今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75
5人目は細田を選択!
僕ね、今日のこの会をとっても楽しみにしてたんですよ。坂上君も楽しみにしてましたか?
- 楽しみにしていた
- 特に気にしていない
- あまり乗り気ではなかった
坂上君は立場的にみんなを盛り上げるべきだと思うけどなあ。そこまではっきり言われると、なんだかちょっと引いちゃうかも。
それにしても、7人目はどうしちゃたんでしょうかねえ。
迷惑するのは、坂上君なんですもんねえ。かわいそうに。
あ、申し遅れました。僕は細田友春っていいます。2年C組です。
あのう、坂上君って、友達とかいます?
- 多いほう
- あまりいない
- 早く話を進めてください
細田は、自分がデブだという自覚があるが、ダイエットをしてもどうしても食べたり、汗っかきですぐに喉が渇いてしまい、お茶よりもおいしいジュースを飲んでしまうため、どうしても痩せられないとのことで、小学生の頃から太っており、細田なのにデブと言われ続けていた。
風間と岩下の話を聞いていれば、シナリオ:トイレの恋開始!
細田が1年生の頃、友達がいなかった。
原因は、太っていたからで、クラスの皆は、外見で人のことを判断するような人ばかりだった。
細田が話しかけても、ニヤニヤと見下したような笑顔しか返してくれなかったで、細田はいつも一人でいた。
そんな細田のお気に入りの場所はトイレの個室だった。
学校はマンモス校で人が多いが、トイレだけは一人になれる場所だった。
細田は授業中でも平気で抜け出して、トイレに入ってボーっとしていた。
その日の放課後も、細田はトイレの中でボーっとしていた。
突然、短い女性の悲鳴が聞こえてきて、それに続いてドンっという何か大きなものが落ちる音が聞こえた。
声は隣の女子トイレの方から聞こえてきたようだった。
- 女子トイレに入ってみた
- 知らんふりをした
細田は薄情な人間ではなかったので、女子トイレの様子を伺ってみることにした。
女子トイレの中に入ると、トイレの個室の開いたドアから女の子の足が見え、同時に女の子のすすり泣く声が聞こえた。
どうやら女の子は、地べたに座り込んで泣いているようだ。
「大丈夫?」と細田が女の子に声を掛けると、ビクっと体を震わせて、目をまん丸くさせて細田のことを見ていた。
「あの、いきなり入ってきてごめんなさい。隣の男子トイレにいたら、悲鳴と鳴き声が聞こえてきたから心配になって」
地べたに座り込んでいた女の子のすぐ近くには、ちぎれたロープがあり、脱ぎ捨てられた上履きの横には白い封筒が落ちていた。
もしかしてこの子、自殺しようとしていたんじゃないか・・・
「私、死のうと思ったの」
突然、女の子がそんなことをしゃべった。
「どうして自殺しようと思ったの?」
細田の言葉を聞いた女の子は、泣くのをやめてぽつりぽつりと、その理由をしゃべり始めた。
要約すると、彼氏に振られたからというのがおおまかな理由でした。付き合っていた彼氏に好きな人ができて、別れを切り出されてしまったそうだ。
それで、生きることに絶望した女の子は死ぬことに決め、トイレのドア枠で首を吊ろうとしたが、ロープが切れ、結局未遂に終わってしまった。
細田は必死に女の子を慰めた。
「ありがとう、慰めてくれて、私は1年F組の室戸葵。あなたは?」
「僕は1年C組の細田友春って言います」
「そっか、結構近いクラスなんだね」
そう言って室戸はふっと笑った。
とりあえず、室戸は自殺を思いとどまってくれたようだ。
「細田君は命の恩人だね」
細田は女の子と話したことがほとんどなかったので、その時は相当ニヤケた間抜けな顔をしていただろう。
それ以来、細田は室戸と友達になり、廊下ですれ違う時に、声をかけてもらったり、あいさつをするようになった。
室戸とあって1週間が過ぎようとした頃、放課後、いつものように一人で帰ろうとしている細田に、室戸が声を掛けた。
「よかったら、いっしょに帰らない?」
思いがけない室戸の提案に戸惑う細田。
細田は女の子にそんなことを言われたことがなかったのだ。
「細田君は、私と一緒に帰るのは嫌かな?」
「嫌なわけあるもんですか」
「本当?じゃあ一緒に帰りましょ」
女の子と一緒に帰るなんて初めての細田は、緊張して何を話したか、あまり覚えていなかった。
そして、ある角に差し掛かった時、室戸が小さく声を上げた。
室戸が声を上げた方を見ると、鳴神学園の制服を着た一組のカップルが楽しそうに、道を歩いていた。
室戸の顔色が一気に曇ったのがわかった。
室戸は走り出すと、すぐ近くの路地に引っ込んでしまったので、細田は室戸を追いかけた。
察しの悪い細田でも、もしかしたらさっきのカップルの男は、室戸の彼氏だった人じゃないかと気づいた。
「こめんね、いきなり隠れたりして。さっき、前を歩いていた男の子、私の彼氏だったの。新しい彼女と歩いているのを見たら、何だかその場にいられなくて・・・私、このままじゃ学校にも行きたくないな」
細田は悲痛な面持ちで訴える室戸を見て、何とかしてあげたいと思った。
「何か自分に、協力できることはないかな?」
「ありがとう、細田君」
そして、室戸は細田にあることを頼んだ。
坂上君、彼女は僕に何を頼んだと思う?
- 彼氏を呼び出してほしい
- 彼女を呼び出してほしい
- わからない
違います。彼氏と顔を合わすのもつらいんですよ。
「あの人の彼女を、呼び出してほしいの。私じゃあの人を呼び出すことはできないから、お願い、細田君」
細田は室戸の頼みを聞くことにして、室戸の彼氏と今の彼女のことについていろいろと調査した。
室戸の彼氏だった人は、サッカー部で注目される2年生で次期キャプテン候補の西澤仁志だった。
西澤は、スポーツ特待生で、鳴神学園でも話題の有名人だった。
西澤は、とにかく女性にモテモテでいつも女の子が周りに集まっているのに、特定の彼女はいないみたいだった。要するに、本命の彼女である室戸のことは、みんなには内緒にしているみたいだった。
そして、今の西澤の彼女は1年生の姫乃愛良だったが、姫乃のことを同じクラスの人に聞いても、なんか答えをはぐらかされてしまい、今一つわからず、結局、名前以外、写真を見る限りとても美しいということだけしかわからなかった。
普通に姫乃を呼び出すのことが細田には無理そうだったので、姫乃の持ち物を拝借して、それを餌に呼び出すことにした。
女子が体育の時間を見計らい、細田は姫乃の机から高価そうな万年筆を拝借し、代わりに手紙を忍ばせた。
「あなたの落とし物を拾いました。返したいので、放課後、屋上まで来てください」
「放課後、この万年筆を取りに屋上に姫乃さんが来るから、そこで話をすればいいよ」
細田が万年筆を渡しながら室戸にそう言うと、室戸はにっこり笑って「ありがとう、細田君」と言ってくれた。
次の日、学校は大騒ぎになっていた。
駐車場には何台もパトカーがとまっているし、テレビ局の中継車もいた。どうやら誰かが屋上から飛び降りて死んだ、と騒ぎになっていた。
死んだのは姫乃だった。
「まさか室戸さんが?」と思った細田は室戸を問いただすことにした。
休み時間、室戸の教室に向かうと、細田に気づいた室戸は近づいてきた。
「ここじゃなくて、どこか人気のないところで話しましょ」
細田は、室戸に誘われるまま校舎裏にやってきた。
「あの、姫乃さんのことなんだけど」
口を開いた途端、室戸は細田の胸元に飛び込んできた。
瞳に涙を溜めながら嗚咽混じりに、室戸はあの時の事の顛末を語り始めた。
室戸が姫乃を呼び出したのは、西澤と別れてほしいと切り出すつもりだった。
ところが姫乃は、室戸の話を聞こうともせず、万年筆を返せと迫ってきた。
起こった姫乃から、髪の毛を引っ張られたり引っ掛かれたり暴力を受けて、もみ合っているうちに万年筆が屋上から落ちそうになり、それを取ろうと身を乗り出した姫乃は、そのまま落下した。
「細田君、どうしよう・・・私のせいだわ」
「いや、室戸さんのせいじゃないよ。僕が万年筆を持って行ったりしなければ」
「いいえ、細田君は悪くない。元はといえば渡した細田君に頼んだことよ」
「室戸さん、僕は絶対誰にも言わないよ。約束する。これは二人だけの秘密だよ」
細田の言葉を聞いた室戸は、安心したようにやさしい笑みを浮かべてくれた。
「二人だけの秘密、ありがとう、細田君」
姫乃の事件は、しばらくの間、学校を賑わせていたが、1か月もするば何事もなかったかのように、いつもの学園生活が戻ってきた。
なぜならば、あれは自殺として片づけられたわけなので。
姫乃は家庭に複雑な事情を抱えていたそうで、だから自殺したんだろうって。
でも、西澤だけは、話題が沈静化して行くに従って、だんだん塞ぎこむようになった。
そんな西澤を励ましていたのは室戸だった。
室戸が西澤といい雰囲気になっていくにつれ、ある噂が目立つようになっていった。
それは、死んだ姫乃を見た、という噂だった。
なんでも見た生徒の話だと、部活で遅くなった帰りに姫乃が飛び降りて死んだ場所で、彼女が佇んでいるのを目撃したとい言うのだ。しかも、彼女の表情はとてつもない怒りに満ちていたそうだ。
細田も見たし、目撃例は日に日に増えていき、校内は再び姫乃の話題でもちきりになった。
そんなある日、担任の先生に掃除当番を命じられた細田は、焼却炉にゴミを捨てるため校舎裏に向かった。
そこで、誰かの泣き声が聞こえてきたので、細田がのぞいてみると、それは室戸だった。
「室戸さん、どうしたの?具合でも悪いのかい?」
「西澤さんが、やっぱり、姫乃さんのことが気になるって・・・私とは付き合えないって・・・」
そう言って、室戸はわっと泣き出した。
姫乃の一件以来、室戸は親身になって西澤に尽くした。
西澤もそんな献身的な室戸の態度に、だんだんと室戸に接する態度が、かつて付き合っていたいたときのように戻っていった。
そして室戸は思い切って「私たち、やり直さない?」と西澤に言ったが、彼は首を横に振った。
「死んだ姫乃さんに申し訳ない、だからお前とは付き合えない」と。
「西澤さんの中には、まだあの女の影がいるのよ!」
そう言った室戸の顔を見たとき、室戸の瞳は爛々と輝き、はっきりと憎悪の炎が見てとれた。
細田は、そんな彼女の表情をとてもキレイだと思った。そう細田は室戸に恋をした。
坂上君、君ならどうしますか?
- 告白する
- 告白しない
告白するなら今しかないと、細田は一大決心で、室戸に言った。
「僕じゃだめかな?」
「ごめんさない、でも、私、細田君は、いい人だと思うわ」
細田は、室戸に言われたセリフを噛みしめながら、帰宅した。恋人にはなれなくても、友達ではいられるはずだ。それに秘密の約束がある。
室戸とのやり取りから数日後、細田は室戸を元気づけるために遊園地のチケットを用意した。
でも、その日の学校ではなぜか室戸の姿が見えず、結局チケットを渡せないまま下校となった。
彼女はどこに行ってしまったんだろう、と細田がそんなことを思いながら公園に差し掛かった時、見慣れた人影を見つけた。
何やら室戸と西澤が激しく言い争いをしているようだった。
細田は好奇心から、二人に気づかれないようそっと近づき、公園の茂みに隠れた。
どうやら、室戸は西澤に、また付き合ってほしい、とお願いしているようだった。
「何度言われても、もう俺は、お前の気持ちには答えられないんだ」
「姫乃さんは、もう死んだんだから。いつまでも過去の人影を引きずっていたらダメよ!」
「怖いんだよ。愛良が夢に出て切るんだ。あなたを一生離さないって、俺の耳元でささやくんだ。お前と一緒にいると特にそれがひどいんだ。きっと、あいつ、まだ成仏してないんだと思う。お前に俺も一緒にいると、愛良の霊に何をされるかわからないぞ」
「私は大丈夫。私が一番辛いのは、あなたに嫌われることだから。あなたに嫌われたら、私生きていけないもの。だから姫乃さんの霊なんて、怖くない。私があなたを守るわ」
「葵、お前、なんでそんなに俺にこだわるんだよ。俺以外にも、他に男はいっぱいいるんじゃないか。お前ならかわいいし、他にいくらだって」
「西澤さんじゃなきゃダメなの!それがわからないの?他の人でもよかったら、こんなに苦しい思いなんかしないよ」
その言葉に打たれたのか、西澤は室戸に向き直ると泣いている室戸の肩に優しく手を置いた。
「泣くなよ」とその手で、室戸の瞳の涙をぬぐった。
そのまま、二人は顔を寄せ合い、キスをした。
二人のキスを目撃して、動揺した細田は物音を立ててしまい、、室戸に気づかれてしまった。
「誰?」
「あの、その、ごめんさない」
「細田君」
細田はどうしていいかわからず、そのまま走り出してしまった。
「おい、あいつ、葵の知り合いじゃないのか?追わなくていいのか?」
「あんなデブ、どうでもいいわ」
背中越しに刺さった言葉の重みで、細田は少し走ったところで、膝をついてしまった。
いい人いいっていうのは、良いとは違う、どうでもいい人って意味だったのだ。
そんなとき、細田の脳裏にあることが思い出された。それは秘密の約束だった。
姫乃の一件は、室戸が嘘をついているかもしれないということだ。
細田は、その足でそのまま警察に行き、あの日の出来事のすべてを話した。
次の日、細田は警察の事情聴取で呼び出された。
細田は、何か罪に問われるのではないかと心配したが、何も罰せられなかった。
ただ室戸に関しては詳しくいろいろ聞かれたことと、、姫乃の遺体には自殺にしては不可解な点がいくつもあったことから、警察は殺人事件として追っていた、ということを教えてもらった。
運命の日がやってきのは翌日の放課後だった。
「来ないで!」
顔を上げてみると、屋上の柵から身を乗り出した室戸の声だった。
その近くには、刑事らしい中年の男性が2人、焦った様子で室戸を必死に説得していた。
おそらく昨日の話を聞いた警察が、今日になって室戸に事情聴取をしに来たのだろう。
「なんで皆、私と西澤さんの邪魔をするの!」
大勢の野次馬が周りに集まってくる。
「葵、お前何やっているんだ!」
気づくと、細田の隣で西澤が焦った表情で、室戸に声を掛けていた。
「西澤さん、きゃあ!」
「葵!!」
突然、室戸が足を踏み外して地面に落ちかけた。かろうじて腕1本で床を持ち、体を支えている状態だ。
屋上に待機していた刑事たちは、急いで室戸の元に駆け寄り、引き上げるために柵を乗り越えようとしていた。
その時、細田は見てしまった。
屋上の柵を越えたわずかな縁の部分から、凄まじい形相で室戸をにらんでいる姫乃の姿を・・・
「いやあ!」
悲鳴を上げた室戸の表情から察するに、彼女にも姫乃の霊が見えていたのだろう。
「愛良・・・」
西澤からもそんなつぶやきが聞こえてきた。少なくとも、室戸、西澤、細田には、姫乃の姿がはっきりと見えていた。
「来ないで!悪いのはあんたよ。あんたが全部悪いんでしょうが!」
室戸は姫乃から逃げようと必死になっていたが、姫乃の霊は彼女が支えている腕に嚙みついた。
室戸の悲鳴が聞こえ、ゆっくりと彼女の体は宙に舞うと、次の瞬間地面に叩きつけられた鈍い音がした。そして、地面には室戸を中心に血だまりが広がっていった。
室戸が死んだことによって、事件の真相は永遠に闇に包まれていしまった。
でも、細田には何となく、室戸が姫乃を突き落とし、命を奪われた姫乃が彼女に復讐したということが、わかった。
姫乃と室戸、付き合っていた2人を亡くした西澤はひどく憔悴していた。
事件の成り行きをいった彼の周りの外野たちは、彼女たちの気持ちを弄んで2人と付き合った西澤を攻めた。
あの事件から1週間ほど経ったある日、細田は西澤から声を掛けられた。
「聞きたいことがあるだけだ。ちょっと、こっちに来い」
細田は校舎裏に連れていかれた。
「お前、あの事件のこと、何か知っているんだろう?全部話してくれよ」
西澤は事件について何も知らないようでした。ただ短期間の間で、彼女だった2人が屋上から飛び降りて死んだのだ。
「僕は何も知りません。室戸さんとは知り合いなだけで、今回の事件にかんしては僕は何もしらないんです」
西澤はその場でうなだれた。
「夢で2人が出てくるんだ。俺の枕元に立って何か言いたそうな顔で、俺のことをずっと見てるんだよ。それが毎晩続くんだ。俺はもう気が狂いそうだ。あいつら、俺に一体、何をしてほしいんだ」
「西澤さん、現場に行ってみたらどうです?彼女たちが死んだ現場に行って、彼女たちの霊に直接聞いてみたらいいと思います」
「あの場所に愛良と葵はまだいるのか?お前には、それが見えるのか?」
「ええ、僕には霊感があるんですよ。彼女たちは、飛び降りた地面に根を張るように、ずっと佇んているです。そして、一日でも早く成仏できるのを待っているんですよ。多分、彼女たちを成仏させられのは西澤さんしかいないと思います」
「そうか、俺はどうしたらいいんだ?」
本当を言うと、細田には2人の霊は見えなかったが、妙な予感がした。きっと彼が行けば2人は出てきてくれるんじゃないかって。
その日の夜、細田と西澤は校門で待ち合わせをして、あの場所へと向かった。
「何もおきないじゃないか」
「一度呼んだくらじゃ何も起きませんよ。でも西澤さんが心を込めて呼びかければ、きっと出てきてくれると思います」
「あ、愛良、葵・・・」
すると、西澤の言葉に呼応するように、姫乃と室戸の姿で青白いシルエットが浮かび上がった。
「教えてくれ、お前たちは俺にどうしてほしいんだよ?」
「私たちのどちらか一人を選んで。どっちがあなたの彼女か。そして口づけしてほしいの。そうしたら、成仏できる」
西澤はおびえながらも、彼女たちに近づき、2人の顔を交互に見た。
西澤は、覚悟を決めたのか、室戸の方に歩み寄った。
その時、姫乃がいきなり目を見開いて、ものすごい形相で西澤をにらんだ。
西澤が思い直したのか、姫乃へ顔を近づけた。
でも、今度は、室戸がものすごい形相で西澤のことを見つめた。
どちらかにキスしようとすると、また一方か呪い殺さんばかりの表情で、西澤のことをにらんできりがない。
業を煮やしたのか、姫乃と室戸の霊は、それぞれ反対方向から西澤の腕をぐいぐいと引っ張った。
「助け・・・」
西澤は苦痛に顔をゆがめながら、細田に助けを求めたが、どうすることもできない。
彼女たちは、西澤の腕を力任せにぐんぐんと引っ張る。
ボキっと鈍く嫌な音が聞こえてきた。
引っ張りすぎて腕の関節が外れたのだ。
「痛いよ、やめてくれ!」
いつしか腕から血が吹き出し、みしみしと肉がちぎれる音が聞こえます。
まるで、戦国時代の拷問の牛裂きの形のようだ。両手両足を荒縄で牛に括り付け、それぞれ別の方向に思いっきり後ろ走らせるという。
「あがぎゃあああ!!!」
彼の悲痛な叫びとともに、両腕は夥しい血を噴き出しながらもげてしまった。両腕をもがれた西澤は血に塗れ、体をぴくぴくと痙攣させていた。
室戸と姫乃の霊は、そんな西澤を見ながら悲しそうな顔をして、ふっと消えてしまった。
校庭には腕をもがれて西澤と、ちぎれた両腕だけが残った。
西澤は死んでおらず、苦しそうに涙とよだれを垂らしながら、のたうちまわっていた。
「助けを呼んできてくれ、細田」
細田は、その場にしゃがんで、じーっと西澤を見ていた。
女の子にモテても、決して幸せじゃないんだ。だから、やっぱり一人でいるのが正しいんだ。そうやって細田は自分に言い聞かせた。
みじめにのたうちまわる西澤を見ることで、細田は初めて優位に立てた気がした。
「どうして?早く助けてくれよ」
「きゃー、怖い、助けて」
これだけ観察すればもう十分だと納得した細田は、大声で叫んで逃げ出した。
逃げながら細田は、こぼれ出る笑いを隠せなかった。
西澤さんが、あの後一人で立ち上がって助けを呼びに行き、助かった。
何とか一命は取り留めたが、話は支離滅裂。自殺した女の子に両腕を奪われた。自分のことを取り合いになって、腕を引っ張ったらそのままちぎれてしまった。でも彼女たちは成仏できた。
ねえ、誰も信じる?そんな面白い話。
これで僕の話は終わりだよ。
「ありがとうございました」
坂上は姫乃と室戸の霊はその後どうなったんだろう、と考えながらふと視線をドアに向けたとき、ドアの隙間、ほんの数センチ開いた隙間から、青白い顔をした女の顔がこちらをじっと見つけていた。そして、目が合うと、その顔はしゅっとドアの奥に引っ込んでしまった。
「見たんだね」
細田がにやけた顔を坂上を見る。
「あれはね、室戸さんの霊だよ。あの事件の後から気づくと、いつもどこでもどんな場所でも、ありとあらゆる隙間から彼女が僕のことを見ているんだ。もしかしたら、僕が秘密をしゃべったことを怒っているのかもしれない。そして、西澤さんがあんな目に遭うように仕向けたこと。でも、僕は幸せなんだ。だって西澤さんじゃなくて、ずっと僕だけのことを見てくれているんだものね。僕さ、モテないからさ。この際、相手が生きていようが死んでいようが関係ないの。たとえ悪霊だっていいじゃない?うふ、うふふ」
エンディング№270:トイレの恋
エンディングリスト28/656 達成度4%
キャラクター数37/112 達成度33%
イラスト数 18/272 達成度6%

今日のゼノブレイドクロス ディフィニティブエディションはどうかな?
