チラシの裏~弐位のゲーム日記
社会人ゲーマーの弐位のゲームと仕事とブログペットのことをつづった日記

 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 案内人から質問される。


 土御門晴曼の魂→送り提灯


 本所事変にて蘆乃との対決に敗れた晴曼は、法恩寺付近をさまよい、その後、残された伝説に寄せて呪影の姿形が変わった。
 送り提灯は麻由の呪影であったが、晴曼の肉体と意識に呼ばれて一時的にあの場に現れていた。


 土御門晴曼の現身→興家彰吾


 興家彰吾は一般家庭の出身だが、遠い先祖の血が隔世で強く現れたようだ。
 福永葉子も同じで、遠い祖先であった蘆乃の血が隔世で強く現れてしまっていた。


 土御門晴曼の精神→プレイヤーがゲーム最初で付けた名前


 プレイヤーは、蘇りの秘術と呪いが呼び起こされたことにより、封印から目覚めた晴曼の意識だったが、記憶を失い、己で課した使命を忘れてしまっていた。
 そこで、意識のみの晴曼を案内人が導き、ストーリーチャートによって時間と空間と、憑りつく相手を移り変えて、取り憑いた相手の行動を密かにコマンドを使って制御していったことで、今回対処すべき事態の全貌を把握することができた。
 今回の黒幕は、秘術と呪いを呼び起こした蘆乃の末裔の福永葉子だった!
 プレイヤーは、葉子を倒すことができるときに、無意識に己の呪詛を発動させていたのだ。
 ストーリーチャートで葉子が死ななかったことにすることが、あたかも秘術であるように案内人は誘導したが、これは実際に黒幕を倒さなかった場合の顛末を見せるためであった。
 興家彰吾は、主導権を晴曼(プレイヤー)が持っている間も、呪詛行使を自分の意思で発動させていた。これは、「興家彰吾が何人殺したのか」はそう意味だったのだ。
 蝶澤麻由が、晴曼(プレイヤー)の見聞きした情報を伝え聞くことができたのも、送り提灯の呪影に取り憑かれたいたため、呪影を通して聞こえたのだろう。


 福永葉子
 江戸時代の本所して、蘇りの秘術を奪おうとした蘆乃の遠い子孫にあたる。
 生まれながら強い霊感を持っており、自身の能力を活かし、今の時代に術師としての力を示すことでお家復興を果たそうと、蘆乃が達成できなかった禁忌の蘇りの秘術を復活させようと考えた。
 葉子は、禄命簿を見つけ出すと、大量の滓魂を一気に集めるために大規模な霊夜祭を本所七不思議の呪いを呼び起こす計画を立て、秘術で蘆乃を現世に蘇らせることを目論んでいた。
 呪いは人々から認知され恐れられるほど効果を増すため、新石に禄命簿を預け、噂を広めさせることにした。
 滓魂を集める役として、秘術に理解が深そうな犯罪者として根島にもコンタクトを取り、呪詛珠を得るように仕向けた。
 またその過程で、今回の計画を無効化される危険のある陰の書の存在を知り、新石に渡した禄命簿にその存在について追記しておいた。
 調査の末、吉見が晴曼の末裔であることを発見し、呪いで脅して陰の書の所在について口を割らせようとするものも、彼の強い意志により失敗。晴曼の末裔であるので、念のために呪殺した。
 呪詛珠を集めるには呪主になる必要があるため、葉子自身も害が少なそうな置いてけ堀の呪詛珠を入手。
 晴曼の末裔である彰吾も危険因子として、事前にコンタクトを取って近くに置き監視していたが、呪いが呼び起こされると同時に彰吾の中に晴曼の精神が目覚める仕掛けのことは知らず、現れた晴曼によって呪い殺され、彼女の計画は未然に阻止された。


 命をひとつ蘇らせることができるとしたら、どうしたいですか?→必要ない、破棄する


 これが本来の晴曼の意思であることを知った案内人は、選択肢になかったことを詫びる。


 ここに辿りついたということは、解除の術は発動し、秘術も呪いを消え去った。


 エンディング#6:もうひとつの結末


 興家彰吾
 午前1時
 すべてを知った彰吾は、自分が葉子を殺したことを悟る。
 そして、すべてを止めるには、今ここで葉子を殺すしかなかったことも理解する。
 「俺たちは、出会ってしまった以上はこういう結末しかなかったのだろうか。もっと違う形で出会えていたら・・・
 今夜はモスコミュールでも浴びるほど呑もう」


 志岐間春恵と櫂利飛太
 午前1時
 「どうしたんだい、マダム?」
 「夢を見ていたみたい。蘇りの秘術が本当になったっていう」
 「残念ながら、そんなものはないよ」
 「そうよね」
 「ただ、そんな術はなくとも、誘拐事件の真相は必ず僕が突き止めよう。それというのも、なんと1年越しに重要な手がかりを見つけたからだ。誘拐現場の目撃情報だと言っていい」
 「まあ」


 津詰徹生と襟尾純
 午前1時
 「おいおいおいおい、救急隊から連絡があって来てみりゃ、なんだ、こいつは!」
 「旧安田庭園での吉見の変死事件を調べていたら、区内の別の公園でまた変死体・・・これは関係があるんでしょうか」
 「う~ん」
 鑑識官「すみません。被害者の所持品にこんなものがありましたけど」
 「なんだ、これ?ボス、被害者の女性が持っていたアドレス帳に吉見肇の連絡先と写真が入っていたようです」
 「なんだと!」
 「しかも、その吉見の写真ですが、バツ印とか怪しげな模様が書き込まれていて、心臓部分には釘のような穴が開いてました」
 「なにぃ!」
 「もしかして呪いとかの類でしょうか?」
 「くそっ、やっぱりナカゴシ案件かよ」
 「なんですか、ボス?」
 「なんでもねえ。写真は証拠品として押収しておけ。俺はちょっと連絡してくる」
 「わかりました」


 逆崎約子と黒鈴ミヲ
 午前1時
 「やっぱり美智代ちゃんは事故みたいだよ」
 「うまく問いかければ、もう少し情報が得られるかもね」
 「さすがに蘇りの秘術はなさそうだけど、思ってたよりも事情に詳しい霊が来てくれた感じだね」


 新石「なぜ、何も起きない!このままでは、契約が・・・なんてこった!
 やはり、こんな禄命簿なんて信じるんじゃなかった!」


 津詰とエリオは、利飛太と春恵の目の前で、誘拐事件について岩井を任意同行しようとしている。


 津詰、エリオ、やっこ、ミヲの前で、美智代の霊に怯える並垣が自白している。


 やっことミヲは、美智代の死の真相を知り、号泣している。


 麻由は、エリオと利飛太から、吉見が葉子に殺されたことを聞かされるが、詳しい事情は津詰しか知らないようだ。
 利飛太が、吉見の家系が原因だと気づいて、調査を任せてくれ、と言い出す。


 霊感に目覚めた彰吾は、会長の行動が目に余るので忠告しにきた、と弓岡に告げる。


 岩井から根島のことを聞いた津詰は、根島に会いに行く。
 何か企んでいるのか、と聞かれた根島は、「人聞きの悪いことを、オレはただのしがない校務員、葦宮誠ですぜ。」と答える。
 そして、葦宮に娘のことを尋ねられた津詰は、ぼちぼちだ、と答える。


 FILE23をゲット!

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 弓岡の右横の呪影を調べる→彰吾には、それが何かはわからない。


 呪影を視線から外して、もう一度呪影を見ると、こっちに近づいてきているので、再度調べる→触れに行く


 新しいルートが解放!

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 隅田川で津詰はあやめと話し合っている。
 物陰にエリオ、ミヲ、やっこが隠れていて、二人の会話を聞いている。


 「直接会うのは3年ぶりくらいか。達者にいてたかよ?大学進学を決めた時にあいさつに来て以来か」
 「学費を出してもらうから一応ね。ちゃんと一人で来た?」
 「ああ、一人だよ。身代金の受け渡しをする誘拐犯みてえな呼び出し方しやがって」
 「捕まりたくないもん」
 「まさかお前の方法から、警察に電話してくるとはな」
 「こっちも会う必要があったから」
 「まあ、一個ずついこうや」


 呪詛珠のことを聞く。
 「お前、呪詛珠、持ってるんだよな?」
 「あるけど」
 「大人しく手放す気はねえか?」
 「ないよ」
 「今も呪主である俺の命を狙っているわけか?」
 「それが目的だもの。べらべらしゃべってるけど、条件を満たしたら、すぐ使うからね」


 呪詛珠のことを聞く。
 「今、いくつ持ってるんだ?」
 「3つだけど?」
 「そうか」


 呪詛珠のことを聞く。
 「渡すつもりはないよ」


 お守りのことを聞く。
 「白石美智代の持ってたお守りってのに心当たりはねえか?」
 「白石?」
 「並垣って男と車に乗って事故を起こしたときのヤツだ」
 「ああ、祐太郎くんの。あった、あった」
 「祐太郎くん!お前、あれか?やっぱりあの男とは、その、そういう関係で・・・」
 「え、別に」
 「でもあいつが言うには」
 ミヲ「話がずれてる」
 「もう会うつもりもねえなら、それでいいんだが」
 「聞きたかったのはそんなことなの?」
 「そうじゃねえ!今はお守りだ、お守り!お前が現場から持って行ったのか?」
 「これのこと?」
 「これだ!」
 「現場に落ちてたのを拾っちゃって。指紋が付いたから持って来ちゃった」
 「本当にそれだけの理由なんだな?」
 「そんな特別なものなの?」
 「ああ、必要なものなんだ。渡してもらってもいいか?」
 「何なの?」
 「今発生している七不思議の呪いを解くために必要なんだ」
 「これ渡したら、秘術が使えなくなっちゃうの?それじゃ、やだよ。渡せない」
 「うぐぐ、しまった」
 やっこ「ちょっと頼りなさ過ぎない」


 お守りのことを聞く。
 「お守り、渡してもらえねえか?」
 「やだよ、秘術がなくなると困るもん」


 秘術の願いのことを聞く。
 「お前はそこまでして蘇りの秘術で何を望んでいるんだ?」
 「どうせバカバカしいとか言って否定するに決まってるし」
 「蘇りは無理でも一緒に埋め合わせる方法を考えることはできるかもしれねえし」
 「葛飾北斎先生を蘇らせたいの」
 「あの浮世絵の?」
 「壮大でしょ」
 「そりゃ好きだとは聞いているが、何をそんな馬鹿なことを!」
 「ほら」
 「うっ」
 「浮世絵の浪漫に没頭している時間だけがわたしの拠り所だったの」
 「思ってもみなかった」
 「わたしが今も生きているのは北斎先生のおかげ」
 「そこまで追い詰めていたのかよ」
 「今さら気づくくらいだもんね」


 秘術の願いのことを聞く。
 「蘇りの秘術の話を聞いたとき、わたしの使命はこれだ、って思ったよ。これを果たしたらもういつ死んでもいいって」
 「お前、そんなことを・・・」


 人質になったことを聞く。
 「さっきは人質になったのに助けられなくてすまなかった。怪我はねえか?」
 「最初に確認するもんじゃない?普通」
 「うぐ!」
 「わたしの心配よりも自分の都合が先なんだよね」
 「面目ねえ」
 ミヲ「それはダメだよ」
 やっこ「やっちまったねえ」


 人質になったことを聞く。
 「わたしは大丈夫だよ」
 「それならよかった」


 根島史周のことを聞く。
 「根島をやったのは、お前か?」
 「だったらどうするの?かくまってくれるの?」
 「いや、それは、さすがに・・・」
 「仕事だけはマジメだもんね。わたしがやりました。
 あの男は、わたしが呪主だとは思ってもみなかったみたい。庭園に連れていかれて話してる間に、条件を踏んでたから使ってみたらいけた。まさか、発動するとは思ってなかった。
 だから、もう後には引けないの」
 「罪を重ねる前にやりなおせる!」
 「じゃあ、言い方変える。このチャンスを逃したくない」


 根島史周のことを聞く。
 「根島のヤツ、何か言ってなかったか?」
 「あなたの悪口ならたくさん言ってたけど」
 「そうだろうな」
 「だから、わたしも負けないくらい言ってやった、悪口」
 「容赦ねえな」
 「そこに関しては、少し意気投合できたかも」
 「凶悪犯だぞ!ダメな意気投合だ、それ」
 「でも、わたしも殺人犯だから、もう似たようなものじゃない?」
 「ちょっと、違うだろうがよ!」
 「違うの?」
 「違わねえな・・・」
 「ホント正直だなあ」
 「俺はよくわからねえんだが、世の父親ってのはよ、子供が罪を犯したら匿うモンなのか?」
 「さあ、そっちのが詳しいでしょ」
 「身代わりになろうとしたり隠蔽の手伝いをしたりする親は、まあ、いるな。人しては間違ってるが、親としてはそれが正しいのか?」
 「わかんない。でもそういう父親なら、もし間違いを犯したときでも相談しやすいだろうとは思うけど。何があっても親だけは自分の味方だっていう安心感?」
 「そうか、それが味方なあ。そりゃあ、俺には無理だな」
 「別にそんな期待していないし」


 根島史周のことを聞く。
 「根島は本当に何も言ってこなかったか」
 「別に」


 母親のことを聞く。
 「泰子はどうしてる?」
 「お母さん?さあ、連絡してないから。わたしもずっと一人暮らしだし。むしろそっちのほうが連絡してると思うけど」
「そういや今朝電話したな。保護するために。
 今日一日お前を探し回ってたはずだ」
 「じゃあ、元気そうだね。
 わたしが警察に電話したあと、ちゃんと連絡ついたって連絡した?」
 「あ、してねえ」
 「あーあ」


 母親のことについて聞く。
 「夜遊びが多いって聞いたぜ。あんま心配かけさすんじゃねえぞ」
 「どのクチがそれを言うんだが」


 「そっちの話は、もういいよね?わたしの話も聞いてもらえる?」
 「なんだ?」
 「隠していること、あるよね?」→ある


 「こんだけ生きてりゃ、隠し事のひとつやふたつあるだろ」
 「そういう逃げ方ね。
 じゃあ、わたしの持ってる津軽の太鼓の呪詛珠の条件を教えとくけど、これね、わたしに対しての隠し事がバレた相手を叩き殺す、というもので。つまり、わたしが知っている事実をあなたが隠したときに呪詛を行使できるんだけど。その上で、もう一度聞いてもいい?」
 「それで確認しようってのか。
 だった俺もその前にひとつ言っておくが、俺の落ち葉なき椎、こいつも実は似たような条件を持っててな。俺に対してウソをついたら、そのタイミンブで呪詛を行使できる」
 「何それ、ずるい。わたしに使う気?」
 「公人としちゃ許されねえだろうが、人の親として子供を止めるには致し方ねえ」
 「そんなことで素直にいう事聞くわけないじゃない」
 「俺も使いたかねえよ。お前がウソつかなきゃいいだけだ」
 「わたしがウソなんてついても仕方ないし。
 じゃあ聞くけど、隠したら、今度こそ本当に死ぬからね。
 わたしさ、あなたたちの本当の子供じゃないんでしょ?死産だった子供の代わりに都合よる拾われたんでしょ?本当の親が誰なのか言えないから、ずっと隠しているんだよね?」
 「・・・」
 「黙ってるのは卑怯じゃない?でも、あなたに都合悪いから言えるわけないよね。だってわたしの本当の親はさっきの・・・」
 「あやめ!言いてえことはそれだけか?だったら答えはひとつだ。よく聞け。お前は正真正銘俺たちの娘だ。それ以上でも以下でもねえ」
 「この期に及んで、まだ隠すの!なんで、このばか!」
 「ぐわあああ!!!」
 襟尾「ボス、ボス!なんで、そんな意地を!」
 「あーあ、やっちゃった。なんでそこまでして隠すのかな?」
 「おい、あやめ」
 「え!なんで?」
 「誇れ、何があろうとお前は、俺たちのかけがえのない子供だ!」
 「なんで、生きてるの?」
 「根島のヤロウに何を吹き込まれたか知らねえがよ、お前は篠じゃねえ。蘆乃なんかでもねえ。津詰家の長女津詰あやめだ。今は灯野だったか。どっちも大事なお前の本名だ」
 「馬鹿じゃないの?真実がそうじゃないってことは、呪いが証明してるんだけど」
 「確かによ、一緒に遊んだ思い出は少ねえかもしれねえ。家のことは任せっきりで、ほぼ何もしてこなかったけどよ。それでも、仕事中でも、どんなキツい現場にいてもよ、お前が元気で成長して幸せになることだけをずっと、望んできたんだぜ」
 「何言ってるの?」
 「だから、最後によ。そっちも一つだけ正直に教えてくれや。ここでウソついたら道連れだぜ」
 「やめてよ」
 「秘術のために、今回の七不思議の呪いを呼び起こした黒幕ってのは、お前じゃねえだろ?」
 「うん、そんなことできないし」
 「白石美智代のお守りを拾ったのも、ただの偶然だよな?」
 「さっきそう言ったじゃん」
 「ああ、よかった。それが聞けりゃ、大丈夫だ。お前は根島とは違う。夢想に逃げなくても、ちゃんと自分の足で生きていける。俺をいくら嫌ってもいい、無茶な願いを持つのもいい。ただ人の道だけは踏み外してくれるなよ。お前の今回の呪いの被害者なんだ」
 「・・・」
 「ひき逃げの件と呪詛行使した分は、まだちゃんと償える。逃げんなよ。お前なら絶対やりなおせる。できるはずだ。俺の子だからな。それからの人生は達者で生きろよ・・・」
 「おとうさん!あああ!!!」
 エリオ「ボス!」


 同日午後6時18分、灯野あやめの身柄を確保。
 同時に津詰徹生の死亡も確認された。
 津詰が所持していた呪詛珠5個および灯野あやめが放棄した3個については呪主を失い一時的に霊力が切れたため、その間に回収し、黒鈴ミヲが所持することで簡易的に封印。
 並びに灯野あやめの所持していたお守り・陰も回収され、こちらも黒鈴ミヲに委ねられた。
 これらにより、今回の事態によって発生し得た呪詛による大量虐殺は未然に防がれた。
 ・・・かに思えた。


 本所七不思議:津軽の太鼓
 浮世絵師の千斎翁が、孫娘から聞いた呪いや魂や蘇りの夢物語を描いたところ、お上の目にとまったが、ある日、太鼓で打たれたような無体な姿で発見された。
 本所七不思議:片葉の芦
 濡れ衣を着せられた夫の留蔵が縊死した。夫の濡れ衣を晴らそうと妻のお駒は、お上の回し者の留蔵から情報を引き出して確信を得たが、お上に訴えられると困る留蔵に、片手片足を切り落とされて死ぬ。


 午後8時台。
 襟尾とミヲは、置いてけ堀の呪主を探しに、錦糸堀公園を訪れる。(夜遅いため、やっこは家に送り返した)


 電話ボックス左の掲示板を調べて、なめどり#20を発見!
 (なめどりコンプリート!)


 「残る呪詛珠の置いてけ堀は黒幕が何者なのかも気になるけど、その心配を無くすためにもまずはそっちだよね。
 ふたつのお守りはどうだった。禄命簿:陰の書の在処はわかった?」
 「お守りの中身を二つ掛け合わせると解除できる封印が掛けられてました。中身の板切れみたいなものは封印によって小さく折りたたまれた状態の書物でした」
 「じゃあそれが陰の書ってわけか。内容はどうだった?」
 「ですが、まだその書を開けるためには、もひとつ封印を解かないといけないようで。それに手こずっているので、ちょっと手伝ってもらいたいんですけど」
 「オレに何ができるかわからないけど任せて!」
 「書物には5種類のお札が貼られて封印してありまして、それを正しい順番で剥がせは良いみたいです。
 お札の種類は、鮒、提灯、椎の葉、太鼓、芦の穂の5つなんですけど」
 「これ、もし間違えたらドカンといくやつ?」
 「やり直しになるだけです。さっき試しました。
 秘術のための呪いが解き放たれた状態でないと、解除できないような仕掛けだと思うので、今回の呪いに関係するものにヒントが隠されていると思うんですけども」


 鮒=置いてけ堀→おトキの父親の甚吉が消えて、母親の駒もいなくなり、おトキは堀に落ちて死んだ
 提灯=送り提灯→世話になった若い夫婦とその娘を全て失ってしまった陰陽師の男
 椎の葉=落葉なき椎→秘術で衆人を誑かしていた甚吉が首を括って死んだ。便乗して繁盛していた浮世絵師も死んだ。
 太鼓=津軽の太鼓→浮世絵師の千斎翁が死んだ
 芦の穂=片葉の芦→人を誑かしたを言われた夫が首を括って死んだ。その妻お駒が留蔵に殺された。


 本所事変が起きた順番は太鼓→椎の葉→芦の穂→鮒→提灯
 これと同じ順番で封印を解く!


 「これで中身が読めます」


 禄命簿・陰の書
 後世に事変の怨害による災いが起きた時のためにこの書を残す。
 災いを鎮めんとする者よ、以下の3つのものを一所に揃えよ。我が解除の術が発動し、秘術も呪詛もすべて払い去るもの也。
 一、我が魂、それすなわち、我が呪影也
 一、我が現身、それすなわち、その時代に生きし我が血統の者也
 一、我が精神、それすなわち、この晴曼自身の意識也


 本所事変
 本所の長屋で暮らす根付職人の甚吉、妻のコマ、娘のトキは、行き倒れの男を介抱する。
 男は、土御門晴曼と名乗り、蘇りの秘術を研究していた男だった。
 晴曼は、甚吉一家のためなら秘術を使っても良い、と考え、蘇らせたい者はいるか?と甚吉に尋ねるが、甚吉、礼なんか気にするな、と断る。
 晴曼は頭を何度も下げて、長屋を出て行った。


 晴曼が語った蘇りの秘術を意味を理解していなかったトキは、同じ長屋の住んでいた浮世絵師の千翁斎に物語として蘇りの秘術を語った。千翁斎はそれを浮世絵にしたところ、たいそうな評判となり、浮世絵と関連する根付を作った甚吉ともども繁盛する。


 千翁斎が大名藩邸に召し出されたが、美貌を永遠に保つため蘇りの秘術と晴曼を追う陰陽師の蘆乃の手で拷問を受け、禄命簿と甚吉一家のことを吐いた末、死亡する。


 大名家の家老は、甚吉を捕らえて蘇りの秘術と晴曼の行方を吐かそうと拷問するが、甚吉は口を閉ざしたまま死ぬ。甚吉は、蘇りの秘術をいう偽りの噂を流して民衆を惑わした罪に耐え切れず自死したことにされる。


 家老の工作を目撃していた踊り子が、真実を触れ回る。家老は踊り子を捕らえ、取引を持ちかけ、あれは作り話であったと言わせ、口封じのため膠を塗り付けたお面で窒息死させる。


 コマが甚吉の死の真相を嗅ぎまわっていたため、家老は間諜を務める浪人にコマを狙わせるが、コマの挑発に乗った浪人はコマを切り殺してしまい、切腹を命じられる。


 両親がいなくなったトキは堀に落ちて溺れ死ぬ。
 晴曼の居所が掴めず苛立った蘆乃は、役立たずの家老の屋敷に火を点けて殺す。


 甚吉一家の死を知った晴曼は、蘆乃と対峙するが、倒され禄命簿を奪われてしまう。
 晴曼は蘆乃の足に呪いをかけて殺して、息絶える。


 十分な滓魂がたまっていたため、蘇りの秘術が発動して晴曼は蘇った。
 蘆乃に奪われた禄命簿は行方知れずとなった
 晴曼は、甚吉の作った9つの根付に残った滓魂を込めて法具とした。
 そして、すべての真相を禄命簿:陰の書に記し、末裔に伝えていくことにした。


 「何が書かれてるんだい?」
 「江戸時代の本所で起きた蘇りの秘術を巡る惨事の顛末ですね。本所事変と呼ばれる内容の一部始終が明らかになりました」
 「ほかにも書かれているの?」
 「こちらが私たちが求めていた情報ですね。
 『後世に事変の怨害による災いが起きた時のためにこの書を残す』とあります」
 「予測していたんだ」
 「で、続きなんですけど。
 『災いを鎮めんとする者よ、以下の3つのものを一所に揃えよ。我が解除の術が発動し、秘術も呪詛もすべて払い去るもの也。
 一、我が魂、それすなわち、我が呪影也
 一、我が現身、それすなわち、その時代に生きし我が血統の者也
 一、我が精神、それすなわち、この晴曼自身の意識也』と書かれており、3つのものを一か所に集めれば、晴曼の解除の術が発動して、呪詛を秘術も全部打ち消してくれるみたいです」
 「おお、それだよ!」
 「魂は晴曼の呪影と書かれてますね」
 「七不思議の中に晴曼自身のものが混じっているってこと?」
 「そういえば新石先生もそんなようなことを言っていました。
 『我が呪影は我が呪詛を持つ』『我が呪詛とは呪主を滅するもの也』だそうです」
 「それがヒントなわけか」
 「それから現身は晴曼の血を引く人みたいですけど」
 「確か吉見がその晴曼って人の血筋だったんだよね?あとはお守りを持っていた白石美智代か」
 「どちらもすでにこの世にいないですね。血統はいくつも分かれたようなので、他にもいないですかね。
 『現身は我が血を受けし者でも特に霊感を持つ者が望ましい。我が血のり霊感が強い者であれば、霊に取り憑かれようとも逆にその霊の制御を自ら奪えるほどであろう』とも書かれています」
 「そんな人いたっけ?」
 「私もそういうことができる人に心当たりはないです」
 「あとは?」
 「『我が精神は蘇りの秘術の術式が彼の地で発動した際に呼び覚まされるであろう』とあります」
 「つまり?」
 「晴曼の精神は、秘術が発動した昨晩に現れて、すでにどこかの誰かに取り憑いているはず」
 「よし、呪影と末裔の人物と晴曼に取り憑かれた人物を今から探して集めればいいわけだな!」
 「はい。もしかして、そのうしろのふたつは同一人物で済むのかも」
 「それは誰か?」
 「これはやっこちゃんに取り憑いていた白石さんが記憶をなくしていたのと同じで、晴曼の意識は自分が晴曼であることに気づいていないだけで、この事実を知れは自ずと動いてくれるのでは?」
 「すると、その人はすでに?」
 「誰かこっちに来ます」
 女性「ちょっと失礼します」


 女性は葉子だった!


 「どちら様でしょうか」
 女性「わたしがさっき飲んだジュースの空き缶を1万円で買い取りませんか?」
 「え?」
 女性「今ならフライドチキンの骨も一緒に付いてくるのでお得ですよ!」
 「間に合ってます」
 女性「そんなこと言わずに!おいしいですよ!」
 「こういう場合はどうすれば・・・」
 「取り締まるほどのことじゃないし、相手してても仕方がない。場所を移そうか」
 「ごめんなさい。取り込み中なので失礼します」


 葉子が置いてけ堀の呪詛を行使!
 「くる・・しい・・・」
 「これ、呪詛の・・・」


 案内人「これにて本所七不思議にまつわる物語は終了でございます。残念ながら黒幕と呼ばれる人物のほうが一枚上手だったようですね。証拠も残さず隠れ続けていた彼女を止める方法は、おそらくないでしょう。
 ただもし、この結末がお気に召さないのであれば、あなた様の手で違う道を拓いてくださいませ。
 それではわたしくしはこれにて失礼したします」

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 午後5時台
 駒形高校


 ミヲ「こちらが蝶澤麻由さんです」
 津詰「墨田署でも捜索かけてたが、まあ無事でなによりだ」
 麻由「黙って動いて迷惑かけたね。まんまとヒハクに捕まったり、とんだヘタこいちまったよ」
 津詰「ヒハクはまだ何かやってそうだから一度徹底的に洗わねえとダメだな」
 襟尾「吉見の件ではご協力ありがとうございます。アイツの事件の真相は必ず突き止めますので!」
 麻由「あんたがエリオ刑事だね。肇から話はいつも聞いてたよ。犯人ゼッタイ捕まえとくれ」


 フェンスを調べる→なめどり#02を発見!


 麻由を調べる→奥田のところに大急ぎで行って戻ってきてくれた。


 麻由と話す。
 約子「奥田ちゃんとは会えました?」
 麻由「言われた場所で会えたよ。取り急ぎこっちの事情を説明して、肇のお守りを預かってきたよ。こいつでいいんだろう?」


 お守り・陽をゲット。


 ミヲ「これだと思います。ありがとうございます。あのう、津詰さん、これですけど」
 津詰「あんたが預かっといてくれ。どうせそのままじゃ使えねえヤツだ。ふたつ揃えたらどうすりゃいいのか解析しといてくれや」
 ミヲ「わかりました」


 麻由と話す。
 麻由「もういっこのお守りってやつの在処はわかっているのかい?」
 ミヲ「たぶん・・・」
 麻由「肇が最後にやり残した仕事だ。気合い入れて頼んだよ」
 約子「はい、わかりました」


 麻由と話す。
 麻由「あいつの家系もこれで断たれちまったね。そのお守りを継ぐ者ももういなくなっちまったわけか」


 津詰と話す。
 津詰「あんた呪詛珠を持ってるって話だが?」
 麻由「ああ、警部サンに渡しときゃいいんだっけ?ヘタな気を起こす前によろしく頼むよ」
 津詰「なるほど、こいつは送り提灯か。確かに預かった。蘇らせてやれなくて悪いな」
 麻由「気にしないどくれ。アイツもアタシも覚悟してたことさ」
 津詰「うぉ、まじか。この送り提灯の呪詛の条件、相当やべえじゃねえか」
 麻由「ヘタな気を起こすの、わかるだろう?」
 襟尾「どんなのなんです?」
 津詰「確認できるようにしておく。あとで見ておけ」
 ミヲ「これで津詰さんが回収できた呪詛珠は5個目でしたっけ?」
 津詰「そうなるな。残りの4つもさっさと回収しちまいてえが」
 ミヲ「置いてけ堀がまったくわからなくて、根島が持っていた片葉の芦も回収できてないんですね。あと津軽の太鼓もわからないのか」
 津詰「つまり呪主がまだそこらへんをうろついている可能性があるわけだ」


 ミヲに話しかける。
 ミヲ「津詰さん、さっき対策室から私のところに通達がありまして、名河越さんからじゃないですけど、事務方の人が調べてくれた情報だそうです」
 津詰「で、なんだ?」
 ミヲ「本所事変があったころ、江戸にいた陰陽師の女性で、美貌に強いこだわりを持っていて好き放題していた人物がいたそうです。足洗い屋敷の怨みの記憶の人物と合致するのかなと」
 津詰「晴曼と秘術を巡って争っていたヤツだな」
 ミヲ「その人物は蘆乃という名前だったそうです。以上です」
 津詰「役に立たねえな」
 ミヲ「でも、術師としてはかなりの力を持っていたらしく、それが相当な怨みをもって死んだわけなので、七不思議に関係する何かに怨霊として残っていた可能性もあると」
 津詰「なんだと?」
 ミヲ「それでもし蘆乃の一族の末裔のような、波長の合う人間がいたとしたら、呼び覚まされて乗り移っているかもしれないと」
 約子「前に言ってたね、霊と波長が合うと乗り移られるみたいな話」
 ミヲ「怨霊といっても完全な人格を残しているわけじゃないので、怨念とか霊力とか、そういう部分の影響が強く出てそうだけど」
 津詰「晴曼の末裔が現代にいたように、蘆乃の一族の末裔がいてもおかしくねえワケか」
 ミヲ「あ、霊夜祭」
 約子「ミヲちゃん、どういうこと?」
 ミヲ「つまり、今回呪いを呼び起こした黒幕と呼ばれた人物は、晴曼の敵だった蘆乃という陰陽師の怨霊が憑りついた人物の可能性がある、ということ」
 約子「ミヲちゃんが見れば取り憑かれているのとかすぐわかる?」
 ミヲ「やっこちゃんの意識と融合した白石さんがよくわからなかったのと同じで、一般霊なら霊気がだだ漏れだからまだよく見れば気づけるけど、上級霊が意識に融合しちゃってたらそう簡単にはわからなくて・・・」
 約子「そっか。大丈夫!なんとかなるよ!」」
 ミヲ「ありがとう・・・」


 ミヲと話す。
 ミヲ「今回の黒幕は、蘆乃という術師の怨霊に取り憑かれた女性ってことかな」
 麻由「禄命簿・陰の書を狙って肇を殺したのも、その黒幕ってヤツなのかね?」
 ミヲ「その可能性が高いと思ってます」
 麻由「そうかい、そりゃゼッタイにとっ捕まえてもらわないとね!」


