チラシの裏~弐位のゲーム日記
社会人ゲーマーの弐位のゲームと仕事とブログペットのことをつづった日記

 今日のひぐらしのなく頃に粋はどうかな?


 ルート 沙都子5 #1 沙都子欠席


 翌朝、圭一が学校へ行くと、沙都子と梨花の席には荷物がなく、登校してきてないようだった。
 ホームルームの時間になり知恵先生が教室へやってきたと同時に、梨花が教室へ駆け込んできた。
 梨花は、沙都子はちょっと遅れるかもしれないのです、と言った。


 ホームルームが終わり、1時限目が始まるまでのわずかな間に、圭一は、「沙都子はどうしたんだ?」と話しかけた。
 そこへ魅音がやってきて、「男の子には話せない事情がある」と言って圭一を席まで引っ張っていった。
 いっしょに住んでいる梨花が、沙都子が遅れるかもしれない、という曖昧な言い方をしたことに、圭一の不安を掻き立てた。


 圭一の様子に気付いたレナが、「今日はなんだか朝から元気ないよ?」と授業中にこっそり話しかけてきた。
 「昨日まで何も変なことなんか起きなくて、楽しかったんだ。思えばここ最近、不安だったんだ。毎日が楽しいからこそ、ある日ふっと、突然、真っ暗になってしまうんじゃないかって。」と圭一が話すと、レナは、頷いて、「楽しい事の裏側を時々恐れるよね。それってちょっぴり悲しいことだけど。でも、そのおかげで、私たちは楽しい毎日がずーっと続くように、努力することを覚えたんだよ。だから、圭一くんが楽しい日々がいつまでも続かないかもしれないって思うのは、決して悪い事じゃないと思うよ。例えば、明日突然火山が大爆発して、私達全員が死んじゃって、圭一くんだけが生き残ったとしたら、どう感じる?」
 「胸が張り裂けるだろうな。まず、泣くと思う。」
 「そしてこう思うんじゃないかな?こうなることが運命だったなら、昨日までの日を、もっともっと楽しく悔いなく過ごせばよかったって。楽しい毎日がいつか終わるものなら、それがいつかなんて誰にもわからない。だったら、たとえ明日そうなっても悔いがないように、精一杯楽しく生きるのが正解じゃないのかな。それに気づくのとても難しいこと。今日と同じ明日が訪れると信じ切っているから、今日できるころを明日に送る。でも圭一くんはそれに気づけた。それはとても素敵なことだと思う。だからその不安な気持ち、大切にしてもいいと思うの。明日には大災害でみんな死んじゃうかもしれない。だから今日、みんなにいっぱいやさしくしよう。本当に終末が訪れた時、後悔しないために。」
 「レナは実践してるのか?明日、みんなが死んじゃっても後悔しないようにさ。」
 「うん。レナは楽しい毎日がたった1日を境に終わってしまうことを知っているから。今日が楽しくても、明日も楽しい保証なんかないって知っているから。生きてるよ、精一杯。」
 「昨夜、沙都子の夢を見た気がするんだ、どんな夢だったかは思い出せないけど。朝からずっと不安で。」
 「沙都子ちゃんの元気な顔を見れたら安心するつもりだった、かな?じゃあ、沙都子ちゃんが来たら、やさしくしてあげることだね。楽しく過ごすことができるなら。」


 お昼の時間になったが、沙都子はいない。
 にも拘わらず、机の上には5人分の弁当箱が並んでいた。梨花が沙都子の分の弁当箱も用意したからだ。
 沙都子はお昼までには来るはずだったの?と魅音が尋ねたが、梨花の様子はおかしかった。
 みんなの不安な気持ちをかき消すように、レナが弁当箱の中から、大きなから揚げをつまんで口に放り込んだ。
 それをきっかけに、みんなは思い思いに弁当箱を突っつき始めた。
 沙都子はいないけれど、いつの間にか、いつものお昼のにぎやかさを取り戻した。


