今日の星影の館殺人事件はどうかな?
アナタ「確かに銃を放たれた弾痕が残っているな。
しかし、こっちは血痕も死体もない。誰かが片付けてしまったのか?」
灯「いいえ、コワバミドリは血は流れておりません。死んだ時、その体も残さないのです」
アナタ「生きとし生けるものには命を仕舞っておくための器が必要だろう」
灯「コワバミドリはなんと言いますか・・・」
アナタ(さっきコワバキドリを生き物と言ってたあたり、彼女は知らないのだろう。
血が流れていなければ、死体も残さない。そんな生き物はこの世に存在しないのだ。
と、なれば答えは一つ)
アナタ「それはコワバミドリがただの鳥ではなく、怪異だからだね?」
灯「怪異ですか?」
アナタ「この呼び方に合点がいかないなら、物の怪か妖怪とでも言おうか。
自然科学では説明できないチカラを持つ、奇怪で超常的な存在を指す言葉だ。
彼らは生き物ではないが、我々と同じく霊魂を持つ。
清い霊魂の最上位は我々人間が信仰し崇めている神や仏の類だ。彼らには害はなく、位が上がれば様々な吉事をもたらしてくれる。
しかし、死や病というった不浄に触れた霊魂は穢れに染まり、凶事をもたらすようになる。穢れるほど悪霊としての位が上がっていき、人の手で退治することが難しくなってしまうんだ。古くから鬼や妖怪と呼ばれ恐れられてきたモノたちがそれだ。
わかりやすく言えば、コワバミドリは霊魂の穢れた悪い妖怪というわけだ」
灯「ああそうです。普通の生き物ではないと思っていましたが、まさにやつは妖怪のそれです」
アナタ「しかし、妖怪退治の昔話は数多くあれど、今の時代に狩りで対抗する者がいたとはな。
怪異を退治するには、まずやつらの独自性を理解する必要がある。
例えば、ろくろ首は意識を失った女の首が伸びるという独自性を持つ妖怪だ。意識のある男の首が伸びる場合、これはろくろ首ではなく、見越し入道という。さらに意識が無くとも首が伸びず胴体から離れて浮遊する妖怪は飛頭蛮と呼ばれる。
今あげた3つは似た特徴を持つだけで、まったく別の妖怪だ。
見越し入道は鼬が化けた姿で、ろくろ首は愛した男に殺された女が化けたものだ。
鼬のいたずらと女の恨みでは霊魂の穢れ方が違う。悪霊としての位もね。
すると、当然退治の仕方も変わってくる。
あ、すまない。しゃべりすぎたな。
怪異を狩るという原始的な手法が今も残っていることに僕は大層驚いたという訳だ」
灯「すごい、見てもいないコワバミドリの正体を言い当ててしまうなんて、探偵様は怪異なるものに詳しいのですね」
アナタ「まあ、なんせ視えるものだから」
灯「視えるとは?」
アナタ「普通の人には見えないモノを見るチカラだよ。僕の目はなんとお化けが映るんだ」
灯「お化けですか!」
アナタ「まあ、コワバミドリは普通の人にも見えるようだから、僕のチカラは意味を為さないがね。
それに霊能力なら、助手の方が上だ。まあ、あいつに頼る気はないが」
灯「あの、探偵様。お化けが近くにいても教えてくださらなくても結構ですからね」
アナタ「ああ、わかった」
アナタ(ひとまずコワバミドリに関する情報をまとめておくか)
用語2
コワバミドリ(声喰鳥):人の声を喰らう怪鳥。佐比山にのみ生息する。食ったものの声を模倣して獲物を呼び寄せる。人の腰丈ほどの大きさで、鋭いくちばしを持つ。例の習性から子を呼ぶ親とも呼ばれている。体内に血液が流れておらず、死亡時は死体を残さず消滅する。
アナタ「それで被害者は何の研究をしていたんだ?」
灯「コワバミドリの研究です。兄はやつを全滅させることに人一倍熱を注いでいましたから」
アナタ「なるほど、机の上に鳥類の図鑑が置かれていたのはそのためか」
アナタ(山守聡はコワバミドリ専門の研究家だった)
人物
山守聡:山守家の次男でコワバミドリ専門の研究家。自室で亡くなっているのを朝の8時にすぐに発見された。
ANSWER №05(解決済み)
被害者の職業は?:被害者はコワバミドリ専門の研究家だった。怪鳥を絶滅させることに、人一倍熱を注いでいたらしい。研究用の部屋が隣にあるため、白衣を着ていたようだ。
アナタ(ここでもう一つの謎が生まれた。なぜ山守の敵であるコワバミドリが現場に居座っていたのかだ。
犯人が連れて来たのか、それとも別の誰かが?どこかからか入り込んでしまった線もあるか。
灯君以外はコワバミドリによる事故だと思っているようだから、この謎の解明が彼らの説得につながるかもしれないな)
QUESTION №09
コワバミドリはどこから来た?:密室の現場には、山守の敵であるコワバミドリが居座っていた。犯人か誰かが連れて来たのか、それとも、どこかから入り込んでしまったのだろうか。
***「ちょっと灯さん、誰なの、その人」
灯「こずえお姉さま」
こずえ「婚約者のいる身でありながら男を連れ込むなんて、山守の女はどうして皆こうも移り気なのかしら。
お客が来るなんて聞いていなくてよ。御帰り願いましょうか」
アナタ「お待ちください。ご挨拶が遅れてしまったのは本当に申し訳ありません。
灯君、僕も聞いてないぞ。好きなようにしていいんじゃなかったのか?」
灯「お姉さま、探偵様をお連れすると、今朝お話したように思いますが」
こずえ「へえ、彼が噂の・・・なんだかパっとしないから探偵だなんて夢にも思わなかったわ」
アナタ「お邪魔しています」
こずえ「わざわざ来ていただいて悪いけど、いくらがんばってもムダよ。
この事件はコワバミドリが起こしたただ事故なんですもの。家を荒らすのもほどほどにね」
灯「そんなはずはありません。なぜならこの家は星影のチカラに守られているのですから!
