今日のひぐらしのなく頃に粋はどうかな?
祟殺し編 #14 沙都子の家へ
結局死体は出なかった。
圭一は警察に捕まらずに済んだが、叔父を殺すのに失敗している。
圭一は、沙都子が解放されるまで、叔父を殺し続けると決意を固める。
朝になり行動を起こした圭一は、ひとつ余計な足音を聞く。
圭一は、悟史が自分と一緒にいてくれたような安心感を覚える。
もう一度叔父を殺すため、こっそり家を出た圭一は、物置から、完璧に殺せる凶器を探し始め、ぶっとい薪を叩き割るのに使う鉈を手にする。
そして、それを古新聞で簡単に包んで、自転車の前かごに放り込んだ圭一は、雛見沢に来てからのかけがえのない日々を思い起こす。
自転車をこいで沙都子の家の前までやってきた圭一は、自転車を置き、様子をうかがった。
叔父のバイクはない。あれは圭一が沼に捨てたのだ。
それとも死体がなかったように、バイクも沼に放り込まれてないことになっているのだろうか?
それなら、叔父が町に出かけてまだ帰ってこないだけかもしれない。
圭一がドアノブに手を掛けた。カギもチェーンもかっていない。
どこからかテレビの音がする。
圭一は、テレビの音がする食堂へ忍び込んだが、誰もいない。
食卓を見ると、ご飯粒がカリカリに乾燥している。朝食ではなく、昨日の夕食か?
食堂を出て、2階に上がる階段を見つけた圭一は、音を立てないようにそっと登って行った。
いくつかの部屋を回り、中をうかがうが誰もいない。
気配を探るため、床にへばりつき、耳をぴったりと押し当てると、食堂のテレビの音と、湯沸かし器か何かのうなる低い音だけが聞こえた。
食堂に戻り、散らかった食事を見た圭一は、スーパーのお惣菜の包みに830620と印字されていることに気付く。
1983年6月20日は昨日の日付だ。
ふと湯沸かし器みたいな音が耳に付いた圭一は、それが風呂の湯沸かし器の音だと気づき、脱衣所の扉を開けた。
沙都子が、脱衣所の床に倒れるような恰好で気を失っている。
沙都子を抱き起してバスタオルの上に横たえたが、すごい熱だ。
「大丈夫か、沙都子!聞こえるか?」
「・・・け・・・いちさ・・・」
「もう大丈夫だからな。必ず俺が、にーにーが助けてやるからな」
沙都子は、うつろな目をかすかに開けて、圭一を見上げてぎこちなく微笑んだ。
その痛々しさと憐憫を誘う表情を見た圭一は、感情が爆発し、雄たけびを上げながら叔父の部屋に飛び込み、鉈を叩きこんで破壊していく。
完膚なきまでに破壊しつくしたところで、圭一は理性と取り戻した。
とりあえず叔父はいないので、今は沙都子を何とかする方が先だ!
脱衣所にいる沙都子のところに戻すと、沙都子は熱のためぐったりしている。
とにかく医者に見せなければ。
圭一は、バスタオルで沙都子を包み、背負って診療所に向かった走り出す。
TIPS:照会要請
興宮警察署司令センター通信記録
6月20日20時8分
「こちら興宮PS、感度良好でーす」
「こちら大石、車両ナンバー照会をお願いします。鹿骨、はの4344」
ナンバー照会
鹿骨はの4344
所有者コード6034344
鹿骨市雛見沢村在住の一般人・前科なし
車種:ステーションワゴン
盗難届:無
特記事項:特になし
「興宮PSより大石車どうぞ。先ほどのナンバーが判明しました・・・大石車、応答願います。あれ?電波、悪いのかな・・・出ませんね」
「大石さんが車両照会?誰の車だよ」と刑事が尋ねる。
「村人の車ですね。至って平凡な」
「大石さんが聞いてくるからには、只者じゃないんだろ?」
「特記事項欄は完全に空欄ですね。S合指定もなし。減点もなしだし」
「ハハハ。パッシングでもされて腹が立ったんじゃないの?」
達成率:38.2%
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