ハンガー、隔離格納庫前を発見!
インフォメーション:NLAのトレジャー情報、ヘリの修理の知識をゲット。
インフォメーション:夜光の森のトレジャー情報をゲット。
原初の荒野へ。
ネイサンとモニカが、行方不明になったコナーを探しに行くか、NLAに応援に呼ぶかで、もめている。
すぐに探しに行くと答えると、ネイサンから、シークル岩の丘に行ってコナーを探してきてほしい、と言われて、ノーマルクエスト:行方不明のコナー開始!
プレイアワード:ワールド
人間関係通
遠心光棒発生装置、伸縮バッタをゲット。
ビーグルの残骸から、経験値50、報酬金6000、採掘プローブG1をゲット。
セグメントトピック解決。
第114FNスポットを発見!
データプローブを設置して、採掘プローブG1に変更する。(ノーマルクエスト:開拓の手引き)
セグメントトピック解決。
ルーフロックを発見!
メテオイーターをゲット。
ドールの残骸から、経験値20、報酬金2000をゲット。
ルーフロックBCを発見!
インフォメーション:原初の荒野で、トレジャー情報をゲット。
シークル岩の丘を発見!
異星文明の残骸から、経験値100、報酬金5000、4BP、カウンターHPⅤをゲット!
セグメントトピック解決。
原初の荒野の調査率5%で、エネルギーストレージをゲット。
トラクタビートル、イッセンテントウムシをゲット。
ドールの残骸から、経験値20、報酬金2000をゲット。
コナーを発見。
ネイサンに無事の連絡を入れるため、コナーの通信端末を探すことになった。
サスライアリをゲット。
サイラム湖の北東平原を発見!
第112区FNスポットを発見!
データプローブを設置して、採掘プロ-ブG1に変更する。(ノーマルクエスト:開拓の手引き)
セグメントトピック解決。
Lv36の視覚感知のルプスの目をかいくぐり、コナーの通信端末をゲット。
サイラム湖を発見!
アミドレシアトマトをゲット。
コナーの元に戻り、コナーの通信端末を届けて、クエストクリア。
インナー経験値110、報奨金5000、安売りTトップ迷彩青をゲット!
セグメントトピック解決。
今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井を選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢を選択→シナリオ:彼と彼女の秘密→福沢エンディング№23~28
1人目:岩下エンディング№02:二人だけの世界
→2人目:新堂エンディング№03:六本の右足
→3人目:風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
→4人目:細田エンディング№01:イラつく奴
→5人目:荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
→6人目:福沢エンディング№23:彼女は悪魔だった
→7人目のシナリオ包帯の女→特殊七話目№38・39を見る
3週目開始!
1人目は新堂誠を選択→シナリオ:痛みを感じない男→新堂エンディング№11~15
2人目は荒井昭二を選択→シナリオ:呪いのヒトガタ→荒井エンディング№14・15
3人目は風間望を選択→シナリオ:呪いのコッペパン→風間エンディング№4・5
4人目は福沢玲子を選択→シナリオ:追いかけてヒトシくん→福沢エンディング№12・14・15、13→最終話エンディング№2:追いかけて修一君
5人目は岩下明美を選択!
岩下明美は3年A組の生徒。
「坂上君は、人に裏切られたことあるの?」
- あります
- ありません
- 答えたくないです
逆にあなたは、今までに人を裏切ったことがあったと思うのかしら?」
- あります→シナリオ:偽りの愛
- ありません→シナリオ:命の値段
- 答えたくないです
秘密主義者なのか、それとも心に何か深い傷を負っているのかしら。良ければ教えてもらえないかしら?」
- 秘密主義
- 過去、心に深い傷を負った
- 答えたくないです
シナリオ:ポプリ
鳴神学園に女の子が転校してきた。
彼女の名前は高瀬美香。
転校生は自然とクラスになじんでいくものだが、高瀬はいつまで経ってもクラスの中で特別な存在だった。
例えるなら、まるでアヒルの群れに白鳥が混じっているような、そんな感じだった。
高瀬は美しかったが、際立って美人だったというわけではなかった。
それでも、みんなは一目置いていた。
落ち着いた物腰と思慮深さを感じさせる発言。そして何よりも、彼女からはいつもとてもよい香りがしていた。
香りといっても、ブランド物の香水のように主張が激しいものではなく、彼女の動きに合わせて、ほんのりと空気に混じるような、そんな控えめな香りだった。
高瀬とすれ違う時、ふわりと風に乗ったその香りにときめいて、思わず振り返ってしまう男子も多かった。
だから、高瀬の香りの秘密の聞きたがる女の子は、後を絶えなかった。
でも、高瀬は誰にもでも打ち明けてくれた。
ポケットから可愛らしい小袋を取り出して、匂いの元はこれよって。
その袋の中には、ポプリが入っていた。
ポプリというのは、香りのいい花やハーブ、スパイスなどを乾燥させたものだ。
数種類のドライフラワーを作り、それに何種類か混ぜ合わせてから精油を加え、なじませてから、サシェという小さな袋に詰めて、バッグの中に入れて持ち歩いたり、タンスに忍ばせたりして、香りを楽しむものだ。
女の子たちから、「このポプリ私も欲しい」と言われた高瀬は、自分で作っている、と答えた。
作り方を教えてほしい、と言われた高瀬は、「特殊な作り方をしているから、みんなにはちょっと難しいと思うわ」と答えて、ポプリを分けてくれた。
あっという間にクラス中の女の子たちの間に、高瀬のポプリが広まった。
そして、ポプリが入っていた可愛らしいサシェも、高瀬の手作りだった。
「みんながその時点で満足していたら、何も問題は起こらなかったわ。
でも、中にはいるのよね、秘密といわれると、どうしても知りたくなる人。
坂上君、あなたもそんな人たちの一人なのではなくて?」
- そうかもしれない
- そんなことはない
でも、西洋のことわざに、好奇心はネコを殺す、というものがあるのよ。
あまりになんにでも首を突っ込もうとすると、酷い目に遭うという意味よ。うふふふ」
高瀬のクラスに弘前歩美という子がいた。
彼女も、高瀬からポプリをもらっていたが、彼女は、他人が少しでも自分より勝っているのが気に食わないという性格だった。
自分も高瀬以上にいい香りのポプリを作って、みんなを羨ましがらせないと考えた。
弘前は、高瀬からもらったサシュの袋をばらして、中身を見た。中にはたくさんの種類のドライフラワーや、乾燥させたスパイスが入っていた。
それを一つ一つ調べて、同じようなものを用意した。
でも、同じように素材を用意しても、まったく同じものを作ることは難しかった。アロマオイルは香料を混ぜて、オリジナリティを出していたからだ。
弘前は、必死にポプリの匂いをかいで、どんな香料が使われているのか、突き止めようとした。
でも、どんなに同じように作っても、オリジナルには、到底及ばない出来だった。
弘前は悔しい気持ちを必死に隠して、高瀬に作り方ノレシピを教えてほしい、と頼み込んだが、高瀬は決して教えてくれなかった。
高瀬は作り方を独り占めして、自分だけ人気者でいたいに違いない、と弘前は、次第にそんな風に思いつめるようになっていった。
そんなある日、なんとしてもポプリの秘密を知りたかった弘前は、こっそりと高瀬の後をつけようと考えた。
もしかしたら材料を仕入れているお店に立ち寄るかもしれないし、家の窓をのぞいたら材料が見られるかもしれない。
高瀬が学校を後にすると、弘前が後を付けていることに気づかず確かな足取りで歩いて行った。
高瀬は、住宅街を抜け、田畑はあぜ道ばかりが目立つ景色も通り越し、夜の闇が空を覆い始めるころに薄暗い森の入り口に差し掛かった。
木々はうっそうと茂り、先はまったく見えない。
「ねぇ、彼女はどうしたと思う?」
- 後をつける
- 引き返す
鬱蒼とした森の中は、すっかり宵闇に包まれていた。
高瀬は鞄の中から懐中電灯を取り出した。
弘前は、高瀬が懐中電灯を持っていることに驚きつつ、懐中電灯の明かりを見失わないように後をつけ続けた。
しばらく歩いていると、木々が開けて、月の明かりの中に一件の小さな家が浮かび上がった。それは丸太を組んで作られた山小屋のような小さな建物だった。
高瀬は、手慣れた手付きで玄関のドアを開けると中に消えていった。
しばらくして窓に明かりが灯ったことを確認すると、弘前は自分もその小屋に近づいた。
お伽噺に出てくる魔女のおばあさんが住んでそうな、無骨で陰気な木の小屋。
弘前が忍び足で窓辺に歩み寄り、中を覗こうとしたその時、突然家のドアが開いたので、弘前は手近な茂みに姿を隠した。
家から出てきた人物は、弘前の存在に気づく素振りも見せず家の裏手へと歩いていった。
家から出てきた人物は、頭からすっぽりと黒いローブを被っていた。
裾からのぞくスカートは鳴神の制服だったので、きっと高瀬だろう、と弘前は思った。
そして、少し離れた木々の間から、その人物の挙動を探ることにした。
黒いローブの人物は、家の裏手にある物置ほどの大きさの小屋に入ったかと思うと、黒い何かを掴んですぐに出てきた。
バタバタを大きな音をたてて暴れ、のどから絞り出すような声を上げていたのは1羽の雄鶏だった。
そして人物はしゃがむと、躊躇うことなく雄鶏の首を両手でつかみ、その場でくびり殺した。
弘前は喉元まで出かけた悲鳴を必死に押し殺した。
初めて命が奪われる瞬間を目にした弘前は、恐怖のあまり、歯の根が合わなくなるくらいに動揺して、両の目からは涙がぽろぽろとあふれてきた。
(こんなに怖い思いをするぐらいなら、もう帰ったほうがいいかもしれない)
「今なら、まだ引き返すことができる」
- 帰る
- 帰らない
数日後、テレビのニュースで、女子高生の他殺体が発見されたことが報じられた。場所は、弘前が隠れていた森の茂みの中だった。
被害者は鳴神学園の制服を着ており、遺体には執拗な暴行が加えられていて、両親も一目見て、それが自分たちの娘だとはわからない有様だった。
弘前は、一歩間違えたら自分も同じ目に遭っていたかもしれないと思い、震えが止まらかなった。
そして、それと時を同じくして高瀬が学校に来なくなった。行方不明になったのだ。
「高瀬さんも、殺された女子高生のような目に遭ったんだと思う?それとも、彼女自身が?
いえ、憶測で人を疑うのは良くないわね。行き過ぎた好奇心で身を滅ぼさないように気を付けるのよ、うふふふ」
岩下エンディング№13:好奇心は猫を殺す
CGギャラリー 33/124
今日のFINAL FANTASY XI ヴァナ・ディールコレクション4はどうかな?
ゴブリンの不思議箱で、スペシャルダイヤルを使って、御神木をゲット。
西アドゥリンにあるパイオニア・ワークスにいるレヴィルに話しかけて、ミッション:その瞳の輝きゆえに開始!
初代王の遺剣は、アシェラが持っているユグナスから贈られた剣で、リフキン族の信頼を得るには、ぜひその剣が必要だ、とレヴィルに伝えると、アシェラは城にいる、と教えてくれて、ミッションクリア。
モグガーデンへ。
畑(ランク7)で、謎の香草の種+水のクリスタル→炎のクリスタル、風のクリスタル、土のクリスタル、雷のクリスタル、闇のクリスタル、水の塊、キングトリュフ、デスボール、ブラックペッパー、ホーリーバジル、ハバネロ、水のフュエルをゲット。
木立(ランク7)で、水のクリスタル、チョイ、ペルシコス、胡桃、ウォルナット原木、マホガニー原木、エボニー原木、ドックウッド原木、マージョラム、マッシュローカスト、森の挿木をゲット。
森の挿木を使って、炎のクリスタル、風のクリスタル、土のクリスタル、闇のクリスタル、パママ、ドラゴンフルーツ、ウルプカパームの実、ウォルナット原木、ホワイトオーク原木、マホガニー原木、御神木、ドックウッド原木、虫の翅、ウルンダイ原木をゲット。
鉱脈(ランク7)で、土のクリスタル、隕石、黒鉄鉱、クロマ鉄鉱、白金鉱、海亀の甲羅、陸ガニの甲殻、大サソリの甲殻、魚の骨、愚金鉱をゲット。
池(ランク7)で、堀ブナ、ゴールドカープ、オオナマズ、ザリガニ、三日月魚、ヨルシアナイフ、錆びたバケツをゲット!
海(ランク7)で、グリモナイト、ベッフェルマリーン、ググリュートゥーナ、バーナクル、ワカメをゲット。
漂着物から、ポーション、アンブリルオイル、メロンパイ、トマトジュース、ダルメルシチュー、アンブロシア、パンプキンパイをゲット。
飼育場(ランク7)へ。
エラスモス☆3から、オロポンの肉をゲット。
餌に野兎の肉を与える。
青ワイバーン☆3から、モルボルのつる、サンダーメロン、カザムパインをゲット。
餌にモコ草を与えて、つついてお世話する。
コリガン☆2から、バルクルム太陽砂、黒土をゲット。
チビサボテンダーにバードックを与えると、体を激しくもぞもぞさせて、サボテンダー☆1に進化する!
今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井を選択!
荒井昭二は2年B組の生徒。
「よくある七不思議の話をしても面白くないでしょう?そうは思いませんか?」
- よくある七不思議で結構です
- そうですね
- 友達の話はどうですか?
「そうだ、人間の探求心について話をするというのはいかがですか。僕はね、享年の夏休みに面白い体験をしたのですよ。
普通の日常を過ごしているだけでは、なかなか体験できない経験なのですが、あなたは、そういう体験は貴重だと思いますか」
- どんな体験かにもよります→エンディング№74:異味喰様
- 何でも体験するべきですよね
- 貴重といえば海外旅行ですか?
「その通りです。何事も体験してみなければわからないものです。
しかし、やってみなければわからないからこそ、貴重な体験というのはあるのですよ。
突然ですが、あなた、アルバイトをしたことはありますか?うちの学校で禁止されているのは重々承知ですよ。
でもね、そんな規則を破ってまでしたいことってあるでしょう?
例えばアルバイトを禁止されていても、何故するのでしょう?
小遣いが少なくて自分の欲しいものが買えないからではなく、家計を助けるためにやむなくする場合もあるでしょう。
知人が病気や事故に遭い、その手伝いをしなければならなくなった、そんな理由もあるでしょう。
罰せられるとわかっていて、校則を破る行為をあなたは愚かだと思いますか?
僕は愚かな人間ですから、勝てないんですよ、興味という欲望にね。
思えば、恥の多い生涯を送ってきました。ところでね、坂上君なら、校則を破ってもいいと思いますか?」
- 絶対に駄目→エンディング№74:異味喰様
- 破るのも人生です
- 恥の多い生涯と送るって、もしかして、それは?