聡お兄様は事件当時も星影のペンダントをしていたはずなんです。
コワバミドリに襲われるなんて、考えられないではないですか!!!」
こずえ「では、あなたはあたくしたちの誰かが聡さんを殺したというの?
佐比山は関係者以外立ち入り禁止なのよ。殺人なんてこの館の人間にしかできないじゃない。
共に暮らす家族を人殺し呼ばわりするなんてどうかしてるわ!」
アナタ「あの、こずえさん、一つ宜しいでしょうか。
あなたは灯さんが受け取った手紙をご覧になりましたか?」
こずえ「ええ、それが何か?」
アナタ「あの手紙には新たな死者が出ることをほのめかした文がありました。
灯さんはそれを恐れているんです。
犯人の追跡は同時にあなた方を守ることにもつながるんですよ。
それに立ち入りを禁じられているとはいえ、山には戸はありません。
部外者の自分でも入ってこれたのだから、一概にあなた方の中に犯人がいるとも言い切れません。
事件の背景を明らかにするため、後ほど事件発生前後の行動を皆さんに聞かせてもらいます。ご協力、頂けますね?」
こずえ「山守の人間は生命の活動を終えたあと、土に還るのが習わし。
聡さんの遺体は土葬の手続きが終わるまで地下室に安置させてもらいましょうか」
アナタ「わかりました。
おがもはどこ?」
灯「先ほど、ユミさんを探しに行きました」
こずえ「そう」
アナタ「説得に成功・・・と捉えていいのかな?」
灯「こずえお姉さまは気難しいお方ですので」
アナタ「彼女が上のお兄さんの奥さんに当たる人なんだろうね」
灯「はい、私にとって義理の姉になりますね」
人物
山守こずえ:山守家長男の妻。今回の事件はウワバミドリによる事故だと主張している。気難しい性格のようだ。
アナタ「それにしてもあんなにピリピリされちゃ、萎縮してしまうな」
灯「仕方ないんです。お姉さまは妊娠してらして悪阻がひどく精神的な負担も大きいですから」
アナタ「悪いことを言ってしまった。元気な赤ん坊を産んでくれるといいな。
ああ、そうだ、もう一つ聞きたいことがある。
たしか星影のなんとかって」
灯「星影のペンダントですね。山守家の者たちが胸に着けているこれです」
アナタ「この石のチカラが何かを守ると言っていたような気がするが」
灯「星影の石には不思議なチカラがあるんです。これがあればコワバミドリから身を守ることができるんですよ。
コワバミドリは空を飛べません。近づこうとしても決して届かない星の光というのが、名前の由来です。
そうだ、しばらくここにいていただくのですから、探偵様にも一つお渡しします。
聡お兄様が着けていたペンダントがありますので、私取ってまいります」
アナタ「ならば自分で取りに行こう。遺体を調べられるのはこれで最後になるかもしれない。もう一度念入りに見てくるよ」
今日の星影の館殺人事件はどうかな?
調べる→血痕
頭から流れ出した血液が、緑の絨毯を赤く染め上げている。
血は黒ずみ、表面が乾燥している。出血から数時間は経過しているようだ。
血痕にはケガを負った際に飛び散ったであろう肉と頭蓋骨の一部が混じっている。
アナタ「ざっとこんなものか。
被害者は頭部に外傷を負い死亡した。
扉と窓は施錠されており現場は完全に密室。
被害者が抵抗した痕跡も、犯人と争った形跡もない。
部屋の中には凶器と思わしきものもなし。
部屋の情報だけを見れば、自殺や事故死を想定してもおかしくない。・・・が、遺体の情報だけみれば、それらの可能性は限りなくゼロに近づき、今度は事件性が高まる。
実に謎の多い事件だ」
アナタ(灯君の言うように殺人事件ならば、持ち去られた凶器を探し、密室の謎を解かなければ)
QUESTION №07
密室の謎:扉と窓は施錠されており、現場は完全に密室状態だった。犯人はどこから部屋に侵入し、どうやって立ち去ったのだろう。この謎を解き明かさなければ、事故死の線を覆すことはできない。
アナタ(そして、何より重要なのは・・・)
QUESTION №08
殺人事件の犯人は?:被害者の外傷には荒々しい殺意が見られるが、完ぺきな密室から冷静な計画性がうかがえる。現場には、無数の謎が残されており、犯人像が見えてこない。
アナタ(最後に現場の見取り図を作成しておこう)
Fileに上面図が追加!
