖い思いをするぐらいなら、もう帰ったほうがいいかもしれない)


 「坂上君なら、どうする?」
 「本郷にその先を知っても後悔しない?」
 湧き上がる恐怖をぐっとこらえて、八戸はその場に踏み留まった。
 でも、目の前の光景に気をとられていたせいか、後ずさったときに、服に木の枝が引っ掛かって音を立ててしまった。
 黒いローブを被った人物は鋭くあたりを見回して、八戸が潜む木陰へと近づいた。


 「坂上君、あなたならどうする?」
  • 逃げる
  • 逃げない
 (逃げよう)
 そう決断した八戸は、元来た道を目指して、木陰を飛び出した。
 でも、黒いフードの人物が八戸の腕を掴んだ。
 「離して!」
 「八戸さん?」
 黒いローブの下から姿を現したのは名倉だった。
 「何をしているの、こんなところで?」
 名倉の声は、いつものように穏やかで優しい口調だった。
 「あの、道に迷って」
 「大変だったわね。こんな時間に外で立ち話もなんだから、ちょっと寄ってく?ごめんなさいね、お夕飯の鳥を絞めていたところだから、びっくりしたでしょう?」
 「ええ・・・」
 「どう?よろしければ、一緒にお夕飯食べていかなくて?」
 「私、体質でニワトリを食べると蕁麻疹が出てしまうの。ごめんなさい、せっかく誘っていただいて」
 優しい笑顔の影で、名倉は八戸の服の裾をしっかりと掴んでいた。


 「ようこそ、私の家へ」
 「うん、綺麗なおうち、すごく綺麗」
 八戸は、部屋の中央にある木のテーブルに案内された。
 「お茶でもいかが?」
 「あ、ありがとう」
 まるで雪山のロッジのような家の中は、整頓されてはいたけれど、質素で生きていくのに必要最小限のものしか置かれていなかった。
 ただ窓際には、これからポプリに材料にするのかしら、ドライフラワーになる途中の薔薇の花束がいくつも吊るされていた。
 部屋の隅には、蝋燭が灯ったアロマポットがあって、そこからなんともいえない甘くていい匂いが漂ってくる。
 トレーにティーカップを2つ載せて名倉がやってきた。
 「名倉さん、ここに一人で住んでるの?」
 「そうね、一人と言えば一人かな。そんなことより、飲んで」
 「あ、ありがと」
 八戸は、カップをひとつ受け取ると中を覗き込んだ。
 それは、アロマポットから漂う香りに似て、甘く八戸の鼻腔をくすぐった。
 「ところで、これ何のお茶?」
 「ああ、これ?私が作ったハーブティーよ。どうぞ」
 八戸はカップに口を近づけた。


 「この先、彼女は本当に飲んだと思う?」
  • 飲んだ
  • 飲まなかった
  • 名倉さんに先に飲ませる
 八戸は、恐る恐るハーブティーを口に含んだ。
 「どう?」
 「すっごくおいしい!」
 そのお茶は、八戸が今まで飲んだどんなお茶よりも薫り高く、幸せな気分にさせてくれた。
 「すごいね、名倉さん!ポプリだけじゃなく、こんなおいしいお茶まで。これ、お店で売ってもいいんじゃない!ハーブのお店、開けるよ!」
 名倉は、満足そうに微笑んだが、八戸は不意に軽いめまいを覚えた。
 指先から始まった痺れが全身に回ったころには、八戸は気を失って椅子から滑り落ちてしまった。


 鼻腔を満たす、むせ返るような腐臭と薔薇の香りに、八戸はぼんやりと目を覚ました。
 身体を動かそうとした八戸は、首から下がまったく動かないことに気づき、愕然とした。
 ようやく、はっきりと意識が戻った八戸は、自分が裸にされて、胸から下を土に埋められていることを理解した。
 周りを見渡すと、同じように首から下が埋められた人たちが、目に入った。
 正しくは人だった物。ある者は、薔薇の蔓に全身を包まれながら、人の形をとどめにまで腐乱していた。またある者は、眼球が腐り落ち空洞となった眼窩から、しっかりとした太い蔓が天に向かって伸びていた。
 そんな死骸が、薔薇の木の根元に何体となく埋められていた。
 「嫌ー!!!」
 八戸は必死に身をよじり土から抜け出そうとしたが、彼女を包み込んだ土はびくとも動かなかった。
 すると、その声を聞きつけて歩み寄ってきた人影がいた。
 「名倉さん!!」
 「おはよう」
 「なんなのこれ!助けてよ!」
 「私のポプリの秘密よ」
 名倉は、咲き誇る大輪の花々を眺めて、うっとりと満足そうな笑みを浮かべた。
 「薔薇が香り豊かな花を付けるたけにはね、たくさんの養分が必要なのよ」
 「ごめんなさい、許して!秘密を知ろうとしたことはあやまるから!このことは絶対に誰にもしゃべらないから!」
 「あなた、うるさいわ。早くこれを飲んで静かになってね」
 名倉は八戸の顎を持ち上げると、頬に指を食い込ませて無理やりに口を開けさせ、黄色い液体が入ったペットボトルから、甘い香りのするドロドロした黄色い中身を、口の中に注ぎ込んだ。
 「ー!」
 周囲に八戸の声にならない悲鳴が響き渡り、やがてそれすらも聞こえなくなった。
 「もう、私の娘たちがびっくりするじゃない、ねえ?」


 「八戸さん、森に入る前に引き返していたらこんなことにはならなかったのにね。坂上君も人の秘密を探るときは気を付けることね」


 エンディング№214:薔薇の下で
 エンディング数 51/657 達成度7%
 キャラクター図鑑 43/122 達成度35%
 イラストギャラリー 35/283 達成度12%

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 今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
 倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る



 1人目は岩下明美を選択!