「そう言ってもらえると僕も話しがいがありますよ。
それでは、ほんの小さな欲望をさえ抑えることができなかった愚かな僕が体験した話を聞いてください」
去年、新井が1年生だった夏休みに、当時のクラスメイトだった中村晃久から悩み事を相談された。
「僕は今とても困っているんだ。実はね、親戚が青森で牧場を経営しているんだけど、人手が足りないから手伝いにこないかと誘われているんだ。でも、学校はアルバイトが禁止されているだろ?だから困っているんだよ」
「アルバイトは禁止されていますが、手伝いは禁止されていないでしょう?それに親戚ならなおさらでしょう?親戚の家に遊びに行って、家業の手伝いをしたらお小遣いを貰えたということはよくあるんじゃないですか?」
「確かに荒井君のいう通りだよね。普通なら、そう簡単に考えれば何も悩む必要はないよね」
「何か行きたくない理由でもあるのですか?」
「ちょっと一人では行きにくいっていうか、場所が場所だけに特殊な環境だからさ。そうだ、荒井君、一緒に行こうよ。1日5千円は出すって言ってたよ。宿泊費や食費は掛からないんだ。三食ついて1か月間のアルバイトだから、かなり稼げると思うよ。みんなに聞こえちゃったかな。まあ、考えといてよ。返事は今度でいいから、じゃあ」
「坂上君なら、このアルバイトをしたいと思いますか?」
- やりたい
- やりたくない
- 他のバイトを探す
「なるほど、あなたは僕と同じ選択をするのですね。僕も他のバイトを探すことにしたんですよ」→シナリオ:いみぐい村開始!
荒井は夏休みのほとんどまるまるをアルバイトに費やすのは、あまりにも分の悪い賭けだと感じたので、後日、中村の申し出を断った。
中村の申し出を断ったものの、荒井の中ではアルバイトを体験してみたいという気持ちが強く残っていた。
校則で禁止されている行為を通じて、何か非日常的で好奇心で満たされる体験をしてみたいと、思ったからだ。
手始めに、アルバイトの求人雑誌を見てみることにしたが、ページをめくれどありきたりな仕事なかりで、まったくそそられるものがない。
バイト募集のチラシは掲示板にも目を通すうようにしたが、やはりこれといって興味の惹かれる奇特なものはなかった。
よくよく考えてみれば、非日常を得られる変わった仕事が、すぐに目につくような場所で募集しているわけがなかった。
中村の誘いを無碍にしたことを少し後悔し始めていた時、クラスメイトの袖山勝が休み時間に話しかけてきた。
袖山は、当時荒井と同じサッカー部で仲良くしていた。
「荒井君、アルバイト探しているの?」
「どこで聞いたの?」
「中村君がクラス中に牧場でもアルバイトを誘いまわっていてね。そのとき荒井君が彼の申し出を断ったことを聞いたんだ。『荒井君はもっと割のいいバイトがいいに違いない』って中村君は言ってたよ。もしかしたら彼の言う通り、良い働き口を探しているのかと思ってね」
「別にお金の所為で中村君の話を断ったわけじゃないよ。ただ僕はもっと自分がやりたいことをしたいだけなんだ」
「うん、荒井君はそういう人だと思っていたよ。だから君が気に入りそうなとっておきの話を持ってきたんだ。
今度、僕の遠い親戚の住むいみぐい村というところでお祭りがあるんだ。その手伝いを募集しているらしいだけど、興味ないかな。祭り自体は2日間で、準備を入れて3日間手伝ってほしいんだって」
祭りと聞いた荒井は、よくある縁日のイメージが浮かんだが、『とっておき』というほどのものではないように感じた。
荒井の顔から落胆を読み取った袖山は、「祭りと言っても夏祭りにような露店が出るにぎやかなものじゃないよ。どちらかというと、民族的はものさ。昔ながらの儀式をして神様を祀る、厳かな祭りだって」と続けた。
「なんでも50年前に途絶えていたものを村おこしのために復活させるらしい。村には人も少ないし、その次はいつ祭りを開催できるかわからないんだってさ」
「つまりその祭りを見るのは、今年が最後のチャンスからもしれないってことかい?」
「そうなるね。どんな手伝いをするか、詳しいことは行ってみないとわからないんだけど、もちろん報酬も出るらしいよ」
半世紀も途絶えていた祭りをこの目で無ることができるなんて、非常に価値のあることだと荒井は感じた。
この機会を逃すと、もう一生こんな体験をできないかもしれない。アルバイトは校則で禁止されていることは、どうでもよくなっていた。
仮に校則を破って咎められようとも、祭りを見るついでに少し手伝いを頼まれただけ、と主張すればいいだけだ。
「どうだい?」
「もちろんぜひとも行きたいけれど、僕のような部外者が手伝っても大丈夫なの?」
「問題ないよ。さっきも言った通り、村おこしのための祭りだからね。いろんな人に知ってほしいし、人手も少ないから友達を呼んでくれないかと親戚から言われたんだ」
荒井は、袖山から詳しい日時と村の場所を聞きながら、何十年も前に繰り広げられていたのであろう素朴で厳格な祭礼の儀を頭に思い浮かべていた。
夏休みに入り、約束の日になった。両親には友人と旅行に行くと伝えて、二泊三日分の荷物をバッグに詰め、荒井は袖山と駅で待ち合わせをして電車に乗り込んだ。
袖山から聞いたいみぐい村という名前と村の場所から、事前に祭りのことを調べようと、何度も図書館に足を運んだが、荒井が欲しい情報はまったく出てこなかった。
「一緒に来てくれてありがとう。実は親戚といってもほとんど会ったことのない人だから、一人で行くのは心細かったんだ」
荒井と袖山は、他愛のない話をしながら目的地へ向かっていた。
数時間電車に乗ったあと、荒井たちはひっそりと佇む無人駅に降りた。その駅で降車したのは荒井たちしかしなかった。
荒井たちは、駅の近くから出る小さなバスに急いで乗った。目的の場所まで向かうバスは日に2本しかないので、これを逃すと大変なことになる。
バスには乗客は乗っていませんでした。
バスの運転手が物珍し気に見て、少し微笑んだ。「
「お客さんたち、どこまで行くの?」
「いみぐい村まで。祭りの手伝いに行くんです」
「あそこはいいとこだよ、けどお祭りなんであったかなあ」
久しく執り行われていなかった祭りですから、知られていなくても不思議ではない。
バスが進む間、人はおろか他の車とも一切すれ違いません。
目的のバス停まで30分ほどバスは山道を進み、いよいよいみぐい村にたどり着いたときは、日は西側に傾きかけていた。
バス停では、袖山君の親戚夫婦が出迎えてくれていた。
袖山「お久しぶりです。わざわざ迎えに来ていただいてありがとうございます」
おじ「遠いところからよく来たね」
おば「久しぶりねえ、勝君。前にあったときはうんと小さかったものね。あなたはお友達の荒井君かしら?」
荒井「初めまして、荒井昭二と申します。3日間よろしくお願いいたします」
年齢は初老に入りかけた頃だろうか。二人とも柔和で優しそうな人でした。
バス停の周りには一面の畑が広がっており、まるで毛並みの良い緑の絨毯が敷き詰められているように立派な野菜が育っていた。
背の高い建物なんて一つもなく、見上げた先にあるのは遠くまでつらなく山々と高い青空だけで、とても美しいものだった。
バス停からしばらく歩いた先、トマトが多く実る畑に囲まれた二人の家があった。
昔ながらの木造建築で、鍵を使わずそのまま玄関の扉か開いていたので、荒井たちは驚いた。
この村には家に鍵をかける習慣がないようだった。盗られるものは何もないし、盗みを働くような悪人は村にいないからという理由だそうだ。
2階に客用の部屋があるから自由に使ってね、と夫妻は行ってくれたので、荒井たちは荷物を置いて、夫妻の待つ1階へ降りた。
「来てもらってすぐで悪いんだが、さっそく祭りの手伝いをしてもらってもいいかな?」と、色の濃いお茶を出しながらおじさんは申し訳なさそうに言いました。
村で採れる葉を煮出して作ったものらしく、一口飲むとすっきりとした味わいが広がった。
この近くにある村の寄り合い場で準備は行われいるとのことで、親戚夫婦は村の紹介がてらに連れて行ってくれた。
寄り合い場はいみぐい村自治会館と書かれた札が掛けられた場所で、他の家より少し大きいくらいの民家だった。
玄関の靴箱はすでにいっぱいになっており、荒井たちはそこへ靴をそろえて入れた。
中に入ると、大きな広間になっており、何やら作業をしている20人ほどの老人たちが、一斉に振り返って荒井たちを見たが、若者は一人はいなかった。
「おやあ、君らが手伝いに来てくれた子たちか?ありがとうねえ」と一人のおじいさんが微笑みながらそう言った。
彼らは口々に労いの言葉を言い、笑いかけてくれた。
曰く、都会から離れたこの村では過疎化が進み、若い人のほとんどは村から出て行ってしまっているようです。
手伝いの内容は、銅で作られた小さな鈴に、編み込まれた紐を通りて吊り下げるというものです。
鈴は親指大の小さなものでしたが、祭りで使うものだと聞くと、なんとなしに神秘的なものであるかのように見えた。
鈴に通す紐の編み込み方は、周りの老人方に教えてもらった。数世紀前から村に伝わる独特な編み方だそうだが、近年になるにつれだんだんと簡略化されて、荒井たちでもできるものだった。
その鈴を何百個ほどこしらえていくのです。量を思うと気の遠くなる作業だった。
よく見ると、広間には鈴を作る班とは別に、何やらお面を作る班もいるようだった。
お面班の方を盗み見ると、老人たちは木彫りの四角い面に絵の具と筆で青い化粧を施しているところだった。
「すみません、この鈴とあのお面は、いったい祭りにどうやって使うのですか?」と荒井は近くで作業しているおばあさんに尋ねた。
「これかい?これはね、神様をお呼びするための鈴なのよ。お面は、神様を安心させてあげるためのものだね」
「それは、この村の神様ということでしょうか?」
「そうそう、この村の名前の由来にもなったいみぐい様を呼ぶためのものでねえ。久しぶりのお祭りだから、失礼のないようにしなくちゃね」
それを聞いた荒井は、木彫りのお面を被りながら鈴を一心不乱に鳴らす村人たちの姿を想像した。
あなたはどう感じますか?
都会と比べて不便なところはありますが、住民がみな家族同然のように仲が良くて、温かみがある村を。
閉塞的と言えるかもしれませんが、裏を返せば一つ一つの繋がりが密ということなのです。
坂上君は、今までの話を聞いてこの村をどう思いましたか?
- 良い村だと思う→エンディング№74:異味喰様
- あまり行きたいとは思わない
おや、そうですか。坂上君は、あまりそそられないのですね。
ですが、僕はあそこで貴重な体験ができましたから、やはり行って良かったと思っていますよ。
荒井はさっきのおばあさんに再び質問をした。
「いみぐい様とはどんな神様なのですか?どんな姿をしているのでしょうか」
「そりゃあもう、口では表せないほどの美しさだよ。
あんたらもいみぐい様のお姿を見たらそう思うに違いないよ。私も最後に見たのは50年前だからねえ、楽しみで楽しみで仕方ないよ」
周りの老人たちも彼女に続いて頷き始めました。
「一度見たら忘れられない美しさじゃ」
「もう一度お姿を拝見できるなら、もう死んでも後悔はない」
「ありがたや、ありがたや」と、ついに泣き出す老人もいるほどだった。
荒井たちが困惑していると、次第にぎり、ぎりぎり・・・という何かを擦るような音が聞こえてきた。
それは歯ぎしりの音だった。周りにいる老人たちがみな、歯を食いしばり、すり合わせているのだった。
その時、広間の壁にかけられた古時計がぽーん、ぽーんと17時を告げた。
その音に、村人たちは我に返ったようで、ハッと顔を上げ、「もうこんな時間かぁ」と誰かが言い、元の通り、穏やかな空気があたりを包んだ。
その後、荒井たちは作り上げた鈴とお面を祭り会場までもっていくことになった。
寄り合い場からでたときはすでに夕暮れ時になっていた。
みんなで袖山のおじが運転するトラックの荷台に、鈴とお面を入れた段ボールを詰め込んだ。
すべての段ボールを運び終わり、トラックが出発するときには、もう夕日が沈みそうな頃合いだった。
荒井、袖山、おじの3人一緒にトラックに乗り込み、祭り会場へと向かった。
おばは夕食の支度があるので家に戻った。
祭り会場は、寄り合い場から車で10分ほどの距離にあった。
そこでままた数十人ほどの老人たちが、テントや小さな舞台の設営など、明日に向けて準備を行っている最中だった。
「村長、こっちの道具の準備は終わりました。設営は順調ですか?」
「おう、会場の方はなんとかなるだろう、ただいくらこっちの首尾がうまくいっても『あちら』がな」
おじに促されて、村長と呼ばれた老人に挨拶すると、村長は豪快に笑った。
「おお、わざわざ来てくれた子たちか、ありがとうな。
どうだ、この村は?都会と比べるとなんもないところだが、ゆっくりしていってくれ。なんならずっといてくれると嬉しいな」
荒井は、「先ほど言っていた『あちら』とはなんのことでしょうか」と尋ねた。
「実はな、祭りの2日目、つまり明後日だが、いみぐい様を模したものを使った催しをしようと思っていてなあ。なかなかいみぐい様の美しさが再現できないもんで、四苦八苦しとるんだ」
袖山も会話に加わり、「寄り合い場にいた人たちも言っていたんですが、いみぐい様はとても美しいそうですね」と言った。
「そうだ、あの美しさを前にしては誰も何も言えなくなる」
「それは是非とも見てみたいです、ねえ荒井君」
「そうだね」と荒井は答えた。
今日はもう暗くなるからと準備は中断し、鈴とお面を詰めた大量のダンボールは会場の簡易テントの下に運び込むことにしたが、荒井たちはへとへとだった。
一方老人たちはきびきびと動いている。
荒井は、「元気の秘訣はなんですか?」と近くで一息ついているおじいさんに尋ねた。
おじいさんは「そうだなあ、やっぱりいみぐい様をいつも拝んでいるおかげだろうな」と答えた。
それを聞いた荒井は、いみぐい様の姿見たくてたまらなくなっていた。
その後、残りの準備は明日の互選中にしようということになり、荒井たりはおじの家に帰った。
晩御飯は、おばが作ったカレーで大変おいしいものだったが、一つだけおかしなところがあった。
おじ夫婦はスプーンでカレーを口に運ぶ際、二人とも口をできるだけ動かさずに食べるのです。
もちろんまったく口を開けずに食べることができないので、ほんの少し唇を開き、その隙間から吸うようにして食べており、ずず、ずず、と吸う音が荒井たちの耳の届いていた。
一頬ばりカレーを口に含んだ後、また口をできるだけ動かさず、歯ですりつぶすようにして咀嚼し、時折、歯が必要以上に擦れ合う不快な音も聞こえてきた。
ひどく食べにくそうにしており、食事時間はとても長いもので食べ終わる頃には、料理は冷めきってしまったいた。
荒井たちはお風呂に入り、もやもやとした気持ちのまま寝入ってしまった。
翌日の午前中、荒井たちが会場に着いたこるには、もうほとんどの村人たちが集まっていた。
休憩をはさみつつ、午後からいよいよ待ちに待った祭りが始まった。
祭りの開催について村長の簡単な挨拶が終わったあと、舞台の上に神輿が運ばれてきた。
その神輿の中に、一人一人が昨日用意した鈴をいみぐい様の感謝の気持ちをともに入れていく、というのが儀式の概要だった。
神輿の屋根の部分が取り外しのできる蓋になっており、そこから中へ順番に鈴を入れ行く。
荒井の番になり、鈴を入れるため神輿を覗き込むと、多くの鈴が詰め込まれていた。
鈴を投げ込んでから、目をつむり手を合わせる。
その時、ふと、いみぐい様はよそ者である自分たちのことをどう思っているのだろう?と疑問がわき、目を開けると、神輿の中に虫の卵がびっしりと詰まっていた。
思わず後ずさりした荒井に、大丈夫と袖山が声を掛けてきた。
我に返った荒井は、もう一度神輿の中を見ると、鈴が敷き詰められているだけだった。
荒井の次に袖山が神輿に向かっているときに、隣にいた老人が「なんか見たんか?」と荒井に話しかけてきた。
「いいえ、何も」と荒井が答えたが、老人は「何が見えた?」と荒井が何か見てしまったことを前提にした質問をしてくる。
荒井は内心腹立たしい気持ちになりながら、「いいえ、何も」と答えた。
袖山は特に何事もなく戻ってきた。
やがて鈴でいっぱいになった神輿は、村人たちが担ぎ、村中をゆっくりと回っていった。
先頭にたった村長が、いみぐい様への祝詞のようなものを歌い上げ、荒井たちは神輿のあとを歩いた。
村人たちは神輿を担ぐ役を交代していき、荒井も担がせてもらった。
ところで神輿とは本来、普段は神社灘のおわす神様が、祭りの際一時的にその身を移すとされるものだ。ですから、今このときにいみぐい様は神輿の中にいらっしゃるということなのだ。
時折休憩を織り交ぜつつ、村を一周するころには、夕方近くになっていた。
会場に戻り、今日はここで解散ということになった。
二日目への英気を養うという名目のもと、今日は広場で軽い宴会が開かれるとのことだった。
休憩をしていると、村長から「すまんが、ちょっといいか?明日の準備で少し見てほしいもんじょがあってな。悪いが、うちの蔵まで来てくれないか?」と声を掛けられた。
村長の家は。この村の中央付近にある、小高い丘の上にあった。
大きな蔵の扉には、重厚な閂がかかっていた。
玄関には鍵をかける風習がないとのことから、よほど重要なものが保管されているのだろうと察せられた、
閂を開くと、中から果物を存分に腐らせたかのような甘みのある悪臭が漂ってきて、袖山は「なんだかいい香りがするね」と言って、ふらふらと進もうとしていた。
村長に言われるがまま、荒井たちは奥へ奥へと進んでいった。
やがて蔵には似つかわしくない鉄格子が嵌め込まれているのが見えてきた。その向こうには人が一人寝泊りできるスペースがあろ、まるで座敷牢のようだった。
そこで何かが蠢いていました。姿は人ですが、腕と足は針金のように黒みががってやせ細り、腹部だけが異様な丸みを帯びていた。唇は糸で固く縫われており、ほとんど開けないようにされていた。
最も異様なのは目で、頭部に大きく膨らんだ複眼を3つ持っていた。
それもただの複眼ではなく、人間の眼球が何十個も集まっており、その一つ一つがあらゆく方向に忙しく動いていた。
そいつは、細長い手をすり合わせ、落ち着きなく体を震わせて、無理やり閉じられた口からあぎりぎりとい不快な歯ぎしりの音が漏れ出ていた。
「美しいだろ。これがいみぐい様だ」と村長が後ろで言った。
荒井が振り返ると、村長は昨日鈴と一緒に作ったお面を被っていた。
「いみぐい様を作り出すのは本当に難しい。以前から50年もかかってしまったが、なんとか完成したよ。
多くの個体がここまで大きくなる前に死んでしまうんでな。
とにかく、これでこの村はまだしばらく安泰だ。どうだ?このお姿は。いままで見たこともない美しさだろう。
そうだ、このお面を被ってくれ。
これがないといみぐい様は我々のことを怖がってしまう」
村長は自分のつけているものと同じお面を手渡してきてが、荒井は従う気にはなれない。
「明日の祭でお披露目するつもりだったんだが、君達には早くみせてあげたくてな。わざわざ遠くから来てくれたお礼だよ」
荒井は醜悪なフォルムに辟易としていたが、袖山はそうではないようで、「なんて綺麗なんだろう」と言って。お面をつけて食い入るようにいみぐい様を見つめていた。
「荒井君も近くで見てみなよ!凄すぎて言葉が見当たらない」
「袖山君、本当に美しいと思っているの?」
「何を言っているんだよ。荒井君こそどうしたんだい、いみぐい様の前でそんな顔をしてはいけないよ」
荒井にはどうしても虫の化け物にしか見えないのに、他の人には別の姿が見えているのだろうか?