アナタ「今得られる情報はこれくらいだろう。
遺体に毛布を掛けて灯君を呼ぶとするか」
アナタ「灯君、この現場は事件発覚当初から誰も何もいじくっていないだろうね?」
灯「はい、私が外出するまで、この部屋の前でうずくまっておりましたから。なので、ここは誰も出入りできない状況でした」
アナタ「君が僕を探しに行った後は?」
灯「信用できる使用人に部屋の前で見張ってもらっていましたので、大丈夫だと思います」
アナタ「では、こちらの扉はどこへつながっているのかな?」
灯「研究室です。聡お兄様は研究家でしたから」
アナタ「一体何の研究を?」
灯「なんと説明したらいいのか・・・
あっ!すみませんでした、探偵様。この家にお招きするのに同行もでず・・・」
アナタ「それは構わないけど、急にどうしたんだ?」
灯「ここにいらっしゃるまでの道中、何もありませんでしたか?」
アナタ「道を外れた奥から『助けて』と声を掛けられたな。いろいろと思うところがあり、返答しないでおいたが」
灯「そうですか、良かった。今後もぜひそのようにしてください」
アナタ「あの声について何やら秘密があるようだね」
灯「実はあのモノたちは、人の声を喰らうのです。
喰ったものの声を模倣して、新たな獲物を呼び寄せる生き物なのです」
アナタ「そんな生き物がいるなんて、聞いたことない」
灯「はい、やつはこの佐比山にのみ生息する・・・」
突然轟音が響き渡る。
アナタ「なんだ!」
灯「兄です。こんな非常時にどこに行ったのかと思っていましたが、憂さ晴らしに山の中に狩猟に出ていたようです」
アナタ「そういえば山守の男たちは市から狩りを命じられている、と言っていたね」
灯「はい、この山にだけ生息するコワバミドリを駆除するのが、山守の男の仕事です。
声を食む鳥と書いてコワバミドリと読みます」
アナタ「まさか、それがさっき僕に助けを求めてきて声の主だというのか」
灯「間違いありません。コワバミドリは人の腰丈ぐらいの大きさで、するどいくちばしを持っています。例の習性から、別名『子を呼ぶ親』とも呼ばれている、とてもおそろしい怪鳥なんです。
探偵様、実は兄や家の者は今回の事件はウワバミドリの仕業だと思っているんです」
アナタ「そいつがどうやって家の中にいる被害者を?」
灯「奇妙なことに私たちがこの部屋に突入した時に、くちばしを血で濡らした1羽のコワバミドリが部屋の中に立っていたのです」
アナタ「そのトリは今どこに?」
灯「扉を蹴破った音に驚いて、廊下へ逃げていきました。
上の兄が、ヤツが聡お兄様を殺したのだと激高し、猟銃を持って来て射殺したんです」
アナタ「そっちの現場もみせてもらおうか」
今日の星影の館殺人事件はどうかな?
調べる→遺体→頭
被害者の額は花が開いたようにぱっくりと割れ、その穴から肉と頭蓋骨が覗いている。
眼窩が破壊されたおかげで、右の眼球はこぼれ落ち、視神経でかろうじて持ち主とつながっていた。
左の眼窩は無事だったようが、内側から押されたように眼球が突出している。
アナタ(被害者の死因はこの頭部に負った外傷のようだ。
犯人はどんな凶器を使い、どのように被害者を襲ったのだろうか?)
QUESTION №04
凶器と犯行方法:被害者の死因は頭部に負った外傷のようだ。頭蓋骨は砕かれ、骨と肉があたりに散らばるほど損傷している。犯人はどんな凶器を使い、どのように殺害したのだろうか。
今日の星影の館殺人事件はどうかな?
調べる→洋服箪笥
廊下から入って右側を見ると、観音開きの大きな洋服箪笥がある。
調べる→開ける
箪笥の中には、肌着と寝巻、冬の着物が数着仕舞われているだけだった。
大人が二人かくれんぼで遊べそうなほどその大きな体を持て余している。
目に入るものといえば、余所行きの高そうな外套と毛皮のチョッキくらいか。
箪笥の右の取っ手に小さく引っかいたようなキズがある。
キズは真新しく、最近つけられたと思われる。
QUESTION №02
内鍵と取っ手のキズ:扉の内側と箪笥の取っ手に、小さく引っかいたようなキズがあった。扉に対して垂直に細い筋が1本刻まれている。キズは真新しく、最近つけられたと推測。
今日の星影の館殺人事件はどうかな?
