久しぶりのミステリーを読みたくなって、漫画の月舘の殺人の読書開始!
汽車を見に来た親子が、写真を撮るため場所取りをしていた鉄オタたちとトラブルになり、父親が崖から突き落とされてしまう・・・
子供が父親の安否を心配している横で、鉄オタたちは夢中で、汽車の写真を撮り続けていた。
沖縄の那覇で暮らしている高校生の雁ヶ谷空海(かりがや そらみ)は、両親を亡くして天涯孤独の身の上だ。
空海の母親のみずほが異常に電車を嫌っており、空海が友達とモノレールに乗って遊びに行く予定があったり、修学旅行で電車に乗る予定があったりすると、母親は仮病を使って、母親の看病という名目で空海の予定を潰していた。
おかげで、空海は生まれてから一度も電車やモノレールに乗ったことがないのだ。
空海の母親が死んでから2か月経った頃、空海の家に、北海道から弁護士の中在家(なかざいけ)が訪ねてくる。
みずほは空海に身寄りはいないといっていたが、実はみずほの父親が生きていたのだ。
中在家から、財産相続の件で空海に相談したいことがあるので、北海道に来てほしい、と祖父が言っていると告げられる。
中在家は、相続には条件があり、話を聞いた上で受けるかどうか決めてほしい、と続けた。
中在家が、祖父と会う時に一緒についていってあげる、と言ってくれたので、空海は了承する。
空海は飛行機で新千歳空港に向かうが、飛行機に乗るのが初めてだったので、なかなか到着ロビーに現れず、出迎えに来た中在家をやきもきさせてしまう。
やっと合流できた空海は、中在家が運転するセルシオに乗って、祖父の家に向かう。
後ろの座席には、ディナーの時に着るように、と祖父がドレスを用意してくれていた。
車中、空海が中在家に母親と祖父の確執を尋ねると、事業で成功していた祖父の興味は家庭の外にあったため、みずほは家を出て東京へ行き、そこで結婚し、夫の死後に沖縄に移り住んだ、と教えてくれる。
空海は、中在家に祖父のことを教えてほしい、と頼むが、「高名な方なので調べると記事なども出てくるが、先入観を持たずに会い来てほしいとの希望があるので」と断られてしまう。
時計が19時50分を示すと、中在家が、このまでは20時40分発の列車に間に合わない、と焦り出す。
空海が時間通りに来なかったことと、大雪のせいで運転が慎重になっていることで、時間が押しているのだ。
あせって運転する中在家は、急に飛び出してきたアライグマを避けようとして、道路横の雪に車が突っ込んでスタックしてしまう。
そこへ偶然車が通りかかったので、中在家は運転手の青年に、稚瀬布(チセップ)20時40分発なので、空海を連れて行ってほしい、と頼む。
青年は、ゲンヤ号に自分も乗るから、と言って、空海を車に乗せてくれる。
青年は日置健太郎(ひおき けんたろう)と名乗り、空海からは大学生くらいに見えた。
空海が青年を観察すると、結婚指輪はしておらず、ケータイに新幹線のストラップを付けており子供っぽい印象だったが、腕時計は趣味がいいものだった。
カーステレオからは、8時10分のニュースが流れており、昨日、また連続殺人の被害者が発見された、と報道されていた。
稚瀬布駅についた空海と日置は、切符を車掌に見せる。
空海が生まれて初めて手にした切符には「幻夜乗車券 12月25日20時40分 乗車駅稚瀬布→下車駅月舘 5号車7番」と書かれていた。
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