村長は、「遅くならんようにな」と言って蔵を出て行ってしまった。
「袖山君、もう行こう。それにこの村からも早くでしょう。ここはちょっとおかしいよ」
「どうしてそんなことを言うんだよ。お祭りは明日もあるんだよ」
「だって、それはどう見ても化け物・・・」
「いみぐい様に対して失礼なことを言うなよ!」
「わかった、僕だけでも帰るよ。袖山君も、何かあったらすぐ帰った方がいい」
「そうしなよ。みんなには僕が謝っておくからさ」
悪臭にも耐えかねて、荒井はその場にお面を置いて蔵を出た。
この臭いはいみぐい様から放たれる一種のフェロモンのようなものだろう。それに袖山は囚われてしまったようだった。
荒井は荷物を取りにおじの家に戻った。
そして、バスの最終便の時間が迫っているので、足早に家を出た。
村はずれの停留所にやってきたバスに乗り込むと、来た時と同じ人が運転手を務めており、こちらを覚えていたらしく、「おや、お友達はどうしたんだい?」と驚いたように聞いてきた。
「もう少し、この村にいるようです。ずいぶん居心地がいいそうで」
「そうかぁ、ここはいい村だからねえ」
「・・・そうですね」
そうして、荒井は一人でいみぐい村を離れた。
「袖山君ですが?残念ながら、彼はまだ帰ってきてません。よっぽどあの村が気に入ったのでしょうね。
後日、袖山君の両親のもとに『夏休み中ずっと滞在することになったから、心配しないで』と電話がかかってきたらしいですよ
奇妙なことに、電話の向こうから袖山君の声に混じって、まるで歯ぎしりのような音が聞こえてきていたらしいです。
それから、夏休みが明けても袖山君が帰ってくることはありませんでした。心配した彼の両親がいみぐい村に向かうと、それにはもう誰もいなかったようですよ。
いくらくまなく探し回っても、村にある家や畑はそのままに、人間だけが忽然と消えてしまったみたいだったと
もちろん警察に相談し、捜索隊も組まれましたが、結局何一つわからずじまいで、今も未解決事件として捜査されています。
去年ニュースでも取り上げられた話題ですから、あなたたちも見たことがあるのではないですか?
そうそう、村人は消えてしまいましたが、広場に放置された神輿の中から、謎の卵が大量に見つかったそうです。そのどれもが孵化した状態でね
辺りには腐った果物のような臭いが漂っていたそうです。僕はいみぐい様の復讐だと思っています。
あの生き物のことなんて何もわからないのですが、僕が見た時のあれの目は、自分を閉じ込めている村人への怨念が込められたものに見えましたから
坂上君、おかしいのは袖山君だったのでしょうか、それとも僕だったのでしょうか?
あの村の人たちは奇妙なところはありましたが、僕らに対しては悪い人ではありませんでした。
どちらかというと、途中で手伝いを放り出して逃げ帰った僕こそ礼儀の欠けた悪い奴でしよう。
実は、僕はまたあの村に行きたいと思っているんですよ。その時にいみぐい様が僕の目にどう映るのか。
あれは美しいと思えたとき、はじめて袖山君と仲直りでいる気がするんです。もうあの村に行っても誰もいないんですけどね。
これで僕が体験した不可思議な夏の話は終わりです。興味があれば、今度いみぐい村までご案内します」
エンディング№75:忌身喰様
エンディング数27/656 達成度4%
イラスト数17/272 達成度6%
今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井を選択!
荒井昭二は2年B組の生徒。
「よくある七不思議の話をしても面白くないでしょう?そうは思いませんか?」
- よくある七不思議で結構です
- そうですね
- 友達の話はどうですか?
「そうだ、人間の探求心について話をするというのはいかがですか。僕はね、享年の夏休みに面白い体験をしたのですよ。
普通の日常を過ごしているだけでは、なかなか体験できない経験なのですが、あなたは、そういう体験は貴重だと思いますか」
- どんな体験かにもよります
- 何でも体験するべきですよね
- 貴重といえば海外旅行ですか?
「ずいぶんと慎重なのですね、あなたは。しかし、慎重な性格は新たな刺激を得られないということの証でもあるのですよ。
勇気をもって一歩踏み出す、好奇心が何ものにも勝る、だからこそ手に入る報酬は至高の勲章なのですよ。
突然ですが、あなた、アルバイトをしたことはありますか?うちの学校で禁止されているのは重々承知ですよ。
でもね、そんな規則を破ってまでしたいことってあるでしょう?
例えばアルバイトを禁止されていても、何故するのでしょう?
小遣いが少なくて自分の欲しいものが買えないからではなく、家計を助けるためにやむなくする場合もあるでしょう。
知人が病気や事故に遭い、その手伝いをしなければならなくなった、そんな理由もあるでしょう。
罰せられるとわかっていて、校則を破る行為をあなたは愚かだと思いますか?
僕は愚かな人間ですから、勝てないんですよ、興味という欲望にね。
思えば、恥の多い生涯を送ってきました。ところでね、坂上君なら、校則を破ってもいいと思いますか?」
- 絶対に駄目
- 破るのも人生です
- 恥の多い生涯と送るって、もしかして、それは?
「ええ、あなたならそう答えると思いましたよ。見るからに真面目そうな方ですから。
僕ですか?さあ、どうでしょう。それは話を続きを聞けば、わかるかもしれません」
去年、新井が1年生だった夏休みに、当時のクラスメイトだった中村晃久から悩み事を相談された。
「僕は今とても困っているんだ。実はね、親戚が青森で牧場を経営しているんだけど、人手が足りないから手伝いにこないかと誘われているんだ。でも、学校はアルバイトが禁止されているだろ?だから困っているんだよ」
「アルバイトは禁止されていますが、手伝いは禁止されていないでしょう?それに親戚ならなおさらでしょう?親戚の家に遊びに行って、家業の手伝いをしたらお小遣いを貰えたということはよくあるんじゃないですか?」
「確かに荒井君のいう通りだよね。普通なら、そう簡単に考えれば何も悩む必要はないよね」
「何か行きたくない理由でもあるのですか?」
「ちょっと一人では行きにくいっていうか、場所が場所だけに特殊な環境だからさ。そうだ、荒井君、一緒に行こうよ。1日5千円は出すって言ってたよ。宿泊費や食費は掛からないんだ。三食ついて1か月間のアルバイトだから、かなり稼げると思うよ。みんなに聞こえちゃったかな。まあ、考えといてよ。返事は今度でいいから、じゃあ」
「坂上君なら、このアルバイトをしたいと思いますか?」
- やりたい
- やりたくない
- 他のバイトを探す
「なるほど、あなたは僕と同じ選択をするのですね。僕も他のバイトを探すことにしたんですよ」→シナリオ:いみぐい村開始!
荒井は夏休みのほとんどまるまるをアルバイトに費やすのは、あまりにも分の悪い賭けだと感じたので、後日、中村の申し出を断った。
中村の申し出を断ったものの、荒井の中ではアルバイトを体験してみたいという気持ちが強く残っていた。
校則で禁止されている行為を通じて、何か非日常的で好奇心で満たされる体験をしてみたいと、思ったからだ。
手始めに、アルバイトの求人雑誌を見てみることにしたが、ページをめくれどありきたりな仕事なかりで、まったくそそられるものがない。
バイト募集のチラシは掲示板にも目を通すうようにしたが、やはりこれといって興味の惹かれる奇特なものはなかった。
よくよく考えてみれば、非日常を得られる変わった仕事が、すぐに目につくような場所で募集しているわけがなかった。
中村の誘いを無碍にしたことを少し後悔し始めていた時、クラスメイトの袖山勝が休み時間に話しかけてきた。
袖山は、当時荒井と同じサッカー部で仲良くしていた。
「荒井君、アルバイト探しているの?」
「どこで聞いたの?」
「中村君がクラス中に牧場でもアルバイトを誘いまわっていてね。そのとき荒井君が彼の申し出を断ったことを聞いたんだ。『荒井君はもっと割のいいバイトがいいに違いない』って中村君は言ってたよ。もしかしたら彼の言う通り、良い働き口を探しているのかと思ってね」
「別にお金の所為で中村君の話を断ったわけじゃないよ。ただ僕はもっと自分がやりたいことをしたいだけなんだ」
「うん、荒井君はそういう人だと思っていたよ。だから君が気に入りそうなとっておきの話を持ってきたんだ。
今度、僕の遠い親戚の住むいみぐい村というところでお祭りがあるんだ。その手伝いを募集しているらしいだけど、興味ないかな。祭り自体は2日間で、準備を入れて3日間手伝ってほしいんだって」
祭りと聞いた荒井は、よくある縁日のイメージが浮かんだが、『とっておき』というほどのものではないように感じた。
荒井の顔から落胆を読み取った袖山は、「祭りと言っても夏祭りにような露店が出るにぎやかなものじゃないよ。どちらかというと、民族的はものさ。昔ながらの儀式をして神様を祀る、厳かな祭りだって」と続けた。
「なんでも50年前に途絶えていたものを村おこしのために復活させるらしい。村には人も少ないし、その次はいつ祭りを開催できるかわからないんだってさ」
「つまりその祭りを見るのは、今年が最後のチャンスからもしれないってことかい?」
「そうなるね。どんな手伝いをするか、詳しいことは行ってみないとわからないんだけど、もちろん報酬も出るらしいよ」
半世紀も途絶えていた祭りをこの目で無ることができるなんて、非常に価値のあることだと荒井は感じた。
この機会を逃すと、もう一生こんな体験をできないかもしれない。アルバイトは校則で禁止されていることは、どうでもよくなっていた。
仮に校則を破って咎められようとも、祭りを見るついでに少し手伝いを頼まれただけ、と主張すればいいだけだ。
「どうだい?」
「もちろんぜひとも行きたいけれど、僕のような部外者が手伝っても大丈夫なの?」
「問題ないよ。さっきも言った通り、村おこしのための祭りだからね。いろんな人に知ってほしいし、人手も少ないから友達を呼んでくれないかと親戚から言われたんだ」
荒井は、袖山から詳しい日時と村の場所を聞きながら、何十年も前に繰り広げられていたのであろう素朴で厳格な祭礼の儀を頭に思い浮かべていた。
夏休みに入り、約束の日になった。両親には友人と旅行に行くと伝えて、二泊三日分の荷物をバッグに詰め、荒井は袖山と駅で待ち合わせをして電車に乗り込んだ。
袖山から聞いたいみぐい村という名前と村の場所から、事前に祭りのことを調べようと、何度も図書館に足を運んだが、荒井が欲しい情報はまったく出てこなかった。
「一緒に来てくれてありがとう。実は親戚といってもほとんど会ったことのない人だから、一人で行くのは心細かったんだ」
荒井と袖山は、他愛のない話をしながら目的地へ向かっていた。
数時間電車に乗ったあと、荒井たちはひっそりと佇む無人駅に降りた。その駅で降車したのは荒井たちしかしなかった。
荒井たちは、駅の近くから出る小さなバスに急いで乗った。目的の場所まで向かうバスは日に2本しかないので、これを逃すと大変なことになる。
バスには乗客は乗っていませんでした。
バスの運転手が物珍し気に見て、少し微笑んだ。「
「お客さんたち、どこまで行くの?」
「いみぐい村まで。祭りの手伝いに行くんです」
「あそこはいいとこだよ、けどお祭りなんであったかなあ」
久しく執り行われていなかった祭りですから、知られていなくても不思議ではない。
バスが進む間、人はおろか他の車とも一切すれ違いません。
目的のバス停まで30分ほどバスは山道を進み、いよいよいみぐい村にたどり着いたときは、日は西側に傾きかけていた。
バス停では、袖山君の親戚夫婦が出迎えてくれていた。
袖山「お久しぶりです。わざわざ迎えに来ていただいてありがとうございます」
おじ「遠いところからよく来たね」
おば「久しぶりねえ、勝君。前にあったときはうんと小さかったものね。あなたはお友達の荒井君かしら?」
荒井「初めまして、荒井昭二と申します。3日間よろしくお願いいたします」
年齢は初老に入りかけた頃だろうか。二人とも柔和で優しそうな人でした。
バス停の周りには一面の畑が広がっており、まるで毛並みの良い緑の絨毯が敷き詰められているように立派な野菜が育っていた。
背の高い建物なんて一つもなく、見上げた先にあるのは遠くまでつらなく山々と高い青空だけで、とても美しいものだった。
バス停からしばらく歩いた先、トマトが多く実る畑に囲まれた二人の家があった。
昔ながらの木造建築で、鍵を使わずそのまま玄関の扉か開いていたので、荒井たちは驚いた。
この村には家に鍵をかける習慣がないようだった。盗られるものは何もないし、盗みを働くような悪人は村にいないからという理由だそうだ。
2階に客用の部屋があるから自由に使ってね、と夫妻は行ってくれたので、荒井たちは荷物を置いて、夫妻の待つ1階へ降りた。
「来てもらってすぐで悪いんだが、さっそく祭りの手伝いをしてもらってもいいかな?」と、色の濃いお茶を出しながらおじさんは申し訳なさそうに言いました。
村で採れる葉を煮出して作ったものらしく、一口飲むとすっきりとした味わいが広がった。
この近くにある村の寄り合い場で準備は行われいるとのことで、親戚夫婦は村の紹介がてらに連れて行ってくれた。
寄り合い場はいみぐい村自治会館と書かれた札が掛けられた場所で、他の家より少し大きいくらいの民家だった。
玄関の靴箱はすでにいっぱいになっており、荒井たちはそこへ靴をそろえて入れた。
中に入ると、大きな広間になっており、何やら作業をしている20人ほどの老人たちが、一斉に振り返って荒井たちを見たが、若者は一人はいなかった。
「おやあ、君らが手伝いに来てくれた子たちか?ありがとうねえ」と一人のおじいさんが微笑みながらそう言った。
彼らは口々に労いの言葉を言い、笑いかけてくれた。
曰く、都会から離れたこの村では過疎化が進み、若い人のほとんどは村から出て行ってしまっているようです。
手伝いの内容は、銅で作られた小さな鈴に、編み込まれた紐を通りて吊り下げるというものです。
鈴は親指大の小さなものでしたが、祭りで使うものだと聞くと、なんとなしに神秘的なものであるかのように見えた。
鈴に通す紐の編み込み方は、周りの老人方に教えてもらった。数世紀前から村に伝わる独特な編み方だそうだが、近年になるにつれだんだんと簡略化されて、荒井たちでもできるものだった。
その鈴を何百個ほどこしらえていくのです。量を思うと気の遠くなる作業だった。
よく見ると、広間には鈴を作る班とは別に、何やらお面を作る班もいるようだった。
お面班の方を盗み見ると、老人たちは木彫りの四角い面に絵の具と筆で青い化粧を施しているところだった。
「すみません、この鈴とあのお面は、いったい祭りにどうやって使うのですか?」と荒井は近くで作業しているおばあさんに尋ねた。
「これかい?これはね、神様をお呼びするための鈴なのよ。お面は、神様を安心させてあげるためのものだね」
「それは、この村の神様ということでしょうか?」
「そうそう、この村の名前の由来にもなったいみぐい様を呼ぶためのものでねえ。久しぶりのお祭りだから、失礼のないようにしなくちゃね」
それを聞いた荒井は、木彫りのお面を被りながら鈴を一心不乱に鳴らす村人たちの姿を想像した。
あなたはどう感じますか?
都会と比べて不便なところはありますが、住民がみな家族同然のように仲が良くて、温かみがある村を。
閉塞的と言えるかもしれませんが、裏を返せば一つ一つの繋がりが密ということなのです。
坂上君は、今までの話を聞いてこの村をどう思いましたか?
