チラシの裏~弐位のゲーム日記
社会人ゲーマーの弐位のゲームと仕事とブログペットのことをつづった日記

 今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?


 1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング03~05
 2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング10
 3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング13・14
 4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング03~05


 5人目は福沢玲子を選択。


 福沢は1年G組の生徒。


 坂上君は宗教は何なの?


  1. 親と一緒
  2. あまり人には言いたくない
  3. 無神論者
  4. 他の話が聞きたい 


 私と一緒だ。
 私、神様信じてないもん。
 そりゃあ、神頼みくらいはするけど。


 私のお父さんの話なんだけどぅ、実話だよ実話。
 私のお父さんはね、N証券っていう大きな証券会社に勤めているんだよね、そこの部長さん。
 すごいでしょ、えへへ。
 でね、ある日自分の部下が大真面目な顔でやってきて、一緒に行ってほしいところがあるって言うんだってさ。
 お父さん、親身になって聞いてあげたんだってさ。
 彼ったら何にも言わないんだって。ただ一緒に行って欲しいところがあるってそればっかり言うんだってさ。
 それでね、次の日曜日、お父さんは彼のために一日あげたの。
 そしてらさぁ、どこに連れて行かれたと思う?
 公園だよ。公園でね、何人も集まって落ちているゴミを拾うの。ボランティアだよ。
 それでさ、それが終わったあと、ボランティアの人たちが全員で輪になって、自分たちがいかに幸せかを語り合うんだって。
 それさ、何とかっていう変な宗教だってさ。
 ゴミを拾ったり、駅を掃除したり、そうすることによって人徳を高めていくんだって。
 お父さん、帰ってきたら怒ってたよ。
 ボランティアのときに、猫の絵を描いてあるエプロンをつけさせられてね。
 それが、その宗教のシンボル・マークだって言うからしょうがないけどさ。通りすがりのカップルとかが馬鹿にして、笑っていくんだって。
 それに子供がわざわざお父さんの前にゴミを捨てたりしてね。それでお父さんが怒ったら、その子のお母さんに誘拐魔扱いされちゃってさ。
 それでボランティア活動が終わったら、みんなで毎週来るように誘われちゃって、お父さん、真剣に怒ってたよ。
 なんでもその部下の人がね、会社では無口で暗いのに、その時はもうニコニコしちゃってすんごく明るかったんだって。
 お父さん、怒った後悩んでいたもん。
 どうして会社では暗いんだって。
 もちろん、お父さんのボランティアは1日で終わったんだけれどさ。
 そのあと部下の人はだんだん会社を休みがちになってさ。
 1か月くらいしたら全然来なくなっちゃって、ある日いきなり会社辞めちゃったんだって。
 そのあとね、会社の同僚がどっかのターミナル駅の前にある広場で、その人を見かけたんだってさ。
 なんでも道行く人の幸せを祈ったり、みんなで歌を合唱したりしてたんだって。とっても幸せそうな顔してたらしいよ。
 でもさ、会社に残された人には迷惑だよね。
 お父さん、真剣に悩んでたもん。最近の若いもんはわからんって。


 坂上君も気を付けたほうがいいよ。まわりにさ、宗教に凝っている人とかいない?


  1. 実はいる
  2. そんな人はいない
  3. 宗教の話から離れて


 日本人って無宗教の人が多いから、宗教アレルギーって人が結構多いよね。坂上君もそういうクチなんだ。


 シナリオ:愛と友情の狭間開始!


 数年前のこと、山寺という女子生徒がいた。
 なかなか良いルックスをしており、明るい性格で交友関係も広かった。
 彼女には、田中というすごく仲のいい友達がいて、お互いのお弁当を交換して食べちゃうくらいだった。
 「あー、その卵焼き超美味しそうじゃん?」
 「ひとつあげるわ。じゃ、そっちの唐揚げ、もらっていいかしら?」
 そんな風に毎日、山寺と田中はわいわいと仲良くしていた。
 この二人はお互いに何でも理解し合って、嫌いなところなんて何もないってことはなく、山寺には田中のする話題で、どうしても好きになれないものがひとつだけあったの。
 それはホラー映画だった。
 田中はホラーの魅力に取り憑かれており、週に一度はレンタルビデオショップに行ってあれこれ借りて、時には深夜まで見ていた。
 スプラッター系が特にお気に入りだったみたいで、もちろん新作映画があれば見に行き、山寺はそれに毎度のように誘われた。
 「このゾンビ映画、すんごくリアルなメイクらしいの。楽しみだわ」
 「へえ、最近の技術はすごいんだね」
 田中が嬉々としてしゃべれば、山寺は適当に相槌を打っていたが、山寺は本当は大のホラー嫌いだった。
 映画の上映中も、田中が目をキラキラさせて見ている隣で、山寺は冷や汗ダラダラと流していた。
 山寺は、田中を悲しませたくないから、寝たふりなんかはできなかった。
 「ホラーの話、もうやめてくんない?これからは映画にも付き合わせないで!」
 何度も、そう言おうと思ったかわからない。だけど親友だから言えない。
 そして田中は、山寺が本当は怖いのが大嫌いってこと、夢にも思っていなかった。だって今まで文句言われたことがないんだから。
 本音と建て前は違っていたけれど、二人の日常はとりあえずバランスが取れていた。
 田中はホラー以外にも普通に女の子らしい趣味はあったし、そっちでは山寺も気兼ねなく楽しめたから。


