
今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
1週目クリア
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る
2週目開始!
倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)
4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№58~61・63(62は後で見る予定)
語り部6人の話が終わったが、7人目はまだ姿を見せない。
「全員の話が終わったぜ。どうするんだ?」
新堂に促された。どうしよう。
- もうしばらく待ちましょう
- 荒井さんの意見を聞きたい
- 帰りましょう
最後に話をしてくれた荒井の意見を聞いてみよう。
「あのう、荒井さん、何か意見はありますか?」
「意見?僕にこの状況でどんな意見を言えというのですか?」
お開きにした方がいいな、と坂上が思って、立ち上がろうとした時だった。
「こんにちは」
突然ドアが開き、まだ幼い印象の残る女の子が立っていた。元木早苗だった。
「あっれ~、早苗ちゃんじゃない!」と福沢が驚いて声を上げた。
「あ、玲子ちゃん、こんにちは~。他の皆さんも初めましてです~。どうぞ、よしなに~」
「あ、もしかして7人目って、早苗ちゃんのことだったの?」
「えっと、私は・・・」
- 黙って聞いている→エンディング№453:早苗ちゃんの娘婿、エンディング№454:交換日記の怖い話、エンディング№456:首吊りの樹の下で
- 7人目なんですよね?
- 7人目ではないですよね?→エンディング№457:夫婦エクトプラズム、エンディング№458:サイコパス日野貞夫、エンディング№459:運命の人、エンディング№460:そして一人が生贄になる、エンディング№461:背負った十字架の重さ、エンディング№462:増える風間さん、エンディング№463:新堂さんを生贄に願ったもの、エンディング№464:親友になった細田さん、エンディング№465:日野貞夫の復讐、エンディング№466:線路が僕を呼んでいる、エンディング№467:誰が駒鳥を殺したの、エンディング№468:霊媒師vs黒魔術
岩下「私、時間にルーズな人、嫌いなのよ」
元木「すいません。学校の先生にどうしてもと頼まれて、お仕事しておりました」
福沢「岩下さん、早苗ちゃん、すごいんですよ。学校からも頼まれてお祓いとかするんですから!今日も何か頼まれてんでしょ?」
元木「はい。黒木先生に宿直室の地縛霊をどうしても取り除いてほしいと土下座されてしまい・・・」
新堂「あの黒木が土下座だって?マジか。
それで、どうなった?お祓いしてきたのか?」
元木「はい、してきました。でも、宿直室に地縛霊はいませんでした~」
新堂「黒木の勘違いかよ。ぎゃははは」
元木「いえ、霊は黒木先生に取り憑いていましたので~」
岩下「あなたの力はわかったから、それじゃあ、7話目を話してくれる?」
坂上「それでは元木さん、お願いします」
元木「それではさっそく話をさせていただきます。私が話すのは体験談なのですが、お祓いの仕事をしておりますと、学園からの依頼もありまして。特に旧校舎は曰くつきの場所が多くて私自身も行くのをためらくことがあるほどです。
これからお話するのは、まだ1週間前のことなんですよ」
3年生の及川由紀が元木の教室を訪ねてきた。
「あんたが元木?ねえ、幽霊が見えるって本当なんだよね?」
「はい。あ、別に怖くないですから、逃げないでくださいね」
すると及川は1歩後ずさりして距離を置いた。
「それよりさ、やってほしいことがあんだよね、あんたに」
人に頼られることなんて滅多にない元木は大喜び。
「ありがとうございます。私、なんでもやりますよ」
「へぇ~、いいじゃん、便利」
「お弁当を一緒に食べたいですよね」
「まあ、あんたが食べたいって言うなら、食べてやってもいいけれど。今日の放課後、私の家に来てよ」
「いいですねぇ、ぜひお邪魔させていただきます」
「それじゃあ放課後、校門で待ってな。私、待たされるの好きくないから」
「もちろんですよ。それにせっかくできたお友達のお誘いを断るなんて・・・あばばばばば・・・
いかん、その家に行ってはいかん、絶対に行ってはならぬ!」
「い、今の何?」
「大丈夫ですよ。私の中で暮らしているご先祖様ですよ。本当に優しいおばあちゃんたちですから」
「や、優しいの?」
「はい、とっても」
「でも、私の家には来てはいかんって言ってたわ」
「それは及川さんの家が呪われているからだと思います。私、気にしませんから行きますよ」
「私の家、呪われているの。だから、あんたが何とかするのよ!」
「わかりました。それでは、ご先祖様と相談させてくださいね。
悪霊・・・孫娘・・行くな・・・死ぬ・・・
お待たせしました。ただいま親族会議が終了いたしました。
ぜひ行ってきなさいとご先祖様たちも喜んでくださいました」
「そう?なんか物騒な言葉ばかり聞こえてきたけれど?本当に大丈夫なんでしょうね?」
「大丈夫です~。
・・・嫌じゃ、嫌じゃ、あの家だけは行きとうない・・・
大丈夫です~」
「まあ、いいわ」
そう言って、及川は教室を出て行ったが、入れ替わり、元木の数少ない友達の浦部美緒と染谷洋子が駆け寄って来た。
浦部「どうした、何があった!」
染谷「今の3年の及川なんだよね。何かされた?」
浦部「及川さんって、3年にえらい怖い人だよ。バックには暴力団がいるとか、もう3人殺したとか、黒い噂を毛皮のように羽織っている、超ヤバい人なんだから」
元木「別に何もされてません~。お友達になりたいというので、今日の放課後、及川さんの家にご招待されただけです~」
浦部「及川さんの家って超豪邸だって噂だよね。料理人だけでも和洋中専用のシェフがそれぞれいて、毎晩世界中のあらゆる料理が並んで家族バイキング状態って聞いたことがあるよ。
いいなあ、そのバイキングに招待されたんだ」
元木「えへへ、友達ですものね。美味しいご飯は大歓迎です~」
染谷「私も行きたい」
浦部「洋子ちゃんは誘われてないよ。友達にもなっていないし」
染谷「じゃあ美緒ちゃんは行きたくないの?」
浦部「私は・・・食べたい。私も行くよ、早苗ちゃん」
「坂上君ならこういう場合はどうされますか?」
- もちろん、誘う
- もちろん、断る
元木が校門で待っていると、1時間ほどして及川が現れた。
「さ、行くわよ」
及川の家は、ご先祖様がこの土地の大地主で大変地位の高い方だったので、とっても大きかった。地位も名誉も手に入れた地元では知らない人がいない名士なのだそうだ。
「私の家には座敷童がいるのよ」
座敷童が居ついている家は、永きに渡り繁栄すると言われている。子供の神様で家の守り神なので、失礼のないよう大事にしてあげるのだ。出て行ってしまうとその家は廃れると言われているので、失礼な振る舞いをして機嫌を損ねてはいけない。
「それが最近いなくなっちゃったみたいなんだ」
「家出ですか?」
「違う。何か別のものに追い出されたみたいなんだ。それをお前が調べるんだよ」
「わかりました。とりあえず、座敷童がいた場所に連れて行ってもらえますか」
「ああ、付いてきな」
おそらく築数百年は経っているだろうお屋敷は、改修と増築を繰り返したせいか古民家と現代建築を取り混ぜた不思議な内装になっていた。
広いお屋敷をぐるぐると連れまわされた後、裏口から見渡せないほど広い庭に出た。
及川は無言で元木を庭の奥へ連れて行くと、そこには茂みの囲まれた5メートル四方の空き地があった。
「ここに座敷童がいたんだ。1か月くらい前まで、ここには蔵があったんだよ。うちのばあちゃんはね、この蔵には座敷童様が住んでいるから絶対に開けてはならないって言ってたんだけどさ。
パパは、ここに自分用のゴルフレンジを作りたかったんだよね。それで、おばあちゃんが亡くなったのをいいことに、蔵を壊したのさ。それから家の中で悪いことばかり起こり始めた。
ママは階段から落ちて両足骨折。頭を強く打ったみたいで、今でも意識が戻らないんだ。座敷童が、何か悪いバケモノに追い出されたに決まってる。
もっとも、今まで座敷童がいたって言っても何の気配も感じなかったんだけどさ。
ただ、ばあちゃんはずっといるって言ってたし。及川家が栄華を誇っているのも座敷童がいるからだって言うからそう思ってた。
でも、本当はそんなものいないって頭のどこかでは馬鹿にしてたんだよね。
なのに、あの蔵を壊した途端、悪いことばかり。いつの家の中を何かが走り回る音が聞こえるし、夜になると笑い声も聞こえるんだ。そして、寝ていると引っかきやばる。あれは座敷童じゃないね、悪霊だよ。
きっと座敷童は恐ろしい悪霊に追い出されたんだ。だから悪霊を追い出して、座敷童を呼び戻すのさ。できるよな」
「お嬢様、大変でございます、旦那様が・・・」
その時、突然母屋の方から品の良さそうなおばあさんの声が聞こえてきた。
血相を変えた及川が家に戻ると、家の中では及川の父親が全身海老のようにビクンビクンと痙攣させながら、泡を吹いて大の字になって倒れていた。
元木が父親の手を握ると、淀んだ気が体に流れ込んできたが、浄化できる程度の汚れだったので、なんとか落ち着かせることができた。
父親が寝息を立てて子供のように眠ってしまうと、先ほど声をかけてきたおばあさんが及川に深々と頭を下げた。
「お嬢様、こんな時に申し訳ないのですが、どうかお暇をいただきとうございます」
「ああ、そう。ばあやが辞めちゃうとこの家には誰もいなくなっちゃうね」
「申し訳ございません」と言って、ばあやはまとめた荷物を持って出て行ってしまった。
「もうダメかも。1か月前は使用人も10人以上いたんだ。
でもママがあんなことになってから、どんどんいなくなっていった。近所でも化け物屋敷って噂されているし、ふざけんじゃねえよ。
どいつも、こいつも殺してやる!」
「駄目ですよ、及川さん。殺すなんてネガティブな負の感情を持っていると悪霊に付け込まれますよ。いいわ、私が何とかします。
これからご先祖様に助けてもらうから。みんな出てくるの凄く嫌がってるけれど、無理にでも出てきてもらうからね。
さあ、行きますよ!」
「なんて場所に呼んだんじゃ。ここは一刻も早く立ち去れい。お前のおるべき場所じゃないぞ」
「皆皆方、恐れてはなりませぬ。どうか恩師様を起こしてくださいませんか」
「馬鹿言うでないぞ、早苗。こんな場所に恩師様を呼べるわけなろうが」
「立ち去りませんよ。このお屋敷を守るのです。
これは悪霊ではなくて童様の仕業だと思います。御社である蔵を取り壊され、居場所を失ってしまった。だからお怒りになり、このような悪行を働いているのでしょう。明らかに、童様の念を感じます。どうか一緒に童様のお怒りを鎮めてくださいまし」
「確かに童様の魂を感じるのう。早苗の言う通りじゃ。まだこの場にある。童を鎮めれば家は元に戻るかもしれんの」
「本当!だったら早くなんとかしなさいよ!」
「ふん、礼儀を知らぬ小娘じゃ。貴様、前世でよほど業の深い人生を送っておったな。早苗のよしみで力は貸してやるが、金輪際早苗に近づくでないぞ。近づけば呪い殺してやろうぞ」
「おばあちゃん、及川さんを怖がらせないで。
それより由紀ちゃん、座敷童様をここに呼びたいの。力を貸してね」
「そんなことするわけないでしょ。あんたがやりなさいよ」
「でも、手伝っていただけないとお父様は死んでしまいます」
「仕方ないわね。何をすればいいの?」
「お菓子をたくさん持ってきてください。あと、子供のおもちゃがあれば何か持ってきてほしいです」
「お菓子はあるけど、おもちゃはないよ。テレビゲームなら、昔のがあるかも」
「とにかくいろいろ持ってきてください」
及川は両手いっぱいのおせんべいやスナックを持ってきた。すると、おとなしく寝ていた父親が飛び起きたかと思うと、お菓子の袋をバリバリと開け、その中に顔を突っ込んでむさぼり始めた。
「座敷童様、そこにおられたのですね。今、お鎮めします。どうか元の良い神様にお戻りください。御社であった蔵は必ずや元に戻しますので、何卒怒りをお鎮めください」
元木がお菓子を食べるのに夢中な父親の背中に両手を当てて、気を送った。
「熱っ!」
元木の両手がものすごく熱くなり、たくさんの火膨れができていた。
父親は菓子袋から頭を突き出すと、及川に襲い掛かった。
「パパ、やめろよ!」
「鎮まれぃ、鎮まれぃ!」
父親は少しもひるむことなく及川の首をぎゅうぎゅうを絞めつけている。
「その子は、あなたの娘ですよ。やめるのです!」
無意識に元木が呪文を呟いた。
「早苗よ、ご苦労であった。あとは我がやる、任せよ」
「ははあ、恩師様。このような下賤は場所になんと恐れ多い」
「よいよい、暇を持て余していたところじゃ。さて、座敷童よ。その辺にしておけ。さぞや辛かったろうのう。お前の思いは我が受け止めてやる。今、成仏させてやるでな」
「パパ、しっかりして」
「娘、この男はもう助からぬ。それよりも、この地を鎮める儀式をすぐに行え。祠を立てて、二度と近づかぬことじゃ。
さて、お前たち」
「ははあ、恩師様」
「ありがたき幸せ」
「お前らともあろうものが情けない。座敷童の多くは子供の神様などではない。欲にゆがんだ豪農たちがいかにして座敷童を手に入れてきたが、よもや忘れてはあるまいな。
確かに神聖化した座敷童が居つけばその家は永きに渡り繁栄し、住む者に幸を与えるという。しかしそれを知った欲深き者たつは、呪術によって座敷童を作る方法を思いついた。
裕福な家に生まれることで幸を約束された赤子を誘拐し、蔵に閉じ込める。そして、財の限りを尽くしてその赤子を手塩にかけて育てるのじゃ。
しかし、さらってきた子供は決して蔵から出してはならぬ。外界が楽しいものと知ってしまえば意味がない。外の世界は実に恐ろしきものと教え、蔵の中だけで生かすのじゃ。
そして物心がついたころに食事を与えず、ひたすら子守唄を聞かせながら息を引き取るのを待つ。幸せしか知らぬうちに餓死させるわけじゃな。
腹をすかした子供は子守唄に抱かれて静かに息を引き取る。そしてその死体を蔵に封じ込めることで座敷童の完成じゃ。そうやって偽りの繁栄の上に胡坐をかき、何百年と過ごしてきたのじゃ。
蔵が取り壊されたことで座敷童は解き放たれ、本来の外界を見聞きした。絢爛とした外の世界に触れた座敷童は騙されたことに気づき、今までの積年の恨みをぶつけてきたのじゃ。
守り神が転じて、その家を根絶やしにするための悪霊となり果てる。娘よ。お前の先祖はよpほど強欲だったと見える。今までにさらってきた子供は一人や二人ではすまぬぞ。
次々と座敷童を増やそうとさらっては蔵に閉じ込め、さらっては蔵に閉じ込め、見殺しにしてきたのじゃ。お前もろくな死に方はせんな。せめてこの屋敷を売り払い、善行に徹するがよい。
ことを済ませたら、仏門に入り尼として出家するのがよかろう。わらわはちと疲れた。しばらく寝るので早苗をしっかりと育てるのじゃぞ」
「ははあ」
恩師様が眠ったので、元木は意識を取り戻した。そして、すべてが終わった及川に声を掛けると
「二度と来るな!出ていけ!」と追い返されてしまった。
本当に家を守る座敷童様は一握りしかおらず、ほとんどはそれを見よう見まねで作ったレプリカらしい。
しかも、子供をさらって監禁し、餓死させることで座敷童を作るんて恐ろしすぎる。
及川の家は取り壊されることになった。結局、父親はそのまま助からず、母親も意識不明のままで、及川はあれから一度も学校に来ていない。
でも、元木の家には毎日、夜中に直接部屋に来る。
なんでも、あの一件のすぐあと、及川は山の中で首を吊り、元木を呪い殺してやる、と言って、たくさんの子供の霊を連れて遊びに来ているのだ。
きっと、及川の家の蔵で死んでいった座敷童たちだろう。
「あのう、私のこと怖がらないでくださいね。私って自分でいうのもなんですけど、普通の女の子なんですよ。
良ければ、今度一緒に水まんじゅうを食べにいきましょう」
元木の話が終わると、外はもう真っ暗だ。
元木の提案で、みんなで帰ることにした。だって、一人は怖いもの。
エンディング№469:座敷童の家
エンディング数 93/657 達成度14%
キャラクター図鑑 58/122 達成度47%
浦部美緒
イラストギャラリー 55/283 達成度19%

今日のファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼアはどうかな?
グリアニアで、アム・ガランジに話しかけると、星芒祭の手伝いを頼まれて、クエスト:星芒祭と心躍る一杯開始!
星芒マーケットの案内係に話しかけて、星芒マーケットへ。
アム・アランジに話しかけると、ミューヌといっしょに他の都市風味のキンダープンシュの作ることになった。
マーケット付近にいる砂都風の商人から紅茶、砂都風の貴婦人からスパイス、海都風の料理人からレモン、と言われる。
アム・ガランジに報告すると、材料を集めている間に、子供たちからの希望を聞いてきてほしい、と言われる。
星芒マーケットへ。
利発そうな少女は、グリアニア以外の果物。
ジュルタンは、船。
おとなしそうな少女は、グリダニア。
おっとりした星芒祭実行委員に話しかけて、キンダープンシュ配りを開始!
穏やかそうな少年→砂都風
利発そうな少女→海都風
勇ましそうな少年→砂都風
おとなしそうな少女→森都風
ジュルタン→海都風
アム・ガランジに報告して、クエストクリアして、演技教本:マグカップで飲むをゲット!
アチーブメント:プンシュで乾杯!をゲット!

今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
1週目クリア
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る
2週目開始!
倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)
4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№58~61・63(62は後で見る予定)
語り部6人の話が終わったが、7人目はまだ姿を見せない。
「全員の話が終わったぜ。どうするんだ?」
新堂に促された。どうしよう。
- もうしばらく待ちましょう
- 荒井さんの意見を聞きたい
- 帰りましょう
最後に話をしてくれた荒井の意見を聞いてみよう。
「あのう、荒井さん、何か意見はありますか?」
「意見?僕にこの状況でどんな意見を言えというのですか?」
お開きにした方がいいな、と坂上が思って、立ち上がろうとした時だった。
「こんにちは」
突然ドアが開き、まだ幼い印象の残る女の子が立っていた。元木早苗だった。
「あっれ~、早苗ちゃんじゃない!」と福沢が驚いて声を上げた。
「あ、玲子ちゃん、こんにちは~。他の皆さんも初めましてです~。どうぞ、よしなに~」
「あ、もしかして7人目って、早苗ちゃんのことだったの?」
「えっと、私は・・・」
- 黙って聞いている→エンディング№453:早苗ちゃんの娘婿、エンディング№454:交換日記の怖い話、エンディング№456:首吊りの樹の下で
- 7人目なんですよね?
- 7人目ではないですよね?
それは・・・帰っちゃダメ!」
元木は突然振り向くと、ドアから出て行こうとする新堂を厳しい口調で呼び止めた。
「俺はもう帰るんだよ。お前が7人目で最後の話をしてくれるってんなら別だけどな」といらついた口調で新堂が言った。
「私は7人目じゃないです」
「じゃあ帰るぜ」
「今帰ると、あなた死んじゃいますよ」
「変な冗談言ってると、俺も本気で怒るぜ」
「私が7話目をしてあげます。7人目が来る前に」
「本当か?」
「ええ、来ますよ。この中の一人を殺しに」
元木は、坂上のことを見てにっこりと笑った。
今度は岩下が帰ると言い出した。
「あなた、死んじゃいますよ」
「うふふ、私が殺されるっていうの?もしそんな奴がいたら、死ぬ前に先に殺してあげるから大丈夫よ」
「一人でも帰ると、この中の誰かが間違いなく死ぬの。だから、帰っちゃだめなの。呪いを解かなきゃならないから」
元木は誰も逃がさないように部室の前に立ちはだかった。
「皆さん、席に戻ってください」
全員が席に座るのを確かめると、7人目のために用意された席に元木が腰を下ろした。
「私が最後の話をします。坂上君、それでいい?」
- お願いします
- 7人目を待ちましょう
あ、そうだ、坂上君。私があなたを助けにきた理由。私と結婚することになってるの。だから、おばあちゃんが助けにいきなさいって言ってたの。
あなたが死んじゃうと、私、一生結婚できないんだもん。
これは運命だから。私との結婚を約束してくれるなら、あなたを守ります。それから7話目を話してあげるの」
- 彼女を信じて結婚すると言う →もしこの世に運命の赤い糸があるなら、こういう出会いがあってもいいかもしれないと思った坂上は、心を決めた。
- 結婚すると嘘を吐く →とりあえずこう言っとけば後でなんとでも言えるしと思った坂上が、こう言った。
- そんなこと約束できないと言う→エンディング№457:夫婦エクトプラズム、エンディング№458:サイコパス日野貞夫
岩下と荒井は興味なさそうに俯いて黙ったいたが、他メンバーは笑って祝福してくれた。
「皆さん、ありがとうございます。それじゃあ、話すね。
・・・皆さん、初めまして、私は1年も元木早苗といいます。
この集会に呼ばれた7人目ではないんですけれど、7人目が来る前に私が最後の話をしますね。
これは私のおばあちゃんから聞いた話なんです。私のおばあちゃんは私の中に住んでいるんだけれど、時々私の身体から抜け出ていっちゃうんです。
それでね、いろんなものを見てくるんですよ。これは、そのおばあちゃんが見た話。つい、最近起こった話なんですよ」
この学校に神田拓郎という生徒がいた。神田には彼女がいたが、とっても嫉妬深かった。
スマホは毎日チェックするし、彼のスケジュールは全部把握していないと気が済まない。
女の子が側に近づいただけで、しつこく問い詰めたり、ヒステリーを起こして異常に怒ったり。
神田はそんな彼女が怖くなり、別れたいと思うようになった。
そんな時、神田のことを好きだという女の子が現れた。
その女の子は、神田に近づくようになったが、もちろん嫉妬深い彼女は、それを知ってものすごく怒った。
でも、神田は目を盗んでその女の子と付き合うようになった。でも、さらにややこしいことに、その女の子に片思いしている人がいた。
世間でいうところの四角関係というやつだったが、それから何日かして神田が死んでしまった。
線路を枕代わりに、睡眠薬を飲んでそのまま眠り、そこに電車がやってきて、車輪に頭を轢かれて死んでしまったのだ。
頭はグシャグシャに潰れて復元できなかった。神田の死は、自殺ということで片付けられた。
「ねえ、坂上君。神田さんが死んだのって、自殺だと思う?それとも他殺だと思う?もし他殺なら、犯人は誰かしら?」と、なぜか元木が坂上に尋ねてきた。
- 自殺した
- ヒステリーな彼女が殺した
- 神田さんを思ってた女の子
- その子に片思いしていた男
- その他の誰か
でもね、もうすぐ7人目がやってきますから。7人目は誰だと思います?そう、神田君です」
「どうしてあいつがやってくんだよ!」と突然、新堂が声を荒げた。
「新堂さって、神田さんのこと知ってるんですか?」
「俺と同じクラスだったからな。でも、俺はただ知っている程度の仲さ。
神田のことだったら岩下の方が詳しいんじゃないのか?岩下と神田と付き合っているって噂だったからな」
「さあ、どうかしら。あなた、見たの?私と神田君に何かあったとことを見たのかしら?
私、嘘つきは嫌いなの。
もし、私が本当に神田という男と付き合っていたとしたら、私はきっとその男のことを殺したいたいと思ったでしょうね。
それより、福沢さんだったかしら?あなた、神田君のこと、密かに想っていたそうね。最近、神田君が新しい女と付き合い始めたって話を聞いたわ。確か、名前は福沢玲子」
「きゃははは、岩下さん、突然何を言い出すんですかぁ?
確かに、私が神田さんのことが好きだったのは認めますけど、私のせいで彼が自殺したっていうのは違うと思うなあ。だって、彼が死んで一番悲しかったのは私ですよ?
私は知ってるんだけどなあ。神田さんが自殺じゃないってこと。岩下さんは誰よりもよくわかっていますよねえ。神田さんを殺した張本人だから。きゃはははは」
「私が殺したって言うんだったら、証拠を見せてみなさいな」
福沢と岩下がにらみ合っていると、荒井が口をはさんできた。
「この話にはもう一人登場人物がいますよね。神田さんと新しく付き合い始めた福沢さんのことを好きだった男性。僕ね、実はその男、思い当たるんですよ。
細田さんって、福沢さんのこと好きなんじゃないですか?あなた、ここに来てからずっとチラチラと福沢さんのこと見てますよね?」
「ばれちゃったかな?実は、1年に僕好みの子が来たなあなんて、ずっと福沢さんのこと見てたんだよね。もっとも、片思いだけど・・・
まさか、今日こうして一緒に話ができるなんて、思ってみなかったよ。いや、恥ずかしいなあ。
でもね、福沢さんて人気あるじゃないですか。彼女のことを好きな男性って僕だけですか?
風間さんなんて、僕よりずっと親しげに福沢さんと話していますけれど?うくくく」
「今度はボクまで疑われるのかい?全女性に愛の手を差し伸べるのは、ボクの義務なんだ。
福沢さんを好きだというのなら、荒井君も候補に入るんじゃない?
それに神田を殺したというのであれば、新堂だってその可能性は十分ある。新堂は神田を恐喝していたよね?
いつも小遣いをせびっていたから、それを警察に相談するって神田が言ってたって噂、聞いたよ」
「ぶっ殺すぞ!」
「そう熱くなるなよ。ボクが言いたいのは、ここに集まった語り部は多かれ少なかれ神田に関係のある奴ばかりじゃないの。
まだ気づかないの?ボクたちはどうしてこの場に集まった?こりゃあ、日野が仕組んだ罠だよね?
あいつ、神田と仲が良かったからなあ。彼なりに犯人と突き止めたかったんでしょ?
ということでボクは帰るよ」
風間の手がドアのノブにかかった時、元木が叫んだ。
「待って!私、7人目が来るって言いましたよね?それまで帰っちゃダメです」
「悪いけど、これ以上の束縛は勘弁してほしい」
「ダメ!今、ドアを開けたら殺されちゃう。もう、神田さんは来てるんだから。そして、その扉の向こうに立ってるんだから。
ねえ、坂上君。あなた、私の話、信じてくれますか?」
- 信じているよ→元木はとても嬉しそうに笑ってくれた。
- さすがに信じられない→元木は、みんなは怖がって話しかけてもくれないのに、坂上だけは本音で話してくれている、と喜んでいる。
- 結婚は中止だ。君はおかしい→エンディング№459:運命の人、エンディング№460:そして一人が生贄になる
自分と同じように、誰かの首を取らないとだめなんです。
この中にね、神田さんも殺した人がいるんだよ。どういう理由があったのか、どうして殺さなければいけなかったのか、それは追及しないけれど、その人が犠牲になるべきだと思うの。それが誰かは、私にはわからないけど」
「ボクは帰る!」
いつになく興奮している風間が立ち上がり、窓に駆け寄った。しかし、窓は開かないので、椅子を手に持ち窓にたたきつけようとする。
「そんなことをしても、窓は割れないですよ。
この部屋は、神田さんに呪われているから。完全に密閉されてるんです。
誰かが一人死ぬまで、この部屋からは永久に出られないんですよ」
「お前が殺したんだろ!お前が責任を取って犠牲になるべきじゃないのか、岩下」
「私が殺した証拠があるの?証拠もないくせに勝手なこと言ってる新堂君こそ、怪しいんじゃないの?」
福沢も黙っていなかった。
「あんたが、私の神田さんも殺したんだわ!私と神田さんが付き合うことに嫉妬したんだわ。
でもさ、神田さんがいなくなったからって、あんたみたいなブタ野郎とは死んでも付き合わないからね!責任とって、あんたが死になさいよ!」
「福沢さん、そんなこと言わないで。君は僕の女神様なんだから。僕はね、遠くから君のことを見て想像するだけで幸せなんだからさあ」
「神田さんが怒っています。
このままだったら、神田さんが部室に入ってきちゃいますよ。そうしたら、一人だけじゃなくて、みんな殺されちゃいますからね~」
元木がそう言ったときには、もう手遅れだった。ドアは超常的な力で消し飛び、そこに一人の男子生徒が立っていた。多分神田さんなのだろう。彼は首から上がなかった。
「ボクが岩下にちょっかいを出したことは謝るよ!でも、キミを殺したのはボクじゃないだろ?」
風間は土下座し、許しを請うた。
「俺がお前にしたことは、ちょっとした出来心で小遣いをせびっただけなんだよ。何も警察沙汰にするほどのことじゃないだろうが」
新堂は逃げ腰になり、震える声で必死に言った。
「あれはちょっとした冗談だったの。岩下さんがあなたとの仲を見せつけるから、横取りしてやろうと思ったのよ。別に、振るつもりはなかったのよ。ごめんね、私のこと殺さないで!」
福沢は、手を合わせて祈っている。
「僕は関係ないんだ。そりゃあ、福沢さんを奪ったあなたのことが憎くて、階段から突飛ばしたり、鞄の中に画びょうを入れたりしましたけれど。そんなことで死んだりしませんよね?」
細田は、部屋の片隅に体を押し込むようにして、少しでも遠くに逃げようとしている。
荒井は何も言わず、逃げようともせず、ただじっと座ったまま俯いている。
「あんたなんか殺されて当然だわ。誰もがあんたのこと、殺したいと思ってたんじゃないかしら?私が憎い?だったら、私を殺せば?」
岩下も逃げようとせず、椅子に座ったまま神田のことを睨みつけた。
坂上の頭の中に、神田の声が響いた。
「誰を殺せばいい。誰を生贄にすれば俺は救われる?この中の誰か一人。お前が決めろ」
- 岩下明美→エンディング№461:背負った十字架の重さ
- 風間望→エンディング№462:増える風間さん
- 新堂誠→エンディング№463:新堂さんを生贄に願ったもの
- 細田友春→エンディング№464:親友になった細田さん
- 荒井昭二→エンディング№465:日野貞夫の復讐
- 福沢玲子→エンディング№466:線路が僕を呼んでいる
- 自分→エンディング№467:誰が駒鳥を殺したの
- 元木早苗
「元木さん、こいつは自分が成仏するために僕たちを犠牲にしようとしている。僕は誰も犠牲にしたくないんだ!どうすればいいんだよ!」
すると細田も声を張った。
「僕もだよ。頭の中に変な声が入り込んでくるんだ。誰かを生贄にしろって。それで坂上君を生贄にするべきだって、僕の頭の中から命令が聞こえてくるんだよ。
大好きな坂上君を生贄になんかしたくないんだよ!」
驚くことに、神田は全員の頭に変な思いを吹き込んでいるようだった。
元木が何が呪文を唱えると、頭のない学生服の男はまるで幻のように消えてしまった。
「元木さん!」
がっくりと崩れ落ちた元木の身体を坂上が支えると、元木はゆっくりと目を開けた。
「おばあちゃんが、もう大丈夫だって。良かったね。誰も死ななくて」
それから1週間が経った。結局、神田を誰が殺したのか、それ以前に自殺だったのか他殺だったのかもわからなかった。
そして、あれ以来、坂上は元木と正式にお付き合いさせていただくことになった。
「坂上君、お待たせ。3秒遅刻しちゃったね」
「早苗ちゃん、全然遅刻していないから」
「あなたが元木さんね?私、中山真美華。私が日野さんに頼まれて恨みを晴らしてあげようとしたのに、あなたに邪魔された」
どうやら神田を仕掛けてきたのは、この中山だったらしい。
「いい度胸しているじゃない。気に入ったわ。ちょっとは認めてあげる。でも、私の遊びの邪魔しないで。いつでもあなたなんて殺せるんだから」
「私は皆さんに平和に生きてもらいたいだけですよ~」
「まあ、いいわ。今日はあいさつしに来ただけだから。
そこのちんちくりん」
「僕ですか」
「あんたも、その女とつるむのなら覚悟しておくことね。じゃあ、今度」
そんな捨て台詞を残し、彼女は学校へ戻って行った。
「あの子、ガチです~。怖かったです~。おばあちゃんたちも怖いと言ってます~」
鳴神学園では騒動は尽きない。
エンディング№468:霊媒師vs黒魔術師
エンディング数 92/657 達成度14%
キャラクター図鑑 57/122 達成度46%
イラストギャラリー 54/283 達成度19%