- 良い村だと思う
- あまり行きたいとは思わない
僕も確かに、その時までは素晴らしいところだと思っていましたよ。
荒井はさっきのおばあさんに再び質問をした。
「いみぐい様とは、どんな神様なんでしょうか?いみぐい様にまつわる話を教えてくれませんか」
「いみぐい様はねえ、この村がまだなめをない集落だったころ、大飢饉の襲われたとき救いの手を差し伸べてくださった神様さ。
海から川へ上ってやってきて、飢えた村人たちにご自身の身を一部切り取って与えてくれたそうな。
いみぐい様の身を食べた村人たちはたちまち元気になって、以降健康に過ごしていたといわれとる。
村が活力を取り戻したのを見届けて、いみぐい様はまた川を上って帰っていったらしい」
「なるほど、この村が今もあるのは、いみぐい様のおかげというわけですね」
「そうさ、感謝の心を忘れずにいないとねえ」
「その恩義を形にするのが明日からの祭ということですね。いみぐい様がやってきた大昔というと、何年ごろの話になるのでしょうか?」
「ええっと、確か・・・1500年ごろだとか・・・」
おばあさんがそう口ごもったときのことです。周りにいる老人たちの目つきがさっと変わった。
「何をあいまいなことをいうとる?1522年に決まっとるわい」
「そうじゃ、ばあさん、ボケが来たか?」
「いみぐい様がおいでなさった年を忘れるとは」
「どうなっても文句を言えん」
「まったくありえない」
こんなことを老人たちは口々に言った。
気が付けば、広間にいる老人全員が作業を止めて、おばあさんは睨んでいた。
おばあさんはすっかり委縮して黙り込み、先ほどの和気あいあいとした雰囲気とは打って変わって、なんとも重苦しい空気が寄り合い場を支配していた。
「あの、教えてくださってありがとうございます。いみぐい様についてもっと知りたいのですが、どなたに聞けばいいでしょうか」と居心地の悪い空気をどうにか打破したくて、荒井はそう言った。
「いみぐい様のことなら、みーんなよく知っとるよ。しかし、一番っつったら、やっぱり村長だな。ちょうど祭り会場におると思うから、あとで聞いてみい」と初めに話しかけてくれたおじいさんが柔らかく言った。
張りつめていた空気が嘘だったように、朗らかにおじいさんは笑っています。
他の老人たちももう元の優しい顔に戻っていましたが、詰め寄られたおばあさんだけは、何か本当にとんでもない罪を犯してしまったように、相変わらずうつむいたままった。
その後、荒井たちは作り上げた鈴とお面を祭り会場までもっていくことになった。
寄り合い場からでたときはすでに夕暮れ時になっていた。
みんなで袖山のおじが運転するトラックの荷台に、鈴とお面を入れた段ボールを詰め込んだ。
すべての段ボールを運び終わり、トラックが出発するときには、もう夕日が沈みそうな頃合いだった。
荒井、袖山、おじの3人一緒にトラックに乗り込み、祭り会場へと向かった。
おばは夕食の支度があるので家に戻った。
「あの責められていたおばあさん、いつの間にかいなくなってたね」
「ちょっと気まずくなってしまったから、先に帰ったんじゃないかな」
トラックの後部座席で、荒井と袖山はそんな会話をした。
祭り会場は、寄り合い場から車で10分ほどの距離にあった。
そこでままた数十人ほどの老人たちが、テントや小さな舞台の設営など、明日に向けて準備を行っている最中だった。
「お疲れ様です、準備はどうですか」
「おう、何とか終わりそうだ」
「それは良かったです、村長さん。小道具の方も間に合いました。手伝いに来てくれた子たちのおかげです」
「おお、わざわざ来てくれた子たちか、ありがとうな。
今はみんなで明日からの舞台作りをしていたんだが、もうそろそろ終わりそうだ。
小道具はテントの下に置いといてくれるか。もう暗くなるし、明日の午前中にやろう。あんまり気張りすぎても、いみぐい様が心配するしな」
おじと村長との会話を聞いていた荒井は、「いみぐい様は今もこの村を見守ってくださっているのですね」と声を掛けた。
「おお、いみぐい様の話に興味があるなら、ちょうどいいものがある」と言って、村長は、荒井と袖山を近くにある祠に案内してくれた。とてもこじんまりした古そうな祠だった。
「ここは昔、いみぐい様がやってきた場所と言われておる。感謝の心を忘れないために建てられた祠でな」と言うと、村長は錆びついた鍵を取り出し、苔むした祠の扉にある錠前に差し込んだ。
この村では家の玄関は施錠しないのだから、よほど大切なものが入っているのでしょう。
扉を開くと、村長は中から古びた本を取り出し、丁寧にめくると、あるページに描かれている絵を見せてくれた。
「これがいみぐい様だ」
そこには尾びれと人間の手足を持つ、魚のような生き物が描かれていました。皮膚が青みがかっており、目玉はすべて白く塗りつぶされています。
荒井は見た瞬間に半魚人という言葉が浮かび上がった。
「なぜ今まで祭りは途絶えていたのですか?村の方々は、みなさんいみぐい様のことを大切におもっているようですが」と袖山が質問した。
「情けない話だが、村の人口が減って人手が足りんくなった。せめて昔のように活気づくようにと、なんとか今年も無理をして祭りを起こすことにした」
いみぐい様の姿描かれている古びた本には、村の歴史が事細かに書かれているとのことでしたが、古い言葉で書かれていますし、ちらりと傍目から見た程度では、ほとんど内容はわからなかった。
「それ、見せていただいてもかまいませんか?その本の内容にとても興味があるんです」と荒井が言ったが、村長は、この村のとっての宝というべき貴重な存在だから、村の外から来た者には触らせることはできない、と断ってきた。
祭り会場に戻ると、村長は「今日はここまでにしよう。残りの細かいことは明日の朝だ。カズ、お前も今日は帰るんだぞ」と、会場の舞台に向かって言った。
「わかりました。じゃあ村長、また明日」と言ったのは、二十歳を少し過ぎたばかりに見える青年で、談笑する老人たちには目もくれず、さっさと背を向けて行ってしまった。
その後、おじ夫婦の家に戻って夕食もお風呂もいただいてから、床に入った荒井は、すぐに寝入ってしまった。
翌朝、朝食をとったあと、今日はおばも一緒に祭り会場へと赴き、荒井たちも準備に加わった。
周りを見れば、カズをはすでに来ており、相変わらずの仏頂面で村人に話しかけられてもにこりともしていなかったが、仕事は真面目にやっていた。村人たちが気さくに接しているところをみると、無愛想ならがも好かれているようだった。
細かい準備は昼前に終わった。祭りは午後から始まるようです。
いったん、昼食をとりに帰り、お昼過ぎに会場へ戻ってきた荒井たち。
会場にはすでに村人たち全員が集まっているようで、カズもその中にいた。
それに祭りの話を聞きつけ、新聞記者が取材に来ていた。
村長が舞台の上へとやってきた。手には昨日手伝って作った鈴とお面があった。
「いみぐい様のための祭を、ここに始めるとする」と村長が宣言すると、舞台上のお面を被った老人が3人上がってきた。
彼らは舞台に膝をつき、鈴を振って鳴らし始めた。
しばらくすると、真っ青に塗りつぶされたお念を被った村人が一人、舞台上に現れた。
きっとこれはかつていみぐい様がこの村に現れたときを再現したものだろう。
鈴を持った3人の老人は、深々ろ頭を下げた。
その舞台が終わったあと、いよいよ荒井たちも見るだけでなく、実際に参加できる儀式が始まろうとしていた。
村人たちは舞台が終わった瞬間、一様に背を向けて祭り会場を出て行った。
「あの、もう帰るのですか?」と荒井が尋ねると、おじは「ああ、そうだよ。僕たちは戻っているから、あとでまた会おう。君たちは村長を手伝ってくれ」と答えた。
いつの間にかお面をつけた村長が、「年老いたわい一人ではどうにはできんからな。さあ、お前たちも早くお面をつけなさい」と言った。
舞台に上がった荒井と袖山は、お面をつけたが、見た通りに視界が悪く制限されている。
戸惑っていると「これから村の家を全部回っていくから、君たちの分、持って」と後ろから声を掛けられた。
そこにはお面をつけた人がおり、背格好とつっけんどんな口調からカズだとわかった。
カズの手には紐で束ねられた大量の鈴とお面があった。
「これおを持って、村中を歩くんですか?」
「そう、神様を探す旅だよ」
一行は一人数キロはある鈴とお面を引きずりながら、村の家々を回り始めた。
村長から教わった昔から伝わる祝詞のようなものを挙げながら、村の家を一ずつ回り、「いみぐい様はここにいらっしゃるのか?」と聞いていった。
聞かれた家人は「いいえ、来ていません。私もお探しいたします」と答え、いみぐい様を探す一行に加わり、お面とつけてもらう。
村のありことで鈴とお面を置き、「いみぐい様を探していますよ」という痕跡を残していきます。お面はかつていみぐい様が始めて姿を見せた時代の人々を表しているそうだ。
家を回るたびに人が加わり、しばらくするといみぐい様を探す100人ほどの団体が出来上がっていた。もちろんおじ夫妻もいる。
「あれ、あそこには声を掛けないんですか?」
一軒だけ、何も声を掛けないまま通り過ぎようとした家があった。
袖山が疑問の声を上げると、カズが、「あそこは回らない」と小さな声で囁いた。
「いいんですか?もしかしたら、いみぐい様がいるかもしれないのに」と荒井が言うと、カズはは、「いない、いるわけない」とにべもなく答えた。
その家を通り過ぎる際に、窓のカーテンの隙間からちらりと中が見えた。
そこには、昨日村人たちから必要以上に責められたあのおばあさんが薄暗い中じっと俯いている姿が見えた。
やがて一行は祭り会場の広場まで戻ってきた。
道中で鈴とお面を目印代わりに残してきたので、手持ちのものはほとんど残っていません。
一行はいみぐい様の祠の前までたどり着いた。
「見よ、いみぐい様はここにいらっしゃった」と村長が嬉しそうに叫んで、地に膝をついて拝み始めた。
祠には一枚の青く塗りつぶされたお面が飾られていました。祠がこの旅のゴールだということは元々から決められていたようだ。
「今日の行事は、これで終わり。明日はいみぐい様が現れてくれたことを祝う」とカズがこっそり耳打ちしてくれた。
「あれは何だろう?そこの、川のあたりになにかある」と袖山が言うので、荒井が見てみると、確かに近くに流れる川辺に何かが引っ掛かっていた。
神山は、導かれるようにそちらに走っていき、「いみぐい様だ!」と叫んだので、祠に向かって拝んでいた人たちが一斉に袖山の方へ振り向いた。
「いみぐい様がいるんだ」と袖山が言うので、荒井は急いで袖山のもとに駆け寄った。
川辺にうずくまっている袖山の足元をよく見ると、いみぐい様がいた!
真っ青な体と、大きな尾びれ、白く丸い目。大きさは5歳児と同じくらい。
あの祠に保管してある古本に描かれたものと同じ姿をした生き物がいたが、死んでいた。息もしておらず、ぴくりとも動かない。
ただ皮膚だけは水分をたっぷり含んだように艶めいていたが、全身がしわくちゃだった。
それに不気味なことに死んでいるのに、濁った大きな白目をむき出しにしてして、歯を見せてにたにたと笑っていた。
袖山を追ってきた村人たちは、いみぐい様の死体を見た瞬間、一斉に体を強張らせて、互いに目配せをしあい、明らかに動揺していた。
「誰がやった?」と口を開いたのは、村長だった。
しかし、誰も答えない。
いみぐい様を見る限り、明らかな外傷はない。
村人たちはついに誰も口を開かず、結局そのままそこで解散ということになってしまった。
いみぐい様の死体は、村長が責任をもって預かるころになり、村人たちはお面をとり、家へと帰っていった。
家に戻り布団に入ってから、袖山は、「あれはなんだったんだろう」と口にした。
「わからないな。本に描かれていたいみぐい様にそっくりだったけど」
「なんどか村の人たちを悪い空気にさせてしまったようだし、見つけなかった方が良かったのかな」
「遅かれ早かれ誰かが気づいていてたと思うよ」
ぽつぽつと話をしていると、窓の方からこつんと小石か何かが当たる音がした。
窓の下を見ると、外にいたのはカズで、降りてこいと手招きしている。
荒井と袖山は、夫妻を起こさないようこっそりと外へと出た。
「突然ごめん、寝てた?家の人たちは起こしていないよね」
「僕たちなかなか眠れなかったので、大丈夫です。おじさんたちは寝ています」
「なら良かった。君たちにいみぐい様のことを話しておこうと思って。今日、いみぐい様の死体を見ただろう」
「はい、まさか本当にあんな生き物がいるとは思いませんでした。てっきりいみぐい様は、昔の人の作った創作なのかと」
「確かに死体はあったけどね。君の言う通り、いみぐい様なんていないよ。そんなこと、ありえるはずない。いみぐい様は、村長が中心になって作った嘘の昔話だ。僕を信じろとは言わない。ただ知っておいてほしいだけ」
「じゃあ、今日見たあの死体は、なんなんですか?」
「わからない、なんだかおかしな雰囲気になっているんだ。とにかく明日、何かが起きるかもしれない。村の人が何を考えているのか、君たち、気を付けておいたほうがいいよ。
驚かせるようなことを言ってごめん。どちらにせよ、明日で祭りは終わりだから、今日はきちんと休んで」とカズはそう言うと、「おやすみ」と残し行ってしまった。
そのまま布団に戻って、翌日起きたのは昼前だった。
昼過ぎに荒井たちは、祭り会場の広場へと向かった。
広場にはなんだか腐臭のような臭いがするこに荒井は気づいた。
いぶかしんでいるうちに、なんだか嬉しそうな村長が舞台に上がってきた。
舞台の上、村長の後ろには、いみぐい様の死体がテーブルの上にある大きな皿の上に乗せられていた。腐臭の出どころはこれだった。
「これより祭りの最終儀式を執り行う」と、村長は目を丸く見開いて、歯を見せてにたにたと笑っていた。
「ありがたいことに、いみぐい様は我々の前に現れ、その身を差し出してくれた。それもすべての肉をだ!なんとありがたいことだろう」
村長の声に合わせ、村人たちも歓喜の声は上げた。
「ああ、いみぐい様。ありがとうございます、ありがとうございます」と言って、いみぐい様の方へ向き、手を合わせた。
そして、そのかかいみぐい様の背中にかぶりついた。
「おお、この世のものとは思えない味だ!」と村長が、口から青い液体を滴らせながら、振り向いて叫んだ。
それを合図にするように、村人たちが一斉に舞台に上がり、我先にといみぐい様を食いちぎろうちして、押し合いへし合いの大混乱になった。
恍惚とした表情でいみぐい様の肉を味わっていた村長は、ふらふらと覚束ない足取りで歩き、そのまま舞台から落ちてしまった。
村人たちは、村長が落ちたことに気づかず、奪い合いながらいみぐい様を貪り食っていた。
慌てて荒井と袖山が村長のもとに駆け寄ると、村長はぴくりとも動かない。
「大丈夫ですか」と村長の顔を覗き込んだ袖山は、村長の口から吐き出された青い液体が顔にかかった。
村長は濁った白目を剝き出しにして死んでいた。だというのに、笑ったままの口からはごぼごぼと青い血があふれ出てくる。
そのうち、村人たちも苦しげな声を上げて倒れ、口から青い血を吐きながら、うめき声をあげて地面をのたうち回っていた。
呆然としている荒井と袖山の手を引いたのはカズで、そのまま停めてあったトラックの後部座席に押し込んだ。
カズは間髪入れずに車を発進させ、「荷物、取りに行って、帰れないでしょ」と声を掛けた。
袖山がぼうっとして動かないので、荒井は鍵のかかっていないおじ夫妻の家に入り、二人分の荷物を取ってきた。
「僕が何年か前にこの村に越してきたとき、ここはすでに過疎化が進んでいてね。村おこしの秒案はないとか村長たちにすがるように聞かれたんだ。
よそ者の僕に良くしてくれる老人たちが気の毒で、何か祭りでもやればいいんじゃないか、と答えたんだ。
それが引き金だった。
そもそもこの村には特別なものなんて何もなかった。奇特な逸話もなければ、不思議な土着神もいない。
けれど、村おこしの祭となると、ただ普通の祭じゃ印象不足であろう。そこで村長は村人を集めて、この村に伝わる神様を作ることにした。それがいみぐい様。」
「あのいみぐい様が描かれていた古い本も、祠も作ったということですか?」
「そうだよ。もちろん、祭りの一連の儀式も作られたものだ」
最初はそれこそお遊びみたいに考え始めたものだったよ。老人たちが寄り集まって、みんなで楽しく考えるゲームみたいなものだったんだよ。
祀る神様はこんな姿が良いんじゃないか、こんな伝説があれば良いんじゃないか、名前は村からとろう、ってね。だけど、だんだん熱が入っていってしまった。
何しろ小さい村だからさ、伝染病みたいに話は広まっていって、次第にいみぐい様の話をするのが当たり前のようになっていったんだ。
そして次第に細かすぎる歴史を作っていった。よその人たちに嘘だと見抜かれないようにさ。
いつしか村人たちは、自分たちで作りだした神様の妄想が、真実だと錯覚するほどのめり込んでいった。
いつしかいみぐい様は村人たちの生活に大きく浸食しだした。すこしでもいみぐい様について間違ったことを言ったり、存在を否定したりする人が現れると、その瞬間に村八分にされたんだ。
それから、村人たちは互いに互いを監視するようになった。何か間違いをすれば、その罪人をすぐに追放できるようにね。
ただでさえ少ない若者たちは愛想が尽きて村を出て行った。祭りをやると声を掛けたのに誰も帰ってこなかったのはそのためだ。」
「すべてが嘘だったら、あのいみぐい様の死体はなんだったんでしょうか」
「さあ、もしかしたらたまたま村人たちの妄想と似た生物がいたのかもしれない。もしくは村八分になった人たちの怨みかも」
最寄りの無人駅に着くと、カズは黙ってトラックから降りました。
荒井は、「袖山君、帰ろう。大丈夫?立てるかい?」と声を掛けた。
「うん、大丈夫だよ」と答えた袖山の顔について液体をタオルで拭ってやった荒井は、袖山の手を引いて車から降りた。
「あと5分もすれば帰りの電車が来る、気を付けて帰るんだよ」
「カズさんはこれからどうするのですか?」
「村に帰る。事の発端は僕だし、それに、あそこはいい村だからね。もう二度とこの村に来てはいけないよ」と言ったカズにお礼と別れを告げ、荒井たちは電車に乗った。
電車がホームを離れ、景色がゆっくりと動き出したとき、袖山が窓の外を指さして、「あれは何かな」と言った。
遠目からでしたが、はっきりと首吊り死体が見えた。それも村八分にあったあのおばあさんの。
「そのあと、祭りがどうなったのか、カズさんがどうしたのかはわかりません。
僕は別れの間際、カズさんに『あたなの所為ではありません』と伝え損ねてしまいました。
僕が体験した不思議な夏の話はこれで終わりです。
袖山君?ええ、今もこの学校に通っていますよ。もちろん元気です。
あのあと村はどうなったのでしょうか?新聞を探しても当時の記事は見つかりません。もしかしたら、僕たちの知らない間にまたあの奇祭が開かれているのかしれませんね。
ああ、袖山君のことなのですが、確かに元気ではいるのですが、祭りから帰ってきたあろ、少し変わったことがありまして。
笑い方ですよ。以前は静かに控えめな笑顔を見せる彼でしたが、今は違います。目と口を大きく開き、歯を見せながらにたにた笑うのです。白目を剥き出しにするその顔は、あのとき見た生き物に瓜二つですよ。気になるなら。今度会いに行ってはいかがですか?