 襟尾を調べる→襟尾はみんなを気遣って飲み物を持ってきてくれた。


 襟尾と話す。
 約子「葦宮のおっちゃん、取り逃がしちゃったんですか?」
 襟尾「もうそんなに広まってる?」
 約子「追い詰めたけど人質を取られて逃がしたってことまでラジオで聞きましたけど、その後どうなったんですか?」
 襟尾「まだそこまで報道されてないか。実はね・・・」
 約子「殺されてた?」
 ミヲ「しかも人質だったのが警部の娘さんで、今も行方不明?」
 襟尾「娘さんの登場は本当に突然で、警部もそれで戸惑って・・・」
 津詰「うるせえよ、あんな展開、予想つくかよ!」
 襟尾「ってわけで、今も娘さんを重要参考人として緊急手配中なので、このあとまたすぐに捜しに行かないといけないんです」
 ミヲ「それって、人質だった警部の娘さんが、根島を殺して逃げた可能性があるってことですか?」
 襟尾「もちろん可能性だけどね」
 津詰「可能性ついでにもう全部包み隠さず言うとだ、根島は呪詛珠の呪いで殺された可能性が高いんだよな」
 ミヲ「あ、もう夕方だから、霊夜祭の効果が少し戻り始めてるんだ!」
 津詰「そして、根島は呪詛珠の呪いで殺された可能性が高いわけだが」
 襟尾「ボス、同じこと言ってますよ!落ち着いてください!」
 ミヲ「それってことはつまり、警部の娘さんが呪主である可能性が高いってことじゃ・・・」
 津詰「んーよく聞こえねえな?」
 襟尾「バッチリ聞こえているじゃないですか!あるとしたら津軽の太鼓かもしれないって話までしたじゃないですか」
 津詰「そうだったっけか?」
 約子「娘さんのことになると、てんで弱いんですね」
 津詰「むぐぐ。ちと思い当たる負い目もあるんでな」


 襟尾と話す。
 襟尾「ってわけでこの話が終わったらオレたちもすぐに娘さんの捜索に向かいます。あと、もうひとつの白石美智代のお守りも娘さんが持ってる可能性が高いようなので!」
 ミヲ「そっちのためにも捜索お願いします」


 津詰「確認はこんなとこか?用件が済んだなら俺らは捜索に行くが」
 約子「いっこ思ったんですけど。ひょっとしてですけど、警部の娘さんが黒幕ってことはないですか?女性ってことですし、お守りも探してたっぽいし」
 津詰「ちょっと何言ってるかよくわからねえな・・・」
 襟尾「ボス!現実を見てください!」
 ミヲ「それだったら、津詰警部が蘆乃一族の末裔ってことじゃないと・・・」
 約子「そっか、警部は別に普通の人なんだっけ?」
 襟尾「霊への耐性が強いってのも、そのせいだったり?」
 津詰「俺がそういう陰陽師の血統だっていう話はきいたことねえな。だが、あいつが黒幕の可能性は、ある・・・。まあ、あると言えばあるが、ないと思う・・・思いてえ・・・あいつが黒幕とか、考えたくねえ、認めたくねえよ」
 襟尾「観念するならちゃんと最後までしてくださいよ」
 津詰「これは当人には何も言ってねえんで黙っててほしいんだが、実はあいつ、俺の実の娘じゃねえんだわ。20年前、赤ん坊のあいつをうちで引き取った」
 ミヲ「その子を産んだご両親が何者かはわかってるんですか?」
 津詰「わかるっちゃわかると言えるが、実はよくわからん」
 襟尾「ハッキリしてくださいよ」
 津詰「エリオ、さっき聞いてただろ?」
 襟尾「さっき?20年前って?まさか、ボス!根島史周の?」
 津詰「そういうことだ。根島史周を逮捕したときヤツの家に瀕死の赤ん坊がいたんだが、それが俺の娘、津詰あやめ。今は灯野あやめだよ」
 約子「えええ!!!」
 津詰「状況がどうであれ赤子に罪はねえ」
 襟尾「え、でも、根島が言うには、その赤ちゃんは!根島が使った黒魔術で転生したっていう、彼の伴侶だって・・・」
 ミヲ「え?」
 津詰「俺はその話はさすがに眉唾モンだと思ってるがな」
 襟尾「実は根島が言うには・・・」
 ミヲ「うわ、そんな話が・・・」
 麻由「しかしホントなのかい?」
 津詰「疑問点はいくつもある。そもそも本当に篠なんていう女がいたのかどうかも疑問だ。籍も遺体もなかったとはいえ、当時の調査でそんな女は浮上しなかったからな。仮に篠って女が実在したとしても、黒魔術の効果で赤子に転生って話も疑わしい」
 ミヲ「いくらなんでもそんな効果がある術はちょっと・・・。心霊現象にもルールはありますから。決死の黒魔術の効果が何もなかったことを認めたくないための思い込みじゃないかと」
 津詰「俺もそう踏んでる。その赤子はヤツと篠の子供で、篠の死因は妊娠・出産だった、って可能性のほうが自然だ。その篠って女がどういう出自かわからねえ以上、蘆乃の末裔の可能性は否定できねえ」
 麻由「名前は似てるけどねえ」
 襟尾「それだったらそれで、あやめさんが根島に連行されて呪いで殺したのだとすると、実の父親を、ってことに!」
 津詰「落ち着け、全部推測だ。根島が死んだ今となっては、もう調べる術がねえ。だから、何であろうと大事なことはひとつ。あいつは俺の娘だよ。あいつの責任は親である俺の責任だ」
 襟尾「わかりました」
 津詰「じゃあ、捜索に行くぜ。あいつと会って、全部ハッキリさせる」
 襟尾「はい」
 津詰「嬢ちゃんらの探すお守りも関係してる。よかったら捜すの手伝ってくれ。なんかあったら警察に電話を頼む」
 約子「わかりました」
 麻由「アタシは奥田ちゃんが心配だからそっちに行ってる。いい結果を待ってるよ」

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 今度は、春恵も呪主だと認めた後からスタート。


 父親の話をする。
 「さっき、会ったわ」
 「そうですか」
 「不器用そうな人だった」
 「はあ」
 「真面目で愛嬌がある感じで、娘さん可愛がりそうだけど」
 「やめてください。気持ち悪いので。何も知らない外の人間が、よその家庭の問題に口出さないほうがいいですよ。まあ、うちはもう他人ですが」
 「親権はなくなっても血のつながりはあるのでしょう?」
 「ないですよ、そんなの。たぶんあの人も。わたしが何も気づいていないと思ってるでしょうけど。いろいろ見てれば、あの両親と血が繋がってないことくらいわかりますから」
 「養子ってこと?」
 「気になったら調べられますよ。わたしは赤ん坊のときにもらわれて、育てられただけです。母が結婚してすぐに身籠ったひとりめの子供が、死産だったそうです。それでだいぶ心を痛めてしまったようで、見てられなかったんでしょうね。母のためにって、わたしがその子に代わって引き取られたみたいなんです。父の独断で。」
 「独断?」
 「気を利かせたつもりなんですかね。だから、誰でもよかったんです。行き場をなくした母性の受け皿になれば」
 「人ひとり育てるってのは、そんな簡単はものじゃないんだけれどね」
 「母にしても勝手に見ず知らずの赤ん坊を育てろと言われても戸惑うだけですし、そのくせ父も母任せで何の面倒も見ず。勝手ですよね、本当。母も父との距離感が掴めなくて、お互いに機嫌を探り合ってる感じで、すごく気持ち悪かった。ちぐはぐな家庭でしたよ。まあ、わたしのせいなんですけどね」
 「そんなこと」
 「不器用なのも仕事の都合もわかるけど、それを免罪符にするなって感じです。なのでわたし、早く家を出て一人暮らししたかったんです。学費や仕送りでは頼ってますけど、そのくらい当然な気もしますし、今更その程度で父親ヅラしないで欲しいですけどね」
 「それはつらい。家族全員もれなくつれない話。ごめんなさい。確かに他人がとやかく言うことじゃなさそうね」
 「うっかりべらべら話しちゃいましたね。何が条件になってるかもわからないのに。今の話が繰り拍子木の条件に関係してるんですか?」
 「さあ、どうでしょうね」


 根島の話をする。
 「根島史周はどうやって殺したの?」
 「教えないですよ」
 「私にとっても、因縁がないわけじゃない男だから。子供を誘拐された理由のひとつにあいつも関わってるし」
 「話してたら向こうがうまい具合に条件を踏んだってだけです」
 「過去の事件を反省している感じはあった?」
 「それは、なさそうでしたね」
 「そう」
 「どうしようもない男ばっかですよね」
 「それは、同意」


 根島の話をする。
 「結果的に、あなたが根島の大量殺戮を止めたとも言えるのよね」
 「それは、どうでしょうか。わたしがやらないとも限らないですよ?」
 「え?」
 「片葉の芦の呪詛珠を手に入れたんですが、この呪詛とんでもない内容です。残念ながら、自分のじゃない呪詛珠はさすがに夜にならないと使えなさそうですけど」
 「それ言って良かったの?」
 「あ、やっちゃいましたね。テヘ」


 願いの話をする。
 「あやめさんの願いは、やっぱり葛飾北斎の蘇生?」
 「はい、それより大切な命は世の中にないですから。自分のも含めて」
 「北斎が蘇るなら文字通り、死んでもいい、と?」
 「命は不等価ですよ。少なくとも、わたしにとっては。人の心を揺さぶる芸術作品を生み出せる命のなんと尊いことか。何も生み出せない自分の命に価値なんてないです」
 「過激ね」
 「若いので。でも、おばさまもそうじゃないんですか?」
 「え?」
 「自分の命よりも大切な、そしてそのほかの多くの命よりも大切な命のために頑張っているんじゃないんですか?」
 「確かに、そう。あの子を助けられるなら、私の命も、他人の命も、どうなってもいい」
 「過激ですね~」
 「人の親ですもの」
 「実の親の想いってそんなにすごいんですね」


 願いの話をする。
 「だとしたら、あなた、その願いが果たせなかった場合、今後どう生きていくの?」
 「ずっと、それを果たすために生きていくのかもしれないですね」
 「やっぱり、過激。ヒハクの会長もあなたみたいなタイプなのかもね」
 「誰ですか、それ」
 「強すぎる執念が渦巻いて妖怪変化みたいになった存在」
 「わたしもそうなるってことですか?」
 「将来が楽しみになった?」
 「そんな歳まで叶わないのつらすぎますよ。今叶えたいので」


 願いの話をする。
 「わたしが命をかけらるのは北斎先生だけですから」


  タバコの話をする。
 「あなた、タバコは吸う?」
 「まあ、少し」
 「吸いたかったらどうぞ、遠慮なく」
 「大丈夫です、この部屋灰皿なさそうですし。ここ吸わない家庭ですか?」
 「うちは珍しく誰も」
 「どうして急にそんな話を振ったんですか?」
 「さあ?」
 「ふーん」


 呪詛行使
 「呪詛使おうとしました?そっちの条件、踏んでなかったみたいですね。持ってたライターをさっきこっそり足元に捨てたのが、良かったのかな」
 「いつの間に」
 「タバコの話をしちゃったのは失敗だったと思いますよ?火種の所持、これが条件だったら、もうわたしがそっちの条件を踏むことはないですよね。おばさまは会話で探る必要なんてなかった。ただ先に呪詛を使えば良かったんです。わたし、根島の持ち物を全部持ってきたんで、ライターもその中にあったんですよ。でも、もう終わりですかね」
 「そうね」


 交渉する。
 あやめ「さて、おばさまは手の内がバレたのでもう打つ手がないと思います。そっちの探偵と力づくで抑え込むことはできるかもしれないですが、それはきっと、この探偵はやらないですよね」
 利飛太「ああ、条件が確定できないうちは、僕はそこまでのリスクは冒せない」
 春恵「意気地なし」
 あやめ「わたし、おばさまを呪い殺して滓魂を手に入れるために来たんですけど、ひとつだけ言わせてください。蘇りの秘術、もう諦めたらどうです?さっき言ってた息子さん、ですよね。蘇らせたいの。もう、充分じゃないですか。そこまで想ってもらえたら、お子さんだって満足ですよ。わたしは北斎先生が蘇るなら本当に死んでもいいんですけど、おばさまはダメでしょう?息子さんが蘇ったなら、あなたも生きなきゃダメでしょう?というか本当は一緒に生きたいんですよね?」
 春恵「ああ・・・」
 あやめ「まあ生きていくとしても、人様の命に手を掛けてまで生き返らせた自分の姿を見せて育てることになりますし、犠牲にしたすべての命の重さをまだ小さい息子さんが背負うことになりますけども、いいんですか?本当に」
 春恵「ううっ!」
 あやめ「それを考えていなかったのだとしたら、おばさまは息子さんの人生のためじゃなくて、自身のために、自分の拠り所にするために蘇らそうとしてたんじゃないですか?」
 春恵「違う」
 利飛太「マダム、冷たいことを言うようだが、彼女の言う通りだ。『息子のために何でもできる自分』をアイデンティティにしてはいけない」
 春恵「違う!違う!」
 利飛太「誘拐事件の真相は判明した、あとは時間をかけて自分の気持ちと折り合いをつけていくべきだ。そのためにできる協力は惜しまないよ。人の心に寄り添うのが探偵だからね」
 あやめ「どうします?」
 利飛太「マダム、呪詛珠を呪主に譲渡すれば、自身は呪主ではなくなる。命を狙われることはなくなる。あやめ君は見逃してくれようとしているようだ。よく考えて、返事をしたまえ」


 呪詛珠を渡す
 呪珠珠を渡さない→志岐間春恵の伝説(春恵は隠し持っていたライターであやめに火をつけてから、呪詛を行使)


 春恵「これを」
 あやめ「ありがとうございます」
 利飛太「マダム、いい判断だ」
 あやめ「本当に滓魂全然ないんですね」
 春恵「使うとしても、一度きりだと決めていた。でも、回数の問題じゃない」
 あやめ「火種か、使えるかな。じゃあ、わたしはこれで失礼します。おばさまの滓魂が獲れなくなったので、次の呪主のところに行きますね」
 利飛太「それは、誰だがかわっていて言っているのかい?」
 あやめ「さっきの話でだいたい。止めます?」
 利飛太「僕が決めることではないがね」
 あやめ「そうですよね。じゃあ電話貸してもらってもいいですか?」
 春恵「いいけど、どこに掛けるつもり?」
 あやめ「警察ですよ。直接呼び出すのが早いと思いますので」

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 あやめとの会話から


 あやめに話しかける→あなたは呪主?
 春恵「あなたは呪詛珠を持つ呪主だった、ってことね?」
 あやめ「実はわたしも持っていたのでした~。ちなみに津軽の太鼓です」
 春恵「それなのに他人の呪詛珠を狙っていたのは?」
 あやめ「だって、人殺しは良くないじゃないですか」→そうは思わない
 春恵「そうかしら?」
 あやめ「目的のためにはどんな犠牲を厭わないタイプですか?ちょっとどうでしょうか。なのでわたしは誰かが貯めた滓魂だけ使わせてもらおうと思ったんですけど、そうも言ってられなくて。みんな意気地なしで呪詛使ってくれないんです」
 利飛太「君と一緒にいた並垣青年は呪詛珠を使っていたと聞いたが?」
 あやめ「え、なんでそれ知ってるんですか?」
 利飛太「ちょっと知り合いの刑事に聞いてね」
 あやめ「でた!警察と知り合い自慢!もう警察官なんでロクな人間いないのに」
 利飛太「ずいぶん警察を嫌っているようだね」
 あやめ「おばさま、この人コワイんですけど。いちいち動きが大げさだし」
 利飛太「自己紹介もまだだったか。僕は・・・」
 あやめ「別にいいです」


 あやめと話す→あなたは呪主?
 あやめ「祐太郎くんですよね。あの人はだめですね。もうびびっちゃって、わたしが何度もけしかえてようやく恐る恐る使っただけなんですから。その上少し目を離したら、あっさり呪詛珠を手放しちゃうんですから、もうガッカリです」
 春恵「なるほど」
 あやめ「そういうわけなので、もうわたしが自分で滓魂を集めるしかないって思いました、というのが最終手段です」


 あやめと話す→自己紹介
 春恵「自己紹介しておきましょう」
 あやめ「いいんですか、わたしに教えちゃって」
 春恵「私はこの家の志岐間春恵。父と夫は警察官僚です」
 あやめ「じゃあ警察の人間が最低な人ばっかりだってわかりますよね!」
 春恵「確かに冷たい人は多いかも。特に身内に対しては。警察官の家族なら何があっても我慢して当然みたいのはよくあるし」
 あやめ「そうなんですよ!おばさまとはなんかわかり合えそうです!」
 春恵「よかった」
 利飛太「そして僕は櫂利飛太。私立探偵をやってる」
 あやめ「探偵?だからやたら探りを入れてきたりするの?」
 利飛太「どうやら何をしても嫌われる流れに入ったようだ」
 あやめ「おばさま、どうしてこんな探偵と一緒に行動してるんですか?」
 春恵「いろいろ調査をお願いしていてね」
 あやめ「なんかこっち見てるし」


 あやめと話す→自己紹介
 利飛太「ところで君の親も警察官だったりするのかい?」
 あやめ「あんなのもう父親じゃないです。名実ともに」
 春恵「穏やかじゃないのね」
 あやめ「もう戸籍上は縁を切ったのに、今日だって偉そうな割に助けてくれないし」
 利飛太「今日?」
 あやめ「今日犯人を追っていた津詰って警部?あの人です」
 利飛太「なんだって!君が津詰警部の娘さんなのか?」
 あやめ「元です元。もう他人です。父親らしいことなんて何一つしてこなかったんですから」
 利飛太「実は今日警察が追っていたあの根島という男だけど、過去に逮捕された津詰警部に怨みを晴らすため娘を狙うと言っていたらしくてね」
 あやめ「は?」
 利飛太「なので、保護するため警察がずっと君を探していたそうだ。今日、警察に追われていたというのは、それだったわけか」
 あやめ「あんな大勢で高圧的に来られたって、わからないですよ。ちょっと待って、それじゃわたし、今日のあの犯人に命を狙われていたってことですか?」
 利飛太「そうなるね。幸い無事に済んだ、というか、逆襲したようだけども」
 あやめ「だったら、正当防衛ですよね!警察の身内ってだけでこんな目に遭うなんて、たまったもんじゃないです」
 春恵「本当にね、子供にもとんだ迷惑がかかって、ごめんなさい」
 あやめ「おばさまが謝らなくても」
 春恵「つい息子と重ねちゃって」
 あやめ「何かあったんですか?」
 春恵「うちの子もね、警察への復讐が目的で誘拐されて、殺されてね」
 あやめ「ひどい!サイアク!かわいそう!そういえば去年そんな事件ありましたね。おばさまの息子さんだったんですね」


 あやめと話す→呪詛珠を使ったの?
 春恵「あなたは根島に人質として連行されてあと、庭園で呪詛珠の呪いを使って逃げた、ってこと?」
 あやめ「まあそうですね。どうにか逃げなきゃって思って」
 春恵「今、使うことができるの?呪詛為を」
 あやめ「確かに昼の間は呪詛珠が無反応になってましたけど、もう夕方ですから。試しに使ってみたら、使えちゃったみたいです」
 利飛太「なに!」
 あやめ「またチカラが弱いのか、何回も連続で行使するのは難しそうですけど、今ならもう1回くらい、いけると思いますよ」
 春恵「そうなの」
 あやめ「一応お伝えしておきますけど、もう始まってますので、ご注意くださいね」
 春恵「何が?」
 あやめ「呪詛の条件、狙ってますよ?」


 あやめと話す→あなたの呪詛の条件は?
 あやめ「そんなに動揺するということは、やっぱり呪詛珠もってますよね?おばさまも呪主ですよね?」
 あやめ「あ、それです。」
 春恵「え!」
 利飛太「条件を踏んだのか?」
 あやめ「それじゃボコボコタイムはじまりです。なんでこの期に及んで隠すんですか。呪主じゃないなら最初から来ないですよ~」
 春恵「ああああああ!!!」
 利飛太「やめろ!」
 あやめ「もう死んでますね」
 利飛太「なんということだ」
 あやめ「おばさまの呪詛珠をいただいときますね。送り拍子木の条件は着火器具か、危なかったあ。さてと、探偵さんはどうします?別に見逃してもいいんですけど、私を捕まえようとするなら、そういうわけにもいかなくなりますね」
 利飛太「あいつの条件が確定できない。仮説で動くのは危険か!」
 あやめ「依頼主はもう死んでるわけですし、探偵がわざわざわたしを捕まえる理由は、ないですよねえ?」
 利飛太「市民の務めとして君を通報することはできるが?」
 あやめ「今更正義の味方気取りですか?そっちも残魂の貯まった呪詛珠を奪おうとしてたくせに?」
 利飛太「・・・」
 あやめ「特に言い返すこともないようですので、わたしはこれで失礼しますね」


 呪主であった志岐間春恵を呪い殺したことで、灯野あやめの持つすべての呪詛珠の滓魂の合計は100%を超えた。
 しかし遠い過去に死んだ人物を蘇らせるにはより多くの滓魂が必要となるため、彼女の願いを叶えるためにはまだまだ滓魂が足りないようだ。
 なので、完全に日が暮れ、霊夜祭の効果が高まるのを待ったのち、彼女は根島史周から奪った片葉の芦の呪詛珠を用いて、個人情報を知っていてかつ自分にとってどうでもいいと思う人物から順に呪いで殺していった。
 片葉の芦の呪いの条件-その時点の顔・住所・氏名・年齢・職業・所在地のすべてを知る相手の手足を切断して失血死させる。
 その多くはこれまでに女子大生という肩書にホイホイ寄ってきた大勢の男性たちであったが、被害者の中には津詰徹生を含まれており、しかも呪主ということで早々と手にかけていたため、捜査チームが混乱し、彼女を取り逃がすことになったのだという。
 それから各所で名簿は電話帳を手に入れ個人情報を知った人物を片っ端から呪いで殺し、自宅にいると何もないのに突然手足をもがれて死ぬ、という怪死現象が全国各地で多発し社会を震撼させることとなった。


 それからしばらくして、怪死現象が治まってきたころ、現代に彗星の如く現れた天才浮世絵女性画家が話題になる。
 その人物は、謎の画狂女子を名乗り、次々の優れた作品を発表し瞬く間に名声を上げて行った。
 その技能はまさに葛飾北斎が現代に蘇ったようだ、と高い評価を得て歴史に名を残すことになったという。


 エンディング#4 灯野あやめの本懐

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 午後5時台
 志岐間邸応接間


 アナウンサー「新しい情報が入りました。本日、墨田区で大規模殺傷兵器を使用すると予告した男を移植業務妨害の容疑で手配していた事件で、容疑者の56歳男性が一般女性1名を人質に取り逃走していましたが、午後4時過ぎ区内の公園で倒れているところを捜索中の警察官が発見し、その後死亡が確認されました。現場に犯人が所持したという凶器らしきものを残っておらずその詳細は不明のままとなっています。また人質に取られていた女性の行方がわからなくなっており、現在も捜索が続けられています」
 利飛太「ニュースで報道されたということは、この情報に間違いはなさそうだね」


 あやめに話しかける。
 あやめ「わたしの言った通りですよね?」
 利飛太「今ニュースで言っていた人質の女性というのが君で、根島史周を自分の持っている呪詛珠で呪い殺したのも君、というわけか」
 あやめ「かくまってくれるというので、お言葉に甘えて来ちゃいました」
 春恵「何を考えているの?」
 あやめ「何って、そりゃもちろん、最終手段ですけど?」


 あやめに話しかける→あなたは呪主?
 春恵「あなたは呪詛珠を持つ呪主だった、ってことね?」
 あやめ「実はわたしも持っていたのでした~。ちなみに津軽の太鼓です」
 春恵「それなのに他人の呪詛珠を狙っていたのは?」
 あやめ「だって、人殺しは良くないじゃないですか」→そう思う
 春恵「そうね、生き返らせるために人を殺しちゃダメよね」
 あやめ「ですよね。しかも1対1でもないし、ちょっと割にあわないって思うんです。なのでわたしは誰かが貯めた滓魂だけ使わせてもらおうと思ったんですけど、そうも言ってられなくて。みんな意気地なしで呪詛使ってくれないんです」
 利飛太「君と一緒にいた並垣青年は呪詛珠を使っていたと聞いたが?」
 あやめ「え、なんでそれ知ってるんですか?」
 利飛太「ちょっと知り合いの刑事に聞いてね」
 あやめ「でた!警察と知り合い自慢!もう警察官なんでロクな人間いないのに」
 利飛太「ずいぶん警察を嫌っているようだね」
 あやめ「おばさま、この人コワイんですけど。いちいち動きが大げさだし」
 利飛太「自己紹介もまだだったか。僕は・・・」
 あやめ「別にいいです」


 あやめと話す→あなたは呪主?
 あやめ「祐太郎くんですよね。あの人はだめですね。もうびびっちゃって、わたしが何度もけしかえてようやく恐る恐る使っただけなんですから。その上少し目を離したら、あっさり呪詛珠を手放しちゃうんですから、もうガッカリです」
 春恵「なるほど」
 あやめ「そういうわけなので、もうわたしが自分で滓魂を集めるしかないって思いました、というのが最終手段です」


 あやめと話す→自己紹介
 春恵「自己紹介しておきましょう」
 あやめ「いいんですか、わたしに教えちゃって」
 春恵「私はこの家の志岐間春恵。父と夫は警察官僚です」
 あやめ「じゃあ警察の人間が最低な人ばっかりだってわかりますよね!」
 春恵「確かに冷たい人は多いかも。特に身内に対しては。警察官の家族なら何があっても我慢して当然みたいのはよくあるし」
 あやめ「そうなんですよ!おばさまとはなんかわかり合えそうです!」
 春恵「よかった」
 利飛太「そして僕は櫂利飛太。私立探偵をやってる」
 あやめ「探偵?だからやたら探りを入れてきたりするの?」
 利飛太「どうやら何をしても嫌われる流れに入ったようだ」
 あやめ「おばさま、どうしてこんな探偵と一緒に行動してるんですか?」
 春恵「いろいろ調査をお願いしていてね」
 あやめ「なんかこっち見てるし」


 あやめと話す→自己紹介
 利飛太「ところで君の親も警察官だったりするのかい?」
 あやめ「あんなのもう父親じゃないです。名実ともに」
 春恵「穏やかじゃないのね」
 あやめ「もう戸籍上は縁を切ったのに、今日だって偉そうな割に助けてくれないし」
 利飛太「今日?」
 あやめ「今日犯人を追っていた津詰って警部?あの人です」
 利飛太「なんだって!君が津詰警部の娘さんなのか?」
 あやめ「元です元。もう他人です。父親らしいことなんて何一つしてこなかったんですから」
 利飛太「実は今日警察が追っていたあの根島という男だけど、過去に逮捕された津詰警部に怨みを晴らすため娘を狙うと言っていたらしくてね」
 あやめ「は?」
 利飛太「なので、保護するため警察がずっと君を探していたそうだ。今日、警察に追われていたというのは、それだったわけか」
 あやめ「あんな大勢で高圧的に来られたって、わからないですよ。ちょっと待って、それじゃわたし、今日のあの犯人に命を狙われていたってことですか?」
 利飛太「そうなるね。幸い無事に済んだ、というか、逆襲したようだけども」
 あやめ「だったら、正当防衛ですよね!警察の身内ってだけでこんな目に遭うなんて、たまったもんじゃないです」
 春恵「本当にね、子供にもとんだ迷惑がかかって、ごめんなさい」
 あやめ「おばさまが謝らなくても」
 春恵「つい息子と重ねちゃって」
 あやめ「何かあったんですか?」
 春恵「うちの子もね、警察への復讐が目的で誘拐されて、殺されてね」
 あやめ「ひどい!サイアク!かわいそう!そういえば去年そんな事件ありましたね。おばさまの息子さんだったんですね」


 あやめと話す→呪詛珠を使ったの?
 春恵「あなたは根島に人質として連行されてあと、庭園で呪詛珠の呪いを使って逃げた、ってこと?」
 あやめ「まあそうですね。どうにか逃げなきゃって思って」
 春恵「今、使うことができるの?呪詛為を」
 あやめ「確かに昼の間は呪詛珠が無反応になってましたけど、もう夕方ですから。試しに使ってみたら、使えちゃったみたいです」
 利飛太「なに!」
 あやめ「またチカラが弱いのか、何回も連続で行使するのは難しそうですけど、今ならもう1回くらい、いけると思いますよ」
 春恵「そうなの」
 あやめ「一応お伝えしておきますけど、もう始まってますので、ご注意くださいね」
 春恵「何が?」
 あやめ「呪詛の条件、狙ってますよ?」


 あやめと話す→あなたの呪詛の条件は?
 あやめ「そんなに動揺するということは、やっぱり呪詛珠もってますよね?おばさまも呪主ですよね?」→はい
 春恵「ええ、そう。どうせ気づいていたのでしょうけれども」
 あやめ「そうですね、昨夜の時点で。ちょっと白々しすぎますもの。ここの住所的に、呪影は送り拍子木ですか」
 春恵「そうね」
 あやめ「呪主を殺せば滓魂がたくさん手に入るんですよ」
 春恵「知ってるけど?」
 利飛太「根島史周を呪いで殺して滓魂は手に入ったのかい?」
 あやめ「ええ、あいつの持っていた呪詛珠にもいくらか貯まってましたから。あと呪主ひとりぶんがあれが100%には、なるかと思うんです」
 春恵「呪詛珠の滓魂って合算できるの?」
 あやめ「そうです。秘術に必要なのは滓魂だけですから。どういう形であれ、必要な数さえそろっていれば、大丈夫みたいです」
 春恵「そう、じゃあ、私がそれを奪ってもいいのね?」
 あやめ「まあ、おばさまったら。やる気満々じゃないですか」
 利飛太「マダム!」


 あやめと話す→タバコの話以外を選択呪詛行使
 あやめ「え!」
 利飛太「マダム、まさか!」
 あやめ「きゃああああああ」
 利飛太「どうして!」
 春恵「今しかなかった。櫂さん、依頼料、清算してくださる?」
 利飛太「承知した」


 数日後
 「雨森少年、ちょっといいかい?」
 「呼びました?利飛太さん」
 「君は、亡くした子を喚ぶ母が隅田川に祈り蘇らせた、という伝説を知っているかい?」
 「なんです?」
 「人買いに攫われた我が子を必死に探すあわり正気を失った母が、隅田川で息子の死を知り、塚を立ててそこで祈りを続けたところ、なんとその塚から息子が蘇って現れた、という伝説だね。能の題材にもなっているものだよ」
 「それで?」
 「伝説は本当にあるんだな、と思ってね」
 「なんです、それ」


 利飛太「これはこれは、ようこそ我がオフィスへ!どうぞこちらへ!エルネスティーネ、ごあいさつは?」
 鳥の鳴き声
 利飛太「よくできたね、いいコだ。ほう、こちらの少年が例の。やあ少年、僕が探偵だ。お母さんには少し前に世話になった」
 利飛太「なんと将来は探偵を目指していると?警察官よりもオススメするよ」
 利飛太「『やめたほうがいい』とはどういうことかね、雨森少年。それよりも早くお茶をお出ししたまえ。では、改めて、今回の依頼内容をお伺いしようか」

 エンディング#3:志岐間春恵の伝説

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 午後4時台
 南割下水通り


 約子「禄命簿・陰の書ってやるを見つけろって話だけどさあ、やっぱもうちょいくらい手掛かり欲しいよね」
 ミヲ「今のところ土御門晴曼っていう陰陽師の血統がどうなってるのかから辿るしかないわけだけど、正統な系譜には載ってない人だから図書館の文献にもなかったしね」
 「ここまで収穫なしだから思い切ってここに来てみたけど」


 交差点中央を調べる→なめどり#17を発見!