何度も言うようが、僕は警察でもなければ探偵ですらない。職業から考察はできても、探偵としての経験、知識、推理力はほぼゼロだと断言していい。
僕が必要とするのは情報だ。情報を隈なく集め、記録に残していけば、それらはいずれ一つの答えと形を変えてくれるだろう。
アナタ「見たところ部屋は綺麗だ。荒らされている様子もない。
どこかに情報になりそうなものはないだろうか」
調べる→部屋の中→本棚
部屋の一角が本棚で埋め尽くされている。本の分野は古今東西様々だ。
ざっと見た限り、医学と生物学の専門書が多い印象を受ける。
被害者は熱心な勉強家か、あるいはその手の専門家だったのだろうか。
調べる→机
机の上には、卓上用の電灯と数冊の本、筆記用具が置かれている。
開かれた本は鳥類の図鑑のようだ。人の腰丈ほどある大きさな鳥が描かれている。
アナタ「なんだろう?これは珍しいペンダントだな」
机の隅には、麻を捩じって作られた紐に淡い黄色の石が付いたペンダントが無造作に置かれていた。
どこかに引っ掛けてしまったようで、紐が千切れている。修理するつもりだったのだろうか。
アナタ「これと同じような物を灯君も付けていたな。お守りか何かだろうか」
調べる→窓
本棚とベッドの間にある大きな窓は、締め金具でがっちり閉じられている。どこにも目立った傷や跡はない。
開ける
窓の向こうに露台はない。
障害になるものがなく、2階のこの部屋からまっすぐ地面を見下ろすことができる。
調べる→扉
部屋には扉が2つあり、1つは僕が廊下から入って来た扉だ。
もう一つは、隣の部屋への扉のようだ。
調べる→廊下
廊下の扉は蹴破られたために、内鍵が壊れている。扉を開閉する分には問題なさそうだ。
アナタ「おや?」
内鍵に小さく引っかいたようなキズがある。扉に対して垂直に細い筋が1本刻まれていた。
キズは真新しく、最近つけられたと思われる。
QUESTION №02
内鍵のキズ:廊下の扉の内側に、小さく引っかいたようなキズがあった。扉に対して垂直に細い筋が1本刻まれている。キズは真新しく、最近つけられたと推測。
今日の星影の館殺人事件はどうかな?
アナタ「事件があっという現場を案内してもらえるかね?」
灯「現場は私たちの目の前にあるこの扉の先です」
アナタ「例の手紙には『現場を保存するように』と書いてあったね。つまりご遺体もまだ中に?」
灯「はい、私が出ている間、誰も触れずにいてくれたみたいです。
ただ、本当に亡くなったそのままの状態で・・・もしかしたら、御気分を悪くされるかも・・・」
アナタ「ご遺体の損傷が激しいみたいだね。ならば、捨てての構わない毛布を2、3枚頂けるかな。調べた後、被せておこう」
灯「今すぐ、持ってまいります!」
アナタ「・・・灯君はここにいなさい。まずは僕一人で見て来よう」
灯「わかりました。部屋の前で待っていますね」
アナタ(依頼人の前で虚勢を張ってしまったが、遺体を見るのは初めてだ)
聡の部屋に入る。
アナタ「酷い臭いだ!」
アナタ(血液の生臭い臭いが充満している。長いこと密室状態だったらしい)
アナタ「うぷ・・・おえー、げほげほ。
毛布を1枚ダメにしてしまった。
なんて有様だ。頭がぱっくり割れている。
とにかく、現場検証だ。部屋の中と遺体を調べよう」
今日の星影の館殺人事件はどうかな?
アナタ「これはまた立派な邸宅で」
***「灯お嬢様は2階にいらっしゃいます。足元にお気をつけて」
2階へ。
灯「探偵様、来てくださったのですね」
アナタ「遅くなって申し訳ない。ここに来るまでにいろいろあってね」
アナタ(今の灯君、駅前であった時とどこか雰囲気が違うな」
***「それでは私はこれで失礼いたします」
灯「おがもさんもいっしょにいてくれませんか?私一人だとちゃんと説明できるかどうか」
おがも「申し訳ございませんが、どうやらまたつぶきがどこかで怠けているようですので、探してまいります。
来客の応対は本来私の仕事ではないのです。お客様、先ほどはお待たせして申し訳ありません」
アナタ「お気になさらず」
灯「ユミさんなら、さっきまでここにいました。そう遠くには行っていないと思います」
おがも「そうですか、わかりました。ありがとうございます。
それではどうぞごゆっくり」
アナタ「灯君、この家のご主人はどちらに?調査の前にご挨拶をしておかねば」
灯「兄は今外出しているので、後からでも」
アナタ「そうはいかん。そうだ、奥さんがいらっしゃるのだったね」
灯「いいえ、いいんです、本当に。『勝手にしろ』と言われてますから」
アナタ「ならばありがたく好きにさせてもらおう。
まずは確認させてもらいたい。今回亡くなったのは君のお兄さんで間違いないね?」
灯「はい、山守の次男で、山守聡(やまもり さとる)と言います」
アナタ「死亡推定時刻は?」
灯「私たちが部屋に入った時にはもう亡くなっていたので、はっきりはわかりません」
アナタ「発見は何時くらいだった?
当時の状況も詳しく教えてもらいたい」
灯「今朝の8時を過ぎたころです。
朝食に現れないので、様子を見に行ったら、部屋に鍵がかかっていました。
問いかけても返事がなかったので、何かあったのかと思い、おがもさんと上の兄が扉を蹴破ってみると・・・」
アナタ「すでに冷たくなった聡さんがいたと」
人物
山守聡:山守家の次男で今回の被害者。自室で亡くなっているのを朝の8時過ぎに発見された。
今日の星影の館殺人事件はどうかな?