「『荒井君、あの村はまだあるのかな』と袖山君はにたにた笑いながら言うので、いつか黙って一人であの村に行ってしまうのではないかと、気が気じゃないんですよ」
エンディング№74:異味喰様
エンディング数26/656 達成度3%
キャラクダー図鑑36/112 達成度32%
イラスト数15/27 達成度5%
今日の人生ゲーム for Nintendo Switch -Switchはどうかな?
ジュンの好感度アップ。
文化部に入部。
ラッキーマスLv1→バイトして200万円ゲット。知力、センスがアップ。
ラッキーマスLv2→ライトノベルで応募して、500万円ゲット。センスがアップ。5の目カードをゲット。1000万円をゲット。センスがBになった!大きい目カードをゲット。
レアラッキーマス→1000万円をゲット。センスがアップ。1の目カードをゲット。就職する。
知力F体力GセンスB
ジュンの好感度51%
所持金3300万円
今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井を選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢を選択→シナリオ:彼と彼女の秘密→福沢エンディング№23~28
1人目:岩下エンディング№02:二人だけの世界
→2人目:新堂エンディング№03:六本の右足
→3人目:風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
→4人目:細田エンディング№01:イラつく奴
→5人目:荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
→6人目:福沢エンディング№23:彼女は悪魔だった
→7人目のシナリオ包帯の女→特殊七話目№38・39を見る
3週目開始!
1人目は新堂誠を選択→シナリオ:痛みを感じない男→新堂エンディング№11~15
2人目は荒井昭二を選択→シナリオ:呪いのヒトガタ→荒井エンディング№14・15
3人目は、風間望を選択→シナリオ:呪いのコッペッパン→風間エンディング№4・5
4人目は福沢玲子を選択!
福沢玲子は1年G組の生徒。
「突然だけど、坂上君って宗教はなんなの?」
- 親と一緒
- あまり人に言いたくない→シナリオ:彼と彼女の秘密
- 無神論者→岩下の話を聞いている場合はシナリオ:愛と友情の狭間
- 違う話を聞きたい
シナリオ:追いかけてヒトシくん
この学園にはヒトシ君って可愛い名前の妖怪がいる。
ヒトシ君は授業が終わった放課後、廊下に薄暗く夕日が差し込んできた時間に出没する。
何気なく廊下を歩いていると「待ってよぉ、待ってよぉ」と、いかにも切実そうな声とともに、その小さな妖怪は現れる。
ヒトシ君はいつも何か追いかけているが、結局何を追いかけているのかはわからない。
「待ってよぉ、待ってよぉ」
その時、決して言ってはいけない言葉がある。
「ヒトシくんを待ってあげて!」
この言葉を言った人は、ヒトシ君に守護霊様を食べられて、不幸になってしまうそうだ。
ヒトシ君の話は、OLをしている福沢の姉から聞いたそうだ。
福沢の姉はここの卒業生で、現役の時からヒトシ君の噂は広まっていた。
姉とすごく仲が良かった友達の霧島が、ヒトシ君に会った。
霧島は、怖い話にもそれなり興味がある人だった。
「坂上君って、ホラーが好きな子とか興味がある?」
「坂上君、なんかちょっと感じ悪~い。
そんなんじゃ女の子に嫌われちゃっても知らないからね」
霧島はヒトシ君を見つけようと週に何回か頑張って居残りし、放課後の廊下を歩き回っていた。
「ねえ、どうしてヒトシ君を見たいわけ?」
と、友達に聞かれた霧島は、
「だって、面白そうじゃない。それにこういうの、学生時代にしかできないし」
と、答えていた。
その日の放課後、霧島は休憩を差し挟みながら、学校中の廊下を探索していた。
霧島はいつも日が沈み切る前には探索を打ち切って、校舎の外に出ていたが、自分が出て行った途端、ヒトシ君が入れ違いのように廊下に現れるんじゃないか、と思っていた。
だから、この日もっと遅くまでヒトシ君を探そうと考えて、校内の探索を再開した。
そうしてしばらく歩き回っているうちに、校舎の外は完全な夜闇に閉ざされてしまった。
すでに午後7時を回って、校内にはもう誰も残ってなかった。
だけど、ヒトシ君はどこを見渡したって出てこない。
こんなに遅くまで残って損した!
そんなことを考えながら霧島は手早く荷物をまとめて、昇降口に向かって行った。
霧島が靴を履き替え、閉まっている扉を押したが、開かなかった。
外から鍵がかけられたと思った霧島は、つまみをひねり、鍵が開いた状態に戻して、扉を押したが、まったく開かない。
どんなに押したり引いたりしても、扉は開かなかった。
「そうだ、窓から出ればいいじゃない」
霧島は廊下に戻り、一番近くにあった教室に飛び込んだ。
そして、窓に近づき、鍵を開け、一気にスライドしようとしたが、開かない。
「どうしてよ!何で!」
他の教室でも、窓は開かなかった。
ならば非常口から出ようとしたが、そこも扉もやっぱりダメだった。
学校中の扉と窓を調べたが、ダメだった。
どうしていいかわからず、霧島はぐったりと腰を下ろした。
「誰か、助けてよ・・・」
あまりに怖くて、霧島はポロポロと涙を流した。
そして、どうして扉や窓が開かないのか、なぜ閉じ込められたかを考えないことにして、ここで一夜を明かすと覚悟した。必ず明日、助け出されると信じて。
急激なめまいがして、霧島はその場に倒れこんだ。
体が麻痺して、立ち上がることができない。
気が遠くなっていき、ついに霧島は暗闇に飲み込まれてしまった。
霧島は次の日、冷たい死体となった発見された。表向きは突発的な心臓発作ってことで処理されたみたいだが、どうして霧島が死んだのか、当時あれこれ議論が交わされた。
結論は、正体を突き止められることを嫌ったヒトシ君の仕業だってことになった。
ヒトシ君は、人間を不幸にさせるだけじゃなく、呪い殺す力も持っていたのだ。
この事件以降、自分からヒトシ君を探す生徒はいなくなった。
「え?どうして私が知っているかって?
だからぁ、私はお姉ちゃんから聞いたの。
お姉ちゃんと霧島さんは、本当に仲良しだったんだよ。あの頃も、同じ人を好きになってさ。
霧島さんの方がうまくいきそうだったんだけど、謎の死を遂げちゃったでしょ。
それで、お姉ちゃんはうまく好きな人と付き合えたわけ。
そんなお姉ちゃんがしてくれた話だから、ヒトシ君の話は真実だと思うよ。
そんなに気になるなら、直接お姉ちゃんに聞いてみたら?
お姉ちゃん、今彼氏いないみたいだからいいかもよ。年上の彼女ってもいいかもしんないよ。きゃははは。
ねぇ、坂上君。この学園にはいろいろな悪霊、妖怪が潜んでいるけど、それらに共通しているのは、秘密を追求されることが大嫌いなことなんだよ。
きっとそういう人間は容赦なく殺しちゃうんだ。
だからね、この七不思議の特集だって、最後に良くないことが起こるかもしれないよ。
この新聞部、さっきから妙な雰囲気なんだよね・・・」
福沢エンディング№15:追いかけてヒトシ君
CGギャラリー 33/124
今日の未解決事件は終わらせないといけないからはどうかな?
#小学校を繋ぐ。
清崎蒼
「犀華ちゃんの家族についてよくご存じですね?」
犀華の母親→アポロン文具店
「翔太君の家族なら、まあ昔からよく見てきたんで知っています。
3、4年くらい前かな。
翔太君のご家族がこの街に引っ越してきて、初めて翔太君を見た時は小学校の高学年だと思いました。
同年代の子に比べて、背が高くてあんまりしゃべらない子でしょ。
その時、低学年用の文房具を買おうとしてたんで、私が翔太君のお母さんに他の品物をお勧めしたんですよ。
そしたら、良く間違われます、と笑っていた覚えがあります」
2012.2.3 19・32の会話。
3本目の黄色の鍵をゲット。
今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間望を選択!
風間は3年生で、通称は鳴神学園の貴公子、ノゾムンとのこと。
キムは男子だけれど特別にノゾムンと呼ばせてやっていいぜ
- 呼びたいです
- 別にどっちでも
- お断りします
- なんでノゾムンなんですか?
そして、風間は、ライスカレーとカレーライスの違いを熱く語りだす。
さあ、ボクの話はこれで終わりだ。勉強になったね
- あのう、怖い話をしていませんが?
- これって、七不思議の集会ですよね?
- ありがとうございました
- 本当にこれで終わりなんですか?
今日はずいぶんと賢くなったんじゃないか、坂上君。
- だから、怖い話をしていませんが?
- これって、七不思議の集会ですよね?
- ありがとうございました
- あのう、ちょっといいですか?
知ってるか~い
- だから、怖い話をしていませんが?
- これって、七不思議の集会ですよね?
- ありがとうございました
- あのう、ちょっといいですか?
あのねえ、これ以上ボクの話を聞きたいのであればそれ相応の報酬というものを頂かないとね、あはぁ~ん?
- 報酬はグーパンでいいっすか?
- 報酬はタイキックでいいっすか?
風間が学校から帰る途中、正面を誰かが歩いているのに気付いた。
目の前を歩いているのは、たぶん老婆だろうが、妙なことに下半身しかない。
ゆっくりと進む老婆だが、恐ろしいことに腰から下しか存在しなかった。
風間は思い切って、下半身ババア(風間がネーミングした)の正体を確かめようと歩くスピード上げた。
いよいよ風間が下半身ババアを追い越したとき、眼前の老婆は90度に腰を曲げて歩いていた!
「は?それってただ単純に腰の曲がったおばあさんが、歩いていただけなんじゃないでしょうか・・・」
「ん、そうだよ?ボクの身長と婆さんの腰の角度が丁度良い具合に重ならなければ、発生しない出来事だった」
「はぁ・・・」
「そこはもっと感謝と感激を込めて、驚くべきところだろう?」
「あの、風間さん。もっとマシな、じゃなくて、他のお話はないんでしょうか?」
「キミは一体何を言っているだ。これよりも重要な話なんて、そうそうあるわけないだろう?」
(どうしよう。こんな話、とてもじゃないけど新聞に載せられないよ。こうなったら他の語り部たちに助けを求めるしかない)
- 岩下さんに助けを求める
- 福沢さんに助けを求める
「ねえねぇ風間さん、私はさっきみたいな面白いお話をもっと聞きたいなぁ」
「あはぁん、キミみたいな可愛らしいレディに言われると、ボクはやずさかではない気持ちになってきたよ。仕切り直して、別の話をしようじゃないか。せっかくだからキミに次の話を選んでもらおう」
- さっきの話の続きを聞く→エンディング№168:下半身ババア
- まったく違う話を聞く
心身ともにリフレッシュし、自宅に帰り家の鉄扉を開けると寒々しい冷気が突然風間の肩をなでた。
まるで氷の世界にでもいるような寒々しい空気だった。
風間は驚き、おそるおそる家のリビングに入った。
「まさかクーラーがつけっぱなしだったなんてオチじゃないですよね?」
「な、なんで、キミがそれを知っているんだ!キミはエスパーか?恐ろしいのはそれだけじゃない。」
「あの、世にも恐ろしい出来事って、連休中ずっとクーラーをつけっぱなしで出て行ってしまって、電気代が物凄く高かったなんてことは、ないですよね?」
「くぅ、なんでそこまで知っているんだ!さてはキミはボクのストーカーだ!」
「大変すばらしいお話、ありがとうございました」(これはどう考えても記事にならないだろう。あとで部長に謝っておこう)
エンディング№169:学校であったくだらない話
エンディング数25/656 達成度3%
今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間望を選択!
風間は3年生で、通称は鳴神学園の貴公子、ノゾムンとのこと。
キムは男子だけれど特別にノゾムンと呼ばせてやっていいぜ
- 呼びたいです
- 別にどっちでも
- お断りします
- なんでノゾムンなんですか?
そして、風間は、ライスカレーとカレーライスの違いを熱く語りだす。
さあ、ボクの話はこれで終わりだ。勉強になったね
- あのう、怖い話をしていませんが?
- これって、七不思議の集会ですよね?
- ありがとうございました
- 本当にこれで終わりなんですか?
風間は、ラーメンライスはあるけど、ライスラーメンはないことを説明しだす。
「今日はずいぶんと賢くなったんじゃないか、坂上君」
- だから、怖い話をしていませんが?
- これって、七不思議の集会ですよね?
- ありがとうございました
- あのう、ちょっといいですか?
知ってるか~い
- だから、怖い話をしていませんが?
- これって、七不思議の集会ですよね?
- ありがとうございました
- あのう、ちょっといいですか?
あのねえ、これ以上ボクの話を聞きたいのであればそれ相応の報酬というものを頂かないとね、あはぁ~ん?
- 報酬はグーパンでいいっすか?
- 報酬はタイキックでいいっすか?
風間が学校から帰る途中、正面を誰かが歩いているのに気付いた。
目の前を歩いているのは、たぶん老婆だろうが、妙なことに下半身しかない。
ゆっくりと進む老婆だが、恐ろしいことに腰から下しか存在しなかった。
風間は思い切って、下半身ババア(風間がネーミングした)の正体を確かめようと歩くスピード上げた。
いよいよ風間が下半身ババアを追い越したとき、眼前の老婆は90度に腰を曲げて歩いていた!
「は?それってただ単純に腰の曲がったおばあさんが、歩いていただけなんじゃないでしょうか・・・」
「ん、そうだよ?ボクの身長と婆さんの腰の角度が丁度良い具合に重ならなければ、発生しない出来事だった」
「はぁ・・・」
「そこはもっと感謝と感激を込めて、驚くべきところだろう?」
「あの、風間さん。もっとマシな、じゃなくて、他のお話はないんでしょうか?」
「キミは一体何を言っているだ。これよりも重要な話なんて、そうそうあるわけないだろう?」
(どうしよう。こんな話、とてもじゃないけど新聞に載せられないよ。こうなったら他の語り部たちに助けを求めるしかない)
- 岩下さんに助けを求める
- 福沢さんに助けを求める
「ねえ風間君、そんなくだらない話をしてないで、彼にもっとマシな怪談を提供してあげたらどうかしら」
「おや、岩下さんはボクの素晴らしい話が不満だったのかい?」
「ええ、もちろん。それに彼は学校の七不思議を記事にするためにここにいるのよ。それが腰の曲がったおばあさんの話を記事にして、七不思議になると思っているのかしら?」
「はぁ、わかったよ。仕切り直して、別の話をしようじゃないか。せっかくだからキミに次の話を選んでもらおう。そうだね。さっきの話の続きと、まったく違う別の話、どっちが聞きたいかい?」
- さっきの話の続きを聞く
- まったく違う話を聞く
90度より腰の曲がったおばあさんが、蛇のように風間を睨みつけていた。
「ワシを抜く奴は、誰であっても、許さないよぉ!」
そしておばあさんが叫ぶと、枯れ木みたいだった足腰がまるでボディビルダーのように大きくなった。やせ細った上半身に比べて、酷いアンバランスだった。
「あひゃひゃひゃ、ワシを抜けるもんなら抜いてみなぁ!」
おばあさんは風のように走り出した。
「あひゃひゃひゃ」
奇声を上げながら、レーシングカーのように爆走していた。
隣の道路を走る乗用車も抜き去って、おばあさんは数秒で消え去ってしまった。あれは時速60キロぐらいは出てたんじゃないかな。
「凄いだろ。あのおばあさんはきっと元オリンピック代表選手か何かだったんだろうな」
「いきなり足が太くなって、車より速く走りだすなんて、どう見ても人間じゃないですよ!」
「きっとアレはボクに追い越されて、少し昔の血がだぎってしまったんだよ。なかなかハッスルなおばあさんじゃないか」
坂上は、時間のムダなのでこれ以上追及することは止めた。
エンディング№168:下半身ババア
エンディング数 24/656 達成度3%
イラスト数 13/272 達成度4%

今日ののゲームブックのネバーランンドのリンゴはどうかな?
ティルトは、礼を言ってベファーナの庵を出た。
- 東へ行く
- 西へ行く
ティルトは東西に続く街道にいる。北には浜辺、南には森が続いている。
ふと見ると、道端にうずら豆ぐらいの大きさなの青い卵が落ちている。
何の卵かはわからないが、持っていくなら所持品欄に追加する。
- 東へ行く
- 西へ行く
体力ポイント | ||
ティルト①の初期値 | 17 | |
ティルト②の初期値 | 18 | |
ティルト③の初期値 | 22 | |
戦力ポイント | ||
初期値 | 0 | |
武器 | 武器ポイント | |
剣① | 1 | |
経験ポイント | 5 | |
金貨 | 23 | |
所持品 | ||
食料1食分 | ||
青い卵 | ||
キーナンバー | ||
3 | 140 |
今日のFINAL FANTASY XI ヴァナ・ディールコレクション4はどうかな?
ゴブリンの不思議箱で、スペシャルダイヤルを使って、闇の脚部・忍をゲット。
ガレーキッチンから、温野菜のスープをゲット。
西アドゥリンのビッグブリッジへの通りにいるベルゲントに話しかけると、かつて一度だけ口にした果実水の味が忘れられないとのことで、見た目はボコボコした緑色の果実の情報があれば教えてほしい、と言われて、クエスト:幻の果実水開始!
西アドゥリンのパイオニア・ワークスにいるレヴィルに話しかけると、森に異変が起きて起きており、リフキン族との信頼を得るために、今まで誰も成功したことがないリフキン族の女王と接触するように依頼されて、ミッション:リフキンを統べるもの開始!
マッマーズ・ワークスにいるMasadに話しかけるとテオドールが現れる。なんとテオドールは、ベルゲントが言っていた果実水を飲んでいる。
ヴァナ日付変更を挟んで、再度Masadに話しかけるとテオドールが現れる。
リフキン族の女王に会いたいと告げると、森を開拓していくと森の守護者である七支公との衝突は避けられない、と言われる。
テオドールは昔話をしてくれる。
初代王は仲間と共に森へと分け入り、敵を倒して従えて行った。
その時最も激しく抵抗したのが、今では土地の守護者になっているモンスターの王たちで、彼らは倒された後に初代王に忠誠を誓った。それが七支公だ。
モンスターたちを従え、森の奥深くへ分け入った初代王だが、結局は諦めた。
初代王は死ぬ間際に遺言として「ウルプカには立ち入るなかれ」と言い残した。
これが、王の古の盟約と呼ばれるものだ。
今でも七支公とリフリン族も、この契約に縛られている。
だから、人間が森に入ることを良しとしないのだ。彼らにとっても王との誓いは絶対なのだ。
それを覆せるのは初代王か、王の遺志を継ぐ者として認められた者だけ。
初代王が残した願いは、子孫に託した剣に今も刻まれている。
アドゥリンの歴史において、ウルプカの大地に分け入ったのは2回だけ。初代王の時代と、大遠征の時代だ。
代々のアドゥリン王は初代王の残した古の盟約を尊重していて、新しい王が即位する時は必ず初代王の遺剣を掲げて、盟約を守る誓いを立てた。
だが、今やアドゥリン家は十二名家の一つでしかなく、現当主のユグナスは、その位を継ぐときに歴代の当主のようにはせず、遺剣を手放し、ウルプカの開拓始めることを宣言した。
王の遺剣は、ユグナスが即位したときに、もっとも近しい人物が譲り受けており、主人公はすでに見たことがある、と言われる。
王の遺剣とは、アシェラが持っていた剣だった!
