今日のかまいたちの夜 輪廻彩声はどうかな?
選択:人間関係か現場の様子か
A:被害者をめぐる人間関係について説明してください
B:まず現場の様子からお願いします
真理が現場の様子について警部補に説明を求めると、警部補は説明を始めた。
被害者は五十嵐鉄雄:42歳、コンピュータソフトの開発販売をやっている会社の社長。
事件が発覚したのは月曜日。
11時には必ず出社するはずの五十嵐が昼を回っても出てこず、電話にもでないため、社員の一人が自宅マンションへ出向いた。
ドアはロックされていて中へ入れなかったが、窓からのぞいてみようと思った、とのこと。
現場はマンション一階で、簡単なフェンスを乗り越えるだけで、内庭に回ることができ、社員はそこで、リビングでパジャマのまま倒れている五十嵐を窓越しに発見した。
窓にも鍵がかかっていたため、警察の到着を待って、管理人にドアを開けてもらい中へ入った。
五十嵐は、自分のネクタイで首を絞められて死んでいた。
犯人は、五十嵐を殺した後、鍵を奪い、ドアをロックして逃げたのだ。
死亡推定時刻は、前日の日曜の朝9時から12時ごろ。
続いて警部補は、被害者をめぐる人間関係について話し始めた。
五十嵐は、もともと別の会社のプログラマーをやっていたが、3年ほど前独立し、今の会社を作ってインターネットのブラウザを大ヒットさせたが、問題も多く抱えていた。
中島聡:五十嵐が元いた会社の同僚。五十嵐が作ったソフトは自分のプログラムの多くを盗用して作ったものだと訴えた。まだ裁判は係争中だが、どちらも一歩も譲る気配はなく、泥沼化している。
今村愛美:中島の元婚約者。妻子ある五十嵐に言い寄られて、最初はハナも引っ掛けなかったが、五十嵐が成功した途端こっそりと五十嵐と付き合い始めた。しかし、中島にバレて婚約解消、と同時に五十嵐にも捨てられた。
五十嵐徳子:五十嵐の妻。愛人の存在を知り、包丁を振り回して、五十嵐に怪我を負わせたが、たいした怪我ではなかったため警察沙汰にはならなかった。それから娘をつれて実家に戻っている。普通女性は愛人の方に怒りが向くことが多いが、話した限り、愛美に対する怒りはなさそうだった。
野崎和也:五十嵐の会社の元社員。会社の金の使い込みがバレてクビになり、嫁に逃げられ、五十嵐に「殺してやる」と電話をかけていた。
現場の様子
警部補は4つのファイルを差し出した。
A:中島聡
B:今村愛美
C:五十嵐徳子
D:野崎和也
真理はファイルに手を伸ばした。
中島聡:33歳、独身。身長164センチメートル、体重83キロ。
「わたしはあいつに人生をめちゃくちゃにされたんだ。他人の功績を横取りしただけじゃ飽き足らなくて、愛美まで。
殺す?まさか。
わたしは今あいつと裁判で争っているところなんだ。時間はかかるでしょうが、必ず最後には正しい判決が下ると信じてますよ。
そうすりゃわたしはあいつからがっぽり賠償金をもらえるってわけです。殺してしまっちゃ元も子もないでしょう。
愛美のことは・・・でもね、見方を変えりゃもともとその程度の女だったってことでしょ?結婚する前に気付かせてくれたんだから、彼には感謝したっていいのかしれはせんよ。
日曜日の朝9時から12時ですか?10時過ぎに母親が家に来て、食事だ掃除だと世話を焼いて、昼過ぎに帰っていきましたよ。(確認済み。中島の家から被害者の家までは40分程度)
裁判これから、どうなるんですかね?死んだ人間からも賠償金って、取れるんでしょうか?」
A:今村愛美
B:五十嵐徳子
C:野崎和也
真理はファイルに手を伸ばした。
今村愛美:28歳、独身。身長168センチメートル、体重58キロ。左手中指にダイヤの指輪。
「わたしが馬鹿だったんです。中島さんのことを愛してなかったわけじゃわりません。このままこの人と結婚して本当に大丈夫なのかなって、不安だったんだと思います。そんなときに、あの人が親身に相談に乗ってくれて、そのうちひかれあうようになったんです。いえ、ほんとは彼の狙いがどこにあったのか、今ははっきりわかっています。あの人は、ただ人のものが欲しいだけなんです。だから、わたしと中島さんが分かれた途端、五十嵐さんの態度は豹変しました。憎んでないといえば嘘になりますが、わたしさえしっかりしていればこんなことにはならなかったんです。