ドアをノックする。
アナタ「・・・誰も出てこない。
少なくとも灯君は在宅のはずだが・・・」
再度ノックする。
***「どちら様でしょうか?」
アナタ(こんな田舎の山奥にスーツ姿の使用人?)
アナタ「やあ、こんにちは」
***「恐れ入りますが、この山は山守家の関係者以外立ち入り禁止になっております。現在緊急事態のため、直ちにお引き取りを願います」
アナタ「僕は山守のお嬢さんに招待されて来たのです。
今おっしゃった緊急事態というのは、人が亡くなった事件のことですかな?」
***「失礼いたしました。灯お嬢様のお客様でいらっしゃったとは。
このような山奥までわざわざご足労いただき恐れ入ります。どうぞ中へ」
アナタ「ええ、お邪魔します」
アナタ(灯君はいるようだな)
今日の星影の館殺人事件はどうかな?
移動→山を登る
アナタ「歩き始めてまだ15分も経っていないというのに、ふくらはぎがつってしまいそうだ。
山守邸は影も形も見えない。
・・・心なしか冷えてきた。高い場所ほど気圧が下がるというがこんなに早く感じるのか」
***「・・・た・・・」
アナタ「風の音かな?」
***「・・・す・・・け・・・て・・・」
アナタ「これは人の声だ。
どうやら僕に助けを求めているようだ」
アナタ(遭難者か?)
***「た ス け テ」
- 返事をする→時間がかかりすぎてGAME OVER
- 答えない
目的地に着いてから人を連れてくるのが無難だ。変に期待させるのも悪い。ここは返事をせずに立ち去ろう)
移動する
- 山を下りる→助手に助けを呼ぶ声が聞こえたと話すと、助手は「山の気は人を惑わせます。声の正体はわかりませんが、不用意に答えないのがよろしいかと存じます」と言った。
- 山を登る
今日の星影の館殺人事件はどうかな?
移動→佐比山
アナタ「この獣道が佐比山の入り口だ」
助手「道なりに30分も登れは山守邸に着くと灯様がおっしゃってましたね」
何か奇妙な音が聞こえてくる。
アナタ「頭が痛い・・
はぁ、はぁ、治まった。
山に1歩踏み入れた途端、謎の頭痛と動悸が・・・」
助手「先生、ひどいめまいが・・・」
アナタ「今の一瞬で一体何が起こったというのだ。まるで誰かに頭を締め付けたられたような・・・」
助手「先生、頭が痛い・・・」
アナタ「どうやら僕よりも重症らしい。そこの木陰で休ませてやろう」
助手「いえ、一度山から出して・・・」
アナタ「わかった、しっかりするんだ!」
アナタ「まだ気分が悪いか?水でも汲んで来ようか」
助手「先生は、もう平気なんですか?」
アナタ「ああ、頭痛はもう治まったよ。原因はおそらく、この山の気に当てられたということか。どうやら我々の侵入を拒んでいるらしい。
お前はしばらくここにいなさい」
助手「わかりました。気分が良くなったら後を追いますわ」
アナタ「いいや、お前は来なくていい。お前を連れて行くのは危険だと判断した。
それにそんな状態ではあの灯君を一層不安な気持ちにさせてしまう」
助手「先生をこんな山に一人で行かせるわけには・・・」
アナタ「一人の方が身軽でいい。
これで大好きな温泉にでも浸かっておけ。今度は一番安い宿を選べよ」
助手「先生のお役に立てないのですか」
アナタ「今度ばかりは仕方がない。何かあればこちらから連絡する」
助手「どうか、お気を付けて」
今日の星影の館殺人事件はどうかな?
