今日のパラノマサイト FILE23 本所七不思議はどうかな?
一週間前
生徒たちが噂話をしている。
「ねえ、聞いた?うちの生徒が自殺だって!」
「聞いた聞いた、C組の白石さんだっけ」
「うっそー?美智代?」
「でも最近なんか様子がおかしかったもんね、ショック」
「C組の白井ってお前知っている?」
「ああ、1年の最初はすげえ優等生って印象だったけど、3学期ごろから無断血清が増えて成績も下がった感じ」
「じゃあ成績が下がったから自殺しのか?」
「模試の事考えると俺も死にてーわ」
「知ってる?白石さって去年お母さんが再婚したらしいけど、その新しいお父さんがもうひどいだって!」
「どんな?どんな?」
「なんか着替えを覗かれるとか、すぐ身体を触ってくるとか、しかも前科があるらしく拒否するとすぐ暴力振われるとか」
「やだこわっ!無理無理!」
家にそんなヤツがいたらそりゃ自殺とか考えちゃうかもー」
「自殺ってニュースでは聞くけど本当にあるんだね」
「それだけどさ、C組って最近転校してきたコいるじゃん?」
「ああいるいる。なんか目立たない暗い感じのコ」
「そいつが前にいた学校でも生徒の自殺があったんだって」
「え、うそ?それってなんか怪しくない?」
あの城之内は、美智代のクラス担任だった。
それから数日後
約子の思いつめた様子に気付いたミヲが声を掛けてくる→ありがとうミヲちゃん
ミヲに聞きたいことがあった約子は、いろいろ質問する→こっくりさんについて
「あのさ、こっくりさんって、流行っているよね」
「うん」
「それやってみたいんだけど。知りたいことがあるから」
「え、なんで私に?」
「ミヲちゃんてなんか、そういうの詳しそうだから」
「え、そう見える?」
「うん、オカルト系とかすごく好きそう。雰囲気とかなんか暗いし」
「なんか微妙」
「でもこっくりさんの詳しいやり方知ってるよね?」
「そこそこ上椎ほうだとは、思う」
「ね!お願い!もうそれしか方法なくて!」
質問する→蘇りの秘術について
「ミヲちゃんさ、蘇りの秘術って、知ってるよね?」
「うん。非常勤の新石先生が独自に発見して発表したっていう。あの先生授業のたびに自慢するからみんな知っていると思う」
「ミヲちゃんは信じる?」
「いや、ちょっと、さすがに突拍子もないというか、そんな都合のいい術は難しいと思う」
「でもさ、万が一本当だったら?その術で美智代ちゃんだって蘇らせられるかもしれないじゃん!可能性がゼロじゃないなら探してみたい!」
「でも、蘇りの秘術を探すっても、どうやって?」
質問する→白石美智代について
「美智代ちゃんさ、なんで、死んじゃったんだろうね」
「遺書はなかったらしいけど、自殺だって公表されてたよね」
「ううん!あのコはゼッタイにそんなことしないの!美智代ちゃんは、明るくて前向きで学校もすごく楽しんでたし!つらいこともあったみたいだけど、でも、だからって自殺なんて!」
「私は、直接話したことはなかったけど、学校を休むことが多かったし、来ても明らかに元気がなかったよね」
「そうなの。だからみんなすんなり自殺に納得してたし、同情するような態度しながらただ好奇の的にして騒ぎたいだけ。死んでから好き勝手事情を詮索されて根も葉もない噂を流されている!ひどくない?」
「うん、そうだね。中にはここでは言いにくいようなひどい内容の噂も聞こえてくるし」
「新しいお父さんとうまくいってないのも成績が落ちたのも確かに本当みたいだけど、だから自殺しても仕方ないよね、なんて扱いされるのはあんまりだよ!わたしが心配して話しかけてときは『大丈夫』って笑ってたんだから!あのコが自殺するほど悩んでるならちゃんと相談してくれるはずだよ!」
再度質問する→白石美智代について
「美智代ちゃんのこと、このまま終わりにしちゃだめなの!なんか、よくないことに巻き込まれたかもしれないし」
「よくないこと?」
「ほら、昨日も、旧安田庭園で死んでる人が見つかったって騒ぎになってたし」
再度質問する→こっくりさんについて
「あ、こっくりさんに聞きたいことってまさか」
「うんそう。美智代ちゃんの死の真相と、蘇りの秘術のありかを聞きたいの」
「うーん、そんな都合よく教えてもらえるとは限らないと思うけど」
「ね、お願い。先生も警察もアテにならないし。ひとりで調べるのも限界があった!少しでも可能性があるなら!」
「そっか」
「やった!ありがとうミヲちゃん。じゃあ明日の深夜に」
攻略情報:白石美智代関連のメモ
午前零時台
駒形高校2年C組
こっくりさんをやっているうちに、不思議な声を聞き、気を失っていた約子。
気付くと手には呪詛珠『馬鹿囃子』を握っている。
こっくりさんは、ミヲが無事に帰したとのこと。
約子から詳しい話を聞き出したミヲは、約子が蘇りの秘術を得る方法とそのための呪いの力を得てしまったと判断し、その事実をを約子に告げる。
話をする→落ち着いてられないよ!
