今日の極限脱出ADV 善人シボウデスはどうかな?
減圧室を出ると、倉庫だった。
大きな扉があるが、錆びついて開きそうになく、また扉を開くためのレバーもなかった。
ほかにも、白く光った3枚のCDがあり、それぞれのCDの横には[lock]と表示された装置があった。
その時、ABゲートが開放されて、ABゲームの投票締め切りまであと45分、とアナウンスが流れ始めた。
誰かが勝手にABゲートを開放したのだ。
急いでA階の倉庫に戻ると、赤の扉に進んだKと、緑の扉に進んだディオがいた。
Kは、クォークを医務室に運んで、アリス、ファイ、ルナが付き添っている、と話す。
クォークの容体は、小康状態を保っているとのこと。
それを聞いた天明寺は、最後まで話を聞かずに黄色の扉から医務室へ向かった。
残された四葉とシグマは、Kから、バイオラボで抗ウィルス薬を発見した、と聞かされる。
ただし、発見された瓶は1つだけだが、クォークが感染しているラジカル6は治療できるとのこと。
四葉とシグマが医務室に行くと、ルナが処置を終えたところで、注射銃から空になった薬の瓶を抜き取り棚の中にしまっていた。
クォークは、簡易ベッドの上で、寝息を立てていた。
ルナは、解析の結果見つかった薬はアクセラビルだと判明したので、クォークに投与した、と天明寺に説明する。
ファイが、体内のウィルスは駆除されることを確認すると、ルナはうなずいた。
突然天明寺が、さっき見つけたメモリーカードの中身を見るには、この医務室を脱出するときと同じ方法を使えばいい、と言い出す。
ファイも、これと同じ型のメモリーカードをモニターの差込口に挿入したことを思い出す。
さっそく、メモリーカードをモニターの差込口に挿入してみると、モニターに何かの波形が映し出された。
ルナが、何かの音声データのようだ、と言い、ボリュームを上げると、声が聞こえてきた。
「こちら管制塔、調子はどうだい?今、窓の外にきれいな満月が浮かんでいる。真っ赤な月だ。今日は2028年最後の日、大晦日で、ちょうど月食の時刻なんだよ。お前らにも見せたいが、設定上火星にいることになっているんだったな。火星の衛星はどんなふうに見えるんだい?俺も拝んでみたいぜ、over!
どうしたんだよ、応答してくれ。冗談はよせよ。
通信系統のほうはどうなっている?異常なし?どういうことなんだ?
映像の方は生きてるぞ、テーブルを囲んだ9人の姿がしっかりと映っている。
あ!映像回線が乗っ取られているだと。リアルタイムのものじゃない!一体何がどうなっているんだ。
こちら管制塔、頼むから応答してくれ!」
女の声で、「こちら-です。6人が死亡しました。現在生存中なのは、私を含めて3人です。」
管制官「何かあった?」
女「結果的には、私が殺したことになるかと。いえ、正確にいうと、私が殺したのは6人だけではありません。60億人・・・。私はこれから60億の人々を・・・」
管制塔「おい、どうした?
こちら管制塔、緊急事態発生!被験者6名が死亡したとの報告あり。
救護班、警護班はただちに現場に向かってくれ。
くそう、なんてことだ・・・」
誰も何のことだがわからないようだが、天明寺だけは無反応だった。
天明寺は、火星の友人探査計画を前提にしたシミュレーション実験施設の通信記録だと思う、と話し出す。
現在、政府が対消滅エンジンを搭載した宇宙船の開発を進めており、それが完成すれば、現在よりも容易に火星へと人類を送り込むことができるようになる。
政府は、人類を火星に送り込む前段階として、ネバタ砂漠の空軍管轄地域に専用の施設を建ててシミュレーション実験を行うことにした。
そこに男女9名の被験者を収容して、データを採取することなったのだが、その時の通信記録らしい。
このデータが入ったメモリーカードが金庫の中にあった、ということはゼロが自分たちにこれを聞かせるために置いたのだろう。
天明寺が詳しい話を知っているのは、実験の関係者だったから。
この実験の趣旨は、実際の友人探査計画を想定して、それを忠実に再現すること。
当然、合(地球から見て太陽の裏側に火星が入った)による通信途絶帰還もシミュレートされることになり、2028年の大晦日はその通信途絶期間が空ける日で、事件が発覚しのはこの日だった。
この施設からラジカル6の漏洩したのではないかと疑われており、世界的なウィルスの感染拡大は、この実験施設を起点として発生したと考えられている。
誰かが感染していたのか、シミュレーションの一環として事前に用意されていたのか、ラジカル6が施設内にあったのは不明。
ラジカル6の感染により死亡したのは感染者の1/3の20億人程度で、残り2/3は感染を原因として間接的に引き起こされた人災によって命を落とした。
ラジカル6の漏洩が始まったのは2028年12月31日。
シグマ、ファイ、ルナが誘拐されたのは2028年12月25日。
アリスと四葉が誘拐されのは2028年12月22日。
ABゲームの投票締め切りまであと10分のアナウンスが流れてきた。
天明寺は、説明しきる時間がないし、中途半端な説明だと誤解を招くから、今は投票に戻ろう、と言い出す。
ルナは、ここでクォークに付き添うと言って、ペアのファイに投票をゆだねる。
倉庫に戻ったシグマは、Kにクォークに薬を投与した件を伝えた。
Kから、ディオがABゲートを開けたことと、すでにABルームに入ってしまったことを聞かされる。
ファイとルナのペアは二人ともBPが1しかなく、その対戦相手はディオだった。ファイたちが[協力]でディオが[裏切り]を選択した場合、ファイとルナはペナルティ受けるので、ファイとルナは[裏切り]を選ぶしかない。
アリスもBPが1しかないが、対戦相手はクォークだから無投票で[協力]に確定しているので、ペナルティが課せられる心配はない。
アリスとKのペアは、[協力]を選ぶ、と言ってABルームに入っていった。
現在、シグマのBPは1、そのペアの四葉のBPは6、対戦相手の天明寺のBPも6。
シグマは[協力]を選択する、と天明寺に告げる。
この場合、天明寺が[裏切り]を選択すると、シグマはペナルティを受けてしまうので、天明寺は[協力]を選択するしかなくなる。
天明寺から、シグマと四葉のペアが[裏切り]を選択しない保証はあるのか?と聞かれたシグマは、シグマ・四葉が[裏切り]で天明寺が[協力]を選択すると、四葉のBPが9になり、一人で脱出してしまうかもしれない、と答える。
3人で話し合った結果、全員[協力]を選択する、で合意し、それぞれABルームは入っていった。
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