 岩下は3年A組とのこと。


 「あなた、私のことどう思う?」
  • 優しそうな人
  • 厳しそうな人
  • 初対面なのでわかりません
  • 美しい人(1人目に選択した時のみ)
  • モテそうな人
 シナリオ:ポプリ


 「あら、嬉しいわね。私の第一印象を美しいと言ってくれるなんて。
 坂上君、女性を喜ばせる術を心得ているいるなんて、憎いわね。そんなあなたの行為に応えて、私も美しい女性の話をしましょうか。
 その女性はね、この鳴神学園の卒業生。
 でもね、いつの時代美女には秘密が付き物なの。
 秘密は、時にそれを無理に暴こうとする者に、災いをもたらすわ。特に美女の秘密はね」


 鳴神学園に女の子が転校してきた。
 彼女の名前は名倉寧々。
 転校生は自然とクラスになじんでいくものだが、名倉はいつまで経ってもクラスの中で特別な存在だった。
 例えるなら、まるでアヒルの群れに白鳥が混じっているような、そんな感じだった。
 名倉は美しかったが、際立って美人だったというわけではなかった。
 あるものは絶世の美女と言い、あるものは気味が悪いという。そんな個性的で特別な美貌を兼ね備えていた。
 そんな彼女だけれど、みんなは一目置いていた。
 落ち着いた物腰と思慮深さを感じさせる発現。そして何よりも、彼女からはいつもとてもよい香りがしていた。
 香りといっても、ブランド物の香水のように主張が激しいものではなく、彼女の動きに合わせて、ほんのりと空気に混じるような、そんな控えめな香りだった。
 名倉とすれ違う時、ふわりと風に乗ったその香りにときめいて、思わず振り返ってしまう男子も多かった。
 だから、名倉の香りの秘密の聞きたがる女の子は、後を絶えなかった。
 でも、名倉は誰にもでも打ち明けてくれた。
 ポケットから可愛らしい小袋を取り出して、匂いの元はこれよって。
 その袋の中には、ポプリが入っていた。
 ポプリというのは、香りのいい花やハーブ、スパイスなどを乾燥させたものだ。
 数種類のドライフラワーを作り、それに何種類か混ぜ合わせてから保留剤に精油を加えて、なじませて、完成まで1カ月ほどかかる。
 簡単に作れるが、何のドライフラワーを使うと、そして精油はどんな香りを使うかで完成したときの香りは変わってしまう。
 絶妙なバランスがポプリ作りの最も難しいとこであり、また醍醐味でもあると言われている。
 女の子たちから、「このポプリ私も欲しい」と言われた名倉は、自分で作っている、と答えた。
 作り方を教えてほしい、と言われた名倉は、「特殊な作り方をしているから、みんなにはちょっと難しいと思うわ」と答えて、ポプリを分けてくれた。
 あっという間にクラス中の女の子たちの間に、名倉のポプリが広まった。
 そして、ポプリが入っていた可愛らしいサシュも、名倉の手作りだった。


 「みんながその時点で満足していたら、何も問題は起こらなかったわ。
 でも、中にはいるのよね、秘密といわれると、どうしても知りたくなる人。
 あなた、名倉さんのポプリがどうやって作られているか、秘密を暴きたいと思っているじゃないかしら?」
  • 秘密を暴きたい
  • そんなことはしたくない
 「ふふ、随分と正直なのね。
 でも、西洋のことわざに、好奇心はネコを殺す、というものがあるのよ。
 あまりになんにでも首を突っ込もうとすると、酷い目に遭うという意味よ。うふふふ」


 名倉のクラスに八戸安蘭という子がいた。
 彼女も、名倉からポプリをもらっていたが、彼女は、他人が少しでも自分より勝っているのが気に食わないという性格だった。
 自分も名倉以上にいい香りのポプリを作って、みんなを羨ましがらせないと考えた。
 八戸は、名倉からもらったサシュの袋をばらして、中身を見た。中にはたくさんの種類のドライフラワーや、乾燥させたスパイスが入っていた。
 それを一つ一つ調べて、同じようなものを用意した。
 でも、同じように素材を用意しても、まったく同じものを作ることは難しかった。アロマオイルは香料を混ぜて、オリジナリティを出していたからだ。
 八戸は、必死にポプリの匂いをかいで、どんな香料が使われているのか、突き止めようとした。
 でも、どんなに同じように作っても、オリジナルには、到底及ばない出来だった。
 八戸は悔しい気持ちを必死に隠して、名倉に作り方ノレシピを教えてほしい、と頼み込んだが、名倉は決して教えてくれなかった。
 名倉は作り方を独り占めして、自分だけ人気者でいたいに違いない、と八戸は、次第にそんな風に思いつめるようになっていった。


 そんなある日、なんとしてもポプリの秘密を知りたかった八戸は、こっそりと名倉の後をつけようと考えた。
 もしかしたら材料を仕入れているお店に立ち寄るかもしれないし、家の窓をのぞいたら材料が見られるかもしれない。
 名倉が学校を後にすると、八戸が後を付けていることに気づかず確かな足取りで歩いて行った。
 名倉は、住宅街を抜け、田畑はあぜ道ばかりが目立つ景色も通り越し、夜の闇が空を覆い始めるころに薄暗い森の入り口に差し掛かった。
 木々はうっそうと茂り、先はまったく見えない。


 「それで、彼女はどうしたと思う?」
  • 後を付ける
  • 引き返す
 八戸は追跡をあきらめて、そこで引き返すことにした。
 数日後、テレビのニュースで、女子高生の他殺体が発見されたことが報じられた。場所は、八戸が隠れていた森の茂みの中だった。
 被害者は鳴神学園の制服を着ており、遺体には執拗な暴行が加えられていて、体中には無数の穴が空いていた。
 八戸は、一歩間違えたら自分も同じ目に遭っていたかもしれないと思い、震えが止まらかなった。
 そして、それと時を同じくして名倉が学校に来なくなった。行方不明になったのだ。


 「名倉さんも、殺された女子高生のような目に遭ったんだと思う?それとも、彼女は襲う側で。
 いえ、憶測で人を疑うのは良くないわね。行き過ぎた好奇心で身を滅ぼさないように気を付けるのよ、うふふふ」


 エンディング№213:好奇心は猫を殺す
 エンディング数 50/657 達成度7%
 キャラクター図鑑 43/122 達成度35%
 イラストギャラリー 35/283 達成度12%

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 今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!