今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
1週目クリア
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る
2週目開始!
倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)
4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№58~61・63(62は後で見る予定)
語り部6人の話が終わったが、7人目はまだ姿を見せない。
「全員の話が終わったぜ。どうするんだ?」
新堂に促された。どうしよう。
- もうしばらく待ちましょう
- 荒井さんの意見を聞きたい
- 帰りましょう
最後に話をしてくれた荒井の意見を聞いてみよう。
「あのう、荒井さん、何か意見はありますか?」
「意見?僕にこの状況でどんな意見を言えというのですか?」
お開きにした方がいいな、と坂上が思って、立ち上がろうとした時だった。
「こんにちは」
突然ドアが開き、まだ幼い印象の残る女の子が立っていた。元木早苗だった。
「あっれ~、早苗ちゃんじゃない!」と福沢が驚いて声を上げた。
「あ、玲子ちゃん、こんにちは~。他の皆さんも初めましてです~。どうぞ、よしなに~」
「あ、もしかして7人目って、早苗ちゃんのことだったの?」
「えっと、私は・・・」
- 黙って聞いている→エンディング№453:早苗ちゃんの娘婿、エンディング№454:交換日記の怖い話、エンディング№456:首吊りの樹の下で
- 7人目なんですよね?
- 7人目ではないですよね?
それは・・・帰っちゃダメ!」
元木は突然振り向くと、ドアから出て行こうとする新堂を厳しい口調で呼び止めた。
「俺はもう帰るんだよ。お前が7人目で最後の話をしてくれるってんなら別だけどな」といらついた口調で新堂が言った。
「私は7人目じゃないです」
「じゃあ帰るぜ」
「今帰ると、あなた死んじゃいますよ」
「変な冗談言ってると、俺も本気で怒るぜ」
「私が7話目をしてあげます。7人目が来る前に」
「本当か?」
「ええ、来ますよ。この中の一人を殺しに」
元木は、坂上のことを見てにっこりと笑った。
今度は岩下が帰ると言い出した。
「あなた、死んじゃいますよ」
「うふふ、私が殺されるっていうの?もしそんな奴がいたら、死ぬ前に先に殺してあげるから大丈夫よ」
「一人でも帰ると、この中の誰かが間違いなく死ぬの。だから、帰っちゃだめなの。呪いを解かなきゃならないから」
元木は誰も逃がさないように部室の前に立ちはだかった。
「皆さん、席に戻ってください」
全員が席に座るのを確かめると、7人目のために用意された席に元木が腰を下ろした。
「私が最後の話をします。坂上君、それでいい?」
- お願いします
- 7人目を待ちましょう
あ、そうだ、坂上君。私があなたを助けにきた理由。私と結婚することになってるの。だから、おばあちゃんが助けにいきなさいって言ってたの。
あなたが死んじゃうと、私、一生結婚できないんだもん。
これは運命だから。私との結婚を約束してくれるなら、あなたを守ります。それから7話目を話してあげるの」
- 彼女を信じて結婚すると言う →もしこの世に運命の赤い糸があるなら、こういう出会いがあってもいいかもしれないと思った坂上は、心を決めた。
- 結婚すると嘘を吐く →とりあえずこう言っとけば後でなんとでも言えるしと思った坂上が、こう言った。
- そんなこと約束できないと言う→エンディング№457:夫婦エクトプラズム、エンディング№458:サイコパス日野貞夫
岩下と荒井は興味なさそうに俯いて黙ったいたが、他メンバーは笑って祝福してくれた。
「皆さん、ありがとうございます。それじゃあ、話すね。
・・・皆さん、初めまして、私は1年も元木早苗といいます。
この集会に呼ばれた7人目ではないんですけれど、7人目が来る前に私が最後の話をしますね。
これは私のおばあちゃんから聞いた話なんです。私のおばあちゃんは私の中に住んでいるんだけれど、時々私の身体から抜け出ていっちゃうんです。
それでね、いろんなものを見てくるんですよ。これは、そのおばあちゃんが見た話。つい、最近起こった話なんですよ」
この学校に神田拓郎という生徒がいた。神田には彼女がいたが、とっても嫉妬深かった。
スマホは毎日チェックするし、彼のスケジュールは全部把握していないと気が済まない。
女の子が側に近づいただけで、しつこく問い詰めたり、ヒステリーを起こして異常に怒ったり。
神田はそんな彼女が怖くなり、別れたいと思うようになった。
そんな時、神田のことを好きだという女の子が現れた。
その女の子は、神田に近づくようになったが、もちろん嫉妬深い彼女は、それを知ってものすごく怒った。
でも、神田は目を盗んでその女の子と付き合うようになった。でも、さらにややこしいことに、その女の子に片思いしている人がいた。
世間でいうところの四角関係というやつだったが、それから何日かして神田が死んでしまった。
線路を枕代わりに、睡眠薬を飲んでそのまま眠り、そこに電車がやってきて、車輪に頭を轢かれて死んでしまったのだ。
頭はグシャグシャに潰れて復元できなかった。神田の死は、自殺ということで片付けられた。
「ねえ、坂上君。神田さんが死んだのって、自殺だと思う?それとも他殺だと思う?もし他殺なら、犯人は誰かしら?」と、なぜか元木が坂上に尋ねてきた。
- 自殺した
- ヒステリーな彼女が殺した
- 神田さんを思ってた女の子
- その子に片思いしていた男
- その他の誰か
でもね、もうすぐ7人目がやってきますから。7人目は誰だと思います?そう、神田君です」
「どうしてあいつがやってくんだよ!」と突然、新堂が声を荒げた。
「新堂さって、神田さんのこと知ってるんですか?」
「俺と同じクラスだったからな。でも、俺はただ知っている程度の仲さ。
神田のことだったら岩下の方が詳しいんじゃないのか?岩下と神田と付き合っているって噂だったからな」
「さあ、どうかしら。あなた、見たの?私と神田君に何かあったとことを見たのかしら?
私、嘘つきは嫌いなの。
もし、私が本当に神田という男と付き合っていたとしたら、私はきっとその男のことを殺したいたいと思ったでしょうね。
それより、福沢さんだったかしら?あなた、神田君のこと、密かに想っていたそうね。最近、神田君が新しい女と付き合い始めたって話を聞いたわ。確か、名前は福沢玲子」
「きゃははは、岩下さん、突然何を言い出すんですかぁ?
確かに、私が神田さんのことが好きだったのは認めますけど、私のせいで彼が自殺したっていうのは違うと思うなあ。だって、彼が死んで一番悲しかったのは私ですよ?
私は知ってるんだけどなあ。神田さんが自殺じゃないってこと。岩下さんは誰よりもよくわかっていますよねえ。神田さんを殺した張本人だから。きゃはははは」
「私が殺したって言うんだったら、証拠を見せてみなさいな」
福沢と岩下がにらみ合っていると、荒井が口をはさんできた。
「この話にはもう一人登場人物がいますよね。神田さんと新しく付き合い始めた福沢さんのことを好きだった男性。僕ね、実はその男、思い当たるんですよ。
細田さんって、福沢さんのこと好きなんじゃないですか?あなた、ここに来てからずっとチラチラと福沢さんのこと見てますよね?」
「ばれちゃったかな?実は、1年に僕好みの子が来たなあなんて、ずっと福沢さんのこと見てたんだよね。もっとも、片思いだけど・・・
まさか、今日こうして一緒に話ができるなんて、思ってみなかったよ。いや、恥ずかしいなあ。
でもね、福沢さんて人気あるじゃないですか。彼女のことを好きな男性って僕だけですか?
風間さんなんて、僕よりずっと親しげに福沢さんと話していますけれど?うくくく」
「今度はボクまで疑われるのかい?全女性に愛の手を差し伸べるのは、ボクの義務なんだ。
福沢さんを好きだというのなら、荒井君も候補に入るんじゃない?
それに神田を殺したというのであれば、新堂だってその可能性は十分ある。新堂は神田を恐喝していたよね?
いつも小遣いをせびっていたから、それを警察に相談するって神田が言ってたって噂、聞いたよ」
「ぶっ殺すぞ!」
「そう熱くなるなよ。ボクが言いたいのは、ここに集まった語り部は多かれ少なかれ神田に関係のある奴ばかりじゃないの。
まだ気づかないの?ボクたちはどうしてこの場に集まった?こりゃあ、日野が仕組んだ罠だよね?
あいつ、神田と仲が良かったからなあ。彼なりに犯人と突き止めたかったんでしょ?
ということでボクは帰るよ」
風間の手がドアのノブにかかった時、元木が叫んだ。
「待って!私、7人目が来るって言いましたよね?それまで帰っちゃダメです」
「悪いけど、これ以上の束縛は勘弁してほしい」
「ダメ!今、ドアを開けたら殺されちゃう。もう、神田さんは来てるんだから。そして、その扉の向こうに立ってるんだから。
ねえ、坂上君。あなた、私の話、信じてくれますか?」
- 信じているよ→元木はとても嬉しそうに笑ってくれた。
- さすがに信じられない→元木は、みんなは怖がって話しかけてもくれないのに、坂上だけは本音で話してくれている、と喜んでいる。
- 結婚は中止だ。君はおかしい→エンディング№459:運命の人、エンディング№460:そして一人が生贄になる
自分と同じように、誰かの首を取らないとだめなんです。
この中にね、神田さんも殺した人がいるんだよ。どういう理由があったのか、どうして殺さなければいけなかったのか、それは追及しないけれど、その人が犠牲になるべきだと思うの。それが誰かは、私にはわからないけど」
「ボクは帰る!」
いつになく興奮している風間が立ち上がり、窓に駆け寄った。しかし、窓は開かないので、椅子を手に持ち窓にたたきつけようとする。
「そんなことをしても、窓は割れないですよ。
この部屋は、神田さんに呪われているから。完全に密閉されてるんです。
誰かが一人死ぬまで、この部屋からは永久に出られないんですよ」
「お前が殺したんだろ!お前が責任を取って犠牲になるべきじゃないのか、岩下」
「私が殺した証拠があるの?証拠もないくせに勝手なこと言ってる新堂君こそ、怪しいんじゃないの?」
福沢も黙っていなかった。
「あんたが、私の神田さんも殺したんだわ!私と神田さんが付き合うことに嫉妬したんだわ。
でもさ、神田さんがいなくなったからって、あんたみたいなブタ野郎とは死んでも付き合わないからね!責任とって、あんたが死になさいよ!」
「福沢さん、そんなこと言わないで。君は僕の女神様なんだから。僕はね、遠くから君のことを見て想像するだけで幸せなんだからさあ」
「神田さんが怒っています。
このままだったら、神田さんが部室に入ってきちゃいますよ。そうしたら、一人だけじゃなくて、みんな殺されちゃいますからね~」
元木がそう言ったときには、もう手遅れだった。ドアは超常的な力で消し飛び、そこに一人の男子生徒が立っていた。多分神田さんなのだろう。彼は首から上がなかった。
「ボクが岩下にちょっかいを出したことは謝るよ!でも、キミを殺したのはボクじゃないだろ?」
風間は土下座し、許しを請うた。
「俺がお前にしたことは、ちょっとした出来心で小遣いをせびっただけなんだよ。何も警察沙汰にするほどのことじゃないだろうが」
新堂は逃げ腰になり、震える声で必死に言った。
「あれはちょっとした冗談だったの。岩下さんがあなたとの仲を見せつけるから、横取りしてやろうと思ったのよ。別に、振るつもりはなかったのよ。ごめんね、私のこと殺さないで!」
福沢は、手を合わせて祈っている。
「僕は関係ないんだ。そりゃあ、福沢さんを奪ったあなたのことが憎くて、階段から突飛ばしたり、鞄の中に画びょうを入れたりしましたけれど。そんなことで死んだりしませんよね?」
細田は、部屋の片隅に体を押し込むようにして、少しでも遠くに逃げようとしている。
荒井は何も言わず、逃げようともせず、ただじっと座ったまま俯いている。
「あんたなんか殺されて当然だわ。誰もがあんたのこと、殺したいと思ってたんじゃないかしら?私が憎い?だったら、私を殺せば?」
岩下も逃げようとせず、椅子に座ったまま神田のことを睨みつけた。
坂上の頭の中に、神田の声が響いた。
「誰を殺せばいい。誰を生贄にすれば俺は救われる?この中の誰か一人。お前が決めろ」
- 岩下明美→エンディング№461:背負った十字架の重さ
- 風間望→エンディング№462:増える風間さん
- 新堂誠→エンディング№463:新堂さんを生贄に願ったもの
- 細田友春→エンディング№464:親友になった細田さん
- 荒井昭二→エンディング№465:日野貞夫の復讐
- 福沢玲子→エンディング№466:線路が僕を呼んでいる
- 自分
- 元木早苗
だったら・・・僕を指名します)
「わかった」と返事らしき声が坂上の頭の中で響いた。そして、神田はみんなが囲んでいる机の周りを歩く。
そして、坂上の後ろでピタっと止まった。その時、明かりが消え視界が真っ暗になった。そして耳元で声が聞こえた。
「ありがとう。君は優しいな。君に会えたから、僕は成仏できるよ」
その時、坂上は首を思いきり締め付けられた。見えていない手が、グイグイと坂上の首に食い込んでくる。
「君が死んでくれれば、僕は成仏できる。ありがとう」
意識が遠のく坂上の耳に、元木が何が呪文を唱えているのが聞こえる。
「イヤだ、消えたくない。俺は何も悪くない」と神田が言い、坂上の首を絞めていた手の感覚が薄れていき、明かりが点いた。
頭のない学生服の男はまるで幻のように消えてしまった。坂上の傍らに元木が倒れている。
「元木さん!」
がっくりと崩れ落ちた元木の身体を坂上が支えると、元木はゆっくりと目を開けた。
「おばあちゃんが、もう大丈夫だって。良かったね。誰も死ななくて」
それから1週間が経った。
あれ以来、坂上は元木と正式にお付き合いさせていただくことになった。常にご先祖様に監視されているのは未だになれないが、それでも彼女と一緒にいるのは楽しい。
「これ、修一。あの時貴様が自分の名前を思い描くような日本男児でなければ、うちの孫娘の婿にするつもりはなかったんじゃからの。
その想いを忘れず、常に修行に励むのじゃぞ。祓い師の道は険しいからの」
(時々早苗ちゃんが豹変するのが、やっぱり怖い。これもいつか慣れるのだろうか。
・・・いつか慣れるよね、きっと)
エンディング№467:誰が駒鳥を殺したの
エンディング数 91/657 達成度13%
キャラクター図鑑 57/122 達成度46%
イラストギャラリー 54/283 達成度19%

今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
1週目クリア
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る
2週目開始!
倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)
4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№58~61・63(62は後で見る予定)
語り部6人の話が終わったが、7人目はまだ姿を見せない。
「全員の話が終わったぜ。どうするんだ?」
新堂に促された。どうしよう。
- もうしばらく待ちましょう
- 荒井さんの意見を聞きたい
- 帰りましょう
最後に話をしてくれた荒井の意見を聞いてみよう。
「あのう、荒井さん、何か意見はありますか?」
「意見?僕にこの状況でどんな意見を言えというのですか?」
お開きにした方がいいな、と坂上が思って、立ち上がろうとした時だった。
「こんにちは」
突然ドアが開き、まだ幼い印象の残る女の子が立っていた。元木早苗だった。
「あっれ~、早苗ちゃんじゃない!」と福沢が驚いて声を上げた。
「あ、玲子ちゃん、こんにちは~。他の皆さんも初めましてです~。どうぞ、よしなに~」
「あ、もしかして7人目って、早苗ちゃんのことだったの?」
「えっと、私は・・・」
- 黙って聞いている→エンディング№453:早苗ちゃんの娘婿、エンディング№454:交換日記の怖い話、エンディング№456:首吊りの樹の下で
- 7人目なんですよね?
- 7人目ではないですよね?
それは・・・帰っちゃダメ!」
元木は突然振り向くと、ドアから出て行こうとする新堂を厳しい口調で呼び止めた。
「俺はもう帰るんだよ。お前が7人目で最後の話をしてくれるってんなら別だけどな」といらついた口調で新堂が言った。
「私は7人目じゃないです」
「じゃあ帰るぜ」
「今帰ると、あなた死んじゃいますよ」
「変な冗談言ってると、俺も本気で怒るぜ」
「私が7話目をしてあげます。7人目が来る前に」
「本当か?」
「ええ、来ますよ。この中の一人を殺しに」
元木は、坂上のことを見てにっこりと笑った。
今度は岩下が帰ると言い出した。
「あなた、死んじゃいますよ」
「うふふ、私が殺されるっていうの?もしそんな奴がいたら、死ぬ前に先に殺してあげるから大丈夫よ」
「一人でも帰ると、この中の誰かが間違いなく死ぬの。だから、帰っちゃだめなの。呪いを解かなきゃならないから」
元木は誰も逃がさないように部室の前に立ちはだかった。
「皆さん、席に戻ってください」
全員が席に座るのを確かめると、7人目のために用意された席に元木が腰を下ろした。
「私が最後の話をします。坂上君、それでいい?」
- お願いします
- 7人目を待ちましょう
あ、そうだ、坂上君。私があなたを助けにきた理由。私と結婚することになってるの。だから、おばあちゃんが助けにいきなさいって言ってたの。
あなたが死んじゃうと、私、一生結婚できないんだもん。
これは運命だから。私との結婚を約束してくれるなら、あなたを守ります。それから7話目を話してあげるの」
- 彼女を信じて結婚すると言う →もしこの世に運命の赤い糸があるなら、こういう出会いがあってもいいかもしれないと思った坂上は、心を決めた。
- 結婚すると嘘を吐く →とりあえずこう言っとけば後でなんとでも言えるしと思った坂上が、こう言った。
- そんなこと約束できないと言う→エンディング№457:夫婦エクトプラズム、エンディング№458:サイコパス日野貞夫
岩下と荒井は興味なさそうに俯いて黙ったいたが、他メンバーは笑って祝福してくれた。
「皆さん、ありがとうございます。それじゃあ、話すね。
・・・皆さん、初めまして、私は1年も元木早苗といいます。
この集会に呼ばれた7人目ではないんですけれど、7人目が来る前に私が最後の話をしますね。
これは私のおばあちゃんから聞いた話なんです。私のおばあちゃんは私の中に住んでいるんだけれど、時々私の身体から抜け出ていっちゃうんです。
それでね、いろんなものを見てくるんですよ。これは、そのおばあちゃんが見た話。つい、最近起こった話なんですよ」
この学校に神田拓郎という生徒がいた。神田には彼女がいたが、とっても嫉妬深かった。
スマホは毎日チェックするし、彼のスケジュールは全部把握していないと気が済まない。
女の子が側に近づいただけで、しつこく問い詰めたり、ヒステリーを起こして異常に怒ったり。
神田はそんな彼女が怖くなり、別れたいと思うようになった。
そんな時、神田のことを好きだという女の子が現れた。
その女の子は、神田に近づくようになったが、もちろん嫉妬深い彼女は、それを知ってものすごく怒った。
でも、神田は目を盗んでその女の子と付き合うようになった。でも、さらにややこしいことに、その女の子に片思いしている人がいた。
世間でいうところの四角関係というやつだったが、それから何日かして神田が死んでしまった。
線路を枕代わりに、睡眠薬を飲んでそのまま眠り、そこに電車がやってきて、車輪に頭を轢かれて死んでしまったのだ。
頭はグシャグシャに潰れて復元できなかった。神田の死は、自殺ということで片付けられた。
「ねえ、坂上君。神田さんが死んだのって、自殺だと思う?それとも他殺だと思う?もし他殺なら、犯人は誰かしら?」と、なぜか元木が坂上に尋ねてきた。
- 自殺した
- ヒステリーな彼女が殺した
- 神田さんを思ってた女の子
- その子に片思いしていた男
- その他の誰か
でもね、もうすぐ7人目がやってきますから。7人目は誰だと思います?そう、神田君です」
「どうしてあいつがやってくんだよ!」と突然、新堂が声を荒げた。
「新堂さって、神田さんのこと知ってるんですか?」
「俺と同じクラスだったからな。でも、俺はただ知っている程度の仲さ。
神田のことだったら岩下の方が詳しいんじゃないのか?岩下と神田と付き合っているって噂だったからな」
「さあ、どうかしら。あなた、見たの?私と神田君に何かあったとことを見たのかしら?
私、嘘つきは嫌いなの。
もし、私が本当に神田という男と付き合っていたとしたら、私はきっとその男のことを殺したいたいと思ったでしょうね。
それより、福沢さんだったかしら?あなた、神田君のこと、密かに想っていたそうね。最近、神田君が新しい女と付き合い始めたって話を聞いたわ。確か、名前は福沢玲子」
「きゃははは、岩下さん、突然何を言い出すんですかぁ?
確かに、私が神田さんのことが好きだったのは認めますけど、私のせいで彼が自殺したっていうのは違うと思うなあ。だって、彼が死んで一番悲しかったのは私ですよ?
私は知ってるんだけどなあ。神田さんが自殺じゃないってこと。岩下さんは誰よりもよくわかっていますよねえ。神田さんを殺した張本人だから。きゃはははは」
「私が殺したって言うんだったら、証拠を見せてみなさいな」
福沢と岩下がにらみ合っていると、荒井が口をはさんできた。
「この話にはもう一人登場人物がいますよね。神田さんと新しく付き合い始めた福沢さんのことを好きだった男性。僕ね、実はその男、思い当たるんですよ。
細田さんって、福沢さんのこと好きなんじゃないですか?あなた、ここに来てからずっとチラチラと福沢さんのこと見てますよね?」
「ばれちゃったかな?実は、1年に僕好みの子が来たなあなんて、ずっと福沢さんのこと見てたんだよね。もっとも、片思いだけど・・・
まさか、今日こうして一緒に話ができるなんて、思ってみなかったよ。いや、恥ずかしいなあ。
でもね、福沢さんて人気あるじゃないですか。彼女のことを好きな男性って僕だけですか?
風間さんなんて、僕よりずっと親しげに福沢さんと話していますけれど?うくくく」
「今度はボクまで疑われるのかい?全女性に愛の手を差し伸べるのは、ボクの義務なんだ。
福沢さんを好きだというのなら、荒井君も候補に入るんじゃない?
それに神田を殺したというのであれば、新堂だってその可能性は十分ある。新堂は神田を恐喝していたよね?
いつも小遣いをせびっていたから、それを警察に相談するって神田が言ってたって噂、聞いたよ」
「ぶっ殺すぞ!」
「そう熱くなるなよ。ボクが言いたいのは、ここに集まった語り部は多かれ少なかれ神田に関係のある奴ばかりじゃないの。
まだ気づかないの?ボクたちはどうしてこの場に集まった?こりゃあ、日野が仕組んだ罠だよね?
あいつ、神田と仲が良かったからなあ。彼なりに犯人と突き止めたかったんでしょ?
ということでボクは帰るよ」
風間の手がドアのノブにかかった時、元木が叫んだ。
「待って!私、7人目が来るって言いましたよね?それまで帰っちゃダメです」
「悪いけど、これ以上の束縛は勘弁してほしい」
「ダメ!今、ドアを開けたら殺されちゃう。もう、神田さんは来てるんだから。そして、その扉の向こうに立ってるんだから。
ねえ、坂上君。あなた、私の話、信じてくれますか?」
- 信じているよ→元木はとても嬉しそうに笑ってくれた。
- さすがに信じられない→元木は、みんなは怖がって話しかけてもくれないのに、坂上だけは本音で話してくれている、と喜んでいる。
- 結婚は中止だ。君はおかしい→エンディング№459:運命の人、エンディング№460:そして一人が生贄になる
自分と同じように、誰かの首を取らないとだめなんです。
この中にね、神田さんも殺した人がいるんだよ。どういう理由があったのか、どうして殺さなければいけなかったのか、それは追及しないけれど、その人が犠牲になるべきだと思うの。それが誰かは、私にはわからないけど」
「ボクは帰る!」
いつになく興奮している風間が立ち上がり、窓に駆け寄った。しかし、窓は開かないので、椅子を手に持ち窓にたたきつけようとする。
「そんなことをしても、窓は割れないですよ。
この部屋は、神田さんに呪われているから。完全に密閉されてるんです。
誰かが一人死ぬまで、この部屋からは永久に出られないんですよ」
「お前が殺したんだろ!お前が責任を取って犠牲になるべきじゃないのか、岩下」
「私が殺した証拠があるの?証拠もないくせに勝手なこと言ってる新堂君こそ、怪しいんじゃないの?」
福沢も黙っていなかった。
「あんたが、私の神田さんも殺したんだわ!私と神田さんが付き合うことに嫉妬したんだわ。
でもさ、神田さんがいなくなったからって、あんたみたいなブタ野郎とは死んでも付き合わないからね!責任とって、あんたが死になさいよ!」
「福沢さん、そんなこと言わないで。君は僕の女神様なんだから。僕はね、遠くから君のことを見て想像するだけで幸せなんだからさあ」
「神田さんが怒っています。
このままだったら、神田さんが部室に入ってきちゃいますよ。そうしたら、一人だけじゃなくて、みんな殺されちゃいますからね~」
元木がそう言ったときには、もう手遅れだった。ドアは超常的な力で消し飛び、そこに一人の男子生徒が立っていた。多分神田さんなのだろう。彼は首から上がなかった。
「ボクが岩下にちょっかいを出したことは謝るよ!でも、キミを殺したのはボクじゃないだろ?」
風間は土下座し、許しを請うた。
「俺がお前にしたことは、ちょっとした出来心で小遣いをせびっただけなんだよ。何も警察沙汰にするほどのことじゃないだろうが」
新堂は逃げ腰になり、震える声で必死に言った。
「あれはちょっとした冗談だったの。岩下さんがあなたとの仲を見せつけるから、横取りしてやろうと思ったのよ。別に、振るつもりはなかったのよ。ごめんね、私のこと殺さないで!」
福沢は、手を合わせて祈っている。
「僕は関係ないんだ。そりゃあ、福沢さんを奪ったあなたのことが憎くて、階段から突飛ばしたり、鞄の中に画びょうを入れたりしましたけれど。そんなことで死んだりしませんよね?」
細田は、部屋の片隅に体を押し込むようにして、少しでも遠くに逃げようとしている。
荒井は何も言わず、逃げようともせず、ただじっと座ったまま俯いている。
「あんたなんか殺されて当然だわ。誰もがあんたのこと、殺したいと思ってたんじゃないかしら?私が憎い?だったら、私を殺せば?」
岩下も逃げようとせず、椅子に座ったまま神田のことを睨みつけた。
坂上の頭の中に、神田の声が響いた。
「誰を殺せばいい。誰を生贄にすれば俺は救われる?この中の誰か一人。お前が決めろ」
- 岩下明美→エンディング№461:背負った十字架の重さ
- 風間望→エンディング№462:増える風間さん
- 新堂誠→エンディング№463:新堂さんを生贄に願ったもの
- 細田友春→エンディング№464:親友になった細田さん
- 荒井昭二→エンディング№465:日野貞夫の復讐
- 福沢玲子
- 自分
- 元木早苗
愛する神田さんを逃がさない岩下さんは福沢さんにとって毒蜘蛛のように映っていたに違いない。そしてその怒りの矛先は岩下さんではなく、うだつの上がらない神田さんに向けられたんだ。
だから、自殺に追い込まれてしまった。彼にとって福沢さんはたった一つの安らぎだったんじゃないだろうか。
その安らぎの場さえも地獄と化してしまったら、逃げ場もなくなり追い詰められてしまうじゃないか。そして、自殺)
「わかった」と返事らしき声が坂上の頭の中で響いた。そして、神田はみんなが囲んでいる机の周りを歩く。
そして、福沢の後ろでピタっと止まった。その時、明かりがぱっと消えた。と、同時にものすごい叫びと、何かをへし折るような音が聞こえてきた。
ほどなくして、電気が点いた。
そこには、首をもがれて倒れている岩下の死体が転がっていた。
「怖かった~。一瞬、神田さんが私の後ろで止まったように思えたから。私、生贄にされるのかと思ったよ~」と福沢が言った。
部室の入り口には、ちぎった岩下の首をつけた神田が立っていた。
「これでやっと成仏できる」
引きちぎられた時の恐ろしい形相のままの岩下の頭を乗せた胴体は、くるりと背を向け、そのまま廊下に消えていった。
「誰も死なせないつもりでいたのに!おばあちゃん、大事なときに助けてくれなった」と元木が泣いている。
「元木さんは、何も悪くないよ。むしろ、僕たちを助けようとしてくれたんだから」と坂上が慰めた。
「さっき、俺の頭の中で声が聞こえたんだ。神田の声だった。
誰を生贄にするべきが選べ、と。それで俺は願っちまったんだよ。岩下明美が生贄になるげきだ、と。
岩下が死んだのは俺のせいだ・・・うううっ」
新堂がそういうと、みんな泣き崩れた。全員の頭の中で、神田が犠牲者を選べという声が聞こえていたそうだ。
そして、あろうことか坂上以外の全員が生贄に岩下さんを選んでいたのだ。
ふと、みんなの視線が自分に向けられいることに気づいた坂上。
「坂上君、どうして落ち着いているの?君は岩下さんが死んだことが悲しくないのかい?」と細田が聞いてきた。
「僕だって悲しいんです。でも、なぜか涙が出ないんです。僕が選んでしまったばかりに岩下さんが殺されてしまった・・・ううっ」
坂上は涙は出なかったが、嗚咽した。みんなの恐ろしさと除け者にされることの意味を深く理解したら、どうしようもなく吐き気を催してしまったのだ。
そんな坂上を、福沢は微笑みながら、やさしく介抱してくれる。
「坂上君、大丈夫だよ。もう全部終わったんだから。ねえ、私と連絡先交換しようよ」
(福沢さんは、神田さんが好きだったんじゃないのか?僕は次の彼氏候補に選ばれたということか?いや、ただ連絡先を交換する程度だから)と思う坂上を、元木が恐ろしい形相で睨みつけている。
あの集会の日から、1週間が過ぎた。
あの日、岩下が死んだお陰で、その死体を処理しなければならなかった。美術部に行ってのこぎりは拝借し、彼女の死体を切断した。
そして、元木を含めた7人がそれぞれバラバラになった死体の一部を持ち帰ることになった。全員が共犯者として、罪を背負っていくことにしたのだから。
坂上は、自分は岩下を選ばなかったのだから関係ないと思うのだが、共犯者の一人として加わらなければ、あの場で何をされたかわらかないので、十字架を背負うことにしたのだ。
坂上は右手の部分を持ち帰ったのだが、まだ家の押し入れに放り込んだままだ。そろそろ臭いでバレそうだ。
あの時のメンバーとは廊下で偶然すれ違うこともあったが、互いに目をそらし何もなかった振りをする。おそらく、これからもずっとそうだろう。
それぞれが心の奥深くに十字架をしまい込んで一生を送るのだろう。ただ二人を除いて。
「坂上くーん」
「福沢さん、駄目だよ。元木さんに怒られちゃうよ」
「平気、平気。今ね、私も早苗ちゃんに対抗するために黒魔術の勉強をしているから。
2年生に中山真美華さんているんだけど、彼女、黒魔術に詳しいんだよ。人なんか簡単に殺せるの」
「困るよ」
坂上は、背中に鋭い視線を感じて、慌てて振り向く。遠くの木陰から、元木がそっと見ている。
(三角関係に巻き込まれて、そしてそれが四角関係になり、その果てに死んでしまった神田さん。
細田さんだって、まだ福沢さんのことが好きなはずだ。僕に逃げ場はない。この状況を僕はどうやって切り抜ければいい?・・・線路が僕を呼んでいる)
エンディング№466:線路が僕を呼んでいる
エンディング数 90/657 達成度13%
キャラクター図鑑 57/122 達成度46%
イラストギャラリー 54/283 達成度19%