ミッションクリア!
モグガーデンへ。
畑(ランク7)で、謎の香草の種→炎のクリスタル、土のクリスタル、水のクリスタル、光のクリスタル、闇のクリスタル、キングトリュフ、カザムがらし、ローレル、ブラックペッパー、バニラをゲット。
木立(ランク7)で、土のクリスタル、ナパ、たまごナス、ヤグードチェリー、パママ、胡桃、フィクリカ、ウルフカパームの実、サルタ綿花、ウォルナット原木、エボニー原木、ドックウッド原木、謎の樹木の挿木、マージョラム、ウルンダイ原木、赤麻、ガタンプ原木をゲット。
鉱脈(ランク7)で、水のクリスタル、土のクリスタル、銅鉱、黒鉄鉱、クロマ鉄鉱、金鉱、オリハルコン鉱、フリギアゴールド鉱、陸ガニの甲殻、海亀の甲羅、甲虫のアゴ、大サソリの甲殻、火成岩、龍骨、鎧竜の槌、ヴォエイソード-1をゲット!
池(ランク7)で、堀ブナ、カッパーフロッグ、エルシモニュート、ブラックゴースト、ヤユンパルウ、ヨルシアナイフをゲット。
海(ランク7)で、ゼブライール、バストアプリーム、ギガントスキッド、ベッフェルマリーン、ググリュートゥーナ、シャル貝、コモンオクトパス、龍魚をゲット。
漂着物から、金剛亀の甲羅、巨大な大腿骨、1バイン紙幣、木綿糸、マナキンボディをゲット。
春石をゲット→ゴブリンの不思議箱で、スペシャルダイヤルを使って、ケルベロスなめし革をゲット。
飼育場(ランク7)へ。
エラスモス☆3から、ルスゾルの肉、オロボンの肉をゲット。
餌に野兎の肉を与える。
青ワイバーン☆3から、妖精のリンゴ、アムルタートのつるをゲット。
餌にモコ草を与えて、つついてお世話する。
コリガン☆1から、マンドラゴラの双葉、サルタ綿花、コリガンの思い出をゲット。
チビテンダー☆3から、謎の野菜の種、謎の野草の種をゲット。
つついてお世話して、バードックを与えると、体をもぞもぞさせている。

今日のNever 7 - The End of Infinityはどうかな?
遥と月浜でチリチリ
堤防を登った途端、目の前に広がった風景は別天地を思わせた。
茜色の空が、今にも滴り落ちそうな程に深く濃くうるおって見える。
弓なりにのびた砂浜は、ビロードのごとき光沢を帯びてなめらかだ。
「ここが月浜かぁ」とオレが言うと
「ね、登って正解だったでしょう」と優夏が得意げに言った。
商店街へと至る途中、道の左側にあったこの堤防に最初に登ろうと提案したのは優夏だった。
- 「ああ、確かにな」
- 「そうかな~」
堤防の上から下の砂地までは、オレの身の丈の3分の2程度の高さがあったが、優夏は軽々と砂地に降り立った。
オレと億彦もそれに続く。
が、その時、背後に鈍い音を聞いて、とっさにオレは振り向いた。
見ると、オレのすぐ後ろの砂地に、遥が尻餅をついている。どうやら着地に失敗して、転んだようだ。
オレは慌てて、遥の脇に手をまわして彼女を抱き起した。
「大丈夫か?」とオレが尋ねると、遥は頷いてみせた。
・・・・
見ると、一人残された遥が堤防の上にぽつんと佇んでいる。
(え?今、オレは遥を抱き起した筈だ。なのに、どうして遥は堤防の上に立っているんだ?)
こめかみがチリチリと熱くうずいた。
そうこうしているうちに遥は、ゆっくりとその体を折り曲げた。膝を丸め、両手を堤防の縁に添えたその姿勢から、彼女の次の行動を予想することはたやすいことだった。
「遥」とオレが声を掛けるよりもまえに、彼女は宙を舞っていた。
・・・遥はバランスを崩し、砂地の上に尻餅をついた。
(この光景は、ついさっき、確かに・・・)
オレは反射的に、遥の脇に手を添え、彼女を抱き起していた。
「大丈夫か?」
遥は頷きながら、瞳には恥じらいの色を浮かべていた。
遥は動揺を押し隠すかのように、足早のオレの脇をすり抜けて行った。
オレは茫然とその場に立ち尽くしていた。
デジャヴ(既視感)?違う・・・
ある現象が起こった後に、それをあたかも以前経験したことがあるかのごとく錯覚してしまうのがデジャヴだ。
これはそういった類のものでは決してない。
オレは確かに、遥が転ぶ姿を見たんだ。遥を抱き起す前に、遥を抱き起す光景を見たんだ。
ふと見上げれば、西の天空が赤黒く燃えていた。
今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井を選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢を選択→シナリオ:彼と彼女の秘密→福沢エンディング№23~28
1人目:岩下エンディング№02:二人だけの世界
→2人目:新堂エンディング№03:六本の右足
→3人目:風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
→4人目:細田エンディング№01:イラつく奴
→5人目:荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
→6人目:福沢エンディング№23:彼女は悪魔だった
→7人目のシナリオ包帯の女→特殊七話目№38・39を見る
3週目開始!
1人目は新堂誠を選択→シナリオ:痛みを感じない男→新堂エンディング№11~15
2人目は荒井昭二を選択→シナリオ:呪いのヒトガタ→荒井エンディング№14・15
3人目は、風間望を選択→シナリオ:呪いのコッペッパン→風間エンディング№4・5
4人目は福沢玲子を選択!
福沢玲子は1年G組の生徒。
「突然だけど、坂上君って宗教はなんなの?」
- 親と一緒
- あまり人に言いたくない→シナリオ:彼と彼女の秘密
- 無神論者→岩下の話を聞いている場合はシナリオ:愛と友情の狭間
- 違う話を聞きたい
シナリオ:追いかけてヒトシくん
この学園にはヒトシ君って可愛い名前の妖怪がいる。
ヒトシ君は授業が終わった放課後、廊下に薄暗く夕日が差し込んできた時間に出没する。
何気なく廊下を歩いていると「待ってよぉ、待ってよぉ」と、いかにも切実そうな声とともに、その小さな妖怪は現れる。
ヒトシ君はいつも何か追いかけているが、結局何を追いかけているのかはわからない。
「待ってよぉ、待ってよぉ」
その時、決して言ってはいけない言葉がある。
「ヒトシくんを待ってあげて!」
この言葉を言った人は、ヒトシ君に守護霊様を食べられて、不幸になってしまうそうだ。
ヒトシ君の話は、OLをしている福沢の姉から聞いたそうだ。
福沢の姉はここの卒業生で、現役の時からヒトシ君の噂は広まっていた。
姉とすごく仲が良かった友達の霧島が、ヒトシ君に会った。
霧島は、怖い話にもそれなり興味がある人だった。
「坂上君って、ホラーが好きな子とか興味がある?」
「へえ、興味あるんだ。霧島さんも喜んでくれてると思うよ。でも、残念なことに、その時にはもう彼氏がいたんだよね」
霧島の彼氏は西尾といって、いつも二人は一緒にいて、クラスでは有名なカップルだった。
ある時、二人の間でヒトシ君の話題になったが、西尾は、霊とか妖怪とかの類は信じない人で、鼻で笑い飛ばした。
「でも、一度会ってみたいな。
西尾君だって、河童や宇宙人に会えたらいいなって、思ったことない?」
「ガキの頃はな。でもよー、もうそんな歳じゃねえし」
「もしもの話だよ。
本当にヒトシ君に会えたとしたら、どうする?」
「ちょっとからかってみてぇな。本物のガキだったら大人げないけど、妖怪だったら全然かまわないだろ」
「なるほどね。小学生くらいの男の子を見ると、ちょっといじめたくなるっていうか」
西尾は運動部に入っており、部活がある日は霧島は放課後は図書室で時間を潰して、部活が終わった西尾が迎えに来て、一緒に帰っていた。
ある日の放課後、部活の終わった西尾と、霧島は一緒に図書館を出て、薄暗い廊下を歩いていた。
「ヒトシ君、出るなら今くらいの時間だね」
そんなことを話しながら、二人が昇降口へ進むと、「待ってよぉ、待ってよぉ」と、唐突な声が聞こえて来た。
二人はいっせーので振り返ると、小さな男の子の姿を見つけた。
「ヒトシ君だ・・・
どうする?」
「そういや、言っちゃいけない言葉があるんじゃなかったか?」
「それを言うと、守護霊様を食べられて、不幸になっちゃうんだってさ」
二人は『ヒトシ君を待ってあげて』という言葉を口にしなれけば無害なんだ、と思ったらリラックスできた。
「待ってよぉ、待ってよぉ」
ヒトシ君は繰り返し言いながら、ゆっくりと二人の側を通り抜けていく。
「西尾君って、ヒトシ君を見たら、からかってやりたい、って言ってたよね」
「いっちょやってやるか!妖怪をからかうなんて、この世で俺くらいのもんだ」
西尾はニヤニヤ笑いながらヒトシ君の隣に並んで言った。
「父ちゃんと母ちゃんはどうした?」
ヒトシ君は西尾の方を振り返ったが、これといった反応を見せないで、歩き続けた。
「ひょっとして捨て子の霊なのかな?あはは、可愛そうね」
霧島も参加して、意地悪なことを言いだした。
ヒトシ君が答えないので、二人はだんだん腹が立ってきた。
「無視すんじゃねーぞ!
こんなとこぶらついてないで、さっさと帰んな!」
「本当に守護霊を食べちゃうような力があるの?
こんなにちっこい体なんだもん」
「けっ、妖怪なんざ怖くねえぞ!」
「私だって怖くないよ!」
「うるさい・・・」
ボソっとヒトシ君が口にした。
「なんだって?」
「うっせーって、言ってるんだよ!」
次の瞬間、霧島は温かいシャワーを浴びた。
目の前が真っ赤に染まった。シャワーの蛇口は、西尾の首の断面・・・
ゴトリと恋人の首が足元に落ちると、悲鳴を上げた霧島は魂が抜けたように血の池にへたり込んだ。
「ワシをバカにするなんて・・・」
そう言って、ヒトシ君を霧島に向き直った。
翌日、二人の首なし死体が廊下で見つかった。そこら中が血だらけで、ものすごい騒ぎになった。
最初は変質者の仕業だと考えられていたが、そのすぐ後に両手に男女の首を持ったヒトシ君が目撃された。
その時のヒトシ君の表情が印象的だったそうだ。子供らしい邪悪さっていうか、人間を殺すのなんてどうも思ってないというような・・・
「そういうわけで、ヒトシ君に会ったら、絶対に馬鹿にしちゃいけないの。
いくら子供でも恐ろしい妖怪だからね」
福沢エンディング№14:間違った解釈
CGギャラリー 33/124(70:首を切られて)

今日のゼノブレイドクロス ディフィニティブエディションはどうかな?
ロスコルと知り合いになった!
ハワード、シスカがキズナグラムに登録された。
総合生産プラントを発見!
サリバンと知り合いになった!
工業エリアにいるプラント開発者に、ミラニウム1200mgを渡して、シンプルクエスト:ミラニウム提供をクリアして、経験値10、報酬金1500、安売りTトップ橙をゲット!
ライザと知り合いになった!
工業エリアにいるプラント開発者に、ミラニウム700mgを渡して、シンプルクエスト:ミラニウム提供をクリアして、経験値10、報酬金1500、HPMAXアップⅡをゲット!
ダイナーを発見!
フライと知り合いになった!
商業エリアを発見!
ボゼ・ロウズと知り合いになった!
インフォメーション:黒鋼の大陸のトレジャー情報をゲット。
プレイアワード:ストーリー
ビット情報
グレイアムと知り合いになった!
インフォメーション:原初の荒野のトレジャー情報をゲット。
商業エリアにいるラッテに話しかけて、壊してしまったエスプレッソマシンを直すために超耐熱ステンレス配管を持って来てほしい、と言われて、ノーマルクエスト:破壊魔バリスタ開始!
小型コンテナから、経験値100、10000G、限定スイムボディ、限定スイムリストR、限定スイムリストLをゲット!
セグメントトピック解決。
コレペディアを埋めていく。
プレイアワード:ワールド
初パネルセット
初ラッキーパネル
原初の荒野へ。
ワルドチェリー、トランスライト、ドカタンポポ、超耐熱ステンレス配管をゲット。
ナイト・ウスペルを倒して、チタンエスクド旧、ハリのある皮、ウスペルの八重歯、ウスペルの姿焼き、黒い霧クズ、ウスペルの髪留めをゲット!
主人公が、ビームガードを習得!
リンが、アイアンプリズンを習得!
モビーストリート西を発見!
シャルロット、ジム、マクシム、ジェローム、ポーレン、パウエル、カミラと知り合いになった!
プレイアワード:ワールド
キズナグラム町長
インフォメーション:NLAで、クエスト情報をゲット。
ラッテに、超耐熱ステンレス配管X3を渡して、ラッテを励ます。
ラッテがお礼に1杯作ってあげると言って店に戻るが、突然、悲鳴をあげてどこかへいってしまう。
店のオーナーのベルガモットから、ラッテがまたお店を壊してどこかへ行ってしまった、と聞かされる。
ガスと知り合いになった!
クインシーがキズナグラムに登録された。
住宅エリアを発見!
トレイラーから、経験値150、20000G、限定アクアマスク、限定ダイヴパンツ、採掘プローブG2をゲット!
教会を発見!
ケイリー、レトリック、アリス、イライザ、フレジィと知り合いになった!
浄水場を発見!
アジョア、イアン、ロージー、HB、クエンティン、エイダ、オルネラ、ヒメリ・アランジと知り合いになった!
プレイアワード:ワールド
なるほどなるほど
教会で懺悔をしているラッテを発見。
アイスラテを作ろうとして、氷を取り出す際に冷蔵庫を壊したとのこと。
ラッテから、冷蔵庫の修理に必要なL-002燃料タンクを取ってきてほしい、と頼まれる。
マーカス、ジョットと知り合いになった!
ユニオンストリートを発見!
原初の荒野へ。
クランジェリー、L-002燃料タンクをゲット。
ヤング・ルプスを倒して、白い正反射鏡、ルプスのギザギザ尻尾をゲット。
クランジェリーX4を集めて、シンプルクエスト:クランジェリーの活用をクリアして、インナー経験値10、報酬金1500、安売りTトップ黒をゲット!
プレイアワード:ストーリー
情報屋
ラッテにL-002燃料タンクX2を渡す。
ラッテは、ベルガモットに謝罪するため携帯端末を掛けようとするが、壊してしまう・・・
主人公が端末を貸そうか、と声を掛けると、ベルガモットがラッテを連れ戻しにやってくる。
ベルガモットは、ラッテが破壊魔であることは今更だし、バリスタとしてのラッテの腕を買っていると話す。
クエストクリアして、インナー経験値110、報酬金5000、安売りハートグラスをゲット!
セグメントトピック解決。
プレイアワード:バトル
ブレイド二等兵

今日のFANTASIAN(ファンタジアン) Neo Dimensionはどうかな?
右舷デッキへの扉前で、船員から操舵室と連絡が取れなくなった、と言われる。
右舷デッキへ。
メカ・ピラニアラから、死械のコアを盗んだ。
シャルルは、ビブラ王家を代々護ってきた騎士の魂の加護が付いているので、思ってたより強い!
メカ・ブルカから、プロテインを盗んだ。プロテインをゲット。
セーブポイントを発見!
船首通路へ。
宝箱から、ポーションSX3をゲット。
船長室へ。
プロテインX3をゲット。
船首デッキへ。
エーテルS、不死鳥の羽をゲット。
操舵室へ。
船長から、右舷デッキ後方で何かがあって船が砂海に引きづりこまれそうになっているので、様子を見に行ってほしい、と言われる。
落雷のかけら、リサーチレンズX3をゲット。
宝箱から、不死鳥の羽をゲット。
セーブポイントを発見!
今日のFINAL FANTASY XI ヴァナ・ディールコレクション4はどうかな?
ゴブリンの不思議箱で、スペシャルダイヤルを使って、萎れた鋏脚をゲット。
東アドゥリンのアドゥリン城門前にいるPloh Trishbahkに、ヴァナ時間15~21時に話しかけて、晩餐会へ参加する。
神聖アドゥリン同盟は、ここ10年で人口が急激に増えており、遠からず食糧不足により滅びる運命にあった。
そこで、初代王の子孫であるユグナスが発起人となって、初代王の遺志である「ウルプカの地に立ち入るべからず!」といういにしえの法を犯してまでウルプカの開拓を進めているのだが、十二会の中でも意見が割れていた。
今回の晩餐会にはユグナスが病欠しており、ユグナスの下男に病状を尋ねたところ何かを隠しているようだ。
ユグナスの代理で妹のアシェラ・V・アドゥリンが晩餐会に出席しており、彼女は開拓には慎重のようだが、森に入っている姿が目撃されている。
そう、この前、森の中であった剣の乙女アシェラは、ユグナスの妹だったのだ。
ミッション:十二会及び再会クリア。
モグガーデンへ。
畑(ランク7)で、謎の香草の種+闇のクリスタル→炎のクリスタル、風のクリスタル、土のクリスタル、水のクリスタル、闇の塊、カザムがらし、ローレル、ブラックペッパー、ホーリーバジル、バニラ、サフランの花をゲット。
木立(ランク7)で、氷のクリスタル、土のクリスタル、胡桃、ドックウッド原木、木霊の根、パインナッツ、ウルンダイ原木、森の挿木をゲット。
森の挿木を使って、ペルシコス、ロランベリー、胡桃、ロンフォールマロン、エルム原木、メープル原木、ウォルナット原木、チェスナット原木、ホワイトオーク原木、マホガニー原木、エボニー原木、ヘンルーダ、ラッカー原木、ウルンダイ原木をゲット。
鉱脈(ランク7)で、風のクリスタル、雷のクリスタル、石つぶて、鉄鉱、銀鉱、白金鉱、オリハルコン鉱、フリギアゴールド鉱、大サソリの甲殻、大サソリの爪、ウーツ鉱、アントリオンの大顎、スナッピングモール、鍮石、ヴェルクマスク、チタン鉱をゲット。
池(ランク7)で、ブラックイール、オオナマズ、カッパーフロッグ、ブラスローチ、ドワーフプギル、錆びたバケツをゲット!
