今日の9時間9人9の扉 HD Smart Sound Novel はどうかな?
中から音が聞こえる棺を目の前にした淳平の脳裏に、突然、「真実は去り、真実は去り、真実は去った。ああ、真実は今、弓手の闇に眠っている」という声が聞こえてきた。
淳平は自分の左手首についているバングルを見つめると、リューズが左右についていることに気づく。
淳平が、リューズを右左右左右左と押すと、バングルに「14383421」と8つの数字が順番に映し出される。
すかさず棺に設置された入力装置に、バングルに映し出された8つの数字を打ち込む。
すると棺が開き、中からニルスが出てくる。
四葉は、ニルスに飛びつき、うれし涙を流す。
四葉が落ちついてから、ニルスに今までの状況を説明する。
ニルスは、REDの基盤を探しに個室にいるときに、麻酔ガス缶を投げ込まれて意識を失い、気づいたら棺の中にだったとのこと。
淳平、ニルス、四葉、セブンの4人なら、もうひとつの9の扉を開けられる。
試しに4人で認証をしたら扉は開いた。
淳平は、四葉に、妙にふくらんだポケット中に隠し持っている0のバングルを出すように伝える。
このバングルは船長室で死んでいた男がはめていたものだ。
淳平と四葉と0のバングルで認証するが、エラーが出て、9の扉は開かない。
どうやら0のバングルは、表示されている数字とは違う数字が割り振られているようだ。
ためしに淳平、セブン、0のバングルで認証すると、9の扉が開いた。つまり、0のバングルには、6の数字が割り振られていたのだった!
おそらく0のバングルに表示されているのは、数字の0ではなく、アルファベットのOだ。
6のバングルが2つあるのか?
いや、紫のバングルは、9で上下逆さまにはめていただけだった!
今までの紫の通ったナンバリングドアを検証すると、紫が9では通れない・・・
思い出すと、紫は常にサンタといっしょにナンバリングドアを通っていた。つまり、サンタのバングルは、3ではなく本当は0だったのだ!つまり、サンタがこのゲームの首謀者のゼロだ!!!
4人で9の扉の認証をすませ、無事にDEADを起動させ、起爆装置を止める。
さらに先に進んでボトムデッキへ降りると、突き当たりに海王星のマークのついた鍵穴の扉を発見するが、天王星の鍵を持っていない。
他の場所を探すと、天王星のマークのついたカードリーダーを発見する。
天王星のマークのついてカードキーを差込み、扉を開けると、そこは図書室だった。
「知識の森を抜けた小部屋にアリスが眠っている」という言葉を思い出す淳平。
書棚の本の中に、気になる名前を見つける。
シールドレイクとつぶやいた淳平に、ニルスが気づく。
淳平は、ヤシロから、シールドレイクの実験についと、四葉から、形態形成場の実験について聞いたと、ニルスに話す。
ニルスは、四葉には口止めしたのに、といいながら、淳平に打ち明け話を始める。
ニルスは、ゼロから、誰にもしゃべるなと命令されていたから、黙っていたと言って、点字カードを見せる。
大階段でニルスは読み上げた点字カードだが、実は読み上げていない部分もあったとのこと。
それは、9年前のこととしゃべると妹の起爆タイマーを作動させると、いうものだったが、どうやらそれは、はったりだった。