 ヒハク石鹸社屋を2回調べる→行ってみよう


 当たり前のことだが、会長には合わせてもらえなかった。


 ミヲと話す。
 「ミヲちゃん、そういえばあれはどうなったの?さっき津詰警部に確認してもらったナントカさんって人」
 「やっぱり返事ないって。そもそも名河越さんにはこっちから直接は連絡できなくて、心霊対策室の伝令係に伝えたらあとは運を天に任せるしかないの。何かあるときは常に向こうから突然、しかも指令だけが来るから」
 「難儀なトコなんだねえ」


 周囲を調べる。
 ミヲ「あっちから来る人」
 約子「あの背の高い人?知ってるの?」
 ミヲ「うん、ちょっと前に。弓岡さーん!」
 弓岡「おや?」
 ミヲ「我妙堂さんのマネージャーの弓岡さんですよね。お久しぶりです」
 弓岡「黒鈴様!」
 ミヲ「奇遇ですね。こんなところで」


 弓岡と話す。
 ミヲ「どうですか、その後は?キチンと修行に励めは、もうあんなインチキしなくても済むようになりますから」
 弓岡「そこは、抜かりなく・・・」
 約子「インチキ?」


 弓岡と話す。
 「黒鈴様こそ、息災でなによりです。こちらは特に問題などありませんよ」


 ミヲと話す。
 約子「どゆこと?」
 ミヲ「前にあった現場でね、古い霊具の秘殿を守ってる一族の方から怪しい調査が来て困ってるって」
 「怪しい調査って?」
 「我妙堂垂弦っていう霊能力者さんが来て、式占で災厄の気が出たのですぐに秘殿のお祓いが必要だとかそんな感じの」
 「普通に押し込み強盗じゃない?」
 「そんな通報があって対策室経由で私が派遣されて、視てみたけど別に問題はないですよってなって追い返したっていう。で、そのとき応対してたマネージャーさんがこの人」
 「それは怪しいね」
 「なんか探し物があったらしいけど、だからってインチキはだめですよって戒めて返したんだけど。正直言うと、我妙堂さんは霊感あんまりなさそうだったから相当不機嫌になって」
 「なるほど」
 「あ、でも手広く活動してるみたいだから霊具とかには詳しいかも」


 ミヲと話す。
 「つまり、最近多いあんま信用できないタイプの霊能者だね」


 弓岡と話す。
 弓岡「用がないならばわたくしはこれで」
 ミヲ「そうだ、我妙堂さん、霊具にお詳しそうなので、ひとつお伺いしてもらえると助かるのですけど」
 弓岡「なんでしょうか」
 ミヲ「禄命簿・陰の書っていう古文書をご存じないですか?土御門晴曼っていう陰陽師の末裔の人でもいいですけど」
 弓岡「なんですと?黒鈴様、なぜ、それを?」
 ミヲ「知ってるんですか?」
 弓岡「それを追っているというからには・・・」
 女性「今度はいたいけな女子学生を拉致するつもりかい?やあ弓岡サン、またアンタに会えてアタシは嬉しいよ」
 弓岡「蝶澤麻由、なぜここに!」
 麻由「こっちの探偵サンたちに助けてもらったのさ」
 探偵の男性「ちょうど僕らもヒハクさんに用があったらかね。ご一緒させてもらってもいいかな」
 麻由「ってワケだからちょいと顔かしてもらえるかい?話によっちゃ警察沙汰にはしないどいたげるからさ。まあ断るって流れはナイよな?」
 探偵の男性「そこのお嬢さん方も無関係じゃなさそうだしよかったら一緒に来るかい?」
 ミヲ「はい」


 麻由「どうだい、壮観だろう?アンタに事情を聞きたいってヤツがこれだけ揃ってどこまで黙ってられるかね。んじゃ、観念して知ってること洗いざらい白状してもらおうかね」


 依頼人の婦人と話す。
 お互い部外者なので、邪魔しないようにしましょう、と言われ約子。


 ミヲと話す。
 ミヲ「すみません、まさか我妙堂さんがヒハクの関係者だったとはつゆ知らず。だったらお伺いしたいのですが、禄命簿を手に入れて新石先生に渡したのはヒハクの山森さんの仕業ですか?」
 弓岡「それは違います」
 ミヲ「ごめんなさい、我妙堂垂弦先生の仕業ですか?」
 弓岡「そういうことではありません。禄命簿については新石から聞いて初めて知りました。そこで山森が内容に興味を持ったので研究とその成果に対して報酬を払う契約を交わしました」
 ミヲ「じゃあ霊夜祭を起こして七不思議の呪いを呼び覚ましたのは?」
 弓岡「そちらに関してもわたくしどもは誓って関わっておりません。昨晩0時に何かが起こるということだけは新石から事前に聞いておりましたが」
 約子「そうやって言い逃れしようってのかい!」
 弓岡「暴力はいけません」
 ミヲ「待ってやっこちゃん、ダイジョブ。実はヒハクの女性が我妙堂さんだったと知った時点でそんな気はしてたの。あの人、そこまでの霊感は持ってないはずだから」
 約子「なるほど」
 弓岡「いささか屈辱的ですが、それが証明になるのならば」
 利飛太「神通力ってのはやっぱろハッタリだったのかい?」
 ミヲ「霊感はゼロじゃないとは思うけど、だったらここにいるやっこちゃんのほうが強いかな。あとは、この公園に残ってる霊力がさっきから気になってて。ここで亡くなってた人、相当強い霊感を持ってたんじゃないかな。ヒハクの関係者ならそっちの人を担ぎ上げてたほうが良かったかもね」
 弓岡「なんと、興家彰吾がそんなにも?」
 ミヲ「ともあれ、禄命簿を世に広めて霊夜祭を起こした黒幕はヒハクじゃなかった。それは間違いなさそうだね」


 ミヲと話す。
 ミヲ「禄命簿・陰の書についてもご存じなんですよね?禄命簿で蘇りの秘術の研究をしていたのなら陰の書についても調べてたはず」
 弓岡「そうですね。禄命簿だけでは滓魂の集め方がわかりませんでしたので」
 ミヲ「どこまで知ってます?土御門晴曼の末裔がどこの誰か、とか我妙堂先生の人脈で突き止めてたりしません?」
 弓岡「むむ、それは・・・」


 利飛太と話す。
 利飛太「さて、僕はこちらで持っている送り拍子木の呪詛珠を約束通り渡しに来たわけだけども」
 弓岡「それはありがとうございます。思っていたよりも義理堅い」
 利飛太「その前に、そちらで持っているっている呪詛珠について聞いてもいいかな」
 弓岡「何の話でしょう」
 利飛太「さっきの話ではヒハクさんで呪詛珠を6つ回収済みだと言っていたね。それはどの七不思議の呪詛珠なのか確認させてもらってもいいかい?」
 弓岡「なぜその必要が?」
 利飛太「もちろん信用できないからさ。本当に回収しているのなら、それがどの呪詛珠か皆の前でも挙げられるはずだが?」
 弓岡「まず置いてけ堀」
 利飛太「それから?」
 弓岡「送り提灯は、そちらの蝶澤麻由が持っていますね」
 麻由「ああそうだね。アンタがそう仕向けたわけだ。でも悪いけどみすみすアンタに渡す気なんざないよ。こいつはそっちの分として勘定しないどくれ」
 利飛太「それから?」
 弓岡「あとは新石英樹に持たせていた消えずの行灯」
 利飛太「それも実質ヒハクの手の中って認識だったわけか。これで3つだ。あとの3つは?」
 弓岡「足洗い屋敷と落葉なき椎、それから馬鹿囃子でしたか?」
 利飛太「だそうだがどうだい?マドモアゼル」
 約子「違います!その3つは津詰警部のところです!馬鹿囃子はあたしが直接渡したので間違いないです!」
 利飛太「残念だったね弓岡くん。君の言った前提が虚偽だったならば、僕が約束通り呪詛珠を渡す義理はないだろう?」
 弓岡「ぐぅ」
 利飛太「つまり、そっちにある呪詛珠は置いてけ堀のみ、ということか。となると、ここ錦糸堀公園で死んでいた青年もそれで殺した、と。自分のところの従業員に、なんともひどいことをするものだね」
 弓岡「いいえ、それは違います。正直に申しましょう。わたくしどもは呪詛珠はひとつも持っておりません」
 利飛太「なに?」
 弓岡「もちろん蘇りの秘術が必要でしたので、あらゆる方法で滓魂を集める想定でしたが、人殺しまで自分たちでやるのはあまりにもリスクが高い。あくまで、どなたかに滓魂を集めていただこうと考えておりました。ですので、わたくし自身は呪詛珠を持っていないのです。譲り受けたら、欲深い連中に回すつもりでいましたから」
 利飛太「なんだと!」
 弓岡「それに、置いてけ堀は興家彰吾が手に入れた可能性はありますが、わたしくがそれを知ったのはすぜに彼が亡くなったあとのことです」
 利飛太「この期に及んで言い逃れする気かい?」
 弓岡「信じようが信じまいが、それこそが真実です。おそらくは何者かが興家彰吾の呪詛珠を奪ってそれで彼を殺したのでしょう。置いてけ堀が今どこの誰の手にあるのかは、まったく把握できておりません」
 利飛太「では根島史周に入れ知恵して呪詛珠を手に入れさせたのもヒハクではない?」
 弓岡「根島?わたくしどもが取引しているのは岩井と新石だけですが」
 利飛太「なるほどね」
 ミヲ「あの、残りの呪詛珠の在処も掴めていないのでしょうか。あと挙がっていない津軽の太鼓については?」
 利飛太「いい質問だ、ミステリアスなマドモアゼル」
 弓岡「そちらについてもわたくしどもは把握しておりません。もう何も話すことはありません」


 利飛太と話す。
 ミヲ「あなたの持つ呪詛珠ですけど、できれば手放していただけると」
 利飛太「このような危険なものは無暗に持ち歩くものではないからね。だけど、残念ながらそれは今はできないんだ」
 ミヲ「どうしてでしょうか」
 利飛太「そちらのヒハクさんにも教えてあげよう。きっとまだ誰にも試してなかったのだろうけど、そもそも呪詛珠は普通の人には譲渡できないようなんだ。実は、さっきこちらのマダムと試してみたのだけれども、ただ呪詛珠を渡しても、やがて呪主の手元に戻ってきてしまって呪主が移ることはなかった」
 ミヲ「津詰警部はほかの呪主から呪詛珠を回収できてますが」
 利飛太「であれば、それはきっと津詰警部が呪主だったからだろう」
 ミヲ「つまり、呪詛珠の譲渡は呪主同士でのみ可能で、呪詛珠を手に入れても呪主になるわけじゃないし、呪詛も使えない?」
 利飛太「その通り。こいつは言うほど危険なシロモノかなかったわけだ。ヒハクさんがやろうとしていた呪詛珠のみを回収するという思惑も、呪主じゃなかったのなら、残念ながらそもそも不可能だったということだね」
 弓岡「くそ、新石め、そのくらい試しておけ」
 利飛太「というわけで、これはあとで津詰警部に直接渡しておくよ」
 ミヲ「それでいいと思います。ありがとうございます」


 麻由と話す。
 麻由「アタシから単刀直入で聞くけども、吉見肇をやったのはアンタらかい?」
 弓岡「それは違います」
 麻由「じゃあ誰の仕業だってんだい!」
 弓岡「そこまでは知りません。わたくしどもが吉見肇の持つ情報を狙っていたことは事実ですが、それを得る前に何者かに殺されてしまいましたからね。だからやむなく、蝶澤様をターゲットにいたしました」
 麻由「んで、アタシはまんまと吐かされた上に呪いまで受けさせられたってワケかい」
 弓岡「そうなりますね。まさか脱出するとは」
 麻由「んで、肇の持ってた情報ってありゃいったい何だったんだい?」
 弓岡「むむ」


 ミヲと話す。
 ミヲ「土御門晴曼の末裔がどこの誰か、とか我妙堂先生の人脈で突き止めてたりしません?」
 弓岡「それは・・・」
 ミヲ「じゃあ、我妙堂先生がインチキで霊感がほぼゼロだってことを世間にバラしますけど」
 弓岡「わかりました、観念しましょう。こちらで独自に調査した結果、土御門晴曼の末裔とは、吉見肇でした」
 麻由「じゃあそれが目的で肇を付け狙っていたってわけかい!」
 弓岡「ただし、吉見が持っていたのは片割れのみです」
 麻由「確かに、アイツは古文書の片割れとか言ってたね!」
 弓岡「禄命簿・陰の書の秘蔵場所は、ふたつに分けられたお守りに隠されて代々受け継がれているようなのです。ひとつは吉見肇が持っていたはずですが、きっと殺されたときに奪われてしまったことでしょう。もうひとつの在処も吉見なら把握していたかもしれないので・・・」
 麻由「それで、アイツから受け継いでいるモノについてアタシから聞き出そうとしたわけか。肇が最近面倒見てたってコが持ってた、ってやつだね」
 約子「美智代ちゃんのお守りだ!」
 弓岡「白石美智代もまた土御門晴曼の末裔だったのでしょう。父親の形見として持っていたお守りがそれだと、蝶澤の記憶を元に探りました」
 利飛太「白石美智代はすでに亡くなっていたわけか」
 弓岡「奇しくも岩井と近い関係の娘だったのでそこから探らせよとしたところ・・・」
 利飛太「岩井も死んでしまったわけか」
 約子「そのお守りふたつ集めれば!」
 ミヲ「禄命簿・陰の書の在処がわかるんだね!」


 ミヲと話す。
 ミヲ「やっこちゃん。ふたつのお守りの在処については今は黙っておこう」
 約子「わざわざ弓岡に教える必要はないか」


 麻由「さて、コイツに聞きたい話はこんなトコかね。素直に話してくれたから今日のところはこれで勘弁してやろうか、ありがとうさん、もういいよ」
 弓岡「しかし、そちらの情報も・・・」
 麻由「もう用はないよ!さっさと消えな!」
 弓岡退場。
 利飛太「じゃあ僕たちも用は済んだからこれで失礼しようか」
 ミヲ「探偵さん、呪詛珠は必ず・・・」
 利飛太「もちろん約束通り津詰警部に直接渡しておくよ。さあ帰ろうマダム!これで僕らも厄介な呪詛からは解放だ!」
 利飛太と春恵退場。
 麻由「あの探偵と夫人、気を付けたほうがいいかもね」
 ミヲ「そうですね」
 約子「なんで?」
 麻由「なんか企んでる気がするよ。アタシはただのカンだけどね」
 ミヲ「結局あの探偵さん何がしたかったのか。呪詛珠の情報を得るのが目的だったなら、ちょっとまずいかも」
 麻由「アタシも呪詛珠っての?持たされたんだけどさ。送り提灯」
 ミヲ「できれば使わずに津詰警部に渡したいんですけど」
 麻由「わかった、あとでその警部サンにあわせてくれれば渡すよ」
 約子「蝶澤姐さん!ちょっと大事なお話が!奥田瞳って子知ってますよね!」


 麻由「肇のお守りも奥田ちゃんが預かってるって!」
 ミヲ「吉見さんが事件の直前に慌てて預けてたみたいで。おそらく何か急な危機を察して、頼めたのがそのとき一緒にいた奥田さんだけだったのかと」
 麻由「そいつは面倒かけちまったね。やっぱり、肇はそのお守りを狙う何者かにやられちまったわけだ。でも預かってくれたおかげで奪われずに済んだわけだよね。奥田ちゃんには感謝しないと」
 約子「あたしたちじゃそのお守りを渡してもらうのは難しいと思うんで」
 麻由「そうかもね、肇との命を張った約束じゃ。で、アンタたちはそのお守りが必要なんだね?」
 約子「はい!」
 麻由「アタシとしてはそのお守りをエサにして、肇をやったヤツをふん捕まえてやりたいところなんだけど」
 ミヲ「お願いします。必ず黒幕は突き止めます!おそらく相手は霊術を扱える人間です。私たちに任せてください」
 約子「ゼッタイ引っ捕らえてやります!」
 麻由「いい目をしてるじゃないか。若者のそういう「やってやる!」って目にアタシは弱いんだ。じゃあ憎っくき肇の仇、あぶり出してとっちもえてくれるかい?」
 ミヲ「はい、やってやります。私これでもだいぶ怒ってますから」
 約子「肉弾攻撃が通用する相手だったらあたしがやってやります!」
 麻由「頼もしいね!じゃあアンタたちに任せるよ!じゃあ奥田ちゃんのいつって場所に行ってお守りを預かってくればいいんだね。でもお守りはもういっこ必要じゃないのかい?」
 ミヲ「白石さんが持っていたものも、だいたい見当がついているので」
 約子「そっちも津詰警部に確認ので高校に行って呼んでもらおう」
 麻由「じゃ行ってくるよ。高校で待ち合わせでいいね」
 ミヲ「よろしくお願いします!」


 春江と津詰の続きが解放!

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 灯野あやめを調べる。
 津詰「なんでアイツがこんなところに!やべっ!目が会った!逃げろ逃げろ!アイツが気づく前に早く・・・ああ、でも並垣との話を聞かねえと!」
 襟尾「ボス、どうしたんですか!そんなによそ見してたら!」
 根島「おっ!」
 津詰「しまった!逃げろ!あやめェ!!」
 あやめ「えっ!」
 根島「灯野あやめだな!会いたかったぜェ!」
 あやめ「お、おとうさん!!」
 津詰「あやめ!おい、やめろ!待て!」
 根島「こっち来い!」
 あやめ「きゃああ!痛い!やめて!」
 根島「近づくな!殺すぞ!」
 津詰「おい、やめろ!」
 根島「やめるかよ!じゃあな!!」
 襟尾「危ない!」
 津詰「あの野郎!あやめを人質に連れて道路を強引に渡っていきやがった!ぜってぇ逃がすんじゃねえ!」


 午後4時台
 本部より各局、被疑者は駒形橋での包囲を抜けて脱走。現在人質の女性1名を連れて逃走中。


 襟尾「いやあボス。これは完全にやっちまったやつですね」
 津詰「これは完全にやっちまったやつだな。俺の失態だ。網にかかるのを期待するしかねえ」
 襟尾「今度は根島の面も割れてるんで時間の問題ですよ!人質もきっと無事ですから元気を出していきましょう!」
 津詰「だといいがな」
 襟尾「にしても、さっきのコがボスの娘さんだったんですね」
 津詰「まあな」
 襟尾「朝からずっと行方が掴めなかったのに、まさかよりによってこんな場所に現れるなんてオレびっくりしました」
 津詰「とりによるにしたってちょっとよりにより過ぎてる」
 襟尾「落ち着いてください、ボス。言葉おかしいですよ。そういや並垣と一緒の車に乗ってたのってやっぱ彼女だったんですか?」
 津詰「本人に確認を取るまでは、信じねえぞ」
 襟尾「ボスともあろう人が相当こたえているじゃないですか。じゃあ寒天みつ豆でも食べて元気を出しましょうか!ボス」
 津詰「それはアリだ。こういうアタマが回んねえとりこそ脳に糖分を与えてだな」
 襟尾「すみませんボス、警邏に無線連絡が入ったみたいなんで行ってきます」
 津詰「なるほど、ぜってぇ吉報だ!」
 襟尾「ボス、おめでとうございます!根島が発見されたそうです!」
 津詰「人質は無事か?」
 襟尾「とにかく至急来てくれってことなのですぐに行きましょう!」


 午後4時28分、葦宮誠改め根島史周。
 旧安田庭園敷地内にて全身を殴打された状態で死亡しているのを発見。
 全身約110箇所に及ぶ打撲創あり。何者かによる傷害致死とみられる。
 所持品はいっさいなし。すべて持ち去られている模様。
 また人質となっていた女性は現場付近には確認できず。現在重要参考人として捜索中。

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 午後4時台


 本部より各局、仮出獄中に大量殺人の予告をした容疑で手配中の根島史周の所在地を本庁職員が発見。同被疑者は職員の訪問前に住居を脱出し現在墨田区内を逃走中。徒歩での逃走と思われるため各建造物への潜伏にも警戒し各局は男の捜索にあたれ。
 なお同被疑者は大規模な殺傷が可能とされる凶器を所持している疑いがあるため、爆発物は有毒ガスなどの可能性に厳重に警戒されたし。


 旧安田庭園


 「すみませんボス。根島の隠れ家は探り当てたものの直前で取り逃がしてしまって」
 「仕方ねえ。あちらさんも警戒してただろうしな」


 後ろを振り返り、足元の石を調べる→なめどり#09を発見!


 襟尾と話す。
 「どうしてここに来たんですか?」
 「根島の行きそうなところってんで一応な。昔捜索中にココに隠れてたことがあってよ」
 「でも、さすがに20年前と同じところに潜むなんて真似は」


 襟尾と話す。
 「そういえば手配で回ってきた根島の顔写真ですけど、仮出獄時のものだそうですが、20年前とほぼ変わってなかったですね」
 「獄中生活でどうすりゃあの体重をキープできんのか意味わかんねえけどな」
 「でもあれなら見つかればすぐにわかりそうですから助かります」
 「だがひとつ気になるのは、ここまでタイ規模に捜索して検問もしてるのにまったく引っ掛かってこねえわけだが。まさか、人相が変わったりしねえよな?」
 「でも仮出獄のときって言っても、たった半年ちょい前ですよ?」
 「半年もありゃ人相が変わるくらい体重落とせるだろ?そもそも駒形高校に勤めてて誰にも気づかれなかったくらいだし」
 だとしたら、仮出獄のときの写真で聞き込みをしても見つかりませんね」


 襟尾を話す。
 「さっきこの園内を一回りしたときは誰もいませんでしたけど、もっかい回ってみます?」
 「少し落ち着いて考えよう」


 周囲を調べる。
 「ボス、今あっちの茂みのあたりで何か聞こえませんでした?」
 「おい!誰かいんのか?ホント出た!」


 葦宮だった!
 「へえ、なんですかね」
 「お前さん、どっかで会ってねえか?」
 「イマドキそんな古い口説き文句じゃこんなオッサンすらなびかねェっすよ、旦那」
 「おっとすまねえ、思ったより身持ちの堅えヤツだったか。あんたここで何してた?」
 「仕事が休みになったんでちと休んでたんでさア」
 「ちょっと人を探してるんだが、話聞いてもいいか?」
 「へえどんなんだい?あんたみてェなダンディから追っかけられてる幸運なヤツは」
 「こちとら追いかけてばっかの人生でよ」
 襟尾「そうですよ、奥さんと娘さんにも逃げられてるくらいですからね」
 「エリオ、やめてくれ。それがいちばん効く」
 「カハハハ!そりゃ気の毒になア」
 「そうだそうだ、ちょうどそんなふうに笑うヤツを追っかけてんだわ。あんた知らねえか?」
 「いやあ、知らねェな。そんなキモチ悪い笑い方するヤツ」
 「エリオ通報だ、応援を呼べ」
 襟尾「まさか、あいつ?逃げた!」
 「待て!俺が追う!エリオは応援呼んで来い!」
 襟尾「通報は任せてください!」


 本部より各局、対象者を旧安田庭園で発見。現在駒形橋方面に逃走中。


 「エリオ、反対側に回れ!橋で挟み撃ちだ!」
 「はい!」


 銃を構えた襟尾「観念しろ!根島!橋は包囲した!もう逃げられないぞ!」
 根島「そんな物騒なモン町ん中で出すんじゃねえっての。こっち丸腰だぜ」
 津詰「お前さんは大量殺戮兵器を持ってるってことになってるからな。なんも問題ねえ。とはいえ、昼間じゃ呪詛も使えねえだろ?大人しく投降してくんねえかね」
 根島「昼間じゃ呪詛も使えねえような素人だって誰が言った?聞いてねえのか?オレが魔法使いだって」
 襟尾「まさか!黒魔術で?」
 津詰「ハッタリかますんじゃねえよ。お前さんが傾倒した西洋黒魔術と今回の呪いはまったくの別モンだ。それにもし本当なら、今日の日暮れまでわざわざ待つ必要なんざねえだろうが」
 根島「日暮れまで律儀に待つって信じてもらえるなんて嬉しいねェ。こっちも岩井がヤラれちまってもうあとがないんだわ」
 津詰「もう少し追い詰めりゃ諦めもつくな」
 根島「そしたら何するかわかんねえぜ?」
 津詰「そっちの若いのも何するかわかんねえぜ?」
 根島「え、そういうやつ?」


 根島と話す。
 根島「まずこの物騒なモンどかしてくんねえ?」


 ダメだ

 「ダメだ。そのまま話せ」
 「おいおい、いつ指にチカラ入るかもわかんねェのにか?」
 「緊張感あるだろ?俺もだ」
 「やっぱお前どうかしてるわ」


 犯行予告について聞く。
 「電話での犯行予告だが、あれ本気か?」
 「今でもやる気満々だ」
 「どうやってやるつもりだ?」
 「言わねえっつってんだろう。だが、こっちは別に日暮れまで待つ義理なんざねえってこった。あんたが嫌がるいちばん効果的な使い方をさせてもらうぜ」
 「もう十分嫌がっているんだが」
 「もっとだよもっと!」
 「欲しがり屋さんだな」


 犯行予告について聞く。
 「お前さんの大切なあっちの標的のほうもバッチリやってやるからよ、今のうちに怯えておいていいぜ」
 「させるかよ!」
 「いいねいいねェ。その表情、ンン~たまんねェなあ」


 呪いについて聞く。
 「片葉の芦の呪詛珠を持ってるのか?」
 「もちろんあるぜ、ほうら」
 「間違いねえようだな」
 「奪われないようしっかりしまっておかねえとな」
 「呪詛珠のことをどこで知った?入れ知恵したヤツがいるハズだ」
 「学校で新石の旦那に聞いただけだよ。アイツ知識をひけからしてえだけだから、感心してりゃペラペラ話してくれるぜ」
 「にしても理解が早すぎねえか?」
 「あんた、呪いと黒魔術がまったく違うって言ってたが、オレから言わせりゃ超常的なチカラを操るって意味じゃ同じようなモンだがね。この呪いのチカラがホンモノなのはあんがたよくわかってるはずだぜ?」
 「あれえ?片葉の芦の呪詛珠だけニセモノの可能性があるって聞いたが?」
 「残念ながら効果はもう実証済みだよ」
 「クソ、やってんのかよ」
 「こんなの手に入れたら試すに決まってんだろ。ただオレはちゃんと後片付けするから、すぐに見つかるようなこたあねえってだけで」
 「もしかして、夜中に学校にいた女子生徒にもちょっかい出そうとしたか?」
 「ああ、あの二人組な。ひとり妙な抵抗してきやがってなんか手こずっててよ、その間にもうひとり逃がしちまったから面倒なんで両方見逃してやってたよ」
 「その状態だと手こずるような条件なんだな」
 「条件はとっくに踏んでたんだが、あの転校生よくわからん霊的なチカラで抵抗してた感じだな。だがあのまま押してりゃ時間の問題だったと思うぜ」
 「とっくに踏んでた、か」
 「オレの呪いの条件を探って未然に防ごうってハラか。そりゃ無駄だぜ」
 「なぜ無駄だと?」
 「条件がわかったところで防げねえからだ。オレは今の時点ですでに数百人以上に呪詛を行使する条件を満たしてるぜ」
 「なんだと?」
 「もっと絶望しろよ。その中ならいつだっていけるからな」
 「それが本当なら確かに絶望モンだ。つうか対象が目の前にいなくてもいけるってのはちょっとずるくねえか?だったら昨夜の女学生はなんで学校でやろうとしたんだよ」
 「そりゃ効果がどんなもんか見たかったし、後片付けも必要だしな」


 呪いについて聞く。
 「数百人を呪う条件をすでに踏んでる?呪詛珠で格差ありすぎじゃねえ?しかもよりによってそういう呪いをあんたが引くとはな」
 「ま、オレもコレがいいって聞いただけだがね」
 「誰に聞いた?」
 「おっと、なんでもねえなんでもねえ」
 「やっぱりこの呪いについて入れ知恵したヤツがいあるな!」
 「なんのことだかサッパリだ」


 黒魔術について聞く。
 「お前さん20年前から黒魔術とやらを研究してたんだろ?そんなに簡単に呪詛に乗り換えていいのかよ」
 「でも最初に裏切ったのは黒魔術だからなア。人間やっぱ期待に応えてくれるモンに鞍替えするのは自然な流れってえもんだろ」
 「それは20年前の根島事件で蘇生の黒魔術の効果が何もなかったからか?20年目の真実に俺はビックリだ。で、今回もまた呪いで俺に嫌がらせしつつ滓魂で蘇りの秘術を使おうってわけか。根島よ、そこまでして生き返らせたい人がいるんだな?それはあの赤ん坊の母親だった女だな?お前には、伴侶となる女がいたな。で婚姻関係にはなかったが、子供ができた。だが病気だが事故だがわからねえが、赤子とお前を残して突然亡くなっちまった。お前、その女を必死に、なりふり構わず蘇らせようとしてたんじゃねえのか?今回もな、蘇りの秘術なんてえモンに多くの人が惑わされているのを見てきたがよ、自然の摂理に逆らおうとしたら、そりゃどっかに歪みは出るってもんだ。もしお前の悲しみに誰からも寄り添ってもらえなかったのが原因だってならよ・・・・」
 「カハハハハ!違えよ!バーカ!いいぜ、教えてやるよ、20年前のあの事件でオレに何があったのかをよ!」
 「なんだと!」
 「こんなオレを愛してくれた女がいたってえのはその通りでよ。名前を篠といった。故郷もハッキリしねえ流れ者の女だったが、オレにとっては天使のような存在だった。それが急な病気でよ、死ぬときはあっという間だったなア。公害病だったかもしれねえがマトモな診察を受けるカネなんざなかった。篠を失ったオレは悲観に明け暮れる日々を送った。そんなとき、露店であの魔道書を手に入れた。でもって、あの事件が蘇生の黒魔術の儀式のためだってえのもその通りだ」
 「あってんじゃねえか」
 「でもよ、その黒魔術の効果がなかったなんて誰が言った?」
 「さっき自分で『裏切られた』って言ってたじゃねえか」
 「蘇生の術ってのはそのまま生き返るんじゃなくてよ、ありゃ転生するっていう術、また生まれ変わる術だったんだ」
 「なに?おいおいおい!まさか!あの赤ん坊が?」
 「篠は蘇生の黒魔術によって赤ん坊の姿で生まれ変わりやがった」
 「そんなことが、あんのか?あの赤ん坊がその女当人だと?」
 「違う、あんな赤子、オレが好きだった篠でもなんでもねえよ!オレのことなんぞわかりゃしねえ!優しくオレを包んでくれる手も温かい声も、何一つねえんだぞ!」
 「そりゃそうだろう!赤ん坊なんだからよ!愛しい相手の生まれ変わりなんだったらちゃんとテメエで責任もって面倒みろや!」
 「そんなん納得いくかよ!生贄を何人も捕まえて何度もバラして、その結果がそんなんだぞ!あんな泣きわめくだけの赤ん坊、篠じゃねえ!優しくてあったけえオレの篠を返せよ!」
 「それで赤子を放置してたのかよ」
 「じゃあてめえは惚れた女がある日突然赤子になった現れて変わらず愛せンのかよ!何も確証持てねェだろうが!本当に当人なのか確認する方法もねェ!」
 「お前がてめえのことしか考えねえロクデナシだってのはよくわかった。それで今回は鞍替えして蘇りの秘術にすがりつこうってワケかよ」
 「今度のは違うんだろうが!ちゃんと過去に実績にある術なんだろ?」
 「また同じかもしれねえぞ?蘇りの秘術でも赤子に転生したらどうする?」
 「ぐ!信じるかよ、蘇生はホンモンだ!」


 人物リスト更新:根島史周


 黒魔術について聞く。
 「ともかく黒魔術はオレはもういいや」
 「それで信用できなくなった魔道書は岩井に譲ったってワケか」
 「アイツは利用できそうだったからな。信じ込むよううまく刷り込んだぜ」


 呪いについて聞く。
 「お前さんが呪詛珠を昼間でも使えるってのは、この場を逃れるためのウソだよな」
 「さて、どうだろうなァ」
 「この状況でお前が今すぐ呪詛を使わねえ理由はねえだろうが。ここで拘束される前にやるだろ?」
 「さすが津詰の旦那、あんたの言う通りだ。だから、もう使ったよ、数人に」
 「は?」
 「ほれほれ、行かなくていいのか?確認」
 「なんだと?いつの間に!エリオ、根島から目を離さねえまま警官を呼んで確認に出せ!」
 「オッケー、ボス。おーい、警官、誰かこっちへ!」
 「まあこのまま放っておいたらどんどん数は増えていくけどな。さアてどうする?」
 「ハッタリだろ、どうせ」



 「うらあああ!殺すぞ、若造!」
 「撃つぞ!」
 一発発射するエリオ。
 「危ね!ホントに撃つんじゃねえ!」
 「じゃ、あばよ!」
 「しまった!飛び降りやがった!逃がすんじゃねえぞ!」


 午後6時台。
 本部より各局、駒形橋での包囲を抜け脱走した被疑者は現在も逃走中。犯行予告の時間までもう間もないため、調査員を増員し隅田川周辺だけでなくいより広域に範囲を広げて捜索にあたれ。


 「すみません、ボス。完全にオレのせいです。オレがあそこでびびって発砲したから」
 「もういい、俺の責任だっつってんだろ。銃を下げさせなかったのも俺だ。川に逃げても行ける範囲なんて限られていると思ってたのも誤算だ。もしかしたら今頃、川の底でオダブツになってる可能性もあるかもしれんが、そう都合よくはいかねえだろうなあ」
 「あいつ、本当に数百人も?」
 「あの場でやったと言ってのも結局ハッタリだったわけだが、ウソであってくれと願うほかねえな」


 しかし、その後に判明した根島史周の持つ呪詛珠 片葉の芦の呪いの条件は、現在の正確な顔・住所・氏名・年齢・職業・所在地を知っている相手の手足を切断して失血死させる、というものであった。
 そのため、この日の日没とともに、駒形高校に在籍する生徒632名のうち自宅にいた377名の少年少女が、名簿の順に、片手片足が切断され激痛に叫びながら次々に失血死していった。
 この原因不明の惨劇に人々は怯え震えあがり、社会は阿鼻叫喚の大パニックとなり、やがて人々の恐怖や憶測やさらなる混乱を呼び、呪詛の存在についても誤った情報が交錯したことで、まったく関係のない事件が連鎖的に巻き起こるという手の付けようのない大混乱を巻き起こした。
 ここまでの事態を根島史周が望んでいたのかは定かではないが、津詰徹生の娘である灯野あやめもほどなくして根島の呪いによって殺害され、津詰徹生はこの重積と市民からの糾弾に耐えられず警察を辞職し逃げるように世間から姿を消すことになり、少なくても津詰徹生を追い込むといいう根島の目的はこれ以上ないレベルで達成し、それは満悦の極みであったという。


 エンディング#2 根島史周の追慕


 膨大は滓魂を集めた根島史周がその後何を願ったのかは明らかではないが、のちの情報によると根島はある女性に付き従っており、その主をこう呼んでいたという。
 「アシノ様」と。

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 志岐間邸応接間
 突然、電話が鳴り、春恵が出たが、それはファクシミリの呼び出し音だった。
 出てきた紙を春江が読む。


 「『助けて!法恩寺橋近くのヒハク石鹸の倉庫か工場に監禁されている』って。
 どうしてこんなメッセージがうちに?」
 「とりあえず行ってみよう。何もなければそれでいい」


 場所移動:法恩寺橋


 工場を調べる→利飛太の調べでは、ヒハクの廃工場とのことで、利飛太が探りを入れに行く。

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 ファクシミリを調べる→番号は63*-****


 これは、どう考えてもアタシの記憶に中にあった情報じゃない。
 やっぱり、誰かが意思を送っているのか?
 さて、この場所を伝えないといけないわけだけども、ヒハクの関連施設であること。
 おそらくは工場か倉庫。
 そして住所は、ここの付近のはず。


 蝶澤麻由の監禁されている場所はどこの近くか?→法恩寺橋


 アタシの呪影は送り提灯だった。
 であれば、ここは法恩寺橋の近くのはずだ。
 これで送ってみよう。
 ・・・受け取り側が受信してくれたから、これでメッセージは届いたはず!
 誰か、頼むよ!