 ルート 沙都子5 #2 ボール取り


 みんなと楽しく談笑していると、富田と岡村が、圭一に話しかけてきた。
 ボールが2階の雨どいに引っ掛かったので、背の高い圭一なら何とかなるんじゃないか、ということらしい。
 圭一が、先輩にものを頼むなら何か見返りがあるんだろうな?と問うと、富田と岡村は、「授業中にいねむりできる権利を与えましょう。そうでなければ今後、いねむりをしたら先生に言いつけますから。」と答えた。
 圭一は、二人に降参して、ボールを取りに行くことになった。


 ボールは、見事に校舎2階の雨どいに引っ掛かっていた。
 圭一は竹棒で引っ掛かっていたボールを突っつくと、ボールは雨どいを転がり、校舎の裏手の方へ落ちていき、富田と岡村は、圭一に礼をいってから取りに行った。
 一人取り残された圭一は教室へ戻ろうとすると、突然話しかけられた。
 相手は、圭一が全く知らない中年男だった。
 相手が笑った瞬間、圭一はこの初対面の相手にはげしい嫌悪感を抱いた。
 男は、興宮警察署の大石だ、と名乗り、警察手帳を見せた。
 圭一は、昨日までいなかった男が現れたということは、今日が昨日までの日々と違う日であることになり、昨日までの楽しい日々が、昨日を境に終わってしまった、と感じた。
 大石は、「北条沙都子さんと呼んできたもらえませんか?」と圭一に頼んできた。
 何の用事があるのかを圭一が尋ねると、大石は、二三聞きたいことがある、と答えた。
 圭一は、「話がしたいだけなら、電話ですいべいいはないですか。日中、学校にまで押しかけてくるなんて明らかに異常です。」と言うと、大石は近くに走ってきた後輩たちに沙都子を呼んでくるよう、声を掛けだした。
 後輩は、沙都子は今日は休みだ、と返事すると、大石は笑いながら、後輩の肩を掴み、目線の高さまでしゃがみこんで、「ここにいるお兄さんはなんて名前か教えてくれませんか?ん?」と言った。
 「ほう、前原圭一さん、ですか。ひょっとして、例の前原屋敷の御曹司?お父さん、高名な芸術家さんなんですってね。どんな立派な絵を描かれるかは存じませんがね。お母さんも知的そうな方じゃないですか。高学歴って聞きましたよ?どこぞの女子大を出られているそうじゃないですか。ひょっとしてお母さん、良家のお嬢さんなんじゃないですか?な~んてウワサが立っているせいか、冷たい人だ、なんてウワサが立てられているなんてご存知で?町内会の会合、最初の1回以外は出てないでしょ。そういうのって、いけないんですよねぇ。こういう土地ではご近所付き合いを蔑ろになんかできませんよ。」
 大石は圭一の両肩をぐっとつかみ、「こういう土地ではね、敵は作らないほうが絶対にいいですよ?さもないと・・・思わぬところで不利益を受けるかもしれません。因果応報という言葉をありますよ?妙なところで買った恨みが、信じられないところで返ってくることがあるかもしれません。肩がだいぶ凝ってますねぇ。ちょっと揉んであげましょうか?」と言った。
 大石は、単に力が強いだけでなく、痛みを特に感じるツボみたいなのをよく知っているみたいで、圭一は痛みで背中が反り返りそうになった。
 「もうそれくらいになさってください。痛がってますよ。」と入江が声を掛けた。
 「先生のところにも、後でお伺いしようと思っていたんですよ?」
 「ええ、お望みとあればいくらでもお話を伺いますよ。でもその前に令状をお持ちになってください。職務質問と任意同行は拒否できますからね。」
 大石は突然笑い出し、圭一の肩を話すと、圭一は尻餅をついた。
 「大丈夫ですか前原くん!」と入江が言うと、大石は「ちょっと肩を揉んだだけじゃないですか。前原さんも大袈裟すぎですよ?」と言った。
 「とにかく保健室へ!」と入江は言って、圭一に肩を貸してくれた。
 「もう御用がないならお帰りを!今日のことは、署長さんに直接抗議しますからそのつもりでいてください。」と入江が言うと、大石は校門に止めてあった車へ向かっていった。
 入江は、「あいつは大石蔵人という刑事で、乱暴者で村中に嫌われている男です。」と言った。