今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
1週目クリア
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る
2週目開始!
倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)
4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№58~61・63(62は後で見る予定)
語り部6人の話が終わったが、7人目はまだ姿を見せない。
「全員の話が終わったぜ。どうするんだ?」
新堂に促された。どうしよう。
- もうしばらく待ちましょう
- 荒井さんの意見を聞きたい
- 帰りましょう
最後に話をしてくれた荒井の意見を聞いてみよう。
「あのう、荒井さん、何か意見はありますか?」
「意見?僕にこの状況でどんな意見を言えというのですか?」
お開きにした方がいいな、と坂上が思って、立ち上がろうとした時だった。
「こんにちは」
突然ドアが開き、まだ幼い印象の残る女の子が立っていた。元木早苗だった。
「あっれ~、早苗ちゃんじゃない!」と福沢が驚いて声を上げた。
「あ、玲子ちゃん、こんにちは~。他の皆さんも初めましてです~。どうぞ、よしなに~」
「あ、もしかして7人目って、早苗ちゃんのことだったの?」
「えっと、私は・・・」
- 黙って聞いている→エンディング№453:早苗ちゃんの娘婿、エンディング№454:交換日記の怖い話、エンディング№456:首吊りの樹の下で
- 7人目なんですよね?
- 7人目ではないですよね?
それは・・・帰っちゃダメ!」
元木は突然振り向くと、ドアから出て行こうとする新堂を厳しい口調で呼び止めた。
「俺はもう帰るんだよ。お前が7人目で最後の話をしてくれるってんなら別だけどな」といらついた口調で新堂が言った。
「私は7人目じゃないです」
「じゃあ帰るぜ」
「今帰ると、あなた死んじゃいますよ」
「変な冗談言ってると、俺も本気で怒るぜ」
「私が7話目をしてあげます。7人目が来る前に」
「本当か?」
「ええ、来ますよ。この中の一人を殺しに」
元木は、坂上のことを見てにっこりと笑った。
今度は岩下が帰ると言い出した。
「あなた、死んじゃいますよ」
「うふふ、私が殺されるっていうの?もしそんな奴がいたら、死ぬ前に先に殺してあげるから大丈夫よ」
「一人でも帰ると、この中の誰かが間違いなく死ぬの。だから、帰っちゃだめなの。呪いを解かなきゃならないから」
元木は誰も逃がさないように部室の前に立ちはだかった。
「皆さん、席に戻ってください」
全員が席に座るのを確かめると、7人目のために用意された席に元木が腰を下ろした。
「私が最後の話をします。坂上君、それでいい?」
- お願いします
- 7人目を待ちましょう
あ、そうだ、坂上君。私があなたを助けにきた理由。私と結婚することになってるの。だから、おばあちゃんが助けにいきなさいって言ってたの。
あなたが死んじゃうと、私、一生結婚できないんだもん。
これは運命だから。私との結婚を約束してくれるなら、あなたを守ります。それから7話目を話してあげるの」
- 彼女を信じて結婚すると言う →もしこの世に運命の赤い糸があるなら、こういう出会いがあってもいいかもしれないと思った坂上は、心を決めた。
- 結婚すると嘘を吐く →とりあえずこう言っとけば後でなんとでも言えるしと思った坂上が、こう言った。
- そんなこと約束できないと言う→エンディング№457:夫婦エクトプラズム、エンディング№458:サイコパス日野貞夫
岩下と荒井は興味なさそうに俯いて黙ったいたが、他メンバーは笑って祝福してくれた。
「皆さん、ありがとうございます。それじゃあ、話すね。
・・・皆さん、初めまして、私は1年も元木早苗といいます。
この集会に呼ばれた7人目ではないんですけれど、7人目が来る前に私が最後の話をしますね。
これは私のおばあちゃんから聞いた話なんです。私のおばあちゃんは私の中に住んでいるんだけれど、時々私の身体から抜け出ていっちゃうんです。
それでね、いろんなものを見てくるんですよ。これは、そのおばあちゃんが見た話。つい、最近起こった話なんですよ」
この学校に神田拓郎という生徒がいた。神田には彼女がいたが、とっても嫉妬深かった。
スマホは毎日チェックするし、彼のスケジュールは全部把握していないと気が済まない。
女の子が側に近づいただけで、しつこく問い詰めたり、ヒステリーを起こして異常に怒ったり。
神田はそんな彼女が怖くなり、別れたいと思うようになった。
そんな時、神田のことを好きだという女の子が現れた。
その女の子は、神田に近づくようになったが、もちろん嫉妬深い彼女は、それを知ってものすごく怒った。
でも、神田は目を盗んでその女の子と付き合うようになった。でも、さらにややこしいことに、その女の子に片思いしている人がいた。
世間でいうところの四角関係というやつだったが、それから何日かして神田が死んでしまった。
線路を枕代わりに、睡眠薬を飲んでそのまま眠り、そこに電車がやってきて、車輪に頭を轢かれて死んでしまったのだ。
頭はグシャグシャに潰れて復元できなかった。神田の死は、自殺ということで片付けられた。
「ねえ、坂上君。神田さんが死んだのって、自殺だと思う?それとも他殺だと思う?もし他殺なら、犯人は誰かしら?」と、なぜか元木が坂上に尋ねてきた。
- 自殺した
- ヒステリーな彼女が殺した
- 神田さんを思ってた女の子
- その子に片思いしていた男
- その他の誰か
でもね、もうすぐ7人目がやってきますから。7人目は誰だと思います?そう、神田君です」
「どうしてあいつがやってくんだよ!」と突然、新堂が声を荒げた。
「新堂さって、神田さんのこと知ってるんですか?」
「俺と同じクラスだったからな。でも、俺はただ知っている程度の仲さ。
神田のことだったら岩下の方が詳しいんじゃないのか?岩下と神田と付き合っているって噂だったからな」
「さあ、どうかしら。あなた、見たの?私と神田君に何かあったとことを見たのかしら?
私、嘘つきは嫌いなの。
もし、私が本当に神田という男と付き合っていたとしたら、私はきっとその男のことを殺したいたいと思ったでしょうね。
それより、福沢さんだったかしら?あなた、神田君のこと、密かに想っていたそうね。最近、神田君が新しい女と付き合い始めたって話を聞いたわ。確か、名前は福沢玲子」
「きゃははは、岩下さん、突然何を言い出すんですかぁ?
確かに、私が神田さんのことが好きだったのは認めますけど、私のせいで彼が自殺したっていうのは違うと思うなあ。だって、彼が死んで一番悲しかったのは私ですよ?
私は知ってるんだけどなあ。神田さんが自殺じゃないってこと。岩下さんは誰よりもよくわかっていますよねえ。神田さんを殺した張本人だから。きゃはははは」
「私が殺したって言うんだったら、証拠を見せてみなさいな」
福沢と岩下がにらみ合っていると、荒井が口をはさんできた。
「この話にはもう一人登場人物がいますよね。神田さんと新しく付き合い始めた福沢さんのことを好きだった男性。僕ね、実はその男、思い当たるんですよ。
細田さんって、福沢さんのこと好きなんじゃないですか?あなた、ここに来てからずっとチラチラと福沢さんのこと見てますよね?」
「ばれちゃったかな?実は、1年に僕好みの子が来たなあなんて、ずっと福沢さんのこと見てたんだよね。もっとも、片思いだけど・・・
まさか、今日こうして一緒に話ができるなんて、思ってみなかったよ。いや、恥ずかしいなあ。
でもね、福沢さんて人気あるじゃないですか。彼女のことを好きな男性って僕だけですか?
風間さんなんて、僕よりずっと親しげに福沢さんと話していますけれど?うくくく」
「今度はボクまで疑われるのかい?全女性に愛の手を差し伸べるのは、ボクの義務なんだ。
福沢さんを好きだというのなら、荒井君も候補に入るんじゃない?
それに神田を殺したというのであれば、新堂だってその可能性は十分ある。新堂は神田を恐喝していたよね?
いつも小遣いをせびっていたから、それを警察に相談するって神田が言ってたって噂、聞いたよ」
「ぶっ殺すぞ!」
「そう熱くなるなよ。ボクが言いたいのは、ここに集まった語り部は多かれ少なかれ神田に関係のある奴ばかりじゃないの。
まだ気づかないの?ボクたちはどうしてこの場に集まった?こりゃあ、日野が仕組んだ罠だよね?
あいつ、神田と仲が良かったからなあ。彼なりに犯人と突き止めたかったんでしょ?
ということでボクは帰るよ」
風間の手がドアのノブにかかった時、元木が叫んだ。
「待って!私、7人目が来るって言いましたよね?それまで帰っちゃダメです」
「悪いけど、これ以上の束縛は勘弁してほしい」
「ダメ!今、ドアを開けたら殺されちゃう。もう、神田さんは来てるんだから。そして、その扉の向こうに立ってるんだから。
ねえ、坂上君。あなた、私の話、信じてくれますか?」
- 信じているよ→元木はとても嬉しそうに笑ってくれた。
- さすがに信じられない→元木は、みんなは怖がって話しかけてもくれないのに、坂上だけは本音で話してくれている、と喜んでいる。
- 結婚は中止だ。君はおかしい→エンディング№459:運命の人、エンディング№460:そして一人が生贄になる
自分と同じように、誰かの首を取らないとだめなんです。
この中にね、神田さんも殺した人がいるんだよ。どういう理由があったのか、どうして殺さなければいけなかったのか、それは追及しないけれど、その人が犠牲になるべきだと思うの。それが誰かは、私にはわからないけど」
「ボクは帰る!」
いつになく興奮している風間が立ち上がり、窓に駆け寄った。しかし、窓は開かないので、椅子を手に持ち窓にたたきつけようとする。
「そんなことをしても、窓は割れないですよ。
この部屋は、神田さんに呪われているから。完全に密閉されてるんです。
誰かが一人死ぬまで、この部屋からは永久に出られないんですよ」
「お前が殺したんだろ!お前が責任を取って犠牲になるべきじゃないのか、岩下」
「私が殺した証拠があるの?証拠もないくせに勝手なこと言ってる新堂君こそ、怪しいんじゃないの?」
福沢も黙っていなかった。
「あんたが、私の神田さんも殺したんだわ!私と神田さんが付き合うことに嫉妬したんだわ。
でもさ、神田さんがいなくなったからって、あんたみたいなブタ野郎とは死んでも付き合わないからね!責任とって、あんたが死になさいよ!」
「福沢さん、そんなこと言わないで。君は僕の女神様なんだから。僕はね、遠くから君のことを見て想像するだけで幸せなんだからさあ」
「神田さんが怒っています。
このままだったら、神田さんが部室に入ってきちゃいますよ。そうしたら、一人だけじゃなくて、みんな殺されちゃいますからね~」
元木がそう言ったときには、もう手遅れだった。ドアは超常的な力で消し飛び、そこに一人の男子生徒が立っていた。多分神田さんなのだろう。彼は首から上がなかった。
「ボクが岩下にちょっかいを出したことは謝るよ!でも、キミを殺したのはボクじゃないだろ?」
風間は土下座し、許しを請うた。
「俺がお前にしたことは、ちょっとした出来心で小遣いをせびっただけなんだよ。何も警察沙汰にするほどのことじゃないだろうが」
新堂は逃げ腰になり、震える声で必死に言った。
「あれはちょっとした冗談だったの。岩下さんがあなたとの仲を見せつけるから、横取りしてやろうと思ったのよ。別に、振るつもりはなかったのよ。ごめんね、私のこと殺さないで!」
福沢は、手を合わせて祈っている。
「僕は関係ないんだ。そりゃあ、福沢さんを奪ったあなたのことが憎くて、階段から突飛ばしたり、鞄の中に画びょうを入れたりしましたけれど。そんなことで死んだりしませんよね?」
細田は、部屋の片隅に体を押し込むようにして、少しでも遠くに逃げようとしている。
荒井は何も言わず、逃げようともせず、ただじっと座ったまま俯いている。
「あんたなんか殺されて当然だわ。誰もがあんたのこと、殺したいと思ってたんじゃないかしら?私が憎い?だったら、私を殺せば?」
岩下も逃げようとせず、椅子に座ったまま神田のことを睨みつけた。
坂上の頭の中に、神田の声が響いた。
「誰を殺せばいい。誰を生贄にすれば俺は救われる?この中の誰か一人。お前が決めろ」
- 岩下明美→エンディング№461:背負った十字架の重さ
- 風間望→エンディング№462:増える風間さん
- 新堂誠→エンディング№463:新堂さんを生贄に願ったもの
- 細田友春→エンディング№464:親友になった細田さん
- 荒井昭二
- 福沢玲子
- 自分
- 元木早苗
「わかった」と返事らしき声が坂上の頭の中で響いた。
(違う、そうじゃない!彼じゃない!)
坂上は無意識で元木の手を強く握りしめた。
「坂上君、逃げよう」
元木は、坂上の目をじっと見つめ、突然そんなことを口走った。
坂上は大きく頷き、二人で廊下に走った。
その時、背後でまるで獣の咆哮のような薄気味悪い鳴き声が聞こえてきた。慌てて振り返ると、それは荒井の叫び声で、彼の全身が黒いオーラに包まれている。
それに誇張するかのように、その場にいた全員の身体から黒いオーラが噴き出している。
「早く、逃げるの!」
元木に強く引っ張られて、坂上はその後は無我夢中で走ったのだが・・・
背後から巨大地震かと思うほどの地響きと轟音が聞こえてきて、二人の身体は吹き飛ばされ、坂上は元木をかばうようにして地面に落ちた。
見ると部室棟がメラメラと赤い炎の喰われている。
「大丈夫か?」
突然声を掛けられ、声の主を見る。
「日野先輩!」
「よかったよ、無事で」
「うーん」
「元木さん、大丈夫?」
「私は大丈夫です。それより、彼らを助けることはできませんでした」
「仕方ないさ。もとより、彼らが助かるなんて思ってもいなかったよ。それに、俺はあいつらを助けるつもりはない。神田を殺したあいつらをな。
お前にはきちんと説明しなきゃな。1か月ほど前、俺の親友だった神田が死んだ。線路を枕代わりにして頭を潰されて死んだ。
世間は自殺だと断定したが、あいつは自殺なんかするような奴じゃない。だから俺は独自に調査したんだ。それで、悪魔を呼び出す儀式のために神田が生贄にされたという噂を聞くことができた。
神田が付き合っていた岩下を軸に、その周りに集まっていた悪魔崇拝者が今日あの場に集まった連中だよ。黒幕は荒井という男だった。
なんでも、人を殺すことに興味を持って、絶対に罪にならない方法を探し求め、呪術に辿り着いたんだ。
神田には何の罪もなかったのに殺された。だから、俺は復讐を誓ったんだ。あいつらを呪い殺す呪術を自らの身体に掛けたんだよ。そして俺は復讐を果たした。
だから、約束通り、俺はもうすぐ呪魂に喰われてしまう。
それで、俺は元木さんに頼んだ。復讐を果たしたら、俺を成仏させてほしい、と。
ぐぎゃあああ」
日野もまた黒いオーラに包まれ始め、本当に苦しそうだ。
「私一人の力では、この呪術を払うことはできません。でも、あなたとなら一緒にできます」
「僕?」
「あなたは禍払いの力を持っている。でも、それに気づいていないだけ。どうか、私と一緒に戦ってください」
「そんな急に・・・」
「念じるのです。日野さんを救いたいと心から強く念じてください」
坂上はただ言われた通り、日野先輩を助けてください、と必死に念じた。
それからしばらくして、日野を包んでいたどす黒いオーラは次第に輝き始め、まばゆいほどの光に包まれた。
「ありがとう、坂上」
そしてその光が消えると、日野はその場に倒れてそのまま事切れた。
「そんな・・・日野先輩は助かるんじゃないの?」
「救われましたよ、彼の魂は。本来は呪術によって穢れた魂は浄化できません。でも、浄化されたのは坂上君のおかげです。
日野さんは、神田さんに復讐するため、自らに呪いをかけた時点で覚悟していたはずです。私に相談に来た時、彼はもう取り返しのつかない状態でしたから。でも、彼は成仏できました。
もし坂上君がいなかったら、日野さんもまた悪霊と化し、この地に留まることになったのですから。ありがとう、坂上君」
どうやら、消防車が到着したようだ。
「行こう、元木さん」
「はい」
(この子と僕は結婚する。そんな元木さんの言葉の意味が、僕にもやった理解できた)
それから1週間が経った。
結局、神田を誰が殺したのか、それ以前に自殺だったのか他殺だったのかもわからなかった。
「坂上くーん」
「あ、細田さん」
「お待たせ。それじゃあ、行こうか」
あれから坂上と細田は、放課後になると行動を共にするようになった。一瞬でも細田を生贄にしようとした罪悪感が、こうさせているのかもしれない。
(でも、実際に付き合ってみると、細田さんは屈託のない人柄で、結構話しやすい。ただ、遊びに行くのにトイレ巡りはどうかと思う。でも、せっかくできた僕の親友だし、しばらくはこのままトイレ巡りに付き合ってみようかな)
エンディング№465:日野貞夫の復讐
エンディング数 89/657 達成度13%
キャラクター図鑑 57/122 達成度46%
イラストギャラリー 54/283 達成度19%

今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
1週目クリア
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る
2週目開始!
倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)
4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№58~61・63(62は後で見る予定)
語り部6人の話が終わったが、7人目はまだ姿を見せない。
「全員の話が終わったぜ。どうするんだ?」
新堂に促された。どうしよう。
- もうしばらく待ちましょう
- 荒井さんの意見を聞きたい
- 帰りましょう
最後に話をしてくれた荒井の意見を聞いてみよう。
「あのう、荒井さん、何か意見はありますか?」
「意見?僕にこの状況でどんな意見を言えというのですか?」
お開きにした方がいいな、と坂上が思って、立ち上がろうとした時だった。
「こんにちは」
突然ドアが開き、まだ幼い印象の残る女の子が立っていた。元木早苗だった。
「あっれ~、早苗ちゃんじゃない!」と福沢が驚いて声を上げた。
「あ、玲子ちゃん、こんにちは~。他の皆さんも初めましてです~。どうぞ、よしなに~」
「あ、もしかして7人目って、早苗ちゃんのことだったの?」
「えっと、私は・・・」
- 黙って聞いている→エンディング№453:早苗ちゃんの娘婿、エンディング№454:交換日記の怖い話、エンディング№456:首吊りの樹の下で
- 7人目なんですよね?
- 7人目ではないですよね?
それは・・・帰っちゃダメ!」
元木は突然振り向くと、ドアから出て行こうとする新堂を厳しい口調で呼び止めた。
「俺はもう帰るんだよ。お前が7人目で最後の話をしてくれるってんなら別だけどな」といらついた口調で新堂が言った。
「私は7人目じゃないです」
「じゃあ帰るぜ」
「今帰ると、あなた死んじゃいますよ」
「変な冗談言ってると、俺も本気で怒るぜ」
「私が7話目をしてあげます。7人目が来る前に」
「本当か?」
「ええ、来ますよ。この中の一人を殺しに」
元木は、坂上のことを見てにっこりと笑った。
今度は岩下が帰ると言い出した。
「あなた、死んじゃいますよ」
「うふふ、私が殺されるっていうの?もしそんな奴がいたら、死ぬ前に先に殺してあげるから大丈夫よ」
「一人でも帰ると、この中の誰かが間違いなく死ぬの。だから、帰っちゃだめなの。呪いを解かなきゃならないから」
元木は誰も逃がさないように部室の前に立ちはだかった。
「皆さん、席に戻ってください」
全員が席に座るのを確かめると、7人目のために用意された席に元木が腰を下ろした。
「私が最後の話をします。坂上君、それでいい?」
- お願いします
- 7人目を待ちましょう
あ、そうだ、坂上君。私があなたを助けにきた理由。私と結婚することになってるの。だから、おばあちゃんが助けにいきなさいって言ってたの。
あなたが死んじゃうと、私、一生結婚できないんだもん。
これは運命だから。私との結婚を約束してくれるなら、あなたを守ります。それから7話目を話してあげるの」
- 彼女を信じて結婚すると言う →もしこの世に運命の赤い糸があるなら、こういう出会いがあってもいいかもしれないと思った坂上は、心を決めた。
- 結婚すると嘘を吐く →とりあえずこう言っとけば後でなんとでも言えるしと思った坂上が、こう言った。
- そんなこと約束できないと言う→エンディング№457:夫婦エクトプラズム、エンディング№458:サイコパス日野貞夫
岩下と荒井は興味なさそうに俯いて黙ったいたが、他メンバーは笑って祝福してくれた。
「皆さん、ありがとうございます。それじゃあ、話すね。
・・・皆さん、初めまして、私は1年も元木早苗といいます。
この集会に呼ばれた7人目ではないんですけれど、7人目が来る前に私が最後の話をしますね。
これは私のおばあちゃんから聞いた話なんです。私のおばあちゃんは私の中に住んでいるんだけれど、時々私の身体から抜け出ていっちゃうんです。
それでね、いろんなものを見てくるんですよ。これは、そのおばあちゃんが見た話。つい、最近起こった話なんですよ」
この学校に神田拓郎という生徒がいた。神田には彼女がいたが、とっても嫉妬深かった。
スマホは毎日チェックするし、彼のスケジュールは全部把握していないと気が済まない。
女の子が側に近づいただけで、しつこく問い詰めたり、ヒステリーを起こして異常に怒ったり。
神田はそんな彼女が怖くなり、別れたいと思うようになった。
そんな時、神田のことを好きだという女の子が現れた。
その女の子は、神田に近づくようになったが、もちろん嫉妬深い彼女は、それを知ってものすごく怒った。
でも、神田は目を盗んでその女の子と付き合うようになった。でも、さらにややこしいことに、その女の子に片思いしている人がいた。
世間でいうところの四角関係というやつだったが、それから何日かして神田が死んでしまった。
線路を枕代わりに、睡眠薬を飲んでそのまま眠り、そこに電車がやってきて、車輪に頭を轢かれて死んでしまったのだ。
頭はグシャグシャに潰れて復元できなかった。神田の死は、自殺ということで片付けられた。
「ねえ、坂上君。神田さんが死んだのって、自殺だと思う?それとも他殺だと思う?もし他殺なら、犯人は誰かしら?」と、なぜか元木が坂上に尋ねてきた。
- 自殺した
- ヒステリーな彼女が殺した
- 神田さんを思ってた女の子
- その子に片思いしていた男
- その他の誰か
でもね、もうすぐ7人目がやってきますから。7人目は誰だと思います?そう、神田君です」
「どうしてあいつがやってくんだよ!」と突然、新堂が声を荒げた。
「新堂さって、神田さんのこと知ってるんですか?」
「俺と同じクラスだったからな。でも、俺はただ知っている程度の仲さ。
神田のことだったら岩下の方が詳しいんじゃないのか?岩下と神田と付き合っているって噂だったからな」
「さあ、どうかしら。あなた、見たの?私と神田君に何かあったとことを見たのかしら?
私、嘘つきは嫌いなの。
もし、私が本当に神田という男と付き合っていたとしたら、私はきっとその男のことを殺したいたいと思ったでしょうね。
それより、福沢さんだったかしら?あなた、神田君のこと、密かに想っていたそうね。最近、神田君が新しい女と付き合い始めたって話を聞いたわ。確か、名前は福沢玲子」
「きゃははは、岩下さん、突然何を言い出すんですかぁ?
確かに、私が神田さんのことが好きだったのは認めますけど、私のせいで彼が自殺したっていうのは違うと思うなあ。だって、彼が死んで一番悲しかったのは私ですよ?
私は知ってるんだけどなあ。神田さんが自殺じゃないってこと。岩下さんは誰よりもよくわかっていますよねえ。神田さんを殺した張本人だから。きゃはははは」
「私が殺したって言うんだったら、証拠を見せてみなさいな」
福沢と岩下がにらみ合っていると、荒井が口をはさんできた。
「この話にはもう一人登場人物がいますよね。神田さんと新しく付き合い始めた福沢さんのことを好きだった男性。僕ね、実はその男、思い当たるんですよ。
細田さんって、福沢さんのこと好きなんじゃないですか?あなた、ここに来てからずっとチラチラと福沢さんのこと見てますよね?」
「ばれちゃったかな?実は、1年に僕好みの子が来たなあなんて、ずっと福沢さんのこと見てたんだよね。もっとも、片思いだけど・・・
まさか、今日こうして一緒に話ができるなんて、思ってみなかったよ。いや、恥ずかしいなあ。
でもね、福沢さんて人気あるじゃないですか。彼女のことを好きな男性って僕だけですか?
風間さんなんて、僕よりずっと親しげに福沢さんと話していますけれど?うくくく」
「今度はボクまで疑われるのかい?全女性に愛の手を差し伸べるのは、ボクの義務なんだ。
福沢さんを好きだというのなら、荒井君も候補に入るんじゃない?
それに神田を殺したというのであれば、新堂だってその可能性は十分ある。新堂は神田を恐喝していたよね?
いつも小遣いをせびっていたから、それを警察に相談するって神田が言ってたって噂、聞いたよ」
「ぶっ殺すぞ!」
「そう熱くなるなよ。ボクが言いたいのは、ここに集まった語り部は多かれ少なかれ神田に関係のある奴ばかりじゃないの。
まだ気づかないの?ボクたちはどうしてこの場に集まった?こりゃあ、日野が仕組んだ罠だよね?
あいつ、神田と仲が良かったからなあ。彼なりに犯人と突き止めたかったんでしょ?
ということでボクは帰るよ」
風間の手がドアのノブにかかった時、元木が叫んだ。
「待って!私、7人目が来るって言いましたよね?それまで帰っちゃダメです」
「悪いけど、これ以上の束縛は勘弁してほしい」
「ダメ!今、ドアを開けたら殺されちゃう。もう、神田さんは来てるんだから。そして、その扉の向こうに立ってるんだから。
ねえ、坂上君。あなた、私の話、信じてくれますか?」
- 信じているよ→元木はとても嬉しそうに笑ってくれた。
- さすがに信じられない→元木は、みんなは怖がって話しかけてもくれないのに、坂上だけは本音で話してくれている、と喜んでいる。
- 結婚は中止だ。君はおかしい→エンディング№459:運命の人、エンディング№460:そして一人が生贄になる
自分と同じように、誰かの首を取らないとだめなんです。
この中にね、神田さんも殺した人がいるんだよ。どういう理由があったのか、どうして殺さなければいけなかったのか、それは追及しないけれど、その人が犠牲になるべきだと思うの。それが誰かは、私にはわからないけど」
「ボクは帰る!」
いつになく興奮している風間が立ち上がり、窓に駆け寄った。しかし、窓は開かないので、椅子を手に持ち窓にたたきつけようとする。
「そんなことをしても、窓は割れないですよ。
この部屋は、神田さんに呪われているから。完全に密閉されてるんです。
誰かが一人死ぬまで、この部屋からは永久に出られないんですよ」
「お前が殺したんだろ!お前が責任を取って犠牲になるべきじゃないのか、岩下」
「私が殺した証拠があるの?証拠もないくせに勝手なこと言ってる新堂君こそ、怪しいんじゃないの?」
福沢も黙っていなかった。
「あんたが、私の神田さんも殺したんだわ!私と神田さんが付き合うことに嫉妬したんだわ。
でもさ、神田さんがいなくなったからって、あんたみたいなブタ野郎とは死んでも付き合わないからね!責任とって、あんたが死になさいよ!」
「福沢さん、そんなこと言わないで。君は僕の女神様なんだから。僕はね、遠くから君のことを見て想像するだけで幸せなんだからさあ」
「神田さんが怒っています。
このままだったら、神田さんが部室に入ってきちゃいますよ。そうしたら、一人だけじゃなくて、みんな殺されちゃいますからね~」
元木がそう言ったときには、もう手遅れだった。ドアは超常的な力で消し飛び、そこに一人の男子生徒が立っていた。多分神田さんなのだろう。彼は首から上がなかった。
「ボクが岩下にちょっかいを出したことは謝るよ!でも、キミを殺したのはボクじゃないだろ?」
風間は土下座し、許しを請うた。
「俺がお前にしたことは、ちょっとした出来心で小遣いをせびっただけなんだよ。何も警察沙汰にするほどのことじゃないだろうが」
新堂は逃げ腰になり、震える声で必死に言った。
「あれはちょっとした冗談だったの。岩下さんがあなたとの仲を見せつけるから、横取りしてやろうと思ったのよ。別に、振るつもりはなかったのよ。ごめんね、私のこと殺さないで!」
福沢は、手を合わせて祈っている。
「僕は関係ないんだ。そりゃあ、福沢さんを奪ったあなたのことが憎くて、階段から突飛ばしたり、鞄の中に画びょうを入れたりしましたけれど。そんなことで死んだりしませんよね?」
細田は、部屋の片隅に体を押し込むようにして、少しでも遠くに逃げようとしている。
荒井は何も言わず、逃げようともせず、ただじっと座ったまま俯いている。
「あんたなんか殺されて当然だわ。誰もがあんたのこと、殺したいと思ってたんじゃないかしら?私が憎い?だったら、私を殺せば?」
岩下も逃げようとせず、椅子に座ったまま神田のことを睨みつけた。
坂上の頭の中に、神田の声が響いた。
「誰を殺せばいい。誰を生贄にすれば俺は救われる?この中の誰か一人。お前が決めろ」
- 岩下明美→エンディング№461:背負った十字架の重さ
- 風間望→エンディング№462:増える風間さん
- 新堂誠→エンディング№463:新堂さんを生贄に願ったもの
- 細田友春
- 荒井昭二
- 福沢玲子
- 自分
- 元木早苗
細田さんは空気を読めない、実に身勝手な男だ。自分の彼女を奪われた。そんな被害妄想に捕らわれてしまいそうなタイプだ。
そして、その怒りから殺害を計画する。やはり、神田さんは自殺ではなく、殺害されたのだ。細田さんに。
おそらく、後ろからバットで殴り意識を失わせて、線路を枕代わりに寝かせる。後頭部の傷は列車の車輪に押しつぶされてバレないだろう。
そうだ、細田さんが神田さんを殺したに違いない)
「わかった」と返事らしき声が坂上の頭の中で響いた。
坂上は無意識で元木の手を強く握りしめた。
そして、神田がぎこちない歩きで部室に進入してきた。
その時、坂上の手を握っていた元木の身体がガクガクと激しく揺れ始めた。
突然、彼女の口から白い煙のようなものが現れた。
その煙の中に、とても恐ろしい形相をした女の顔が浮かび、そいつが神田に襲い掛かると、神田の姿が幻のように消えた。
それを見届けた鬼のような形相をした顔は、とても穏やかで優しい顔に変化して、元木の口の中に吸い込まれていった。
「元木さん!」
がっくりと崩れ落ちた元木の身体を坂上が支えると、元木はゆっくりと目を開けた。
「おばあちゃんが、もう大丈夫だって。良かったね。誰も死ななくて」
それから1週間が経った。
結局、神田を誰が殺したのか、それ以前に自殺だったのか他殺だったのかもわからなかった。
「坂上くーん」
「あ、細田さん」
「お待たせ。それじゃあ、行こうか」
あれから坂上と細田は、放課後になると行動を共にするようになった。一瞬でも細田を生贄にしようとした罪悪感が、こうさせているのかもしれない。
(でも、実際に付き合ってみると、細田さんは屈託のない人柄で、結構話しやすい。ただ、遊びに行くのにトイレ巡りはどうかと思う。でも、せっかくできた僕の親友だし、しばらくはこのままトイレ巡りに付き合ってみようかな)
エンディング№464:親友になった細田さん
エンディング数 88/657 達成度13%
キャラクター図鑑 57/122 達成度46%
イラストギャラリー 54/283 達成度19%

今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
1週目クリア
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る
2週目開始!
倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)
4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№58~61・63(62は後で見る予定)
語り部6人の話が終わったが、7人目はまだ姿を見せない。
「全員の話が終わったぜ。どうするんだ?」
新堂に促された。どうしよう。
- もうしばらく待ちましょう
- 荒井さんの意見を聞きたい
- 帰りましょう
最後に話をしてくれた荒井の意見を聞いてみよう。
「あのう、荒井さん、何か意見はありますか?」
「意見?僕にこの状況でどんな意見を言えというのですか?」
お開きにした方がいいな、と坂上が思って、立ち上がろうとした時だった。
「こんにちは」
突然ドアが開き、まだ幼い印象の残る女の子が立っていた。元木早苗だった。
「あっれ~、早苗ちゃんじゃない!」と福沢が驚いて声を上げた。
「あ、玲子ちゃん、こんにちは~。他の皆さんも初めましてです~。どうぞ、よしなに~」
「あ、もしかして7人目って、早苗ちゃんのことだったの?」
「えっと、私は・・・」
- 黙って聞いている→エンディング№453:早苗ちゃんの娘婿、エンディング№454:交換日記の怖い話、エンディング№456:首吊りの樹の下で
- 7人目なんですよね?
- 7人目ではないですよね?
それは・・・帰っちゃダメ!」
元木は突然振り向くと、ドアから出て行こうとする新堂を厳しい口調で呼び止めた。
「俺はもう帰るんだよ。お前が7人目で最後の話をしてくれるってんなら別だけどな」といらついた口調で新堂が言った。
「私は7人目じゃないです」
「じゃあ帰るぜ」
「今帰ると、あなた死んじゃいますよ」
「変な冗談言ってると、俺も本気で怒るぜ」
「私が7話目をしてあげます。7人目が来る前に」
「本当か?」
「ええ、来ますよ。この中の一人を殺しに」
元木は、坂上のことを見てにっこりと笑った。
今度は岩下が帰ると言い出した。
「あなた、死んじゃいますよ」
「うふふ、私が殺されるっていうの?もしそんな奴がいたら、死ぬ前に先に殺してあげるから大丈夫よ」
「一人でも帰ると、この中の誰かが間違いなく死ぬの。だから、帰っちゃだめなの。呪いを解かなきゃならないから」
元木は誰も逃がさないように部室の前に立ちはだかった。
「皆さん、席に戻ってください」
全員が席に座るのを確かめると、7人目のために用意された席に元木が腰を下ろした。
「私が最後の話をします。坂上君、それでいい?」
- お願いします
- 7人目を待ちましょう
あ、そうだ、坂上君。私があなたを助けにきた理由。私と結婚することになってるの。だから、おばあちゃんが助けにいきなさいって言ってたの。
あなたが死んじゃうと、私、一生結婚できないんだもん。
これは運命だから。私との結婚を約束してくれるなら、あなたを守ります。それから7話目を話してあげるの」
- 彼女を信じて結婚すると言う →もしこの世に運命の赤い糸があるなら、こういう出会いがあってもいいかもしれないと思った坂上は、心を決めた。
- 結婚すると嘘を吐く →とりあえずこう言っとけば後でなんとでも言えるしと思った坂上が、こう言った。
- そんなこと約束できないと言う→エンディング№457:夫婦エクトプラズム、エンディング№458:サイコパス日野貞夫
岩下と荒井は興味なさそうに俯いて黙ったいたが、他メンバーは笑って祝福してくれた。
「皆さん、ありがとうございます。それじゃあ、話すね。
・・・皆さん、初めまして、私は1年も元木早苗といいます。
この集会に呼ばれた7人目ではないんですけれど、7人目が来る前に私が最後の話をしますね。
これは私のおばあちゃんから聞いた話なんです。私のおばあちゃんは私の中に住んでいるんだけれど、時々私の身体から抜け出ていっちゃうんです。
それでね、いろんなものを見てくるんですよ。これは、そのおばあちゃんが見た話。つい、最近起こった話なんですよ」
この学校に神田拓郎という生徒がいた。神田には彼女がいたが、とっても嫉妬深かった。
スマホは毎日チェックするし、彼のスケジュールは全部把握していないと気が済まない。
女の子が側に近づいただけで、しつこく問い詰めたり、ヒステリーを起こして異常に怒ったり。
神田はそんな彼女が怖くなり、別れたいと思うようになった。
そんな時、神田のことを好きだという女の子が現れた。
その女の子は、神田に近づくようになったが、もちろん嫉妬深い彼女は、それを知ってものすごく怒った。
でも、神田は目を盗んでその女の子と付き合うようになった。でも、さらにややこしいことに、その女の子に片思いしている人がいた。
世間でいうところの四角関係というやつだったが、それから何日かして神田が死んでしまった。
線路を枕代わりに、睡眠薬を飲んでそのまま眠り、そこに電車がやってきて、車輪に頭を轢かれて死んでしまったのだ。
頭はグシャグシャに潰れて復元できなかった。神田の死は、自殺ということで片付けられた。
「ねえ、坂上君。神田さんが死んだのって、自殺だと思う?それとも他殺だと思う?もし他殺なら、犯人は誰かしら?」と、なぜか元木が坂上に尋ねてきた。
- 自殺した
- ヒステリーな彼女が殺した
- 神田さんを思ってた女の子
- その子に片思いしていた男
- その他の誰か
でもね、もうすぐ7人目がやってきますから。7人目は誰だと思います?そう、神田君です」
「どうしてあいつがやってくんだよ!」と突然、新堂が声を荒げた。
「新堂さって、神田さんのこと知ってるんですか?」
「俺と同じクラスだったからな。でも、俺はただ知っている程度の仲さ。
神田のことだったら岩下の方が詳しいんじゃないのか?岩下と神田と付き合っているって噂だったからな」
「さあ、どうかしら。あなた、見たの?私と神田君に何かあったとことを見たのかしら?
私、嘘つきは嫌いなの。
もし、私が本当に神田という男と付き合っていたとしたら、私はきっとその男のことを殺したいたいと思ったでしょうね。
それより、福沢さんだったかしら?あなた、神田君のこと、密かに想っていたそうね。最近、神田君が新しい女と付き合い始めたって話を聞いたわ。確か、名前は福沢玲子」
「きゃははは、岩下さん、突然何を言い出すんですかぁ?
確かに、私が神田さんのことが好きだったのは認めますけど、私のせいで彼が自殺したっていうのは違うと思うなあ。だって、彼が死んで一番悲しかったのは私ですよ?
私は知ってるんだけどなあ。神田さんが自殺じゃないってこと。岩下さんは誰よりもよくわかっていますよねえ。神田さんを殺した張本人だから。きゃはははは」
「私が殺したって言うんだったら、証拠を見せてみなさいな」
福沢と岩下がにらみ合っていると、荒井が口をはさんできた。
「この話にはもう一人登場人物がいますよね。神田さんと新しく付き合い始めた福沢さんのことを好きだった男性。僕ね、実はその男、思い当たるんですよ。
細田さんって、福沢さんのこと好きなんじゃないですか?あなた、ここに来てからずっとチラチラと福沢さんのこと見てますよね?」
「ばれちゃったかな?実は、1年に僕好みの子が来たなあなんて、ずっと福沢さんのこと見てたんだよね。もっとも、片思いだけど・・・
まさか、今日こうして一緒に話ができるなんて、思ってみなかったよ。いや、恥ずかしいなあ。
でもね、福沢さんて人気あるじゃないですか。彼女のことを好きな男性って僕だけですか?
風間さんなんて、僕よりずっと親しげに福沢さんと話していますけれど?うくくく」
「今度はボクまで疑われるのかい?全女性に愛の手を差し伸べるのは、ボクの義務なんだ。
福沢さんを好きだというのなら、荒井君も候補に入るんじゃない?
それに神田を殺したというのであれば、新堂だってその可能性は十分ある。新堂は神田を恐喝していたよね?
いつも小遣いをせびっていたから、それを警察に相談するって神田が言ってたって噂、聞いたよ」
「ぶっ殺すぞ!」
「そう熱くなるなよ。ボクが言いたいのは、ここに集まった語り部は多かれ少なかれ神田に関係のある奴ばかりじゃないの。
まだ気づかないの?ボクたちはどうしてこの場に集まった?こりゃあ、日野が仕組んだ罠だよね?
あいつ、神田と仲が良かったからなあ。彼なりに犯人と突き止めたかったんでしょ?
ということでボクは帰るよ」
風間の手がドアのノブにかかった時、元木が叫んだ。
「待って!私、7人目が来るって言いましたよね?それまで帰っちゃダメです」
「悪いけど、これ以上の束縛は勘弁してほしい」
「ダメ!今、ドアを開けたら殺されちゃう。もう、神田さんは来てるんだから。そして、その扉の向こうに立ってるんだから。
ねえ、坂上君。あなた、私の話、信じてくれますか?」
- 信じているよ→元木はとても嬉しそうに笑ってくれた。
- さすがに信じられない→元木は、みんなは怖がって話しかけてもくれないのに、坂上だけは本音で話してくれている、と喜んでいる。
- 結婚は中止だ。君はおかしい→エンディング№459:運命の人、エンディング№460:そして一人が生贄になる
自分と同じように、誰かの首を取らないとだめなんです。
この中にね、神田さんも殺した人がいるんだよ。どういう理由があったのか、どうして殺さなければいけなかったのか、それは追及しないけれど、その人が犠牲になるべきだと思うの。それが誰かは、私にはわからないけど」
「ボクは帰る!」
いつになく興奮している風間が立ち上がり、窓に駆け寄った。しかし、窓は開かないので、椅子を手に持ち窓にたたきつけようとする。
「そんなことをしても、窓は割れないですよ。
この部屋は、神田さんに呪われているから。完全に密閉されてるんです。
誰かが一人死ぬまで、この部屋からは永久に出られないんですよ」
「お前が殺したんだろ!お前が責任を取って犠牲になるべきじゃないのか、岩下」
「私が殺した証拠があるの?証拠もないくせに勝手なこと言ってる新堂君こそ、怪しいんじゃないの?」
福沢も黙っていなかった。
「あんたが、私の神田さんも殺したんだわ!私と神田さんが付き合うことに嫉妬したんだわ。
でもさ、神田さんがいなくなったからって、あんたみたいなブタ野郎とは死んでも付き合わないからね!責任とって、あんたが死になさいよ!」
「福沢さん、そんなこと言わないで。君は僕の女神様なんだから。僕はね、遠くから君のことを見て想像するだけで幸せなんだからさあ」
「神田さんが怒っています。
このままだったら、神田さんが部室に入ってきちゃいますよ。そうしたら、一人だけじゃなくて、みんな殺されちゃいますからね~」
元木がそう言ったときには、もう手遅れだった。ドアは超常的な力で消し飛び、そこに一人の男子生徒が立っていた。多分神田さんなのだろう。彼は首から上がなかった。
「ボクが岩下にちょっかいを出したことは謝るよ!でも、キミを殺したのはボクじゃないだろ?」
風間は土下座し、許しを請うた。
「俺がお前にしたことは、ちょっとした出来心で小遣いをせびっただけなんだよ。何も警察沙汰にするほどのことじゃないだろうが」
新堂は逃げ腰になり、震える声で必死に言った。
「あれはちょっとした冗談だったの。岩下さんがあなたとの仲を見せつけるから、横取りしてやろうと思ったのよ。別に、振るつもりはなかったのよ。ごめんね、私のこと殺さないで!」
福沢は、手を合わせて祈っている。
「僕は関係ないんだ。そりゃあ、福沢さんを奪ったあなたのことが憎くて、階段から突飛ばしたり、鞄の中に画びょうを入れたりしましたけれど。そんなことで死んだりしませんよね?」
細田は、部屋の片隅に体を押し込むようにして、少しでも遠くに逃げようとしている。
荒井は何も言わず、逃げようともせず、ただじっと座ったまま俯いている。
「あんたなんか殺されて当然だわ。誰もがあんたのこと、殺したいと思ってたんじゃないかしら?私が憎い?だったら、私を殺せば?」
岩下も逃げようとせず、椅子に座ったまま神田のことを睨みつけた。
坂上の頭の中に、神田の声が響いた。
「誰を殺せばいい。誰を生贄にすれば俺は救われる?この中の誰か一人。お前が決めろ」
- 岩下明美→エンディング№461:背負った十字架の重さ
- 風間望→エンディング№462:増える風間さん
- 新堂誠
- 細田友春
- 荒井昭二
- 福沢玲子
- 自分
- 元木早苗
殺されたんだ、新堂さんに。)
「早く選べ、さもなくば・・・」
(新堂誠さんです)
「わかった」と返事らしき声が坂上の頭の中で響いた。そして、神田はみんなが囲んでいる机の周りを歩く。
そして、新堂の後ろでピタっと止まった。その時、明かりがぱっと消えた。と、同時に何かをへし折るような音が聞こえてきた。
ほどなくして、電気が点いた。
そこには、血まみれの新堂が立っており、その前に手足をもぎ取られてバラバラになった神田の死体が転がっていた。
「こいつ、突然俺に襲い掛かってきやがった。へっ、昔から弱いくせに、俺を相手にしようなんて死んでもバカな奴だな」
「よかったの。誰に死なないで呪いは解けたの」
元木は喜んで飛び跳ねている。
坂上は新堂に声を掛けた。
「本当に良かったです、新堂さん」
「まあな。でもよ、神田の奴はどうして俺を襲ったんだろうな?」
「さ、さあ・・・どうしてでしょう?」
「俺はよ、頭の中で声が聞こえたんだ。生贄を一人選べ。そうすれば、他の全員は助けるってよ。
だから、俺は頭の中の声に言った。俺は誰も選ばないってな。で、どうして俺が襲われたんだろうな?」
「それは新堂さんが誰も選ばなかったからじゃないですか?それで、神田さんの怒りを買ったんでしょう。他に理由がありますか?」と荒井が言った。
「あるぜ。それはな、お前らの頭の中の声が聞こえていて、俺を選んだ奴がいるってことさ。だから、俺は襲われた」
新堂がそういうと、岩下は「証拠はあるの?」と尋ねた。
「んなものはねえよ。これから一人ずつ、頭を勝ち割って、脳みそと直接話してみねえとな」
「それじゃあ聞くけれど、あなたの頭の中で聞こえた声、誰も選ばなかったって言うのは本当なの?本当は、生贄にしたい人間を選んだんじゃあないの?」
「んなこたあどうでもいいんだよ。この中に必ず俺を生贄に差し出そうとした奴がいるってことだ。
必ず見つけてやる。どんな手を使ってでもな。そして、殺す。じゃあな、今日はもう帰るぜ」
そんな捨て台詞を残し、新堂は部室を去った。坂上の足の震えは止まらない。そして、目の前にはバラバラの死体。悪夢はまだ始まったばかりだ。
エンディング№463:新堂さんを生贄に願ったもの
エンディング数 87/657 達成度13%
キャラクター図鑑 57/122 達成度46%
イラストギャラリー 54/283 達成度19%