 終了する。

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 場所移動:志岐間邸


 志岐間邸応接室で、ファクシミリを調べる→63*-****


 調査を終える。

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 時刻不明


 うぅ、頭が痛い。何か起こっている?


 文字を振り払う。


 頭を打ったのか・・・ひどくズキズキと痛む。
 ぼんやり見えるのは、天井か?
 背中に、冷たい床の感触。
 どうやら自分は今、あおむけに倒れているらしい。


 身体を起こす。


 身体が動かない・・・
 私は誰だ?


 思い出す。


 ぐあああっ!頭が割れそうだ!
 今のはなんだ?
 今脳裏に浮かんだ男の顔、見覚えがある気がする。


 吉見肇


 その名前には聞き覚えがある!
 今のは?私の記憶?
 吉見肇と、ずいぶんと親し気に話していたな。
 だが、最初に浮かんだイメージでは、確かに死んでいた。
 まさか、私が彼を・・・


 身体を起こす。


 身体が動く。
 頭も少しハッキリしてきた。
 私は、どうやら薄暗い倉庫のような部屋にいるようだ。
 とりあえず部屋を調べてみよう。


 スチール棚に置いてある洗剤の容器を取る。


 キャビネットを調べると南京錠でカギがかけられている。


 鏡を調べると、汚すぎて自分の姿が写らない・・・


 左のロッカーから、モップを取り出して、洗剤に浸して、洗剤付きモップをゲット。
 これで鏡の汚れを取る。


 これが私の姿か。
 けど何かしっくりこないね。何かが足らないんだ。
 ああ、自分の名前が出てこないからだ。


 思い出す。


 蝶澤麻由


 アタシの名前は蝶澤麻由で、さっき思い浮かんだ男、吉見肇、婚約者だ。
 さっきのあれが、アタシが過去に見た光景なら、肇はもう?
 あの肇がそう簡単にくたばるもんか。
 アイツのことだから、今頃血眼になってアタシを探しているだろうさ。
 こんなところとっとと抜け出して、顔見せてやらなきゃね。


 照明を調べると、点いているようだが、汚れているため全然明るくない。
 洗剤付きモップでふいてやると、少し部屋の中が明るくなる。


 デスクの下の引き出しを調べる→なめどりのシールを発見するも、記憶喪失の麻由には、それが何かはわからない・・・


 床に落ちている????を調べる→呪詛珠『送り提灯』をゲット。


 怨みの記憶が入ってきて、相手が呪主であれば対象の呪いの死に方で呪い殺せるようになった。
 呪い殺したいタイミングで呪詛行使ボタンを押す。


 本所七不思議:送り提灯


 虫の息で倒れ伏す男の表情は、後悔の念に濡れていた。
 若い夫婦とその娘、世話になった恩を仇で返してしまった。
 それもすべて陰陽師の女の仕業だ。
 それと禁忌である蘇りの秘術を紐解き、多くの不幸を招いた。
 願わくは来世に望みを託せぬだろうか。たとえこの身を失おうとも罪の償いを・・・


 攻略情報:志岐間誘拐事件まとめ


 全部思い出したよ!
 アタシがここに連れてこられた理由。
 ?誰かが話している?電話か?


 「ええ、会長。ようやく白状しました。
 頑固だったので、自白剤を限界まで。
 おや、目が覚めましたか」
 「アンタは、弓岡」
 「あなたが非協力的なのがいけないのですよ」
 「自白剤って、どういうことだ」
 「命に別状はありません。ただ記憶は思考には影響が残る可能性はありますがね」
 「そうか、アンタだね。肇を襲ったヤツは。アタシから何かを聞き出そうったって無駄だよ!」
 「もう十分です。会長への報告の途中ですので、もうしばらく休んでいてください」


 集中しろ!弓岡の顔に集中して、少しでも会話から情報を!


 「・・・の隠し場所は知らないそうです。吉見肇も、予定外でしたがどうにか。


 意識を失いそうになったら、首を左右に振れ。


 「新石から?それは予定通りに。
 岩井のほうは、もう見込みが・・・はい、早急に切って・・・
 呪いはおそらく、新石が言うには明日には。
 ここに閉じ込めておけば、きっと呪いを・・・
 はい、この女なら死んだ婚約者を蘇らせたいはず。
 ここに監禁するのでこの電話機は撤去しておきます。
 そちらはキャビネットの中なので、大丈夫かと。
 はい、カギは付け変えてあります。ちょうど当社の創業縁年が番号の・・・」


 そうだ、思い出した。
 ヒハク石鹸の弓岡は1か月ほど前にうちの美容室に現れて、店で新しいシャンプーのモニターをお願いしたいって声をかけてきた。
 それから何週間か普通にモニターのやり取りをしていたが、雑談の中でやたらアタシの婚約者について聞き出そうとしてくるのが気になっていた。
 アタシも企業さんが相手なのでなるたけ愛想良く答えちまってたけど、肇がどういう家で生まれ育ったのかとか。特殊な家柄で代々受け継いでいるものがあるんじゃないかとか。
 そしてあの晩、仕事明けに待ち合わせてが場所に来なくて、今日行くって言ってた旧安田庭園に行ってみたら、アイツが殺されているのを見つけて、ショックでそのまま逃げ去っちまって・・・
 その後アタシは話題の蘇りの秘術とやらに最後の望みをかけて、必死に本所七不思議やら何やらをひたすら調べまわっていた。
 そしたら、弓岡がまた現れた。
 しかも、肇の死について知っていることがある、なんて言ってきた。
 情報が欲しかったアタシは話に乗ったフリをするつもりが、まんまと奴の口車に乗せられて、この部屋に監禁されちまったってわけだ。
 薬を打たれて朦朧としていたアタシはそのまま放置され、昨晩0時にここで送り提灯の呪いを受けたんだ。
 薬の影響と呪いを受けたショックで気を失って、記憶が飛んじまったんだな。
 でも、これで思い出した。
 アタシを桿菌して、そして肇のことを狙ってたのは、ヒハク!


 人物リスト更新:志岐間修一、蝶澤麻由、逆崎約子


 でも、どうして肇は殺されなきゃならなかった?
 警察は危険が多いとしても、少年係のアンタがそんな企業に狙われるようなことなんて。
 ああ、思えばモニターの件もアタシを通じて肇の情報を得るためだったのか。
 ねえ、肇。アンタは、昔からなんでも笑顔で背負っちゃうタイプだけどさ、今度は、いったいどんな厄介を抱えていたってのさ。
 その秘密は、アタシにも教えられないもんだったのかい?
 いや、弓岡は、自白剤でアタシから何か情報を聞き出せたようなことを言っていた。
 アタシの記憶にある情報で、アイツの秘密に関するものがあったってこと?
 アタシは、アイツから何かを聞いていた?
 いや、なんにせよひとつ言ってやりたいのは、何ひとつだってヒハクなんかの思い通りにさせるもんか!!
 肇が隠してた秘密なら、アタシが守り通さなきゃいけないんだ。
 アイツがやり残したヤマがあるなら、アタシがケリをつけてやんなきゃいけないんだ。
 だってさ、昔から、無茶するアンタの尻拭いはアタシがやらされてきたからね。
 アンタがやることならスジはちゃんと通ってるはずだって信じてるからさ。
 このオトシマエだけはきっちりつけてもらわないとね。


 デスクの下の引き出しを開けると、肇との思い出がよみがえる麻由。
 「おーい、肇。お待たせ。今日さ、あのコは一緒じゃないの?奥田ちゃん」
 「まったく、どこほっつき歩いてんだか」
 「なーんだ。せっかく奥田ちゃんに合いそうなヘアカタログ見つけてあったのに」
 「ずいぶん気にかけてるんだな」
 「昔のアタシに似ててどうしても放っとおけなくてさ」
 「そうか?当時の眼光のお蝶に比べたら奥田なんて可愛げの塊みたいなもんだが」
 「うるさいね。あのコにゃ理解してやれるオトナが必要なの。周りが敵ばかりに見えて、なんにでも噛みつかないと自分を守れない子猫ちゃんだからね」
 「そういうモンか」
 「だからアタシが会いたがってたって伝えといてよ」
 「ああ。それはいいんだが、このあいだ遭遇した娘がちょっと厄介な感じでな」
 「おや、アンタが扱いに困るなんてよっぽどのじゃじゃ馬なのかい?」
 「いや、そういう類のともちょっと違って。いるんだよな、ああいう不運を背負っちまった子ってのがよ」
 「なんだい、そりゃ?」
 「オレが探していたお守りをあいつが持っていたとすると、父親の形見とか言ってたから、やっぱり同じ血筋なのかもな」
 「何をぶつぶつ言ってんだい」
 「ああ、いや、なんでもねえ」
 「もしかして、アンタの家系の問題に絡んでる話かい?ご先祖の残した古文書の片割れってのを持ってたのがその娘だったんだね?」
 「お前、どうしてそのことを?」
 「つうか前に酔った勢いで泣きながら自分で言ってたじゃないか。受け継ぐべき古文書の隠し場所がふたつのお守りに分けて遺されていて、最近きな臭い気配を感じられるからそれを保護しておきたい?みたいな。ま、それ以上のことは知らないし詮索しないけどさ、迷うこたぁないだろ?」
 「サンキュー麻由、おかげでスッキリしたぜ。おおそうだ!なめどりが本所に現れたんだってよ!」
 「え、何?」
 「気合の入った鳥のシールが神出鬼没に各地の町に現れるって都市伝説だよ」
 「急にはしゃいじゃって。気合の入った鳥ってなんだい?」
 「リーゼントをキメたイワゴビペンギンとかだよ。最高じゃねえ?」
 「なんだい、それ」


 そうだ、アイツは受け継がれた何かを守ってたんだ。
 それがヒハクが欲しがっていた情報なのか?


 なめどり#03を発見!


 資料より、ヒハク石鹸の創業年は1946年。
 キャビネットの南京錠の番号を合わせる→1946


 ファクシミリを発見。


 確か、紙に書いたものをそのまま同じファクシミリのある相手に送れる装置だよね。
 そうか、電話がなくてもこいつを使えば外に助けを呼べるじゃないか!
 ここの電源と電話線を繋げばきっと。
 ・・・よし電源が入った!これで宛先さえわかれば助けを呼べる。
 紙はキャビネットにたくさん入っていたので十分。
 紙に文字を書くためのペンを探さないと。
あとは、ファクシミリを送れる電話番号があれば。


 デスクの上を調べる→ペンを発見。


 ペンを調べると、事務用の油性ペンだが、ペン先は完全に固まっている。


 除光液で直せるらしい


 インクが固まったペンは除光液い浸すと使えるようになる?
 どうして急に、そんな考えが出てきたの?
 でも、今はとにかく試してみるしかない。探してみよう。


 ダンボールの中を調べる→除光液をゲット。


 除光液にペンを浸す。


 確か春恵の家にファクシミリがあったはず!
 中断して、春恵編へ。

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 午後1時台
 駒形高校


 津詰「禄命簿・陰の書なんてもんがな・・・」
 襟尾「キミたちお手柄だね!」
 約子「ありがとうございます」
 津詰「こっちも白石美智代の家で得た情報を伝えておこう」


 ミヲ「岩井という人が、黒魔術の生贄として誘拐を!え、その誘拐を、白石さんが手伝わされていたの?で、それを城之内先生に弱味として握られてたってこと?」


 白石美智代のことを話す。
 津詰「今の報告の通り、城之内や岩井が死亡していた状況を見ると、白石美智代がやった、と考えると合点がいくわけだ。しかも、白井美智代はそれに気づいてほしがっているフシすらある。」
 襟尾「そうなんですか?」
 津詰「城之内の現場に落ちていたリボンなんか、特にそうだろう。黒鈴は、もうわかっていたのか?」
 ミヲ「はい、今朝くらいから。でも、情報がまだいっこ足りなくて。でも、そろそろ限界ですよね」


 禄命簿・陰の書のことを話す。
 襟尾「その禄命簿・陰の書ってやつがあれば、今回の呪いの解除方法がわかるってこと?」
 ミヲ「はい、今回の呪いの元凶になっているのが江戸時代の本所事変と呼ばれる惨事で、その一件を案じた土御門晴曼という術師が何かの対策を仕込んでいるらしいから、呪いを鎮められる可能性は、あるかなと」
 津詰「そっちからのアプローチは黒鈴に任す。心霊対策室にも問い合わせているが、禄命簿・陰の書の捜索を最優先で頼むわ」
 ミヲ「わかりました」
 約子「どうやって探すの?」
 ミヲ「晴曼の末裔に引き継がれている可能性があるらしいけど、自覚はなさそうだからね。なんか一族の印みたいなものがあればいいけど。まずは心霊対策室を頼るしかないかな」


 西洋黒魔術のことを話す。
 襟尾「岩井や根島がやっていた西洋黒魔術は、やっぱり紛い物なの?」
 ミヲ「そこそこ知ってますけど。おかしいな、誰にも言ってないのに」
 約子「ミヲちゃん大丈夫!みんな理解してるんだよ!」
 ミヲ「うん、でも、なんか微妙」


 西洋黒魔術のことを話す。
 襟尾「西洋黒魔術の識者としての見解はどう?」
 ミヲ「その魔道書を見せてもらえれば確実だけど、その手のやつは、だいたいが300年くらい前に流行った紛い物だと思う。誰でも魔術が使えると喧伝して魔女狩りを回避するためのカモフラージュ用のやつ。デタラメだと証明しにくいようにわざと過激な生贄が必要にしてあるのも特徴だよ」


 西洋黒魔術のことを話す。
 津詰「あの黒魔術が紛い物なら、そっちの影響を警戒する必要はなさそうだな」


 黒幕のことを話す。
 津詰「今回の黒幕についてだが、いっこ思い当たるところが出てきた」
 ミヲ「さっきの岩井の話にあった、ヒハク石鹸の会長さんですよね」
 津詰「若さや蘇生のために秘術だろうが魔術だろうが片っ端から手を出している。資本もある。女の声、という新石の話とも合致する」
 襟尾「神通力を持つ女帝が黒幕というのはなんだがいかにもな感じですね」
 ミヲ「その力が本当なのかどうか、調べてみたいですね」


 黒幕のことを話す。
 津詰「ヒハクの女帝とやらは要マークだな。ちょっと本部に言って探らせておくか」


 白石美智代のことを話す。
 津詰「さて、ぼちぼち限界なら、率直に言うぜ。逆崎約子」
 約子「わたし?はい!」
 津詰「呪詛珠を出して黒鈴に渡してくれや」
 約子「ずっとポケットに入れっぱなしで特に何もしてないはずだけど?」
 ミヲ「ありがとう、ちょっと借りるね」
 津詰「どうだ?」
 ミヲ「やっぱり滓魂、少したまってる」
 約子「え!どうして?わたし、何もしないよ!信じてください!」
 ミヲ「わかっているよ」
 津詰「逆崎、ちょっと落ち着いて聞いてくれや。城之内と岩井を呪い殺したのはその馬鹿囃子の呪詛珠なのは間違いねえ。だが、それを行使したのは、逆崎約子。あんたの中にいた、白石美智代だ」
 約子「え!私の中って?」


 どういうこと!?
 約子「どういうこと!?」
 ミヲ「やっこちゃんダイジョブ。落ち着いて聞いて。やっこちゃんは、憑りつかれているの。白石さんの霊に。だぶん事故現場に花を供えたときだね。無念を抱えて彷徨っていた霊が、親友だったやっこちゃんに呼応して入り込んだ」
 約子「美智代ちゃんの霊が?」
 ミヲ「前にも説明したけど憑りつかれたからって、自我を乗っ取られることはほとんどない。普通は、意識が拒否反応を起こして体調や気分に影響が出る程度だんだけど、もともと白石さんが高い霊感を持っていたのと、やっこちゃんの精神が、親友の白石さんを受け入れたことで、意識が馴染んで混ざり合ってしまったの。今も明確に分離するのがちょっと難しくなってる。そうなると、簡単には霊を黄泉に送れないの」
 約子「混ざってるの?まったく自覚ないよ。だって、わたしはわたしだって思うし」
 ミヲ「それは混ざった白石さんの意識も、今は『自分は逆崎約子だ』と思い込んでいるからだよ。霊になって憑りついた場合でも、明確な意識は持っていなくて曖昧な記憶しかないの。それでも白石美智代としての記憶や意識は多少残っているから、普段のやっこちゃんとは性格とか言動に少し食い違いが出ていたし、影響の強いものに接したときは反応することもあった。だけどね、白石美智代として死ぬ直前まで抱えていた無念やその経緯を正しく理解しておかないと、やっこちゃんの意識と分離するのが難しくて、今まで様子見してたの、ごめん。さっき限界って言ったのは、あまりこのままにしていると、完全に融合しちゃって、絶対に分離できなくなっちゃう可能性があるの。やっこちゃんの意識が、どこまでが本当の自分のものか、わからなくなっちゃう」
 約子「何それこわい!わたしがわたしじゃなくなるってこと?」


 でも!
 約子「でも!実際には、わたしの知らないうちに美智代ちゃんが呪詛珠を使ってたんだよね?それって、すでに身体を乗っ取られてるってことなんじゃないの?」
 ミヲ「それはたぶん、呪いによる殺意の増幅効果と霊夜祭の影響だと思う。霊夜祭で霊力が高まっている状態でやっこちゃんが眠っている間に、白石さんの意識が強く表れて、身体を操っちゃったってことだと思う」
 約子「わたしが、殺したんじゃないか!呪いを使って、ふたりも!ああああ!!!」
 ミヲ「違うよ!操られているのはしょうがないよ!ですよね、警部」
 津詰「ああ、そうだな。霊障として心神喪失状態であったと認められる可能性は高いはずだ。お前さんがコントロールできるもんじゃねえ。そこは安心してくれや」
 約子「違うの!わたしも殺してやりたいって思った!きっと、その気持ちが出たの!美智代ちゃんのせいだけじゃない!美智代ちゃんが自殺じゃないって知ったときだって、周りのひどい大人たちみんな呪いで死んじゃえばいいのにって思ってたし!呪詛珠を持ってのだって、あわよくば美智代ちゃんの仇を取りたいって、思ってたし!せっかく、美智代ちゃんはつらい毎日でも、逃げ出さずにいたのに!それなのにわたしが、呪詛珠なんて持ってたから、美智代ちゃんの復讐なんてさせてしまった!黙って耐えてそれでも生きようとしていた美智代ちゃんの想いを踏みにじったんだ!わたしがさっさとやればよかったんだ!ごめんなさい、美智代ちゃん!ああああああああ!だから、これはわたしが殺したんだ!」


 美智代「やっこ!いた、いた」
 約子「おおっ、美智代ちゃん!最近あんまガッコ来ないから心配しちまったじゃないか!元気そうで良かったよ!」
 美智代「ごめんね、事情も言えず、それがずっと心残りだった」
 約子「なんだい改まって、水臭いねえ!もし美智代ちゃんを悲しませるヤツがいたらあたしが全員ぶっとばしてあげるから!」
 美智代「いつもありがとね、やっこ。実はあなたに伝えたいことがあって来たんだけど」
 約子「なんでも言って」
 美智代「あのね、私、なんの罪もない男の子にとても許されないことをした。脅されて逆らえなかったなんて、言い訳にもならない。ごめんさない。ずっと悔やんでた。弱かった私は取返しのつかない罪をたくさん犯してしまった。今更もうあの地獄から逃れる方法なんてなかった。もう限界だった。あいつらを殺して自分も死のうって本気で考えた」
 約子「え?」
 美智代「でも、その矢先に事故に遭って、真っ先に無念だったのはそれだった。あなたのおかげでそれを果たすことができたの。ありがとう。本当に迷惑かけてごめんなさい」
 約子「待って、迷惑とかはいいんだけど!」
 美智代「でも、今更気づいたの。せめて私と友達でいてくれたこと、最後の最後にこうして一緒にいれたことだけは、どうか忘れないでほしくて」
 約子「待って!美智代ちゃん!」


 約子「あれ?」
 ミヲ「大丈夫?急でごめんね、やっこちゃん」
 約子「ここ、教室?あれ?なんか夢みてた?」
 津詰「気持ちの整理がついてねえところ申し訳ねえんだが、どうしても白石美智代の証言が必要でな。もう四の五の言ってらんねえんだわ」
 ミヲ「どうすればいいのか考えた結果、やっこちゃんの中の白石さんは意識が混濁しちゃってるわけだけど、霊体として呼び出せば、ある程度意思疎通もできるんじゃないかな、ということで」
 約子「なるほど。それで、またこっくりさんを?」
 ミヲ「実は、前回に呼び出した霊って、白石さんだったんじゃないかな、と」
 約子「だとしたら、絶対やろう!声聞きたい!」
 ミヲ「昼間でうまくいくかわからないけど、やってみよう。心の準備はいい?」


 いいよ
 約子「うん、大丈夫」
 ミヲ「それじゃいくね。まずは10円玉に一緒に指を置くの」
 約子「こうだね」
 ミヲ「こっくりさん、こっくりさん。どうぞおいでください」
 約子「こっくりさん、こっくりさん。どうぞおいでください」
 ミヲ「もしおいでになられましたら、【はい】へお進みください」
 約子「おお、来たね」
 ミヲ「白石さんの霊は来てくれたのか、やっこちゃん確認してみて」


 あなたは白石美智代?
 約子「こっくりさん、こっくりさん。あなたは、白石美智代の霊ですか?」
 約子「【はい】だって!」
 ミヲ「中にはふざけて答える霊もいるから、白石さん本人じゃないとわからない質問してみて?」
 約子「こっくりさん、こっくりさん。前に、わたしと美智代ちゃんが一緒に買ったリボンはいくらだったでしょうか」
 約子「490円だからあってる!」
 ミヲ「間違いなさそうだね。じゃあやっこちゃんから質問してもらえる?」
 約子「何を聞けばいいんだっけ?」
 ミヲ「根島史周の隠れ家の場所と、お守りの在りかかな」
 約子「オッケー」


 根島史周の隠れ家は?
 約子「こっくりさん、こっくりさん。根島史周の隠れ家の場所を知ってたら教えてもらえますか。お願い!今捕まえないと大変なことになっちゃうの。恐怖を植え付けられて思い出すのも辛いだろうけど、今は美智代ちゃんだけが頼りだから。お願い!」
 ミヲ「動いた!」
 約子「これは住所だ!詳しい住所を教えてくれてる!ありがとう、美智代ちゃん」
 ミヲ「住所わかったよ!ありがとう!」
 津詰「エリオ!すぐこの住所に確認に行け!」
 襟尾「はい!本部に連絡してこの住所の一帯を家宅調査します!」


 お守りの在りかは?
 約子「こっくりさん、こっくりさん。美智代ちゃんが持っていたというお守りに、心当たりはありますか?」
 約子「やっぱりあったんだ」
 ミヲ「場所を絞り込めないかな」
 約子「こっくりさん、こっくりさん。そのお守りは肌身離さず持ち歩いていましたか?」
 約子「持ち歩いていたんだね。じゃあ、美智代ちゃんが事故に遭ったときもそのお守りを持っていたのですか?」
 約子「持ってた!」
 ミヲ「でも遺留品にお守りっぽいものはなかったって」
 津詰「現場検証するより前に誰かに持っていかれたってことか?」
 ミヲ「警察より先に白石さんが倒れていることを知ることができた人物ってこと?」
 津詰「最初に発見して通報したのは隣のマンションの管理人だな。確認しておくか?」
 ミヲ「あと考えられるとしたら、ひき逃げ犯?」
 約子「ひき逃げなんだから逃げ去ったんじゃないの?」
 ミヲ「戻ってきて確認したのかもしれない」
 津詰「だとしても通報もせず遺体をあさって、お守りだけ取っていくってのは、ちょっと考えにくいな。始めからそれを狙ってでもいねえ限り」
 ミヲ「なら狙っていた可能性は?それだけ特別なお守りなら」
 津詰「わざわざ奪い取るためにひき殺すってのはさすがにどうだろうな。だったら、衝突で落ちたお守りをうっかり拾ってそのまま持ち去った、ってほうがまだあり得るが」
 約子「ひき逃げだとしたら、その犯人は捕まえたい。さっき見せてもらったワゴン車の写真で、何か思い出したかもしれないし」
 ミヲ「一応聞いてみよっか?」


 ひき逃げ犯は?
 約子「こっくりさん、こっくりさん。美智代ちゃんをひき逃げした犯人は、知ってしますか?」
 約子「知っているんだ!」
 ミヲ「よかった。それだけわかってなかったから。実は霊を成仏させるためには、できるだけ詳しい情報が必要で。死の間際に何が起こっていたのかを、理解できてないと、彼岸に送れないの。強制的に祓うのとは違うから」
 約子「こっくりさん、こっくりさん。美智代ちゃんをひき逃げした犯人は、誰ですか?」
 約子「な、み、か、き?え、並垣!」
 津詰「なんだと!まさか並垣祐太郎?お前さんたち知ってんのか?」
 ミヲ「さっき喫茶店を出たあとに話しかけられました。呪主だった人ですよね。あ、そうか、あのときのやっこちゃんの反応はそういう」
 約子「そういえばあいつ、美智代ちゃんのことで話があるとか言ってたね」
 津詰「呪詛珠もねえのに何たくらんでやがる?」
 ミヲ「その人、両国橋の近くで待ってるって言ってました」
 津詰「あとで俺も行こう」
 約子「あいつた、美智代ちゃんを」
 ミヲ「やっこちゃん。この情報が真実なら、もういけるはず。未だ苦しみ続ける白石さんを、早く解放してあげよう」
 約子「わかった」


 お別れする
 約子「こっくりさん、こっくりさん。いや、美智代ちゃん。ありがとう、助かったよ。あのさ、家のこととか、誘拐のこととか、先生に脅かされててたこととか、何も知らなくてごめん。本当に、辛かったよね。たぶんわたしには理解できないほどつらい毎日だったんだと思う。そりゃ復讐したかったろうよ!他人のわたしでも思うもん!もうさ、取返しのつかないことばっかりになっちゃったけど、本当のことを知れて良かった。美智代ちゃんに言いたいことは山ほどあるけど、もういいや。最後にひとつだけ聞かせて。またわたしと一緒に遊んでもらえますか?」
 約子「いいの?やった!約束ね!」
 ミヲ「じゃあ、これで必要なことは聞けた?」
 約子「うん」
 ミヲ「じゃあ、このまま白石さんの魂、送り出すね」
 約子「うん、お別れだ。美智代ちゃん、これでやっと解放してあげられるんだね」
 ミヲ「やっこちゃんが最初に熱心の主張していた通り、ただの自殺で終わらせずに済んで、ホントよかったね」
 約子「うん、そうだね。まさか、ここまで辛い事情があったなんて思わなかったけど」
 ミヲ「ううっ、ごめん。だって、なんか白石さんが、本当に、大人たちにメチャクチャ踏みにじられてもずっと一人で耐えてたのに。もっと勇気を出して、私も声かければよかった!」
 約子「ありがとうねミヲちゃん。わたしも、できることがあったと思うとすごく悔しいし、胸が苦しい。どうして、真面目に精一杯生きていた子がここまで思いつめないといけないんだろう。最後の最後まで不運に見舞われて、残酷すぎるよね。でも、だからってさ、事情をわたしにも黙っていたことと、生きることより復讐に走ったことは、やっぱり許せないかな!ああああ!!!なにやってんのさあ!ほんとにもうっ!そんなにあたしが頼りにならないのかよ!復讐したきゃいくでも手伝うに決まってるだろ!馬鹿!あたしはどんな美智代でも生きてて、生き返ってほしかったんだよ!その責任は、しょうがないからあたしが抱えておくけどさ。いつかあの世とかで再会したら、一発ひっぱたいてやんなきゃ!あんたがホントの大馬鹿囃子だ!とかって。遊ぶのはそれから」
 ミヲ「ふふっ、そっか。じゃあ送るね」
 約子「待って!見て。コインが【いいえ】に」
 ミヲ「いつの間に。まだ心残りがあるのかな。白石さんからの願い、何か心当たりない?」



 「最後の最後にこうして一緒にいれたことだけはどうか、忘れないでほしくて」


 約子「なんか言われた気がする。『忘れないで』って」
 ミヲ「そっか、じゃあ。この声が聞こえていたら、彼女のことを忘れない、という気持ちを行動で示してあげて」


 手動セーブする


 美智代「ありがとう。でも、ひっぱたかれるのはやだから、あなたは長生きしてね、やっこ。またね」


 場所移動:両国橋

 ミヲ「やっこちゃん、具合ダイジョブ?」
 約子「今は妙にスッキリしているよ。やっぱ自分が自分はなかったような、ヘンな感じがあったんだねえ。意識の一部に自分じゃ関与できない領域があった、みたいな?」
 ミヲ「無事に戻って良かった」
 約子「美智代ちゃん、これで成仏できたのかな?」
 ミヲ「そこはダイジョブ。やっこちゃんに事情を伝えられないまま疎遠になってたことが心残りだったみたいだから」
 約子「じゃ、そこはヨシとしなきゃね。でも、まだなんか、こう、心の中がスッキリしないんだよね。なんなんだろう、これ。まだ一部抜けきってないって感じ?」
 ミヲ「後遺症かな。もしかして、呪詛珠を津詰警部に渡しちゃったから?」
 津詰「別に呪詛珠を持ってりゃ血行が良くなるとかそんな効果はねえからな」
 約子「でも呪い4つ持ちは肩凝りそうだね!」
 津詰「急に性格変わりすぎじゃねえか?それより、いいのか、ホントに。今回の件が片付いたら逮捕しろってのは。お前さんの場合は霊災、事故として処理できるかもしれねえんだが」
 約子「いいんだよ!あたりも呪詛珠を使って呪い殺した人と同じように扱っとくれ!むしろ片が付くまでお目こごししてもらっちゃってあんがとね!」


 午後2時台
 両国橋


 並垣「刑事まで一緒なんてそんな話聞いてないぞ!」
 津詰「悪いが、あんたの都合を聞いてる余裕も無くてよ。呪主でもなくなったあんたが、この嬢ちゃん方に何の用だったんだ?言っておくが、こいつらの持ってた呪詛珠は俺が預かったぜ」


 津詰の右下に、なめどり#11を発見!