ニルスは、四葉から四葉のクローバーの花言葉をサンタが知っていると聞かされ、サンタが自分たちの仲間だと確信していると話す。
ニルスは、淳平が四葉から教えてもらったことを聞き出し、補足をしてくれる。
9年前実験を行ったのは、クレイドル製薬で、首謀者は、社長の本郷源太郎、参謀の虹崎渚、研究開発部長の窪田輝昭、クレイドル製薬の大株主の武蔵道景親の4名。
本郷が立案し、実行したのが虹崎、技術面で協力したのは窪田、資金提供したのは武蔵道とのこと。
その実験は、ノナリープロジェクトと命名され、人間を自在に操る能力について研究するものだった。
形態形成場仮説では、目には見えないフィールドに形態(モルフ)が格納されおり、そのフィールドを介して、モルフは関連する事物へと伝播していく。
形成場に書き込む力を持った者(ライター)=送信者と、読み取る力を持った者(リーダー)=受信者がいるとすると、送信者が受信者を意のままに操ることができる。というのを本郷たちが信じて、ノナリープロジェクトを開始したとのこと。
クレイドル製薬傘下の病院があり、本郷たちは、そこの患者であった子供たちに、密かにガンツフェルト実験を行い、素質がある子供たち=形成場に対するアクセス能力が高い人間、を拉致して集めた
さらわれた子供達は9組の兄弟で18名。
不思議なことに、片方が送信能力に長けていると、もう片方は受信能力に長けていた。
子供たちを能力別に分け、送信能力に長けた子供たちのチームをネバダ砂漠に建設された模擬実験棟(通称Q棟)に送り、送信能力に長けた子供たちのチームを病院船ギガント号の船内に閉じ込めた。
本郷たちは、いくつかの実験で、形成場にアクセスする能力は、ひらめきと危機によって増強されることを発見していた。
そこで、ギガント号の船内に数々のギミックを仕掛けて、謎を散りばめておき、その謎を解かなければ先には進めないようにした。
さらに危機を与えるため、ギガント号の一部を爆破し、船が徐々に沈没するようにした状況で、ノナリーゲームを行わせたのだ。
Q棟にもギガント号と同じギミックを仕掛け、Q棟の子供達に、謎を解いて、ギガント号にいる兄弟に伝えろと命令した。うまく伝えられないと、ギガント号は沈没し、兄弟は死ぬと。
淳平は当時の報道では、16人だったことを思い出し、拉致された子供の数をニルスに尋ねるが、ニルスは18名だと答える。
2人少ないのは、身寄りのない兄弟だったので、捜索願いが出されてなかったからと話す。
ニルスは、その兄弟の兄が葵、妹が茜という名前で、茜はこの実験で亡くなったと教えてくれる。
海王星の鍵を見つからなかった、何かのスチッチを発見したので、押してみると、本棚が移動し、扉が2箇所現れた。
左の扉はロックされていて、開かなかった。
右の扉の中に入ると、扉を閉まり、中からは開かなくなった。
どうやらここは書斎のようだ。
パズルを解くと、机の引き出しのロックが解除され、4人の男が写った写真が出くる。
船長室で殺されていた0のバングルをはめていた男、爆死したバングル9の男、一宮、それと見覚えのない男が写っている。
3人は今よりも10歳くらい若く見える。
写真の裏を見ると、「ノナリープロジェクトの成功を祈って 虹崎、窪田、武蔵道とともに」と書かれていた。
つまり一宮は、ノナリープロジェクトの首謀者である本郷だ!