 けどある日、その微妙なバランスが崩れる出来事が起こった。
 山寺は、お気に入りの髪飾りを見ず知らずの男子に踏まれて壊されちゃって、怒っていた。
 最近買ったばかりの髪飾りを、山寺は廊下で手に取ってうっとりと眺めていたんだけど、うっかり床に落としてしまい、運悪く踏まれてしまった。
 もちろん文句を言ったんだけど、その男子ときたら「いきなり目の前に落す方が悪いだろ」なんて言ってろくに謝りをしなかった。
 山寺はむらついていたが、男子相手にケンカして勝てるわけもなし、弁償してもらうこともできず、仕方なく引き下がるしかなかった。
 そこへ田中がやってきて、いつものように悪気なく、「明日は土曜日だよね。また新作のホラー映画があるの。一緒に行かない?」と提案してきた。
 田中は別の場所にいたので、山寺の髪飾りが壊された一件は知らなかった。
 その時、山寺の心の中はどす黒く燃え上がった。自分がこんなに辛い思いをしているのに、なんて無神経なんだろうって。
 山寺はとうとう我慢ならなくなって、かついてないほどの大声で怒鳴った。
 「いい加減にしてよ!なんで気付いてくれないの。私、怖いのなんて大っ嫌いなの!幽霊もゾンビも殺人鬼も、もう見たくないの!だいたい私ら女子高生だよ。そんな暗い趣味はやめたらどうなの?もう私の前でホラーの話はしないで!」
 山寺は今までため込んでか感情を、一気に爆発させた。
 言いたいことを全部言い切った山寺は、息を切らしながら親友の目を見た。
 「・・・ごめんね」
 自分の趣味を正面きって拒否されて、ショックだった田中は、それだけしか言えなかった。
 まだ昂った気持ちが収まらない山寺はそのまま田中と別れた。


 山寺はさすがに次の日になると落ち着いたけど、しばらくは気まずくて田中と話もできなかった。
 田中も田中で、一言もかけられない。
 まるで見えない壁が彼女たちの間にできたようで、クラスメイトたちももうビックリで、あれだけ仲良かった親友同士にいったい何があったんだろうって。
 山寺は田中と話す踏ん切りがなかなかつかなかったので、彼氏の岸谷に相談した。
 岸谷は「勇気をもって話しかけろって。それでいいだろ」と簡単にアドバイスした。


 その翌日、山寺は、登校すると真っ先に田中に近づき、「この前はちょっと言い過ぎだよ。ごめんね」と切り出すと、田中は笑ってはいないが、怒っている顔でもなく「うん」と小さく頷いた。
 山寺はホッとして、「あの時は気が立っててさ、ついあんな乱暴なこと、ホントごめん。でももう水に流そうよ、ね?」と続けると、田中は「うん」と小さく頷いた。
 山寺は最後にこう付け加えた。
 「申し訳ないんだけさ、ホラー映画は勘弁っていうのは変わらないから。本当に大嫌いなんだ。これからは映画に誘ったりしないでね?他のならいいからさ」
 「うん、誘わないよ」


 田中と仲直りして心が楽になった次の日、山寺は同じクラス委員の男子の斎藤と図書室で仲良くしゃべりながら作業していた。
 そこへ岸谷がやってきた。
 岸谷はこめかみに青筋を浮かばせて、山寺に詰め寄った。
 「なんだよ、その男は「
 「え?同じクラス委員の人だけど」
 「それだけじゃないだろう?今、すごく嬉しそうな顔をしてたじゃないか?俺といる時よりも!!」
 「そんなわけないじゃん」
 「なんだよその顔は!ひょっとして俺に飽きたから新しい男を探していたとかじゃないだろうな?」
 「ちょっと待ってよ、そんなこと」
 「いいか、俺以外の男と仲良くするなんて、絶対に許さねえからな!」
 反論を一切聞く気がない岸谷は、猛然とその場を立ち去った。
 山寺はボロボロと泣いてしまった。
 岸谷の決定的な欠点は、めちゃくちゃ嫉妬深いことだった。他の男子といるなんて絶対に許さないっていう考えの持ち主だった。
 山寺は岸谷をこれ以上怒らせるのは避けたい、と悩みぬき、納得してもらえるまで話し合おうと考えた。