 並垣と話す
 「きみたちが、もし白石美智代を蘇らせるつもりなら協力したい、って話だ。もともと、呪詛珠を手に入れたときからぼくはそのつもりだったからね」
 「もともとで言ったら呪詛珠を使わせねえっての。あんた。白石美智代とはどういう関係あんんだ?」
 「彼女とはちょっとした縁があってね。先日の彼女の不幸な報せにはとても心を痛めたものだよ」
 「なるほどな。そりゃつらい出来事だったろうがよ。死者を蘇らせれば、ひき逃げがなくなったことになると思ったか?」
 「な!何を言ってるんだかちょっと意味がわからないな」


 並垣と話す
 「ちょいと話を聞かせてもらいてえんだわ。免許は取ったばかりか?血痕のあるワゴン車が見つかっててよ、所有者を割り出すのも、時間の問題なんだがね」
 「な、なんのことだ!」
 「あと白石美智代との接点っての、もっと詳しく教えてもらってもいいかい?つうかお前よ、呪詛珠でひとりやってやがったよな?」
 「やめろ、近づくな!くそっ、わかった、観念する。ああ、ぼくはもうおしまいだ!」


 その後並垣青年が自供した内容によると、白石美智代をワゴン車でひき逃げしたのは彼で間違いないとのことだった。
 知り合いの女性を乗せてちょっといい気になってスピードを出し過ぎた、というのが彼の言い分だった。
 女学生にぶつかってそのまま逃げ去ったあと人目につかないところで慌てて車体を洗い、真っ先に証拠隠滅を図ったが、その後同乗していた女性に促され怖くなって一度確認に戻ったらしい。
 ただ現場の近くまで戻ったものの被害者の確認に行ったのは同乗の女性だけで、彼は車の中で震えていたのだという。
 やがて戻ってきた女性が言うには、遺体はちょうど飛び降り自殺にも見えたからこのまま放っとけばひき逃げだと気づかれないかも、とのことだった。
 その後、女性とは別れ夜中のうちの車を山奥に運んで投棄。
 ふたりはこの事故のことは隠し通そうと決めた。
 翌朝になって白石美智代の遺体が発見されたが、うまい具合に飛び降り自殺として処理された。
 しかし、彼の心には闇が残った。
 その日から毎日、血まみれで手足の折れた女学生が恨みがましく彼の前に現れる夢を見るようになったのだ。
 起きている間も、暗がりに遺体の幻を見たり恨みがましいうめき声が聞こえたりして、四六時中自分を責め立てる。
 そんな幻聴幻覚に悩まされ、ほんの数日でノイローゼになった。
 このまま隠し通すことにも限界を感じ自首しようとも考えたが、それは同乗したいた女性に強く止められた。
 そんなとき、蘇りの秘術のウワサを聞いた。
 彼は女学生を蘇らせることができれば、この事故をなかったことにできると考えた。
 その夜から毎晩、本所七不思議に関連する場所をひたすら探し回り、そして彼は足洗い屋敷の呪いを受けた。


 「なるほどな」
 「僕は悪くない。自首しようと思ったんだ!でもあの女が唆したから!」
 「あんたの行動が悪くないのかどうかな、嬢ちゃんたちの引きっぷりを見てもらうとして、ひとつ確認してえんだが。白石美智代が事故当時に持っていたはずのお守りに、心当たりねえか?」
 「なんだ、それは?」
 「そうか、知らねえか。だったら同乗してたって女だな。そいつにも聞いてもらえるか?」
 「どれもこれもあいつのせいなんだ」
 「過失運転致死を起こした車に同乗してたってだけならそいつに罪はねえんだが、今の話だと完全に救護義務違反および報告義務違反教唆でアウトなんだわ。現場から遺留品を持ち去ったなら窃盗も含むんで、そいつがどこの誰かを教えてもらえないかね」
 「あんな女こそ煮るなり焼くなり好きにすればいいんだ。そいつの名前は灯野あやめ、町で知り合った美大生だよ」
 「なんだと!おいおいおい!本当か、それは!」
 「なんだ、刑事さん知っている子かい?あれは、すました顔して悪い女だ。まったくどんな育ち方したんだが」
 「うるせぇ!あああ。いやいやいや、待て待て待て!なんなんだ、どうなってやがる!おい、俺はコイツを連れて今から署で詳しい話を聞く!お前らは禄命簿・陰の書の捜索を続けてくれ、いいな!」


 津詰と約子の続きが解放!

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 午後1時台
 駒形高校


 「ちょうど今、墨田署のほうから連絡がありました!」
 「今度は何の件だ」
 「千葉の山奥で事故の形跡のあるワゴン車が放置されているのが発見されたそうです。車体からは指紋は検出されませんでしたが、前面の破損部から血痕反応がありまして、その血液型が白石美智代のものと一致したそうです」
 「つまり、そいつが白石美智代をひき逃げした車かもしれないと」
 「はい、これは吉見からの依頼で調査が行われていたものですね。ナンバープレートが外され久車台番号も削り取られていたため所有者の特定に時間がかかってます。今は当時の事故現場と発見現場の間で車の目撃情報がないか調査が行われています」
 「報告ありがとよ」


 右下に、なめどり#15を発見!


 襟尾に話しかける。
 「白石美智代の死因が車の衝突だったとして、これは本当に事故なんですかね」
 「俺も気になってた」
 「衝突の勢いからも相当なスピードだったと思われますが現場にはブレーキ痕がありませんでした」
 「ああ、意図的に白石美智代を狙ってひき殺した可能性もあるだろうな。だとしたらその動機はなんだ?」
 「まず考えられるのは、犯行の秘密を白石美智代に握られている岩井官吉郎。あるいは弱みにつけこんで好き放題した高校教師の城之内耕平。」
 「そうだな。思えば、そのふたりとも白石美智代の呪いの餌食に遭っているわけか」
 「だとしたら、白石美智代は、自身をひき逃げした犯人に対しても呪いで復讐する可能性があったりします?」
 「そうだな。岩井みたいにもう昨晩のうちにやっちまってる可能性もあるが」
 「あとは、それ以外に動機として考えられるものといえば?」
 「お守りか?吉見が探してたってやつ」
 「あ!お守りを奪い取るためにですか?」
 「実際、持っていたというお守りは遺留品にも自宅にもなかったぞ」
 「奪い取るだけならそこまでしなくても、という気がしちゃいますけどね」
 「でなければ、本当にただの不運な事故だったか」
 「結局そうかもしれないです」


 襟尾に話しかける。
 「今オレたちがやるべきことは、白石美智代から証言を得ることです」
 「まさか本当にそんな展開になるとはな。しかし、そううまくいくかどうか」
 「いずれにせよ、黒鈴さんたちが来てくれないとお話になりませんけどね」
 「なるべく今の状態のまま来てもらいたいてえところだが、しばらく中で待ってみるか」
 「そうですね」


 襟尾に話しかける。
 「ちょっと聞きてえんだがな」
 「オッケー、ボス!昨日の夕食が思い出せないとかですか?」
 「あっちで現場の調査員の持っているペンが書けなくなってて困っているみたいでよ。お前、替えのペンを持ってたら貸してやってくれや。それから昨日の俺の夕飯はカツ丼だ」
 「いやあ、さすがにいつでもペンを持ち歩いているほど頭脳派じゃないです、オレ。あ、でも書けなくなったペンって除光液があれば復活させられますよ」
 「除光液って?」
 「マニキュアを落とすために溶剤ですけど?使いませんか?」
 「使わねえなあ。お前も使ったことねえだろ」
 「いや、実は除光液って油性インクの染み抜きにも使えるんですよ。だから固まって使えなくなったペンを浸してやればあっという間に復活するってわけですよ」
 「ほう、すげえな」
 「ただ、その除光液はインクが混じって使えなくなっちゃいますけどね」
 「それダメじゃねえの?」
 「別にオレ今除光液持ってないんで」
 「大丈夫じゃねえな」
 「つまりペンはほかを当たってください」
 「じゃ伝えとくわ」


 場所移動で、逆崎約子の続きが解放!

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 午後1時台
 志岐間邸応接室


 「本日昼頃、墨田区の白石稔子さんの自宅で新たに男性の遺体が発見されました。遺体は白石さんと内縁の関係にあった岩井官吉郎さんと見られ、警察は本所地区を中心に発生している一連の連続怪死事件と関連があるとみて調査を進めています。また現場からは岩井氏が昨年の男児誘拐殺害事件にかかわっていたとされる証拠品も出てきており・・・」とテレビでは放送されている。
 テレビを消した利飛太が、これからの話をしよう、と言ってきた。


 利飛太と、誘拐事件のことを話す。
 「公式発表があったということは、岩井の手記の内容は真実性が高かったようだね。誘拐犯も共犯の少女も死んでいるが、あとは警察が処理していくれるはずだ。」
 「終わってみれば、お粗末な事件。あの手記がなければ分からなかったのに」
 「根島事件もそうだが、こんなふうに、運良く発覚した事件に触れると、その裏でどれだけ発覚していない事件があるかわからなくてぞっとするね」
 「そうね。怖い話」


 利飛太と誘拐事件のことを話す。
 「では誘拐事件は完了で僕らの目的としては蘇りの秘術に注力ってことでよろしいかな?」
 「ええ、お願い」


 利飛太と残りの呪主のことを話す。
 「じゃあ、呪いの状況を確認しよう」
 「ええ」
 「だいぶ呪主たちの状況がわかった」
 「私が呪主だということは、気づかれてないのよね?」
 「襟尾だけなら気づかれないと思うが、あの警部はちょっと油断できない。気づかれたら回収されるだろうから今後も注意しておこう」
 「そうね」
 「呪詛珠を奪うにしても、呪主であるということが必要かもしれないので、引き続きマダムには呪詛珠を持っていてもらいたいけどいいかな?」
 「ええ」
 「もちろん呪詛は使わずに」
 「わかったわ」


 利飛太と残りの呪主のことを話す。
 「話によると、呪主はあと3人がまだ所在不明。置いてけ堀、送り提灯、津軽の太鼓の3つだ。これかの所縁の場所にはまだ何度か足を運んでみても良いかもしれない」
 「なるほど」
 「あと怪しいのは、ヒハクの関係者だな。そもそも黒幕の可能性も高いわけだが、あの弓岡という男。僕らの知らない呪主を把握していたりするのだろうか。弓岡のことは見張っておいてもいいかもしれない」
 「張り込むの?」
 「調査対象がひとりだったら張り込みたいところだけど、こんなときほかに調査スタッフがいればいいのに、クソッ」
 「本当に一人でやってるんだ」
 「優秀なアシスタントは常時募集中だ」


 利飛太と残りの呪主のことを話す。
 「そして根島史周も呪主らしい。片葉の芦だったか。滓魂を集める可能性でいったら、もっとも高いだろう」
 「今日の日暮れになったら、大量に呪詛を使うっていう?」
 「とはいえ、あの警部が本当に白石美智代から情報を手に入れたら、それより先に身柄を確保してしまう可能性もあるがね」
 「でも、どうして、警部に隠れ家のことを教えたの?」
 「手記を見ればわかる情報だよ。それに、さすがに大量殺人と言われたら、止めねばなるまいよ」
 「何人でも同じことでしょう?」
 「危険も多そうなのでね。ただ根島と警察の動向は注視しておこう」


 利飛太と残りの呪主のことを話す。
 「あの娘は?灯野あやめとかいう・・・実は呪主の可能性もあるのでは?」
 「そうだね、あのあと誰かから呪詛珠を奪い取っていれば、可能性はある」
 「それもあるけど、まだ確認できていない津軽の太鼓の所縁の地は、緑町公園のあたりでしょう?」
 「確かに、彼女の住むアパートの近くだね」
 「実は、もともと呪主だったという可能性は?」
 「あるね。だとしたら、とんんだ食わせ者だ。探しておきたいところだね」


 利飛太と残りの呪主のことを話す。
 「怪しいのは、そんなところか。誰かと会えればいいのだけど」


 利飛太と利飛太のことを話す。
 「櫂さん?」 
 「ついででいいのだが、ちょっと寄りたい場所があるんだけどいいかい?ちょっと駄菓子屋まで」
 「ええ、かまわないけど」


 場所移動:駄菓子屋せんのや


 左エになめどり#14を発見!


 利飛太を調べて、なめどり#10、なめどり#4を発見!


 場所移動:緑町公園


 女性を調べる→声をかける


 利飛太があやめを連れてきた。


 「こんにちは~。あの、実は今、ちょっと追われてまして」
 「誰に?」
 「たぶん警察です~。なのでちょっとかくまってもらえませんか?」
 「なので、いったい何をしでかしたのか話を聞かせてもらおうと思ってね」


 あやめと、追われていることを話す。
 「今自宅の前で警察が張り込んでて、帰れなくて困ってたんです。一刻も早く保護するとか、そんなことを言っていたようですけど、なんだか怖くて」
 「警察に追われるような心当たりはあるのかい?」
 「まあ、なくもないですよね。呪いを探し集めてるわけですし」
 「あなたに原因があるのなら、私たちがかくまう理由がないけど」
 「ひどーい!そっちの動きが気持ちが悪いお兄さんはそんなことないですよね?」
 「悪いが、僕らも警察とはあまり関わりたくない事情があってね」
 「サイアク!やましいことがあるなら、お互いに協力しあってもいいと思うんですけど」


 あやめと蘇りの秘術のことを話す。
 「そういえば、北斎を蘇らせる計画はうまくいきそうかい?」
 「おかげさまで、そちらのほうはなんとかなりそうです」
 「それは、呪詛珠を奪えそうな呪主を見つけたということかい?」
 「そういうわけじゃないですけど、わたしには最終手段があるので。だから今捕まるわけにはいかないんですよね」
 「その最終手段というのは?」
 「無関係の人に話しても意味ないですよね?」
 「むう」


 あやめと追われていることを話す。
 「ならば交換条件でどうだい。かくまう代わりに最終手段を教えてもらえないか」
 「どうして知りたがるんですか?さては、横取りする気ですね!」
 「いや、単なる趣味だよ」
 「その言い訳、ちょっと無理があると思います。いいです、わたし一人で逃げますから」
 「あっ、追いかけよう」
 「それ以上近づいたら大きい声出しますよ」
 「わかった、無条件で手を貸そう」
 「そんなの逆に怪しいです!」


 結局あやめは行ってしまう。
 「櫂さん、もしかし、あの子・・・苦手?」
 「だが、もし逃げ場に困ったときは志岐間邸に来いと住所を伝えておいたが、かまわないよね?」
 「まあ。うちの警察の身内なのでは?」
 「少しでも繋がりを残しておければ機会は生まれ得るさ」


 「灯野あやめは蘇りの秘術については最終手段でなんとかなりそう、と言っていた。呪主を探して呪詛珠を奪うのは諦めたということか?」
 「それを言うなら、私にもあるけど?最終手段」
 「なに?」
 「別に奪わなくても、自分の呪詛珠を持っているもの。私だって、イザとなったらできる」
 「つまり彼女も呪詛珠を持っていたが、自分で呪い殺すのがイヤだったから、滓魂の貯まった呪詛珠を奪おうとしていた?しかも、彼女の住まいはこの近く。呪いを受けているとすれば津軽の太鼓か?」
 「あの子が最終手段に出るということは、私たちのチャンスじゃない?うまく利用しましょうね」
 「承知した」


 場所移動:法恩寺橋


 工場前のフワフワ漂っているものを調べる→春江にしか見えていないので、送り提灯の呪影のようだ。


 周囲を調べる→利飛太が呪主がいるかもしれないと言って、周囲を調べ始めたが、何もない。


 場所移動:錦糸堀公園


 遊具を3回調べる→なめどり#19を発見!


 利飛太に話しかける。
 「ここは置いてけ堀の所縁の場所とされているが、ここで発見された男性の変死体が水死だったことは関係がありそうだね」
 「ここで死んでた人って、ヒハク石鹸の従業員なんだっけ?」
 「そうだ。たしか興家彰吾という男性だね。ヒハクの関係者だから、もしかしたら呪詛珠を狙ってここに来た人物かもしれない」
 「女帝は弓岡が、従業員を使って呪詛珠を得ようとしていた?だとしたら、その興家という人は、誰かと呪詛珠を巡って争って負けたってこと?」
 「そうかもしれない、あるいは、呪詛珠を得て呪主だったからこそ殺された、という可能性もある」
 「この場合、呪詛を行使した側が置いてけ掘なのではなくて?」
 「もちろんその場合、興家彰吾は置いてけ堀ではなかった、ということになるね」
 「送り提灯か津軽の太鼓の呪主だったと?」
 「僕が昨晩ここに来たとき遺体はまだなかった。よそから来た可能性は高い。であれば、その呪詛珠は置いてけ堀の呪主が回収済みだろう。ああそうだ、マダム。あとでひとつ試してもらいたいことがあるけどいいかい?」
 「ええ、なんなりと」


 利飛太と話す。
 「ここで死んでいた興家彰吾という人物が、なんの用もなくここに来て偶々呪主と遭遇して呪い殺された、というのは少し考えにくい」


 調査を終える→???が追加された!

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 午前10時台
 白石家付近


 利飛太「招待しようマダム。彼らがこの国を守る警視庁のエリート刑事だ」
 襟尾「エリートじゃないけど襟尾です。奥さんよろしくお願いします。でこっちのいかつい顔のガンコオヤジが大尊敬する凄腕警部の津詰です」
 津詰「襟尾よ、持ち上げるのか落とすのかどっちかにしてくれ」
 春江「まあ刑事さん?」
 利飛太「そしてこちらのレディは僕の依頼人のマダム志岐間春恵だ。彼女の父君は警視庁のお偉いさんのので粗相のないようにな」
 襟尾「志岐間・・・わかりますか、ボス?」
 津詰「聞き覚えはあるが・・・」
 春江「そんなに緊張なさらず。今回の件は父とは無関係なので」
 襟尾「・・・だそうですよ!命拾いしましたね、ボス!」
 津詰「俺に後ろ暗いことがあるような言い方すんじゃねえよ」
 春江「まあ、愉しそうな刑事さん。珍しいタイプね。私の知っている警察関係者は面白みのない人ばかりだから」
 襟尾「はい、オレたち明るく楽しい犯罪検挙をモットーにやってますから!」
 春江「そう、がんばって」
 津詰「ちょっと待て、俺初耳だぞ」
 利飛太「とまあ確かに珍しいタイプの刑事さんたちだ」


 利飛太の右側の地面を調べる→なめどり#12を発見!


 利飛太と話す。
 春江「探偵をやっていると、はっぱり刑事とは縁があるものなのね」
 利飛太「そうでもないさ。こっちの彼は偶々僕と同期の桜だったというだけだよ」
 襟尾「ああ利飛太も昔は警察官だったんです。数年で辞めてこんな稼業を始めてしまったけど」
 利飛太「襟尾、君もどうだ。探偵は自由でいいぞ。暮らしの安定とはほど遠いが」
 襟尾「もう辞めてから2年くらいか?その間連絡もできなかったが、個人事務所なんてすぐに立ち行かなくなると思ってたけど、意外に続いているんだな。それより警察に戻ってくる気はないのか?」
 利飛太「鳥を愛でる時間すら持てないのはもう勘弁だ。僕はそっちの世界には向いてないよ」
 襟尾「いいや利飛太、キミの能力はこの社会の平和維持のために必要だよ
 利飛太「そんなことはないさ。僕は今の仕事を天職だと思っている。僕はこっち側から、君らでは救いきれない小鳥たちを助けていくことにするよ」


 利飛太と話す。
 「そんな過去があったのね」
 「誰しもいろいろあって今がある。まあ、有意義な経験だったよ。こういう人脈もできたしね」


 襟尾と話す。
 襟尾「利飛太、ここへは何しに?なんの調査なんだ?」
 利飛太「そうだね、言ってみれば、警察の尻拭いの類かな。君たちも去年の誘拐殺人事件での不祥事を忘れちゃあいないだろう?」
 津詰「あ!志岐間!思い出した!去年の誘拐事件!」
 襟尾「なんかありましたっけ?」
 津詰「馬鹿!志岐間宗禎官房のお孫さんが誘拐された事件だよ。ってことは奥さん、あんたの息子ってわけか」
 襟尾「あまり報道されなかったけど警察の判断ミスで救出失敗したっていう・・・」
 春江「ええ、そこは内々で処理されたみたいだから。どうやら警察内部ではあまり蒸し返したくない事案みたいで」
 利飛太「その後の調査もお粗末なものだった。だから僕が出てきたってわけだ」
 襟尾「そうか、まだ犯人は捕まってなかったか。利飛太はその調査をしていて、それでここに来たってわけか?」
 利飛太「ああ、誘拐事件に関係していた者がこの辺に住んでいたようなのでね」
 襟尾「住んでいた?過去形?」
 利飛太「ああ、すでに先週亡くなっていた。親族にでも話が聞けないかと思ってね。でも留守だったから出直そうと思っていたところだよ」


 襟尾と話す。
 「警察の不祥事と言われると、なんだが面目ないです。誘拐犯も本当なら我々が見つけないといけないのに」
 「いいえ、うちの身内だとも言えるから。あなたが責任を感じなくても。真面目なのね」


 津詰と話す。
 津詰「ああ。ところでマダム。唐突ですまないがひとつ確認させてくれ」
 春江「はい?」
 津詰「あんたら、本所七不思議の呪いになんか心当たりはねえもんかね?」
 利飛太「おっと警部、マダムには・・・」
 津詰「探偵はちいとばかし黙っててくれや。俺はこのマダムに聞いてるんでな」



 →知らない
 春江「本所七不思議は知ってるけど、呪いってなんのことだか」
 津詰「そうか、じゃあいい。悪かったな急に」


 津詰と話す。
 津詰「そういえば、昨晩遅くこの近辺で、やたら目立つ白い服を着た奇妙な男がうろついていた、って情報があってな。あんただろ、探偵屋」
 利飛太「まず間違いなく僕だろう。実際昨晩遅くもこのあたりで調査をしていたからね」
 津詰「なんか普段とは違うような異変はなかったか?」
 利飛太「言われてみれば、不審な人物は何人か見掛けたけど・・・さっき呪いがどうとか言っていたけど、公僕ともあろう者がいったいどうしたんだい?」
 襟尾「彼は能力のある男です。事情を話して協力を仰ぎましょう」
 利飛太「協力できるかはわからないけど、なかなか興味深い話だ。今このあたりで何かが起こっているのだろう?本庁のあなたがたが出てくるくらいだ」
 津詰「まあ、いいだろう。非常時だ」
 襟尾「ありがとうございます。聞いてくれ利飛太。実は今・・・」
 利飛太「ほう、呪いの力で殺して滓魂を集めると蘇りの秘術が使える、と。そのため呪詛珠というものが、本所七不思議に紐づいているわけか」
 襟尾「今ここらで起こってる変死事件もその呪いによるものらしくてね。この事態を取り鎮めるために呪主を探して呪詛珠を集めているわけだ。何か情報があったら教えてくれないか」
 利飛太「ふむ呪主、怪しい人物か。そういえば南割下水通りで、中肉中世の不審な中年男性を見たな。なんだかキョロキョロと、獲物を探しているような目つきだったよ」
 津詰「たぶんそりゃ新石だろうな。そいつなら、もう呪詛珠を回収済みだ」
 利飛太「さすが凄腕刑事だ。すでにいくつか回収しているのだね」
 津詰「ほかにはねえか?」
 利飛太「特に思い当たらないなあ」
 津詰「そうか、残念だ」


 津詰と話す。
 津詰「このあたりを調べてて呪主っぽいヤツを見かけたなら情報くれると助かる」
 利飛太「わかった、その時はお伝えしよう」
 襟尾「利飛太、もしよかったらこっちの件にも手を貸してくれないか?消息が掴めない人物が何人かいる。人探しはキミの専門だろう?」
 利飛太「悪いが今は別の調査中だ。こちらも信用商売なものでね。先に受けた依頼を優先しなければいけない」
 襟尾「そうか、悪かったね」
 利飛太「それに探偵なんかに頼まなくても組織お得意の人海戦術があるじゃないか」
 襟尾「そうなんだけど、なんだが今回の件は一筋縄ではいかない気がして」


 襟尾と話す。
 襟尾「そう言えば、利飛太。この辺に住んでいる関係者が先週亡くなった、とか言ってたけど、それってもしかして白石美智代か?」
 利飛太「なに!」
 襟尾「やっぱりそうか。実はオレたちも白石美智代の調査のためにここに来てるんだ」
 利飛太「白石美智代が呪いと関係しているってのか?」
 襟尾「いや、厳密には呪いの件じゃなくて吉見の事件のほうなんだけど」
 利飛太「そうか吉見肇の件か!」
 襟尾「ああ、同期だった吉見肇が殉職したのは知っているよな?」
 利飛太「もちろんだ。惜しい人物を亡くしたよ。なるほどね、墨田署の少年係の吉見と白石美智代が綱繋がるわけか!」
 津詰「おい待て、それより白石美智代が誘拐事件の関係者ってどういうこった?」
 利飛太「これは意外なところで話が繋がってきたかもしれないね。ならば、ここは情報交換をせねばなるまい。教えるかわりにそちらの持っている白石美智代の情報を教えてもらえるかな?」
 襟尾「ああ、いいだろう。実は・・・」
 利飛太「何ィ!白石美智代の亡霊が城之内を呪い殺した疑いがあるだって!ならば城之内の言っていた通りじゃないか!」
 襟尾「いや、もちろんこちらだって確信しているわけじゃないよ。ただ目撃情報や現場の証拠を考えるとそういうことに・・・」
 利飛太「その霊感女子高校生とやらが聞いたという証言か・・・しかも白石美智代は自殺じゃない可能性がある、だと?」
 襟尾「何かわかったのか?利飛太」
 利飛太「岩井官吉郎じゃないか!だったら次は岩井官吉郎だろう。おい、白石家のドアを開けろ!中を確認する!」
 襟尾「どういうことだ利飛太。ボス」
 津詰「大家に許可を取ればカギは開けられるが」
 利飛太「まだるっこしい!じゃあ許可はあとで取っておけ!」
 襟尾「おい待て!勝手に・・・」
 利飛太「なんだこんなオンボロドア!こうしてやる!」
 襟尾「こら!無茶するな利飛太」
 利飛太「これを見ろ!」
 春江「ひいっ!!」
 襟尾「うわっ、なんだこの部屋!男が死んでる!」
 津詰「コイツは、白石美智代の父親か?」
 利飛太「厳密には父親ではないが、状況的にもこいつが岩井官吉郎で間違いないだろう。検死するまでもなく、死んでいる。全身がボコボコに折られているね。昨夜のうちにやられたようだ。エリオ、岩井のこの死に方は城之内と同じだったりしないのか?」
 襟尾「確かに!城之内も全身に強い衝撃を受けたような死に方だった」
 津詰「そりゃどういうことだ探偵!」
 利飛太「受け容れろ!白石美智代はいる!彼女が呪いの力で、自分の人生を壊した大人に復讐しているということだ!」
 襟尾「そんなバカな!本当に蘇ったとでもいうのか?」
 利飛太「そう考えなければおかしい。そしているとしたらきっと・・・」


 案内人「この日の朝8時の時点では、白石美智代はこの本所地区のどこにいたでしょうか?」
 →駄菓子せんのや


 案内人「はい正解です。では物語の続きに戻りましょう」


 襟尾「そこに白石美智代が?」
 津詰「この事実にあの娘が、耐えられるのかどうか・・・。ひとまずエリオ、ここの件、本部に連絡頼む」
 襟尾「わかりました。通報ならオレに任せてください」
 津詰「さて、今のうちに現場を調べておくか」
 春江「そこに、同じ人物の写真がたくさん貼られているけど」
 津詰「おいおいおいおい!待て待て、この写真全部根島史周の写真じゃねえか!気持ちわりいな!」
 春江「そういえば当時よく新聞や雑誌で見た顔。よく見ればここにたくさん貼ってあるの、全部当時の根島事件に関する新聞や雑誌の切り抜き?」
 津詰「どういうこった?」
 利飛太「ふむ、よく調べてみようか」


 切り抜き記事を調べる
 利飛太「20年前の根島事件に関する新聞や雑誌の記事がたくさん貼られている。これはどういう意図なんだろうか」
 津詰「白石家のヤツが、根島事件と何か関係があったってことか?あるいは恨みを忘れないようにするため、とか?」
 利飛太「根島事件が、何か今回の事案に関係したのかい?」
 津詰「ああ、この根島史周が、今はすでに仮出獄してるんだがよ、呪詛珠を手に入れて呪主になっていて、今日の日暮れに呪いで大量殺害すると予告しやがった」
 春江「え!」
 津詰「今緊急手配中だが、なかなかシッポを掴ませねえ」
 利飛太「実はここのマダムも根島事件とは無関係ではなくてね」
 春江「20年前、私が隅田川で級友の遺体を発見して、事件が発覚したわ」
 津詰「志岐間ってこたあ、あんたあんときの学生さんか!俺も聴取させてもらったと思うが、本当にお手柄だったぜ。感謝する」
 春江「まあ、あの時の刑事さんだったの?わからなかった・・・」
 利飛太「そこですでに繋がりがあったのか。マダムはそのため根島史周から怨みを買っていないかと、心配していたよ」
 津詰「そうか、なるほど。そりゃ確かにやべえかも。アイツ恨みがましいし。奴さん、誰に入れ知恵されたか片葉の芦の呪詛珠を持っているらしい。今日日没とともに市民を大量に呪い殺すと脅かしてきてるんだがよ。それに加えて、俺個人に対してもお礼参りを企んでいやがってな。よりによって俺の娘の命も直接狙ってやがる」
 利飛太「それはますます穏やかでない事態だ」
 津詰「ジタバタすればするほどヤツの思うツボだ。着実に取り押さえていくしかねえよ」
 利飛太「岩井が根島と何か関係があるのならば、この部屋に根島史周の居場所の手掛かりがあるかもしれないぞ」


 切り抜き記事を調べる。
 利飛太「この数は、根島への相当な執着心を感じるね。根島事件の被害者と関係しているのか。あるいは、その逆の可能性もある」
 春江「逆?」
 利飛太「根島への、強い憧れだ」


 遺体を調べる。
 利飛太「身元の確認ができるまでは確定できないが、人相からしても岩井官吉郎で間違いないだろう」
 津詰「コイツ、どっかで見覚えあるな」
 利飛太「前科持ちだったという話だから、カタギの仕事ではなかったのかもしれない」
 春江「これが、呪いの力?人がかんなになっちゃうの?」
 利飛太「マダム、そんなにじっくり見ないほうがいい」


 遺体を調べる。
 利飛太「無残な有様だ」


 床を調べる。
 利飛太「しかし、イヤでも目に入るコレは、いったい何なんだ?」
 津詰「こりゃ、魔法陣だな。西洋黒魔術の儀式で使うやつだ。だが、このテのやつはおそらくよくある紛い物だろうな」
 利飛太「なんと意外にもオカルトに詳しい警部さんがいたものだ」
 津詰「偶々だよ。さっき言った霊感少女のほうが、こういったものには詳しいだろうがね」
 利飛太「この部屋では、デタラメな西洋黒魔術の儀式が行われていた、と。だが、これをやった人物はデタラメだとは思っていなかった様子だね」


 超常/呪詛:西洋黒魔術


 床を調べる。
 利飛太「見たところ、床の上にあるこれらの道具はずっと前からここに設置されている感じだね。どうやらこの儀式は、しばらく前から行われていたようだ」
 津詰「この儀式は岩井がやった、ってことになるのか?」
 利飛太「白石家の母娘が、ということも考えられるが、奥にある本を調べればどんな黒魔術をやっていたのか、わかるかもしれない」


 古い本を調べる。
 利飛太「このたくさんの古い本、調べてみるか。警部さん、手袋をするんでちょっと調べても?」
 津詰「俺は外国語はわからねえからな。仕方ねえ、任す」
 利飛太「ありがとう。やはりこの本は西洋黒魔術の本のようだ。これと同じような魔法陣が書かれていて、様々な術を行う手順が詳しく書かれている。いわゆる魔導書といったところか」
 津詰「岩井が、それを見ながら儀式をやってたってことか?」
 利飛太「魔導書のほかにまとめられた手書きの資料もある。ずいぶん熱心に研究していたようだ」
 春江「岩井が?なんのために?」
 利飛太「資料によるとここにある魔法陣は、回春術。若返りの黒魔術といったところだね。ほかには蘇生の黒魔術なんていうのも載っている。いずれの術にも、生贄を捧げるといったことが書かれている」
 春江「蘇生?」
 利飛太「洋の東西や術の方式を問わず、人々が秘法に願うものは変わらないようだ」