 イジめで死んだ真美の人形を、イジメてた良江が拾うが、人形の方が、真美をマミちゃん人形と認識しており、良江もヨシエちゃん人形と認識している・・・


 新聞部では、日野貞夫が、一学期最後の学校新聞は七不思議の特集をやろう、と言い出す。
 倉田恵美も、長年使われていない旧校舎が夏休み中に取り壊されるし、季節的にも受ける、といって賛成する。
 日野が学校の怪談好きの七名を集めるとのことで、今度の金曜日の放課後に、新聞部の部室で行うことになった。
 日野から、七不思議の記事を書くように言われたのは、主人公の坂上修一だった。
 坂上が嫌がっているのに気づいた倉田が、怖い話が好きだから自分がやります、と言い出したので、坂上は、実は怖い話が苦手だ、と打ち明ける。
 それを聞いた日野は、新聞部一番の怖がりの坂上だから指名した、と答える。
 怖い話を聞いて思いっきり怖がって、その恐怖を記事にしてほしい、という理由からだった。
 倉田は、なら自分は語り部をやりたい、と日野に訴えると、日野は、今ここで怖い話をしてみろ、と言い出す。
 それくらいできないようじゃ、語り部は務まらないとのこと。


 →やります
 →あ~、やっぱりいいです


 「学校で、実は卒業するまで一度も行かないような場所があるのって知っている?」
  • プール
  • 放送室→シナリオ:カエルですか?ネズミですか?
  • 保健室→シナリオ:カエルですか?ネズミですか?
  • トイレ
 シナリオ:呪われたロッカー開始!


 「確かにプールは夏の体育の時間しか行かないよね。水泳部でもない限り、年に数回行くかどうか。
 坂上君って、泳げる?」
 「あのさー、今どき冗談でもそんなこと言わないよ。
 じゃあ、もう一回聞くから、ちゃんと答えてね。坂上君って、泳げる?」
 「ま、確かに猫も泳ぐけど。
 やっぱり怖い話を聞くの向いてないんじゃないの?
 日野先輩、やっぱりこの役は私に・・・そんな怖い顔で睨まないでくださいよお。
 それじゃあ、水泳部の怖い話を聞いてください。
 まあ、この話は鳴神学園では有名な都市伝説だからさ。もしかして坂上君も聞いたことあるかな、瀬戸裕子さんの噂」
 「へえ、怖がりの坂上君でも知っているんだからよっぽど有名なんだ。
 でもさ、ロッカーで瀬戸さんを呼び出す方法はさすがに知らないでしょ?」
 「知ってるの?ねえ、どうして知ってるの?」
 「そうだよね、怖がりの坂上君だもんね、知るわけないわよね。
 さすがに日野先輩は知っていますよね?そうですよね」


 今から10年以上も前に、鳴神学園の水泳部に瀬戸裕子というものすごい選手がいた。
 彼女が泳ぐと人魚みたいだって、みんなは噂していた。
 そんな瀬戸だが、ある朝、プールでうつ伏せになって浮いているところを発見された。
 生徒だけのプール利用は禁止されていたが、彼女の場合は特別で、大会前は特に熱心に練習していた。
 おそらく一人で練習しているときに心臓麻痺を起こして溺れたのだろう、と言われていた。
 それから、プールで変なことが起こるようになった。


 「どんな変なことが起きたと思う?」
 「そうなの、泳いでいるとき、足をつる人が多くなったの。
 みんなは噂したわ。瀬戸さんの祟りだって。しかも、誰もいないはずの部室で、人の気配がするの。
 部室をきれいに片付けておいたのに次の日、部室が水浸しになっていたり。
 みんなは、きっと瀬戸さんが水泳部のことを忘れられないで化けて出てくるのではないか、と噂しました。
 さらに恐ろしいことに、彼女の使っていたロッカーを使った子が次々と恐ろしいことが起こったの。突然肩に手をかけられたり、後ろ髪を引っ張られたり。
 もちろん辺りには誰もいない。さっき、泳いでいるときに足をつる人が多くなっていったでしょ。あれも瀬戸さんのロッカーを使った子に限って起きるのです。
 それでね、その人たちに話を聞くと、みんな口を揃えて、泳いでいたら、突然誰かに足を引っ張られた、っていうんだってさ。
 瀬戸さんが寂しくてさ、友達を欲しがってるんだよ。誰かを道連れにしたいんだよ。
 足を引っ張られた子は、気持ち悪いからすぐロッカーを取り変えるでしょ。すると、変なことは起きなくなる。だから、やっぱりロッカーが呪われているって話になったわけ。
 それでそのロッカーは、使用禁止になりました。
 本来は撤去するはずだったんですけど、動かそうとすると不気味な声がきこえるとかで、気味悪い噂も広まりました。
 それで、そのまま放置して、瀬戸さんが使っていたロッカーだけは使わないようになったというわけ。
 そのロッカーって、一人用の縦長のロッカーが8つ繋がって1つになっている大きなロッカーでね、それごと使用禁止になっているから、いわば8つのロッカーが使用禁止になっているのね。
 今も、そのロッカーは水泳部の部室においてるというのが、鳴神学園にまつわる都市伝説の一つ。そうですよね、日野先輩?」
 日野「ああ、うちの学校では有名な話だ」
 「ここまでは誰もが知っている話。でも、そのロッカーには瀬戸さんが棲みついているっていう話は知っています?」
 日野「それは知らないな」
 倉田「瀬戸さんをロッカーから呼び出す方法があるんですよ」
 日野「おもしろそうだな、教えてくれよ」
 「瀬戸さんが死んだと言われている命日の午後4時44分にロッカーに行って、瀬戸さん、瀬戸さん、瀬戸さんと3回名前を呼びます。
 続いて、今瀬戸さんを殺した犯人がロッカーの前に立っています。確かめてみませんか?って言うだけです。
 すると何かが起きるって言われてます」
 日野「馬鹿らしい」
 朝比奈「十分に怖い話だよ。何かあったら、どうするんだよ」
 日野「あるわけないだろ」
 「じゃあ、確かめてみましょうよ」
 日野「いいぞ、その命日の約束の時間になったらまた誘ってくれ」
 「それって今日なんですよね。そして今の時間、何時だかわかりますか?」
 日野「今は午後4時、もうすぐじゃないか!」
 「それじゃあ、日野先輩、一緒に水泳部の部室に行きましょうか」
 日野「いくらなんでも、それは急すぎるだろ。朝比奈、お前がいったらどうだ?」
 朝比奈「この企画の立案者である日野が行くべきじゃないか。それに、そんな話は信じていないんだろう?」
 日野「仕方ない。さあ行くぞ、坂上」
 坂上「遠慮しますので、先輩どうぞ」
 日野「お前は七不思議の集会の聞き役として参加するんだ。さあ、行くぞ」
 「坂上君、そのロッカーって、ちょっと興味あるよね?」
 「本当は興味あるんでしょ、顔に書いてあるよ。
 さあ、見に行ってみよう」
 日野「行かないなんて許さん。行くぞ、坂上」