海(ランク7)で、グリモナイト、ゼブライール、バストアプリーム、ティタニクティス、ググリュートゥーナ、キュス、コモンオクトパス、錆びたバケツをゲット!
漂着物から、エーテル、アンブリルオイル、ハイポーション、マネキンハンズ、アローウッド原木、ドックウッド原木、スーパーエーテル+2、モラモラ、アップルパイ、アンブロシア、海老灯篭船、アルタナフスルム、ユデイモンソード、マネキンヘッド、フレアをゲット。
飼育場(ランク7)へ。
エラスモス☆3から、ルスゾルの牙、オロボンの肉をゲット。
餌に野兎の肉を与える。
青ワイバーン☆3から、アムルタートのつる、モルボルのつるをゲット。
餌にモコ草を与えて、つついてお世話する。
コリガン☆1から、モコ草、マンドラゴラの双葉をゲット。
チビテンダー☆2から、謎の野菜の種、砂金、黒土、チビテンダーの思い出をゲット。
餌に蒸留水を与えて、つついてお世話する。
☆3に成長して、謎の野菜の種をゲット。
つついてお世話して、バードックを与えると、体をもぞもぞさせている。
今日の探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.1 仮面幻想殺人事件はどうかな?
場所移動→事務所
伊綱「先生、まだ帰って来てない!
とりあえず、さっき預かったメモリカードで、さっそくゲームをプレイをプレイしてみましょう」
プレイする→タクリマクス
伊綱「先生の部屋からゲーム機を持ってきました。ネット回線も繋ぐんですよね?」
生王「そうそう、オンラインゲームだからね。
っと、これで入れるはず。えい、ログイン!」
伊綱「へえ、これがタクリマクスですか。見た感じは普通のRPGっぽいですね」
生王「友達リストを開いてみよう。
ええと、文字色が明るいのが、今オンライン・・・つまり、ゲームをプレイしている人ってことだな」
伊綱「リストにみにさんが入っていますね。でも、今はオフラインか。
アイビスって萌奈さんを発見した時にいた人ですよね。ある意味目撃者かも知れないんで話を聞きたいんですけど、オフラインみたいですね」
チゼル>久しぶり。
伊綱「わっ、通信が入ってきました」
生王「ヴィオレがもう亡き人であることは知らないみたいだね」
伊綱「事実を隠してうまく話を聞き出してくださいね」
話す
チゼル>珍しいね、こんな昼間にw
ヴィオレ>こんにちは、チゼルさん
チゼル>どしたの、改まってw
ヴィオレ>実は私、ヴィオレの友人なんです
チゼル>本人じゃないの?
ヴィオ、何かあったの?
ヴィオレ>実はここ数日行方不明で・・・このゲームに何かヒントがあるんじゃないかと・・・
チゼル>それってもしかして!
待って、そっち行くから!
伊綱「あっ、誰か現れましたよ」
生王「転送してきたんだ。?2人いるぞ。チゼルともけぴ?」
話す
チゼル>お待たせ、詳しい人を連れて来た
もけぴ>こんちわ!ヴィオさん、いなくなっちゃったの?
ヴィオレ>すいません、わざわざ
チゼル>いや、あんなこと言ってた後に急に来なくなっちゃってちょっと心配してたんだよ
話す→ヴィオレ
ヴィオレ>あんなこと?
もけぴ>前にみにって名前の子に会ったんだけど、その子雪ダルマのカッコしてさ
チゼル>それをヴィオがやけに気に入ったみたいで、どうやって手に入れたのかしきりに聞いてた
伊綱「雪ダルマ?笠見さん、スノーマンに逢ったんでしょうか?」
もけぴ>なんだかすごく執着してたよ、その雪ダルマに
話す→アイビス
ヴィオレ>アイビスさんって知りませんか?ヴィオレが一番多く会っていた人みたいなんですけど
チゼル>ごめん、知ってるけどあんま関わりたくないから
もけぴ>うん、その人のことは聞かないでほしい
チゼル>ヴィオレも何かと付きまとわれて迷惑してたみたいだよ
話す→ウワサ
チゼル>タクマクやると死ぬとかどうとかってやつだっけ?
もけぴ>あんま気にしてないや
話す>ヴィオレ
もけぴ>でも、みにさんは絶対秘密だって言ってた。
でも、それできっかけに2人は仲良くなってったようで、個人的にもメールとかするようになったみたいだったよ。
そしたら、10日前くらい前だったかな?ヴィオさん、突然、「スノーマンに会ってくる」って言って、それっきり、ぱったり・・・
ヴィオレ>それって正確に何日のことだかわかりますか?
もけぴ>ええっと、日曜日だったから23日かな?
伊綱「会社を無断欠勤した前日ですね」
もけぴ>その後、スノーマンって敵が雪ダルマを出すって話を聞いて、ヴィオさんが雪ダルマを探しに行ったのかってわかったんだ
話す→ヴィオレ
チゼル>でも、スノーマンってアイスバーグに出るって話じゃん?そこに行くには舟が必要なんだけど、うちらの周りに舟を持ってる人いないから、どうやって行ったのかな?
話す→ヴィオレ
もけぴ>まあ、もしかすると固執したのは雪ダルマじゃなくて、みにさん本人だったのかも
ヴィオレ>わざわざありがとうございます!
チゼル>うい
もけぴ>それじゃあヴィオさんに会ったらよろしく
伊綱「雪ダルマってスノーマンって言いますよね?
スノーマンに逢いに行くって言葉・・・雪ダルマの姿をしていたみにさんの本体、つまり笠見さん本人に逢いに行く、というようにも取れませんか?」
生王「本人同士はメール友達らしいし、照れくさくてそういう言い方をしたのかもしれないな」
伊綱「でも、そんなことまで萌奈さんにメール送ります?」
生王「いや、あのメールは元々村崎さん本人が送ったかどうかわからない」
伊綱「そっか、じゃあ、そのことを逢いに行くと知っている人が?」
生王「タクリマクスの中の誰かが、メールを送って村崎さんを陥れた?」
伊綱「あっ、ヴィオレ宛に通信が入ってます!アイビスって人からですよ」
アイビス>あんた、誰?
あんまコソコソ嗅ぎ回ってると、あんた死ぬよ?
伊綱「アイビスは村崎さんが死んでることを知っているんでしょうか?」
生王「もしかしたら、僕らの知ってる誰かが?」
今日の星影の館殺人事件はどうかな?
移動→山を登る
アナタ「歩き始めてまだ15分も経っていないというのに、ふくらはぎがつってしまいそうだ。
山守邸は影も形も見えない。
・・・心なしか冷えてきた。高い場所ほど気圧が下がるというがこんなに早く感じるのか」
***「・・・た・・・」
アナタ「風の音かな?」
***「・・・す・・・け・・・て・・・」
アナタ「これは人の声だ。
どうやら僕に助けを求めているようだ」
アナタ(遭難者か?)
***「た ス け テ」
- 返事をする→時間がかかりすぎてGAME OVER
- 答えない
目的地に着いてから人を連れてくるのが無難だ。変に期待させるのも悪い。ここは返事をせずに立ち去ろう)
移動する
- 山を下りる→助手に助けを呼ぶ声が聞こえたと話すと、助手は「山の気は人を惑わせます。声の正体はわかりませんが、不用意に答えないのがよろしいかと存じます」と言った。
- 山を登る
今日の星影の館殺人事件はどうかな?
移動→佐比山
アナタ「この獣道が佐比山の入り口だ」
助手「道なりに30分も登れは山守邸に着くと灯様がおっしゃってましたね」
何か奇妙な音が聞こえてくる。
アナタ「頭が痛い・・
はぁ、はぁ、治まった。
山に1歩踏み入れた途端、謎の頭痛と動悸が・・・」
助手「先生、ひどいめまいが・・・」
アナタ「今の一瞬で一体何が起こったというのだ。まるで誰かに頭を締め付けたられたような・・・」
助手「先生、頭が痛い・・・」
アナタ「どうやら僕よりも重症らしい。そこの木陰で休ませてやろう」
助手「いえ、一度山から出して・・・」
アナタ「わかった、しっかりするんだ!」
アナタ「まだ気分が悪いか?水でも汲んで来ようか」
助手「先生は、もう平気なんですか?」
アナタ「ああ、頭痛はもう治まったよ。原因はおそらく、この山の気に当てられたということか。どうやら我々の侵入を拒んでいるらしい。
お前はしばらくここにいなさい」
助手「わかりました。気分が良くなったら後を追いますわ」
アナタ「いいや、お前は来なくていい。お前を連れて行くのは危険だと判断した。
それにそんな状態ではあの灯君を一層不安な気持ちにさせてしまう」
助手「先生をこんな山に一人で行かせるわけには・・・」
アナタ「一人の方が身軽でいい。
これで大好きな温泉にでも浸かっておけ。今度は一番安い宿を選べよ」
助手「先生のお役に立てないのですか」
アナタ「今度ばかりは仕方がない。何かあればこちらから連絡する」
助手「どうか、お気を付けて」
今日のファイナルファンタジーII ピクセルリマスタードはどうかな?
ソルジャーを倒して、毒消し、にんにく、ポーションをゲット。
バンパイアソーンを倒して、目薬をゲット。
サラマンドの町の南西にあるセミテの滝へ。
B1の宝箱から、200G、400Gをゲット。
B2の宝箱から、目薬、ハイポーション、ポーションをゲット。
左端の部屋からB3へ。
宝箱から、200G、250Gをゲット。
採掘現場でポールに話しかけて、ヨーゼフの娘のネリーと奴隷たちを救出!
B4へ。
宝箱から、ファイアの本をゲットして、フリオニールに習得させる!
実績:小金持ち、伝説の戦士をゲット!
B5へ。
宝箱を開けて、ランドタートルとバトルして、テレポの本をゲット→マリアに習得させる!
サージェントとバトル!
実績:魔物図鑑・基礎知識編をゲット!
宝箱から、ミスリルをゲット。
今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井を選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢を選択→シナリオ:彼と彼女の秘密→福沢エンディング№23~28
1人目:岩下エンディング№02:二人だけの世界
→2人目:新堂エンディング№03:六本の右足
→3人目:風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
→4人目:細田エンディング№01:イラつく奴
→5人目:荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
→6人目:福沢エンディング№23:彼女は悪魔だった
→7人目のシナリオ包帯の女→特殊七話目№38・39を見る
3週目開始!
1人目は新堂誠を選択→シナリオ:痛みを感じない男→新堂エンディング№11~15
2人目は荒井昭二を選択→シナリオ:呪いのヒトガタ→荒井エンディング№14・15
3人目は、風間望を選択→シナリオ:呪いのコッペッパン→風間エンディング№4・5
4人目は福沢玲子を選択!
福沢玲子は1年G組の生徒。
「突然だけど、坂上君って宗教はなんなの?」
- 親と一緒
- あまり人に言いたくない→シナリオ:彼と彼女の秘密
- 無神論者→岩下の話を聞いている場合はシナリオ:愛と友情の狭間
- 違う話を聞きたい
シナリオ:追いかけてヒトシくん
この学園にはヒトシ君って可愛い名前の妖怪がいる。
ヒトシ君は授業が終わった放課後、廊下に薄暗く夕日が差し込んできた時間に出没する。
何気なく廊下を歩いていると「待ってよぉ、待ってよぉ」と、いかにも切実そうな声とともに、その小さな妖怪は現れる。
ヒトシ君はいつも何か追いかけているが、結局何を追いかけているのかはわからない。
「待ってよぉ、待ってよぉ」
その時、決して言ってはいけない言葉がある。
「ヒトシくんを待ってあげて!」
この言葉を言った人は、ヒトシ君に守護霊様を食べられて、不幸になってしまうそうだ。
ヒトシ君の話は、OLをしている福沢の姉から聞いたそうだ。
福沢の姉はここの卒業生で、現役の時からヒトシ君の噂は広まっていた。
姉とすごく仲が良かった友達の霧島が、ヒトシ君に会った。
霧島は、怖い話にもそれなり興味がある人だった。
「坂上君って、ホラーが好きな子とか興味がある?」
- 別に興味ない
- 普通
- 興味ある
- どうでもいい
霧島は自分からヒトシ君を見ようとしていた。
なんでも、噂を聞いた聞いたその日から、1日と欠かさず放課後の廊下を歩いてヒトシ君を待ち構えていたそうだ。
ヒトシ君に会いたい、という一心でひたすら待っていた。まあ、見るだけなら身の危険はないだろう、と思っていた節もあった。
「霧島さん、今日も残るの?」
クラスメイトにそう聞かれた霧島は、笑顔で答えた。
「もちろんだよ!今日こそ見つけてやるんだから」
「そう言って、、もうどれくらい経っているのよ」
「大丈夫、世の中努力が報われるようにできてるんだから」
「あーあ、今日もまた会えないのかな」
霧島は呑気なことを言いながら、校舎中を行ったり来たりしていた。
やがて、だいぶ西日が傾くようになって、そろそろ今日も打ち切りかな、とため息をついたちょうどその時だった。
「待ってよぉ、待ってよぉ」
噂通りの声を耳にした霧島は、高鳴る心臓を抑えながら、慎重に背後を振り向いた。
そこには小さな男の子が立っていた。
霧島は、これがヒトシ君に間違いないと直感した。
やっと出会えた、これで苦労が報われる、友達に自慢できる、と霧島は喜びを爆発させた。
ヒトシ君は興奮する霧島にはお構いなしにとぼとぼと歩いている。
霧島は、「ヒトシ君を待ってあげて!」という禁止ワード以外なら、何を言ってもいいと思い、どんな風に声をかけようかと迷った。
そうこうしているうちに、ヒトシ君は廊下の向こうへ歩いて行ったので、霧島はごく自然に「待ってよぉ」と口にした。
するとギョロっとした目でヒトシ君が振り向いた。
霧島は、あまりの怖さに金縛りになってしまった。
そして、ヒトシ君は動けない霧島に向かってゆっくりと近づいて行った。
「お姉ちゃんも僕みたいになりたいんだね?」
そう言って、ヒトシ君は思いっきり飛び掛かって来た。
その翌日、霧島が家に帰っていなくて行方不明になったと学校では大騒ぎになった。
でも、教室には荷物が置かれていて、下駄箱には靴も残っていた。
それで人々は、口々に囁き合った。
「昨日もヒトシ君を探していたんだよね。もしかして、ヒトシ君に殺されちゃったとか」
「それはありえなくない。下手しても不幸になるだけでしょ?」
「そんな妖怪信じてないで、現実的に考えようぜ」
「でも、靴も荷物も置いたままで、絶対普通じゃないだろ」
ああたこうだクラスメイトたちは言い合ったが、結局真実はわかならかった。
それから数日経っても、霧島は発見されなかった。
警察も捜査したが手がかりは全然なかった。
まさに神隠しに遭ったみたいに、忽然と霧島は消えてしまった。
けど、彼女を探すこと諦めない人もした。
霧島のクラスの男子生徒が、連日学校に残っていた。
ヒトシ君が事件の鍵を握っているに違いない、と彼は思い、危険だけど会ってみる価値はある、と考えた。
とにかく、彼は納得できるまで探そうと、根気よく放課後の廊下を歩き回った。
そして、その声が聞こえて来た。
「待ってよぉ、待ってよぉ」
しかし噂に聞く男の声ではなく、女の子の声だった。
彼はおそるおそる振り向いてみたら、予想もしないものを見てしまった。
紛れもなく、霧島だった。正確には、ヒトシ君になってしまった霧島だった。
「待ってよぉ、待ってよぉ」
ボロボロの髪をして、ボロボロの制服を着た彼女は、ひどく悲しい顔をしながらそればかりを繰り返していた。
その男子生徒は、さっさと逃げ出したおかげで難を逃れることができた。
霧島は、ヒトシ君に『待ってよぉ』と言ったせいで、自分も妖怪にされてしまった。
女の子なのにヒトシ君っていうのはおかしいけど、種族としての名前と考えればいい。
その日から、小さな男の子とは別に、女子学生のヒトシ君が現れるっていう、新しい怪談ができた。
「言っちゃいけない言葉は『ヒトシくんを待ってあげて!』と『待ってよぉ』の2つね」
福沢エンディング13:二人目のヒトシ君
CGギャラリー 32/124(69:あたらしいヒトシくん)
シナリオ:最終話:追いかけて修一くん
話を終えた福沢は、坂上に声をかける。
「あ~あ、何だか喋ったら喉乾いてきちゃった。
坂上君、こういう時は、僕が何か買ってきましょうか?って言わなくっちゃ」
「分かりました。買いに行ってきますよ」
福沢が言ったのを皮切りに、他の語り部も坂上に注文をしてきたので、慌てて坂上はメモをとった。
坂上は語り部のみんなに軽くお辞儀をすると、新聞部を出て購買の近くにある自販機に向かった。
部室を出ると、夕闇が迫っていた。
「待ってよぉ」
慌てて振り返ったが、声のした廊下は夕闇に飲まれ、先の方は暗くてよくわからない。
「待ってよぉ」
声と共に誰かが廊下の奥から誰かが近づいてくる気配がする。
廊下の奥から現れたのは、ボロボロの髪をして、ボロボロの制服を着た女子生徒だった。
(彼女が福沢さんが言っていた『ヒトシくん』なのか?)
唖然とする坂上の前を彼女はそのまま通り過ぎていく。
「ま、待ってよぉ!」
思わず口にしてしまったその言葉は、福沢が言っていたヒトシ君に言ってはいけない言葉・・・
「お兄ちゃん」
誰もいないはずの背後から声が聞こえた。
「お兄ちゃんも、僕みたいになりたいんだね?」
(僕はこれから学園の怪異の存在となるのだろう。3人目のヒトシ君として・・・)
最終話追加エンディング02:バッドエンディング 追いかけて修一君