 古い本を調べる。
 利飛太「こっちの資料は手記のようだ。どうやら岩井が書き残していたものらしい。ふむふむ、この男、ずいぶん細かく記録を残してくれたものだな。まるで誰かに提出するためのレポートのような・・・何!」
 津詰「どうした?何が書いてあるんだ?」
 利飛太「ざっと要約して説明しよう。この岩井という男は、何年も前から本気で若返りの黒魔術の研究をしていたようだ。それというのも、その魔術を成功させれば莫大な報酬が得られるかららしい。実際、この魔導書を手に入れたことで、ある程度まとまった報酬を得ている。そもそもどうやって、岩井が魔導書を手に入れたのかだが、服役中に獄中で根島史周から隠し場所を聞いて手に入れたらしい」
 津詰「はあ?なんでそこで根島が?」
 利飛太「ちなみに岩井は根島事件を報道で知ったときからずっと、根島史周に対して強烈な憧れを抱いていたようだ。もはや崇拝と言っていいレベルで。ここにある切り抜きや写真は岩井が当時からずっと集めていたもののようだね。それで偶々獄中で遭遇したものだから積極的にコンタクトを取ったそうだ」
 津詰「全然理解できねえ!いやそれよりも、わからねえのが、根島が魔導書だと?どういうこった?」
 利飛太「根島史周はなぜあんな事件を起こしたのか、その動機は長年謎とされてきた」
 津詰「俺も、結局そこは腑に落ちてねえままだったが、まさか!あいつ!」
 利飛太「そうだ、あの犯行は儀式だったのだ、黒魔術のね。kの魔導書にも、生贄を捧げる方法として根島の行ったのと同じ手順が書かれている」
 津詰「なんだと!根島は、黒魔術の生贄のためにあんな陰惨なコトやった、ってことか?」
 利飛太「そうなる。根島が行った術は蘇生の黒魔術。警部の話ではこんな魔導書はデタラメのインチキだろうだが、少なくとも根島や岩井は、本気でこの通りに行っていたわけだ」
 津詰「くそっ、フザけやがって!あの男が蘇生の黒魔術だと?」
 利飛太「根島には当時蘇らせたい人でもいたのかね?」
 津詰「ああ、そうか!そういうことかよ!!なんてこった!クソ!根島事件には、実は当時からずっと非公開とされてきた情報がある。根島の家に強制捜査に行って逮捕したときだが、あいつの家に、なぜか赤ん坊がいたんだ。生後半年くらいの女の赤ん坊だが、汚物まみれでガリガリに衰弱してて、すぐに保護したが今にも死にそうな状態だった」
 利飛太「その子は、根島の子供なのか?」
 津詰「ヤツは逮捕後、その赤ん坊は橋の下で拾ったとか言ってやがった」
 春江「拾った?捨て子ってこと?」
 津詰「真偽は不明だ。だが、当時は一つ気になる話があってな。これも有名な話だが、根島には余罪がいくつもある可能性が高かった。当時、近隣で行方不明になった若い女性が何人かいたからだ」
 春江「そうね、だいぶ騒ぎになった」
 津詰「で同じように殺した、今となっては生贄か?その被害に遭った可能性が高い女性の中に、妊婦が一人いてな」
 春江「うそ、まさか・・・」
 津詰「その妊婦を殺して、解体したときに、取り出された子供の可能性がある、と。もちろん、憶測に憶測を重ねている話なんで確定できるものじゃあないがね。ただあの男が橋の下でわざわざ捨て子を拾う可能性よりは、高えんじゃねえかって話だ」
 春江「うえ、気分が・・・」
 利飛太「マダム、しっかり。ちょっと刺激が強い話だったね」
 津詰「だが実際はそうじゃなくて、これでもしヤツに蘇生の黒魔術なんて目的があったとするなら、ひょっとすると赤ん坊はヤツの実の娘で、その母親にあたる女性が死んでいて、実はそいつを蘇らせるため、なんて可能性もあるのかもな、って思っただけだ」
 利飛太「根島に蘇らせないと願うほどの相手がいた可能性となると、そこに当てはまるわけか。今呪詛珠を持っているというのも蘇りの秘術を求めてのことかもしれないね」
 春江「あの、警部さん」
 津詰「ん?」
 春江「そのときの赤ちゃんはどうなったの?」
 津詰「出生届の出されていない子供だったが、回復後里親が見つかって引き取られた。この情報が秘匿扱いになったのもその子の将来を考えてのことだ」
 春江「ああ、無事なのね、よかった」


 古い本を調べる。
 利飛太「岩井の手記の続きだけども。根島を崇拝する岩井は獄中の彼から情報を得て魔導書を受け継いだわけだが、その情報や研究によって、巨額の富を手に入れるチャンスを得た」
 津詰「魔術を成功させたら報酬をもらえるって話だな」
 利飛太「その条件を岩井に持ち掛けた相手だけど、ヒハク石鹸の女帝会長、山森ナツヱだそうだ」
 津詰「なに!」
 春江「ああ、そういう繋がり」
 利飛太「岩井のメモによると、ヒハクの女帝は異様なまでに老いを恐れている。死んでも生き返りたい。美しさを守るためお金を惜しまない。魔術や秘術、なんにでも手を出している。それに対する執念はすさまじい、とのことだ、蘇生や若返りに関するウワサには片っ端から支援して、徹底的に調べさせているようだね」
 津詰「そのためには、金に糸目をつけずに魔術にまで手を出すってぇことか。ん、ってぇことは、今回の研究家の新石に金を出して蘇りの秘術を探させてるのも・・・」
 利飛太「ああ、今の話の流れだと、ヒハクの魔女が蘇りの秘術なんてウワサ話に飛びつかないはずがないだろうね」
 津詰「そういうわけかい」
 利飛太「急に若返ったり蘇ったりしてもいいよう、神通力を持ってるという設定にしているのか」
 津詰「なんだ?その話は」
 利飛太「いや、なんでもない。岩井は魔導書で得た前金をチラつかせ、都合のいい隠れ蓑とする母子に付け入った。つまり白石稔子と美智代の家だね。さて、ここからはマダムにも関係してくる話だよ。覚悟はいいかい?」
 春江「え?私に関係する?」


 →まさか


 春江「待って!まさか!」
 利飛太「気づいたかい」
 春江「もしかして」


 →岩井官吉郎の→生贄は→子供だ


 春江「岩井官吉郎の生贄は子供!」
 利飛太「その通りだ。白石家を隠れ蓑にした岩井は、本格的に魔術の実験を始めた。岩井がやろうとしている若返りの黒魔術には生贄が必要らしいのだけども、それは若い子供の精気を抽出する、という理屈だったらしい」
 春江「あああ、やっぱり・・・じゃあ岩井が!この男が!!」
 利飛太「岩井は根島を崇拝していた。根島を貶めた人間は、許せないだろう。また自身も警察に捕まり服役した。その点で警察にも復讐したかったろう。根島の恨みを晴らしつつ警察に恥をかかせつつかつ生贄を満たす方法」
 津詰「その全部を満たすため岩井は志岐間春恵の息子を誘拐したのか!」
 春江「ああああ!!!なら、最初から、あの子を生かして返す気はなかった、ということ?ああああ!!!」
 利飛太「誘拐犯が、警察をおちょくつような態度だったのは少し気になっていた。そもそも身代金が目的ではなく警察の信用を落とすのが目的だったのだから、当然だ。岩井は白石美智代を使って警戒を解き、通学途中の修一少年を誘拐したのだ」
 春江「岩井!この男が修一を!!はあはあ・・・」
 津詰「おい奥さん!気持ちはわかるが落ち着け!」
 春江「気持ちがわかるですって!冗談じゃない!わかるもんか!警察なんかにかわってたまるものですか!!!こいつが、生贄なんて馬鹿げた理由で!」
 利飛太「オーケイ、マダム。抑えて。ここは刺激が強い。いったん外に出よう」
 春江「ううううっ!悔しい、こんな!!」
 利飛太「警部、僕らはここで失礼するが、最後に手記にあった大事な情報を伝えておこう」
 津詰「なんだ」
 利飛太「岩井は、当然ながら昨年仮出獄した根島にも接触して、支援などいろいろと便宜を図っていた」
 津詰「はるほど、そうだろうな」
 利飛太「その中でひとつ、根島のために隠れ家も用意していたようだ」
 津詰「なに!」
 利飛太「むしろヒハクから得たお金は、白石家じゃなくそっちに使っていたようだね。根島が今もどこかに潜伏しているとしたら、その隠れ家の可能性は高いだろう」
 津詰「どこだ、それは!」
 利飛太「あいにく、その場所までは書かれていなかったが、白石美智代もその隠れ家を知っていたようだ。根島と直接は会わせてないが、隠れ家の掃除などは手伝わせていたらしい」
 津詰「っておい!その二人とももう死んでるじゃねえか!あ、いや!いるのか!」
 利飛太「そうだ、白石美智代はいる。もし彼女から証言を得ることができれば、根島の隠れ家もわかるかもしれない」
 津詰「だが、話を聞くったってよ・・・」
 利飛太「それではマダムの具合も良くないので僕らはこれで失礼するよ」


 人物リスト:岩井官吉郎


 白石家を出た利飛太と春江。
 「風に当たって少しは落ち着いたかい、マダム」
 「ええ、大丈夫。突然、誘拐犯がわかって、少し錯乱してた」
 「意図せず誘拐事件のほうが先に解決してしまったね」
 「でもね、櫂さん。私、白石美智代には、感謝してる」
 「それは、呪いで誘拐犯を殺してくれたからかい?」
 「それも少しある。だけどそれより、白石美智代がそれだけ多くの人を呪い殺しているなら、さぞ貯まってるんじゃないかと思って、滓魂。ねえ、櫂さん。誘拐犯が捕まろうが死のうが、やっぱり意味なんてない。復讐なんてしたってなんにも満たされないの。あと根島が大量虐殺で滓魂を集めるつもりなら、それでもいい。蘇りは諦めないで、お願いね」


 志岐間春恵と津詰徹生の続きが解放!

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 並垣登場より再開。


 ミヲとやっことの会話に、「ちょっと、そこのきみたち」と男性が割り込んでくる。
 「失礼するよ。立ち聞きするつもりはなかったが、気になる単語が聞こえてきたものでね」
 「どちら様でしょう」
 「ぼくは並垣祐太郎。いや、昨日までは呪主だった者、と言った方がいいかな」
 「呪主!!!」
 「おっと、そんなに身構えなくていい。足洗い屋敷の呪詛珠はすでに手放している」
 (足洗い屋敷?じゃあ、津詰警部が言っていた人?)
 「おっ、津詰警部を知っているのかい?だったら話は早いだろう」


 「あいつ!運転席!」
 「やっこちゃん?」
 「あれ?わたし、今、何かしてた?」


 「並垣さんはどういったご用件でしょうか」
 「実はきみたちに相談したいことがある。もし時間があるなら、ちょっと来てもらえないかな」
 「相談?」
 「白石美智代の話をしていただろう?それに関する話だよ。今時間がないならあとでもいい。僕は両国橋付近で待っているから」
 「どうしようか」


 並垣と話す→エンディング#1:白井美智代の恩讐
 先に学校に行く


 「ごめんなさい、用がありますので私たちは失礼させてもらいます」
 「そうか・・・ならば仕方ないね。急ぎではないからあとで両国橋に来てくれよ」

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 喫茶店「黒桔梗」へ移動。
 午前12時台


 店内を調べる→文化/社会:喫茶店黒桔梗


 右上の壁そ調べる→なめどり#08を発見!


 新石と呪詛珠のことについて話す→約子が新石に馬鹿囃子の呪詛珠を見せる。

 褒めて頼る→新石が機嫌よく話を聞いてくれる。


 「どうして今この蘇りのに術とか七不思議の呪詛珠が発生したんでしょうか?先生がこの呪いを呼び起こしたわけではないのでしょう?」
 「私はそんなことまではやっていない。というか、そもそもやろうとすらしていなかった。研究上そこまで重要じゃなかったからな」
 「では、霊夜祭という古い陰陽道の儀式はご存じありませんか?」
 「なんのことだ。私はオカルトは専門外だ」
 「では、どうして今この秘術と呪いが呼び起こされたとお考えですか?今回の件は誰かが意図的にに起こしたものだと思っているのですけど」
 「確かに自然発生した現象ではないと思うが、それを知ってどうするんだ?」
 (呪いを止めようとしているって言うと、教えてくれなくなっちゃうかもしれないから適当にごまかそう)


 適当にごまかす。
 「知的好奇心の探求というか、研究に値するんじゃないかなって」
 「なるほどな。・・・」
 (なんか答えにくそうだね)


 研究について聞く。
 「先生の研究する蘇りの秘術について書かれた禄命簿って、どういったものなんですか?」
 「ほほう!それを教えてほしいか。まずは禄命簿の作者について解説してあげよう!これは特別だぞ。世間にもそこまで公開してないからな!」


 禄命簿は、今から200年近く前の江戸の後期に、優秀だったが無名だった陰陽師の土御門晴曼という人物によって書かれた。
 晴曼は、陰陽師の名家の生まれだが、本流からは外れ、モグリの陰陽師として密かに活動していた人物で、名前も都度都度適当に名乗っていたので、この名前が記録に残ることはほぼなかった。
 晴曼は、優秀ではあったが変わり者だったようで、伝説とされ誰も手を付けなかった禁忌の法術である蘇りの秘術の研究に没頭し復活させた。
 しかし、禁呪に手を出したことで一族から追放され、京都を離れ江戸本所に流れ着いたらしい。
 禄命簿は、その江戸までの道中に晴曼が記録として書き残したものだ。
 蘇りの秘術は、安倍晴明が得意としていた冥界と交信する秘術である泰山府君祭を用いて、死者の魂を参照しそれを滓魂を用いて新たな魂に複製することで還魂をなす、という荒業だ。
 そもそも人の魂を滓魂にするという呪術を扱えるだけの術師でなければ使えない秘術である、とされている。
 さらに蘇りの秘術は、あらかじめその儀式を行っておれば、あとは滓魂を集めた際にその者の願いを受けて発動するようにできるという。


 「七不思議の呪いとか呪詛珠については禄命簿には書かれていない。呪詛珠は蘇りの秘術とは別のもので、呪術を使えない者でも秘術を使えるようにするために呼び起こされた呪いなのだ」


 超常/呪詛:蘇りの秘術、陰陽師


 七不思議と秘術の関係は?
 「今回の件が起こるより前に先生が発表されていた説で、蘇りの秘術は、本所七不思議の期限と関係がある、というのがありましたけど、その根拠はなんだったんですか?」
 「あれはオカルト雑誌向けに書いたややセンセーショナルな読み物だよ」
 「じゃあデタラメ?」
 「いや、まったくの絵空事というわけでもない。根拠はある」
 「それは?」
 「これは禄命簿とは無関係の複数の文献を照らし合わせて発見したことなのだが、晴曼が江戸本所に流れ着いた時期のちょうど直後くらいに、同じく本所で、死者の蘇生術を巡った争いがおこった、という記録があったのだ。
  ある男が死者を蘇生させる奇術があると大衆を惑わし、争いを生み9人の死者が出る惨事となった、といった一文だけ残されていてな。
 この惨事について、私は本所事変と名付けてずっと昔から研究の対象にしていて、そして、この一連の本所事変こそが本所七不思議の起源なのではないかと見込んでいるのだ」
 「本所事変の原因となった蘇生の術こそ、晴曼の蘇りの秘術であると?」
 「そうだ。禄命簿がそこに結び付いたのだ。
 時系列準に言うと、まず晴曼が蘇りの秘術を持って江戸に来た。
 おそらくこの時点ですでに晴曼は別の名前を名乗っていたと思われる。
 そしたら、その秘術を巡って本所内で9人が死亡する本所事変が起こった。
 その後、事件について何者かが隠蔽を図ろうとし、その結果中途半端な伝え方をして、あいまいなでんしょうとなったそれは、やがて本所七不思議となった伝え残された、とまあそういう流れだな」


 本所七不思議・超常/呪詛:本所事変


 七不思議と秘術の関係は?
 「これは今回の呪いが発生したことで発覚したのだが、その説がより確信的なものになろうとしているのだよ。
 その根拠が、呪詛珠を得た者に刻まれる本所七不思議の恨みの記憶だ。
 逆崎、お前が本当に呪主なのであれば、呪詛珠を手に入れたとき、頭に怨みの記憶が刷り込まれなかったか?」
 「あ。ある!」
 「それこそ、本所事変で死んだ9人の最期の瞬間の出来事なのだ。犠牲になった9人が9つの呪影となり、やがて七不思議として語られていった。
 なので、今回の呪いで得られる怨みを記憶を集めつなぎ合わせることで、ベールに包まれていた本所事変の全容が明らかにされるだろう。
 だから、逆崎、お前の馬鹿囃子の怨みの記憶も、私に教えなさい」
 「ミヲちゃん、これは?」
 「教えてダイジョブ。情報は集めておいたほうがいいと思う」


 怨みの記憶を伝える。
 「という感じで、馬鹿囃子は祭りの櫓から落ちて死んだ女性のようです」
 「なるほど、ならば、それは違うだろうな」
 「違う??何がですか?」
 「私は本所事変で犠牲になった9人、つまり9種の呪影の中に、晴曼本人が含まれている、と見込んでいる」
 「それだけの力を持った陰陽師の人も、呪影になっている、ってことですか?」
 「うむ、そんな呪影があれば、その呪詛珠が特別な力を持っていてもおかしくない」
 「呪影によって、呪詛珠の力が違う?ねえ、ミヲちゃん、晴曼の呪影なら」
 「うん、この事態を収める力にもなるかもしれない」


 怨みの記憶は?
 「先生、今怨みの記憶ってどのくらい集まっているんですか?」
 「私が把握しているのは、落ち葉なき椎、足洗い屋敷、消えずの行灯、そして今の馬鹿囃子も4篇だな。
 その中でも特に重要なのが、足洗い屋敷と落ち葉なき椎だ」
 「どんなに内容なんですか?」
 「まず足洗い屋敷だが、この記憶にはそのものスバリ陰陽師が登場している。
 だが、晴曼ではない。己の美貌を磨き上げることに執着し、蘇りの秘術を求めた陰陽師の女らしい。
 どうも、秘術を巡って晴曼と対決して敗れ、自慢の足に穢れた憑いたような様子が窺える。
 この陰陽師の足洗い屋敷の呪影は特別で、呪いの条件の達成難易度も格段に低い。
 あの刑事はこんな呪いよく凌げたものだ」
 「晴曼と対立する陰陽師の女が本所事変に関与していた、か。それは気になるかも」
 「そして落ち葉なき椎。この呪影は、流言を流布した罪で首をくくられた根付職人の甚吉という男だ。
 その流言の内容というのが、死者を蘇生させる術なのだという」
 「あっ、蘇りの秘術!」
 「そう、おそらくこの甚吉という男は、晴曼と接触があったのだろう。
 この怨みの記憶がすべて集められれば、全貌が明らかとなり、七不思議の新なた事実が浮かびあがるだろう。私はそれが知りたいのだよ」
 「そのためには、呪主から情報を集める必要があるわけですね」
 「そういうことだ。情報提供と引き換えに刑事が教えてくれるはずだが、あいつらでは呪主を見つけられない可能性もあるので対策を講じたいところだな」


 呪いの発生のきっかけは?
 「さっき途中だった、今回の呪いの発生したきっかけについてですけど」
 「私は知らない」
 「本当ですか?先生、何か隠していませんか?」
 「・・・」
 「それって禄命簿の入手元と関係ありますよね?」
 「!!」
 「禄命簿、本当はどうやって手に入れたんですか?実は一刻を争っているんです。早くしないと大惨事になるんです」
 「どういうことだ?」
 「今回の呪いを使って今日の日没に大量虐殺をするという予告があるんです。その予告をしたのが、20年前に根島事件という事件を起こした犯人で・・・」
 「なんだと」
 「何百人という市民が呪詛で犠牲になる事態は、さすがに見過ごせないです。阻止するためにできることがあったら、なんでもしておきたいんです。先生、お願いです!知っていることを教えてください!」
 「すまんが本当に知らん。実はこの禄命簿は、ある女からもらったものだが・・・いや、声が女っぽかっただけで実際に姿を見たわけじゃない。
 1か月ほど前、夜中に調査していると、突然姿もないのに女の声が聞こえてきたのだ。
 曰く、『蘇りの秘術について記された古文書を託す。今から1か月間で、できるだけこの術のウワサを広めろ』と。
 そして、気が付くと足元に古い書物が落ちていた」
 「期間も指定して?」
 「そうすればこの古文書は好きに研究に使って良いと言われて、真偽を確かめたい衝動もあり私は引き受けてしまった。
 それ以降、その声はまったく音沙汰なく今に至る」
 「ウワサを広めさせたのは呪いの力を強めるためだろうね。秘術を求める気持ちと呪いを結びつけるための、って考えると、やっぱりその声の主が黒幕っぽいけど」
 「そして私は禄命簿を公表したわけだが、すぐにヒハクやオカルト雑誌が食いついてくれたのは金銭的にも運が良かったな」
 「え、ヒハク?ヒハク石鹸ですが?」
 「ああ、いや!それは関係ないぞ!私個人の話だからな!」
 「・・・」
 「その後、きっと1か月経てば何かあるだのだろうと私なりにいくつか予測して待ち構えていた。そしたら、今回の呪いが発動していたのだ。だから、私はこれ以上詳しいことは何も知らない」


 ほかに知っていることは?
 「ここまで話したのだから、特別にもうひとつ教えてやろう」
 「ありがとうございます。なんでしょうか」
 「晴曼の禄命簿だが、実はその続編とも言えるもう一冊、禄命簿・陰の書が存在するらしい」
 「えっ、続編?」
 「実は禄命簿の巻末にあとから書き足されたような追記分があってな。それによれば、本所事変の片が付き、その惨状を嘆いた晴曼自身が、この悲劇が呪いとなった時のために用意した補足の書をこの書とともに残す、と。
 本所事変の関係者が呪影となって滓魂集めに使われてしまう可能性が予想していたようだ。蘇りの秘術を巡ってトラブルが起こった場合の対処法などが書き記されているという。」
 「いやいや待ってください。それは、おかしくないですか?本所事変で晴曼が死んでるならば、続編なんて書けるわけないです」
 「お前は本当にわかってないな。晴曼が持っていたのは何の術だったのか忘れたのか?」
 「それはもちろん蘇りの秘術。まさか、晴曼自身が?」
 「蘇りの秘術は、先に儀式を行っておけば、滓魂が集まったときに発動するようにできる。
 晴曼自ら事態のあとに秘術で蘇ったという可能性もあり得なくはあるまい?」
 「でも蘇りの秘術を使うには、呪いで滓魂を集めないと」
 「だから、死んでいるのだろう?晴曼以外に8人もが」
 「じゃあ、本所事変の死者て、滓魂のため?それて今の状況と・・・」
 「それを明確にするために怨みの記憶を集めたいのだ。
 とにかく陰の書は禄命簿とワンセットで遺されることになったはずが、私が禄命簿を受け取った際陰の書はなく、追記されたこの情報しか残されていなかった。
 どうやら晴曼の血を継ぐ者が代々受け継いて守り続けていくうちに、長い歴史の中で血統が細かく枝分かれし、別々になって居所がわからなくなってしまったようだ」
 「え、晴曼に末裔が?今もその血が継がれているの?」
 「うむ、実はできるだけ追跡して調べてみたのだが、もともと陰陽師の本流ではないので厳密な家系として残されてはいなかった。
 おそらく現代では、わけもわからず代々残されている古文書、みたいな存在だろうな。
 陰の書についても謎の声の主に聞けるものなら私が聞いてみたいよ」
 「つまり、禄命簿・陰の書には晴曼自身が残した秘術や呪いへの対処法が書かれている、と」
 「ああそうだ。ずっと探しているがまったく手掛かりはなしだ。
 だから、お前たち、もし怨みの記憶は影の書の手掛かりを見つけたら、私に報告してくれたまえ。
 今、私から言えることは本当にもうこれで終わりだ」


 超常/呪詛:禄命簿
 攻略情報:禄命簿・陰の書


 午後1時台
 路上


 「えっと、つまり。江戸時代にも蘇りの秘術を巡った呪い合いの惨事があって、その対処法を記した禄命簿・陰の書ってやつに有益な情報が書かれているかもしれない、ということかな」
 「うん、その陰の書さえ見つければ、今回の事態を収拾する方法がわかるかもしれじない」
 「でも新石先生でも手掛かりはないなんだよね、どうやって探せばいいのか」
 「きっと、今回の事態に関係している誰かから繋がるんじゃないかと思う。七不思議の呪いを呼び起こした黒幕とも関係していると思うし」



 これからのこと。
 「えっと、ミヲちゃん。これからだけど、どうする?」
 「まずは、今の情報を津詰警部に共有しておきたいかな。禄命簿・陰の書の話とかおっきな手掛かりも得られたし」
 「じゃあ学校に戻る?」
 「そだね、そこが今の連絡拠点だから」


 黒幕のこと
 「新石先生に禄命簿を渡したという声の主が」
 「たぶん、今回の呪いを呼び起こした黒幕なんだろうね」
 「女性っぽかったって言ってたけど、やっぱ怖い人なのかな」
 「あれ、いつののやっこちゃんなら、『だったらその黒幕をとっ捕まえて吐かせりゃいっか!』とか言いそうだけどね」
 「さすがに、今はそんなに元気でもないから・・・かな」


 黒幕のこと
 「黒幕の女性、と関係しているかわからないけど、晴曼と対立してたっていう陰陽師の女性も、気になるよね」


 このあたりのこと
 「あ、そういえばミヲちゃん。このあたりさ、近くだよね」
 「あ、白石さんの?」
 「うん、美智代ちゃんの現場に。わたし、毎日花を置きに来てたから」
 「あ。そうだ。やっこちゃん。おとといかな。私をこっくりさんに誘った日も、この現場に来てた?」
 「うん、朝学校に行く前に、花を供えに来たけど、どして?」
 「その日は、何か変わったこと、なかった?」
 「どしたの急に。でも、あの日は、突然ちょっとだけ目まいがして少し倒れちゃった日かな。すぐに気づいたから立ち眩みかなって思って気にしなかったけど」
 「うん、ダイジョブ、ありがと」


 ミヲとやっことの会話に、「ちょっと、そこのきみたち」と男性が割り込んでくる。
 「失礼するよ。立ち聞きするつもりはなかったが、気になる単語が聞こえてきたものでね」
 「どちら様でしょう」
 「ぼくは並垣祐太郎。いや、昨日までは呪主だった者、と言った方がいいかな」
 「呪主!!!」
 「おっと、そんなに身構えなくていい。足洗い屋敷の呪詛珠はすでに手放している」
 (足洗い屋敷?じゃあ、津詰警部が言っていた人?)
 「おっ、津詰警部を知っているのかい?だったら話は早いだろう」


 「あいつ!運転席!」
 「やっこちゃん?」
 「あれ?わたし、今、何かしてた?」


 「並垣さんはどういったご用件でしょうか」
 「実はきみたちに相談したいことがある。もし時間があるなら、ちょっと来てもらえないかな」
 「相談?」
 「白石美智代の話をしていただろう?それに関する話だよ。今時間がないならあとでもいい。僕は両国橋付近で待っているから」
 「どうしようか」


 並垣と話す
 先に学校に行く


 「じゃあせっかくなので並垣さんのお話を伺います」
 「そうかいありがとう。じゃあ少し移動しようか」


 午後1時台
 両国橋


 「それで、私たちに相談というのは?」
 「率直に言うと、君たちの呪詛珠で白石美智代を蘇らせて欲しいんだ」
 「え?」
 「そもそも僕が蘇りの秘術を求めたのも、その願いを叶えるためだったんだが、志半ばにして呪詛珠を手放さざる得なくなってしまってね。そしたら、きみたちも白石美智代と縁のある呪主のようだったから、渡りに船とばかりにこうしてお願いをしようと思ったんだ」
 「ごめんなさい、ちょっと唐突過ぎて理由がわからないんですが、波垣さんは白石さんと関係のある方なんでしょうか?」
 「ああ。彼女とはちょっとした縁があってね。彼女の不幸な報せにはとても心を痛めたものだよ」
 「えっと、白石さんを蘇らせたいのはやまやまなんですけど、私たちはすでに蘇りの秘術を使うことは諦めていて」
 「そうか。でも目的が同じなら、呪詛珠を譲ってもらって、僕が代わりに滓魂を集めても、いいけど?」
 「それもお断りします。私たちの目的はこの呪いを鎮めることになるので」
 「わかったよ。残念だが呪詛珠は諦めよう」
 「わかってくれましたか。ありがとうございます」


 「なんだが怪しかったけど大人しく帰ってくれたね。
 あれ?やっこちゃん?話している間に、どっかに?」


 「ふふ、追いついたぞ。わざわざこんな人のいない場所へ誘い込むとは、いい度胸だね。
 悪いけどその呪詛珠、力づくでもこちらに渡してもらうよ」


 やっこが振り向くと、白石美智代の姿になっていた!


 「なぜ!おまえ!出た!また出た!!!どうして?あれは、事故なんだ!本当だ!わざとじゃない!だから、ぼくも蘇らせようとしていて!」
 「モウ、オソイ」


 このあと、根島史周の呪詛による大量虐殺が実行され、世間は未曽有の惨事に見舞われた。
 そして以降、逆崎約子の姿を見た者はひとりもいなかったという。


 エンディング#1:白石美智代の恩讐

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 場所移動:白石家
 午前9時台。


 家の壁を調べる→なめどり#06:鷲野威愚留


 白石家へ→まずは襟尾一人で、白石家を訪問することになった。


 戻って来た襟尾は、白石家は人の気配がなく、郵便受けには新聞が3部ほど溜まっていた、と報告する。


 再度白石家を調べてから、場所移動:駒形高校


 午前9時台
 駒形高校前


 ミヲを調べる→気になる!