 日野「まったく、あいつら、よりによって誰一人付いてこないとは」
 坂上「先輩、普通来ないですよ。誰もいないじゃないですか」
 日野「練習もしないで何をやっているだ、水泳部は」
 倉田「水泳部は昨今の大会での輝かしい成績が認められて、今年から新しい部室をあてがわれたんですよ。ここは、いわば開かずのロッカーが置いてある開かずの間です。
 それじゃあ、入りますよ~。
 ん~、やっぱり鍵が掛かっていますねぇ」
 日野「残念だな、じゃあ帰ろうか」
 倉田「開いた」
 坂上「倉田さん、すごい。ヘアピン1本で開けちゃうなんて」
 日野「誰かに見られたらどーする!」
 倉田「こんなところ、誰も来ませんよ」
 坂上「先輩、怖いんですか?」
 日野「なっ、俺が怖いわけないだろう」
 坂上「入りますよ、先輩」
 日野「坂上、どうしたんだ。怖くないのか」
 坂上「いえ、怖いですよ。でも、先輩を見ていたらちょっと落ち着きました」
 倉田「坂上君、瀬戸さんと会える時間は何時何分だっけ?」
 倉田「そう、4時44分ね」


 倉田「これが呪いのロッカーね。この中の一つが瀬戸さんのロッカーって言われているんだけれど、はっきりした場所はわからないもんなあ。
 ねえ、開ける前に最初は瀬戸さんの名前を何回呼ぶんだっけ?」
 坂上「瀬戸さん、瀬戸さん、瀬戸さん」
 倉田「瀬戸さんの名前を3回呼ぶんだよね。
 そして、ロッカーの前に立っているのは誰だっていうんだっけ?」
 坂上「今、瀬戸さんを殺した犯人がロッカーの前に立っています」
 倉田「そう、そして最後に言うのは?」
 坂上「確かめてみませんか?」
 倉田「あとはロッカーを開けるだけだね。どれかわからないから、片っ端から開けてみようか。
 ねえ、どれを開けてみる?」


 どれかを選ぶ。
 倉田「ここには何もないね」
 日野「何も起きるわけはないし、何も入っていないのは当然だ」
 倉田「ねえ、次はどのロッカーを開ける?」


 どれからを選ぶ→瀬戸さんと遭遇
 坂上「うわああ!」
 倉田「きゃー!」
 倉田が思い切りロッカーの扉を閉めた。
 倉田「もう一度開けてみよっか?」
 坂上「日野先輩、開けてみませんか?」
 日野「馬鹿を言うな!」
 倉田「ひょっとして怖いんですか?」
 日野「何を言うか、倉田。幽霊なんてものはな、この世にはいないんだ。あれは見間違いだ」
 倉田「怖いんだ」
 日野「断じて怖くない!」
 倉田「じゃあ、開けてみてください」
 日野「よ、よし、本当に開けるぞ」
 坂上「うわああ!」
 日野が開けるよりも早くロッカーのドアは勝手に開き、そいつが飛び出してきた。
 そいつは日野に抱き着くと、ロッカーに引きずり込んだ。
 坂上が助けようと手を伸ばしたとき、ロッカーは悲鳴のような音を上げて勢いよく閉まった。
 坂上は、ロッカーを思いっきり引っ張るが、びくともしない。
 ロッカーの中から日野のものすごい悲鳴が聞こえてきた。
 悲鳴と同時に、ごりごりっと骨が砕けるような鈍くてこもった嫌な男が聞こえてきて、さらにボキボキと肉を折りたたむような音がしている。
 突然、がちゃりと音がして、ロッカーが少しだけ開き、気味の悪い音がしなくなった。
 坂上はゆっくりとドアを開けてみた。
 中には何もなかった。
 中から、ぷ~んと鉄の臭いがした。それは血の臭いともいえる。
 けれど、ロッカーの内側は血の跡など一つもなかった。
 「坂上君、日野先輩は?」
 坂上が黙っていると、倉田は、「戻ろうか、新聞部に」と言った。


 新聞部の扉を開けると、新聞部の面々とびしょ濡れになった日野もいた。
 「日野から聞いてたところなんだけど、プールに落ちて、呪われたロッカーを調べるどころじゃなかったんだって?」と朝比奈が言った。
 後ろで倉田が坂上を小突き、うまく話を合わせろと言いたそうな目で合図を送ってきた。
 「そうなんですよ」と頭を掻きながら坂上と倉田は部室に入った。
 その時、鉄の臭いと魚の生臭さが混じったような、吐き気をもよおす臭いがした。
 椅子に座ると、日野がうつろな表情で、坂上を見て笑っている。
 坂上は、何もなかったのだ、と自分に言い聞かせた。


 エンディング№383:ロッカーを開けないで→ゲームオーバー
 エンディング数 49/657 達成度7%
 キャラクター図鑑 42/122 達成度34%
 イラストギャラリー 34/283 達成度12%

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 今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!

 イジめで死んだ真美の人形を、イジメてた良江が拾うが、人形の方が、真美をマミちゃん人形と認識しており、良江もヨシエちゃん人形と認識している・・・


 新聞部では、日野貞夫が、一学期最後の学校新聞は七不思議の特集をやろう、と言い出す。
 倉田恵美も、長年使われていない旧校舎が夏休み中に取り壊されるし、季節的にも受ける、といって賛成する。
 日野が学校の怪談好きの七名を集めるとのことで、今度の金曜日の放課後に、新聞部の部室で行うことになった。
 日野から、七不思議の記事を書くように言われたのは、主人公の坂上修一だった。
 坂上が嫌がっているのに気づいた倉田が、怖い話が好きだから自分がやります、と言い出したので、坂上は、実は怖い話が苦手だ、と打ち明ける。
 それを聞いた日野は、新聞部一番の怖がりの坂上だから指名した、と答える。
 怖い話を聞いて思いっきり怖がって、その恐怖を記事にしてほしい、という理由からだった。
 倉田は、なら自分は語り部をやりたい、と日野に訴えると、日野は、今ここで怖い話をしてみろ、と言い出す。
 それくらいできないようじゃ、語り部は務まらないとのこと。


 →やります
 →あ~、やっぱりいいです


 「学校で、実は卒業するまで一度も行かないような場所があるのって知っている?」
  • プール
  • 放送室→シナリオ:カエルですか?ネズミですか?
  • 保健室→シナリオ:カエルですか?ネズミですか?
  • トイレ
 シナリオ:呪われたロッカー開始!


