今日の春ゆきてレトロチカはどうかな?
大正11年、東京市内某所にある後藤銀作の屋敷にて、ある個人売買会が行われる予定になっており、そこで不老の果実トキジクが売りに出されるという噂と聞きつけた四十間佳乃は、トキジクを手に入れるために、売買会に参加する方法を探っていた。
銀作は南将憲の後ろで庄田せつの背中を触りながら、館にせつと将憲を招き入れる。
それを、遠目に見ていた佳乃は、男性とぶつかってしまう。
男性が落とした赤い液体の入った瓶を拾った佳乃は、家で豚を飼ってたことがあったので、瓶の中身が豚の血であることに気付く。
男に向かって豚の血であることを指摘するが、男は「大事なものだから」と言って瓶を懐にしまう。
大事なもの?
→だったら一緒に参加させてもらえないかしら
佳乃は、「何と偽って出すの?」と尋ねる。
君は誰だ?
→四十間佳乃
佳乃は、「私も個人売買会に参加したいんです。でも参加者は不老不死に関わる品物を用意しないといけないと聞いてますが、あの人は違う。」と話すと男は興味深そうに佳乃を見る。
佳乃は、中に入っていった女性は、つれの男性に見つからないよう館の主人となれ合っていたので、たぶん売買会の主人と特別な関係だ、と話す。
佳乃は、豚の血だと言いふらされたくなかったら、中に連れて行ってほしい、と男に頼みこむ。
男は、「君の推理は間違っている。彼女はれっきとした参加者だ。」と言って先に行ってしまうが、佳乃の方を振り返り、「来ないのか?君の観察眼はおもしろい、役に立ちそうだ。」と声を掛ける。
館の入口で銀作に挨拶した男は、久坂如水と名乗る。
銀作との会話で、如水はせつの紹介で個人売買会に参加したことを知る佳乃。
如水は銀作に、佳乃を自分の供の者だと紹介する。
ふと佳乃が屋敷の方に目をやると、2階の窓の内側を黒い影が通り過ぎていくを見る。
人・・・?
→そこの窓に変なものが・・・
よく見ると、壁に飾られた黒い般若の面だった。
談話室に集められた一行は、銀作から1時間後の正午から売買会を始める、と言われる。
骨董屋の古富谷きぬが、今日の売買会は、参加者が持ち寄った不老長寿に関する品物を並べて、気に入った物を競り落とす、というものだと説明する。
せつは、怪奇小説蒐集家とのことで、不老長寿に興味がある、と話す。
如水は、豚の血を竜の血だと偽って、参加者に見せる。
トロフィー:駆け出しの観察眼をゲット!
竜の血は、飲めば不老になるという伝説があるらしい。
将憲は、平将門の刀を持ってきた。
平将門の首は、斬り落とされて後も腐らなかったらしい。
医学者で陸軍科学研究所で働く将憲は、兵士の身体強化、ひいては不老長寿についての調査と研究をしているとのこと。
せつが持ってきたのは小箱に入ったトキジクだった。
ある地方に不老の果実を代々守り続けている家がったが、没落し数あったトキジクはすべて失われてしまったが、せつは偶然にも手に入れたとのこと。
佳乃は、このトキジクを取り戻そうとしているのだった。
銀作は貴重な品々を鍵のかかる場所に保管しよう、と言って一行を地下に案内する。
最後尾を歩く佳乃に如水は、声を掛ける。
目的はトキジク
→なぜそう思うんです?
はぐらかそうとする佳乃に対し、如水は、本当のことを話す気がないなら帰らせる、と言い話す。
そこへはぐれた二人を探しに銀作がやってきたので、如水は、あとでしっかりと話してもらうぞ、と言っていったん話を終わらせる。
一行は、地下の保管室に品物を置く。
保管室は外側から鍵をかけることができ、その鍵は銀作が持つ。
将憲が大きな木箱に気付く。
銀作の出品物の木箱の中に入っていた木乃伊だった。
木乃伊は全身に包帯が巻かれ、仮面をつけている。
木乃伊を食べると長生きする話があるが、この木乃伊は生きる屍と呼ばれており、人の血を求めて夜中に彷徨っているらしい。
銀作が鍵をかけて、一行は談話室に戻る。
庭で如水に問い詰められた佳乃は、トキジクは元々自分の家にあったものだから、取り戻したい、と答える。
父親からこれを持って家を出ろ、とトキジクを託された佳乃だが、行く当てもなくお寺の境内で行き倒れてしまい、目覚めたらトキジクがなくなっていた。
あちこち探しているうちに、ある骨董屋から、この個人売買会のことを聞き、やってきたとのこと。
それを聞いた如水は、自分はトキジクを盗みに来た、と打ち明け、佳乃に、自分と手を組んで協力してトキジクを手に入れよう、と提案する。
私と手を組まないか?
