チラシの裏~弐位のゲーム日記
社会人ゲーマーの弐位のゲームと仕事とブログペットのことをつづった日記

 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 津詰徹生:午前4時台
 路上にて


 七不思議に関連する場所を巡って、怪しいヤツを片っ端から職質してきたが、まさかの収穫なし。


 最後の場所へある錦糸堀公園へ行くと、彰吾の変死体を発見!
 襟尾が通報したが、今区内で別の変死体が発見されているため救急隊も鑑識もそっちに出払っており、到着までしばらくかかるとのことで、二人は待機することになった。


 しばらくするとどこかで電話のベルが鳴り始める。


 電話ボックスを調べる→もう少し様子を見る→なめどり#13を発見!


 再度電話ボックスを調べる→電話に出る。


 津詰が電話に出ると、男の声で「よオ津詰刑事、調子はどうだ?」と話し始める。


 「誰だ?あんた」
 「カッハハハ!やったホンモノだ!あんたあの津詰刑事なんだな!今はもう昇進して警部なんだっけか?」
 「お前は誰だと聞いているが?」
 「忘れちまったってのか?オレのこたアよオ。あん時ゃ、あんなにオレのことを追いかけまわしてくれたのによオ」
 「その声、まさか、根島吏周か?」


 横で二人の会話を聞いていた襟尾は、相手が根島事件の犯人だと気づく。


 「あッたりイ!さっすが津詰警部様、よく覚えておいでだ!こちとらあんたのおかげで20年もムショ暮らししていたからなア。労ってくれよなア」
 「そりゃご苦労だったな。罪は充分償えたか?」
 「カハハハ!おかげさまでキレイに清算できたぜ!」
 「嘘つけ、無期だったお前の罪が20年程度で償えるはずがねえ」
 「知らねエよ。司法制度がオレの仮出獄を認めてくれたんだからなア」
 (これが本物の根島吏周だとしたら、当時検挙した俺を相当恨んでるはずだ)


 何が目的だ?と尋ねる。
 「実は仮出獄から今までは大人しく過ごしてたわけよ。真面目に地道に生きるのも悪くねえかもなって」
 「それはいい考えだ。俺も応援するぜ」
 「でも、ダメだな。いい機会があるとなったら、やっぱガマンなんねえのよ。やっぱりあんたにお礼しとかなきゃオレの新たな人生は始まらねえなって」
 「いやいやい、お礼とか気にすんな。そのまま慎ましく生きるのがいいぞ」
 「大丈夫、別に無理じゃねエからよ。でな、あんたは直接バラすのはまア簡単にできるんだが、それじゃ20年間飼い育ててきた腹の虫が収まんねえんだわ」
 「おいおい、ずいぶん育てたもんなんだな」
 「性格の悪い看守からの嫌がらせも必死に耐えて、模範囚を演じ切ることができたのも、あんたのお陰だよ。あとはおめえさんが受け容れてくれるだけでいいんだよ、オレの想いを」
 「そりゃ俺には重いな」
 「うるせエ、バカ!だからお前は後回しなんだよ」


 再度、何が目的だ?と尋ねる。
 「何もするつもりなんだ?」
 「おめえじゃねえって言ってんだろうが!人の話聞けよ!おめえが、絶望に打ちひしがれて泣きわめいてオレに土下座するところが見てみてえんだよ」
 「うえええ~ん、根島さん、ごめんなさい~!許してください~!」
 「うっせえ!ヤメろ!」
 「ダメか」
 「なんでそれでオレが満たされると思えるんだよ。おめえどうかしてんぞ」
 「じゃあどうかしてる同士だ。仲良くしようぜ」
 「これから、あんたが大切に思う人物からバラしていくことにすっから」
 「悪いが俺ははぐれ者だ。そんな大切なヤツはいねえよ」