 入江は迷うことなく圭一を保健室まで連れて行ってくれた。
 その騒ぎに気付いて、知恵先生と校長先生がやってきた。
 女子たちが説明しようとするのを入江が制して、「ちょっと転んでひねったみたいです。保健室をちょっとお借りしたします。」と言うと、「よろしくお願いしますぞ」と校長先生は深々とお辞儀した。
 保健室に入ると入江は、「患部を見せてもらえますか?」と言ったので、圭一はシャツをまくりあげて肩を見せたが、あざどころか爪の跡すらなかった。
 「それだけあいつが慣れている、ということですよ。今度会った時は、挑発しないことです。あいつを怒らせて得をすることは何もありませんからね。しかし、前原さんとあいつが喧嘩になるなんて。」
 「沙都子に用事があるとか言ってきて」と圭一が答えると、入江は黙って、救急箱からシップを取り出して貼りつけてくれた。
 「あの男はまだ沙都子ちゃんに付きまとうつもりなんでしょうか。」と入江は独り言のようにぽつりともらした。
 圭一が、「大石ってヤツ、たびたび沙都子のところへきてるんですか?」と言うと、入江は答えなかったが、否定しないことがそのまま答えとなっていた。
 「前原さんは、引っ越してきたばかりでしたね。オヤシロさまの祟りと沙都子ちゃんの話は、少しは聞いたことがありますか?」
 「沙都子の両親がダム計画の賛成派で、転落事故で死んだのは祟りだ、って話ですか?」
 確か家族で遊びに行った先の公園の展望台で事故が起こって、沙都子の両親は死んだ。そして兄と妹だけになって、梨花と一緒に・・・
 「ご両親が亡くなった沙都子ちゃんとお兄さんの悟史くんは、叔父夫婦宅に身を寄せることになりました。」
 両親が事故死して、悟史が家出して、沙都子だけが残って梨花と二人で暮らし始めた、ってのは知っているが、叔父夫婦に預けられた話は、圭一には初めて聞く話だった。
 「叔父というのは、沙都子ちゃんのお父さんの弟にあたる方なんですがね。残念なことに、夫婦揃って尊敬に値する方々ではありませんでした。沙都子ちゃんの両親がダムに賛成していたとばっちりで、叔父夫婦も村内ではとても肩身の狭い思いをしていましたからね。沙都子ちゃんたちを歓迎するはずもなかったんです。沙都子ちゃんたち兄妹にとって、とても辛い生活だったと聞き及んでいます。」
 叔父夫婦は保護者となると同時に、沙都子たちの家の全財産を吸い取ってしまい、沙都子と悟史は狭い部屋に押し込まれ、身も心を窮屈な生活を強いられた。
 もともと叔父夫婦は不仲でいつも喧嘩は絶えなかったという。その腹いせにとても言わんばかりに、沙都子や悟史の顔を見さえすれば、いつでも難癖をつけ、なじったり怒鳴ったり叩いたり、罰を称して食事を抜いたりした。
 「去年の綿流しのお祭りの夜にね、叔母が死んでしまったんです。異常者にバットか何かで殴り殺されて・・・綿流しの祭りの夜には、村の仇敵が祟りで死ぬと噂されてましたからね。この死も、単なる殺人事件としてだけでなく、オヤシロさまの祟りではないかと村中で囁かれました。」
 その何日か後に、これとは別件で逮捕されていた男が余罪として自供し事件は解決した。
 「叔父だって雛見沢の人間ですからね。オヤシロさまの祟りを大層怖がり、逃げ出して雲隠れしてしまったそうです。聞いた話では、興宮あたりの昵懇な仲の女性宅へ転がり込んでいるとかで。誰も兄妹をいじめる者はいなくなるはずだったんですが、まるでそのあとを継ぐように、大石が執拗に現れるようになったんです。オヤシロさまの祟りを巡る一連の事件はみんな解決しているのに、あいつだけがそれを認めていないんです。あいつが近づく人間には必ず何か良からぬことが起こると言われています。雛見沢では、大石のことをオヤシロさまの・・・」
 その時、扉が開き、魅音がかけこんできた。その後ろにはクラスメートたちもいた。
 みんなが一斉にしゃべりだし騒がしくしたため、知恵先生がやってきて、魅音にみんなを連れて保健室から出るように言った。
 みんながいなくなってから、圭一が、「さっきみんなが来る直前、何か言ってましたよね。」と聞くと、入江は、「オヤシロさまの使いですよ」と答えた。
 「前原さんは雛見沢で毎年綿流しの夜に起こる、雛見沢村連続怪死事件、通称『オヤシロさまの祟り』のことはご存知ですか?」
 6月のお祭りの日に必ず誰かが1人死んで、さらに誰かが1人神隠し(この辺りでは鬼隠しと呼ぶらしい)に遭うという。
 「いつのころからか、大石のことをオヤシロさまの使いと呼ぶようになりました。」
 「なぜですか?」
 「あの男がその年の祟りの犠牲者を決めている、と噂されているからです。」
 6月になると大石が頻繁に雛見沢に訪れるようになる。
 「亡くなったり、消えたりする人たちの多くが、あの男の執拗な訪問を受けているからです。」
 4年前の祟りと噂される殺人事件の犠牲者は事件の直前、何度も大石と接触していたことが知られている。
 3年前の犠牲者である沙都子両親。転落事故が起こる直前、大石が何度か自宅を訪れていたらしい。
 2年前の失踪者である梨花の母親も、失踪直前にはやはり、大石に過剰な接触を受けていたことが知られている。
 1年前の失踪者である沙都子の兄の悟史も、失踪直前に何度も大石の接触を受けていたとか・・・
 そして、今年、その大石は、沙都子への接触を求めてきた?
 「沙都子、今日、欠席したじゃないですか」と圭一が言うと、入江は初耳だったようで「え、そうなんですか?」と言った。
 「では失礼します。」と言って、入江は保健室を出、職員室の方へ向かっていった。