ニルスは、一宮の声が、9年前にギガント号に乗り込んでいた本郷に似ていることに気づいてはいたが、確信は持てなかったし、点字カードの脅迫があったので、誰にも話せなかったと、打ち明ける。
四葉は、ネバダのチームで、本郷に会ったことがないので、一宮の正体を知らなかった。
セブンが写真を引ったくり、裏表を交互に見始めた。
しばらくして、セブンは、すべてを思い出したと、言い出す。
セブンは刑事で、9年前、単独で少年少女連続不明事件を捜査していた。
被害者に共通しているのは、同じ病院にへの通院歴があったことだけ。
その病院の経営母体がクレイドル製薬だったので、セブンはクレイドル製薬を調べ始め、クレイドル製薬の上層部が事件に関与していることを突き止めた。
そして、クレイドル製薬の内部の人間から、今夜子供たちが大型客船に連行されるという情報を得て、張り込みをしていたが、逆に捕まり、気が付いたらギガント内の独房に入れられていた。
通風孔から子供達の声が聞こえたので、通風孔を伝って子供たちのところへ向かおうとしたセブンは、警報と英語のアナウンスを耳にする。
通風孔を伝って子供達を見つけるが、学ランの子供から、ここは焼却炉で焼き殺されると、言われる。
英語での残り時間が15分だとわかったセブンは、独房に戻り、シーツでロープを作って、再び子供たちのところへ行くと、子供が減っている。
学ランの子供は、9のナンバリングドアを通れる者は先に通したと答えるが、セブンには意味がわからなかった。
ポニテの少女、赤ネクタイの少女、背の高い少年、学ランの少年の4人を助け出したセブン。
焼却炉についていた小窓から、男が覗いている。
男は、システムを停止させて、扉を開けて焼却炉の中に入ってきた。
セブンは、その男が捜査資料で見た本郷だと気づく。
セブンは子供たちをつれて走り出すが、途中で学ランの少年が、茜に追いつかないと言い出す。
学ランの少年から、茜は赤いネクタイの少女で、学ランの妹だと教えてもらうが、セブンは被害者の中のそんな名前の子供はいなかったはずと思った。
途中で追い抜いたかもと言って学ランの少年が戻りだしたので、セブンと背の高い少年についていき、ポニテの少女だけが先に行くことになった。
焼却炉まで戻ると、助けを呼ぶ少女の声が聞こえてきた。
本郷が、茜の手を引いて焼却炉に連れ込もうとしている。
セブンたちに気づいた本郷は、茜といっしょに焼却炉の中に入るが、焼却炉の扉はどうやっても開かない。
茜は、本郷は別のドアから出て行ってしまい、閉じ込められたと、泣き叫んでいる。
焼却炉を出た本郷は、システムを作動させたらしく、警報が鳴り始める。
結局、時間が来て、焼却炉に火が入った。
システムが停止したあと、焼却炉の中に入ると、茜の亡骸が床に転がっていた・・・
淳平が、セブンに、茜の苗字を尋ねると、倉式だと言われる。
ニルスは、あのときの背の高い少年だった!ニルスは、セブンのことに気づいてはいたが、脅迫されていたので、黙っていたとのこと。
セブンは、サンタは、茜の兄の倉式葵だと告げる。
葵があのあと声変わりをしたため、ニルスはサンタが葵であることに気づかなかったとのこと。
淳平は、ニルスの変わりにシャワー室で殺されたのは、虹崎だと確信する。
この船で殺された3人は、いずれもノナリーゲームの首謀者だ。
茜の兄であるサンタが、ゼロを名乗り、復讐したのだ。
タイムリミットの6時になったらしく、水が流れ込む音が聞こえてきた。
探していた天王星のカードキーを発見し、天王星の扉を開ける。
扉の先を進むと、海王星のマークのついた鍵穴のあるドアを発見し、海王星の鍵で開けると、焼却炉の前に出てきた。
焼却炉の横にあるレバーを引いて、焼却炉の中に入ると、一宮とヤシロがおり、サンタは腹を押さえてうずくまり、紫は壁にもたれて座り込んでいる。
紫は、体調が悪くなったが、少し休めば大丈夫と答える。
サンタは、一宮に腹を殴られ、銃を奪われたと、答える。
一宮は、ヤシロに銃を突きつけながら、9の扉に自分とヤシロと9のバングルを認証させるが、エラーが表示される。
一宮は、銃を床に置いて、何度か認証させるが、いずれもエラーになる。