今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
1週目クリア
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る
2週目開始!
倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)
4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№58~61・63(62は後で見る予定)
語り部6人の話が終わったが、7人目はまだ姿を見せない。
「全員の話が終わったぜ。どうするんだ?」
新堂に促された。どうしよう。
- もうしばらく待ちましょう
- 荒井さんの意見を聞きたい
- 帰りましょう
最後に話をしてくれた荒井の意見を聞いてみよう。
「あのう、荒井さん、何か意見はありますか?」
「意見?僕にこの状況でどんな意見を言えというのですか?」
お開きにした方がいいな、と坂上が思って、立ち上がろうとした時だった。
「こんにちは」
突然ドアが開き、まだ幼い印象の残る女の子が立っていた。元木早苗だった。
「あっれ~、早苗ちゃんじゃない!」と福沢が驚いて声を上げた。
「あ、玲子ちゃん、こんにちは~。他の皆さんも初めましてです~。どうぞ、よしなに~」
「あ、もしかして7人目って、早苗ちゃんのことだったの?」
「えっと、私は・・・」
- 黙って聞いている→エンディング№453:早苗ちゃんの娘婿、エンディング№454:交換日記の怖い話、エンディング№456:首吊りの樹の下で
- 7人目なんですよね?
- 7人目ではないですよね?
それは・・・帰っちゃダメ!」
元木は突然振り向くと、ドアから出て行こうとする新堂を厳しい口調で呼び止めた。
「俺はもう帰るんだよ。お前が7人目で最後の話をしてくれるってんなら別だけどな」といらついた口調で新堂が言った。
「私は7人目じゃないです」
「じゃあ帰るぜ」
「今帰ると、あなた死んじゃいますよ」
「変な冗談言ってると、俺も本気で怒るぜ」
「私が7話目をしてあげます。7人目が来る前に」
「本当か?」
「ええ、来ますよ。この中の一人を殺しに」
元木は、坂上のことを見てにっこりと笑った。
今度は岩下が帰ると言い出した。
「あなた、死んじゃいますよ」
「うふふ、私が殺されるっていうの?もしそんな奴がいたら、死ぬ前に先に殺してあげるから大丈夫よ」
「一人でも帰ると、この中の誰かが間違いなく死ぬの。だから、帰っちゃだめなの。呪いを解かなきゃならないから」
元木は誰も逃がさないように部室の前に立ちはだかった。
「皆さん、席に戻ってください」
全員が席に座るのを確かめると、7人目のために用意された席に元木が腰を下ろした。
「私が最後の話をします。坂上君、それでいい?」
- お願いします
- 7人目を待ちましょう
あ、そうだ、坂上君。私があなたを助けにきた理由。私と結婚することになってるの。だから、おばあちゃんが助けにいきなさいって言ってたの。
あなたが死んじゃうと、私、一生結婚できないんだもん。
これは運命だから。私との結婚を約束してくれるなら、あなたを守ります。それから7話目を話してあげるの」
- 彼女を信じて結婚すると言う →もしこの世に運命の赤い糸があるなら、こういう出会いがあってもいいかもしれないと思った坂上は、心を決めた。
- 結婚すると嘘を吐く →とりあえずこう言っとけば後でなんとでも言えるしと思った坂上が、こう言った。
- そんなこと約束できないと言う→エンディング№457:夫婦エクトプラズム、エンディング№458:サイコパス日野貞夫
岩下と荒井は興味なさそうに俯いて黙ったいたが、他メンバーは笑って祝福してくれた。
「皆さん、ありがとうございます。それじゃあ、話すね。
・・・皆さん、初めまして、私は1年も元木早苗といいます。
この集会に呼ばれた7人目ではないんですけれど、7人目が来る前に私が最後の話をしますね。
これは私のおばあちゃんから聞いた話なんです。私のおばあちゃんは私の中に住んでいるんだけれど、時々私の身体から抜け出ていっちゃうんです。
それでね、いろんなものを見てくるんですよ。これは、そのおばあちゃんが見た話。つい、最近起こった話なんですよ」
この学校に神田拓郎という生徒がいた。神田には彼女がいたが、とっても嫉妬深かった。
スマホは毎日チェックするし、彼のスケジュールは全部把握していないと気が済まない。
女の子が側に近づいただけで、しつこく問い詰めたり、ヒステリーを起こして異常に怒ったり。
神田はそんな彼女が怖くなり、別れたいと思うようになった。
そんな時、神田のことを好きだという女の子が現れた。
その女の子は、神田に近づくようになったが、もちろん嫉妬深い彼女は、それを知ってものすごく怒った。
でも、神田は目を盗んでその女の子と付き合うようになった。でも、さらにややこしいことに、その女の子に片思いしている人がいた。
世間でいうところの四角関係というやつだったが、それから何日かして神田が死んでしまった。
線路を枕代わりに、睡眠薬を飲んでそのまま眠り、そこに電車がやってきて、車輪に頭を轢かれて死んでしまったのだ。
頭はグシャグシャに潰れて復元できなかった。神田の死は、自殺ということで片付けられた。
「ねえ、坂上君。神田さんが死んだのって、自殺だと思う?それとも他殺だと思う?もし他殺なら、犯人は誰かしら?」と、なぜか元木が坂上に尋ねてきた。
- 自殺した
- ヒステリーな彼女が殺した
- 神田さんを思ってた女の子
- その子に片思いしていた男
- その他の誰か
でもね、もうすぐ7人目がやってきますから。7人目は誰だと思います?そう、神田君です」
「どうしてあいつがやってくんだよ!」と突然、新堂が声を荒げた。
「新堂さって、神田さんのこと知ってるんですか?」
「俺と同じクラスだったからな。でも、俺はただ知っている程度の仲さ。
神田のことだったら岩下の方が詳しいんじゃないのか?岩下と神田と付き合っているって噂だったからな」
「さあ、どうかしら。あなた、見たの?私と神田君に何かあったとことを見たのかしら?
私、嘘つきは嫌いなの。
もし、私が本当に神田という男と付き合っていたとしたら、私はきっとその男のことを殺したいたいと思ったでしょうね。
それより、福沢さんだったかしら?あなた、神田君のこと、密かに想っていたそうね。最近、神田君が新しい女と付き合い始めたって話を聞いたわ。確か、名前は福沢玲子」
「きゃははは、岩下さん、突然何を言い出すんですかぁ?
確かに、私が神田さんのことが好きだったのは認めますけど、私のせいで彼が自殺したっていうのは違うと思うなあ。だって、彼が死んで一番悲しかったのは私ですよ?
私は知ってるんだけどなあ。神田さんが自殺じゃないってこと。岩下さんは誰よりもよくわかっていますよねえ。神田さんを殺した張本人だから。きゃはははは」
「私が殺したって言うんだったら、証拠を見せてみなさいな」
福沢と岩下がにらみ合っていると、荒井が口をはさんできた。
「この話にはもう一人登場人物がいますよね。神田さんと新しく付き合い始めた福沢さんのことを好きだった男性。僕ね、実はその男、思い当たるんですよ。
細田さんって、福沢さんのこと好きなんじゃないですか?あなた、ここに来てからずっとチラチラと福沢さんのこと見てますよね?」
「ばれちゃったかな?実は、1年に僕好みの子が来たなあなんて、ずっと福沢さんのこと見てたんだよね。もっとも、片思いだけど・・・
まさか、今日こうして一緒に話ができるなんて、思ってみなかったよ。いや、恥ずかしいなあ。
でもね、福沢さんて人気あるじゃないですか。彼女のことを好きな男性って僕だけですか?
風間さんなんて、僕よりずっと親しげに福沢さんと話していますけれど?うくくく」
「今度はボクまで疑われるのかい?全女性に愛の手を差し伸べるのは、ボクの義務なんだ。
福沢さんを好きだというのなら、荒井君も候補に入るんじゃない?
それに神田を殺したというのであれば、新堂だってその可能性は十分ある。新堂は神田を恐喝していたよね?
いつも小遣いをせびっていたから、それを警察に相談するって神田が言ってたって噂、聞いたよ」
「ぶっ殺すぞ!」
「そう熱くなるなよ。ボクが言いたいのは、ここに集まった語り部は多かれ少なかれ神田に関係のある奴ばかりじゃないの。
まだ気づかないの?ボクたちはどうしてこの場に集まった?こりゃあ、日野が仕組んだ罠だよね?
あいつ、神田と仲が良かったからなあ。彼なりに犯人と突き止めたかったんでしょ?
ということでボクは帰るよ」
風間の手がドアのノブにかかった時、元木が叫んだ。
「待って!私、7人目が来るって言いましたよね?それまで帰っちゃダメです」
「悪いけど、これ以上の束縛は勘弁してほしい」
「ダメ!今、ドアを開けたら殺されちゃう。もう、神田さんは来てるんだから。そして、その扉の向こうに立ってるんだから。
ねえ、坂上君。あなた、私の話、信じてくれますか?」
- 信じているよ→元木はとても嬉しそうに笑ってくれた。
- さすがに信じられない→元木は、みんなは怖がって話しかけてもくれないのに、坂上だけは本音で話してくれている、と喜んでいる。
- 結婚は中止だ。君はおかしい→エンディング№459:運命の人、エンディング№460:そして一人が生贄になる
自分と同じように、誰かの首を取らないとだめなんです。
この中にね、神田さんも殺した人がいるんだよ。どういう理由があったのか、どうして殺さなければいけなかったのか、それは追及しないけれど、その人が犠牲になるべきだと思うの。それが誰かは、私にはわからないけど」
「ボクは帰る!」
いつになく興奮している風間が立ち上がり、窓に駆け寄った。しかし、窓は開かないので、椅子を手に持ち窓にたたきつけようとする。
「そんなことをしても、窓は割れないですよ。
この部屋は、神田さんに呪われているから。完全に密閉されてるんです。
誰かが一人死ぬまで、この部屋からは永久に出られないんですよ」
「お前が殺したんだろ!お前が責任を取って犠牲になるべきじゃないのか、岩下」
「私が殺した証拠があるの?証拠もないくせに勝手なこと言ってる新堂君こそ、怪しいんじゃないの?」
福沢も黙っていなかった。
「あんたが、私の神田さんも殺したんだわ!私と神田さんが付き合うことに嫉妬したんだわ。
でもさ、神田さんがいなくなったからって、あんたみたいなブタ野郎とは死んでも付き合わないからね!責任とって、あんたが死になさいよ!」
「福沢さん、そんなこと言わないで。君は僕の女神様なんだから。僕はね、遠くから君のことを見て想像するだけで幸せなんだからさあ」
「神田さんが怒っています。
このままだったら、神田さんが部室に入ってきちゃいますよ。そうしたら、一人だけじゃなくて、みんな殺されちゃいますからね~」
元木がそう言ったときには、もう手遅れだった。ドアは超常的な力で消し飛び、そこに一人の男子生徒が立っていた。多分神田さんなのだろう。彼は首から上がなかった。
「ボクが岩下にちょっかいを出したことは謝るよ!でも、キミを殺したのはボクじゃないだろ?」
風間は土下座し、許しを請うた。
「俺がお前にしたことは、ちょっとした出来心で小遣いをせびっただけなんだよ。何も警察沙汰にするほどのことじゃないだろうが」
新堂は逃げ腰になり、震える声で必死に言った。
「あれはちょっとした冗談だったの。岩下さんがあなたとの仲を見せつけるから、横取りしてやろうと思ったのよ。別に、振るつもりはなかったのよ。ごめんね、私のこと殺さないで!」
福沢は、手を合わせて祈っている。
「僕は関係ないんだ。そりゃあ、福沢さんを奪ったあなたのことが憎くて、階段から突飛ばしたり、鞄の中に画びょうを入れたりしましたけれど。そんなことで死んだりしませんよね?」
細田は、部屋の片隅に体を押し込むようにして、少しでも遠くに逃げようとしている。
荒井は何も言わず、逃げようともせず、ただじっと座ったまま俯いている。
「あんたなんか殺されて当然だわ。誰もがあんたのこと、殺したいと思ってたんじゃないかしら?私が憎い?だったら、私を殺せば?」
岩下も逃げようとせず、椅子に座ったまま神田のことを睨みつけた。
坂上の頭の中に、神田の声が響いた。
「誰を殺せばいい。誰を生贄にすれば俺は救われる?この中の誰か一人。お前が決めろ」
- 岩下明美→エンディング№461:背負った十字架の重さ
- 風間望
- 新堂誠
- 細田友春
- 荒井昭二
- 福沢玲子
- 自分
- 元木早苗
それに風間さんなら、自力で何とかしてくれそうに思えた。
大丈夫、風間さんならきっと何とかしてくれるはずだ)
「わかった」と返事らしき声が坂上の頭の中で響いた。そして、神田はみんなが囲んでいる机の周りを歩く。
そして、風間の後ろでピタっと止まった。その時、明かりがぱっと消えた。と、同時にものすごい叫びと、何かをへし折るような音が聞こえてきた。
ほどなくして、電気が点いた。
そこには、首をもがれて倒れている風間の死体が転がっていた。
そして、部室の入り口に、ちぎった風間の首をつけた神田が立っていた。
引きちぎられた時の恐ろしい形相のままの風間の顔が穏やかな笑顔に変貌していく。
「あー怖かった。死ぬかと思ったよ」
それは、神田の身体を付けた風間だった。
「何をそんなに驚いているんだい、みんな。ボクだよ、鳴神学園のスーパースター、風間望だよ。
首をもぎ取られたときはどうなることかと思ったけれど、すぐに神田の胴体と合体したからさ。
人間、頭さえ生きていれば、どうにかなっちゃうもんだね。あっはっはっは。
さぁて、それじゃあ問題も無事解決したようだし、ボクはお先に失礼するよ。この元ボクの身体も片付けないとならないからね」
そういうと、風間は床に倒れている元自分の身体を軽々と担いで、走り去っていってしまった。
「良かったです~。誰も死ななくて済みましたね」
元木が笑顔で言った。
あの集会の日から、1週間が過ぎた。
あれからというもの、坂上は風間に気に入られてしまい、毎日なんだかんだと付き合わされている。
坂上にたこ焼きを奢らせながら風間が言い出した。
「坂上君、今日は紹介したい人間がいるんだ」
「誰ですか?」
「あ、来た来た」
風間が大きく手を振った。すると、向こうの人込みをかき分けて現れた人物は、風間にそっくりだった。
「風間さんって双子だったんですか」
「何を言っているんだい。これは内緒の話だから大きな声では言えないんだが、坂上君は秘密は守れるね?」
「はい、もちろんです」
「彼はね、首をもぎ取られた元の身体なんだよ。
あの日さ、首がもげちゃったボクの身体を持ち帰ったじゃないの。それでさ、処分に困ってしまってね。
途方に暮れていたら、数日後、首から新しい頭が生えてきたんだよ。人間って、頭が取れると新しく生えてくるだねえ。あっはっはっは。
だからさ、しばらく様子を見ていたんだけれど、昨日あたりからこうして動くようになってね。僕のスペアにぴったりなんだよ。
これから、学校に行ったり、つらいことはこのスペアにやらせようと思ってね」
もう一人の風間がしゃべりだした。
「こんな奴の言うことなんか信じちゃ駄目だよ。昨日ボクが寝ていたら、寝込みを襲ってボクのことを縛り付けたのさ。それで今まで抜け出せなくてね。
ボクが本物で、スペアはこっちね」
「それより坂上君、ボクは二人いるんだよ。さっさともう一舟、買っておいでよ」
(まさか、これ以上、風間さんが増えることは・・・ありそうで怖い)
エンディング№462:増える風間さん
エンディング数 86/657 達成度13%
キャラクター図鑑 57/122 達成度46%
イラストギャラリー 54/283 達成度19%

今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
1週目クリア
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る
2週目開始!
倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)
4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№58~61・63(62は後で見る予定)
語り部6人の話が終わったが、7人目はまだ姿を見せない。
「全員の話が終わったぜ。どうするんだ?」
新堂に促された。どうしよう。
- もうしばらく待ちましょう
- 荒井さんの意見を聞きたい
- 帰りましょう
最後に話をしてくれた荒井の意見を聞いてみよう。
「あのう、荒井さん、何か意見はありますか?」
「意見?僕にこの状況でどんな意見を言えというのですか?」
お開きにした方がいいな、と坂上が思って、立ち上がろうとした時だった。
「こんにちは」
突然ドアが開き、まだ幼い印象の残る女の子が立っていた。元木早苗だった。
「あっれ~、早苗ちゃんじゃない!」と福沢が驚いて声を上げた。
「あ、玲子ちゃん、こんにちは~。他の皆さんも初めましてです~。どうぞ、よしなに~」
「あ、もしかして7人目って、早苗ちゃんのことだったの?」
「えっと、私は・・・」
- 黙って聞いている→エンディング№453:早苗ちゃんの娘婿、エンディング№454:交換日記の怖い話、エンディング№456:首吊りの樹の下で
- 7人目なんですよね?
- 7人目ではないですよね?
それは・・・帰っちゃダメ!」
元木は突然振り向くと、ドアから出て行こうとする新堂を厳しい口調で呼び止めた。
「俺はもう帰るんだよ。お前が7人目で最後の話をしてくれるってんなら別だけどな」といらついた口調で新堂が言った。
「私は7人目じゃないです」
「じゃあ帰るぜ」
「今帰ると、あなた死んじゃいますよ」
「変な冗談言ってると、俺も本気で怒るぜ」
「私が7話目をしてあげます。7人目が来る前に」
「本当か?」
「ええ、来ますよ。この中の一人を殺しに」
元木は、坂上のことを見てにっこりと笑った。
今度は岩下が帰ると言い出した。
「あなた、死んじゃいますよ」
「うふふ、私が殺されるっていうの?もしそんな奴がいたら、死ぬ前に先に殺してあげるから大丈夫よ」
「一人でも帰ると、この中の誰かが間違いなく死ぬの。だから、帰っちゃだめなの。呪いを解かなきゃならないから」
元木は誰も逃がさないように部室の前に立ちはだかった。
「皆さん、席に戻ってください」
全員が席に座るのを確かめると、7人目のために用意された席に元木が腰を下ろした。
「私が最後の話をします。坂上君、それでいい?」
- お願いします
- 7人目を待ちましょう
あ、そうだ、坂上君。私があなたを助けにきた理由。私と結婚することになってるの。だから、おばあちゃんが助けにいきなさいって言ってたの。
あなたが死んじゃうと、私、一生結婚できないんだもん。
これは運命だから。私との結婚を約束してくれるなら、あなたを守ります。それから7話目を話してあげるの」
- 彼女を信じて結婚すると言う →もしこの世に運命の赤い糸があるなら、こういう出会いがあってもいいかもしれないと思った坂上は、心を決めた。
- 結婚すると嘘を吐く →とりあえずこう言っとけば後でなんとでも言えるしと思った坂上が、こう言った。
- そんなこと約束できないと言う→エンディング№457:夫婦エクトプラズム、エンディング№458:サイコパス日野貞夫
岩下と荒井は興味なさそうに俯いて黙ったいたが、他メンバーは笑って祝福してくれた。
「皆さん、ありがとうございます。それじゃあ、話すね。
・・・皆さん、初めまして、私は1年も元木早苗といいます。
この集会に呼ばれた7人目ではないんですけれど、7人目が来る前に私が最後の話をしますね。
これは私のおばあちゃんから聞いた話なんです。私のおばあちゃんは私の中に住んでいるんだけれど、時々私の身体から抜け出ていっちゃうんです。
それでね、いろんなものを見てくるんですよ。これは、そのおばあちゃんが見た話。つい、最近起こった話なんですよ」
この学校に神田拓郎という生徒がいた。神田には彼女がいたが、とっても嫉妬深かった。
スマホは毎日チェックするし、彼のスケジュールは全部把握していないと気が済まない。
女の子が側に近づいただけで、しつこく問い詰めたり、ヒステリーを起こして異常に怒ったり。
神田はそんな彼女が怖くなり、別れたいと思うようになった。
そんな時、神田のことを好きだという女の子が現れた。
その女の子は、神田に近づくようになったが、もちろん嫉妬深い彼女は、それを知ってものすごく怒った。
でも、神田は目を盗んでその女の子と付き合うようになった。でも、さらにややこしいことに、その女の子に片思いしている人がいた。
世間でいうところの四角関係というやつだったが、それから何日かして神田が死んでしまった。
線路を枕代わりに、睡眠薬を飲んでそのまま眠り、そこに電車がやってきて、車輪に頭を轢かれて死んでしまったのだ。
頭はグシャグシャに潰れて復元できなかった。神田の死は、自殺ということで片付けられた。
「ねえ、坂上君。神田さんが死んだのって、自殺だと思う?それとも他殺だと思う?もし他殺なら、犯人は誰かしら?」と、なぜか元木が坂上に尋ねてきた。
- 自殺した
- ヒステリーな彼女が殺した
- 神田さんを思ってた女の子
- その子に片思いしていた男
- その他の誰か
でもね、もうすぐ7人目がやってきますから。7人目は誰だと思います?そう、神田君です」
「どうしてあいつがやってくんだよ!」と突然、新堂が声を荒げた。
「新堂さって、神田さんのこと知ってるんですか?」
「俺と同じクラスだったからな。でも、俺はただ知っている程度の仲さ。
神田のことだったら岩下の方が詳しいんじゃないのか?岩下と神田と付き合っているって噂だったからな」
「さあ、どうかしら。あなた、見たの?私と神田君に何かあったとことを見たのかしら?
私、嘘つきは嫌いなの。
もし、私が本当に神田という男と付き合っていたとしたら、私はきっとその男のことを殺したいたいと思ったでしょうね。
それより、福沢さんだったかしら?あなた、神田君のこと、密かに想っていたそうね。最近、神田君が新しい女と付き合い始めたって話を聞いたわ。確か、名前は福沢玲子」
「きゃははは、岩下さん、突然何を言い出すんですかぁ?
確かに、私が神田さんのことが好きだったのは認めますけど、私のせいで彼が自殺したっていうのは違うと思うなあ。だって、彼が死んで一番悲しかったのは私ですよ?
私は知ってるんだけどなあ。神田さんが自殺じゃないってこと。岩下さんは誰よりもよくわかっていますよねえ。神田さんを殺した張本人だから。きゃはははは」
「私が殺したって言うんだったら、証拠を見せてみなさいな」
福沢と岩下がにらみ合っていると、荒井が口をはさんできた。
「この話にはもう一人登場人物がいますよね。神田さんと新しく付き合い始めた福沢さんのことを好きだった男性。僕ね、実はその男、思い当たるんですよ。
細田さんって、福沢さんのこと好きなんじゃないですか?あなた、ここに来てからずっとチラチラと福沢さんのこと見てますよね?」
「ばれちゃったかな?実は、1年に僕好みの子が来たなあなんて、ずっと福沢さんのこと見てたんだよね。もっとも、片思いだけど・・・
まさか、今日こうして一緒に話ができるなんて、思ってみなかったよ。いや、恥ずかしいなあ。
でもね、福沢さんて人気あるじゃないですか。彼女のことを好きな男性って僕だけですか?
風間さんなんて、僕よりずっと親しげに福沢さんと話していますけれど?うくくく」
「今度はボクまで疑われるのかい?全女性に愛の手を差し伸べるのは、ボクの義務なんだ。
福沢さんを好きだというのなら、荒井君も候補に入るんじゃない?
それに神田を殺したというのであれば、新堂だってその可能性は十分ある。新堂は神田を恐喝していたよね?
いつも小遣いをせびっていたから、それを警察に相談するって神田が言ってたって噂、聞いたよ」
「ぶっ殺すぞ!」
「そう熱くなるなよ。ボクが言いたいのは、ここに集まった語り部は多かれ少なかれ神田に関係のある奴ばかりじゃないの。
まだ気づかないの?ボクたちはどうしてこの場に集まった?こりゃあ、日野が仕組んだ罠だよね?
あいつ、神田と仲が良かったからなあ。彼なりに犯人と突き止めたかったんでしょ?
ということでボクは帰るよ」
風間の手がドアのノブにかかった時、元木が叫んだ。
「待って!私、7人目が来るって言いましたよね?それまで帰っちゃダメです」
「悪いけど、これ以上の束縛は勘弁してほしい」
「ダメ!今、ドアを開けたら殺されちゃう。もう、神田さんは来てるんだから。そして、その扉の向こうに立ってるんだから。
ねえ、坂上君。あなた、私の話、信じてくれますか?」
- 信じているよ→元木はとても嬉しそうに笑ってくれた。
- さすがに信じられない→元木は、みんなは怖がって話しかけてもくれないのに、坂上だけは本音で話してくれている、と喜んでいる。
- 結婚は中止だ。君はおかしい→エンディング№459:運命の人、エンディング№460:そして一人が生贄になる
自分と同じように、誰かの首を取らないとだめなんです。
この中にね、神田さんも殺した人がいるんだよ。どういう理由があったのか、どうして殺さなければいけなかったのか、それは追及しないけれど、その人が犠牲になるべきだと思うの。それが誰かは、私にはわからないけど」
「ボクは帰る!」
いつになく興奮している風間が立ち上がり、窓に駆け寄った。しかし、窓は開かないので、椅子を手に持ち窓にたたきつけようとする。
「そんなことをしても、窓は割れないですよ。
この部屋は、神田さんに呪われているから。完全に密閉されてるんです。
誰かが一人死ぬまで、この部屋からは永久に出られないんですよ」
「お前が殺したんだろ!お前が責任を取って犠牲になるべきじゃないのか、岩下」
「私が殺した証拠があるの?証拠もないくせに勝手なこと言ってる新堂君こそ、怪しいんじゃないの?」
福沢も黙っていなかった。
「あんたが、私の神田さんも殺したんだわ!私と神田さんが付き合うことに嫉妬したんだわ。
でもさ、神田さんがいなくなったからって、あんたみたいなブタ野郎とは死んでも付き合わないからね!責任とって、あんたが死になさいよ!」
「福沢さん、そんなこと言わないで。君は僕の女神様なんだから。僕はね、遠くから君のことを見て想像するだけで幸せなんだからさあ」
「神田さんが怒っています。
このままだったら、神田さんが部室に入ってきちゃいますよ。そうしたら、一人だけじゃなくて、みんな殺されちゃいますからね~」
元木がそう言ったときには、もう手遅れだった。ドアは超常的な力で消し飛び、そこに一人の男子生徒が立っていた。多分神田さんなのだろう。彼は首から上がなかった。
「ボクが岩下にちょっかいを出したことは謝るよ!でも、キミを殺したのはボクじゃないだろ?」
風間は土下座し、許しを請うた。
「俺がお前にしたことは、ちょっとした出来心で小遣いをせびっただけなんだよ。何も警察沙汰にするほどのことじゃないだろうが」
新堂は逃げ腰になり、震える声で必死に言った。
「あれはちょっとした冗談だったの。岩下さんがあなたとの仲を見せつけるから、横取りしてやろうと思ったのよ。別に、振るつもりはなかったのよ。ごめんね、私のこと殺さないで!」
福沢は、手を合わせて祈っている。
「僕は関係ないんだ。そりゃあ、福沢さんを奪ったあなたのことが憎くて、階段から突飛ばしたり、鞄の中に画びょうを入れたりしましたけれど。そんなことで死んだりしませんよね?」
細田は、部屋の片隅に体を押し込むようにして、少しでも遠くに逃げようとしている。
荒井は何も言わず、逃げようともせず、ただじっと座ったまま俯いている。
「あんたなんか殺されて当然だわ。誰もがあんたのこと、殺したいと思ってたんじゃないかしら?私が憎い?だったら、私を殺せば?」
岩下も逃げようとせず、椅子に座ったまま神田のことを睨みつけた。
坂上の頭の中に、神田の声が響いた。
「誰を殺せばいい。誰を生贄にすれば俺は救われる?この中の誰か一人。お前が決めろ」
- 岩下明美
- 風間望
- 新堂誠
- 細田友春
- 荒井昭二
- 福沢玲子
- 自分
- 元木早苗
それに彼女は、人に裏切られるのは許せないと言っていた。でも、岩下さんは人を裏切らないのだろうか。
人を服従させることと、他人を愛することは違うはずだ。岩下さんは、神田さんの愛情を裏切り続けたのではないか、と。そんな彼女に責任を取ってもらうしか道はないだろう)
「わかった」と返事らしき声が坂上の頭の中で響いた。そして、神田はみんなが囲んでいる机の周りを歩く。
そして、岩下の後ろでピタっと止まった。その時、明かりがぱっと消えた。と、同時にものすごい叫びと、何かをへし折るような音が聞こえてきた。
ほどなくして、電気が点いた。
そこには、首をもがれて倒れている岩下の死体が転がっていた。
そして、部室の入り口に、ちぎった岩下の首をつけた神田が立っていた。
「これでやっと成仏できる」
引きちぎられた時の恐ろしい形相のままの岩下の頭を乗せた胴体は、くるりと背を向け、そのまま廊下に消えていった。
岩下が悪いと決めつけ、指名した坂上は、吐き気を催し、嗚咽する。
「誰も死なせないつもりでいたのに!おばあちゃん、大事なときに助けてくれなった」と元木が泣いている。
「元木さんは、何も悪くないよ。むしろ、僕たちを助けようとしてくれたんだから」と坂上が慰めた。
「さっき、俺の頭の中で声が聞こえたんだ。神田の声だった。
誰を生贄にするべきが選べ、と。それで俺は願っちまったんだよ。岩下明美が生贄になるげきだ、と。
岩下が死んだのは俺のせいだ・・・うううっ」
新堂がそういうと、みんな泣き崩れた。全員の頭の中で、神田が犠牲者を選べという声が聞こえていたそうだ。
そして、あろうことか全員が生贄に岩下さんを選んでいたのだ。
「おばあちゃん、酷いよ」
元木はそんなことをぶつぶつ呟きながら放心状態で、部室を出て行ってしまった。
この6人は岩下を殺した共犯者なのだ。この十字架を一生背負っていく仲間なのだ。
あの集会の日から、1週間が過ぎた。
あの日、岩下が死んだお陰で、その死体を処理しなければならなかった。美術部に行ってのこぎりは拝借し、彼女の死体を切断した。
そして、元木を含めた7人がそれぞれバラバラになった死体の一部を持ち帰ることになった。全員が共犯者として、罪を背負っていくことにしたのだから。
坂上は右手の部分を持ち帰ったのだが、まだ家の押し入れに放り込んだままだ。そろそろ臭いでバレそうだ。
あの時のメンバーとは廊下で偶然すれ違うこともあったが、互いに目をそらし何もなかった振りをする。おそらく、これからもずっとそうだろう。
それぞれが心の奥深くに十字架をしまい込んで一生を送るのだろう。
不思議なことに、あれだけこの企画をやりたがっていた日野が、やりたくなくなったと無責任な一言で、企画を取りやめてしまった。
鳴神学園は今日も何事もなかったような振りをしている。
エンディング№461:背負った十字架の重さ
エンディング数 85/657 達成度12%
キャラクター図鑑 57/122 達成度46%
イラストギャラリー 54/283 達成度19%