 襟尾「なるほど、キミがウワサの労基法グレーの霊感高校生ってやつだね?」
 ミヲ「津詰さん、そう思っているなら環境改善するよう言ってください。私だって好きでタダ働きしてるわけじゃないんですから」
 襟尾「それなら大丈夫!今回協力してくれたらなんでも好きな物ごちそうするよ!ボスが!」
 ミヲ「ありがとうございます!高級お寿司だなんて!」
 約子「銀座でお寿司!そんなのはじめて!」
 襟尾「やりましたね、ボス!快く協力してくれるみたいですよ!」
 津詰「は?寿司?決まんの早くね?」
 襟尾「どうもごちそうさまです!」
 津詰「「お前も?」
 約子「あはは、なんか漫才みたいで面白い刑事さんたちですね!」


 ミヲと話す。
 「んで、お前さんは今何をどこまで把握できてんだ?」
 「とりあえずわかってるのは昨晩0時頃に、何者かが呪力を増幅する霊夜祭を発動して本所七不思議の呪いを呼び覚ました。その理由は蘇りの秘術を使うのに必要な滓魂を、呪術を使えない人でも集められるようにするため。だと踏んでます」
 「そこは俺も同意見だ。ついでに言うと、本所七不思議の呪いは全部で9種類。霊夜祭の発動時に七不思議の所縁の地に近くてかつ蘇りの秘術を強く求めていた者に呪詛珠が現れた。主訴珠は最初に手に入れた落ち葉なき椎を含めて今俺が3つ持っている」
 「こちらは、呪詛珠の一つ馬鹿囃子をうしろにいるやっこちゃんが持ってます」
 「あ、どうも。うしろのやっこちゃんです」
 「できれば今ここで俺が預かりたいが」
 「昼間は霊夜祭の影響もないですし、ちょっと思うところもあるので」
 「わかった、お前さんがそう言うなら馬鹿囃子については任せとくぜ」


 ミヲと話す、
 「津詰さんは呪詛珠の回収をお願いできますか。私は霊夜祭を止める方法を探します」
 「わかった、そこは手分けしたほうがいいだろう。ほかの呪主に心当たりはないか?」
 「それなら昨晩学校で・・・」


 「なるほどな。二人でこっくりさんをやってて、そこで呪影と出くわしたわけか。よく生き残れたな」
 「条件は踏まずに済んだみたい。その時の呪影は片手と片足がない女の人の姿をしていました」
 「片葉の芦だな。やべえぞ、おい!片葉の芦の呪主っていやあ、根島史周が自分で言ってた呪いじゃねえか!昨晩この学校に根島史周がいたかもしれねえってことだ!」
 「根島って誰?」


 ミヲと根島史周について話す。
 津詰「実は根島史周って悪党がこの霊夜祭に乗じて・・・」
 ミヲ「ええっ!今日の日没時に大量に呪い殺すって予告を!!」
 約子「それに警部さんの娘さんも命を狙われてて!」
 津詰「ってわけで全力で捜索中だったから正直根島の手がかりは助かる。改めて確認してえが、濁昨晩学校にいたのは誰だ?」
 ミヲ「私たちが把握しているのは、城之内先生と同級生の奥田さんかな」
 約子「あとは葦宮のおっちゃんもいたよね」
 襟尾「今言ってた奥田って、2年生の奥田瞳さん?」
 ミヲ「そうですけど」
 津詰「昨夜この学校にいたのか」
 ミヲ「奥田さんとさっき会って話しましたけど、呪主ではなさそうでした」
 津詰「ちょっと話を聞きてえな」
 ミヲ「奥田さんは、警察はすぐ自分を疑うので話したくないと言ってました。なので無暗に疑ったりしないと誓ってもらわないと、話せません」
 津詰「そこは安心してくれ。別の事案だ」
 ミヲ「もしかして、吉見っている警察官の件ですか?」
 襟尾「え、知ってるの?奥田さんは、吉見のこと何か言ってた?」
 ミヲ「じゃあ、その話も・・・」


 ミヲと根島史周のことについて話す。
 ミヲ「昨晩学校にいた人っていうと、ちょっと不確定な情報ですけどもうひとりいて・・・実は、奥田さんは昨晩城之内先生が呪い殺される場面を目撃したらしく・・・」
 津詰「なんだと!」
 ミヲ「そのときの様子だと・・・」
 襟尾「城之内は白石美智代に呪い殺された?その目撃された女生徒の人影が白石美智代だったってこと?」
 ミヲ「状況だけ聞くとそうとしか」
 津詰「もうひとり呪主が学校にいたってことか。実勢城之内が呪いで死んでるわけだからそうなんだろうな。白石美智代かはともかく」
 襟尾「まさか、白石が化けて出たってことは?さっきの話もあるからきっと怨みが」
 津詰「心霊現象が実在するからって何でもアリなわけじゃねえ。根島がいて城之内を呪い殺した可能性も充分にある」
 約子「さっきの話?」


 ミヲt根島史周のことについて話す。
 津詰「ところで、その葦宮って校務員だが何歳だ?いつからここで働いている?」
 ミヲ「私は転校してきたばかりでよく・・・」
 約子「50代くらいで、だいたい半年くらい前に来ました。それより前に何をしていた人なのかは謎で、みんないろいろウワサしてました」
 津詰「あんがとよ。おかげで、だいたい見えてきたな。ひとつ教えておくと、名前が広がり過ぎた犯罪者は、ムショからシャバに戻ったあと通名を使って仕事を探す例も多い。キチンと社会復帰を目指すにはその舐めが邪魔にある場合があるからだ。エリオ、現場の捜査官に校務員を確保させろ!夜勤ならまだ宿直室にいるかもしれん!」
 襟尾「はい、すぐに!」


 戻って来た襟尾が、宿直室はもぬけのカラだったと報告する。


 津詰「葦宮の顔写真は残ってねえのか?」
 約子「そういえば葦宮のおっちゃん写真撮られるのすごくイヤがってて、すっと逃げ回ってた」
 津詰「葦宮を緊急手配だ!逃がすな!」
 襟尾「はい!本部に連絡します!」


 ミヲと根島史周のことについて話す。
 約子「葦宮のおっちゃんが過去の凶悪犯だとか、ちょっとまだ飲み込めないんだけど。しかも呪主?」
 襟尾「学校とか、そんなヤツをいちばん働かせちゃいけない場所じゃないですか」
 津詰「被害がまだ出てないならいいが」
 約子「そういやわたし、昨夜葦宮のおっちゃんに呪詛珠、見せちゃったけど」
 津詰「そいつは危ないかもな。根島はいちいち呪主を狙う必要はねぇって言ってはいたが」
 約子「じゃあ、廊下でミヲちゃんを襲ったのも葦宮のおっちゃん?わたし、ミヲちゃんがまだ校舎にいるってこと言いそうだった。危なかった」
 津詰「実はギリギリだったのかもな」


 ミヲと根島史周にことについて話す。
 ミヲ「怖いな、早く見つかってほしい。がんばれ国家権力!」


 ミヲと霊夜祭の黒幕のことについて話す。
 ミヲ「この霊夜祭を止めるにあたって、今回の秘術や七不思議の呪いがどのように生まれたものなのか知りたいんですけど」
 津詰「だったらあの気難しそうな研究者がいちばん詳しいだろうが」
 ミヲ「新石先生ですよね。どうにか話を伺いたいんですが」
 津積「そうか、この学校の講師だからあんたら顔見知りなのか。生徒が訪ねてきたら話してくれるかもしれんな」
 ミヲ「新石先生がどこにいるか、ご存じですか?」
 津詰「聞いた。俺らじゃ詳しく話してくれねえ。お前らちょっと訪ねてみてくれ。ヤツは、いつもこの喫茶店で書類を書いてる」
 ミヲ「亀沢の喫茶店:黒桔梗ってとこですね。ありがとうございます!行ってみます」
 約子「でも校則で喫茶店の立ち入りは禁止されてますけど」
 津詰「構わん、俺が許す」
 ミヲ「ありがとうございます」


 ミヲと霊夜祭の黒幕のことについて話す。
 ミヲ「何者かが意図をもって、今回の事態を引き起こしたはず。なんとか突き止めたいです」


 ミヲと奥田瞳のことについて話す。
 ミヲ「奥田さんは、吉見という警察官から頼まれたことがあると言ってました」
 襟尾「頼まれたこと?」


 襟尾「吉見から、お守りを預かった?」
 ミヲ「それと、白石さんが持っていたはずのもうひとつのお守りも探してほしい、と」
 襟尾「何のお守りでしょうか」
 津詰「思い当たるものはねえが、吉見が死ぬ前に危険を察知して頼んだなら意味ねえってことはねえだろうな」
 ミヲ「白石さんの遺留品にお守りっぽものはありませんでした?」
 津詰「確認してみるが、そこにあったなら吉見がとっくに回収しただろうよ」
 襟尾「お嬢さんたち、奥田さんの連絡先は教えてもらえないかな。できれば吉見やお守りについて直接会って確認したいのだけど」
 ミヲ「どうでしょう。吉見さん以外の人に心を開くころはなさそうでしたけど」
 襟尾「オレラジャダメかな。吉見とは友達なんだけど」
 約子「襟尾さんたちはそんな怖い人じゃないとは思いますけど、やっぱどうしても自分が疑われているっていう気持ちが拭えないみたいなので」
 ミヲ「正直なところ、私たちに対してもだいぶ警戒してる感じだったから」
 津詰「そうか、そんなら。例えば吉見の婚約者ってヤツならどうだ?会ったこともあるんじゃねえか?」
 ミヲ「婚約者さんとは会ったことあるって言ってました。その人ならもしかしたら、話してくれるかもしれないです」
 津詰「なるほどな。捜索を急ぐか」
 ミヲ「連絡がつかないんですか。それは心配ですね」


 ミヲと奥田瞳のことについて話す。
 津詰「蝶澤麻由ってのが吉見の婚約者だ。そいつを見つけたら連絡させる」
 ミヲ「わかりました。その人になら奥田さんの連絡先を伝えます。あとそうだ、奥田さんが言うには、もし吉見さんの身に何かがあったときは、そのお守りを本庁のナカゴシさんにって話をされてたそうなんです」
 津詰「なに!ナカゴシ案件か?吉見がどうしてそれを?」
 ミヲ「確認してもらえますか」
 津詰「一応聞いてみるが、あそこなー、連絡つくのかどうか」
 襟尾「もしかして心霊対策室関連の人ですか?」
 津詰「ナカゴシってのが室長なんだが、いつも不在なんで正直よくわからねえ。存在自体が秘密というか、シンボルっつーか俺も直接会ったことねえからよく知らん。とりあえず心霊対策室の担当事案を関係者はナカゴシ案件って呼んでるわけだ」
 襟尾「どういう組織なんですか、それ」


 ミヲと奥田瞳のことについて話す。
 ミヲ「奥田さんが探しているっているお守りが、重要なカギなのかもしれないですね」


 約子と話す。
 約子「さっき言ってた白石美智代の話って何ですか?」
 襟尾「ええと、キミは?」
 約子「白石美智代の友人です、そもそもはあの子を蘇らせたくて」
 津詰「いろいろ教えてもらったからな。こっちも話してやれ、エリオ」
 襟尾「わかりました。これはあくまで可能性の話だけども、再見分の結果、白石美智代さんは自殺じゃなく事故死の可能性もあることがわかったんだ」
 約子「やっぱリ事故?」
 襟尾「猛スピードのワゴン車やトラックが衝突したら同じ状態になる可能性があるって話だけど、その見分は吉見が進めていた物だからね、彼は自殺じゃないと信じていたのかもね」
 約子「ワゴン車?猛スピード!」
 ミヲ「やっこちゃん、どうかした!大丈夫?」
 約子「ああああ!!ワゴン、運転席、若い男!助手席に女?」
 ミヲ「やっこちゃん!」
 約子「あれ、わたし?」
 ミヲ「気が付いた?汗すごいよ」
 約子「はあはあ。大丈夫、たぶん。ごめんさない、お騒がせしました」


 約子と話す。
 約子「吉見さんが美智代ちゃんとのこと相談に乗ってくれてたんですね」
 襟尾「でも肝心なことは何も話してくれなかったらしいから、白石さんがどんな事情を抱えていたのかはこちらでもよくわかってなくてね。城之内が白石さんを恐れる理由って何か知っている?」
 約子「それは・・・」
 ミヲ「うまく説明できるかわからないですけど・・・・」
 襟尾「まあ、だいたい察した。ありがとう」
 ミヲ「すみません、うまく説明できなくて」
 津詰「城之内が握ってた弱みってのが気になるところだな」


 約子と話す。
 約子「美智代ちゃん、いったい何が」


 発見現場を調べる。
 約子「あのロープ、あれなんですか?」
 襟尾「あれは被害者である城之内があのあたりで倒れていたっていう目印ですよ。遺体を片付けたあとも現場がどんな状況だったかあのロープで残して検証を行うわけです」
 約子「手足の形がすごいことになってるし、怖っ!」


 発見現場を調べる。
 津詰「あの現場どうだ?」
 ミヲ「直に見せてもらってわかった。呪いの力少し残ってる」
 襟尾「城之内教諭は七不思議の呪いの力で殺されたってこと?」
 ミヲ「うん、強い呪詛が発動するとどうしても痕跡は残るから」


 発見現場を調べる。
 約子「ミヲちゃん落ち着いてるけど、こういう事件現場とかも慣れているの?」
 ミヲ「そんな慣れてはいないけど、何度かは遭遇しているから、かな」
 津詰「前に聞いた話だと、霊障に遭った凄惨は遺体を平気な顔で検証してて、頼もしかったそうだぜ」
 ミヲ「やめて、そういうこと言うとまた変な印象が」
 約子「すごい!ミヲちゃんプロだね!わたしは立派だと思う!堂々としてなよ!」
 ミヲ「なんか微妙」


 発見現場を調べる。
 襟尾「鑑識班が呼んでますね。ちょっと行ってきます」
 津詰「おう、頼む」


 戻って来た襟尾が、現場から少し離れた場所に落ちていたというリボンを見せると、約子は、白石美智代がいつもつけてたリボンだと証言する。


 約子と話す。
 津詰(逆崎約子という女生徒は黒鈴と一緒にいたが、もしかして友達か?もし友達だとしたら
おじさんうれしくなっちゃうぞ。これは黒鈴の印象が悪くなるような発言は慎んだほうがいいかもな)


 約子と話す。
 約子「もし美智代ちゃんが蘇って生きているのなら、いったいどこに行っちゃったんでしょう」
 津詰「教師になったように、ほかのヤツに復讐にでも行ってるのかね」
 襟尾「そんなに許せない相手がいるもんですかね?」
 津詰「事故死だったらその相手とか?」
 ミヲ「もし、本当に白石さんが蘇ったのだとして、せっかく奇跡的にもう一度生きられる機会を得たのに、それで果たす復讐って、なんだかとても哀しい気がする」


 津詰と襟尾はもう一度白石家に行くことにし、ミヲと約子は、新石に話を聞きにいくことになった。


 場所移動で、志岐間春恵:捕まろうが死のうがと逆崎約子:セイマンが解放!

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 午前10時台
 志岐間邸


 徹夜で調査してきた利飛太が、春恵の元を訪れる。
 利飛太は、自分たちは滓魂の貯まった呪詛珠を奪い取ろうと目論でいるが、奪い取らなくても呪主と直接交渉して秘術を使わせてもらうのもアリか、と春恵に尋ねる。
 春恵が、「もちろん」と答えたので、利飛太は、それにはそれなりの対価を提供しなければならないと説明すると、春恵は、「身代金のときのような後悔は絶対にしたくないから、お金に糸目はつけない」と答える。
 春恵の答えを聞いた利飛太は、それを踏まえて作戦を立てることにする。


 利飛太と呪主のことについて話す。
 「交渉できそうな呪主にアテでにあるの?」
 「いや、そもそも積極的に滓魂を集めている呪主が、存外少なそうだと思ってね。今朝のニュースは見たかい?」
 「いいえ」
 「実は昨晩から早朝にかけて、この区内で3人の変死体が発見されていて・・・」


 「・・・という3件の変死遺体だそうだ。それぞれの身元はまだ発表されていない。これらは本所連続殺人事件として今ちょっとした騒ぎになっている」
 「えっ、たったの3人なの?」
 「そもそも呪主の滓魂であってもひとりふたりでは満たないはず。なのに七不思議の呪詛珠に対して滓魂が3人前はかなり少ないペースに思える。呪主たちは皆慎重派のようだね」
 「せっかくの蘇りを・・・」
 「滓魂を集めきった者はまだいなさそうだ。であれば、何かをエサにして焚き付ける必要があるかもしれない」
 「それで対価なのね」


 利飛太と呪主のことについて話す。
 「積極的な呪主が現れていない。これは呪いを伸び覚ました者が意図していた事態なのか気になるところだね」
 「えっ、呪いを呼び覚ました者がいるの?」
 「呪詛珠を得た時に殺せと煽る声が聞こえたようだし、さすがにこれが自然現象だとは考えにくい。誰かがこの地に伝わる呪いに働きかけたはずだ。その目的は蘇りの秘術だろうがね」
 「だったらその呼び覚ました当人も、呪主になるのではなくて?」
 「呪いを起こした黒幕の目的が秘術であれば、呪主になって積極的に呪いで滓魂を集めるだろう。しかしそれはかなりの危険を伴う。ほかの呪主に命を狙われるからだ」
 「だとしたら、呪主たちが消極的なほうが都合がいい?」
 「そう、なのに実際は呪主になった者に「呪い殺せ」と煽っている。考えられることとしては、黒幕は自分で滓魂を集めるつもりはないのかもしれない」
 「最初から呪主同士で争わせてから呪詛珠を奪うつもりで?」
 「監視する手段があるならばそっちのほうがずっと安全だろう。僕が他人の呪詛珠を奪うのがアリだろうと考えたのもそういう理由からだよ」
 「ならどうするの?」
 「当然ながら黒幕自身が呪主になっている可能性も充分に残っている。正直、その黒幕は相手にしなくないな、どんな力を持っているかわからないからね。交渉するにしても奪うにしても、黒幕を出し抜いて滓魂を集めている者を接触せねばなるまい」
 「どうやって?」
 「そこは探ってみるしかないだろう」


 利飛太と呪主のことについて話す。
 「黒幕が呪主たちを煽って滓魂を集めているのだとするなら、そもそも本当に蘇りの秘術なんてあるの?」
 「蘇りの秘術が呪主を動かすための虚偽に過ぎない可能性はあると思う。ただその可能性があるからといって、マダムは秘術を諦められるのかい?」
 「無理」
 「真実である可能性があるならば乗るしかないわけだ。ただ、まんまと呪いを使ってやる必要まではないがね」


 利飛太と呪主のことについて話す。
 「というわけで、昨晩発見した呪主と疑われる人物の身元を洗えるだけ洗ってみたよ」
 「さすがのプロタンね」
 「ありがとう。まずは呪主じゃないけど、僕らに接触してきた灯野あやめという女性。T美術大学に通う大学生で現在は緑町公園の近くのアパートでひとり暮らしをしている」
 「住所まで、恐ろしいのね、プロタン」
 「浮世絵を学べそうな美大を片っ端から電話して親族のフリをして聞き出したよ。ただここに来る途中で寄ってみたけど昨晩から自宅に帰った様子はなさそうだった」
 「あのあと追跡したのではなくて?」
 「追跡は失敗してしまったのだよ」
 「まあ、プロタンがなんてことを」
 「彼女の動きをどうにか知りたいものだけど、もう少し時間がかかるかもしれない」


 利飛太と呪主のことについて話す。
 「次は黒ずくめの長身の男。見た目が特徴的なので錦糸町付近で聞き込みをしたところうまく情報を得られた」
 「まあ、圧巻の諜報力」
 「その男はヒハク石鹸という会社の会長秘書をしている弓岡という人物だろう、とのことだった」
 「ヒハク石鹸は昔からずっとこの町にあった会社。この十数年で急に大きくなった感じ」
 「会長の女性がどても豪腕だと、数年前の経済ニュースで話題になっていたのを覚えている。業績も好調なので今こそ区内にある工場をフル稼働させたいところだろうけど、公害対策法で産業廃棄物の基準が厳しくなってから設備の古い工場は稼働停止しているものも多いそうだ」
 「確かに、10年ほど前は化学工場の廃液も川に垂れ流しで、評判は良くなかった」
 「まあそんな会社に勤める男があの時間に何をしていたのかは気になるところだね。ここに来る前にヒハク石鹸本社にも寄ってみたけど、まだ営業していなかった。あとで出直そう」
 「美容の研究のために蘇生にも興味をもったとか?」
 「それは面白い考えだ」


 利飛太と呪主のことについて話す。
 「昨晩はもうひとり怪しい中年男性とも遭遇したけど」
 「滓魂を集めている様子があった、という男ね」
 「その男性は中肉中背で顔もよく見えず、身元を特定できるだけの情報が得られていない」
 「それは残念ね」
 「ただ推理はできる。蘇りの秘術について記されて古文書を発見したとされる郷土史研究家がいてね。その新石英樹という人物の背格好がかさに目撃した男と同じくらいだった。
 「そんな人物がいるの?だったら、呪いを起こした黒幕もそほ人が怪しいんじゃなくて?」
 「うむ、その可能性もあるだろう。だから、ひとまずその男への接触は避けておこうと思う。もちろん情報は欲しいがね。だけどそこに飛び込むのは今じゃない」


 利飛太と呪主のことについて話す。
 「このあとまた呪主の確認に行くなら、まずはヒハク石鹸で黒ずくめの男かな。本社は南割下水通り沿いにあるよ」


 利飛太と誘拐事件について話す。
 「誘拐事件の犯人の件だが、ひとつ報告がある。さっき言った連続怪死事件のひとり。駒形高校の校庭で遺体で発見された男性とは、実は教師の城之内耕兵だ」
 「なら、その人は呪主だったの?」
 「可能性はあるがいずれにせよ、これで誘拐事件の事情を知る者がひたりとも死んでしまった、ということになる」
 「ようやく進展しそうだったのに」
 「それでも調べられるだけ調べてみようと思うが。さすがに白石美智代の自宅まではまだわからない。場所がわかったら訪ねてみてもいいだろう」
 「ええ。わかった」


 利飛太と連続怪死事件について話す。
 「世間で言われている連続怪死事件は今朝発見された3人に加えて、1週間前に投身自殺した白石美智代や、旧安田庭園での警察官の変死も含まれるているそうだ」
 「でも、その2件は七不思議の呪いとは別なのよね?」
 「うむ、呪いの発生よりも前に死亡しているので別件のはずだが。ひとつ思うに、もしかするとそこに黒幕が噛んでいる可能性はあるかもしれない」
 「えっ!」
 「今回の七不思議を呼び覚ますための前段階として。タイミング的に本当に無関係として良いのか、という懸念からの推理だけどね。特に警察官の変死事件はむしろ呪いであってほしいと思うくらい不可解だ。被害者はそう簡単に遅れを取るような警察官じゃないはずだしね」
 「詳しいのね」
 「あながち、無関係でもなくてね。これは個人的な事情だけども」
 「そう。じゃあ、そっちを調べて行けば黒幕に結び付くのかもしれないの?」
 「そうだね。僕らの目的が黒幕探しならそっちから調べていただろう」


 利飛太と連続怪死事件について話す。
 「まだまだこれから呪い殺された被害者が発覚して増えるかもしれない。今日のニュースには気を付けておいたほうがいいだろう。さて、報告はこのくらいにして今日の調査を続けるとしようか。マダムはどうするかい?呪詛珠が使えないなら出歩いても大丈夫だと思うが」
 「そうね、一緒に行く。この目で見定めたい」
 「じゃあこのあとどこに行くかは依頼人であるマダムが決めてくれたまえ」


 場所移動:南割下水通り


 周囲を調べる→文化/社会:南割下水通り


 ヒハク石鹸社屋を調べる→文化/社会:ヒハク石鹸、人物リスト:山森ナツヱ


 利飛太は、ヒハク石鹸会長秘書の弓岡は、山森会長の指示で動いている可能性があり、それならば交渉は厳しいだろう、と話す。


 利飛太に話しかけると、弓岡について、ヒハク石鹸に調べに行く。


 戻って来た利飛太から、弓岡と直接接触して、昨晩遭遇した人物に間違いないことを確認したが、呪主ではなさそうだ、と報告を受ける。
 弓岡は、七不思議の呪いを知っていたし、こちらが呪詛珠を持っていることにも勘付いていたとのこと。
 利飛太は、弓岡とは昨晩遭遇したあと落とし物をしたのを尋ねる体で接触してみたが、弓岡から「あなたの持っている呪詛珠をこちらに引き渡してもらいたい」と言われた、と話す。
 弓岡は、利飛太のことを呪主だと指摘したため、利飛太は、送り拍子木の呪詛珠を持っている、と答える。
 弓岡は、呪詛珠が危険なものなので、当社で責任ももって処分するから引き渡すように、と言ってくる。
 利飛太が、呪いの道具の処分が本当にできるのかを疑うと、弓岡は、神通力を持った山森会長がこの地で呪いが蔓延るなど許してない、と答える。
 弓岡は、山森会長は、裏では霊媒師の我妙堂垂弦という名で除霊などの活動をしている、と教えてくれる。
 利飛太が、そっちに呪詛珠がいくつ集まったのかを尋ねると、弓岡は「6個」だと答える。
 利飛太は、呪詛珠を渡すことを同意し、大事なものなので別の場所に隠してあるからあとで持ってくる、と話すと、弓岡は、住所と電話番号を確認する。


 利飛太は、弓岡がハッタリをかましていることに気付き、呪いについて知っているのに、滓魂の貯まっていない呪詛珠を必死に求めていることから、ヒハクが今回の呪いの黒幕の可能性もある、と話す。
 そして、利飛太は、山森会長の神通力を持っているという秘密を、外部の人間に教えるということは、弓岡の出まかせか、ウワサを広げようとしているのだろう、と話す。


 場所移動:緑町公園


 周囲を調べる→文化/社会:緑町公園
 利飛太の左上の葉を調べる→なめどり#07土場富ポポ十郎


 利飛太に話しかけると、灯野あやめの家を調べに行ってくれる。
 戻って来た利飛太は、あやめはまだ帰った様子はなかったが、周りに警察関係と思わしき人が張り込んでいた、と報告する。


 場所移動:駒形高校


 利飛太に聞き込みを頼む。


 戻って来た利飛太から、城之内を殺したのは実は白石美智代の仕業という話があった、と報告を受ける春恵。
 その根拠は2つ。
 まずは、利飛太も聞いている「白石美智代に殺される」と数日前からぼやいていた点。
 もうひとつは、昨晩遅くにこの学校付近で制服を着たおさげ髪の少女を目撃した、という証言が複数人あった点。
 それから住所録を持っていた生徒から、白石美智代の住所を教えてもらったとのこと。


 場所移動:白石美智代宅


 白石宅を訪れた利飛太から、数日間留守のようだ、と報告を受ける春恵。
 近所の聞き込みから、白石家はここ1年くらい近所でも評判が良くなったとのこと。
 区内の一等地に住んでいた白石家は、主人が交通事故で死亡して母子家庭になったため、3年くらい前に母親の白石稔子と娘の美智代がここに越してきた。
 1年ちょっと前に、前科持ちで稔子の内縁の夫と思われる岩井官吉郎が白石家に出入りするようになった。その岩井はすぐに暴力を振うので罵声や悲鳴がよく自宅が漏れていた。そのほかにも、夜な夜な怪しげな呪文のような声も聞こえてきて気味が悪かったそう。
 それ以来、稔子は傷だらけで出歩く姿がよく見られるようになり、声を掛けても何も答えなくなっていった。
 そして白石家も昼間でも雨戸を閉め切るようになり、完全に孤立していったらしい。
 そして先週美智代が自殺してからは、岩井との関係はより険悪になり、稔子は心身を痛めついてに入院してしまい、それ以来岩井の出入り姿を見なくなったとのこと。


 「どうしてそんな野蛮の人と交際なんてしてしまうの?」
 「交際した途端手のひらを返したように態度が横柄にある例はよくある話だよ。そうでなくとも白石稔子は生活に相当困っていたようだし、娘を高校に進ませたいという願いもあり甘い言葉につい頼ってしまったんじゃないかな」
 「ふうん、そういう世界もあるのね」


 人物リスト:岩井官吉郎


 場所移動:南割下水通り


 ヒハク石鹸社屋を調べる→利飛太から、今朝発見された変死体のひとりは、ヒハク石鹸の従業員だった、という話をヒハク石鹸の社員が話していた、と言われる。


 場所移動:白石美智代宅


 利飛太に話しかけると、津詰と襟尾がやってくる。

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 今日のパラノマサイトFILE23本所七不思議はどうかな?


 午前8時
 自宅前


 「やっこちゃん、おはよう。あれ?やっこちゃ~ん?おーい」
 「ん?あれ?」
 「あ、起きた」
 「あれ?朝?」
 「ダイジョブ?自分の名前わかってる?」→「逆崎約子です


 「ちゃんと目が覚めたみたいだね。よかった」
 「昨夜はありがとう。大丈夫だった?」
 「うん、生きているよ。呪影を払って呪主を突き止めることはできなかったけど、どうにか逃げ切った。この場合生き残れば勝ち」
 「ごめんね、危険に巻き込んで。わたしも明るくなったらすぐ起きて探しに行こうと思ってたんだけど、なんかすっごく眠くて」
 「いいのいいの。あんなことがあったら消耗するだろうから仕方ないよ。それにやっこちゃんが呪いに巻き込まれてこっちが申し訳ないって思ってるから。そもそもそうさせないのが私の役目なのに」
 「昨夜もそんなことを言ってたけどさ、ミヲちゃんていったい何者なの?」
 「実は私、幼いころから霊感的なものをちょっとばかり嗜んでおりまして」
 「え?華道や茶道みたいに霊感を身につけるようなことがあるの?」
 「ちょっと小さいときに、いろいろあって」
 「そっか、きっと大変だったんだね」
 「うん、話すと長くなるから詳しいことは置いといて。今は縁あってある霊能者さんの弟子とか助手的な感じなことをやっててね。昔から学校という場所は感受性の高い青少年が集まるから霊障が発生しやすい傾向があって、何か起こりそうな学校に派遣されて未然に防ぐようなことをしているわけなの」
 「すごい。じゃあ学生やりながらそんな副業を」
 「やっていることは治安維持の補助だけど修業の一環ってことでバイド代も何もなく・・・」
 「大変そうだね。でもすごいなあ。かっこいい!」
 「なんか恥ずかしくて微妙だけど。そんなわけでうちの学校周りで起こる霊的な問題は一応私が解決しないといけないの。だから、この呪いの件ももう少し詳しく原因を追ってみるつもり。だけど、とりあえず学校行こうか」
 「うん」
 「そうだ、呪詛珠はある?夜が明けて霊力弱まっているから私が預かれるかも。試してみようか」
 「うん、でも、やっぱりだめなのかな。美智代ちゃんと蘇らせるのは」
 「私は、賛成できない。夢のような秘術だけどその代償が他人の複数の命となると、さすがに」
 「そりゃまあそうだけど」
 「被害をなるべく出さないようこの呪いの儀式を終わらせる。それが今の私の立場で優先すべきことだから」
 「でも、ごめん。この呪詛珠、やっぱりわたしが持っててもいい?呪いは絶対に使わないって約束する。最後まで可能性を放棄しちゃダメな気がして、呪いを収めるにしても一緒に行く、手伝う。わたしの中で美智代ちゃんのことにちゃんと決着つけて前に進むためにも!」
 「わかった。でも危険を感じたらいつでも呪詛珠を渡してね」
 「うん、ありがとう、ミヲちゃん」
 「それじゃあ行こっか」


 文化/社会」駄菓子せんのや


 午前8時
 駒形高校正門前


 「騒がしいと思ったら、学校の前に警察と人だかりが。なんかあったのかな」
 「ちょっと聞いてくる」


 「やばい」
 「どうしたの?」
 「あのね、落ち着いて聞いて。今朝、最初に出勤してきた先生が発見したらしいんだけど、校庭の真ん中で城之内先生が死んでたんだって」
 「え!」
 「だから今日は臨時休校だって。しかもそれだけじゃなくて、そのほかにもこの近くでいくつか変死体が見つかって町中大騒ぎになっているみたい」
 「えっ、えっ、えええ!!!まさか、呪いのせい?」
 「今聞いたウワサだと先生は、校庭の真ん中で倒れていたのに、まるで高いところから落ちたように全身打撲の状態だったらしいから」
 「何それ?」
 「死に方が不自然だし、タイミング的にも、きっと呪いの可能性が高いと思う」
 「夜のうちに誰かが呪いと使ったってこと?」
 「そういうことになるね」
 「こわっ!やっぱりこの呪いで人が死ぬんだ!」
 「しっ、あまり大きな声を出さないで。呪主に聞かれたバレちゃうよ」
 「ひっ、ごめん!」


 人物リスト更新:城之内耕兵


 「もうちょっと情報がほしいけど門は封鎖されて入れないね。裏口から忍び込めないかな。あれ、あそこにいるの、奥田瞳さんじゃない」
 「ホントだ、珍しい。あ、でも昨夜も学校に来てたのか」
 「城之内先生のこと、きっと何か知ってるよね。話聞いてみよう」


 「じゃ昨夜ガッコにいたのはあんたらだった、ってわけかい。だったら隠しても仕方ないね。黒鈴には借りもあるしアタシが知ってることなら話すよ」
 「ありがとう」
 「ミヲちゃんに借りって?」
 「私が転入してすぐのときにちょっとあって」
 「アタシの除霊っての?してもらったんだよ」


 奥田に、城之内の死について聞く。
 「城之内先生のことは、聞いた?」
 「昨夜から知ってたよ。なんせ、あのセンコーが校庭でくたばるトコ見ちまったからな」
 「教えて、先生に何があったの?」
 「アタシだってよくわかんねーよ、暗かったし。言えんのは、夜中の3時台だったかな。アイツが突然逃げるように慌てて校庭に出てきてでけえ声で、『助けてくれ!許してくれ、白石!』とか言って逃げ回ってた」
 「校庭にほかの人の姿は?」
 「アタシがいたトコからは暗くてよく見えなかったけど、制服着たおさげ髪の女生徒っぽい人影がチラっと見えた気がしたな。で、それから『ボクが悪かった1なんでもする!』みたいに命乞いしてて、そのあと誰に何かをされた様子をまいのに突然手足がボキっと折れて倒れて。倒れて動かなくなったから、ヤバいと思ってアタシはそこですぐに立ち去ったよ。アタシが見たのはそんなトコだよ」
 「そうだったんだ」
 「その話だと、まるで美智代ちゃんが化けて出て先生を追い詰めて呪い殺したみたいじゃん!」
 「んなこと知らねーよ。アタシは聞こえた通り伝えただけだ」


 奥田に城之内の死について聞く。
 「今の話、警察には言った?」
 「言ってねーし、言うつもりもねーな。アタシがこんな素っ頓狂はハナシをしたってぜってー信じねーよ」
 「そっか、でも、中には信用できる人だっていると思うけど」
 「まあな、確かにひとり、おせっかいなポリがいたっちゃいたけど、そいつもついこないだ死んじまったからな」
 「あ、そうなんだ。それは、つらいね」
 「こう、アタシに関わるヤツが次々と死んでくとさ、さすがに呪われてんのかなって思ってヤんなるよな」
 「そんなことないよ!奥田さんに憑いてたのはそういう霊じゃないから。だから不幸な偶然。それはそれでつらいけどね」


 奥田に城之内の死について聞く。
 「あのセンコーの死についてアタシが知ってんのはそんだけだよ」
 「ねえミヲちゃん。わたし思ったんだけど、話だけ聞いているとなんか似てるよね。城之内先生の死に方と美智代ちゃんの死に方って。美智代ちゃん、高い所から落ちたように身体が折れていたらしいから」
 「もしかしたら、同じ呪いで殺されたかも?いや、でも白石さんが死んだときはまだ七不思議の呪いは現れていなかったはず。あとこっくりさんを信じるなら、白石さんは事故死なんだよね」


 奥田にミヲの除霊について聞く。
 「奥田さん、なんか悪い霊に取り憑かれたりしたの?」
 「アタシもそこらへんはよくわかんね^けどさ、コイツのおかげでアタシに起きてたヘンな症状が治まったのは間違いねーよ」
 「うん、霊的なものが生まれつき見えちゃう体質の人ってたまにいてね。そういう人は、身の回りの人から理解を得られなくて孤立しがちなの。しかも、見えてる人には霊が集まりやすいから、原因不明の頭痛、肩こり、めまい、幻聴、幻覚、あと意識の酩酊や記憶障害といって霊障も出るし、いろいろつらかったと思う」
 「やっぱさ、霊に取り憑かれると人格を乗っ取られたりすることもあるの?」
 「その霊が親子とか兄弟とかものすごく波長の合う相手なら可能性はあるけど、普通は完全に乗っ取られるようなことは、ほとんど聞かないかな。その波長が合わないからこそ、さっき言った霊障とか身体の不調を起こすわけだけど。」
 「じゃあテレビで見る降霊術とかはインチキなのか?」
 「ううん。降ろす霊に波長を合わせる能力を持っているのがイタコさんとか降霊術師だから。でも、テレビてやってるのは演出だけのやつもあるけどね。実際、生前に強い霊感を持っていた霊とか生前に関係が深かった人の霊だとしても、憑いた相手を完全に操れるわけじゃないけどね。できるとしても、当人の意志で行ってもおかしくない行動から特定の選択を促すこと、くらいだと思う」
 「でもそれだと、その行動を自分の意志でやったかどうかわからなくならない?」
 「だから自身では取り憑かれていることに気付いてない場合も多いよ。あ、記憶とか言動で霊の影響を受けることがあるかもしれない。そこは生前の関係が深いほと起こりやすい感じ」
 「奥田さんもずっと取り憑かれて苦労してたんだね」
 「別にアタシがどんな目に遭ってようとなんも変わんねーよ。霊とかが見える見えないだけの理由でこなったワケでもねーしな」
 「でも見えちゃうのは自分のせいじゃないわけだし」
 「それについては私もそうだから仕方ないところかな。あ、でもやっこちゃんもわりと素質あるから、信じて訓練すれはきっと見えるようになるよ」
 「いや遠慮しとく」