セブンが一宮に飛び掛り、ヤシロを解放する。
床に倒れている一宮に向かって、淳平は、窪田、虹崎、武蔵道を殺しただろうと、尋ねる。
一宮は、窪田を騙して、一人で5の扉の中に入るように仕向けて、爆死させた。
殺害理由は、①ノナリーゲームでは9のバングルは、どのチームと組むことができるオールマイティな存在②9のバングルを手に入れて、有利にしたかった③顔がわからない一宮にこっそりと自分の正体を打ち明けた窪田は、一宮の過去を知っており、いずれ脅威になる④今回のノナリーゲームが本気かどうかの確認、の4つ。
一宮は、REDの探索をしているときに、大病室で虹崎に会ったが、相貌失認症のためニルスの服を着ていた虹崎を、ニルスだと思い込み、殺した。盲目のニルスが、9年前のノナリーゲームの参加者であることに気づき、ニルスが仕掛けてくる前に処分しようとした。
そのとき、一宮は、自分のバングルと、窪田の持っていた9のバングルと、虹崎がつけていた2のバングルで、3の扉を開け、扉の中へ虹崎を放り込み爆死させた。
一宮は、前回のノナリーゲームの首謀者であるので、ギガント号のギミックは熟知している。淳平と四葉が海図室を調べているときに、懐中時計を淳平から盗み、操舵室に入り、仕掛けを解いて、船長室へ行き、そこにあったオノで武蔵道を殺した。
そして、淳平のクジのカラクリを暴いたときに、懐中時計を戻したのだ。
順平が、武蔵道殺害の動機を一宮に尋ねると、一宮がメモを見せる。
バングルナンバーが1の者が助かる方法が2つある。
①ノナリーゲームの勝者となること。
②9年前の罪を告白すること。船長室にカメラを設置しておいたので、そこで懺悔の言葉を吐くがいい。真実を告げたなら、この船から出してやろう。告白に信憑性も与えるために、船長室に証人を放り込んでおいた。彼にも合わせて証言をしてもらうがいい。
一宮は、証人を始末するために、誰よりも先に船長室に入った。そして、証人の男に尋ねると、男が武蔵道であることがわかった上で、証人を始末した。
一宮は、ゼロに操られて、3人を殺した。
すべては9年前の復讐のために、お前がこのノナリーゲームを仕組んだんだろう、と淳平はサンタに声を掛ける。
サンタは、否定するが、セブンが、サンタの本名が倉式葵で、今回のノナリーゲームの首謀者のゼロだと言い切る。
サンタは、セブンが記憶を取り戻したことを知ると、自分が倉式葵で、ニルスと同じ9年前の実験の被験者だと答える。
サンタは、自分はゼロではなく、ゼロの参謀で、9年前の復讐のためだけにやっているのではなく、死んだ妹の茜の助けるためにやっていると言い出す。
紫のほうへ目をやると、紫がいなくなっている。
サンタは、ノナリープロジェクトとは、物理的な接点を持たずにコンタクトを取ること、つまり形態形成場仮説(人間には認知しえないフィールドを介し、情報の交換を行うことが可能か)を確かめるための実験だったと話し始める。
ネバダの模擬実験棟Q棟に閉じ込められた9人は、ギガント号とまったく同じ構造を模した施設でギミックを解き、その解法を形成場に書き込むことによって、ギガント号にいる9人の兄弟に伝えるよう求められていた。
兄弟のうち、送信者はQ棟、受信者はギガント号に振り分けられるはずだったが、送信者だった茜が、手違いで受信者であるサンタと同じギガント号へ送られた。
そして、淳平が本来知ることができない一宮の相貌失認症や殺害動機・殺害方法、棺の開け方を知っていたのは、なぜか。
それは、【私】が知っていたから。
淳平は形成場を介して、【私】の送った情報を受け取っていた。
情報は、常に過去から未来に向かった流れ、逆流することはない。だから、川上(過去)にいる人間は、川下(未来)のことを知ることができない。
また、一方の川下にいる者は、もう一方の川下のことを知らない。情報は川の流れに乗ってしか運ばれないからだ。
けれど、【私】は、形成場を介して、川下の情報を知ることができる。二股に分かれた川下のAのことも、川下Bのこともわかる。AとBにいる人たちは、それぞれお互い川下のことを知りえないのに。
【私】は誰だろう?