今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
1週目クリア
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る
2週目開始!
倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)
4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№58~61・63(62は後で見る予定)
語り部6人の話が終わったが、7人目はまだ姿を見せない。
「全員の話が終わったぜ。どうするんだ?」
新堂に促された。どうしよう。
- もうしばらく待ちましょう
- 荒井さんの意見を聞きたい
- 帰りましょう
最後に話をしてくれた荒井の意見を聞いてみよう。
「あのう、荒井さん、何か意見はありますか?」
「意見?僕にこの状況でどんな意見を言えというのですか?」
お開きにした方がいいな、と坂上が思って、立ち上がろうとした時だった。
「こんにちは」
突然ドアが開き、まだ幼い印象の残る女の子が立っていた。元木早苗だった。
「あっれ~、早苗ちゃんじゃない!」と福沢が驚いて声を上げた。
「あ、玲子ちゃん、こんにちは~。他の皆さんも初めましてです~。どうぞ、よしなに~」
「あ、もしかして7人目って、早苗ちゃんのことだったの?」
「えっと、私は・・・」
- 黙って聞いている→エンディング№453:早苗ちゃんの娘婿、エンディング№454:交換日記の怖い話、エンディング№456:首吊りの樹の下で
- 7人目なんですよね?
- 7人目ではないですよね?
それは・・・帰っちゃダメ!」
元木は突然振り向くと、ドアから出て行こうとする新堂を厳しい口調で呼び止めた。
「俺はもう帰るんだよ。お前が7人目で最後の話をしてくれるってんなら別だけどな」といらついた口調で新堂が言った。
「私は7人目じゃないです」
「じゃあ帰るぜ」
「今帰ると、あなた死んじゃいますよ」
「変な冗談言ってると、俺も本気で怒るぜ」
「私が7話目をしてあげます。7人目が来る前に」
「本当か?」
「ええ、来ますよ。この中の一人を殺しに」
元木は、坂上のことを見てにっこりと笑った。
今度は岩下が帰ると言い出した。
「あなた、死んじゃいますよ」
「うふふ、私が殺されるっていうの?もしそんな奴がいたら、死ぬ前に先に殺してあげるから大丈夫よ」
「一人でも帰ると、この中の誰かが間違いなく死ぬの。だから、帰っちゃだめなの。呪いを解かなきゃならないから」
元木は誰も逃がさないように部室の前に立ちはだかった。
「皆さん、席に戻ってください」
全員が席に座るのを確かめると、7人目のために用意された席に元木が腰を下ろした。
「私が最後の話をします。坂上君、それでいい?」
- お願いします
- 7人目を待ちましょう
あ、そうだ、坂上君。私があなたを助けにきた理由。私と結婚することになってるの。だから、おばあちゃんが助けにいきなさいって言ってたの。
あなたが死んじゃうと、私、一生結婚できないんだもん。
これは運命だから。私との結婚を約束してくれるなら、あなたを守ります。それから7話目を話してあげるの」
- 彼女を信じて結婚すると言う
- 結婚すると嘘を吐く
- そんなこと約束できないと言う→エンディング№457:夫婦エクトプラズム、エンディング№458:サイコパス日野貞夫
「今日初めて会ったばかりだけれど、運命的な出会いを感じるから。僕で良かったら、喜んで」
岩下と荒井は興味なさそうに俯いて黙ったいたが、他メンバーは笑って祝福してくれた。
「皆さん、ありがとうございます。それじゃあ、話すね。
・・・皆さん、初めまして、私は1年も元木早苗といいます。
この集会に呼ばれた7人目ではないんですけれど、7人目が来る前に私が最後の話をしますね。
これは私のおばあちゃんから聞いた話なんです。私のおばあちゃんは私の中に住んでいるんだけれど、時々私の身体から抜け出ていっちゃうんです。
それでね、いろんなものを見てくるんですよ。これは、そのおばあちゃんが見た話。つい、最近起こった話なんですよ」
この学校に神田拓郎という生徒がいた。神田には彼女がいたが、とっても嫉妬深かった。
スマホは毎日チェックするし、彼のスケジュールは全部把握していないと気が済まない。
女の子が側に近づいただけで、しつこく問い詰めたり、ヒステリーを起こして異常に怒ったり。
神田はそんな彼女が怖くなり、別れたいと思うようになった。
そんな時、神田のことを好きだという女の子が現れた。
その女の子は、神田に近づくようになったが、もちろん嫉妬深い彼女は、それを知ってものすごく怒った。
でも、神田は目を盗んでその女の子と付き合うようになった。でも、さらにややこしいことに、その女の子に片思いしている人がいた。
世間でいうところの四角関係というやつだったが、それから何日かして神田が死んでしまった。
線路を枕代わりに、睡眠薬を飲んでそのまま眠り、そこに電車がやってきて、車輪に頭を轢かれて死んでしまったのだ。
頭はグシャグシャに潰れて復元できなかった。神田の死は、自殺ということで片付けられた。
「ねえ、坂上君。神田さんが死んだのって、自殺だと思う?それとも他殺だと思う?もし他殺なら、犯人は誰かしら?」と、なぜか元木が坂上に尋ねてきた。
- 自殺した
- ヒステリーな彼女が殺した
- 神田さんを思ってた女の子
- その子に片思いしていた男
- その他の誰か
でもね、もうすぐ7人目がやってきますから。7人目は誰だと思います?そう、神田君です」
「どうしてあいつがやってくんだよ!」と突然、新堂が声を荒げた。
「新堂さって、神田さんのこと知ってるんですか?」
「俺と同じクラスだったからな。でも、俺はただ知っている程度の仲さ。
神田のことだったら岩下の方が詳しいんじゃないのか?岩下と神田と付き合っているって噂だったからな」
「さあ、どうかしら。あなた、見たの?私と神田君に何かあったとことを見たのかしら?
私、嘘つきは嫌いなの。
もし、私が本当に神田という男と付き合っていたとしたら、私はきっとその男のことを殺したいたいと思ったでしょうね。
それより、福沢さんだったかしら?あなた、神田君のこと、密かに想っていたそうね。最近、神田君が新しい女と付き合い始めたって話を聞いたわ。確か、名前は福沢玲子」
「きゃははは、岩下さん、突然何を言い出すんですかぁ?
確かに、私が神田さんのことが好きだったのは認めますけど、私のせいで彼が自殺したっていうのは違うと思うなあ。だって、彼が死んで一番悲しかったのは私ですよ?
私は知ってるんだけどなあ。神田さんが自殺じゃないってこと。岩下さんは誰よりもよくわかっていますよねえ。神田さんを殺した張本人だから。きゃはははは」
「私が殺したって言うんだったら、証拠を見せてみなさいな」
福沢と岩下がにらみ合っていると、荒井が口をはさんできた。
「この話にはもう一人登場人物がいますよね。神田さんと新しく付き合い始めた福沢さんのことを好きだった男性。僕ね、実はその男、思い当たるんですよ。
細田さんって、福沢さんのこと好きなんじゃないですか?あなた、ここに来てからずっとチラチラと福沢さんのこと見てますよね?」
「ばれちゃったかな?実は、1年に僕好みの子が来たなあなんて、ずっと福沢さんのこと見てたんだよね。もっとも、片思いだけど・・・
まさか、今日こうして一緒に話ができるなんて、思ってみなかったよ。いや、恥ずかしいなあ。
でもね、福沢さんて人気あるじゃないですか。彼女のことを好きな男性って僕だけですか?
風間さんなんて、僕よりずっと親しげに福沢さんと話していますけれど?うくくく」
「今度はボクまで疑われるのかい?全女性に愛の手を差し伸べるのは、ボクの義務なんだ。
福沢さんを好きだというのなら、荒井君も候補に入るんじゃない?
それに神田を殺したというのであれば、新堂だってその可能性は十分ある。新堂は神田を恐喝していたよね?
いつも小遣いをせびっていたから、それを警察に相談するって神田が言ってたって噂、聞いたよ」
「ぶっ殺すぞ!」
「そう熱くなるなよ。ボクが言いたいのは、ここに集まった語り部は多かれ少なかれ神田に関係のある奴ばかりじゃないの。
まだ気づかないの?ボクたちはどうしてこの場に集まった?こりゃあ、日野が仕組んだ罠だよね?
あいつ、神田と仲が良かったからなあ。彼なりに犯人と突き止めたかったんでしょ?
ということでボクは帰るよ」
風間の手がドアのノブにかかった時、元木が叫んだ。
「待って!私、7人目が来るって言いましたよね?それまで帰っちゃダメです」
「悪いけど、これ以上の束縛は勘弁してほしい」
「ダメ!今、ドアを開けたら殺されちゃう。もう、神田さんは来てるんだから。そして、その扉の向こうに立ってるんだから。
ねえ、坂上君。あなた、私の話、信じてくれますか?」
- 信じているよ
- さすがに信じられない
- 結婚は中止だ。君はおかしい
「坂上君、私を信用できないんだ。それなのに、私と結婚してくれるって言った。例え今は私のことが信じられなかったとしても、これから一緒に付き合う中で信頼は生まれるものだと思ったの。
おばあちゃんもそう言ってたし。だから、私は、坂上君との運命を素直に話した。でも、そんなのやっぱり無理だった。
坂上君も、私の事、気持ち悪いって目で見てる。私と結婚してくれるって言葉は嘘だったの?」
- 嘘じゃない!→エンディング№459:運命の人
- 嘘だったんだ・・・
でも、おばあちゃんも間違っていることってあるんだなぁと理解できましたから。あの時、あなたが本心で言ってないってわかっていましたから。そして今の言葉もすべて嘘ですね」
元木が勢いよくドアを開けると、一人の男子生徒がたっていた。多分が彼が神田なのだろう。彼は首から上がなかった。
「今おばあちゃんが言いました。この中の誰か一人を生贄として差し出せば、ほかのみんなは助かることができるって。
でも、この中に一人だけ、本当に神田さんを殺した人がいるんですよね。
もしかしたら、一人じゃなくて、2人、3人の共犯者がいるのかも。ふふふ、あなた方は自分が犯人であることに一生怯えて生きていくのでしょうね。
悩みというものは共有することで安らぐものですよ。あなた方全員で、一人の生贄を決めてしまえばいいんです。神田さんの恨みを晴らすためには、誰か一人だけ生贄を捧げればいいんですよ。
そして、生き残った人たちで、この秘密を共有していけばいいのです。うふふふ」
新堂「お前が生贄に相応しい」
岩下「神田君のこと知らないの、あなただけだもの」
風間「キミが生贄になれば、それで解決すると思うよ」
荒井「僕たち6人は共犯者になりますが、罪悪感も1/6になりますからね。ヒヒヒ」
細田「せっかくできた親友がいなくなっちゃうのは残念だけど、心でつながった新しい友達が新しく5人もできるんだもの、仕方ないよね」
福沢「寂しくないよ、坂上君。今日という命日には、みんなでお墓参りに行くからさ。私たち、坂上君のこと忘れないからね。キャハハハ」
坂上「どうして僕が生贄になるんだよ!」
6人の語り部たちは坂上の身体をつかみ、自由を奪うとそのまま首のない神田の前に連れて行った。
首のない神田は、ゆっくりと両手を上げると、坂上の頭をがっしりと鷲掴みにして、グリグリと頭をひねり出した。
「痛い、痛いよ!」
坂上はあらぬ角度に首がねじ曲がっていくのを感じながら、視界に元木が映るのを見た。そんな元木は、この上ないほどの極上の笑顔を見せていた。
エンディング№460:そして一人が生贄になる
エンディング数 84/657 達成度12%
キャラクター図鑑 57/122 達成度46%
イラストギャラリー 54/283 達成度19%

今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
1週目クリア
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る
2週目開始!
倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)
4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№58~61・63(62は後で見る予定)
語り部6人の話が終わったが、7人目はまだ姿を見せない。
「全員の話が終わったぜ。どうするんだ?」
新堂に促された。どうしよう。
- もうしばらく待ちましょう
- 荒井さんの意見を聞きたい
- 帰りましょう
最後に話をしてくれた荒井の意見を聞いてみよう。
「あのう、荒井さん、何か意見はありますか?」
「意見?僕にこの状況でどんな意見を言えというのですか?」
お開きにした方がいいな、と坂上が思って、立ち上がろうとした時だった。
「こんにちは」
突然ドアが開き、まだ幼い印象の残る女の子が立っていた。元木早苗だった。
「あっれ~、早苗ちゃんじゃない!」と福沢が驚いて声を上げた。
「あ、玲子ちゃん、こんにちは~。他の皆さんも初めましてです~。どうぞ、よしなに~」
「あ、もしかして7人目って、早苗ちゃんのことだったの?」
「えっと、私は・・・」
- 黙って聞いている→エンディング№453:早苗ちゃんの娘婿、エンディング№454:交換日記の怖い話、エンディング№456:首吊りの樹の下で
- 7人目なんですよね?
- 7人目ではないですよね?
それは・・・帰っちゃダメ!」
元木は突然振り向くと、ドアから出て行こうとする新堂を厳しい口調で呼び止めた。
「俺はもう帰るんだよ。お前が7人目で最後の話をしてくれるってんなら別だけどな」といらついた口調で新堂が言った。
「私は7人目じゃないです」
「じゃあ帰るぜ」
「今帰ると、あなた死んじゃいますよ」
「変な冗談言ってると、俺も本気で怒るぜ」
「私が7話目をしてあげます。7人目が来る前に」
「本当か?」
「ええ、来ますよ。この中の一人を殺しに」
元木は、坂上のことを見てにっこりと笑った。
今度は岩下が帰ると言い出した。
「あなた、死んじゃいますよ」
「うふふ、私が殺されるっていうの?もしそんな奴がいたら、死ぬ前に先に殺してあげるから大丈夫よ」
「一人でも帰ると、この中の誰かが間違いなく死ぬの。だから、帰っちゃだめなの。呪いを解かなきゃならないから」
元木は誰も逃がさないように部室の前に立ちはだかった。
「皆さん、席に戻ってください」
全員が席に座るのを確かめると、7人目のために用意された席に元木が腰を下ろした。
「私が最後の話をします。坂上君、それでいい?」
- お願いします
- 7人目を待ちましょう
あ、そうだ、坂上君。私があなたを助けにきた理由。私と結婚することになってるの。だから、おばあちゃんが助けにいきなさいって言ってたの。
あなたが死んじゃうと、私、一生結婚できないんだもん。
これは運命だから。私との結婚を約束してくれるなら、あなたを守ります。それから7話目を話してあげるの」
- 彼女を信じて結婚すると言う
- 結婚すると嘘を吐く
- そんなこと約束できないと言う→エンディング№457:夫婦エクトプラズム、エンディング№458:サイコパス日野貞夫
「今日初めて会ったばかりだけれど、運命的な出会いを感じるから。僕で良かったら、喜んで」
岩下と荒井は興味なさそうに俯いて黙ったいたが、他メンバーは笑って祝福してくれた。
「皆さん、ありがとうございます。それじゃあ、話すね。
・・・皆さん、初めまして、私は1年も元木早苗といいます。
この集会に呼ばれた7人目ではないんですけれど、7人目が来る前に私が最後の話をしますね。
これは私のおばあちゃんから聞いた話なんです。私のおばあちゃんは私の中に住んでいるんだけれど、時々私の身体から抜け出ていっちゃうんです。
それでね、いろんなものを見てくるんですよ。これは、そのおばあちゃんが見た話。つい、最近起こった話なんですよ」
この学校に神田拓郎という生徒がいた。神田には彼女がいたが、とっても嫉妬深かった。
スマホは毎日チェックするし、彼のスケジュールは全部把握していないと気が済まない。
女の子が側に近づいただけで、しつこく問い詰めたり、ヒステリーを起こして異常に怒ったり。
神田はそんな彼女が怖くなり、別れたいと思うようになった。
そんな時、神田のことを好きだという女の子が現れた。
その女の子は、神田に近づくようになったが、もちろん嫉妬深い彼女は、それを知ってものすごく怒った。
でも、神田は目を盗んでその女の子と付き合うようになった。でも、さらにややこしいことに、その女の子に片思いしている人がいた。
世間でいうところの四角関係というやつだったが、それから何日かして神田が死んでしまった。
線路を枕代わりに、睡眠薬を飲んでそのまま眠り、そこに電車がやってきて、車輪に頭を轢かれて死んでしまったのだ。
頭はグシャグシャに潰れて復元できなかった。神田の死は、自殺ということで片付けられた。
「ねえ、坂上君。神田さんが死んだのって、自殺だと思う?それとも他殺だと思う?もし他殺なら、犯人は誰かしら?」と、なぜか元木が坂上に尋ねてきた。
- 自殺した
- ヒステリーな彼女が殺した
- 神田さんを思ってた女の子
- その子に片思いしていた男
- その他の誰か
でもね、もうすぐ7人目がやってきますから。7人目は誰だと思います?そう、神田君です」
「どうしてあいつがやってくんだよ!」と突然、新堂が声を荒げた。
「新堂さって、神田さんのこと知ってるんですか?」
「俺と同じクラスだったからな。でも、俺はただ知っている程度の仲さ。
神田のことだったら岩下の方が詳しいんじゃないのか?岩下と神田と付き合っているって噂だったからな」
「さあ、どうかしら。あなた、見たの?私と神田君に何かあったとことを見たのかしら?
私、嘘つきは嫌いなの。
もし、私が本当に神田という男と付き合っていたとしたら、私はきっとその男のことを殺したいたいと思ったでしょうね。
それより、福沢さんだったかしら?あなた、神田君のこと、密かに想っていたそうね。最近、神田君が新しい女と付き合い始めたって話を聞いたわ。確か、名前は福沢玲子」
「きゃははは、岩下さん、突然何を言い出すんですかぁ?
確かに、私が神田さんのことが好きだったのは認めますけど、私のせいで彼が自殺したっていうのは違うと思うなあ。だって、彼が死んで一番悲しかったのは私ですよ?
私は知ってるんだけどなあ。神田さんが自殺じゃないってこと。岩下さんは誰よりもよくわかっていますよねえ。神田さんを殺した張本人だから。きゃはははは」
「私が殺したって言うんだったら、証拠を見せてみなさいな」
福沢と岩下がにらみ合っていると、荒井が口をはさんできた。
「この話にはもう一人登場人物がいますよね。神田さんと新しく付き合い始めた福沢さんのことを好きだった男性。僕ね、実はその男、思い当たるんですよ。
細田さんって、福沢さんのこと好きなんじゃないですか?あなた、ここに来てからずっとチラチラと福沢さんのこと見てますよね?」
「ばれちゃったかな?実は、1年に僕好みの子が来たなあなんて、ずっと福沢さんのこと見てたんだよね。もっとも、片思いだけど・・・
まさか、今日こうして一緒に話ができるなんて、思ってみなかったよ。いや、恥ずかしいなあ。
でもね、福沢さんて人気あるじゃないですか。彼女のことを好きな男性って僕だけですか?
風間さんなんて、僕よりずっと親しげに福沢さんと話していますけれど?うくくく」
「今度はボクまで疑われるのかい?全女性に愛の手を差し伸べるのは、ボクの義務なんだ。
福沢さんを好きだというのなら、荒井君も候補に入るんじゃない?
それに神田を殺したというのであれば、新堂だってその可能性は十分ある。新堂は神田を恐喝していたよね?
いつも小遣いをせびっていたから、それを警察に相談するって神田が言ってたって噂、聞いたよ」
「ぶっ殺すぞ!」
「そう熱くなるなよ。ボクが言いたいのは、ここに集まった語り部は多かれ少なかれ神田に関係のある奴ばかりじゃないの。
まだ気づかないの?ボクたちはどうしてこの場に集まった?こりゃあ、日野が仕組んだ罠だよね?
あいつ、神田と仲が良かったからなあ。彼なりに犯人と突き止めたかったんでしょ?
ということでボクは帰るよ」
風間の手がドアのノブにかかった時、元木が叫んだ。
「待って!私、7人目が来るって言いましたよね?それまで帰っちゃダメです」
「悪いけど、これ以上の束縛は勘弁してほしい」
「ダメ!今、ドアを開けたら殺されちゃう。もう、神田さんは来てるんだから。そして、その扉の向こうに立ってるんだから。
ねえ、坂上君。あなた、私の話、信じてくれますか?」
- 信じているよ
- さすがに信じられない
- 結婚は中止だ。君はおかしい
「坂上君、私を信用できないんだ。それなのに、私と結婚してくれるって言った。例え今は私のことが信じられなかったとしても、これから一緒に付き合う中で信頼は生まれるものだと思ったの。
おばあちゃんもそう言ってたし。だから、私は、坂上君との運命を素直に話した。でも、そんなのやっぱり無理だった。
坂上君も、私の事、気持ち悪いって目で見てる。私と結婚してくれるって言葉は嘘だったの?」
- 嘘じゃない!
- 嘘だったんだ・・・
元木は変わっているが、やっぱり普通の女の子だった。そう坂上が思ったら、彼女がいとおしく見えて仕方がなかった。
「ごめん、この状況に、ついあんなことを言ってしまった。ごめん、僕は君を信用できるよう努力すべきだった。
今更こんなこと言うと怒られそうだけど、さっきの約束はまだ有効かな?」
「ありがとう。やっぱり、坂上君はちゃんと考えてくれる人だね。末永くよろしくお願いします」
その時、突然誰かがドアをノックした。
元木が嬉しそうに言った。
「これは神田さんです。彼はもう死んでいるから自分からは入れないんですよ。さあ、入れてあげましょうね」
元木が勢いよくドアを開けると、一人の男子生徒がたっていた。多分が彼が神田なのだろう。彼は首から上がなかった。
その時、元木の身体がガクガクと激しく揺れ始め、口から白い煙のようなものが現れた。
その煙の中に、とても恐ろしい形相をした女の顔が浮かび、そいつが神田に襲い掛かると、神田の姿が幻のように消えた。
それを見届けた鬼のような形相をした顔は、とても穏やかで優しい顔に変化して、元木の口の中に吸い込まれていった。
「元木さん!」
がっくりと崩れ落ちた元木の身体を坂上が支えると、元木はゆっくりと目を開けた。
「おばあちゃんが、もう大丈夫だって。良かったね。誰も死ななくて」
それから1週間が経った。
あれ以来、集会で知り合った語り部のみんなと会うことは一度もなかった。結局、神田を誰が殺したのか、それ以前に自殺だったのか他殺だったのかもわからなかった。
もし、人間としての良心の呵責を感じるのならが、あとは自分で罪を償えばよい。自分の出る幕ではない、と坂上を思った。
そして、あれ以来、坂上は元木をよく話すようなり。偶然では片づけられない運命をいうものを、彼女と出会ったことにより信じられるようになった。
坂上は昨日、学校の七不思議の特集の原稿をまとめたが、さすがに7話目のあの部室での出来事は書けなかった。
仕方がないので、『七つ目の話を聞くと悪いことが起きる。だから、ここに書くことはできない』と記しておいた。
エンディング№459:運命の人
エンディング数 83/657 達成度12%
キャラクター図鑑 57/122 達成度46%
イラストギャラリー 54/283 達成度19%

今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
1週目クリア
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る
2週目開始!
倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)
4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№58~61・63(62は後で見る予定)
語り部6人の話が終わったが、7人目はまだ姿を見せない。
「全員の話が終わったぜ。どうするんだ?」
新堂に促された。どうしよう。
- もうしばらく待ちましょう
- 荒井さんの意見を聞きたい
- 帰りましょう
最後に話をしてくれた荒井の意見を聞いてみよう。
「あのう、荒井さん、何か意見はありますか?」
「意見?僕にこの状況でどんな意見を言えというのですか?」
お開きにした方がいいな、と坂上が思って、立ち上がろうとした時だった。
「こんにちは」
突然ドアが開き、まだ幼い印象の残る女の子が立っていた。元木早苗だった。
「あっれ~、早苗ちゃんじゃない!」と福沢が驚いて声を上げた。
「あ、玲子ちゃん、こんにちは~。他の皆さんも初めましてです~。どうぞ、よしなに~」
「あ、もしかして7人目って、早苗ちゃんのことだったの?」
「えっと、私は・・・」
- 黙って聞いている→エンディング№453:早苗ちゃんの娘婿、エンディング№454:交換日記の怖い話、エンディング№456:首吊りの樹の下で
- 7人目なんですよね?
- 7人目ではないですよね?
それは・・・帰っちゃダメ!」
元木は突然振り向くと、ドアから出て行こうとする新堂を厳しい口調で呼び止めた。
「俺はもう帰るんだよ。お前が7人目で最後の話をしてくれるってんなら別だけどな」といらついた口調で新堂が言った。
「私は7人目じゃないです」
「じゃあ帰るぜ」
「今帰ると、あなた死んじゃいますよ」
「変な冗談言ってると、俺も本気で怒るぜ」
「私が7話目をしてあげます。7人目が来る前に」
「本当か?」
「ええ、来ますよ。この中の一人を殺しに」
元木は、坂上のことを見てにっこりと笑った。
今度は岩下が帰ると言い出した。
「あなた、死んじゃいますよ」
「うふふ、私が殺されるっていうの?もしそんな奴がいたら、死ぬ前に先に殺してあげるから大丈夫よ」
「一人でも帰ると、この中の誰かが間違いなく死ぬの。だから、帰っちゃだめなの。呪いを解かなきゃならないから」
元木は誰も逃がさないように部室の前に立ちはだかった。
「皆さん、席に戻ってください」
全員が席に座るのを確かめると、7人目のために用意された席に元木が腰を下ろした。
「私が最後の話をします。坂上君、それでいい?」
- お願いします
- 7人目を待ちましょう
「ちょっと待って」と坂上の言葉を福沢が止めた。
「早苗ちゃん、今日のこの集まりのこと話したっけ?」
「ううん。でもね、おばあちゃんが教えてくれたの。急いで行かないと、大変なことになっちゃうって。
あ、そうだ、坂上君。私があなたを助けにきた理由。私と結婚することになってるの。だから、おばあちゃんが助けにいきなさいって言ってたの。
あなたが死んじゃうと、私、一生結婚できないんだもん。
これは運命だから。私との結婚を約束してくれるなら、あなたを守ります。それから7話目を話してあげるの」
- 彼女を信じて結婚すると言う
- 結婚すると嘘を吐く
- そんなこと約束できないと言う
さあ、みなさん帰りましょう」
元木は俯いて唇をかみしめていた。そして、彼女の目から大粒の涙が零れ落ちた。
「わかった。おばあちゃんには、私から話しておくから。坂上君とは結婚できないってことを・・・」
みんな帰り支度を始めて帰って行った。
部室には、福沢、元木、坂上の3人が残った。
福沢は一生懸命元木の機嫌をとろうとしているが、元木は相変わらず泣いている。
元木は、「玲子ちゃん、私たちを二人にしてくれるかな」と泣きながら言うと、福沢は、「坂上君、これ以上早苗ちゃんにひどいこと言ったら、私が承知しないからね」と捨て台詞を吐いて出て行った。
「私、素敵な奥さんになってテレビの『新婚さん、よってらっしゃい』に出るのが夢だった。
あなたのこと忘れるよう努力する。だけどね、私の最後のお願い聞いてくれないかな?」
元木は坂上の目をまっすぐに見つめて言った。
- うん→エンディング№457:夫婦エクトプラズム
- 聞けないよ
元木はそう言うと部室から出て行ってしまった。
その時、突然ドアが開いて福沢が顔をのぞかせて、「坂上君のバカ」とだけ言った。
そして、ドアが閉まり、走り去る足音が聞こえてきた。
坂上は一人で後片付けをして、ふと窓の外を見ると、すっかり日が沈んでいた。
振り返るった坂上は悲鳴を上げた。
「ぎゃああああ!」
「脅かすなよ。びっくりしただろ」
日野だった。
「いやー、7話目を話す予定だったのに、突然先生に呼ばれちゃってさ。進路相談でどうしても話したいことがあるって。
それで、話は集まったのか?」
「まあ、6話は集まりましたけど」
「そうか、6話では七不思議にならないな。よし、そこに座れ、坂上」
「もう遅いですし。日野先輩が話してくれるのであれば、後日改めて聞かせていただいても・・・」
血まみれの包丁が見え、声にならない悲鳴を上げる坂上に横目に、日野がしゃべり続ける。
「俺は急いでいるって何度も言ったんだけどさ。お前の進路がどうだ、推薦を取るためにはあれが足りない、これが足りない。
俺は七不思議の特集を後輩に任せているから、その場に行かなければならないんだっつーのに。
本当にわかってくれないから、今日おろしたてのこの包丁、使っちゃったよ。さて、座れ、坂上」
「は、はい」
震える声で答えた坂上は、椅子に腰を落とした。
そして、元木の「一人でも帰ると、この中の誰かが間違いなく死ぬの。だから、帰っちゃだめなの。呪いを解かなきゃならないから」という言葉を思い出す坂上。
「許してください、僕を殺さないでください」
「なあ、坂上。俺が話す7話目は凄いぞ。この新聞部は、実は呪われた話があるんだ。それをお前に話してやる。
実を言うとな、今から20年以上前、この部室で今回と同じような七不思議の集会が行われたんだ。その時な、語り部に一人にサイコパスがいたんた。
彼は、話を頼まれたやってきたのはいいものの、怖い話を用意していなかったんだ。
そのサイコパスは誰よりも目立って、誰よりも怖い話をしたくてたまらなかったんだ。そこで、そいつは思いついた。
怖い話をするのではなく、怖い思いを実際にしてもらおうってな。そして、聞き役の前でこれからこの語り部の中から一人を殺すって言い出したんだ。包丁を持ってな。
そして、選べと言ったんだよ。誰を殺すかをさ。
ところが、聞き役の新聞部員は冗談だろうと思ったのさ。だから、言った。
殺すなら語り部じゃなく自分を殺せってね。
聞き役をそう言うんだから、そいつはまじめにその言葉を受け止めて、聞き役の新聞部員を刺したんだ。包丁で、何度も何度も。体に穴が開くほどめった刺しだ。
という話が新聞部に伝わっているんだ。それでな、俺もそれにあやかって、この集会を企画したんだよ。
サイコパスが見つからなかったから、結局、その役は俺が自ら務めることにしたわけさ。
で、ここに来たんだが、もう、みんな帰ってしまった。あの先生の責任だ。畜生。でも、この集会をきちんとした形で終わらせなければならない。
だから、坂上。俺かお前のどちらかが死ななくてはならないんだが、どうすればいいと思う?
そういえば途中で、語り部に呼んだ福沢ともう一人女の子会ったよ。あの二人、ぶつぶつとお前の名前を挙げて文句を言ってからさ。ついでに刺してきた。」
エンディング№458:サイコパス日野貞夫
エンディング数 82/657 達成度12%
キャラクター図鑑 57/122 達成度46%
イラストギャラリー 53/283 達成度18%

今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
1週目クリア
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る
2週目開始!
倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)
4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№58~61・63(62は後で見る予定)
語り部6人の話が終わったが、7人目はまだ姿を見せない。
「全員の話が終わったぜ。どうするんだ?」
新堂に促された。どうしよう。
- もうしばらく待ちましょう
- 荒井さんの意見を聞きたい
- 帰りましょう
最後に話をしてくれた荒井の意見を聞いてみよう。
「あのう、荒井さん、何か意見はありますか?」
「意見?僕にこの状況でどんな意見を言えというのですか?」
お開きにした方がいいな、と坂上が思って、立ち上がろうとした時だった。
「こんにちは」
突然ドアが開き、まだ幼い印象の残る女の子が立っていた。元木早苗だった。
「あっれ~、早苗ちゃんじゃない!」と福沢が驚いて声を上げた。
「あ、玲子ちゃん、こんにちは~。他の皆さんも初めましてです~。どうぞ、よしなに~」
「あ、もしかして7人目って、早苗ちゃんのことだったの?」
「えっと、私は・・・」
- 黙って聞いている→エンディング№453:早苗ちゃんの娘婿、エンディング№454:交換日記の怖い話、エンディング№456:首吊りの樹の下で
- 7人目なんですよね?
- 7人目ではないですよね?
それは・・・帰っちゃダメ!」
元木は突然振り向くと、ドアから出て行こうとする新堂を厳しい口調で呼び止めた。
「俺はもう帰るんだよ。お前が7人目で最後の話をしてくれるってんなら別だけどな」といらついた口調で新堂が言った。
「私は7人目じゃないです」
「じゃあ帰るぜ」
「今帰ると、あなた死んじゃいますよ」
「変な冗談言ってると、俺も本気で怒るぜ」
「私が7話目をしてあげます。7人目が来る前に」
「本当か?」
「ええ、来ますよ。この中の一人を殺しに」
元木は、坂上のことを見てにっこりと笑った。
今度は岩下が帰ると言い出した。
「あなた、死んじゃいますよ」
「うふふ、私が殺されるっていうの?もしそんな奴がいたら、死ぬ前に先に殺してあげるから大丈夫よ」
「一人でも帰ると、この中の誰かが間違いなく死ぬの。だから、帰っちゃだめなの。呪いを解かなきゃならないから」
元木は誰も逃がさないように部室の前に立ちはだかった。
「皆さん、席に戻ってください」
全員が席に座るのを確かめると、7人目のために用意された席に元木が腰を下ろした。
「私が最後の話をします。坂上君、それでいい?」
- お願いします
- 7人目を待ちましょう
「ちょっと待って」と坂上の言葉を福沢が止めた。
「早苗ちゃん、今日のこの集まりのこと話したっけ?」
「ううん。でもね、おばあちゃんが教えてくれたの。急いで行かないと、大変なことになっちゃうって。
あ、そうだ、坂上君。私があなたを助けにきた理由。私と結婚することになってるの。だから、おばあちゃんが助けにいきなさいって言ってたの。
あなたが死んじゃうと、私、一生結婚できないんだもん。
これは運命だから。私との結婚を約束してくれるなら、あなたを守ります。それから7話目を話してあげるの」
- 彼女を信じて結婚すると言う
- 結婚すると嘘を吐く
- そんなこと約束できないと言う
さあ、みなさん帰りましょう」
元木は俯いて唇をかみしめていた。そして、彼女の目から大粒の涙が零れ落ちた。
「わかった。おばあちゃんには、私から話しておくから。坂上君とは結婚できないってことを・・・」
みんな帰り支度を始めて帰って行った。
部室には、福沢、元木、坂上の3人が残った。
福沢は一生懸命元木の機嫌をとろうとしているが、元木は相変わらず泣いている。
元木は、「玲子ちゃん、私たちを二人にしてくれるかな」と泣きながら言うと、福沢は、「坂上君、これ以上早苗ちゃんにひどいこと言ったら、私が承知しないからね」と捨て台詞を吐いて出て行った。
「私、素敵な奥さんになってテレビの『新婚さん、よってらっしゃい』に出るのが夢だった。
あなたのこと忘れるよう努力する。だけどね、私の最後のお願い聞いてくれないかな?」
元木は坂上の目をまっすぐに見つめて言った。
- うん
- 聞けないよ
「嬉しいな。私とキスしてくれないかな。坂上君とのいい思い出にしたいの」
「キスならいいよ」
坂上が元木の唇に口づけると、何か嫌のものを感じた。坂上の唇が元木の唇から離れない。
そして、坂上の唇の中に、元木の口から何か得体のしれないものが入り込んきて、喉の奥に入り込もうとしている。
坂上がこらえきれずそれを飲み込むと、元木がやっと離れた。
元木は満面の笑みを浮かべている。
「私、あなたのことを忘れられそうにもないみたい。だから、あなたの中に私のご先祖様を何人かわけてあげたの。
私の中のおじいちゃんやおばあちゃんを、坂上君にも分けてあげたから、私たち別れられないの。どんなことがあってもね。
でも、私がいなくてもこれからはおじいちゃんとおばあちゃんが守ってくれるから、安心して」
坂上の口の中から何やら白い煙がもうもうと吐き出され、やがて人の形を形成し、坂上の口を使ってしゃべり始めた。
「この腐れ坊主が!孫娘の唇を奪っておいて、今更逃げられると思うてか!
これから孫娘に相応しい日本男児になれるように毎日修行を命じる!」
「坂上君、これで『新婚さん、よってらっしゃい』に出られるね。うちのご先祖様が大好きな番組だから、頑張ってでようね。うふふふ」
エンディング№457:夫婦エクトプラズム
エンディング数 81/657 達成度12%
キャラクター図鑑 57/122 達成度46%
イラストギャラリー 52/283 達成度18%