取り乱す約子に、深呼吸を促すミヲ。
深呼吸を繰り返すうち落ち着きを取り戻す約子。
「怖いって感じるのは、それのことをよく知らないせいだから。大昔から、人は理解の及ばない現象に対して名前が付けて受け入れることで共存してきたの。とこが現代では科学や文明が張発展したきたせいで解析できない得体の知れないものを否定できるようになった。そして心霊はいないことにされた。でも、彼らは昔も今もずっとそこにいるんだよ。ちゃんと知れば、必ずしもこわいものではないってことがわかるから。まずは落ち着いて、事実を受け入れて」
「そうなんだ、ミヲちゃん、本当に霊感もってる人だったんだ」
「たしなむ程度だけど」
「ねえミヲちゃん、わたしどうすればいいの?呪われちゃったの?」
「ダイジョブ、その呪いは私がなんとかする。私、そのために来たから」
「え」
「私に任せて、安心して」
「ありがとう」
今までの話を整理する→呪いについて
「わたし、呪われたの?」
「呪われたっていうのとはちょっと違う感じかな。厳密にいえば呪いの力を行使するための力を得た、って感じ。だからやっこちゃん自身に直接霊障が現れるようなことは、たぶんないと思う」
「呪いの力を行使する力?それってこの呪詛珠のこと?」
「うん、条件下でその呪詛珠を使うと、相手に呪いをかけて命を滓魂にして奪う、という力。そもそも蘇りの秘術を使うにはこの滓魂が必要らしいから。本来なら呪いを習得したそれなりの術師でなければ使うことができない術だったんだろうけど、一般に人でも呪いの力を使えるようにしたのがその呪詛珠なんだと思う」
今までの話を整理する→呪いについて
「わたしみたいに何の心得もない人が呪いなんて使えるものなの?」
「うん。呪術はもちろん簡単に扱えるものじゃないし、ヘタすると自身に跳ね返る危険が高いんだけど、実は、さっきこっくりさんで異常が発生したとのときに、ちょうど0時くらいかかな。このあたり一帯に霊夜祭の場が形成されたっぽくてね」
「例夜祭?」
「うん。霊的な効力を一時的に強めるおまじないの一種なんだけど、それには特定に呪詛の力を発現しやすくする効果もあるの。影響範囲は、この強さだと半径3~4キロくらいかな」
「墨田区なんてすっぽり入りそうだね」
「うん。もともとこの土地に残されていた怨みの元を霊夜祭で呪詛珠にして顕現させたんだと思う、誰かが」
「え?誰が?」
「そこまえはわからない。でも誰かが蘇りの秘術を復活させるために仕組んだことなんだと思う。これが、自然現象なはずないから」
超常/呪詛:霊夜祭
今までの話を整理する→呪いについて
「呪詛珠の力は、この霊夜祭の場の影響下にある範囲内しか使えないし、効果が出るのは基本的に日が暮れている間だけ。制限をかけて呪いの力を強めているの」
「でも逆に言えば、呪いの力を使えるのは夜にこの付近だけ、ってこと?」
「うん。制限で言えばその上さらに、実際に呪い殺すには個別の発動条件を満たす必要があるみたいだけど」
「発動条件、わたしの場合は呪影の発する音を30秒聞かせる、っていうことだっけ。その呪影とやらも音もどうやったら出せるのか」
「念じれば出るのかな」
「ちょっと試してもいい?」
「やめてやめて、そんな軽はずみに呪い出さないの!条件があるとはいえ呪いの力で証拠を残さず人を殺せる力なんて、充分やばいから。そういう意味ではやっこちゃんは呪いを受けたとい言えるのかもしれない。私がついてながらこんな事態に巻き込まれたのは申し訳ないけど」
今までの話を整理する→呪いについて
「その呪詛為、たぶんそれを持っている人が呪主になるんだと思うから、私が預かってたほうがいいと思うんだけど、その呪詛珠から拒否反応が出てて、手放すの難しそう」
「え!なんで?」
「ヘタに引きはがすと呪いが暴発するかもしれない。それくらい、なんかやっこちゃんから離れたくないような意志を感じる」
「ええ」
「その呪詛珠、やっこちゃんからはただの古い根付に見えてるかもしれないけど、実は私から見ると、すごい恨みの霊気でヘタに触れたらどうなるかわからないほどで。偉そうに言ってたけどここまで強い呪いの道具は扱いが難しくて」
