今日の探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.1 仮面幻想殺人事件はどうかな?
2002年7月5日(金)
癸生川探偵事務所
伊綱「おはようございます。早速ですが、これまでの捜査をまとめておきましょう」
癸生川「やあ、調子はどうだい!」
伊綱「先生、ドコ行ってたんですか、今まで」
癸生川「まあ、ともかくこれまでのことを聞かせてくれたまえ」
伊綱「時系列にまとめてみます」
まとめ
6月23日(日)
・ヴィオレ(村崎)が『スノーマンに会いに行く』と言い残して失踪
6月24日(月)
・村崎、会社を無断欠勤
・萌奈宛にメールが来る
6月25日(火)
・再び萌奈にメール『スノーマンに会った、思い残すことはない』
6月26日(水)
・村崎、自宅で死体となって発見。死因は紅茶の砂糖に盛られた青酸。
7月2日(火)
・笠見由紀乃が自宅でゲームプレイ中にショック死
7月3日(水)
・砂永氏が癸生川探偵事務所に捜査を依頼
・村崎氏の部屋に以前は無かったコートがあり、中には携帯とカギ
⇒その携帯とカギには笠見の指紋
⇒携帯の電話帳には「もえな」と「みに」
・村崎氏は画期的は新技術を開発中だった
7月4日(木)
・唐島萌奈、村崎の自室にて青酸中毒により死亡
・唐島萌奈はゲンマ社の小早志と関係があった
⇒萌奈は、小早志がソースコードを盗むために村崎が送ったスパイ?
・村崎氏も、萌奈以外に懇意にしている女性がいた
⇒それが「みに」?
・「みに」は笠見由紀乃のキャラクタの名前であった
・みには雪ダルマのぬいぐるみを着ていたらしい
・村崎が『スノーマンに会いに行く』というのは雪ダルマのみに(笠見由紀乃?)に会いに行くという意味だったのではないか?
伊綱「ざっとこんなものになります」
癸生川「伊綱君、僕のコートはどこに行ったっけ?」
伊綱「邪魔だったからクロゼットにしまってありますけど、どうして?」
癸生川「コートは寒い時に着るものだよ!そしてスノーマンのいるアイスバーグという国は、とても寒い地方なのだ!
それじゃあ、僕も行ってくるよ!」
伊綱「ちょっと、先生!」
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伊綱「あ、誰か来たみたいです。
は~い!
どうぞ、こちらへ。紅茶をどうぞ」
望美「失礼します。あたし、飛鳥望美(あすかのぞみ)といいます」
伊綱「私は探偵助手の白鷺州伊綱といいます」
生王「生王正生です」
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望美「実は、行方不明の友人を探しているんです。知り合いに相談したら、ここに行けばいいんじゃないか、と紹介されたので・・・」
伊綱「どなたですか?」
望美「ゲンマっていうゲームの会社の逢井っていう人で・・・あの、実はあたしの彼氏なんですけど」
伊綱「ああ、確かに昨日お会いしましたよ」
望美「彼から、こちらでタクリマクスの事件を調べていると聞いたもので・・・」
伊綱「え、その行方不明の友人もタクリマクスに関係が?」
望美「はい」
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望美「その友達、狭川美弐(さがわみに)ってコなんですが・・・」
伊綱「みに!」
望美「何か?」
伊綱「あ、いえ、続けてください」
望美「ネットで知り合った友達なんですけど、その子とってもゲームが好きで、しかも頭も良くて、学生の頃から自分でゲームのプログラムを作ってたりしたそうです」
伊綱「女性でプログラムって珍しいですね」
望美「しかもとても優秀みたいなんです。コンクールで賞を取ったり、特許も持ってたりしてて。
でも仕事にしようとは思っていないらしく、あくまでも趣味らしいです。仕事は普通のOLみたいで」
伊綱「なるほど」
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伊綱「さっきから、曖昧な言葉が多いですね」
望美「あの・・・実は実際には会ったことが無くて・・・メールや電話でのやり取りが主だったものですから」
伊綱「なるほどメル友ってやつですね」
望美「そういう感じに近かったです。
実は彼女、アルジェがすごく好きで、ホームページ作ってサークル活動とかしてたりしてて・・・あたしもそこのサイトで知り合ったんです」
伊綱「アルジェ好きなんですか!」
望美「はい!!あたしゲームはあまりやらないけど、アルジェだけは別なんですよ!」
伊綱「ですよね!特に・・・」
生王「話を進めようよ」
伊綱「あ、はい・・・」
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望美「で、彼女、最近タクリマクスというネットゲームに夢中で。
あたしも彼が作ったゲームだから一緒にやったりしてたんですけど、ある日・・・確か先々週の日曜日だったんで23日でしょうか。突然、『スノーマンが盗まれた』って言って、それっきりオンラインに姿を見せなくなって・・・」
伊綱「盗まれた?」
望美「それ以来メールも返事がないし、携帯も繋がらないし・・・
そしたら最近ワイドショーとかで、タクリマクスが呪われているとか言ったりしてるじゃないですか。もうあの子に何かあったんじゃないかと心配で心配で・・・」
伊綱「自宅の住所はご存じないんですか?」
望美「はい」
伊綱「あ!望美さん、狭川美弐っていうのは彼女の本名ですか?」
望美「そうだと思ってましたが・・・普段ハンドルネームに使っていたのが、『みに』だったんで、疑ってもいませんでした」
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伊綱「生王さん、狭川美弐という名前が本名かどうか確認するには、どうすればいいと思いますか?」
生王「あれを確認すればいいんじゃないかな」→タクリマクス
生王「望美さん、美弐さんのタクリマクスでのキャラクタ名は何でしたか?」
伊綱「なるほど!」
望美「ええと・・・そのまま『みに』でした」
伊綱「間違いなさそうですね。すぐに品方市まで行きましょう!
生王さん、警察署に行って尾場警部か音成さんに・・・」
生王「カギか!」
伊綱「はい」
望美「どういうことなんですか」
伊綱「彼女の名乗っていた狭川美弐という名前は、おそらく架空のハンドルネームでしょう」
望美「え!」
伊綱「言いにくいんですけど、美弐さんはもうこの世にいないと思います」
伊綱「品方市です。由紀乃さんのマンションはこの辺りみたいですね」
音成「カギを持ってきましたよ。これがどこのカギかわかったんですか?」
伊綱「私の考えが正しければ、笠見由紀乃さんの部屋のカギでしょうね」
望美「あの、笠見由紀乃さんて確かタクマクをやって死んだ人ですよね。まさか、その人が・・・」
伊綱「そうです。美弐さんの仮面の下の素顔ではないかと」
音成「そうそう、昨日の唐島萌奈と小早志の件ですけど・・・」
伊綱「何かわかりました?」
音成「小早志を問い詰めましたが、のらりくらりとかわされて、証拠になりそうな物は出てきませんでしたね」
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