今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
1週目クリア
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る
2週目開始!
倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)
4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№58~61・63(62は後で見る予定)
語り部6人の話が終わったが、7人目はまだ姿を見せない。
「全員の話が終わったぜ。どうするんだ?」
新堂に促された。どうしよう。
- もうしばらく待ちましょう
- 荒井さんの意見を聞きたい
- 帰りましょう
最後に話をしてくれた荒井の意見を聞いてみよう。
「あのう、荒井さん、何か意見はありますか?」
「意見?僕にこの状況でどんな意見を言えというのですか?」
お開きにした方がいいな、と坂上が思って、立ち上がろうとした時だった。
「こんにちは」
突然ドアが開き、まだ幼い印象の残る女の子が立っていた。元木早苗だった。
「あっれ~、早苗ちゃんじゃない!」と福沢が驚いて声を上げた。
「あ、玲子ちゃん、こんにちは~。他の皆さんも初めましてです~。どうぞ、よしなに~」
「あ、もしかして7人目って、早苗ちゃんのことだったの?」
「えっと、私は・・・」
- 黙って聞いている
- 7人目なんですよね?
- 7人目ではないですよね?
「7人目というわけじゃないんだけど。おばあちゃんが、行きなさいって言うので~」
(七不思議の集会のことは、僕と、新聞部との人たちと、日野先輩に声をかけられた7人の人以外は知らないはずなのに)と坂上が思っていると、福沢が、
「気にしないでね。早苗ちゃんは時々、ヘンなことを言い出すことがあるから。でも。とってもいい子だよ」とフォローする。
ずっと居眠りをしていた風間がいつの間にか目を覚まして、
「そうとも、こんん可愛い女の子が、悪い子であるわけがないさ。早く入っておいで。なんだったらボクの膝の上に座ってもいいんだよ」と声を掛けた。
「それでは、おじゃまします~」
遠慮がちに入室してきた元木を、坂上は空いている席に案内した。
「皆さん、改めまして、よろしくお願いします~。私、1年の元木早苗といいます。玲子ちゃんのクラスメイトです~」
「元木さん、日野先輩にここを教えてもらったわけじゃないんだよね?」
「はい。あ。ところで、あなたが坂上修一君?」
「そうだけど」
(どうして、この子は僕の名前を知っているのだろう)
元木は可愛らしく微笑むと、不思議なことを口走った。
「そう、良かった。まだ生きてるので~」
「え・・・」
「おばあちゃんがね、ここで坂上君が困っているだろうから、助けに行ってあげなさいって言ってたの」
「は?」
福沢が必死にフォローするかのように、目の前で手をひらひらとさせて、その場の空気を変えようとした。
「あ~細かいことは聞かなかったことにして!運が良ければ、その目で超常現象を確認できると思うから。
それよりさ、怖い話をさせるんだったら、早苗ちゃんはピッタリだと思うよ。7人目はいつまで待っても来ないみたいだし。
ね、早苗ちゃんもいい?」
「はい~、私でよろしければ」
「さっさと話してもらって、お開きにしようぜ」と新堂が口を開いた。
「では、元木さん、よろしくお願いします」と坂上は言った。
これはまだ携帯が一般的になる前の時代の話。
この学校のあるクラスで、交換日記が流行った。
はじめは数人の女の子のグループが始めたのだが、その様子があまりにも楽しそうなので、あっという間に、他のクラスメイトにも広まった。
みんなそれぞれ、仲良しのグループに分かれて、好きな人の名を書き合ったり、自分がおすすめしたいものなんかを書いたり、先生の悪口で盛り上がったりしていた。
その流行の陰で交換日記のグループに入り損ねた女の子がいた。名前は、大本真美。
彼女はあまり人付き合いがうまい方ではなく、人の輪に入ることが苦手で、誘われても断ってしまうような自ら壁を作ってしまうような人だった。
それに、学校は勉強をしに来るところだからという生真面目な一面が強くて、勉強そっちのけで学園生活を楽しんでいるクラスメイトたちを毛嫌いしている部分もありました。
別に孤立するほどの嫌われ者ではないが、付き合い下手な彼女には、交換日記で互いの秘密を見せ合いっこするほど心を許してくれるような友達もいなかった。
休み時間にきゃあきゃあと交換日記の話題で騒いでいる子たちを横目で眺めながら、大本は胸の中に湧き上がる敗北感と孤独を、必死に押し隠していた。
表面上は『そんなものにうつつを抜かすより先に、学生としてやらなければならないことがあるんじゃないの?』と涼しい顔をしていたが、内面では、交換日記に激しい憧れを抱いていた。
そんなある日のこと。
大本がいつものように家路を歩いていると、塀の向こうの見慣れた木の洞に、何かがねじ込まれているのが見えた。
どうやら、それは丸められたノートのようだった。
大本は木の洞に手を伸ばして、そのノートを引き抜くと、風雨に晒されたように古びていたが、表紙には交換日記と書かれていた。
彼女はボロボロのノートを開いたが、前半部分は、長い間放置されているうちに水が染みこんだせいか、紙が癒着していた。
そこで比較的損傷の少ない後ろの方のページを選んでめくると、こんなことが書かれていた。
『僕と交換日記をしませんか?』
開いたページの左上に、ぽつんとそれだけが書いてあり、そこから後は何も記されてはなかった。
大本は誰のものかわからないそのノートを、こっそり持ち帰った。
『僕と交換日記をしませんか?』
それは、几帳面そうな性格がうかがえる、読みやすい字だった。
大本は、字の綺麗な少年と交換日記をしているんだ、という少しロマンチックな想像をしてその書き込みの下に続けて書いた。
『あなたは誰?うちの学校の生徒なの?いつから交換日記の相手を待ち続けているの?』
そして、翌日の朝、登校するついでに、同じ木の洞へノートを押し込んだ。
しかし、数日たっても、ノートに何の変化のないことに落胆しているうちに、大本は、一度希望を持って裏切られた分、さらに暗い感情は強まって行った。
次の週のある日、大本はいつものようにあの木の側を通りかかった。
気のせいか、いつもとは少し違う形でノートが突っ込まれていたので、大本は、急いでノートを抜き取り、その場で開いた。
すると、大本の書き込みの下に、例の几帳面そうな文字で返答が書かれていた。
『こんにちは。書き込みありがとうございます。僕は他校の生徒です。この学校に通う人と、ずっと交換日記をしていました。でも、ある日突然、相手から返事がこなくなったんです。
僕は相手の名前しか知らなかったから、何があったのか調べる手段もなくて、つい、新しい交換日記の相手を募るようなことを書いてしまったんです。
それが2年前のことです。まさか、今になって書き込んでくれる人が現れるとは、思ってもみなせんでした。よろしければ、本当に僕と交換日記をしていただけないでしょうか?』
大本は家に持って帰ると、ペンを執った。
『いいわよ。私は大本真美。まずはあなたのことを知りたいわ。あなたはどこの高校に通っているの?
2年前にいつの生徒と交換日記をしていたということは、今は3年生ぐらいかしら?以前の交換日記の相手とも、こうして顔も知らない状態でやりとりしていたの?
突然音信不通だなんて、可愛そうね。私、その人について調べてあげましょうか?』
大本は次の日の朝、木の洞の中にノートを戻した。
そして、数日後、ようやく待ち望んでいた変化があった。
『お返事ありがとうございます。よろしくお願いします。前の交換日記の相手とも、やはりこんな風に偶然やりとりがはじまったんです。
2年前の突然の音信不通にショックを受けましたが、こうして新しいご縁が見つかったので、すっかり未練も晴れました。調査の件は、気持ちだけいただいておきます。
それよりも、僕はもっと大本さんのことが知りたいです。差支えのない範囲で、いろいろと書いていただければ嬉しいです。僕は、桂雅彦といいます』
彼は必要以上に自分のことを書いていませんでしたが、この落ち着いた文体と丁寧な口調は、大本の胸をときめかせた。
(こんな素敵な文章が書ける人なんですもの、きっと頭が良くて知的な感じの文学青年ね)
彼女の中で、勝手に妄想が膨らんだ。
まるで彼女は、桂さんのことを不遇な自分を助け出すために現れた、白馬の王子様であるかのように感じた。
桂の日記は、こんな一文で締めくくられていた。
『一つお願いがあります。このノートの前半部分は読まないでいただきたいのです。前の相手とのやりとりが残っていて、読むことも読まれることも心苦しいのです。どうかお願いします』
大本はあくまでも強気な返事を書いた。
『わかったわ。私は余計な詮索は嫌いだし、読もうにも、すっかりページがくっついちゃってるから、読めないの。安心してね』
そして、彼のリクエストに応えて、自分のことを書き始めた。
自分が2年生であること、進路の希望はある程度固まっていて、それに向けて努力をしていること・・・そんな、相手に都合よく見えることだけを書いた。
最後に、クラスで交換日記が流行っていることを記し、ついでに小耳に挟んだルールを書いた。
当時彼女のクラスで流行っていた交換日記にはあるルールがった。それは他人の日記の文章に、赤いペンと青いペンで下線を引くことで、読み手の意思を伝えるというものだった。
他人の日記の文章全体に赤いペンで線を引くと、同意、好意、喜びなどの前向きな感情を表し、文章の一部に青いペンで線を引くと、否定、反感、悲しみなど、後ろ向きなニュアンスを現した。
そして、そこから余白に矢印を引っ張って、コメントを書き込む。
大本は、クラスの女の子たちが、そんな秘密めいたやり取りをしているのを盗み見て、交換日記をするときには、そのルールを試してみたいなって思っていた。
『結構便利システムなのよ。せっかくだから、あなたも私の分に線を引いてみてね。じゃあ、末永くよろしくね』
いつものように木の洞にノートを入れて数日後、大本の書き込みのあちこちには、赤い線がいっぱい引かれて、コメントが添えられていた。
ノートの前半は見ないという約束や、大本さんの進路や努力に対しての部分、ルールを採用したいという意見や、『末永くよろしくね』の箇所にも、賛同の赤線が引かれていた。
そして、心待ちにしていた桂からの返信に目を通した。
『こんにちは、桂です。僕のお願いを聞いてくれてありがとう。君は2年生のうちから将来を見据えていて、えらいと思うな。
僕はその時に努力しなかったことを、遅まきながら悔やんでいます。赤い線と青い線のルール?面白いものがあるんだね。僕もさっそくやってみました。
交換日記なのに、話し合っている感じがして、けっこう楽しいね。こちらこそよろしく』
桂の新しい書き込みに対しても、彼女は賛同や喜びの赤線を、どんどん引いて行った。
しかし、桂の書いたこんな一文が、大本の手を止めた。
『大本さんのクラスでは交換日記が流行っているそうだけど、今、誰かと交換日記をしているの?』
大本は、いつか桂と直接会うことがあった時、嘘つきだと思われたくなかったので、みじめさを押し殺して真実を記した。
『交換日記は、あなた以外の誰ともしてないわ。誰にも誘われなかったからなの。
学生は勉強をしに学校へ通うべきだと思ってるし、将来を見据えて、今から努力を積み重ねていくべきだと考えているの。
だから、そういう人間を軽蔑し、避けている。それに私は、あまり人付き合いがうまい方じゃないの。
やっぱり、心のどこかでそういう連中を見下しているのかもしれない。でも、こういう意見は煙たいんでしょうね。あなたにも嫌われてしまうかもしれない。
でも、あなたの顔が見えないから、こんなことも素直に書けてしまう。私がバカなんだわ。こんなこと書いても、ネガティブだし嫌われるだけだよね』
そこには、寂しさ、誇り、反省、後悔・・・クラスメイトの前では出すことのない、大本の本当の気持ちがつづられていた。
あんなことを書いてしまっては、もう返事は来ないかもれいない。
そんな心配をよそに、桂から帰って来たノートにや、いたるところに赤線が引いたあったが、『私がバカなんだわ』という一文には青線が引かれ、『そんなことない!』というコメントがついていた。
『大本さんはしっかりした魅力的は人だと思う。学生の本文について、将来を見据えた勉強の必要性について、きちんと理解している高校生は珍しいよ。
たしかに、考え方が正しければ高圧的な態度に出ていい、ということはないけれど、でも僕はこう思う。あの時、僕の側に君のような人がいてくれたなら・・・
僕の不真面目で怠惰な生活に警鐘を鳴らしてくれる人がいたなら、僕はもっと早く目を覚まして、進路について考えていただろう。
誰もが切羽詰まってから、きっと君の正しさを理解し、尊敬し、ありがたく思うはずだよ。
なによりも、自分の態度を反省しているのが偉いね。自分のことを客観的に見て反省することは、難しい。
君は自分が孤独だと思っているようだけど、その誠実さは、クラスの誰かには伝わっていると、僕は思うよ』
大本は、感動のあまり涙を流した。そしてノートに向かって、何度も、ありがとう、と呟いた。
桂に認められたことで、大本は失いかけた自信を取り戻すことができた。
(そうよ、やっぱり私は正しいんだわ。受験に備えることの大切さを理解しているのは、私だけなんだから、私は別にそんな人たちを群れる必要はない。
一人でも大丈夫。いつか私のことを理解してくれる人たちに囲まれて生きる日がやって来るはず)
次の日から、大本は、一人でいることに寂しさを感じることはなくなった。
だから、二人の交換日記は順調に続いた。
むしろ、学校でため込んでいる孤独や反発を慰めてくれる桂の言葉は、大本にとって、なくてはならないものになっていった。
それに自分の発言が、自信を失いがちな桂の支えになっていることを確信し、彼から頼られる喜びすら感じていた。
桂が大本に好意を持っていることは密かに感じていたが、それ以上の進展は全くなかった。
実は大本は同じクラスの畑中亨が好きだった。
畑中は、クラスで孤立している大本に話しかけてくれる数少ない人だった。
畑中は、宿題を忘れた、と言ってノートを借りに来て、
「頭がいいだけじゃなくて、マジメだし、努力家だよな」なんて、声を掛けてくれていたので、大本は密かに、畑中は自分のことが好きなんじゃないか、と思っていた。
そんなわけで、大本は桂をキープしつつ、畑中からの求愛を待っていた。
ところがある日、畑中がある女の子に告白し、相手もそれを受け入れたのだ。
その一部始終は、休み時間の教室で、クラスメイトたちの前で堂々と行われて、当然大本を目撃していた。もともと畑中は、ボクシング部で強くてかっこよくて、クラスの人気者だったから。
その日の放課後、忘れ物を取りに大本が教室に戻った時、帰らずに残っていた女の子たちが、大本についてウワサしているのを聞いてしまった。
「大本さんさ、畑中が告白したとき、すごい顔してたよね」
「あの人、鬼みたいな顔してたよ」
「へー、やっぱり大本さん、畑中のことが好きだったんだ」
「でもさ、畑中ってずっとアユミちゃん狙いじゃん。見ててもわかんないのかな?」
「畑中がよくノートを借りにいったから・・・」
「あー、誤解しちゃったのね。自分のことが好きなんだって」
「なんかかわいそー。畑中、影ではかなり大本の悪口言ってたのにさ」
「そうそう、『大本にはノート書く以外の取柄はない』なんてきっぱり言っちゃってね~」
「畑中も卑怯だよね。ノート借りるときは調子いいくせに。まあ、大本さんの態度もさ、調子乗ってるというか」
「学級委員でもないのにいつも偉そうにしているし、ムカつくのもわかるかなって」
「いい気味かもね」
「きゃははは」
大本は気づかれないよう、その場を去り、走って走って交換日記の隠し場所のある木ののころまで来たが、汗と涙で顔がグチャグチャになっていた。
大本はノートを取り出し、その場で書き込むと、またすぐ元に戻した。
『今日学校でひどいことがあった。もう明日から学校行けない。死にたいよ。助けて』
翌日大本は学校を休んだ。頭まで布団をかぶって、泣きながら一日を過ごしたが、夕方になって、あの日記の返事が気になって仕方がなくなくなり、あの木の下へ向かった。
ノートを開くと、まったく予想をしていなかったことが書かれていた。
『じゃあ、会おうか。
君が本当に僕の助けを必要としているのなら、会おう。夜中の2時にこの木の下に来て欲しい。僕は君と会えるまで、毎日待っているから』
夜の2時なると、大本はこっそり家を抜け出し、いつもの木の元に向かったが、途中で、桂と会えなかったらどうしよう、という考えた頭をよぎった。
なんらかの事情で、桂がこちらに向かえないこともあるでしょうし、もし会えなかったら、待ち合わせ場所に来たということと、彼への感謝の気持ちを日記に書き残しておいたほうがいいだろう、と大木は考えた。
手ぶらだった彼女は、文房具を取りに家に戻ったと思いますか?
- 戻った→エンディング№453:早苗ちゃんの娘婿、エンディング№454:交換日記の怖い話
- 戻らなかった
木の下には誰もいなかったので、大本はその場で桂を待つことにした。
ところが、決められた時間を過ぎても、桂は現れない。
時間を持て余した大本は、ノートを開いた。すると、昼間の書き込みに新しい文章が付け加えられていた。
『君が本当に僕の助けを必要としているのなら、会おう。夜中の2時にこの木の下に来て欲しい。
僕には君を連れて行くことしかできない。
僕が手伝ってあげるから、気を楽にして』
大本がなんとなく嫌な予感を覚えながら首をかしげた寸簡、大本の喉に何かが食い込んできた。
何者かに襲われて、背後から紐で絞められている!大本はそう思い、慌てて喉に手を当てたが、そこには何もなかった。それなのに、喉の肉が何かが食い込んでいるかのように凹んでいる。
大本はパニックに陥りつつ、息苦しさから逃れるため、顔を上に向けた。
すると、木の枝から首を吊っている男の子が、大本を見つめていた。
見えない力に、大本の意識はどんどんと遠ざかっていった。
大本は次の日、例の木で首を吊っている状態で発見された。
畑中の一件は、クラス内でもともと孤立していたことを苦にしての自殺だと片付けら、それ以上調べられることはありませんでした。
「元木さん、ありがとうございました。今のお話、新聞に載せても、大丈夫ですよね」
「はい、もちろんです~」
「では、時間も遅くなってしまいましたので、今日はここでお開きにしたいと思います」
「そう?僕がもっと話してあげようかと思ったんだけど」
「おいおい細田君、坂上君がこれでいいって言ってるんだし、何も問題はないじゃないか。それともどうしてもトイレの話をもっとしたいというのであれば、それは坂上君と二人で気のすむまで語り給え」と風間が言った。
「坂上君、ぼ、僕でよかったら・・・」
「いえ、結構です」
「じゃあな」と新堂が挨拶も早々に帰って行ってしまい、それをきっかけに皆口々に別れの挨拶を言うと、部室を後にしていった。
最後に残った坂上が、部室の電気を消し、廊下に出ると、辺りはすっかり夜の闇の中に沈んでいた。
下校途中、坂上はいつも目にしていた大きな樹に立ち寄った。元木の話に登場したのは、たぶんこの木だ。
深い洞の中に恐る恐る手を差し入れると、指先に何かが触れ、それと同時に、背後から誰かがささやく声が聞こえてきた。
「ワタシト、コウカンニッキ、シナイ?」
慌てて洞から手を出そうとした坂上だったが、意思に反して洞の中の物をつかみだしてしまっていた。それは古びたノートで、表紙には交換日記と書かれている・・・
坂上は必死にそのノートから離れようとしたが、手は何かに操られたかのように、ノートのページをめくり始めた。そこには、神経質そうな女の子に字で
『私と交換日記しない?』
と、書かれていた。
すると、また同じ声が聞こえてきた。
「ネェ。コウカンニッキ、シマショウ」
その時、坂上の方を叩くものがいた。振り返ると、元木が立っていた。
「良かったです。まだ生きてます~。
おばあちゃんの言ったとおりです。坂上君は怖がりなのに、そういうものに近づいてしまう。そういう相の持ち主なんですよ。これからは私がお傍でしっかり見張っておりますから」
そう言って、地面に落ちたノートを鞄にしまった。
「これは私が責任を持って祓っておきますから。鳴神学園には恐ろしいものがたくさんおりますゆえ、好奇心から首を突っ込むのはやめてくださいね。
それこそ、命がいくつあっても足りませんから~」
「元木さん、どうして僕を助けてくれるの?」
「それは坂上君が私の旦那様・・・きゃっ、言っちゃった。今の事は聞かなかったことにしてくださいね~」
エンディング№456:首括りの樹の下で
エンディング数 80/657 達成度12%
キャラクター図鑑 57/122 達成度46%
イラストギャラリー 52/283 達成度18%

今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
1週目クリア
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る
2週目開始!
倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)
4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№58~61・63(62は後で見る予定)
語り部6人の話が終わったが、7人目はまだ姿を見せない。
「全員の話が終わったぜ。どうするんだ?」
新堂に促された。どうしよう。
- もうしばらく待ちましょう
- 荒井さんの意見を聞きたい
- 帰りましょう
最後に話をしてくれた荒井の意見を聞いてみよう。
「あのう、荒井さん、何か意見はありますか?」
「意見?僕にこの状況でどんな意見を言えというのですか?」
お開きにした方がいいな、と坂上が思って、立ち上がろうとした時だった。
「こんにちは」
突然ドアが開き、まだ幼い印象の残る女の子が立っていた。元木早苗だった。
「あっれ~、早苗ちゃんじゃない!」と福沢が驚いて声を上げた。
「あ、玲子ちゃん、こんにちは~。他の皆さんも初めましてです~。どうぞ、よしなに~」
「あ、もしかして7人目って、早苗ちゃんのことだったの?」
「えっと、私は・・・」
- 黙って聞いている
- 7人目なんですよね?
- 7人目ではないですよね?
「7人目というわけじゃないんだけど。おばあちゃんが、行きなさいって言うので~」
(七不思議の集会のことは、僕と、新聞部との人たちと、日野先輩に声をかけられた7人の人以外は知らないはずなのに)と坂上が思っていると、福沢が、
「気にしないでね。早苗ちゃんは時々、ヘンなことを言い出すことがあるから。でも。とってもいい子だよ」とフォローする。
ずっと居眠りをしていた風間がいつの間にか目を覚まして、
「そうとも、こんん可愛い女の子が、悪い子であるわけがないさ。早く入っておいで。なんだったらボクの膝の上に座ってもいいんだよ」と声を掛けた。
「それでは、おじゃまします~」
遠慮がちに入室してきた元木を、坂上は空いている席に案内した。
「皆さん、改めまして、よろしくお願いします~。私、1年の元木早苗といいます。玲子ちゃんのクラスメイトです~」
「元木さん、日野先輩にここを教えてもらったわけじゃないんだよね?」
「はい。あ。ところで、あなたが坂上修一君?」
「そうだけど」
(どうして、この子は僕の名前を知っているのだろう)
元木は可愛らしく微笑むと、不思議なことを口走った。
「そう、良かった。まだ生きてるので~」
「え・・・」
「おばあちゃんがね、ここで坂上君が困っているだろうから、助けに行ってあげなさいって言ってたの」
「は?」
福沢が必死にフォローするかのように、目の前で手をひらひらとさせて、その場の空気を変えようとした。
「あ~細かいことは聞かなかったことにして!運が良ければ、その目で超常現象を確認できると思うから。
それよりさ、怖い話をさせるんだったら、早苗ちゃんはピッタリだと思うよ。7人目はいつまで待っても来ないみたいだし。
ね、早苗ちゃんもいい?」
「はい~、私でよろしければ」
「さっさと話してもらって、お開きにしようぜ」と新堂が口を開いた。
「では、元木さん、よろしくお願いします」と坂上は言った。
これはまだ携帯が一般的になる前の時代の話。
この学校のあるクラスで、交換日記が流行った。
はじめは数人の女の子のグループが始めたのだが、その様子があまりにも楽しそうなので、あっという間に、他のクラスメイトにも広まった。
みんなそれぞれ、仲良しのグループに分かれて、好きな人の名を書き合ったり、自分がおすすめしたいものなんかを書いたり、先生の悪口で盛り上がったりしていた。
その流行の陰で交換日記のグループに入り損ねた女の子がいた。名前は、大本真美。
彼女はあまり人付き合いがうまい方ではなく、人の輪に入ることが苦手で、誘われても断ってしまうような自ら壁を作ってしまうような人だった。
それに、学校は勉強をしに来るところだからという生真面目な一面が強くて、勉強そっちのけで学園生活を楽しんでいるクラスメイトたちを毛嫌いしている部分もありました。
別に孤立するほどの嫌われ者ではないが、付き合い下手な彼女には、交換日記で互いの秘密を見せ合いっこするほど心を許してくれるような友達もいなかった。
休み時間にきゃあきゃあと交換日記の話題で騒いでいる子たちを横目で眺めながら、大本は胸の中に湧き上がる敗北感と孤独を、必死に押し隠していた。
表面上は『そんなものにうつつを抜かすより先に、学生としてやらなければならないことがあるんじゃないの?』と涼しい顔をしていたが、内面では、交換日記に激しい憧れを抱いていた。
そんなある日のこと。
大本がいつものように家路を歩いていると、塀の向こうの見慣れた木の洞に、何かがねじ込まれているのが見えた。
どうやら、それは丸められたノートのようだった。
大本は木の洞に手を伸ばして、そのノートを引き抜くと、風雨に晒されたように古びていたが、表紙には交換日記と書かれていた。
彼女はボロボロのノートを開いたが、前半部分は、長い間放置されているうちに水が染みこんだせいか、紙が癒着していた。
そこで比較的損傷の少ない後ろの方のページを選んでめくると、こんなことが書かれていた。
『僕と交換日記をしませんか?』
開いたページの左上に、ぽつんとそれだけが書いてあり、そこから後は何も記されてはなかった。
大本は誰のものかわからないそのノートを、こっそり持ち帰った。
『僕と交換日記をしませんか?』
それは、几帳面そうな性格がうかがえる、読みやすい字だった。
大本は、字の綺麗な少年と交換日記をしているんだ、という少しロマンチックな想像をしてその書き込みの下に続けて書いた。
『あなたは誰?うちの学校の生徒なの?いつから交換日記の相手を待ち続けているの?』
そして、翌日の朝、登校するついでに、同じ木の洞へノートを押し込んだ。
しかし、数日たっても、ノートに何の変化のないことに落胆しているうちに、大本は、一度希望を持って裏切られた分、さらに暗い感情は強まって行った。
次の週のある日、大本はいつものようにあの木の側を通りかかった。
気のせいか、いつもとは少し違う形でノートが突っ込まれていたので、大本は、急いでノートを抜き取り、その場で開いた。
すると、大本の書き込みの下に、例の几帳面そうな文字で返答が書かれていた。
『こんにちは。書き込みありがとうございます。僕は他校の生徒です。この学校に通う人と、ずっと交換日記をしていました。でも、ある日突然、相手から返事がこなくなったんです。
僕は相手の名前しか知らなかったから、何があったのか調べる手段もなくて、つい、新しい交換日記の相手を募るようなことを書いてしまったんです。
それが2年前のことです。まさか、今になって書き込んでくれる人が現れるとは、思ってもみなせんでした。よろしければ、本当に僕と交換日記をしていただけないでしょうか?』
大本は家に持って帰ると、ペンを執った。
『いいわよ。私は大本真美。まずはあなたのことを知りたいわ。あなたはどこの高校に通っているの?
2年前にいつの生徒と交換日記をしていたということは、今は3年生ぐらいかしら?以前の交換日記の相手とも、こうして顔も知らない状態でやりとりしていたの?
突然音信不通だなんて、可愛そうね。私、その人について調べてあげましょうか?』
大本は次の日の朝、木の洞の中にノートを戻した。
そして、数日後、ようやく待ち望んでいた変化があった。
『お返事ありがとうございます。よろしくお願いします。前の交換日記の相手とも、やはりこんな風に偶然やりとりがはじまったんです。
2年前の突然の音信不通にショックを受けましたが、こうして新しいご縁が見つかったので、すっかり未練も晴れました。調査の件は、気持ちだけいただいておきます。
それよりも、僕はもっと大本さんのことが知りたいです。差支えのない範囲で、いろいろと書いていただければ嬉しいです。僕は、桂雅彦といいます』
彼は必要以上に自分のことを書いていませんでしたが、この落ち着いた文体と丁寧な口調は、大本の胸をときめかせた。
(こんな素敵な文章が書ける人なんですもの、きっと頭が良くて知的な感じの文学青年ね)
彼女の中で、勝手に妄想が膨らんだ。
まるで彼女は、桂さんのことを不遇な自分を助け出すために現れた、白馬の王子様であるかのように感じた。
桂の日記は、こんな一文で締めくくられていた。
『一つお願いがあります。このノートの前半部分は読まないでいただきたいのです。前の相手とのやりとりが残っていて、読むことも読まれることも心苦しいのです。どうかお願いします』
大本はあくまでも強気な返事を書いた。
『わかったわ。私は余計な詮索は嫌いだし、読もうにも、すっかりページがくっついちゃってるから、読めないの。安心してね』
そして、彼のリクエストに応えて、自分のことを書き始めた。
自分が2年生であること、進路の希望はある程度固まっていて、それに向けて努力をしていること・・・そんな、相手に都合よく見えることだけを書いた。
最後に、クラスで交換日記が流行っていることを記し、ついでに小耳に挟んだルールを書いた。
当時彼女のクラスで流行っていた交換日記にはあるルールがった。それは他人の日記の文章に、赤いペンと青いペンで下線を引くことで、読み手の意思を伝えるというものだった。
他人の日記の文章全体に赤いペンで線を引くと、同意、好意、喜びなどの前向きな感情を表し、文章の一部に青いペンで線を引くと、否定、反感、悲しみなど、後ろ向きなニュアンスを現した。
そして、そこから余白に矢印を引っ張って、コメントを書き込む。
大本は、クラスの女の子たちが、そんな秘密めいたやり取りをしているのを盗み見て、交換日記をするときには、そのルールを試してみたいなって思っていた。
『結構便利システムなのよ。せっかくだから、あなたも私の分に線を引いてみてね。じゃあ、末永くよろしくね』
いつものように木の洞にノートを入れて数日後、大本の書き込みのあちこちには、赤い線がいっぱい引かれて、コメントが添えられていた。
ノートの前半は見ないという約束や、大本さんの進路や努力に対しての部分、ルールを採用したいという意見や、『末永くよろしくね』の箇所にも、賛同の赤線が引かれていた。
そして、心待ちにしていた桂からの返信に目を通した。
『こんにちは、桂です。僕のお願いを聞いてくれてありがとう。君は2年生のうちから将来を見据えていて、えらいと思うな。
僕はその時に努力しなかったことを、遅まきながら悔やんでいます。赤い線と青い線のルール?面白いものがあるんだね。僕もさっそくやってみました。
交換日記なのに、話し合っている感じがして、けっこう楽しいね。こちらこそよろしく』
桂の新しい書き込みに対しても、彼女は賛同や喜びの赤線を、どんどん引いて行った。
しかし、桂の書いたこんな一文が、大本の手を止めた。
『大本さんのクラスでは交換日記が流行っているそうだけど、今、誰かと交換日記をしているの?』
大本は、いつか桂と直接会うことがあった時、嘘つきだと思われたくなかったので、みじめさを押し殺して真実を記した。
『交換日記は、あなた以外の誰ともしてないわ。誰にも誘われなかったからなの。
学生は勉強をしに学校へ通うべきだと思ってるし、将来を見据えて、今から努力を積み重ねていくべきだと考えているの。
だから、そういう人間を軽蔑し、避けている。それに私は、あまり人付き合いがうまい方じゃないの。
やっぱり、心のどこかでそういう連中を見下しているのかもしれない。でも、こういう意見は煙たいんでしょうね。あなたにも嫌われてしまうかもしれない。
でも、あなたの顔が見えないから、こんなことも素直に書けてしまう。私がバカなんだわ。こんなこと書いても、ネガティブだし嫌われるだけだよね』
そこには、寂しさ、誇り、反省、後悔・・・クラスメイトの前では出すことのない、大本の本当の気持ちがつづられていた。
あんなことを書いてしまっては、もう返事は来ないかもれいない。
そんな心配をよそに、桂から帰って来たノートにや、いたるところに赤線が引いたあったが、『私がバカなんだわ』という一文には青線が引かれ、『そんなことない!』というコメントがついていた。
『大本さんはしっかりした魅力的は人だと思う。学生の本文について、将来を見据えた勉強の必要性について、きちんと理解している高校生は珍しいよ。
たしかに、考え方が正しければ高圧的な態度に出ていい、ということはないけれど、でも僕はこう思う。あの時、僕の側に君のような人がいてくれたなら・・・
僕の不真面目で怠惰な生活に警鐘を鳴らしてくれる人がいたなら、僕はもっと早く目を覚まして、進路について考えていただろう。
誰もが切羽詰まってから、きっと君の正しさを理解し、尊敬し、ありがたく思うはずだよ。
なによりも、自分の態度を反省しているのが偉いね。自分のことを客観的に見て反省することは、難しい。
君は自分が孤独だと思っているようだけど、その誠実さは、クラスの誰かには伝わっていると、僕は思うよ』
大本は、感動のあまり涙を流した。そしてノートに向かって、何度も、ありがとう、と呟いた。
桂に認められたことで、大本は失いかけた自信を取り戻すことができた。
(そうよ、やっぱり私は正しいんだわ。受験に備えることの大切さを理解しているのは、私だけなんだから、私は別にそんな人たちを群れる必要はない。
一人でも大丈夫。いつか私のことを理解してくれる人たちに囲まれて生きる日がやって来るはず)
次の日から、大本は、一人でいることに寂しさを感じることはなくなった。
だから、二人の交換日記は順調に続いた。
むしろ、学校でため込んでいる孤独や反発を慰めてくれる桂の言葉は、大本にとって、なくてはならないものになっていった。
それに自分の発言が、自信を失いがちな桂の支えになっていることを確信し、彼から頼られる喜びすら感じていた。
桂が大本に好意を持っていることは密かに感じていたが、それ以上の進展は全くなかった。
実は大本は同じクラスの畑中亨が好きだった。
畑中は、クラスで孤立している大本に話しかけてくれる数少ない人だった。
畑中は、宿題を忘れた、と言ってノートを借りに来て、
「頭がいいだけじゃなくて、マジメだし、努力家だよな」なんて、声を掛けてくれていたので、大本は密かに、畑中は自分のことが好きなんじゃないか、と思っていた。
そんなわけで、大本は桂をキープしつつ、畑中からの求愛を待っていた。
ところがある日、畑中がある女の子に告白し、相手もそれを受け入れたのだ。
その一部始終は、休み時間の教室で、クラスメイトたちの前で堂々と行われて、当然大本を目撃していた。もともと畑中は、ボクシング部で強くてかっこよくて、クラスの人気者だったから。
その日の放課後、忘れ物を取りに大本が教室に戻った時、帰らずに残っていた女の子たちが、大本についてウワサしているのを聞いてしまった。
「大本さんさ、畑中が告白したとき、すごい顔してたよね」
「あの人、鬼みたいな顔してたよ」
「へー、やっぱり大本さん、畑中のことが好きだったんだ」
「でもさ、畑中ってずっとアユミちゃん狙いじゃん。見ててもわかんないのかな?」
「畑中がよくノートを借りにいったから・・・」
「あー、誤解しちゃったのね。自分のことが好きなんだって」
「なんかかわいそー。畑中、影ではかなり大本の悪口言ってたのにさ」
「そうそう、『大本にはノート書く以外の取柄はない』なんてきっぱり言っちゃってね~」
「畑中も卑怯だよね。ノート借りるときは調子いいくせに。まあ、大本さんの態度もさ、調子乗ってるというか」
「学級委員でもないのにいつも偉そうにしているし、ムカつくのもわかるかなって」
「いい気味かもね」
「きゃははは」
大本は気づかれないよう、その場を去り、走って走って交換日記の隠し場所のある木ののころまで来たが、汗と涙で顔がグチャグチャになっていた。
大本はノートを取り出し、その場で書き込むと、またすぐ元に戻した。
『今日学校でひどいことがあった。もう明日から学校行けない。死にたいよ。助けて』
翌日大本は学校を休んだ。頭まで布団をかぶって、泣きながら一日を過ごしたが、夕方になって、あの日記の返事が気になって仕方がなくなくなり、あの木の下へ向かった。
ノートを開くと、まったく予想をしていなかったことが書かれていた。
『じゃあ、会おうか。
君が本当に僕の助けを必要としているのなら、会おう。夜中の2時にこの木の下に来て欲しい。僕は君と会えるまで、毎日待っているから』
夜の2時なると、大本はこっそり家を抜け出し、いつもの木の元に向かったが、途中で、桂と会えなかったらどうしよう、という考えた頭をよぎった。
なんらかの事情で、桂がこちらに向かえないこともあるでしょうし、もし会えなかったら、待ち合わせ場所に来たということと、彼への感謝の気持ちを日記に書き残しておいたほうがいいだろう、と大木は考えた。
手ぶらだった彼女は、文房具を取りに家に戻ったと思いますか?
- 戻った
- 戻らなかった
木の下には誰もいなかったので、大本はその場で桂を待つことにした。
ところが、決められた時間を過ぎても、桂は現れない。
時間を持て余した大本は、ノートを開いた。すると、昼間の書き込みに新しい文章が付け加えられていた。
『君が本当に僕の助けを必要としているのなら、会おう。夜中の2時にこの木の下に来て欲しい。
僕には君を連れて行くことしかできない。
僕が手伝ってあげるから、気を楽にして』
大本がなんとなく嫌な予感を覚えながら首をかしげた寸簡、大本の喉に何かが食い込んできた。
何者かに襲われて、背後から紐で絞められている!大本はそう思い、慌てて喉に手を当てたが、そこには何もなかった。それなのに、喉の肉が何かが食い込んでいるかのように凹んでいる。
大本はパニックに陥りつつ、息苦しさから逃れるため、顔を上に向けた。
すると、木の枝から首を吊っている男の子が、大本を見つめていた。
見えない力に、大本の意識はどんどんと遠ざかっていった。
(このままじゃ、いや!いやよ!)
大本はもだえ苦しみながら、鞄の中から筆記具を取り出し、『君が本当に僕の助けを必要としているのなら』の部分に青線を引くと、首の締め付けが少しだけ楽になった。
『僕には君を連れて行くことしかできない、僕が手伝ってあげるから』
大本は、桂からの返事に否定の意味の青い線を引いた。
『死にたいよ。助けて』という発作的に書き込んでしまった自分の後ろ向きな言葉も青いペンで否定した。気が付くと喉を締め付ける圧力は完全に失われており、木の上を見上げても、そこにはもう何もなかった。
大本は恐怖にもつれる足を引きずりながら、自分の部屋に駆け込み、布団が被って震えていたが、なぜかあの交換日記を持っていた。
朝が来ても、自分が助かったことに確信が持てず、大本は机の上に投げ出したままにしておいたノートから逃げるようににして、学校に行った。
もちろん、通学する時も、あの木の近くを通る気にはなれないので、普段は通らない回り道を選んだ。
畑中の件に関する決まりの悪さも、女の子たちの嘲りも、昨夜の恐ろしい出来事に比べたら大したことではなかった。
重い足取りで家に帰って、自分の部屋に入った大本は、机の上にノートを見て声にならない悲鳴をあげた。閉じたまま置いていたはずなのに、勝手にページが開いていたのだ。
『どうしても、こちらに来るのはいやなのかい?』
そこには、新たな書き込みがあり、大本はちゃんと返事をしなければならないと思った。
(私が中途半端な気持ちで死にたいなんて書いたからいけなかったのよ。ちゃんと書いて、わかってもらわなきゃ)
『ごめんなさい。どうしてもそっちには行きたくない。私は死にたくない。あなたの気持ちは嬉しいけど、私はまだ生きていたいのよ。こっちにいたいの。
あなたのことは、きちんと供養させてもらいます。今までありがとう』
その夜、不意にある疑問が大本の脳裏をよぎった。それはノートの前半部分には何が書かれていたのだろうか、ということだった。
ノートを手にとってみると、紙と紙とがくっついてはいますが、へりの部分から剥がれてきていて、うまくやれば閉ざされていたページを読むことができそうだった。
加湿器のスチームを当ててみたり、定規をすべりこませてみたり、慎重に長い時間をかけて作業を行い、ようやくページを開くことに成功した。
一番最初のページには、こう書かれていた。
『私と交換日記しませんか?』
それは見慣れた桂の文字とは違うものだった。最初に交換日記をしようと誘ったのは、相手の方だった。
その次は桂の書き込みがあり、桂と大本の時と同じようなやりとりで日記は進んでいった。
日記の文章から察すると、桂の最初の交換日記の相手は女の子だった。
大本たちと同じように、お互いに自分の愚痴を書いたり、それを励まし合ったり慰めあったりして、信頼や結束を強くしていったようです。
そして、恋心を育んでいく過程がひしひしと伝わって来た。
ある日、受験勉強に苦しんでいた桂が、深刻な書き込みをしていた。
準備を怠った後悔、勉強しても成績が上がらない苦しみ、模試の結果、ライバルたちの成長ぶり、両親の期待・・・そこには桂の苦悩が書き連ねられていた。
『いっそのこと死んでしまいたい』
日記はそう結ばれており、それに対する彼女の返信は、
『会おうか。今夜2時、例の木の下で待ってるよ』
そう、桂と自分のやりとりとまったく同じだった。
そのページを最後に、しばらく空白が続き、そして再開された書き込みは、大本が最初に目にした『僕と交換日記をしませんか?』という桂の誘いだった。
「約束を破ったね」
耳元で、背筋が凍りつくような冷たい男の声がした。
大本は、それは桂の声なのだと思った。そして、恐怖で硬直した大本の前で、ノートのページが勝手にめくられていった。
ページは、大本の最後の書き込みのところで止まり、途切れ途切れの赤線が引かれていった。
ごめんなさい。『どうしてもそっちに』は『行きた』くな『い』。『私は死にた』くな『い』。
『こ』っちにいたいの。あなたのことは供養し『ろ』というならどこかに頼む『し』、任せて『ちょうだい』。今まで『ありがとう』
どうしてもそっちに行きたい。私は死にたい。ころしてちょうだい。ありがとう。
大本は次の日、例の木で首を吊っている状態で発見された。
畑中の一件は、クラス内でもともと孤立していたことを苦にしての自殺だと片付けら、それ以上調べられることはありませんでした。
「その交換日記や、次々と人が首を吊る木なんですけど、実は、この学校の裏地にまだあるんですよ。皆さんも気を付けてくださいね」
もし木の洞にノートを見つけても決して触れないでください。
あ、実は私、うっかり触ってしまって、危ない目にあったことがあるんです。
例によって前半部分はくっついていて読めず、かろうじて読める最初のページには、
『私と交換日記をしない?』
と書いてありました。後になって思えば、あれは大本さんの筆跡だったのでしょうね。その瞬間、私の全身は金縛りにあって、動けなくなったんです。
それもで少しだけ体の自由が利くようになっていたので、鞄の中なら青いペンを取り出して、ノートの表紙に線を引いたんです。
『学校に伝えられている、交換日記のルールを思い出しなさい』っておばあちゃんが教えてくれたら、私は力を振り絞って、交換日記という文字の交換の下に青い線を引きました。すると、ふっと呪縛が解けたんです。
交換を否定したことで、交換日記を続けさせる呪いの効力は減ったようですが、それでもやっぱりたくさんの人の怨念が詰まった危険なものですから・・・
皆さん、くれぐれも気を付けてくださいね。
後味が悪いのか、皆一様に下を向き、黙り込んでいる。
「元木さん、ありがとうございました。今のお話、新聞に載せても、大丈夫ですよね」
「はい、もちろんです。おばあちゃんは、そのために行けって言っていたんですもの」
「ところで、ひとつ気になることがあるのですが」と荒井が沈黙を破って口を開いた。
「僕の元木早苗さんの噂は聞いたことがあります。この鳴神学園に大変能力の高い霊能者が入学してきた、と。
できれば、一度その能力を後学のためにも一度拝見させていただきたいのですが」
- 僕も見たいです→エンディング№453:早苗ちゃんの娘婿
- 見せないでください
「ちょっとタンマ!早苗ちゃん、こっち来て」
元木は部室の隅に福沢に連れていかれてしまった。
「皆さん、本日はお集りいただきまして、ありがとうございました」
「おや、七不思議の方はもういいのかい?」と細田が聞いてきた。
「はい、七不思議が集まりましたから、皆さんはお帰りいただいて大丈夫です」
「そう?僕がもっと話してあげようかと思ったんだけど」
「おい、坂上がいいって言ってんだから、いいだろうが。それにどうせ、お前の話はまたトイレだろ?」
「ひどいですよ、新堂さん。僕は親友の坂上君のために、一肌脱いであげようかと・・・」
「もう帰ろうぜ」
「そうね、私はお先に失礼するわ」と岩下がさっさと一人で帰ってしまうと、それをきっかけに皆口々に別れの挨拶を言うと、部室を後にしていった。
部室に残ったのは坂上ただ一人。
「交換日記か・・・」
実は、あの交換日記は坂上の鞄の中にあるのだ。
坂上は鞄を拓いて、中から古ぼけたノートを取り出した。
(まさか、僕がこのノートを持っているのを知って、わざと交換日記の話をしたんじゃないだろうか?
あの樹でたくさんの人が首を吊ったなんてウワサ、聞いたことがない。
それにあれは、大事な樹なんだから。いずれ、僕のものになる。絶対に誰にも邪魔させはしない。ひひひ)
「やっぱり坂上君が持っていたんですね~」
突然ドアが開き、元木が姿を見せた。そして、坂上に近づき、さっとノートを奪ってしまった。
「このノートは私がお預かりしておきます。きちんと除霊しなければなりませんので~」
「僕のノート・・・」
「坂上君って、そんなに交換日記をしたいんですか?もしよかったら私としませんか」
エンディング№454:交換日記の怖い話
エンディング数 79/657 達成度12%
キャラクター図鑑 57/122 達成度46%
イラストギャラリー 52/283 達成度18%