 「確かにプールは夏の体育の時間しか行かないよね。水泳部でもない限り、年に数回行くかどうか。
 坂上君って、泳げる?」
 「あのさー、今どき冗談でもそんなこと言わないよ。
 じゃあ、もう一回聞くから、ちゃんと答えてね。坂上君って、泳げる?」
 「ま、確かに猫も泳ぐけど。
 やっぱり怖い話を聞くの向いてないんじゃないの?
 日野先輩、やっぱりこの役は私に・・・そんな怖い顔で睨まないでくださいよお。
 それじゃあ、水泳部の怖い話を聞いてください。
 まあ、この話は鳴神学園では有名な都市伝説だからさ。もしかして坂上君も聞いたことあるかな、瀬戸裕子さんの噂」
 「へえ、怖がりの坂上君でも知っているんだからよっぽど有名なんだ。
 でもさ、ロッカーで瀬戸さんを呼び出す方法はさすがに知らないでしょ?」
 「知ってるの?ねえ、どうして知ってるの?」
 「そうだよね、怖がりの坂上君だもんね、知るわけないわよね。
 さすがに日野先輩は知っていますよね?そうですよね」


 今から10年以上も前に、鳴神学園の水泳部に瀬戸裕子というものすごい選手がいた。
 彼女が泳ぐと人魚みたいだって、みんなは噂していた。
 そんな瀬戸だが、ある朝、プールでうつ伏せになって浮いているところを発見された。
 生徒だけのプール利用は禁止されていたが、彼女の場合は特別で、大会前は特に熱心に練習していた。
 おそらく一人で練習しているときに心臓麻痺を起こして溺れたのだろう、と言われていた。
 それから、プールで変なことが起こるようになった。


 「どんな変なことが起きたと思う?」
 「そうなの、泳いでいるとき、足をつる人が多くなったの。
 みんなは噂したわ。瀬戸さんの祟りだって。しかも、誰もいないはずの部室で、人の気配がするの。
 部室をきれいに片付けておいたのに次の日、部室が水浸しになっていたり。
 みんなは、きっと瀬戸さんが水泳部のことを忘れられないで化けて出てくるのではないか、と噂しました。
 さらに恐ろしいことに、彼女の使っていたロッカーを使った子が次々と恐ろしいことが起こったの。突然肩に手をかけられたり、後ろ髪を引っ張られたり。
 もちろん辺りには誰もいない。さっき、泳いでいるときに足をつる人が多くなっていったでしょ。あれも瀬戸さんのロッカーを使った子に限って起きるのです。
 それでね、その人たちに話を聞くと、みんな口を揃えて、泳いでいたら、突然誰かに足を引っ張られた、っていうんだってさ。
 瀬戸さんが寂しくてさ、友達を欲しがってるんだよ。誰かを道連れにしたいんだよ。
 足を引っ張られた子は、気持ち悪いからすぐロッカーを取り変えるでしょ。すると、変なことは起きなくなる。だから、やっぱりロッカーが呪われているって話になったわけ。
 それでそのロッカーは、使用禁止になりました。
 本来は撤去するはずだったんですけど、動かそうとすると不気味な声がきこえるとかで、気味悪い噂も広まりました。
 それで、そのまま放置して、瀬戸さんが使っていたロッカーだけは使わないようになったというわけ。
 そのロッカーって、一人用の縦長のロッカーが8つ繋がって1つになっている大きなロッカーでね、それごと使用禁止になっているから、いわば8つのロッカーが使用禁止になっているのね。
 今も、そのロッカーは水泳部の部室においてるというのが、鳴神学園にまつわる都市伝説の一つ。そうですよね、日野先輩?」
 日野「ああ、うちの学校では有名な話だ」
 「ここまでは誰もが知っている話。でも、そのロッカーには瀬戸さんが棲みついているっていう話は知っています?」
 日野「それは知らないな」
 倉田「瀬戸さんをロッカーから呼び出す方法があるんですよ」
 日野「おもしろそうだな、教えてくれよ」
 「瀬戸さんが死んだと言われている命日の午後4時44分にロッカーに行って、瀬戸さん、瀬戸さん、瀬戸さんと3回名前を呼びます。
 続いて、今瀬戸さんを殺した犯人がロッカーの前に立っています。確かめてみませんか?って言うだけです。
 すると何かが起きるって言われてます」
 日野「馬鹿らしい」
 朝比奈「十分に怖い話だよ。何かあったら、どうするんだよ」
 日野「あるわけないだろ」
 「じゃあ、確かめてみましょうよ」
 日野「いいぞ、その命日の約束の時間になったらまた誘ってくれ」
 「それって今日なんですよね。そして今の時間、何時だかわかりますか?」
 日野「今は午後4時、もうすぐじゃないか!」
 「それじゃあ、日野先輩、一緒に水泳部の部室に行きましょうか」
 日野「いくらなんでも、それは急すぎるだろ。朝比奈、お前がいったらどうだ?」
 朝比奈「この企画の立案者である日野が行くべきじゃないか。それに、そんな話は信じていないんだろう?」
 日野「仕方ない。さあ行くぞ、坂上」
 坂上「遠慮しますので、先輩どうぞ」
 日野「お前は七不思議の集会の聞き役として参加するんだ。さあ、行くぞ」
 「坂上君、そのロッカーって、ちょっと興味あるよね?」
 「そうだよね。これから一緒に確かめに行こう!」
 日野「行かないなんて許さん。行くぞ、坂上」