→たしかに、協力してくれると助かるけど・・・
佳乃は、如水にトキジクを渡すわけにはいかない、と答えるが、如水は体調が万全でない佳乃に気付き、「後で話し合えばいい、私を敵に回すならそれでも構わないが、その時は皆に真実を話すぞ」と言い出す。
佳乃と如水が話し合っていると、すぐ近くの部屋の中から銀作とせつとの会話が聞こえてきた。
せつが、自分たち以外の出品物を安く買いたいので、ネズミにかじられた風にキズをつけるため、鍵を貸してほしい、と銀作に頼むが断わられてしまう。
せつは銀作を平手打ちし、今回不老にまつわる品を集めたのは、銀作に少しでも長生きしてほしいからだ、と言い出し、とうとう銀作は「鍵を渡したのを誰にも知られるな」と言って、せつに鍵を渡してしまう。
熱がぶり返した佳乃は、意識を失ってしまうが、如水に介抱され、約20分後に目覚める。
もうじき正午になり売買会がはじまってしまうが、佳乃の体調はすぐれない。
協力する?
→わかりました
と、言った佳乃が、トキジクは譲りませんけど、と念を押すと、如水は、勝気なのは嫌いじゃない、と答える。
部屋を覗くと銀作が一人でいる。
どうやらせつは保管室からまだ戻って来てないようだ。
トキジクを取り戻すのは今だばかりに二人は保管室へ向かうが、間に合わず、せつと入れ違いになり保管室の鍵はかかっていた。
売買会の時間になっても来ない如水と佳乃を探しに将憲がやってくる。
将憲にここで何をしているかを問い詰められた如水は、せつが銀作から鍵を借りるところを見てしまい、出品物に何かあったら困るので見に来た、と答える。
将憲は、せつがどこにもいない、と言いだす。
佳乃は、地下の廊下に点々と続く血を見つける。
血・・・?
→誰かが廊下の奥にいる?
廊下の奥にいくと、全身に包帯を巻きつけた仮面の木乃伊が血まみれの刀を振りかざしてきたので、3人は逃げ出す。
1階の玄関ホールに戻ると、時計が正午ちょうどを告げる。
騒ぎを聞きつけ現れたきぬは、木乃伊に襲われたことを信じてくれない。
きぬや将憲が言うには、保管室に出品物をしまったあと、別々に好き好きに行動していたこと。
2階から銀作が降りてくる。
銀作はせつを探していた、と話す。
如水が、銀作に、出品物に傷をつけ価値を落すため、せつに保管室の鍵を渡すところ見た、と言うと、銀作は、「自分は反対したけが、せつが・・・」と答える。
如水が合鍵の存在を尋ねると、銀作は、「ない」と答える。
将憲が、廊下で木乃伊に襲われた時、保管室の鍵がかかっていたから、木乃伊がせつを襲って鍵を奪った、と言い出す。
せつがいない
→まずはせつさんを見つけないと
銀作は、陸軍関係ということで、半ば強引に将憲にせつの捜索を命じる。
10分ほどで将憲は戻って来たが、鍵のかかった保管室の中以外を調べたが、せつはいなかった、と話す。
保管室には鍵が・・・
→保管室を確認しに行こう
保管室の鍵を壊して保管室に入ると、首を切られて血まみれで死んでいるせつを発見。
荒らされた保管室は、様々なものが散らかっており、小箱の中のトキジクがなくなっていた。
木箱の中には木乃伊はなく、包帯だけが残っている。
廊下の奥には、仮面を付けた木乃伊があり、口元には血がべったりとつき、手には血まみれの刀と保管室の鍵(木乃伊が持っていた鍵)を持っている。
佳乃と如水は、今警察に来られるとまずい立場にあるため、警察が来る前に犯人と犯罪の確たる証拠を見つけることになった。
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