今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
1週目クリア
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る
2週目開始!
倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)
4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№58~61・63(62は後で見る予定)
語り部6人の話が終わったが、7人目はまだ姿を見せない。
「全員の話が終わったぜ。どうするんだ?」
新堂に促された。どうしよう。
- もうしばらく待ちましょう
- 荒井さんの意見を聞きたい
- 帰りましょう
最後に話をしてくれた荒井の意見を聞いてみよう。
「あのう、荒井さん、何か意見はありますか?」
「意見?僕にこの状況でどんな意見を言えというのですか?」
お開きにした方がいいな、と坂上が思って、立ち上がろうとした時だった。
「こんにちは」
突然ドアが開き、まだ幼い印象の残る女の子が立っていた。元木早苗だった。
「あっれ~、早苗ちゃんじゃない!」と福沢が驚いて声を上げた。
「あ、玲子ちゃん、こんにちは~。他の皆さんも初めましてです~。どうぞ、よしなに~」
「あ、もしかして7人目って、早苗ちゃんのことだったの?」
「えっと、私は・・・」
- 黙って聞いている
- 7人目なんですよね?
- 7人目ではないですよね?
「7人目というわけじゃないんだけど。おばあちゃんが、行きなさいって言うので~」
(七不思議の集会のことは、僕と、新聞部との人たちと、日野先輩に声をかけられた7人の人以外は知らないはずなのに)と坂上が思っていると、福沢が、
「気にしないでね。早苗ちゃんは時々、ヘンなことを言い出すことがあるから。でも。とってもいい子だよ」とフォローする。
ずっと居眠りをしていた風間がいつの間にか目を覚まして、
「そうとも、こんん可愛い女の子が、悪い子であるわけがないさ。早く入っておいで。なんだったらボクの膝の上に座ってもいいんだよ」と声を掛けた。
「それでは、おじゃまします~」
遠慮がちに入室してきた元木を、坂上は空いている席に案内した。
「皆さん、改めまして、よろしくお願いします~。私、1年の元木早苗といいます。玲子ちゃんのクラスメイトです~」
「元木さん、日野先輩にここを教えてもらったわけじゃないんだよね?」
「はい。あ。ところで、あなたが坂上修一君?」
「そうだけど」
(どうして、この子は僕の名前を知っているのだろう)
元木は可愛らしく微笑むと、不思議なことを口走った。
「そう、良かった。まだ生きてるので~」
「え・・・」
「おばあちゃんがね、ここで坂上君が困っているだろうから、助けに行ってあげなさいって言ってたの」
「は?」
福沢が必死にフォローするかのように、目の前で手をひらひらとさせて、その場の空気を変えようとした。
「あ~細かいことは聞かなかったことにして!運が良ければ、その目で超常現象を確認できると思うから。
それよりさ、怖い話をさせるんだったら、早苗ちゃんはピッタリだと思うよ。7人目はいつまで待っても来ないみたいだし。
ね、早苗ちゃんもいい?」
「はい~、私でよろしければ」
「さっさと話してもらって、お開きにしようぜ」と新堂が口を開いた。
「では、元木さん、よろしくお願いします」と坂上は言った。
これはまだ携帯が一般的になる前の時代の話。
この学校のあるクラスで、交換日記が流行った。
はじめは数人の女の子のグループが始めたのだが、その様子があまりにも楽しそうなので、あっという間に、他のクラスメイトにも広まった。
みんなそれぞれ、仲良しのグループに分かれて、好きな人の名を書き合ったり、自分がおすすめしたいものなんかを書いたり、先生の悪口で盛り上がったりしていた。
その流行の陰で交換日記のグループに入り損ねた女の子がいた。名前は、大本真美。
彼女はあまり人付き合いがうまい方ではなく、人の輪に入ることが苦手で、誘われても断ってしまうような自ら壁を作ってしまうような人だった。
それに、学校は勉強をしに来るところだからという生真面目な一面が強くて、勉強そっちのけで学園生活を楽しんでいるクラスメイトたちを毛嫌いしている部分もありました。
別に孤立するほどの嫌われ者ではないが、付き合い下手な彼女には、交換日記で互いの秘密を見せ合いっこするほど心を許してくれるような友達もいなかった。
休み時間にきゃあきゃあと交換日記の話題で騒いでいる子たちを横目で眺めながら、大本は胸の中に湧き上がる敗北感と孤独を、必死に押し隠していた。
表面上は『そんなものにうつつを抜かすより先に、学生としてやらなければならないことがあるんじゃないの?』と涼しい顔をしていたが、内面では、交換日記に激しい憧れを抱いていた。
そんなある日のこと。
大本がいつものように家路を歩いていると、塀の向こうの見慣れた木の洞に、何かがねじ込まれているのが見えた。
どうやら、それは丸められたノートのようだった。
大本は木の洞に手を伸ばして、そのノートを引き抜くと、風雨に晒されたように古びていたが、表紙には交換日記と書かれていた。
彼女はボロボロのノートを開いたが、前半部分は、長い間放置されているうちに水が染みこんだせいか、紙が癒着していた。
そこで比較的損傷の少ない後ろの方のページを選んでめくると、こんなことが書かれていた。
『僕と交換日記をしませんか?』
開いたページの左上に、ぽつんとそれだけが書いてあり、そこから後は何も記されてはなかった。
大本は誰のものかわからないそのノートを、こっそり持ち帰った。
『僕と交換日記をしませんか?』
それは、几帳面そうな性格がうかがえる、読みやすい字だった。
大本は、字の綺麗な少年と交換日記をしているんだ、という少しロマンチックな想像をしてその書き込みの下に続けて書いた。
『あなたは誰?うちの学校の生徒なの?いつから交換日記の相手を待ち続けているの?』
そして、翌日の朝、登校するついでに、同じ木の洞へノートを押し込んだ。
しかし、数日たっても、ノートに何の変化のないことに落胆しているうちに、大本は、一度希望を持って裏切られた分、さらに暗い感情は強まって行った。
次の週のある日、大本はいつものようにあの木の側を通りかかった。
気のせいか、いつもとは少し違う形でノートが突っ込まれていたので、大本は、急いでノートを抜き取り、その場で開いた。
すると、大本の書き込みの下に、例の几帳面そうな文字で返答が書かれていた。
『こんにちは。書き込みありがとうございます。僕は他校の生徒です。この学校に通う人と、ずっと交換日記をしていました。でも、ある日突然、相手から返事がこなくなったんです。
僕は相手の名前しか知らなかったから、何があったのか調べる手段もなくて、つい、新しい交換日記の相手を募るようなことを書いてしまったんです。
それが2年前のことです。まさか、今になって書き込んでくれる人が現れるとは、思ってもみなせんでした。よろしければ、本当に僕と交換日記をしていただけないでしょうか?』
大本は家に持って帰ると、ペンを執った。
『いいわよ。私は大本真美。まずはあなたのことを知りたいわ。あなたはどこの高校に通っているの?
2年前にいつの生徒と交換日記をしていたということは、今は3年生ぐらいかしら?以前の交換日記の相手とも、こうして顔も知らない状態でやりとりしていたの?
突然音信不通だなんて、可愛そうね。私、その人について調べてあげましょうか?』
大本は次の日の朝、木の洞の中にノートを戻した。
そして、数日後、ようやく待ち望んでいた変化があった。
『お返事ありがとうございます。よろしくお願いします。前の交換日記の相手とも、やはりこんな風に偶然やりとりがはじまったんです。
2年前の突然の音信不通にショックを受けましたが、こうして新しいご縁が見つかったので、すっかり未練も晴れました。調査の件は、気持ちだけいただいておきます。
それよりも、僕はもっと大本さんのことが知りたいです。差支えのない範囲で、いろいろと書いていただければ嬉しいです。僕は、桂雅彦といいます』
彼は必要以上に自分のことを書いていませんでしたが、この落ち着いた文体と丁寧な口調は、大本の胸をときめかせた。
(こんな素敵な文章が書ける人なんですもの、きっと頭が良くて知的な感じの文学青年ね)
彼女の中で、勝手に妄想が膨らんだ。
まるで彼女は、桂さんのことを不遇な自分を助け出すために現れた、白馬の王子様であるかのように感じた。
桂の日記は、こんな一文で締めくくられていた。
『一つお願いがあります。このノートの前半部分は読まないでいただきたいのです。前の相手とのやりとりが残っていて、読むことも読まれることも心苦しいのです。どうかお願いします』
大本はあくまでも強気な返事を書いた。
『わかったわ。私は余計な詮索は嫌いだし、読もうにも、すっかりページがくっついちゃってるから、読めないの。安心してね』
そして、彼のリクエストに応えて、自分のことを書き始めた。
自分が2年生であること、進路の希望はある程度固まっていて、それに向けて努力をしていること・・・そんな、相手に都合よく見えることだけを書いた。
最後に、クラスで交換日記が流行っていることを記し、ついでに小耳に挟んだルールを書いた。
当時彼女のクラスで流行っていた交換日記にはあるルールがった。それは他人の日記の文章に、赤いペンと青いペンで下線を引くことで、読み手の意思を伝えるというものだった。
他人の日記の文章全体に赤いペンで線を引くと、同意、好意、喜びなどの前向きな感情を表し、文章の一部に青いペンで線を引くと、否定、反感、悲しみなど、後ろ向きなニュアンスを現した。
そして、そこから余白に矢印を引っ張って、コメントを書き込む。
大本は、クラスの女の子たちが、そんな秘密めいたやり取りをしているのを盗み見て、交換日記をするときには、そのルールを試してみたいなって思っていた。
『結構便利システムなのよ。せっかくだから、あなたも私の分に線を引いてみてね。じゃあ、末永くよろしくね』
いつものように木の洞にノートを入れて数日後、大本の書き込みのあちこちには、赤い線がいっぱい引かれて、コメントが添えられていた。
ノートの前半は見ないという約束や、大本さんの進路や努力に対しての部分、ルールを採用したいという意見や、『末永くよろしくね』の箇所にも、賛同の赤線が引かれていた。
そして、心待ちにしていた桂からの返信に目を通した。
『こんにちは、桂です。僕のお願いを聞いてくれてありがとう。君は2年生のうちから将来を見据えていて、えらいと思うな。
僕はその時に努力しなかったことを、遅まきながら悔やんでいます。赤い線と青い線のルール?面白いものがあるんだね。僕もさっそくやってみました。
交換日記なのに、話し合っている感じがして、けっこう楽しいね。こちらこそよろしく』
桂の新しい書き込みに対しても、彼女は賛同や喜びの赤線を、どんどん引いて行った。
しかし、桂の書いたこんな一文が、大本の手を止めた。
『大本さんのクラスでは交換日記が流行っているそうだけど、今、誰かと交換日記をしているの?』
大本は、いつか桂と直接会うことがあった時、嘘つきだと思われたくなかったので、みじめさを押し殺して真実を記した。
『交換日記は、あなた以外の誰ともしてないわ。誰にも誘われなかったからなの。
学生は勉強をしに学校へ通うべきだと思ってるし、将来を見据えて、今から努力を積み重ねていくべきだと考えているの。
だから、そういう人間を軽蔑し、避けている。それに私は、あまり人付き合いがうまい方じゃないの。
やっぱり、心のどこかでそういう連中を見下しているのかもしれない。でも、こういう意見は煙たいんでしょうね。あなたにも嫌われてしまうかもしれない。
でも、あなたの顔が見えないから、こんなことも素直に書けてしまう。私がバカなんだわ。こんなこと書いても、ネガティブだし嫌われるだけだよね』
そこには、寂しさ、誇り、反省、後悔・・・クラスメイトの前では出すことのない、大本の本当の気持ちがつづられていた。
あんなことを書いてしまっては、もう返事は来ないかもれいない。
そんな心配をよそに、桂から帰って来たノートにや、いたるところに赤線が引いたあったが、『私がバカなんだわ』という一文には青線が引かれ、『そんなことない!』というコメントがついていた。
『大本さんはしっかりした魅力的は人だと思う。学生の本文について、将来を見据えた勉強の必要性について、きちんと理解している高校生は珍しいよ。
たしかに、考え方が正しければ高圧的な態度に出ていい、ということはないけれど、でも僕はこう思う。あの時、僕の側に君のような人がいてくれたなら・・・
僕の不真面目で怠惰な生活に警鐘を鳴らしてくれる人がいたなら、僕はもっと早く目を覚まして、進路について考えていただろう。
誰もが切羽詰まってから、きっと君の正しさを理解し、尊敬し、ありがたく思うはずだよ。
なによりも、自分の態度を反省しているのが偉いね。自分のことを客観的に見て反省することは、難しい。
君は自分が孤独だと思っているようだけど、その誠実さは、クラスの誰かには伝わっていると、僕は思うよ』
大本は、感動のあまり涙を流した。そしてノートに向かって、何度も、ありがとう、と呟いた。
桂に認められたことで、大本は失いかけた自信を取り戻すことができた。
(そうよ、やっぱり私は正しいんだわ。受験に備えることの大切さを理解しているのは、私だけなんだから、私は別にそんな人たちを群れる必要はない。
一人でも大丈夫。いつか私のことを理解してくれる人たちに囲まれて生きる日がやって来るはず)
次の日から、大本は、一人でいることに寂しさを感じることはなくなった。
だから、二人の交換日記は順調に続いた。
むしろ、学校でため込んでいる孤独や反発を慰めてくれる桂の言葉は、大本にとって、なくてはならないものになっていった。
それに自分の発言が、自信を失いがちな桂の支えになっていることを確信し、彼から頼られる喜びすら感じていた。
桂が大本に好意を持っていることは密かに感じていたが、それ以上の進展は全くなかった。
実は大本は同じクラスの畑中亨が好きだった。
畑中は、クラスで孤立している大本に話しかけてくれる数少ない人だった。
畑中は、宿題を忘れた、と言ってノートを借りに来て、
「頭がいいだけじゃなくて、マジメだし、努力家だよな」なんて、声を掛けてくれていたので、大本は密かに、畑中は自分のことが好きなんじゃないか、と思っていた。
そんなわけで、大本は桂をキープしつつ、畑中からの求愛を待っていた。
ところがある日、畑中がある女の子に告白し、相手もそれを受け入れたのだ。
その一部始終は、休み時間の教室で、クラスメイトたちの前で堂々と行われて、当然大本を目撃していた。もともと畑中は、ボクシング部で強くてかっこよくて、クラスの人気者だったから。
その日の放課後、忘れ物を取りに大本が教室に戻った時、帰らずに残っていた女の子たちが、大本についてウワサしているのを聞いてしまった。
「大本さんさ、畑中が告白したとき、すごい顔してたよね」
「あの人、鬼みたいな顔してたよ」
「へー、やっぱり大本さん、畑中のことが好きだったんだ」
「でもさ、畑中ってずっとアユミちゃん狙いじゃん。見ててもわかんないのかな?」
「畑中がよくノートを借りにいったから・・・」
「あー、誤解しちゃったのね。自分のことが好きなんだって」
「なんかかわいそー。畑中、影ではかなり大本の悪口言ってたのにさ」
「そうそう、『大本にはノート書く以外の取柄はない』なんてきっぱり言っちゃってね~」
「畑中も卑怯だよね。ノート借りるときは調子いいくせに。まあ、大本さんの態度もさ、調子乗ってるというか」
「学級委員でもないのにいつも偉そうにしているし、ムカつくのもわかるかなって」
「いい気味かもね」
「きゃははは」
大本は気づかれないよう、その場を去り、走って走って交換日記の隠し場所のある木ののころまで来たが、汗と涙で顔がグチャグチャになっていた。
大本はノートを取り出し、その場で書き込むと、またすぐ元に戻した。
『今日学校でひどいことがあった。もう明日から学校行けない。死にたいよ。助けて』
翌日大本は学校を休んだ。頭まで布団をかぶって、泣きながら一日を過ごしたが、夕方になって、あの日記の返事が気になって仕方がなくなくなり、あの木の下へ向かった。
ノートを開くと、まったく予想をしていなかったことが書かれていた。
『じゃあ、会おうか。
君が本当に僕の助けを必要としているのなら、会おう。夜中の2時にこの木の下に来て欲しい。僕は君と会えるまで、毎日待っているから』
夜の2時なると、大本はこっそり家を抜け出し、いつもの木の元に向かったが、途中で、桂と会えなかったらどうしよう、という考えた頭をよぎった。
なんらかの事情で、桂がこちらに向かえないこともあるでしょうし、もし会えなかったら、待ち合わせ場所に来たということと、彼への感謝の気持ちを日記に書き残しておいたほうがいいだろう、と大木は考えた。
手ぶらだった彼女は、文房具を取りに家に戻ったと思いますか?
- 戻った
- 戻らなかった
木の下には誰もいなかったので、大本はその場で桂を待つことにした。
ところが、決められた時間を過ぎても、桂は現れない。
時間を持て余した大本は、ノートを開いた。すると、昼間の書き込みに新しい文章が付け加えられていた。
『君が本当に僕の助けを必要としているのなら、会おう。夜中の2時にこの木の下に来て欲しい。
僕には君を連れて行くことしかできない。
僕が手伝ってあげるから、気を楽にして』
大本がなんとなく嫌な予感を覚えながら首をかしげた寸簡、大本の喉に何かが食い込んできた。
何者かに襲われて、背後から紐で絞められている!大本はそう思い、慌てて喉に手を当てたが、そこには何もなかった。それなのに、喉の肉が何かが食い込んでいるかのように凹んでいる。
大本はパニックに陥りつつ、息苦しさから逃れるため、顔を上に向けた。
すると、木の枝から首を吊っている男の子が、大本を見つめていた。
見えない力に、大本の意識はどんどんと遠ざかっていった。
(このままじゃ、いや!いやよ!)
大本はもだえ苦しみながら、鞄の中から筆記具を取り出し、『君が本当に僕の助けを必要としているのなら』の部分に青線を引くと、首の締め付けが少しだけ楽になった。
『僕には君を連れて行くことしかできない、僕が手伝ってあげるから』
大本は、桂からの返事に否定の意味の青い線を引いた。
『死にたいよ。助けて』という発作的に書き込んでしまった自分の後ろ向きな言葉も青いペンで否定した。気が付くと喉を締め付ける圧力は完全に失われており、木の上を見上げても、そこにはもう何もなかった。
大本は恐怖にもつれる足を引きずりながら、自分の部屋に駆け込み、布団が被って震えていたが、なぜかあの交換日記を持っていた。
朝が来ても、自分が助かったことに確信が持てず、大本は机の上に投げ出したままにしておいたノートから逃げるようににして、学校に行った。
もちろん、通学する時も、あの木の近くを通る気にはなれないので、普段は通らない回り道を選んだ。
畑中の件に関する決まりの悪さも、女の子たちの嘲りも、昨夜の恐ろしい出来事に比べたら大したことではなかった。
重い足取りで家に帰って、自分の部屋に入った大本は、机の上にノートを見て声にならない悲鳴をあげた。閉じたまま置いていたはずなのに、勝手にページが開いていたのだ。
『どうしても、こちらに来るのはいやなのかい?』
そこには、新たな書き込みがあり、大本はちゃんと返事をしなければならないと思った。
(私が中途半端な気持ちで死にたいなんて書いたからいけなかったのよ。ちゃんと書いて、わかってもらわなきゃ)
『ごめんなさい。どうしてもそっちには行きたくない。私は死にたくない。あなたの気持ちは嬉しいけど、私はまだ生きていたいのよ。こっちにいたいの。
あなたのことは、きちんと供養させてもらいます。今までありがとう』
その夜、不意にある疑問が大本の脳裏をよぎった。それはノートの前半部分には何が書かれていたのだろうか、ということだった。
ノートを手にとってみると、紙と紙とがくっついてはいますが、へりの部分から剥がれてきていて、うまくやれば閉ざされていたページを読むことができそうだった。
加湿器のスチームを当ててみたり、定規をすべりこませてみたり、慎重に長い時間をかけて作業を行い、ようやくページを開くことに成功した。
一番最初のページには、こう書かれていた。
『私と交換日記しませんか?』
それは見慣れた桂の文字とは違うものだった。最初に交換日記をしようと誘ったのは、相手の方だった。
その次は桂の書き込みがあり、桂と大本の時と同じようなやりとりで日記は進んでいった。
日記の文章から察すると、桂の最初の交換日記の相手は女の子だった。
大本たちと同じように、お互いに自分の愚痴を書いたり、それを励まし合ったり慰めあったりして、信頼や結束を強くしていったようです。
そして、恋心を育んでいく過程がひしひしと伝わって来た。
ある日、受験勉強に苦しんでいた桂が、深刻な書き込みをしていた。
準備を怠った後悔、勉強しても成績が上がらない苦しみ、模試の結果、ライバルたちの成長ぶり、両親の期待・・・そこには桂の苦悩が書き連ねられていた。
『いっそのこと死んでしまいたい』
日記はそう結ばれており、それに対する彼女の返信は、
『会おうか。今夜2時、例の木の下で待ってるよ』
そう、桂と自分のやりとりとまったく同じだった。
そのページを最後に、しばらく空白が続き、そして再開された書き込みは、大本が最初に目にした『僕と交換日記をしませんか?』という桂の誘いだった。
「約束を破ったね」
耳元で、背筋が凍りつくような冷たい男の声がした。
大本は、それは桂の声なのだと思った。そして、恐怖で硬直した大本の前で、ノートのページが勝手にめくられていった。
ページは、大本の最後の書き込みのところで止まり、途切れ途切れの赤線が引かれていった。
ごめんなさい。『どうしてもそっちに』は『行きた』くな『い』。『私は死にた』くな『い』。
『こ』っちにいたいの。あなたのことは供養し『ろ』というならどこかに頼む『し』、任せて『ちょうだい』。今まで『ありがとう』
どうしてもそっちに行きたい。私は死にたい。ころしてちょうだい。ありがとう。
大本は次の日、例の木で首を吊っている状態で発見された。
畑中の一件は、クラス内でもともと孤立していたことを苦にしての自殺だと片付けら、それ以上調べられることはありませんでした。
「その交換日記や、次々と人が首を吊る木なんですけど、実は、この学校の裏地にまだあるんですよ。皆さんも気を付けてくださいね」
もし木の洞にノートを見つけても決して触れないでください。
あ、実は私、うっかり触ってしまって、危ない目にあったことがあるんです。
例によって前半部分はくっついていて読めず、かろうじて読める最初のページには、
『私と交換日記をしない?』
と書いてありました。後になって思えば、あれは大本さんの筆跡だったのでしょうね。その瞬間、私の全身は金縛りにあって、動けなくなったんです。
それもで少しだけ体の自由が利くようになっていたので、鞄の中なら青いペンを取り出して、ノートの表紙に線を引いたんです。
『学校に伝えられている、交換日記のルールを思い出しなさい』っておばあちゃんが教えてくれたら、私は力を振り絞って、交換日記という文字の交換の下に青い線を引きました。すると、ふっと呪縛が解けたんです。
交換を否定したことで、交換日記を続けさせる呪いの効力は減ったようですが、それでもやっぱりたくさんの人の怨念が詰まった危険なものですから・・・
皆さん、くれぐれも気を付けてくださいね。
後味が悪いのか、皆一様に下を向き、黙り込んでいる。
「元木さん、ありがとうございました。今のお話、新聞に載せても、大丈夫ですよね」
「はい、もちろんです。おばあちゃんは、そのために行けって言っていたんですもの」
「ところで、ひとつ気になることがあるのですが」と荒井が沈黙を破って口を開いた。
「僕の元木早苗さんの噂は聞いたことがあります。この鳴神学園に大変能力の高い霊能者が入学してきた、と。
できれば、一度その能力を後学のためにも一度拝見させていただきたいのですが」
- 僕も見たいです
- 見せないでください
「あ、でもこれは見世物あじゃないですから~」
「もったいぶるのは・・・」と荒井が言うと
「ゴルァ!この若造が早苗を愚弄するか!」
「早苗ちゃん、ダメ!」
福沢が慌てて止めようとしたが、元木の身体がブルブルと震えだし、突然彼女の眼球がぐるりと裏返った。
意識を失っているのか、ガクリと首を落とした元木の口から、白い糸のようなものが伸びてきた。白い何物かは、煙のように立ち上がり、空中でモヤモヤと何かの形を取っていった。
それは、おじいさんの顔だ!
首だけのおじいさんは、ギョロリと目を見開いて坂上を睨んだ。
「あーあ、始まっちゃったね。こうなると後片付けが大変だから。私、先帰るね。早苗ちゃん、さようなら~」
福沢はこの変化に慣れっこになっているのか、さっさと帰ってしまった。そして、他の語り部もみんな悲鳴を上げて部室から逃げて行ってしまった。
「ほう、この男が坂上修一か。こやつが早苗の婿になるのか。ずいぶんと腑抜けた顔をしておるなあ。よし、わしがちぃと鍛えてやろうかのう」
坂上の前に元木が歩み寄って来た。物凄い風圧が彼女の周りに渦巻いているのがよく分かった。
新聞部の備品が宙に浮かび、無重力状態のように空中を漂っている。もしかしてポルターガイスト減少ってヤツ?
「かぁ!」
元木が酷くしゃがれた声を発すると、浮かんだ備品たちは一斉に坂上めがけて襲い掛かって来た。
エンディング№453:早苗ちゃんの娘婿
エンディング数 78/657 達成度11%
キャラクター図鑑 57/122 達成度46%
畑中亨
大本真美
イラストギャラリー 51/283 達成度18%