アナタ「山守の家で次男が亡くなった。君にとっては2番目のお兄さんだ。一見事故かと思われたが、差出人不明の手紙により殺人の可能性が出てきた。手紙に信憑性があるかどうかともかく、放っとけばまた被害者が出るかもしれない。そこで、君は犯人を見つけるため、優秀な探偵、もといこの僕を求めてきたと」
灯「はい、おっしゃる通りです。お願いします。私の家まで来てください」
アナタ「それは構わないのだが、警察には通報したのかな?」
灯「家の者は、皆この手紙を信用してくれないんです。
上の兄は『警察は不要だ』と土葬の手続きを進めようとしていて・・・」
アナタ「ふむ、殺人事件には触れたことはあれど、警察なしじゃどこまで調査できるか・・・」
灯「お願いします。頼れるのは、もう探偵様しかいないんです!」
アナタ「頼まれたからにはできることをやってみよう。筒治村の佐比山まで案内してくれるかな」
灯「ありがとうございます。でも、私、家の状況が気になって・・・
筒治村は町の西にあります。佐比山は、村を抜けた先です。
大きく開いた獣道から道なりに30分も登れば、山守の家に辿り着きます。
私は先に戻っているので、探偵様方は後からいらして下さい。
どうか、お願いしますね」
アナタ「まったくせわしないな」
助手「嵐のような方でしたね。
それで先生、どうするんですか?」
アナタ「行くしかないだろう。手紙もこうして預かってしまったのだから。
殺人の犯人捜しなんて僕の専門外だが、放ってはおけない。お前も力を貸してくれ」
助手「これ、どうします?お弁当は後で頂くとして、汽車はもうとっくに出てしまいましたよ。払い戻しできますかしら?」
アナタ「くそ、また僕の財布が・・・」
話す
アナタ「お前、気づいたか。あの灯という少女・・・」
助手「ええ、もちろん」
アナタ「彼女は自覚しているのだろうか」
助手「どうでしょう。今回の事件にかかわるかどうかも謎ですね」
持ち物→手紙
アナタ「この手紙についてお前はどう思う?」
助手「切手も宛先の住所もないのですから、書かれたご本人が直接投函されたのでしょうね。筆跡から差出人を特定できそうなものですけど」
アナタ「灯君にあったら筆跡に見覚えがないか聞いてみるとするか」
考える
灯が言うには、山守邸は筒治村の奥、佐比山の中にあるらしい。まずはどこに向かうべきか。
移動→筒治村
アナタ「ずいぶんとのどかな村だな」
助手「奥に見えるのが件の佐比山でしょうか」
アナタ「そのようだな。獣道があると言っていたが、他に目印になるようなものはないのだろうか」
助手「ちょっと村の方に尋ねてみましょうか。
・・・もし、そこの道行くご婦人様、一つお聞きしても宜しいですか?」
村人「はいはい、なんでしょう。温泉街ならこっちじゃありませんよ。来た道を戻って・・・」
助手「いいえ、佐比山へ行きたいのです。あの山の入り口はどちらにございますか?」
村人「あそこは関係者以外立ち入り禁止ですよ」
アナタ「いろいろ訳がありまして、佐比山の入り口はどちらに?」
村人「あんまりその山の名を口になさらないことです。さもないと・・・」
***「佐比山に入ってはいかん!」
村人「言わんこっちゃない」
***「訳も知らぬよそ者がさびとりの山に何用じゃ!」
アナタ(なんだこの老婆。浮浪者のような姿をして、只者ではない気配を感じる)
老婆「お前たちのような輩があの山に踏み入ることなど言語道断!さっそく立ち去られよ!」
助手「先生、下がっていてくださいな。
ご婦人様、今のお言葉、よっぽど佐比山について明るいご様子。
よろしければ詳しく教えてくださいませんか?」
老婆「さびとりの山は今や悪しき気に侵されておる!ひとたび足を踏み入れればお前たちの命はない!」
助手「でも、ご婦人様、私たち、約束があるのです。残念ですけど、お願いは聞けませんわね」
老婆「そうか、貴様、よく見れば・・・まさか、山を荒らすつもりではあるまいな」
助手「こう見えて、私たち、とっても良い人たちなんです。
ねぇ、先生」
アナタ「ああ、山荒らしなんて今日の予定にはありませんね」
老婆「・・・お前たちよそ者が介入したところで何も変わらぬ。抗おうとも無駄だというに・・・」
アナタ「何だったんだ、今の人」
助手「佐比山のことをさびとりの山っておっしゃっていましたわね」
村人「あの人は佐比山に立ち入ろうとする人が現れると、今のように怒鳴り散らすので有名なんです。
いつのころだったかどこからともなくやってきて、この村のはずれに住み着きましてね。我々村人を監視するような目つきで見ているのです。気味が悪いったらありゃしない。
あなた方、何者なんです?」
アナタ「僕は普通の人間ですよ」
助手「私だって、ごくごく普通の人間ですとも」
村人「それであなた方、本当にあの山に行かれるですか?」
アナタ「僕たちは山守のお嬢さんと約束があるんですよ」
村人「そうでしたか、星影の館の。あそこへ行くのなら多少は安全でしょう」
アナタ「星影の館ですか。山守邸にそんな別名が」
村人「山の入り口をお教え致します。見えますか、あそこの大きな桜の木を・・・」
アナタ「・・・はいはい、わかりました。ご親切にどうもありがとうございます」
村人「道中はくれぐれもお気をつけて。くわばら、くわばら・・・」
アナタ「佐比山には何か秘密があるようだな」
助手「山というのは昔から神聖なものだとされていましたから、その名残りではないでしょうか」
アナタ「山岳信仰か。それとはまた違うにおいがするのだがな」
助手「もしかして探偵の勘というやつですか?」
用語1
筒治村:村の外れには老婆が住み着いている
山守家:一家の住む館は星影の館と呼ばれている
佐比山:謎の老婆はさびとりの山と呼び、『悪しき気に侵されている』などと言っていた。
関係者以外立ち入り禁止になっているらしい。
人物
老婆:佐比山に入ろうとすると怒鳴り散らしてくる謎の老婆。
いつのころかどこからともなくやってきて村の外れに住み着いたらしい。
佐比山について詳しいようだが、一体何者なのだろうか。
今日の星影の館殺人事件はどうかな?
