チラシの裏~弐位のゲーム日記
社会人ゲーマーの弐位のゲームと仕事とブログペットのことをつづった日記

 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 橋上の会話終了から。
 「このあとはどうするの?」
 「まだ見えていない呪主の動向が気になるところだね。この隅田川は本所七不思議のエリアからは少し外れている。おそらく呪主もここまでは来まい。だろうから、少し考える時間をもらいたい」
 「そう、わかった」


 突然女性が「すみません」と声を掛けてきた。
 振り向いて女性を調べる→いつの間にか若い女性が立っており、「突然声を掛けてごめんなさい。もしかして呪主の方ですか?」と話しかけてきたので、利飛太が応対する。
 「かしりぬし?なんだい?それ」
 「えっと、蘇りの秘術を使うための魂を呪いの力で集める方々のことです」
 「それは興味あるね。詳しく聞いてもいいかい?」
 「はい、いいですよ。わたし、灯野あやめっていいます」


 あやめに話しかける。
 「えっと、蘇りの秘術を使うためにはですね、・・・・というわけで、呪主を呪い殺せば呪詛珠に滓魂がたくさん貯まるらしいです」
 「ありがとう、よくわかったよ。世の中には不思議なことがあるものだね。それで、君も呪主ってやつなのかい?」
 「わたしは違って、お友達の祐太郎くんがそれなんですけど」
 「交際相手かい?」
 「いえ、お友達です。並垣祐太郎くん。同じ穴の貉みたいな?」


 並垣祐太郎のことを聞く。
 「呪主の祐太郎くんとやらは今どこにいるんだい?」
 「実は祐太郎くんは正確には元呪主ってことになるんですよね。なんかいろいろあって呪詛珠を手放しちゃったみたいで。一流大学のエリートだと思ってたんですけど、肝心なところでちょっと残念なんですよね。なのでこうしてわたしが呪主を探してたんです。」


 再度、並垣祐太郎のことを聞く。
 「彼にいったい何があったんだ?」
 「わたしは別行動をしてたので詳しいことはわからないんですけど、さっき『呪詛珠は手放した』って。でも、なんだかずいぶん細かいことを気にされるんですね」
 「ただの好奇心だ。気に障ったのならすまない」
 「わたしは別にいいですよ。隠しているわけでもないんで」


 再度、並垣祐太郎のことを聞く。
 「彼、ちょっと頼りないところがあるので、わたしがしっかりしなきゃって思います」


 話しかけた目的について聞く。
 「どうして僕らが呪主だと思ったんだい?」
 「なんか、夜中にふたりでこそこそしてて怪しかったんで」
 「おっと、それは失礼。仮に呪主だったとしたら、どうするつもりだったのかな?」
 「お持ちの呪詛珠を譲ってもらえないな~って」
 「そう簡単に渡すものなのかな」
 「そうかもしれないですけど、とりあえずお願いしてみないとわからないですから」
 「なるほど、彼氏のためにそこまでするんだね」
 「いえ、お友達です。それに祐太郎くんのためとは限らないですよ」


 再度、話しかけた目的について聞く。
 「お二人が呪主じゃないなら、関係ない話なんで忘れてください!」


 秘術のことについて聞く。
 「君たちは蘇りの秘術を使って、何をしたいんだい?」
 「雄太郎君は祐太郎くんでなんか事情があるみたいなんですけど、ちょっと自分勝手というかどうでもいい理由なんで、実はあまり応援してくなくて。せっかく死者を蘇生できるなら、もっと有意義な使い方があると思うんですよね。だから祐太郎くんの呪詛珠を、秘術を使う寸前に奪っちゃおうと思ってたんです。それももう無理なんですけど。あっ、祐太郎くんにはナイショにしといてくださいね」
 「わかった。秘密を扱うのは慣れている」


 再度、秘術のことについてを聞く。
 「君は、秘術を奪ってまで誰を蘇らせたいと思ってるんだい?」
 「わたし、美大で版画を専攻してるんですけど、特に浮世絵が好きなんです。なんか浮世絵って、難解で崇高な美術品だから敷居が高いように思われがちなんですけど、実際はそうじゃなくて江戸時代の庶民たちに好まれた大衆娯楽だったんです。わたし、浮世絵師の中でも特に葛飾北斎先生の大ファンなんです!ご存じですか?」
 「確か江戸時代に、この本所に居を構えていたんだっけ?」
 「はい、そうです。富岳三十六景が有名なので波と富士山の人、みたいに思われがちなんですけど、それだけが北斎先生だと思わないでほしいんですよね。そんなのは数ある作品の極々一部にすぎませんから!北斎先生は90歳で亡くなるまでに3万点もの作品を遺したを言われていますが、それって80年間毎日1点以上描き続けないと達成できない数字なんです!」
 「それはすごいな。90歳まで描き続けたのか」
 「それでもまだまだ未熟たと先生は仰ってたそうですよ。その間際にも『天、我をして5年の命を保たしめば真正の画工となるを得べし』と遺されていて、天があと5年命を保たせてくれれば私は本当の絵描きになれる、っていうんです!芸術性だけでなく娯楽としても熟練の域だったののそれがいったいどうなっちゃうのか、気になりますよね!」
 「おいおい、まさか・・・」
 「それに北斎先生は100回の転居を目指していたのに93回で亡くなってしまったのも無念だと思うんですよ。現代の進歩した画材を使って、果たしてどんな作品を描かれるのか、今からワクワクします!」
 「つまり、君は蘇りの秘術で・・・」
 「はい!葛飾北斎先生を現代によみがえらせます!」
 「そういう発想もあるのか・・・」


 春恵は、そんなもののために、くだらない、と内心思っている。


 文化/社会:葛飾北斎


 「それじゃあわたし、このあたりで失礼しますね。それじゃがんばってください」と言って、あやめは去って行った。


 人物:灯野あやめ


 利飛太は、呪詛珠を奪うなら、あやめの行動はきにしておいたほうがいい、と春恵にアドバイスする。
 あやめが「がんばってください」と言ったのは、こちらが呪主だとうすうす勘付いてしたのだろう。
 利飛太は、あやめを追跡することにしたので、春恵に帰宅を促す。

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