今日ののゲームブックのネバーランンドのリンゴはどうかな?
森の中の小道にいる。
南→南→西へ。
森と海岸にはさまれて、街道は東西に続いている。
真南には小さな桟橋がありボートが1艘もやってある。
- 東へ行く→一つ前の選択肢に戻る
- 西へ行く
- 桟橋へ行く
- お堂に入る
- 東へ行く→一つ前の選択肢に戻る
- 西へ行く
- 水を汲む
- 食事をする→体力ポイントを5回復する(初期値を超えない)
- お堂を出る
容器1杯分で1回使用できるが、容器の数より多く持つことはできない。
ドルイドの聖水を汲む。
| 体力ポイント | ||
| ティルト①の初期値 | 17 | |
| ティルト②の初期値 | 18 | |
| ティルト③の初期値 | 22 | |
| 戦力ポイント | ||
| 初期値 | 0 | |
| ライオンの加護 | +1 | |
| 武器 | 武器ポイント | |
| 剣① | 1 | |
| ライオンの爪 | +1 | |
| 経験ポイント | 7 | |
| 金貨 | 3 | |
| 所持品 | ||
| 食料1個 | ||
| 青い卵 | ||
| 蚊まんじゅう2個 | ||
| 竜の鱗の楯 | ||
| 金色の鍬 | 壁を破ることができるが体力ポイントが2減る | |
| 黄色水晶 | 37の数字が刻み込まれている | |
| 貧乏徳利 | ||
| ドルイドの聖水 | 異境の魔物を調伏する力がある | |
| キーナンバー | ||
| 1:マーリンの祝福 | 23 | |
| 2:竜の鱗の楯 | 0 | |
| 3:ヌー | 140 | |
| 5:靴底にゴムの吸盤が付いた長靴 | 19 | |
| 17:ガラスが丘の竜を撃破 | 44 | |
| 22:金色の鍬 | 100 | |
| 魔法 | ||
| 62:呪いで姿を変えられた者を元に姿に戻す | 呪文を詠唱しながら相手にキスをする | |
今日の星影の館殺人事件はどうかな?
アナタ「回収してきたよ。星影のペンダントとやらはこれだね?」
灯「はい、ありがとうございます。
あれ?紐が切れてる・・・」
アナタ「ペンダントは机の上に置かれていたよ。近いうちに修理するつもりだったのだろう。
どうやら君のお兄さんは亡くなった瞬間、これをつけていなかったらしい。
加えて、彼の喉には3センチほどの穴があった。ひょっとしてコワバミドリに声を喰われていたかもしれない」
灯「そんな・・・あの手紙には事故ではないって・・・」
アナタ「誰かがコワバミドリをけしかけたということもありうる。殺人の線が完全に消えたわけではないよ。
情報を集めるために、他の部屋も見て回りたい。事情聴取もぼちぼち始めさせてもらわねば」
灯「お願いします。
あの、ペンダントの紐を取り換えてきますので、お預かりしてもいいですか?」
アナタ「もちろんだ」
星影のペンダントを灯に渡した。
灯「では一度失礼しますね。
私の部屋はここの隣です。用があればいらしてください」
アナタ「わかった、それでは館内を散策がてら他のご家族にご挨拶するとしよう」
灯が退場する。
アナタ「家の主人が不在となると、あと顔を合わせていないのは彼のご子息と使用人の・・・
何やらどこかから視線を感じる」
視線の方へ頭を向けると、階段へ続く廊下の角から子供ほどの黒く小さな頭が覗いていた。
こちらを気にしてちらりと顔を出してはもじもじしながら引っ込める。
アナタ「おおい、君。良ければこの館を案内してくれないかい?」
****「・・・た す け て お く れ」
アナタ「へ?」
****「助けておくれよぉ~、このままじゃ死んじゃうよ~!痛い、苦しい、誰か助けてよ~」
アナタ「!」
****「キヒヒ、びっくりした?
ヒトの声を喰ったコワバミドリのモノマネ。そっくりだったでしょ?」
アナタ「そういう遊びは好きじゃないな」
****「おじさん、冗談通じないの。つまんない人~」
アナタ「君の名前は?」
****「キヒヒヒ、つまんない、つまんない、アヒャヒャヒャ」
アナタ「楽しそうで良かったね。ところで、君のお名前は?」
****「学くんって呼んでもいいよ、おじさん」
アナタ「ありがとう、学くん。よろしくね」
学「やーなこった」
アナタ「気難しい子だ。お母さんとよく似ている」
学「おじさんのこまだま汚そう。わぁ、ばっちい!コワバミドリだって願い下げだよ!」
アナタ「そのコワバミドリについて詳しく知りたいんだけど、誰か手が空いている人はいないかな」
学「アヒャヒャヒャ、ばっちぃ、ばっちぃ、おじさんのこわだまはゲロの味!」
アナタ「だめだ、こりゃ」
1発の銃声が響く!
学「あ、パパが帰って来た。
パパ、お帰りなさい!」
アナタ「昨今のパパとやらは銃声で帰宅を知らせるのか。心臓に悪いな」
(とにかくこれでやっと主に挨拶できるな)
File:人物
山守学:山守長男の第一子。いたずら好きで、変わった性格をしている。
今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
4週目開始!
1人目は新堂誠を選択。
「お前がどうして新聞に入ったのか教えてくれねえか?」
- なんとなく入りました
- 前から憧れてしました
- 何かお勧めのクラブは?
- ボクシング部
- 空手部
- パフェ同好会
「ボクシング部に入る奴らは何のために入部すると思う?」
- 人を殴る為
- ストレス解消
- 強くなるため
「ボクシングって、人を殴るだけのスポーツじゃないですか。だから、普通に考えるとそうかなって・・・」
「ふん、坂上、てめぇには正直がっかりだぜ。ボクシングはそんなもんじゃねぇよ。
気分が削がれちまったぜ。この話はやめだ、やめだ」
(新堂さんの機嫌を損ねてしまったようだ)
- 話してもらうようお願いする
- 次の人、お願いします
「いいか、坂上、ボクシングは男のスポーツだ。二度と殴り合いの喧嘩だ、みてえなこと言うんじゃねえぞ」
「はい、肝に銘じます」
「しょうがねえな。じゃあ、話を続けてやるよ。
いいか、坂上。ボクシングは強くなるためにやるんだよ。
でもな、本当の強さってのは、腕っぷしで決まるもんじゃない。
生きていることへの感謝からくるやさしさと、自信。この精神的な強さから本当の強さが生まれるんだ。
これを履き違えると、とんでもねえ事態を引き起こすことになる」
新堂が1年生の時、同じ学年に新谷健也という生徒がいた。
新谷は、同じクラスの粋がっている連中にしょっちゅういじめられていた。
ここの学校の教師は、そういうのを見て見ぬ振りをするのがほとんどだったが、担任の植野裕樹だけは、この学校には珍しく、いじめを見逃さない、許さない、心に芯のある男だった。だから、新谷はよく植野に助けられていた。
「またお前らか!やめろって言ってるのがわからんのか!」
「やべ、植野が来た。逃げっぞ!」
「新谷、大丈夫か?」
「はい、ありがとうございます」
「しかし、あいつらも懲りないな。
お前に非があるとは言わないが、やはりいじめられた時に対抗できるようにならないとな」
「はい」
「そうだ、俺が顧問をやっている部活に入れ。
そこで鍛えて、あいつらがいじめてきても、やり返せるようにするんだ!
本来、腕っぷしに訴えかけるのは、気が引けるが・・・」
植野が顧問をしていたのはボクシング部だったので、新谷は植野に言われるまま、ボクシング部に入部し、植野の指導が始まった。
「さあ、練習を始めるぞ!ゴングが鳴ったら試合開始だ!」
「はい・・・」
「どうした?相手に向かって行かないと練習にならないぞ」
「あの・・・暴力は・・・」
「暴力じゃない、スポーツだ。そして、自分を鍛える鍛錬でもある。
さあ、新谷、がんばるんだ」
いじめられている人間に、相手に立ち向かっていくという精神を植え付けるのは大変なことだったが、植野はそれを根気よく新谷に教え込んだ。
「別に相手に怪我を負わせるのが目的じゃないんだ。お前の場合、いじめられないように防衛できればいいんだからな。
さらにそういうことに怯えない強い心を作らないとな。そして、立ち向かっていく精神を・・・」
「はい」
「さあ、頑張るんだ。ゴングが鳴ったら、お前は変わる!
新谷、お前は強い。いじめっ子なんかには負けないくらい強いんだ!
さあ、立ち向かえ!」
そうやって、植野は毎日新谷に、お前は強いんだ、と言って聞かせていた。
それを繰り返していると、少しずつ新谷の心に変化が訪れた。
ある日、いじめっ子たちが新谷のズボンを無理やりに脱がそうとした時、新谷は「やめろよ!」と言って、両手でいじめっ子を押しのけた。
思わぬ反撃を受けたいじめっ子たちは、新谷に向かって拳を振り上げたが、新谷は植野との練習で体が覚えていたので、とっさにそれをよけて、いじめっ子に右ストレートを叩きこんだ。
その時、騒ぎを聞きつけた植野が現れたので、いじめっ子たちは蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
「先生、僕、逆らえました。立ち向かっていけました!」
「やったじゃないか、新谷。
これでもう、俺がいなくても大丈夫だな。特訓もしなくてもいいだろう。
新谷、お前はもう大丈夫だ。お前が反撃できたことであいつらも大人しくなるだろう。
お前はもう弱い奴じゃないよな?」
「はい」
「いい返事だ。それじゃあ、俺はもう行くからな」
まだ何か言いたげな新谷を残して植野は、その場を後にした。
責任感の強い植野とはいえ、いじめられるたびに仲裁に入ったりするのに、少し疲れていたのだ。
それにボクシング部での特訓も、他の部員を差し置き、新谷にばかりつきっきりで特訓をしていたもんだから、当然他の部員から不満の声が上がっていた。
そういうこともあって、植野も少し新谷のことは重荷に感じ始めていた。
でも、こうして信谷は反撃することができた。もうあいつは俺がいなくても大丈夫。
そう思って、今後は極力、新谷のことを構うのはやめようと、植野は思った。
あの一件以来、いじめっ子たちは新谷にちょっかいを出すのはやめたようだった。
しかし、新谷の気持ちは複雑だった。
確かにいじめはなくなったが、いじめっ子たちは新谷の顔を見ると無視するようになった。
いつも助けてくれた植野も、いじめられない限り、新谷に構わない。
いじめはなくなったが、新谷は一人になってしまった。
新谷はもともと内向的な性格だから、自分から友達を作ることはできなかった。
昼休み、教室から出た新谷は、廊下で大勢の生徒に取り囲まれた植野と鉢合わせた。
植野は生徒たちからの人気も高く、生徒たちは植野に、いっしょにお昼を食べようと誘っていた。
植野は、取り巻きの生徒を黙らせてから、思い出したように口を開いて、「そうだ、新谷。お前の一緒に学食で食うか?」と言った。
しかし、取り巻きの生徒たちは、新谷に対し氷のような視線を投げかけた。
自分を拒絶する視線だと、新谷は感じた。
「い、いえ・・・」
新谷は、そういうのが精一杯だった。
「そうか、じゃあな、新谷」
新谷は、生徒たちに囲まれて去っていく植野の背中をいつまでも見ていた。
身近に感じていた植野の存在を、今は遥か遠くにいるように感じていた。
放課後、新谷は、自分からいじめっ子に声を掛けたが、いじめっ子たちはいつものように新谷を無視した。
すると、新谷は、「待ってよ。前みたいに僕のことをいじめてほしいんだ」と言い出したが、いじめっ子たちは「わけわかんないこと言ってんじゃねえぞ」と言いながら、新谷を振り払って去って行った。
夜、宿直の当番だった植野は、宿直室で日誌を書いていた。
するとドアが叩かれ、「新谷です」と声が聞こえて来た。
植野がドアを開けると、全身血まみれになり、うつろな目をした新谷が立っていた。
「誰にやられたんだ!」
しかし、新谷は答えない。
「とにかく、服を脱いで傷口を見せるんだ」
植野はそう言って新谷の服に手をかけたが、違和感に気づいた。
新谷の顔や服には傷がないのだ。
「新谷、これはお前の血じゃないだろう。
一体これは誰の血だ?」
「みんな、酷いんですよ。嫌だって言った時はいじめるくせに、いじめてくれって頼んだ時はいじめてくれないんです」
(まさか新谷があいつらを手にかけたのか?)
「新谷、お前、どうしてこんなことをしたんだ?」
「だって、いじめられないと誰も僕のこと、見向きもしてくれない。誰も僕のこと、守ってくれないんだ」
「新谷、そんなことはない。それよりもこの返り血の奴のところに早く連れて行くんだ」
「先生は、僕よりもあいつらのことを助けるんですか?」
「今はそんなこと言っている場合じゃないだろう!早くしないと死んでしまうかもしれないんだぞ!」
「だめだ!先生は僕を助けてくれなきゃだめなんだ。いつも僕のことを守ってくれなきゃだめなんだ!」
そういうと、新谷は、植野の首を締めあげた。
遠くなる意識の中で見た新谷の顔は、目が血走り、まるで鬼が乗り移ったような表情をしていた。
もう駄目だ、と植野が思った瞬間、何かが千切れたような嫌な音がして、途端に首を絞める力が弱まった。
新谷は地獄の底から湧き上がるような呻き声を上げながら、腕を抑えて地面を這いずり周っていた。
腕の筋肉が切れたんだ、と思いながら、植野の意識はそのまま遠くなっていった。
再び意識を取り戻した時、植野は病院のベッドにいた。
結局、あの返り血は、植野が察した通り、新谷をいじめていた奴らのものだった。
いじめっ子は、学校近くの公園の茂みで発見された。
何とか一命をとりとめたようだが、あちこち殴られ、ボロ雑巾みたにな状態だったそうだ。
結局あの事件があってから、責任を感じた植野は学校を去った。
「なんで、弱っちい新谷はそんな力を出せたかって?
ほら、火事場の馬鹿力って言葉があるだろ。
人間ってのは、普段は使える力の数パーセントしか使えないよう脳みそが制御しているらしい。
火事場とか自分がピンチの時にリミッターが外れて、普段の力とはくらべものにならないくらいの力を発揮できるようになる。
だが、それは自分の体を犠牲にする諸刃の剣だ。加減を知らず、肉体に負担をかけすぎるととんでもないことになる。
あの時新谷の腕の筋肉が引きちぎられたのも、許容量以上に体を酷使した結果だろうな。
あいつは弱いままでいたかった。誰かに守られたままでいたかった。
強かったら誰にも守られる必要はないもんな。
事件のあと、新谷は入院したよ。もう一生、出てこれることはないがな」
新堂エンディング№22:強さ
CGギャラリー:40/124
今日の未解決事件は終わらせないといけないからはどうかな?
紫の鍵:犀華の母親の誕生日→1225
#ヘルパーを繋ぐ。
清崎蒼
「槙野恵さんは犀華ちゃんが何歳の時から面倒を見てくださっているのでしょうか?」
宮城哲郎
「数年前、犀華が4歳だった時からです。
子供たちの母親が病気で亡くなった時、これから子供たちの面倒をどう見ればいいか途方に暮れていましたが、その時、家族の力になってくれたのが恵さんです。
最近は育児ヘルパーと言いますよね?
恵さんは、うちの子たちの育児ヘルパーです。
妻の病院生活が始まって以来、毎日のように子供たちの世話をしてくれました。
特に娘はママと呼んで、恵さんに懐いています。
本当にありがたいことですが、こうしてみると私は恵さんに頼りすぎたんじゃないかと思います。
家族ではないのに」
2012.2.4 16:32の発言。
6本目の黄色の鍵をゲット。

ファンタジーライフi グルグルの竜と時をぬすむ少女のプレイ開始!
アバターを作って、ファンタジールでの冒険を開始!
ドラゴンの化石から出る光を追って、考古学者のエドワードと船に乗り冒険をしている主人公。
L:移動
L+RT:ダッシュ
A:ジャンプ
R:カメラ移動
B:調べる/会話する
みんなと話そう
エドワード、クック、コロン、ボイラ、ポーロ、マールと会話する。
化石を調べよう
ドラゴンの化石を調べていると、化石にヒビが入る。
ドラゴンの出す光の先に無人島を発見する。
エドワードによると、地図にも載っていない島で、古代へとつながる未知の島とのこと。
島の名前を命名する。
突然ダークドラゴンが襲来し、一行が乗る船を攻撃し始め、船は沈んでしまう。
その時、化石が割れ、中から骨ドラゴンを出現する。
ダークドラゴンの猛攻にあい、骨ドラゴンは主人公とエドワードのペットの鳥のトリップだけを背中に載せて、ゲートを開けて別の空間へ移動する。
ゲートの先の空間には島があるが、骨ドラゴンは墜落し、主人公とトリップは骨ドラゴンの背中から放り出されてしまう。
トリップは、墜落した時に偶然翻訳機を頭にかぶったことで、人間の言葉がしゃべれるようになった!
傍らに、エドワードが持っていたヘンテコPadが落ちていたので、持っていくことにして、セーブ、ミニマップ解禁!
実績:Hello, past world!をゲット!
エドワードを探そう
魔物に襲われている女の子を見つけたので、落ちていた棒きれを拾って、バトル開始!
X:攻撃(3回まで連続攻撃できる)
Y:強攻撃
RB:ユニークアクション
B:回避
RT:武器をしまう
RS:ダーゲット選択→⇄でターゲット変更→再度RSでターゲット解除
ナツココトカゲx3を倒して、実績:ルーキーハンターをゲット!
助けた少女はレムと名乗り、いっしょにいるのはミニドラゴンのグルムとのこと。
レムにこれまでのことを話すと、レムの愛読書である『異世界英雄ものがたり(別の世界からやってきた人間が、さまざまな苦難の末に英雄になる物語)』と同じようなもので、元の世界に戻るには、またゲートを開かなければならない、と言われてしまう。
ゲートを開くためには、はぐれてしまった骨ドラゴンを見つけないといけないが、レムは、自分を探している王国兵士の姿を見て、いっしょには行けないと言って、去っていく。
かばん登録解禁!
LTでかばんを開く、または、R:かばん登録したアイテムを選択→B:使う
骨ドラゴンを探そう
草糸、とりの卵をゲット。
箱を壊して、エナフラワー、ちいさなかいがら、あやしい物体をゲット。
宝箱から、キュアエイドx3をゲット。
連続ジャンプ:崖登り
ウラフラワー、たんぽぽわた、かつりょく草、いやし草をゲット。
ミステニア王国の王国兵士のシタッパーに掴まった骨ドラゴンを発見する。
シタッパーに骨ドラゴンの返還を求めるも、王様の許可がいると言われてしまう。
王様と話そう
帝都でミステニア王国の国王ラノアと謁見する。
ラノアは得体のしれないドラゴンの危険性を考えて、主人公に返すことを渋っている。
そこへ、レムがやって来て、自分を助けてくれた主人公が元の世界へ帰れるよう協力してほしい、とラノアに頼んでくれる。
レムはラノアの妹だったのだ!
シスコンのラノアは、レムの頼みを聞き入れてくれる。
ラノアから、骨ドラゴンは元気をなくしており、空を飛ぶことができなくなっている、と聞かされる。
主人公がぐうたらモンスターだと気づいたラノアは、この島ではライフに就いていない半人前はモンスター一歩手前と見なされ、誰も頼み事を引き受けない、と言い出す。
そして、主人公の頼み事を聞くために、早急にライフに就いてかけだしになるように、と話す。
ライフギルドへ行こう
トキノネ村のライフギルドへ。
駆け出しボックスから、駆け出し冒険者セットをゲット。
アンおばちゃんからライフの説明を受ける。
狩人のライセンス、狩人の初期装備をゲット!
実績:もうひとつのライフはじめましたをゲット!
狩人のアルシュにあいさつ
宝箱から、スタミナンx3をゲット。
狩人のライフマスターのアルシェに話しかけると、入門試験を受けることになった!
今日のFINAL FANTASY XI ヴァナ・ディールコレクション4はどうかな?
ゴブリンの不思議箱で、スペシャルダイヤルを使って、ターコイズ、山賊おにぎりをゲット。
アドゥリンダイヤルを使って、袋【鋭い黒石+1】、袋【細い緑石+1】、袋【細い黒石+1】をゲット。
ガレーキッチンから、ダルメルシチューをゲット。
ルルデの庭にいるぐりーんに話しかけて、メイジャンの試練・№4435開始、して、明珍首鎖をゲット!
バルクルム砂丘で、Snipperを倒して、陸ガニのふんどしをゲット。
おれんじの右にある木箱に、陸ガニのふんどしを入れる。
ぐりーんに明珍首鎖を渡して、試練をクリアすると、攻+3、ストアTP+1に強化される!
モグガーデンへ。
畑(ランク7)で、謎の香草の種+光のクリスタル→氷のクリスタル、風のクリスタル、土のクリスタル、水のクリスタル、光のクリスタル、光の塊、デスボール、カザムガラシ、変色クリスタル、マウラのにんにく、ローレル、ブラックペッパー、バニラ、ホーリーバジル、光のフュエルをゲット。
木立(ランク7)で、フィクリカ、パママ、ウルプカパームの実、ナパ、タルタルライス、マホガニー原木、レッサーチゴー、パインナッツをゲット。
森の挿木を使って、光のクリスタル、ペルシコス、パママ、メープル原木、チェスナット原木、ホワイトオーク原木、マホガニー原木、エボニー原木、ウルンダイ原木、ガタンプ原木をゲット。
鉱脈(ランク7)で、雷のクリスタル、隕石、スズ石、黒鉄鉱、銀鉱、陸魚の鱗、陸ガニの甲殻、黒虎の牙、雄羊の角、上質な陸ガニの甲殻、ダークナゲット、バナジウム鉱、ポータークラブ甲殻をゲット。
池(ランク7)で、堀ブナ、カッパーフロッグ、レッドテラピン、ブラックゴースト、ヤユンパルウ、カークォン、レッドシーマをゲット。
海(ランク7)で、バストアプリーム、三眼魚、ムーリシュアイドル、コーンカラマリ、ブラックプローン、錆びたバケツをゲット!
漂着物から、黒虎の牙、アムリタをゲット。
夏石をゲット→ゴブリンの不思議箱に入れて、スペシャルダイヤルを使って、トライジャルシーをゲット!
飼育場(ランク7)へ。
スコーモス☆1から、飛竜の鱗、飛竜の翼をゲット。
餌に野兎の肉を与える。
青ワイバーン☆3から、アムルタートのつるをゲット。
餌にモコ草を与えて、つついてお世話する。
キトトルス☆1から、謎の果物の種をゲット。
餌に蒸留水を与えて、なでてお世話する。 餌に野兎の肉を与える。
青ワイバーン☆3から、アムルタートのつるをゲット。
餌にモコ草を与えて、つついてお世話する。
キトトルス☆1から、謎の果物の種をゲット。
餌に妖精のリンゴを与えて、叩いてお世話する。
ドラゴンパピー☆3になって、ミリオンコーンをゲット。
ドラゴンパピー☆3になって、ミリオンコーンをゲット。

今日ののゲームブックのネバーランンドのリンゴはどうかな?
泳いで、島から一番近い湖の西の岸へ向かった。
岸についたティルトは、焚火を起こして一休みする。
食料を調べると、すべて水を吸って駄目になっている・・・(食料を0にする)
昨日、何も食べていないので、体力ポイントを4減らして、12になった・・・
- 西へ行く
- 南に行く
- 北へ行く
自宅に近くに戻ってきていたのだ。
自宅に寄り、食料を一つ加える。
西→西→南→南へ。
森の中の踏み分け道の三叉路に出た。
- (貧乏徳利を買って)東へ行く
- (最初は)西へ行く
- 北へ行く→一つ前の選択肢に戻る
灰色髭のノームの陶工が貧乏徳利を売っている。
徳利の中身は空で、購入する場合は1本につき金貨1枚を支払う。
貧乏徳利X2を購入。
- 東へ行く→一つ前の選択肢に戻る
- 西へ行く
| 体力ポイント | ||
| ティルト①の初期値 | 17 | |
| ティルト②の初期値 | 18 | |
| ティルト③の初期値 | 22 | |
| 戦力ポイント | ||
| 初期値 | 0 | |
| ライオンの加護 | +1 | |
| 武器 | 武器ポイント | |
| 剣① | 1 | |
| ライオンの爪 | +1 | |
| 経験ポイント | 7 | |
| 金貨 | 3 | |
| 所持品 | ||
| 食料1個 | ||
| 青い卵 | ||
| 蚊まんじゅう2個 | ||
| 竜の鱗の楯 | ||
| 金色の鍬 | 壁を破ることができるが体力ポイントが2減る | |
| 黄色水晶 | 37の数字が刻み込まれている | |
| 貧乏徳利2本 | ||
| キーナンバー | ||
| 1:マーリンの祝福 | 23 | |
| 2:竜の鱗の楯 | 0 | |
| 3:ヌー | 140 | |
| 5:靴底にゴムの吸盤が付いた長靴 | 19 | |
| 17:ガラスが丘の竜を撃破 | 44 | |
| 22:金色の鍬 | 100 | |
| 魔法 | ||
| 62:呪いで姿を変えられた者を元に姿に戻す | 呪文を詠唱しながら相手にキスをする | |

今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
1週目クリア
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る
2週目開始!
倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)
4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
6人目は荒井を選択!
荒井昭二は2年B組の生徒。
「よくある七不思議の話をしても面白くないでしょう?そうは思いませんか?」
- よくある七不思議で結構です
- そうですね→シナリオ:いみぐい村
- 友達の話はどうですか?
「よくある、という意味で趣味の話でもしましょうか。僕ね、映画が大好きなんですよ。極はね、フランス映画が好きなんです。
坂上君はフランス映画はお好きですか?」
「フランス映画はお嫌いですか。
わざわざこんな会に出向くほどですからホラー映画もお好きなんでしょうね。
食べ物でも甘いものも辛いものも好きっていう両刀使いは少数派ではありません。それは映画も同じこと。
僕がこれから話すのは、そんな映画の話なんですよ」
荒井のクラスに時田安男という男がいたが、無類の映画好きだった。
映画愛好者のことは敬意をこめてシネマディクトと呼ばれており、荒井は自身のことをシネマディトだと思っていたが、時田には負けていた。
映画に関しては、時田は生き字引だった。
将来の夢が映画監督だった時田は、学校に映画関係のクラブがないことをとても残念に思っており、1年生の時に、自分で映画同好会を作ってしまった。
映画好きな人間は結構いるもので、20人ほどが集まった。
撮影用の機材にほとんどは時田が持ってきて、集まったみんなで、役割を決めることになった。
「あなたなら、何をやりたいですか?」
- 役者
- 監督→エンディング№058:ミイラ男と美女
- 脚本→エンディング№063:きりとり小僧
- なんでもいい→エンディング№058:ミイラ男と美女
実は時田は監督志望だが、役者になりたくて仕方がなかった。そして、どちらでも大成するのが将来の夢だ、と荒井に語っていた。
なんでも役者としてはスタントマンを使わないアクションもできる役者に憧れていた。
また時田の父親は武術の心得があるらしく、その手ほどきで格闘武術を習っていた。
それで、時田は監督と主役を兼任することになったが、会の創設者であり、機材を持って来たのは彼だったので、みんなしぶしぶ承知した。
そして、去年の今頃、記念すべき同好会の第一回作品の撮影が開始された。
時田が撮ろうとした映画のジャンルはもちろんアクションで、タイトルは『燃えよ正義の鉄拳』だった。
時田は格闘武術の心があったが、他の人はまったく素人だったので、時田は映画に出演する生徒に格闘技の手ほどきをした。
シナリオも時田が書いた。
映画の内容は、主人公の父は有名な武術家で、表向きは優良企業の顔をしながらその実態は如何わしい組織の用心棒として雇われた。そして組織の秘密を知ってしまった彼は消されてしまい、息子が父の仇をとるべく組織に戦いを挑む、という設定だった。
それでも、どうにかこうにか撮影は終了し、時田は自室のパソコンで編集作業を行っていた。
時田は、ふと一つのカットを見て首を傾げた。
それは、主人公が道場の若手に武術の型を教えているところだったのだが、時田の撮影時と記憶とも絵コンテとも違うものになっていた。
「僕が撮ったシーンは、こんなにみんながしっかり演技をしていなかったはずだけど」
それが普段から鍛えられているような体格で、みんな本当の役者のようにうまく演じていた。
(撮影中は我を忘れて撮影することが多い。だから、きっと撮影したに違いない)
そう自分に言い聞かせて、そのカットを使用した。
しかし次の日、ほかのシーンを見ていると、また自分が撮った覚えのないカットを発見した。
それは、主人公の父親が組織の秘密を知って殺されるシーンだった。
組織の雇った殺し屋に追われて父親が逃げる。その背後にに迫る殺し屋。そして彼の叫び声。
それなのに、そのフィルムにははっきりと父親が死んでいくシーンがリアルに映っていた。
しかし、父親役の役者は演技が下手で出番を削られたのにもかかわらず、画面では迫真の演技。
殺し屋の鉄拳が彼の腹部に炸裂し、口から一筋の血が。そして地面に倒れ、父親は動かなくなる。
撮った覚えはないが、時田はためらくことなくそのシーンも編集し本編に取り込んだ。
その次の日、ちゅじん行の父親役をやった生徒が殺された。
荒井や時田と同学年の袖山で、腹を何度も殴られて、内臓破裂を起こしていた。
その時の状況を聞いた時田は耳を疑った。まるで、あのシーンにそっくりだった。
犯人はわからなかった。殺害時に被害者は自分の部屋で寝ていたが、誰も忍び込んだ形跡はないし、部屋が荒らされた様子もなかった。
時田は恐ろしくなってしまった。これがあのフィルムの呪いだったとしたら・・・
「その映画の編集作業を続けたいと思いますか?」
- 続ける
- やめる
時田も同じで、死ぬほど映画が好きだったので、歴史に残る傑作を自分が撮らなければならないと思い、編集を続けた。
その日見たフィルムにはもっと変なものが映っていた。それは、組織のボスを倒すために、主人公が何人もの刺客を倒していくというシーンだった。
かっこよく次々と刺客を殴り殺していく主人公。主人公の動きに合わせて、よりリアルに死んでいく刺客たち。
そして、主人公が最後のボスを倒すシーンで、主人公の決め手のこぶしが、ボスの腹部に炸裂しようとした瞬間、相手は主人公のこぶしを避け、パンチを繰り出した。
時田は、慌てて映像を止めた。
「これは違う!ボスは、僕のパンチを受けて激しく吹っ飛ぶはずだ」
時田は見間違いかもしれないと自分に言い聞かせ、もう一度見直そうとした。
「あなたなら見直しますか?」
- 見直す→エンディング№061:燃えよ、正義の鉄拳
- 見直さない
そう思った時田は、編集ソフトを閉じようとしたが、マウスが思うように動かない。
そして、勝手にソフトが動き始め、さっきのシーンをもう一度、画面に映し出された。
主人公のパンチが炸裂し、ボスの顔面にヒットするかのように見えた瞬間、主人公のパンチは宙をかすめ、ボスのパンチが主人公に炸裂した。
突然、時田は見えない拳に殴られたかのような衝撃を受けた。
さらに続けて、見えない素早いパンチが彼の顔や上半身に何発もヒットした。
彼の骨は折れて歪み、歯も折れて唇が避け、口から血がごぼごぼと噴き出した。
時田は確かに見た。パソコンのモニターから身を乗り出して笑っている袖山を。
モニターに映っていたのは、ボス役の生徒の顔ではなく袖山だった。
時田は、殴られたショックと内臓破裂で亡くなった。もちろん、袖山が殺された時と同じくこの事件も解決の糸口は見つからず、迷宮入りとなった。
「僕がどうして、これを知っているかって?
ある日、僕の学校の机の中に1枚のCDが入っていたんですよ。家のパソコンで起動したら、動画が入っていたのです。
動画の主人公は時田君でした。そこには、彼が殺されるまでの記録がしっかりと映っていたんですよ。そして、その動画は彼が殺されたところで終わっていました。
これは凄いものを手に入れたと思い、すぐにその動画を新しいフォルダに移動しました。しかし、なぜか立ち上げたソフトにカーソルが乗らないのですよ。
不思議に思ってディスクを取り出そうとしたら、ないんですよ。
驚いて再びモニターに目を向けると、そこにはもう時田君の動画も消えてました。データごと、なくなってしまったんです」
エンディング№060:消えた同級生
エンディング数 77/657 達成度11%
キャラクター図鑑 55/122 達成度45%
イラストギャラリー 48/283 達成度16%
- HOME -