 どうしたんだろう、沙都子・・・


 TIPS:雨どいは・・・


 授業も終わり、元気よく下級生たちは校庭を突っ切って駆け出してゆく。それを見送りながら、知恵先生は出口のそばにしゃがみこんだ。
 手には柄つきの亀の子ダワシと試験管を洗うようなブラシを持っていた。
 「雨どいの掃除ですか?」と魅音が尋ねる。
 「ええ、今朝の天気予報で、近いうちに大雨が来るって言ってましたから。今のうちに掃除しておこうって思ったんですけど、中がすごいことになってますねぇ~。」
 「こりゃひどい、豪雨なんて降ったら、あっという間に溢れちゃいますよ。」
 「一度業者さんに来てもらったほうがいいかしら。」
 「これくらいなら私達で何とかしますよ。何人か連れてきて、屋根の上に上って・・・」
 「いけません。万一落ちたら怪我をしますよ。」
 「それに業者さんを呼ぶなら、むしろ雨どいの出口を増やしてほしいですね。ここが詰まっただけで、全部の雨どいが役立たずになるんだから。」
 「確かに、このひとつで校舎屋根の雨水を流すのは、構造上問題がありますね。一度校長先生に掛け合ってみます。」
 「でも、きっと予算でないだろうなぁ。あ、もし良かったら町会に寄贈させましょうか?」
 「せっかくですけど、学校の問題は学校内で解決しないと、ね。」
 「先生は、ホント真面目だな~!それじゃ、雨どいの掃除はいつにしますか?」
 「明日、ホームルームで話し合いましょう。よろしくお願いしますね、委員長。」

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 現在の夢:ゲームする時間の確保、サービス残業時間減少、年棒アップ
 将来の夢:がんばってお金を稼いで、ニートでゲーム三昧の日々を送ること
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