「そうなの、これが?」
「そのへんに捨てて誰か良からぬ考えの人に渡っても大変なことになるし、変に外から干渉するよりやっこちゃんが持っていたほうが、今は安定するとは思う」
「うう、なんか怖いな」
「とりあえず夜明けまでの時間をどうにか凌いで、朝になれば呪いは弱まると思うから処理できる方法を探そう。手伝うから」
「うん」
「だから、大事なことはふたつ。ひとつめ。夜の時間は条件を満たさないようにする。そして、ふたつめ。もし満たしていたも使わない」
「うん」
今までの話を整理する→七不思議について
「謎の声は、その呪詛珠のことを『馬鹿囃子』って呼んでたんだよね」
「うん。それって、本所七不思議のだよね。うちの学校って本所七不思議の『馬鹿囃子』のゆかりの地だって言われているし」
「うん、無関係じゃないと思う、これはたぶんなんだけど、蘇りの秘術を求める気持ちを察知して取り憑いてきたのかもしれない」
今までの話を整理する→七不思議について
「これが本所七不思議の呪いってことは、他の不思議の呪いを受けた人もいるってことだと思う」
「うん、謎の声をほかの呪主、っていう言い方をしてたし。しかも、呪主を呪い殺せば多くの滓魂が手に入る仕組みだとかなんとか」
「ちょっとまずいね。こっちから呪い殺すつもりがなくても、ほかの呪主に見つかったら、狙われる可能性があるってことだから」
「ひっ!」
「ほかの七不思議の呪いを持っている人と遭遇しないよう、夜のうちはなるべく人に関わらないよう注意していこう」
今までの話を整理する→蘇りの秘術について
「でもさ、ミヲちゃん。この呪いが本物なら、これを使えば、美智代ちゃんと生き返らせられる、ってことだね?蘇りの秘術も本物ってことだよね?」
「そうだと思うけど、それはダメだよやっこちゃん」
「でも、今はなりふり構ってる場合じゃないような気もしてきて。美智代ちゃんが事故だったならさ、さぞかし未練もあっただろうし。見ず知らずの人を、ちょっちょっと呪って滓魂を奪うくらいなら、別にいいんじゃないかな?みたいな気がする、っているか」
「どうしたの?やっこちゃんらしくないよ。誰かの命を奪う、なんてこと普段ならゼッタイ許さないはずだよ。呪いの影響?呪影の持つ怨念に染まったかも?ちょっとごめん、視させて。ん?何か、入っている?」
「やだ!やめて!・・・あ、ごめん。でもなんかそれ、すごくイヤな感じたったから」
「わかった、ごめんね。でも蘇りの秘術はもう諦めて」
「えっ」
「それこそが呪いだから。蘇りをエサに、呪いを使わせるっていう」
「・・・」
「だめだよ、ゼッタイ。呪いなんかに負けないで」
「でも、美智代ちゃんを・・・」
「今日はもう帰って休も。家まで送ってくよ。朝になれば、呪いの影響も鎮まるはずだから」
「うん」
今までの話を整理する→蘇りの秘術について
「ごめん、蘇りの秘術はもう諦めて。私たちには過ぎたものだった。呪詛珠ひとつでも手に負えないくらいだから。死者を蘇らせるなんて、そんな生易しい話じゃなかった。惜しむ気持ちもわかるけど、今はこの夜を無事に生き残ることだけを考えて。そのくらい危険なところに足を踏み入れちゃったの」
「・・・」
「じゃあ、理解できたならそろそろ行こうか。まずは来たのと同じルートでこの学校を出るよ」
「うん。大丈夫だよね?学校誰もいないよね?」
「だと思うけど。夜勤の校務員さんもこの時間までは見回りしてないはず。」
当然明かりが消えた!
「なに?急に真っ暗に!あれ?ミヲちゃん?いない?どこ?」
あたりを見まわして、呪影の顔を見る。
「きゃああああ!!!!何何何何!なに、今の?もうやだ!助けて!ミヲちゃんどこ?」
「やっこちゃん!こっち!こっちにいるよ!見える?」
「え!どこ?何も見えない」
「うしろ、うしろ」
後ろに視点を向けるとミヲ発見。
「いた!ミヲちゃん!」
「こっちこっち!視界が遮られているから注意して!」
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