 日野「まったく、あいつら、よりによって誰一人付いてこないとは」
 坂上「先輩、普通来ないですよ。誰もいないじゃないですか」
 日野「練習もしないで何をやっているだ、水泳部は」
 倉田「水泳部は昨今の大会での輝かしい成績が認められて、今年から新しい部室をあてがわれたんですよ。ここは、いわば開かずのロッカーが置いてある開かずの間です。
 それじゃあ、入りますよ~。
 ん~、やっぱり鍵が掛かっていますねぇ」
 日野「残念だな、じゃあ帰ろうか」
 倉田「開いた」
 坂上「倉田さん、すごい。ヘアピン1本で開けちゃうなんて」
 日野「誰かに見られたらどーする!」
 倉田「こんなところ、誰も来ませんよ」
 坂上「先輩、怖いんですか?」
 日野「なっ、俺が怖いわけないだろう」
 坂上「入りますよ、先輩」
 日野「坂上、どうしたんだ。怖くないのか」
 坂上「いえ、怖いですよ。でも、先輩を見ていたらちょっと落ち着きました」
 倉田「坂上君、瀬戸さんと会える時間は何時何分だっけ?」
 倉田「そう、4時44分ね」


 倉田「これが呪いのロッカーね。この中の一つが瀬戸さんのロッカーって言われているんだけれど、はっきりした場所はわからないもんなあ。
 ねえ、開ける前に最初は瀬戸さんの名前を何回呼ぶんだっけ?」
 坂上「瀬戸さん、瀬戸さん、瀬戸さん」
 倉田「瀬戸さんの名前を3回呼ぶんだよね。
 そして、ロッカーの前に立っているのは誰だっていうんだっけ?」
 坂上「今、瀬戸さんを殺した犯人がロッカーの前に立っています」
 倉田「そう、そして最後に言うのは?」
 坂上「確かめてみませんか?」
 倉田「あとはロッカーを開けるだけだね。どれかわからないから、片っ端から開けてみようか。
 ねえ、どれを開けてみる?」


 どれかを選ぶ。
 倉田「ここには何もないね」
 日野「何も起きるわけはないし、何も入っていないのは当然だ」
 倉田「ねえ、次はどのロッカーを開ける?」


 どれからを選ぶ→瀬戸さんと遭遇
 坂上「うわああ!」
 倉田「きゃー!」
 倉田が思い切りロッカーの扉を閉めた。
 倉田「もう一度開けてみよっか?」
 「よし、もう一度開けてみよう」と坂上が扉に手を掛けたが、ロッカーの扉は固くてびくともしない。
 「もういいよ、私が開ける」と倉田が手を出してきた。
 坂上と倉田との力で、扉が半開きになったが、すぐに内側にいる何かが、ロッカーをバタンと閉めてしまった。
 「やだ、坂上君、今の何?」
 「とにかく部室に戻ろう。瀬戸さんのロッカーを開けただけで不幸になるなんて、噂に尾ひれがついただけのことだろう?だから、きっと大丈夫だ」
 「そうだよね、呪われたりしないよね」
 ショックを受けた日野は「ふぁふぁふぁ」と何を言っているのかさっぱりわからない。
 新聞部に戻るころ、日野は落ち着いた。


 エンディング№382:もう一度開けてみる
 エンディング数 48/657 達成度7%
 キャラクター図鑑 42/122 達成度34%
 イラストギャラリー 34/283 達成度12%

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 今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!

 イジめで死んだ真美の人形を、イジメてた良江が拾うが、人形の方が、真美をマミちゃん人形と認識しており、良江もヨシエちゃん人形と認識している・・・


 新聞部では、日野貞夫が、一学期最後の学校新聞は七不思議の特集をやろう、と言い出す。
 倉田恵美も、長年使われていない旧校舎が夏休み中に取り壊されるし、季節的にも受ける、といって賛成する。
 日野が学校の怪談好きの七名を集めるとのことで、今度の金曜日の放課後に、新聞部の部室で行うことになった。
 日野から、七不思議の記事を書くように言われたのは、主人公の坂上修一だった。
 坂上が嫌がっているのに気づいた倉田が、怖い話が好きだから自分がやります、と言い出したので、坂上は、実は怖い話が苦手だ、と打ち明ける。
 それを聞いた日野は、新聞部一番の怖がりの坂上だから指名した、と答える。
 怖い話を聞いて思いっきり怖がって、その恐怖を記事にしてほしい、という理由からだった。
 倉田は、なら自分は語り部をやりたい、と日野に訴えると、日野は、今ここで怖い話をしてみろ、と言い出す。
 それくらいできないようじゃ、語り部は務まらないとのこと。


 →やります
 →あ~、やっぱりいいです


 「学校で、実は卒業するまで一度も行かないような場所があるのって知っている?」
  • プール
  • 放送室→シナリオ:カエルですか?ネズミですか?
  • 保健室→シナリオ:カエルですか?ネズミですか?
  • トイレ
 シナリオ:呪われたロッカー開始!


 「確かにプールは夏の体育の時間しか行かないよね。水泳部でもない限り、年に数回行くかどうか。
 坂上君って、泳げる?」
 「あのさー、今どき冗談でもそんなこと言わないよ。
 じゃあ、もう一回聞くから、ちゃんと答えてね。坂上君って、泳げる?」
 「ま、確かに猫も泳ぐけど。
 やっぱり怖い話を聞くの向いてないんじゃないの?
 日野先輩、やっぱりこの役は私に・・・そんな怖い顔で睨まないでくださいよお。
 それじゃあ、水泳部の怖い話を聞いてください。
 まあ、この話は鳴神学園では有名な都市伝説だからさ。もしかして坂上君も聞いたことあるかな、瀬戸裕子さんの噂」
 「へえ、怖がりの坂上君でも知っているんだからよっぽど有名なんだ。
 でもさ、ロッカーで瀬戸さんを呼び出す方法はさすがに知らないでしょ?」
 「知ってるの?ねえ、どうして知ってるの?」
 「そうだよね、怖がりの坂上君だもんね、知るわけないわよね。
 さすがに日野先輩は知っていますよね?そうですよね」


 今から10年以上も前に、鳴神学園の水泳部に瀬戸裕子というものすごい選手がいた。
 彼女が泳ぐと人魚みたいだって、みんなは噂していた。
 そんな瀬戸だが、ある朝、プールでうつ伏せになって浮いているところを発見された。
 生徒だけのプール利用は禁止されていたが、彼女の場合は特別で、大会前は特に熱心に練習していた。
 おそらく一人で練習しているときに心臓麻痺を起こして溺れたのだろう、と言われていた。
 それから、プールで変なことが起こるようになった。