I、アルファベットでいう9番目であると同時に、ゼロでもある。
正確にいうと、ゼロではなく、ゼロ未満だ。私は未来のゼロ、今から9年後に私はゼロになるのだ。(つまり、【私】=9年前の茜やね)
サンタが一宮に銃を突きつけながらゲートから出ようとしている。
サンタは、「俺はサンタクロース、あいつの願いを叶えてやるのさ」と言って、サンタと一宮がゲートを潜る。
焼却炉の中には、淳平、ニルス、四葉、セブン、ヤシロが取り残される。
9の扉を通れるのは、淳平、ニルス、四葉、セブンだけで、ヤシロは通れないことがわかる。
ニルスが、さっき一宮が認証できなかったと言い出したので、本当に扉が開くか試すことになった。
淳平、ニルス、四葉、セブンで認証しても、エラーになった。
【私】は、淳平の目に映るもの全てを見、淳平が聞く音を全て聞いていた。淳平の五感に届くものすべてを感じていた。
私の意識は、淳平の中にあった。形成場を介して共鳴し、ひとつに重なりあっていた。
今から9時間前、私たちが閉じ込めれらた船が爆破され、そのときから、淳平との共鳴が始まった。私のモルフは淳平の中に溶けてひとつになった。
私は9年の時をへだてて、淳平の意識へアクセスしてしまった。
私は二つの現実を同時に生きていた。ひとつは現在の現実で、もうひとつは未来の現実だった。
ノナリーゲームが始まって2時間、9名の子供たちの心はバラバラになりかけていた。
そのとき、ライト=9年後にニルスと呼ばれる盲目の少年が、Q棟にいる妹の四葉が、一生懸命情報を送ってくれている。今日は、四葉の9歳の誕生日だから、9本の四葉のクローバーをプレゼントとして贈りたかったと、言って、ポケットからその四葉のクローバー取り出す。目の見えない自分ががんばって集めたんだと言ってから、離れ離れになった兄弟のことを思い出して、生きてこの船から脱出しようと、諭す。
そして、仲間を信じ、愛し、希望を抱き続けるなら、必ず幸運が訪れる。そして、この4つの言葉は、四葉のクローバーの花言葉だと、言いながら、9本の四葉のクローバーを子供たちに渡して、これを持っている限り、自分達は永遠に仲間だと宣言する。
その後、9人の子供たちは協力し、焼却炉までやってきた。
9の扉が1枚しかないため、通れるのは5人だけ。
そこへ警報が鳴ると同時に、9年後にセブンと呼ばれる男が現れる。
その後、9の扉を通れる5人を先に通し、残った4人は、セブンに助けてもらう。
焼却炉を出た私は先頭を走り、ノナ、兄の葵、ニルス、セブンが追ってきた。
私は走りながら淳平にもらった宝物を落としたことに気づく。引き返すと言えば、反対されるに決まっているので、物陰にかくれて後ろの4人をやり過ごしてから、私は焼却炉へ戻り始めた。
焼却炉の前で、宝物を見つけて拾ったところで、本郷=9年後に一宮と呼ばれる男に見つかり、捕まってしまう。
まだ中学生の私では、大人の一宮の力には敵うはずもない。
助けを求めて大声を出していると、兄のアオイ、セブン、ニルスがやってくる。
一宮は、私を連れて焼却炉の中に入り、9の扉に2つのバングルを認証させ、それを投げ捨てる。
本郷は別のドアから焼却炉を出て、システムを起動させる。
サンタが自動焼却システムを作動させたため、警報が鳴り始め、床からPCとキーボードがせりあがってきた。
モニターを見ると、いわゆる数独(ナンバープレース)が表示されている。これを解けば、システムを停止させることができるようだ。
一宮は、焼却炉の外から、さっき1と3を認証させたと私に告げ、パズルを解けばREDの認証機能を復活させると言い出す。
私のバングルは、5だ。
モニターを見ても、解き方はさっぱりわからない。
私は、淳平にもらった宝物である人形を握り締めて、「助けて、淳平君」と祈った。