この指輪は、中島さんが婚約指輪としてくれたものです。返そうとしたんですが、いらないから好きにしてと言われました。時間が経てば許してもらえるかもしれないとどこかで思っているから、時々はめているんです。
日曜の朝ですか?街に出てウィンドウショッピングを楽しんでました。10時半ごろデパートで友達と待ち合わせて、夕方まで一緒でした。(確認済み、犯行現場からデパートまでは約1時間)」
A:五十嵐徳子
B:野崎和也
真理はファイルに手を伸ばした。
五十嵐徳子:38歳、被害者の妻。身長155センチメートル、体重43キロ。
「殺されるだなんて、まったくあの人にふさわしい死に方をしたものね。
あたしがやるわけないじゃない。娘の養育費だってこれから一生払ってもらわなきゃならないと思ってたんですからね。
遺産?離婚したのに遺産が入るんですか?ああ、娘にね。じゃあ、とりあえず養育費の心配はなさそうね。
日曜の朝は家にいましたよ。娘は11時ごろ友達のところへ遊びに行きました。
凶器はネクタイ?日曜日はちょうどあの人の誕生日だったんですよ。娘がパパにプレゼントを贈りたいって言うものだから、一緒に選んで朝10時に着くように宅配便で送ったんですよ。」
真理は、野崎和也のファイルに手を伸ばした。
野崎和也:44歳、独身、離婚歴あり。身長171センチメートル、体重65キロ。
「わたしだって、あいつに人生壊されたようなもんですからね、殺せるもんなら殺してやりたいところです。犯人に感謝したいくらいですね。
使い込み?ちょっと借りただけだったんですよ。株で損をしたところでしてね。すぐに取り返して穴埋めをするはずだったんだ。それをあの野郎、泥棒扱いしやがって。おかげで今じゃ女房にも出ていかれて、こんなありさまですよ。
日曜の朝だって?さあね、最近午前中に起きることなんてないから、たぶん寝てたと思うけど。)」
現場の様子で解決
真理は、「これだけで分かるのは、犯人が誰かってことくらいね」と言った。
A:中島聡
B:今村愛美
C:五十嵐徳子
D:野崎和也
真理は話し出した。
ネクタイが届いたのが10時だから、犯行時刻はそれ以降。
中島のアリバイは成立。
今村も10時に犯行を犯して10時半にデパートへ着くことは不可能なため、アリバイ成立。
被害者の五十嵐は野崎に脅されており、野崎が家に訪問してもパジャマ姿で部屋の中に招き入れたりしない。
つまり、犯人は残った五十嵐徳子だ。
それを聞いた楠木は、五十嵐を重点的に締め上げる、と言って席を立った。
数日後、透が、ソフトウェア会社社長殺害事件解決と書かれた新聞を見せに来た。
やがて、少しずつ依頼人が増え、事務所の経営は軌道に乗り始めた。どうやら警部補の紹介のようだ。
この時、ペンションバラバラ殺人事件を超える恐ろしい事件に巻き込まれることになろうとは、知る由もなかった・・・
中島(アリバイ成立)→今村(アリバイ成立)→野崎(訪問許可されない)→五十嵐で、犯人は五十嵐。
中島(アリバイ成立)→五十嵐(手にケガ)→今村→野崎(訪問許可されない)で、犯人は今村。
中島(アリバイ成立)→五十嵐(手にケガ)→野崎(訪問許可されない)→今村で、犯人は今村。
中島(アリバイ成立)→野崎(訪問許可されない)→今村→五十嵐(手にケガ)で、犯人は今村。
中島(アリバイ成立)→野崎(訪問許可されない)→五十嵐→今村(アリバイ成立)で、犯人は五十嵐。
今村(アリバイ成立)→中島(アリバイ成立)→五十嵐→野崎(訪問許可されない)で、犯人は五十嵐。
今村(アリバイ成立)→五十嵐(手にケガ)→中島→野崎(訪問を許可されない)で、犯人は中島。
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