 次の日の放課後、山寺は田中にも協力してもらおうと思いついた。
 「あのさ、彼氏のことでちょっと相談があるんだけど、聞いてくんない?」と山寺は気軽な口調で田中に相談を持ちかけた。
 「そんな話は聞きたくないわ」
 「あのね、本気でトラブってんるんだ。私一人だけじゃ解決できないかもしんないだよ」
 「あなたの彼氏の話なんて、興味はないわ」
 そう言って、田中は山寺に背中を向け、歩き去った。
 そこへ岸谷がやってきた。
 「おい!この前の男とまた話していただろう!」
 確かに昼休み、斎藤がハンカチを落したから、山寺はそれを拾ってあげて、少し話をしたんだ。
 岸谷は休み時間になるたびに山寺を監視しており、しっかりその場面を見ていたのだ。
 「浮気するつもりなんだな?」
 「いいかげんにしてよ、浮気なんてするわけないじゃん」
 とうとう泣き出した山寺だったが、岸谷は矛を収めなかった。
 「泣いてみせたってダメだ。そんな風にごまかそうとする女は一番嫌いだ!」
 あれこれきついことを言った上で、もう二度とあいつとは話をするなって念を押して、岸谷は言ってしまった。


 翌日、山寺はもう一度田中に頼みに行った。
 「田中さん、あのさ、彼氏のことで相談が・・・」
 「そんな話は聞きたくないわ」
 「どうして?私たち親友じゃん」
 「彼氏の話なんて聞きたくないわ」
 「お願い!」
 「聞きたくないわ」
 山寺は気付いた。田中があのケンカのこと、本当は許してなかったんだって。ホラー趣味にケチをつけたことを田中はずっと根に持っていたって。
 「そんなに、あの時のこと恨んでいるわけ?」
 「それだけじゃないわ。あなたが嬉しそうにする彼氏の話、どれだけ辛い思いをしながら聞いていたかわかるかしら?デートの話を聞かされるたび、私はすごくみじめな気持ちになったわ」
 そう、田中には彼氏はいなかった。内心、山寺のことが妬ましかったのだ。
 「あなたの自慢話、すごく嫌だったわ。彼氏が街中でスカウトされたとか、でも彼女と一緒にいるほうがずっと言われて嬉しかったとか、そんなことを延々と!」
 山寺は、田中がホラーの話を嬉々としてしゃべるように、以前から岸谷の話を得意げにしていたが、田中の恨みがましい気持ちに気付いてはいなかった。
 「ごめんさない!ホラー映画にもいくらでも付き合うから!だから助けてよ!もう許して!」
 「もう遅いわ」
 それっきり田中は何も答えなかった。


 彼氏の選び方や、彼氏への接し方も含めて、坂上君どう思う?


  1. かわいそう→エンディング20:壊れた友情
  2. 自業自得
  3. 答えられない


 山寺はもう我慢できなかった。だから、岸谷と別れる決意をした。
 そして、山寺は自分の考えを突き付けるため、岸谷を呼び出した。
 「私、もうあなたの彼女でいられない」
 「なんだって!」
 「もう耐えられない。ほかの男子と話すな、なんて無理に決まってるじゃん。そこまで束縛されたくないよ。だから、別れる。さよなら!」と山寺は岸谷に背を向けた。
 「そうか、やっぱりほかに好きな男ができたのか」
 この期に及んで、まだ勘違いしているの?山寺は反論するのもバカらしくなって、無視しようと決めた。
 「ほかの男に渡すくらいなら!」
 その言葉に続いて、ドスっという音が背中からした。
 振り向くと人が変わったようにすさまじい表情で睨みつける岸谷の姿が・・・
 山寺が力なくうつふせに倒れると、岸谷はさらに馬乗りになって、ナイフを振りかざした。
 「裏切者は殺してやる!」
 必死にあがこうとする山寺だったが、とても逃げることは無理だった。
 その時、山寺は、校舎の角に人影を見つけた。
 「助けて・・・」
 けど、信じられないものを見た。
 霞んでいく視界の中に映るもの、それは、ビデオカメラだった。
 口元の不気味な微笑みを浮かばせ、殺人シーンを収めようとする、悪魔のような顔の誰かが・・・
 それから間もなく、山寺は死体で見つかった。とても苦しそうな、絶望した顔で死んでいた。
 ちなみに岸谷は行方不明になった。
 この事件は山寺のクラスに衝撃を与えた。
 だけど、ただ一人、田中は悲しそうな顔を見せるわけでもなく、しかもお葬式の時に微笑んでいるのが目撃された。
 田中はそこまで、親友だったはずの山寺を恨んでいた。


 「山寺さんが殺される直前に見た、ビデオカメラを回している人物、これはたぶん田中さんじゃないのかな。というか、それしか考えられないよね。
 実はさあ、山寺さんの殺害シーンが収められビデオ、今も校内のどこかにあるっているウワサだよ。
 ねえ坂上君、次はそのビデオを探すっていう企画をやれば?これこそ最高のホラーじゃない!
 そのビデオを見たら、山寺さんの呪いがかかって自分も殺されるとか、いろいろ言われているけどね。私としては、坂上君に新聞部魂を発揮してもらってビデオを探してほしいな」


 福沢エンディング21:最高のホラービデオ

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