 奥田にミヲの除霊について聞く。
 「そういうのもミヲちゃんの仕事ってわけだね」
 「でもコイツいきなり現れて除霊するとか言って勝手に何してくれてんだって思ったよ」
 「説明もなくいきなり除霊かましちゃった?」
 「経験上、どんなに説明してもわかってもらえないことが多くて、まず結果を示してから説明するとみんな納得してくれるから」


 奥田に昨夜の教室でのことを聞く。
 「奥田さん、昨夜、城之内先生が倒れるところを目撃する前、教室で先生とは何してたのかは聞いてもいい?」
 「そのことは警察に言うのか?アタシみたいにハミダシ者は、何かあるとすぐ大人どもが決めつけてくるからな」
 「わかった、言わないよ。そもそも奥田さんには城之内先生は殺せないから」
 「そう言ってくれるなら教えてやるよ。昨夜は、あのクソセンコーに呼び出されてまんまと襲われそうになってたんだよ。ったく、アイツは最低のセンコーだよ。死んで清々してる。当然の報いだ。人はお前はクズだとか社会のガンだとか何も知らねえで散々言ってきやがってよ。テメエのほうがよっぽどクズな真似してたクセに。」
 「そうなんだ、どうして夜中に先生に呼び出されたのかは詳しく説明してもらってもいい?」
 「んー、それがちょっとややこしくてな、どっから話せばいいもんだか」


 奥田に城之内の悪事を聞く。
 「じゃあ、城之内先生のクズな真似っていうのは?」
 「白石美智代っていただろ?あの自殺したヤツ。あのセンコー、なんか知らねーけどそいつの弱味を握っていたみたいで、それをネタに脅して、放課後呼び出して好き放題してたみたいだぜ」
 「何?どういうこと?好き放題って?」
 「想像に任すよ。あんたらみたいな真面目チャンな生徒にゃどうせ縁がねぇコトだ」
 「そんな!どうして!弱味って?わたしそんなの全然知らない!」
 「やっこちゃん落ち着いて。気持ちはわかるけど落ち着こう」
 「あんたダチ気取ってたクセにいい気なモンだな。白石はあのセンコーのせいでずっと身体も心もズタボロだったんだよ。誰にも言えず絶望しかなかったろうな」
 「そんな、許せない!」
 「奥田さんはどうしてそのことを?」
 「ただ偶然その現場に居合わせたってだけだよ。あのガッコで人目につかない場所はだいたい知ってるからな。アタシが何してんだテメエ!って怒鳴ったらあのセンコーは慌てて逃げて行ったよ。そのあと白石はずっと半べそかいてたから放っておけなくてしばらく側にしたら、ぼそぼそとそういう事情を教えてくれたってわけ。アタシなら言いふらすことはないって思ってみたいんだな。ただ助けてくれとは言ってこなかった。私なら大丈夫かだら秘密にしといて、って。白石は黙ってガマンしてればいつか収まるモンだと思ってたみたいだけどよ、ああいう連中は黙ってたら図に乗るだけだ。アタシもそう言ったけど、これはきっと罰だから、ってどうしようもねえ甘チャンだよ、アイツ。ま、センコーを案の定それ以降も懲りずに続けてたってハナシだ。それで結局自殺してんだろ?世話ねーよ」
 「奥田さん、あなたそのことを知っていたのに」
 「あ?アタシが悪いっての?アイツ自身が言うなって言ってたんだ。大丈夫だって言ってなんだよ。だったらそれ以上アタシが構う義理なんてねーだろ?」
 「やっこちゃん、奥田さんも責めても仕方ないよ」
 「美智代ちゃん、どうして!」


 奥田に美智代の弱味について聞く。
 「美智代ちゃんの弱味っていうのは聞いてる?」
 「そこまでは聞いてねーけど、センコーの脅迫が始まったのは1年くらい前からだってハナシだぜ」
 「そんな前からずっと?」
 「ま、何かしらやらかしたところ、あのセンコーにバレたんだろうな」
 「きっと事情があったんだよ」
 「さあな、アタシにゃどうでもいいことだ」


 奥田に昨夜の教室でのことを聞く。
 「ことの発端は、まずさっき少し話したお節介なポリってのが、数日前に旧安田庭園で死んじまってた吉見ってヤツなんだけどさ。全然サツにゃ見えねえ野蛮なヤローなんだが、やたら面倒見がイイんでそちうとだけはなぜか話せて」
 「そっか、そんな人がいたんだ」
 「死んじまったのはまあしゃあねえと思うけど。ああ、そうだ。婚約者だって女を突然紹介されたこともあってよ。ソイツの前ではあの大男がタジタジなのがケッサクだったな。自分も昔ワルかったから、アタシの味方だっつってくれてさ」
 「そうなんだ。その人にも気の毒だね」
 「ああ、あの人が悲しんでると思うと、ちいとばかし悔しい気持ちになるな。アタシ、吉見が死ぬ日の夕方とご旧安田庭園で吉見と会ってたし」
 「えっ」
 「アタシが荒れてると吉見はすぐその公園に連れて行って、ハナシを聞いてくれてたんだ。その日も同じようにあの公園で呼び出されたんだけど、なんか様子が違ってた。焦った感じっつーか」
 「焦った感じ?」
 「ああ、それで珍しくアタシに頼み事なんてしてきたんだ」
 「どんな?」
 「まず、古くせえお守りを渡されて、これを預かっといてくれ、ってコトだった」
 「お守り?」
 「なんか薄汚れたお守りだったよ。そのくらいなら、って受け取って、今も肌身離さず持ち歩いているよ。それからさらに、『白石美智代が持っていたこれと似たもう一つのお守りも探してほしい』って」
 「え?なんで美智代ちゃんが出てくるの?」
 「あの吉見ってポリは白石とも会って話をしてたんだとよ。そこで接している間に、なんか特殊なお守りを持っていることに気付いたみてえだが、白石本人からは避けられたて、何も話してもらえなかったらしいな」
 「美智代ちゃんが持ってたお守り?」
 「え、アタシが白石美智代と面識あると知って頼んできたらしい」
 「白石さん、警察の人にも相談できない事情があったの?」
 「おうちもちょっと複雑だったからね、あの子」
 「白石はセンコーにされてたコトも何も言わずに黙ってたらしい。そりゃ言いにくいだろ、んなコト。まして自分に弱味があるんじゃサツにはな。だからアタシも白石のことは何も明かさなかった」
 「美智代ちゃん、何があなたをそんなに縛り付けたの?」
 「吉見は白石美智代のことだけじゃなく、そいつが持ってたお守りも気にしていた。しかし、白石が死んじまったからその行方がわからなくなった。だから同じガッコで面識のあったアタシにそれを探しだしてほしい、ってコトだった」
 「そのふたつのお守りって特殊なもの?なんで奥田さんに預けたのかな?」
 「さあな。中を見たら薄汚い変な板きれが入っているだけだったけど。でもあの吉見の態度からするとなんか重要なシロモノっぽかったけどな。しかもご丁寧に『もしこの先オレの身に何かあったらそのふたつのお守りを警視庁のナカゴシってヤツに渡してくれ』なんてことを言われてたからよ。今にして思えば、吉見は自分の身に何かある予感があったんだろうな」
 「えっ、ナカゴシ?」
 「ミヲちゃん知ってるの?」
 「あ、いや、なんとなく、聞いたことある、ような・・・」
 「ホントにいるんだ。じゃあそこは安心した。とにかく死んじまったヤツからの頼み事じゃ無下にもできねえって思ったワケだ。」
 「奥田さん、そのお守りって、ちょっと見せてもらってもいい?」
 「悪いけどまだあんたらをそこまで信用できてないから。今のアタシにとってはそのくらい大事なモノなんでね」
 「そっか」


 奥田に昨夜の教室でのことを聞く。
 「じゃあ、昨夜奥田さんは白石さんが持っていたお守りを探して?」
 「ああ。で、アタシが知っている白石と今深い関係にある人物はまずセンコーだった。昨日の昼間、ガッコでセンコーに白石のお守りに心当たりがないか聞いたら、『今は話せないから夜中にこっそり学校に来い』とか意味不明はこと抜かしてよ。ご丁寧にガッコの裏門のカギの番号まで教えてくれたよ」
 「私たち、正門の乗り越えて入ったけどそんな方法が」
 「で、夜中に教室で会ったわけだが、なんかハナシの要領を得ない状態が続いててよ。『お前本当は白石だな!』とかワケわからんことを言い出して、『お前さえいなければ!お前が悪いんだ!』みたいなことを口走りながら、アタシを無理やり押さえつけて息を荒くしながら迫ってきたんだ」
 「大丈夫だったの?」
 「ああ、ちょうどそのタイミングで暗い教室にあんたらが入ってきたから、それでセンコーがビビッてるうちにアタシはトンズラしたってわけだ」
 「危なかったね」
 「だから、まあ、あんたらのおかげで助かったよ。ありがとな。ただお守りの情報は何も得られなかったから、骨折り損だったけどよ。その後、あんたらの行動が気になったんで学校の近くには潜んでたけどな。だから逆崎とオッサンが話してるのとか、黒鈴があとから出てくるのも見てたよ」
 「そうなんだ」
 「そしたら、センコーが出てきたくたばるトコも見ちまったってワケだ」
 「奥田さんは、白石さんのお守りを探していたってわけだね」


 奥田に昨夜の教室でのことを聞く。
 「センコーの誘いに素直に応じちまったのは自分でも軽率だったと思ってるよ。無事で済んだのはラッキーだった」


 奥田に城之内の死について聞く。
 「城之内先生は白石さんに殺される、みたいなことを言ってたようだけど、実際白石さんが城之内先生のことを恨む理由はあったってことだよね」
 「まさか本当に化けて出たとか?」
 「強い恨みや未練を抱いて死んだ人が地縛霊や浮遊霊になる可能性は確かにあるけど、ただ生者を呪い殺すとかふつうは無理。一般人の霊じゃそこまでの力はないから。でもその無念を強く訴えたいがために近しい人に取り憑いたりすることはあるかも」
 「じゃあ、もし美智代ちゃんがこっくりさんの言う通り不慮の事故死だったとしたら、きっとそれなりに無念はあったよね。あの子が生きることを諦めてなかったのなら、どんな境遇でも簡単に諦めるような子じゃない、と思っていたけど」
 「アタシは知らねーけど、確かに自殺するほど思いつめてる感じじゃなかったな」
 「そっか」
 「アタシから話せるのはこんくらいんだな。もういいか?タシもまだお守りを探さないといけねーからよ」
 「うん、ありがとう、奥田さん」
 「あんたらさ、もし白石美智代のお守りのコトで何かわかったら」
 「うん、必ず奥田さんに教えるよ」
 「サンキュ」
 「あ、連絡先聞いといてもいい?普段どこにいることが多いの?」
 「普段は家にゃいなくてダチんトコに世話になってるからよ。コレがそこの電話番号だ」
 「ありがとう、奥田ちゃんの話があるときはここに連絡するね。あとね、奥田ちゃんって案外話しやすいんだね。実はちょっと怖かったけど安心した」
 「知らねーよ。テメーらが勝手に避けてるだけだろ。それじゃあな。あんたらは死ぬなよ」
 「うん、気を付けるよ」


 「城之内先生はやっぱり呪いで殺された感じだね。つまりあの学校には呪主はいた。しかも複数人」
 「複数人?」
 「私たちが校舎内で遭遇した呪影と城之内先生を殺した呪いは違う気がする。あの時学校にいたのは私たち以外では、城之内先生、奥田さん、あとやっこちゃんが会った葦宮のおっちゃん。この3人の誰かだろうと思ってたけど、もうひとり制服を着たおさげ髪の子を奥田さんが目撃している」
 「その奥田ちゃんは、話した感じだと呪主ではなさそうだったよね。城之内先生はなんか怪しい気がするな。先生だとすると殺されちゃったのも呪主だったから、って理由があるし。」
 「うん、だから複数人」
 「そっか、先生を呪い殺した呪主が別にいるってことか。そうなるとその謎の人影か、葦宮のおっちゃんが?」
 「うん、注意しておいていいと思う。でも先生が相手を白石さんだと思ってたのと人影の話はちょっと気になるよね。まさか本当に白石さんがいたとは考えにくいけど」
 「あ!そういえば、昨夜校門のところで新石先生も見かけたよ。非常勤の」
 「え、そうなの?蘇りの秘術を調べていた張本人だから今回の呪いと関係してる可能性は高いね」
 「葦宮のおっちゃんと新石先生は要注意ってとこか、呪主がみんな敵対的じゃないと思いたいけども」
 「とりあえずこれからだけど、私、今回の本所七不思議の呪いの霊夜祭を誰がどうやって発生させたのかを突き止めたい。きっと根源を断たないと解決しないと思うから」
 「そうだよね。そうなると?えっと・・・」
 「一度新石先生と話がしたいな。絶対に何か知っているはずだから。昼間なら危険も少ないと思うし、ちょっと探してみようと思うけど」
 「わかった、手伝うよ。でも休校になっちゃったからな、先生どこにいるんだろう」
 「知ってそうな人がいるとこ当たってみよう」


 場所移動→駒形高校
 午前9時
 駒形高校正門前

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 午前9時台 錦糸堀公園


 襟尾の足元を調べる→なめどり#16を発見!


 襟尾と連続怪死事件について話す。
 「今朝この付近で発汗した怪死事件はこの公園を含めて3件ありました。まずこの公園で発見した青年ですが、身元を確認したところ、区内の企業に勤める会社員 興家彰吾25歳とのことです。真は肺胞は気管支末端が水によって閉塞されたことによる窒息死、いわゆる溺死です。」
 「こんな公園の真ん中で?んな不自然な状況ってこたあ、やっぱ呪い殺されたか?」
 「この公園の七不思議って、あれじゃないですか」→置いてけ堀だな


 「そうです、堀ですから、溺死と関係ありそうじゃないですか?」
 「ひとまずそう仮定しておくか。次は?」
 「それより前に亀沢付近の雑居ビルの裏で女性の遺体が発見されています。被害者は林多和子29歳、独身、区内在住の会社員です。で、こちらの死因ですが、身体を強い力で圧迫されたことによる全員挫滅と見られています。凶器は発見されていませんが、この状況から考えるとしたら、全身を上から広範囲に圧迫できるような大きくて平たい重い物、という感じです」
 「それって踏みつぶされたってことか?つまり」→足洗い屋敷だな


 「足洗い屋敷の呪いの死に方です。そしてまさに発見現場近辺がその七不思議の所縁の地だと言われています」
 「じゃあ並垣の仕業か?滓魂の量からも被害者は呪主じゃなくただの一般人だろうが。心霊対策室に報告しておくか」
 「了解です、で、3人目の被害者が、早朝、駒形高校の校庭で発見された同校勤務の教師の城之内耕兵32歳。死因は墜落などの強い衝撃での四肢の挫滅による外傷性ショック死と見られています。校庭のほぼ真ん中なので、校舎や体育館の建物からの落下ではありえない位置です。」
 「駒形高校っていうと、七不思議の」→馬鹿囃子の場所


 「はい、馬鹿囃子の場所です。この件も呪いを疑うなというのが無理な話です。というわけで、発見された変死体はどれも七不思議の呪いが絡んでそうです」
 「まんまと呪いを使っちまった呪主がいるってことか。だが、こうなってくると同じように不可解は死に方をした・・・」
 「はい、吉見の状況もこれらと近いですよね」
 「同じように七不思議所縁の場所で原因不明の怪死をしている。ただタイミングとしては七不思議の呪いが発生する前に死んでいるんだよな」
 「ひっとしてこの七不思議とは関係ないまったく別の呪いってことはないですかね」
 「だとしたら、呪詛珠がなくても呪いを使える強力な術師が存在するってことになる。この現代に人を呪い殺せるほどの呪術を使えるヤツなんざそうそう居てたまるかってレベルだぞ」


 襟尾と連続怪死事件について話す。
 「この怪死事件を見ると、呪主たちによる呪いは昨晩のうちにわりと行われたようですね」
 「しかも、まだ遺体が発見されてないだけでほかにも起こっている可能性は充分あるしな。だが、朗報ってほどでもない話だが、俺の持ってる呪詛珠を見るにどうやら日が出ている間は呪詛を発動できないようだ」
 「じゃあ昼間なら詰め寄り放題ですね」
 「ああ、根島が日暮れと同時に、って言ったのもそういう理由だったんだな。とにかく、日が暮れるまでに決着つけてえな。残りの呪主を全員あぶり出すぞ」
 「オッケーボス!」


 襟尾と呪主の件について話す。
 「今のところ我々が把握している呪主はボスを含めて4人だけです。足洗い屋敷の並垣祐太郎、消えずの行灯の新石英樹。この2者からは呪詛珠を回収できています。あとは自己申告ですが根島史周が片葉の芦を持っているそうです」
 「ああ、そうなるな」


 攻略情報:判明している呪主のメモ


 置いてけ堀:?
 馬鹿囃子:逆崎約子
 送り提灯:?
 送り拍子木:志岐間春恵
 落ち葉なき椎:津詰徹生
 津軽の太鼓:?
 足洗い屋敷:並垣祐太郎→津詰徹生
 片葉の芦:根島史周
 消えずの行灯:新石英樹→津詰徹生


 「残りの5人を早く見つけ出したいところですけど、どうやって探せばいいでしょうね」
 「アテもなく動いていても仕方ねえ。ほかのことを優先するしかねえわな。呪主の根島を追跡することでほかの呪主と遭遇する可能性もあるだろう。むしろ最優先は根島だな。放っておいたら実害がある。あとは吉見の事件の調査も進めたい。これもなんか、関係してそうな気がする」


 襟尾と吉見肇の件について話す。
 「吉見が所属していた墨田署の生安課でアイツのこと確認してきました。まず吉見が独自に調査していた自殺の白石美智代という少女についてですが、アイツは白石美智代が本当に投身自殺だったのかを建物の高さや衝撃の強さ、ぶつかった跡の損傷具合など、不自然なところはないかほかに可能性はないか、細かい実況見分を依頼していたようでした。すでに自殺で処理された事案だったので、上からは余計なことはすずなと釘を刺されていたようですけど」
 「結果はどうだったんだ?」
 「それが、その見聞結果の資料が昨晩吉見のデスクから出てきて、それによるとそもそも遺体が倒れていた位置が車道から離れた建物の真下だったことや、傷のバンパー創らしきものがなかったことから、転落死、自殺だと判断されたようなのですが」
 「違ったのか?」
 「はい、例えば猛スピードでキャブオーバー型の車が車道に飛び出た人を跳ね飛ばした場合など、状況によっては交通事故でも同様の損傷を被ることはあり得る、という結論でした」
 「おおう、自殺じゃない可能性があったってことか?そりゃ穏やかじゃねえな」
 「ただ路上にブレーキ痕などはなく、もしそんな走り方をしていた車があったとしたら、相当な危険運転で、おそらく衝突後もまったくスピードを緩めずひき逃げしたことになります」
 「だとしたらひでえ話だな。だが、本当にそんな事故が起きたら車のほうも相当損傷してるんじゃねえか?」
 「はい。なので交通課にそれに当てはまる事故車の捜索を頼んでいたようですが、あまり熱心に捜索されていなかったようで、現在まで音沙汰無しです」
 「まあそうか。確証もねえもんな。んで、もし事故だってのが真実だったとして、事故だと暴いたことが理由で吉見の身に危害が及んだ、という可能性はあるか?」
 「例えば、ひき逃げ犯が吉見の口封じをした、とかですかね?」
 「だが交通課や鑑識には一応共有されてたんだろう?吉見の口だけ塞いでも、現にこうしてバレてるぜ」
 「ですよね。この自殺が覆って事故だったといてもそれを理由に吉見に危険が及ぶとは思えませんね」
 「ふむ」
 「ああそうだ!話は変わりますけど、一応白石美智代の自宅の住所を控えてきてますよ。吉見が何度も行っていたみたなので我々も合間を見て行ってみますか」
 「それくらいしか当たるトコねえしな」


 襟尾と吉見肇の件について話す。
 「それから、吉見が死亡する前日に会っていたという奥田瞳という少女ですが、その子の連絡先は生安課でも把握していない、とのことでした」
 「住所も控えてないのか?」
 「実家はわかりますが、さっき電話してもらったところ、ここ1か月ほど帰ってないし、連絡もないようですね。ご両親も彼女はもう自分らと関係ないという突き放した態度で、深刻な家族関係が窺えました。たまに学校にはあらわれるようなので、張ってればいつか遭遇できるかもしれないですよ」
 「さすがに今張り込みまではやってられねえな。重要参考人だ。墨田署の生安課に張り込み頼めねえのか?」
 「頼めるかもしれないですが、それでも今日中に会うのは難しいと思います。なにせ駒形高校は今日は臨時休校らしいので」
 「さっき言ってた教師が死んでた件のせいか」
 「そういうことです」
 「今日中に会えねえとなるとこの件は後回しにするしかねえな」


 襟尾と吉見肇の件について話す。
 「吉見の婚約者のついても生安課の同僚に確認してきましたよ。婚約者の名前は蝶澤麻由、27歳、都内で美容師をやっているそうです。写真ももらってきましたので顔もわかりますよ。が!」
 「が!ときたか。イヤな予感がするな」
 「事件以降、生安課が何度も蝶澤麻由の自宅を訪問したり電話をかけたりしているのですが、今日までいったい連絡が取れていない、とのことです」


 人物リスト:蝶澤麻由


 「まずいな。普通に考えたら、そいつも充分容疑者なんだよな」
 「確かに殺人事件だと恋人や配偶者などが犯人である例は多いですけど、あれだけ人望のあるアイツが10年以上連れ添っている相手ですよ?」
 「知らねえよ。ふたりだけのときだけ態度は急変するヤツなんてゴマンと見てきただろう」
 「そうですけど」
 「だが、もちろん逆のパターンもある。そいつも吉見と同様に命を狙われてる可能性だ。ふしろそっちのが高ぇ。保護が必要だ」
 「はい、いずれにせよ重要参考人ですので、捜査本部からも捜索指示が出ています。発見されれば連絡が入ると思います」


 襟尾と根島史周の件について話をする。
 「本庁の捜査官を動員して根島史周の現在の居所を捜索していますが、今のところ確保したという連絡はありません」
 「住居とか職場にもいねえのか?」
 「それが仮出獄時に確認していた住居は先週すでに退去済みだったそうです」
 「そりゃどういうことだ」
 「また斡旋された工場での軽作業の仕事に就いていたそうですが、先ほど確認したことろ、実は就職後1か月ほどで辞めていたそうです」
 「把握していなかったのか!」
 「ええ、根島の担当の保護観察官に確認をしたところ、定期的な家宅訪問と聞き取りはしていただけで職場まで行っての在籍確認はしていなかったそうです。転居は最近のことなのでそちらも把握できていなかったと」
 「なんとまあ、お粗末なことだな」
 「昨今刑務所の空きが全然なくてわりと仮出獄が多いそうですね。そのため、保護観察官も全然間に合っていないのが実態だそうです」
 「事実上野放しだったわけか、クソッ!アイツはな、心神喪失したフリも反省したフリもごく自然にできるヤツなんだよ。送検するときに口がすっぱくなるほど言ったんだが。」
 「偽名で潜伏している可能性も高いわけですから、探すのは大変そうですね」
 「あんの野郎!バカにしやがって!」
 「あ、それで今指名手配の手続きを進めているそうです」
 「それも間に合わねえだろうなあ。今日の日暮れだぞ?」


 襟尾と根島史周の件について話す。
 「娘さんとは連絡ついたんですか?早急に保護するって話でしたが」
 「だめだ、連絡取れねえ。早朝から何度も電話させたが出ねえ。家に訪ねさせてもいなかった」
 「ヤバいじゃないですか!帰ってないんですか?ってなんで伝聞なんですか」
 「うるせえな。俺連絡先知らねえんだよ。母親には非常事態だから警察官を寄越すんですぐ娘を探して署内に逃げろって伝えたが、ものすご~くイヤそうに了承された」
 「だってそういうのがイヤで離婚したんですよね。でも元肉親だったボスでもそんな有様なのに、根島はどうやって接触する気なんでしょうか」
 「元肉親って言い方ツラいな」
 「あ、すみません!ついついえぐっちゃいました!」
 「ヤツの呪影の条件に関係してそうな気がするな」
 「あ、強引に話を戻しましたね」
 「短時間に大量に呪い殺すようなことを宣伝してたから、もしかして離れていても呪詛を行使できるような条件なのかもしれん」
 「なるほど」
 「片葉の芦か、どんな内容だっけ」
 「なんか女性に付きまとった男が、逆上して相手を滅多切りにする話でした」
 「ああそうだ。本所七不思議でもこの話だけやたら具体的に物騒な内容なんだよな」


 襟尾と根島史周について話をする。
 「根島の居所については人海戦術での続報を待つしかないですよね。定期的に本部に確認を入れてみましょう。さて、オレからの方向はこんなところです。では捜査にいきましょうか。奥田瞳の調査に行くなら駒形高校。白石美智代の調査に行くなら白石の自宅ですね」


 移動を選択→津詰徹生と志岐間春恵の続きが解放。

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 今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?


 津詰徹生:午前4時台
 路上にて


 七不思議に関連する場所を巡って、怪しいヤツを片っ端から職質してきたが、まさかの収穫なし。


 最後の場所へある錦糸堀公園へ行くと、彰吾の変死体を発見!
 襟尾が通報したが、今区内で別の変死体が発見されているため救急隊も鑑識もそっちに出払っており、到着までしばらくかかるとのことで、二人は待機することになった。


 しばらくするとどこかで電話のベルが鳴り始める。


 電話ボックスを調べる→もう少し様子を見る→なめどり#13を発見!


 再度電話ボックスを調べる→電話に出る。


 津詰が電話に出ると、男の声で「よオ津詰刑事、調子はどうだ?」と話し始める。


 「誰だ?あんた」
 「カッハハハ!やったホンモノだ!あんたあの津詰刑事なんだな!今はもう昇進して警部なんだっけか?」
 「お前は誰だと聞いているが?」
 「忘れちまったってのか?オレのこたアよオ。あん時ゃ、あんなにオレのことを追いかけまわしてくれたのによオ」
 「その声、まさか、根島吏周か?」


 横で二人の会話を聞いていた襟尾は、相手が根島事件の犯人だと気づく。


 「あッたりイ!さっすが津詰警部様、よく覚えておいでだ!こちとらあんたのおかげで20年もムショ暮らししていたからなア。労ってくれよなア」
 「そりゃご苦労だったな。罪は充分償えたか?」
 「カハハハ!おかげさまでキレイに清算できたぜ!」
 「嘘つけ、無期だったお前の罪が20年程度で償えるはずがねえ」
 「知らねエよ。司法制度がオレの仮出獄を認めてくれたんだからなア」
 (これが本物の根島吏周だとしたら、当時検挙した俺を相当恨んでるはずだ)


 何が目的だ?と尋ねる。
 「実は仮出獄から今までは大人しく過ごしてたわけよ。真面目に地道に生きるのも悪くねえかもなって」
 「それはいい考えだ。俺も応援するぜ」
 「でも、ダメだな。いい機会があるとなったら、やっぱガマンなんねえのよ。やっぱりあんたにお礼しとかなきゃオレの新たな人生は始まらねえなって」
 「いやいやい、お礼とか気にすんな。そのまま慎ましく生きるのがいいぞ」
 「大丈夫、別に無理じゃねエからよ。でな、あんたは直接バラすのはまア簡単にできるんだが、それじゃ20年間飼い育ててきた腹の虫が収まんねえんだわ」
 「おいおい、ずいぶん育てたもんなんだな」
 「性格の悪い看守からの嫌がらせも必死に耐えて、模範囚を演じ切ることができたのも、あんたのお陰だよ。あとはおめえさんが受け容れてくれるだけでいいんだよ、オレの想いを」
 「そりゃ俺には重いな」
 「うるせエ、バカ!だからお前は後回しなんだよ」


 再度、何が目的だ?と尋ねる。
 「何もするつもりなんだ?」
 「おめえじゃねえって言ってんだろうが!人の話聞けよ!おめえが、絶望に打ちひしがれて泣きわめいてオレに土下座するところが見てみてえんだよ」
 「うえええ~ん、根島さん、ごめんなさい~!許してください~!」
 「うっせえ!ヤメろ!」
 「ダメか」
 「なんでそれでオレが満たされると思えるんだよ。おめえどうかしてんぞ」
 「じゃあどうかしてる同士だ。仲良くしようぜ」
 「これから、あんたが大切に思う人物からバラしていくことにすっから」
 「悪いが俺ははぐれ者だ。そんな大切なヤツはいねえよ」


 この会話を聞いている襟尾は「え、オレは?」と呟いている。


 「大切な人がいないなんて、そんなこと言ったら、あんたのかわいい一人娘がかわいそうじゃねえか」
 「おい馬鹿!それだけは絶対やめろッ!!」
 「イイねイイね!その調子だよ!娘さん、今は大学に通うために一人暮らししてるんだよねエ?そういやちょうど本所のあたりに住んでいるだっけ?」
 「えっ、そうだっだの?ああ、いや待て!冗談じゃ済まねえぞ!!やめろッ!絶対許さん!すぐ捕まえてやる!!」
 「その狼狽えぶり、すごくイイ!」


 再度、何が目的だ?と尋ねる。
 「あんたの大切な一人娘を昔みたいにバラしてやるからよ」
 「んなことは絶対にさせねえよ」


 どうして俺の居場所が?と尋ねる。
 「カハハハ!それだよそれ!その戸惑い!うっほうサイコーだア、たまんねエ。教えねエよ!せいぜい悩んどけ!」


 再度、どうして俺の居場所が?と尋ねる。
 「んじゃ、特別にヒントをあげよっかね」
 「おう、頼む」
 「オレはな、片葉の芦を持ってんだ。あんたは、落ち葉なき椎を持ってんだっけか?」
 「根島ァ!!お前呪主なのか?呪いの力を使ってんのか!」
 「ああ、オレの呪いにはちょっと特殊な使い方があって・・・おっと、ヒントはここまでだ!カハハハ!」
 「よりによって最悪のヤツの手に!」


 再度、何が目的だ?と尋ねる。
 「じゃあ、最期にもうひとつ。いやむしろ、こっちが本題だったかもなア」
 「もう腹いっぱいだから下げていいぞ」
 「遠慮するなって、こっちがメインディッシュだ」
 「いや充分大フィーバーしてるが」
 「だから特別にあんたらが一生懸命守っている大切な市民も、まとめてバラさせてもらうことにするよ」
 「何を言っている」
 「なんとオレの呪いなら、それができンだよなア。次の日暮れと同時に決行させてもらおうかね。最低でも数百人はイケるかなア?それ全部、おめえのせいだぜ」
 「馬鹿な、そんな強い呪いが素人に!」
 「オレの呪詛珠はちと強力なヤツみたいでよ。んで、オレならそれを躊躇いなく使いまくれる。この呪いの霊夜祭はまさにオレのためにあるようなもんだなア」
 「やけに詳しいじゃねえか。入れ知恵されたな?」
 「さアな、よくわかんねエや」
 「だったら俺はそれより先に自決してお前の望みを台無しにしてやるぜ!」
 「バカか?あんたが先に命を絶ったところで中止にゃしねえよ」
 「出所後の身元なんざ調べりゃわかる、逃げ切れると思う名よ、根島ア!」
 「12時間って制限時間で組織がどこまで動けるもんかねエ。おめえが後悔に身を捩らせんのが楽しみだなア、カハハハ!その上、オレは蘇りの秘術に必要な滓魂を得られる、最高だア!」
 「お前秘術を!」
 「じゃあな、あばよ」


 根島からの電話が切れ、津詰は襟尾に電話の内容を伝える。
 「とにかく根島を探し出して拘束するのが最優先だ。本部に要請する。だが、厄介なことに七不思議の呪いが絡んでいやがる」
 「根島が呪主だったんですか?」
 「あいつの呪いは一度に大量に殺せるものらしい。みすみす捜査員が呪い殺されるのは避けたい。根島の居場所特定までは人海戦術に任せるが、そのあとは俺らが乗り込む必要がある。今のうちにできるだけ呪詛珠を回収しちまいたい。急ぐぞ」


 その後、この晩のうちに合計で3人の変死体が発見されたことが報道された。
 呪詛関連や根島の殺害予告については秘匿情報として公開されなかったが、先日の吉見肇の変死から続く本所連続怪死事件として世を騒がせることとなった。
 警察では津詰の要請により根島吏周の大規模な捜査網が敷かれ、津詰と襟尾は夜通しで付近での呪主の捜索を進めて行ったが結局無作為な捜索では何も見つけられず、こうして呪われた夜は明けるのだった。


 日暮れまであと12時間。

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