 この会話を聞いている襟尾は「え、オレは?」と呟いている。


 「大切な人がいないなんて、そんなこと言ったら、あんたのかわいい一人娘がかわいそうじゃねえか」
 「おい馬鹿!それだけは絶対やめろッ!!」
 「イイねイイね!その調子だよ!娘さん、今は大学に通うために一人暮らししてるんだよねエ?そういやちょうど本所のあたりに住んでいるだっけ?」
 「えっ、そうだっだの?ああ、いや待て!冗談じゃ済まねえぞ!!やめろッ!絶対許さん!すぐ捕まえてやる!!」
 「その狼狽えぶり、すごくイイ!」


 再度、何が目的だ?と尋ねる。
 「あんたの大切な一人娘を昔みたいにバラしてやるからよ」
 「んなことは絶対にさせねえよ」


 どうして俺の居場所が?と尋ねる。
 「カハハハ!それだよそれ!その戸惑い!うっほうサイコーだア、たまんねエ。教えねエよ!せいぜい悩んどけ!」


 再度、どうして俺の居場所が?と尋ねる。
 「んじゃ、特別にヒントをあげよっかね」
 「おう、頼む」
 「オレはな、片葉の芦を持ってんだ。あんたは、落ち葉なき椎を持ってんだっけか?」
 「根島ァ!!お前呪主なのか?呪いの力を使ってんのか!」
 「ああ、オレの呪いにはちょっと特殊な使い方があって・・・おっと、ヒントはここまでだ!カハハハ!」
 「よりによって最悪のヤツの手に!」


 再度、何が目的だ?と尋ねる。
 「じゃあ、最期にもうひとつ。いやむしろ、こっちが本題だったかもなア」
 「もう腹いっぱいだから下げていいぞ」
 「遠慮するなって、こっちがメインディッシュだ」
 「いや充分大フィーバーしてるが」
 「だから特別にあんたらが一生懸命守っている大切な市民も、まとめてバラさせてもらうことにするよ」
 「何を言っている」
 「なんとオレの呪いなら、それができンだよなア。次の日暮れと同時に決行させてもらおうかね。最低でも数百人はイケるかなア?それ全部、おめえのせいだぜ」
 「馬鹿な、そんな強い呪いが素人に!」
 「オレの呪詛珠はちと強力なヤツみたいでよ。んで、オレならそれを躊躇いなく使いまくれる。この呪いの霊夜祭はまさにオレのためにあるようなもんだなア」
 「やけに詳しいじゃねえか。入れ知恵されたな?」
 「さアな、よくわかんねエや」
 「だったら俺はそれより先に自決してお前の望みを台無しにしてやるぜ!」
 「バカか?あんたが先に命を絶ったところで中止にゃしねえよ」
 「出所後の身元なんざ調べりゃわかる、逃げ切れると思う名よ、根島ア!」
 「12時間って制限時間で組織がどこまで動けるもんかねエ。おめえが後悔に身を捩らせんのが楽しみだなア、カハハハ!その上、オレは蘇りの秘術に必要な滓魂を得られる、最高だア!」
 「お前秘術を!」
 「じゃあな、あばよ」


 根島からの電話が切れ、津詰は襟尾に電話の内容を伝える。
 「とにかく根島を探し出して拘束するのが最優先だ。本部に要請する。だが、厄介なことに七不思議の呪いが絡んでいやがる」
 「根島が呪主だったんですか?」
 「あいつの呪いは一度に大量に殺せるものらしい。みすみす捜査員が呪い殺されるのは避けたい。根島の居場所特定までは人海戦術に任せるが、そのあとは俺らが乗り込む必要がある。今のうちにできるだけ呪詛珠を回収しちまいたい。急ぐぞ」


 その後、この晩のうちに合計で3人の変死体が発見されたことが報道された。
 呪詛関連や根島の殺害予告については秘匿情報として公開されなかったが、先日の吉見肇の変死から続く本所連続怪死事件として世を騒がせることとなった。
 警察では津詰の要請により根島吏周の大規模な捜査網が敷かれ、津詰と襟尾は夜通しで付近での呪主の捜索を進めて行ったが結局無作為な捜索では何も見つけられず、こうして呪われた夜は明けるのだった。


 日暮れまであと12時間。

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