 「どんな変なことが起きたと思う?」
 「誰もいないはずの部室なのに、さっきまで誰かがいた形跡があるの。
 部室をきれいに片付けておくでしょ。すると次の日、まるで誰かが水をまいたように、部室が水浸しになっているのです。
 みんなは、きっと瀬戸さんが水泳部のことを忘れられないで化けて出てくるのではないか、と噂しました。
 しかも、彼女の使っていたロッカーを使った子が次々と事故にあったの。泳いでいて、突然足をつったり、溺れたり。
 それでね、その人たちに話を聞くと、みんな口を揃えて、泳いでいたら、突然誰かに足を引っ張られた、っていうんだってさ。
 瀬戸さんが寂しくてさ、友達を欲しがってるんだよ。誰かを道連れにしたいんだよ。
 足を引っ張られた子は、気持ち悪いからすぐロッカーを取り変えるでしょ。すると、変なことは起きなくなる。だから、やっぱりロッカーが呪われているって話になったわけ。
 それでそのロッカーは、使用禁止になりました。
 本来は撤去するはずだったんですけど、動かそうとすると不気味な声がきこえるとかで、気味悪い噂も広まりました。
 それで、そのまま放置して、瀬戸さんが使っていたロッカーだけは使わないようになったというわけ。
 そのロッカーって、一人用の縦長のロッカーが8つ繋がって1つになっている大きなロッカーでね、それごと使用禁止になっているから、いわば8つのロッカーが使用禁止になっているのね。
 今も、そのロッカーは水泳部の部室においてるというのが、鳴神学園にまつわる都市伝説の一つ。そうですよね、日野先輩?」
 日野「ああ、うちの学校では有名な話だ」
 「ここまでは誰もが知っている話。でも、そのロッカーには瀬戸さんが棲みついているっていう話は知っています?」
 日野「それは知らないな」
 倉田「瀬戸さんをロッカーから呼び出す方法があるんですよ」
 日野「おもしろそうだな、教えてくれよ」
 「瀬戸さんが死んだと言われている命日の午後4時44分にロッカーに行って、瀬戸さん、瀬戸さん、瀬戸さんと3回名前を呼びます。
 続いて、今瀬戸さんを殺した犯人がロッカーの前に立っています。確かめてみませんか?って言うだけです。
 すると何かが起きるって言われてます」
 日野「馬鹿らしい」
 朝比奈「十分に怖い話だよ。何かあったら、どうするんだよ」
 日野「あるわけないだろ」
 「じゃあ、確かめてみましょうよ」
 日野「いいぞ、その命日の約束の時間になったらまた誘ってくれ」
 「それって今日なんですよね。そして今の時間、何時だかわかりますか?」
 日野「今は午後4時、もうすぐじゃないか!」
 「それじゃあ、日野先輩、一緒に水泳部の部室に行きましょうか」
 日野「いくらなんでも、それは急すぎるだろ。朝比奈、お前がいったらどうだ?」
 朝比奈「この企画の立案者である日野が行くべきじゃないか。それに、そんな話は信じていないんだろう?」
 日野「仕方ない。さあ行くぞ、坂上」
 坂上「遠慮しますので、先輩どうぞ」
 日野「お前は七不思議の集会の聞き役として参加するんだ。さあ、行くぞ」
 「坂上君、そのロッカーって、ちょっと興味あるよね?」
 「本当は興味あるんでしょ、顔に書いてあるよ。
 さあ、見に行ってみよう」
  • 確かめに行く
  • そんなの嫌だ
 日野「坂上、よく言った!」


 日野「まったく、あいつら、よりによって誰一人付いてこないとは」
 坂上「先輩、普通来ないですよ。誰もいないじゃないですか」
 日野「練習もしないで何をやっているだ、水泳部は」
 倉田「水泳部は昨今の大会での輝かしい成績が認められて、今年から新しい部室をあてがわれたんですよ。ここは、いわば開かずのロッカーが置いてある開かずの間です。
 それじゃあ、入りますよ~。
 ん~、やっぱり鍵が掛かっていますねぇ」
 日野「残念だな、じゃあ帰ろうか」
 倉田「開いた」
 坂上「倉田さん、すごい。ヘアピン1本で開けちゃうなんて」
 日野「誰かに見られたらどーする!」
 倉田「こんなところ、誰も来ませんよ」
 坂上「先輩、怖いんですか?」
 日野「なっ、俺が怖いわけないだろう」
 坂上「入りますよ、先輩」
 日野「坂上、どうしたんだ。怖くないのか」
 坂上「いえ、怖いですよ。でも、先輩を見ていたらちょっと落ち着きました」
 倉田「坂上君、瀬戸さんと会える時間は何時何分だっけ?」
 倉田「そう、4時44分ね」


 倉田「これが呪いのロッカーね。この中の一つが瀬戸さんのロッカーって言われているんだけれど、はっきりした場所はわからないもんなあ。
 ねえ、開ける前に最初は瀬戸さんの名前を何回呼ぶんだっけ?」
 坂上「瀬戸さん、瀬戸さん、瀬戸さん」
 倉田「瀬戸さんの名前を3回呼ぶんだよね。
 そして、ロッカーの前に立っているのは誰だっていうんだっけ?」
 坂上「今、瀬戸さんを殺した犯人がロッカーの前に立っています」
 倉田「そう、そして最後に言うのは?」
 坂上「確かめてみませんか?」
 倉田「あとはロッカーを開けるだけだね。どれかわからないから、片っ端から開けてみようか。
 ねえ、どれを開けてみる?」


 どれかを選ぶ。
 倉田「ここには何もないね」
 日野「何も起きるわけはないし、何も入っていないのは当然だ」
 倉田「ねえ、次はどのロッカーを開ける?」


 どれからを選ぶ→瀬戸さんと遭遇
 坂上「うわああ!」
 倉田「きゃー!」
 倉田が思い切りロッカーの扉を閉めた。
 倉田「もう一度開けてみよっか?」
  • もう開けない
  • もう一度開けてもらう
  • 日野先輩に開けてもらう
 坂上「もう帰ろうよ、倉田さん」
 倉田「なんだ、残念。それじゃ新聞部なんて務まんないよ。そうですよね、日野先輩?」
 日野「ふぁふぁふぁ」
 何を言っているのかさっぱりわからない。よほどショックだったようだ。
 倉田「日野先輩、例の七不思議の集会、ぜひよろしくお願いしますね」
 日野「ほひぃ」
 倉田「ありがとうございます!」


 エンディング№381:ロッカーの瀬戸さん
 エンディング数 47/657 達成度7%
 キャラクター図鑑 42/122 達成度34%
 イラストギャラリー 34/283 達成度12%

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 今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
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 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!