気になること→事件のこと
アタナ「事件現場の様子から事故だと判断されたようだが、君はなぜ殺人だと思ったのかな?」
灯「私にも信じられないのですが、これを見てください!」
アナタ「それは手紙かな?」
灯「今朝、私宛に届いたんです」
アナタ「書かれているのは宛名のみ。切手も差出人の名前もないようだ。
『この事件は事故ではない。ある人物によって引き起こされた人為的なものである。直ちに現場を保存し、診療所にいる優秀な探偵を頼れ。さもなくば、新たな死者が出るだろう』
君はこの手紙に従い僕を探しに来たというわけか」
灯「そうなんです。お願いです、助けてください。これ以上誰かが死ぬなんて、私耐えられない」
アナタ「彼女にハンケチーフを貸しておやりなさい」
助手「こちらで涙をぬぐってくださいな」
灯「ありがとうございます」
アナタ「この手紙は重要な情報として預かりたいのだが、構わないかな?」
灯「どうぞ、お持ちになってください」
手紙をゲット。
手紙:この事件は事故ではない。ある人物によって引き起こされた人為的なものである。直ちに現場を保存し、診療所にいる優秀な探偵を頼れ。さもなくば、新たな死者が出るだろう
今日の星影の館殺人事件はどうかな?
移動→駅前
アナタ「さて切符も買ったし、駅弁も調達した。いよいよこの町とはお別れだな。H県への道すがら1泊だけするつもりが、こんなに世話になってしまうとは」
助手「町民の皆さんによくしていただけて、お別れするのがさみしいですわね」
アナタ「最後の最後まで探偵に間違われていたのは、どうも釈然としないが」
アナタ(それにしても呪いと謳われる原因不明の不治の病か。なかなかにそそられる話題だったが、患者がいないなら意味がない。今回は縁がなかったな)
助手「名残惜しいですわ・・・温泉」
アナタ「お前の頭にはそれしかないのか」
助手「汽車が来たようですね」
アナタ「よし行くとしよう。医者の頼み事も大したことなかったし、ここいらで一度ファイルを整理しておくか」
****「あの、お待ちください」
アナタ「はい?」
****「あの、あの、探偵様でしょうか?」
アナタ「えっとですね、僕は探偵ではないんですよ」
****「すみません、私、人違いを・・・間に合わなかった。探偵様はもうこの町を・・・うぅうぅ」
アナタ「何かあったんですか?・・・君、もしかして・・・」
****「うう、間に合わなかった・・・」
助手「先生」
アナタ「わかったよ。ええと、僕が、その例の探偵だ、ということになっている男だよ」
****「本当ですか?」
アナタ「ああ、なんだ、いろいろと勘違いされているがね。だから、つまり、君が探している人物は僕で間違いないよ」
****「良かった。私、探偵様にお会いしたくて、あちこち探していたんです。あの、あの、探偵様、私、その、お願いが!」
助手「深呼吸して落ち着いて。先生と出会ったからにはもう大丈夫ですからね」
アナタ「何があったのか教えてごらんなさい」
****「助けてください!人が殺されたんです!。私、山守家の者で、灯(あかり)と言います」
灯「山守家の家はつつじ村の南西にそびえる佐比山の山間に建っています。そこで、今朝、人が亡くなっているのが発見されたんです!現場の状況から家族たちは不慮の事故だと判断しました。でも、事故なんかじゃないんです!お願いです、探偵様。この事件をどうか探偵様の手で解決してください」
アナタ「待ってくれ、情報は一つずつ整理しながら、書き留めていきたい」
灯「すみません、でも、あの、早くしないと・・・」
助手「彼女、かなり焦っていますね。時間を気にしているようです」
アナタ「ああ、何か事情があるようだ。しかし、人が殺されたのなら、僕なんかではなく、警察に頼るべきではなかろうか」
助手「今はそんなこと、気にしている場合ではないのでは?」
アナタ「そうだな。あそこまで必死な様子を見せられたら、断るわけにもいかない。時間がないいようだし、今は要点だけかいつまんで聞いてみるとしよう」
助手「まるで、探偵みたいですわね」
アンタ「茶化すんじゃない。
いいかい、灯君、今聞いた話をもとにいくつか質問をさせてもらうから、それに答えてほしい」
灯「はい、わかりました」
気になること→山守家
アナタ「山守家というのは君の家のことだろうが、口振りからして特殊なご家庭のようだね」
灯「端的に言えば、佐比山の地主一家なんです。山守の男は猟師として山で狩りをすることを市より義務付けられています」
アナタ「君はその山守家の娘さんというわけだね。ご家族は何人いるんだ?」
灯「私は長女です。他に兄が2人いて、長男には妻と子がいます」
アナタ「今回の被害者は山守家の方かな?」
灯「はい、亡くなったのは次男なんです」
用語1
山守家:佐比山の地主一家。男は市より狩猟を義務付けられている。長男とその妻子、次男、長女の5人家族。今回の事件で、次男にあたる人物が亡くなった。
人物
山守灯:地主一家山守家の長女。次男が亡くなった事件で僕に解決の依頼をしてきた。
今日の星影の館殺人事件はどうかな?