茜の声が聞こえた淳平が、茜に呼びかけると、茜から、一宮から出されたパズルを解かないと焼却システムが停止しないと返事がくる。
その瞬間、淳平は、紫はゼロで、9年前、倉式茜が見た未来の歴史を再現することによって、9年前の自分自身を救おうとしていることに気づく。
「絶対に助ける」と茜に返事して、淳平はパズルを解き、茜に答えを送信する。
茜が淳平の答えを入力すると、システムは停止し、茜は淳平に成功したことを伝える。
淳平はパズルを解いてエンターを押すが、システムは停止しない。
淳平は、ゼロが、出口は「キュウ」だと言ってたことを思い出す。
そして、全員で認証しろと命令する。
淳平、ニルス、四葉、セブン、ヤシロで認証すると、システムが停止し、扉が開く。
扉の中に入り、DEADに認証させると、起爆装置は停止する。
茜が認証をして、扉を開けると、兄の姿があった。
茜は、一宮が残した2つのバングルと、自分のバングルで、DEADを認証し、起爆装置を止めた。
ニルスとセブンは、茜が出てきたことに驚いている。
さっき9の扉が開いたのは、Qが27進法で26にあたり、5人のバングルの合計が26だったから。
あの扉に書かれていたのは、アルファベットのqだったのだ。
9人の子供たちは、セブンといっしょに沈没するギガント号からの脱出に成功した。
最後の扉を開けると、そこはネバダ砂漠に建造された模擬実験棟のQ棟だった。
そして、5人全員のバングルがはずれる。
5人のバングルを調べると、起爆装置はついていなかった。
小学校を卒業する少し前、茜と淳平は、いっしょに夕日を眺めていた。
淳平の顔は殴られてボコボコになっている。相手は5人の中学生だった。
実験棟の脇にキーがついたままで、ガソリンが満タンのSUVを見つけて、5人は、ネバダ砂漠をドライブ中。
四葉の運転で、サンタと紫を乗せた車の轍を追っている。
公園で子ネコに可燃性のオイルを振り掛けている中学生グループを見た淳平は、ふわりと子ネコを茜に投げ、受け取った茜は、交番に助けを求めた。
警官を連れて茜が公園に戻ると、淳平はボコボコにされ倒れていた。
なんで逃げなかったのかと茜が尋ねると、淳平は、終業式のウサギ襲撃事件も、このグループの仕業だと知り、全員ぶっとばさないと気がすまなかったと、話す。
一宮は、手足を縛られ、粘着テープを口に貼り付けられた状態で、トランクに放り込まれている。
淳平は、一宮に、ノナリープロジェクトは始めた動機を、尋ねた。
粘着テープをとってもらった一宮は、人間の顔が見たかったと答える。形成場にアクセスする能力が手には入れば、それが可能になる。他人の頭の中を覗き込むことで、その人物をどんなふうに人間の顔を認識しているのか知ることができる、と思っていた、と。
セブンにアリスのことを聞くと、ギガント号を調べていたら、アリスの情報を知っただけといわれる。
一宮は、9年前に、ボトムデッキのアリスの書庫の奥でアリスの棺を見つけたが、中にはマンドラゴラの根しか入っておらず、それから抽出した成分からマンドレインを開発したと言い出す。
淳平は、4月になったら、学区が違うので別々の中学校に通うことになって会えなくなるから、と言って、茜に、ブドウ人形のグレープくんを手渡す。
毛糸でできた、タイかどっかの国ではお守りになるブードゥー人形のようだ。
「ナニカ、コマッタトキ、コレ、ニギリシメテ、イノレ。イツデモ、ドコデモ、カケツケル」
淳平が9年前の茜を助けたことで、紫が存在できるようになったが、9年前、セブンが茜の死体を見たこと点が、歴史に矛盾を生じさせている。
淳平がそんなことを思っていると、砂漠のど真ん中で、ヒッチハイクする女性を発見し、車に乗せることになる。(この女性が、砂漠の熱気で解凍し、蘇生したアリスらしい)
ということで、サマーセールで買った極限脱出ADV 善人シボウデスに続きます。
この記事にコメントする
- HOME -