 イジめで死んだ真美の人形を、イジメてた良江が拾うが、人形の方が、真美をマミちゃん人形と認識しており、良江もヨシエちゃん人形と認識している・・・


 新聞部では、日野貞夫が、一学期最後の学校新聞は七不思議の特集をやろう、と言い出す。
 倉田恵美も、長年使われていない旧校舎が夏休み中に取り壊されるし、季節的にも受ける、といって賛成する。
 日野が学校の怪談好きの七名を集めるとのことで、今度の金曜日の放課後に、新聞部の部室で行うことになった。
 日野から、七不思議の記事を書くように言われたのは、主人公の坂上修一だった。
 坂上が嫌がっているのに気づいた倉田が、怖い話が好きだから自分がやります、と言い出したので、坂上は、実は怖い話が苦手だ、と打ち明ける。
 それを聞いた日野は、新聞部一番の怖がりの坂上だから指名した、と答える。
 怖い話を聞いて思いっきり怖がって、その恐怖を記事にしてほしい、という理由からだった。
 倉田は、なら自分は語り部をやりたい、と日野に訴えると、日野は、今ここで怖い話をしてみろ、と言い出す。
 それくらいできないようじゃ、語り部は務まらないとのこと。


 →やります
 →あ~、やっぱりいいです


 「学校で、実は卒業するまで一度も行かないような場所があるのって知っている?」
  • プール
  • 放送室→シナリオ:カエルですか?ネズミですか?
  • 保健室→シナリオ:カエルですか?ネズミですか?
  • トイレ
 シナリオ:呪われたロッカー開始!


 「確かにプールは夏の体育の時間しか行かないよね。水泳部でもない限り、年に数回行くかどうか。
 坂上君って、泳げる?」
 「あのさー、今どき冗談でもそんなこと言わないよ。
 じゃあ、もう一回聞くから、ちゃんと答えてね。坂上君って、泳げる?」
 「ま、確かに猫も泳ぐけど。
 やっぱり怖い話を聞くの向いてないんじゃないの?
 日野先輩、やっぱりこの役は私に・・・そんな怖い顔で睨まないでくださいよお。
 それじゃあ、水泳部の怖い話を聞いてください。
 まあ、この話は鳴神学園では有名な都市伝説だからさ。もしかして坂上君も聞いたことあるかな、瀬戸裕子さんの噂」
 「へえ、怖がりの坂上君でも知っているんだからよっぽど有名なんだ。
 でもさ、ロッカーで瀬戸さんを呼び出す方法はさすがに知らないでしょ?」
 「瀬戸さんが死んだと言われている命日の午後4時44分にロッカーに行って、瀬戸さん、瀬戸さん、瀬戸さんと3階名前を呼びます。
 続いて、今瀬戸さんを殺した犯人がロッカーの前に立っています。確かめてみませんか?って言うだけです。
 すると何かが起きるって言われてます」
 日野「馬鹿らしい」
 朝比奈「十分に怖い話だよ。何かあったら、どうするんだよ」
 日野「あるわけないだろ」
 「じゃあ、確かめてみましょうよ」
 日野「いいぞ、その命日の約束の時間になったらまた誘ってくれ」
 「それって今日なんですよね。そして今の時間、何時だかわかりますか?」
 日野「今は午後4時、もうすぐじゃないか!」
 「それじゃあ、日野先輩、一緒に水泳部の部室に行きましょうか」
 日野「いくらなんでも、それは急すぎるだろ。朝比奈、お前がいったらどうだ?」
 朝比奈「この企画の立案者である日野が行くべきじゃないか。それに、そんな話は信じていないんだろう?」
 日野「仕方ない。さあ行くぞ、坂上」
 坂上「遠慮しますので、先輩どうぞ」
 日野「お前は七不思議の集会の聞き役として参加するんだ。さあ、行くぞ」
 「坂上君、そのロッカーって、ちょっと興味あるよね?」
  • 興味ある
  • 別に興味ない
 「そうだよね。じゃあ、これから一緒に確かめに行こう!」
  • 確かめに行く
  • そんなの嫌だ
 日野「坂上、よく言った!」


 日野「まったく、あいつら、よりによって誰一人付いてこないとは」
 坂上「先輩、普通来ないですよ。誰もいないじゃないですか」
 日野「練習もしないで何をやっているだ、水泳部は」
 倉田「水泳部は昨今の大会での輝かしい成績が認められて、今年から新しい部室をあてがわれたんですよ。ここは、いわば開かずのロッカーが置いてある開かずの間です。
 それじゃあ、入りますよ~。
 ん~、やっぱり鍵が掛かっていますねぇ」
 日野「残念だな、じゃあ帰ろうか」
 倉田「開いた」
 坂上「倉田さん、すごい。ヘアピン1本で開けちゃうなんて」
 日野「誰かに見られたらどーする!」
 倉田「こんなところ、誰も来ませんよ」
 坂上「先輩、怖いんですか?」
 日野「なっ、俺が怖いわけないだろう」
 坂上「入りますよ、先輩」
 日野「坂上、どうしたんだ。怖くないのか」
 坂上「いえ、怖いですよ。でも、先輩を見ていたらちょっと落ち着きました」
 倉田「坂上君、瀬戸さんと会える時間は何時何分だっけ?」
  • 4時44分
  • 4時59分
  • 5時55分
  • 5時59分
 倉田「あれ、何も起きない?ひょっとして、坂上君、間違えたんじゃない?
 日野「お前、相変わらずのおっちょこちょいだなあ。残念だな、倉田。これで来年の今日まで呪われたロッカーはお預けだな。さあ、部室に戻るぞ」
 倉田「私の話はこれで終わりなんですけど、七不思議の集会に語り部は・・・」
 日野「なかなか笑わせてもらったぞ。大喜利の集会でもあったら、呼んでやるよ。わはははは」


 エンディング№380:何も起きない呪いのロッカー
 エンディング数 46/657 達成度7%
 キャラクター図鑑 42/122 達成度34%
 イラストギャラリー 33/283 達成度11%

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