移動→外に出る
移動→駅前
アナタ「あの女め、切符を買っておけと言っておいたのに、どこにもいないじゃないか」
移動→温泉街
アナタ「あいつめ、やっぱりここにいたか!」
助手「あら先生、私の居場所がよくわかりましたね」
アナタ「温泉はもういいだろう!僕が入院中、ずっとここに泊っていたくせに未練がましい奴だな」
助手「仕方がないじゃないですか。この町には温泉街にしか宿がなかったのですから。それに、この宿ではなんと天ぷらが食べ放題!」
アナタ「これ以上僕の財布の風通しをよくするつもりなら、こちらのも考えがあるぞ!」
助手「まあ怖い」
アナタ「僕を怒らせたくなければ先に駅に行って切符を買っておくのだ。あと駅弁もな」
助手「わかりました。今度は状態の良さそうなお弁当を選びますね。それではひとっ走り行ってきますわ」
アナタ「どういう生き方をしたら、あんな気儘な性格になれるのだろうか」
****「危ない!」
助手「きゃっ!」
アナタ「おい、大丈夫か?」
助手「ええ」
****「痛たた」
アナタ「危ないな、君。急に飛び出してくるなんて」
****「すみません。あの、お怪我はありませんか?」
助手「ええ、大丈夫ですよ。先生が受け止めてくださったので」
****「すみません、本当に。急いでいたもので」
アナタ「おや?君は確か、診療所の・・・」
****「え!」
アナタ「倉吉君だったかな。先生が探していたよ」
倉吉「ああ、すみません。今日は、その、休むと伝えてください。では、急ぐので!」
助手「行ってしまいましたね」
アナタ「おかしいな。今日、僕が退院して町を去ることは彼も知っているはず」
助手「・・・」
アナタ「どうした?」
助手「きっとのっぴきならない事情があったんですよ。ずいぶんと急いでいらしたので」
アナタ「大方腐りかけの駅弁でも食べて、腹を下したのだろう。気持ちは痛いほどわかるさ」
助手「お腹を下したのなら、それこそ医者にでも行くべきですわ」
ANSWER №01:研修医の行方は?→倉吉君は温泉街を駆け抜けていった
二十実町の温泉街で倉吉君を発見。なにやらかなり急いでいる様子だった。一応声は掛けたので、頼み事は完遂したといっていいだろう。
人物
倉吉:二十実町で医療を学ぶ研修医。入院中彼には世話になったが、よそよそしい態度をとられてしまった。無断欠勤した理由は結局わかっていない。
steamで無料でDLした星影の館殺人事件のプレイ開始!
1935年秋
仕事先で食あたりになり3日間入院していた主人公(38才 男性)は、退院し診療所を出たところで、助手の女性に迎えられる。
助手は若い女性のため、主人公には妻がいるが、いつも主人公の妻に間違われてしまうのだ。
助手は、退院のお祝いに近くの温泉街へ行こう、と誘ってくるが、主人公は、入院したため中断していた仕事に向かおうとするが、診療所に忘れ物したことを思い出す。
移動→診療所
医者から、忘れ物の空の綴じ込み帖を渡される→Fileをゲット。
医者は、主人公のことを探偵だと誤解しているため、仕事を頼んでくる。
用語1
二十実町(はたみまち):T県中部に位置する町。日本有数の温泉街がある。自慢のラジウム温泉は痛風・神経痛・動脈硬化に効くらしい。
人物
助手:僕の助手を自称する女性。ところ構わず付いてきて正直うっとうしいが、頼りになるところもあり困ったものだ。温泉が好きらしい。
医者:T県二十実町で診療所を営むお医者さん。腕は確かだが忘れっぽいのが玉に瑕。どういうわけか彼にはずっと探偵に間違われている。
話す
医者「朝から来てないんだ、ウチの子が。ほら彼だよ、あんたともよく話していた、研修医の。」
アナタ「ああ、確か倉吉君でしたっけ」
医者「そうそう倉吉君!彼がね、朝から来てないんだよ。彼を見かけたら、出勤するよう言ってくれない?」
アナタ「それが頼み事ですか?」
医者「ただでさえ、うちは例の奇病の研究に手を焼いているんだから、休まれちゃ困るんだよ」
アナタ「そういえば、この町周辺には稀に罹患するという原因不明の病があるそうですね」
医者「佐比病(さびやまい)と言うんだよ。知能が著しく低下して、奇行を繰り返す・・・恐ろしい不治の病さ」
アナタ「ええ、看護婦の方々が聞かせてくださいました。町民は皆、呪いだと言っているようですが、まさかね」
医者「今でこそ入院患者はいないが、昔はひどかったんだ。我々医者が一刻も早く根絶しないと。だから、研修医一人の無断欠勤の世話をしている暇はないんだ。悪いけど頼まれてくれない?」
アナタ「見掛けたら声を掛けるだけでいいんですね?お安い御用ですよ」
QUESTION №01
研修医の行方は?→倉吉君は出勤もせずどこへ行ったのか
研修医の倉吉くんが、朝から出勤していないらしい。彼には入院中世話になっていたから、顔見知りの関係だ。見掛けたら声を掛けてやるとしよう。
用語1
佐比病(さびやまい):二十実町の周辺でまれに罹患するという原因不明の病。知能が著しく低下し、奇行を繰り返す。町民の間では呪いとささやかれ、町の医者たちは根絶を目指している。
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