チラシの裏~弐位のゲーム日記
社会人ゲーマーの弐位のゲームと仕事とブログペットのことをつづった日記

 今日の忌火起草はどうかな?


 弘樹は、午前中の講義をサボって部室にいた。
 部室のテーブルの上に、キャンプ場利用者ノートと書かれたノートを見つけて、何気なく開いてみた。


 ウワサの屋敷に行ってくる!
 ビジョンを飲んで盛り上がるぜ!
などと書かれており、日付を見ると、健吾たちがキャンプに行ったよりも前になっている。
 参加者を見ると、関東芸大美術学部3年と書かれていた。
 正人が言っていた通り、関東芸大の学生もキャンプ場にきていたのだが、集団焼身自殺をした学生と同じ人間かはわからなかった。


 黒い女が見えた。
という書き込みを見て、正人も同じことを言っていたことに気づく弘樹。


 あなたは誰?って聞かれた。
という書き込みを見て、弘樹は驚く。
 弘樹は、ビジョンを飲んでいないのに、昨夜同じ言葉を聞いたのだ。
 この書き込みの下を見ると、名前欄に三上亮平と書かれていた。


 そのとき、飛鳥が部室に入ってきた。


 TIPS:幻覚

 飛鳥は子供の頃、高熱が原因で幻覚を見た経験がある。
 現実にはいない虫が何匹も飛び交っているのが見えて、熱に浮かされながら必死で追い払おうとしたのをおぼろげに記憶していた。
 一説には幻覚というのはドーパミン過剰によって起こるとされている。
 ドラッグによる幻覚症状もそのためだということらしい。
 飛鳥には自ら進んで幻覚を見ようとする人間が理解できなかった。


 飛鳥は、「黒い女が見えた」とか、笑えるから持ってきたと話す。
 どうやら、飛鳥は、黒い女は見えなかったらしい。
 そういえば、飛鳥はビジョンを飲んでいなかった。
 飛鳥に、ビジョンを飲んだと言っていた和子の様子を聞いてみたが、特に心配するようなことはないとのこと。


 TIPS:飛鳥に一目ぼれしたきっかけ

 和子は水泳が苦手だ。飛鳥と付き合いだす1年前、水泳の授業で溺れ、意識を失った彼女はプールサイドで救急車を待っていた。
 そのとき、救急車が来るまでたまたま飛鳥がそばについていた。
 意識が戻ったとき、和子は飛鳥が助けたものだと勘違いして、その瞬間に一目ぼれした。
 ちなみに、和子は当時を思い出すと顔を真っ赤にするらしいが、飛鳥はこのことをまったく覚えていない。


 思い出したかのように飛鳥が、普段料理なんかしない和子が、最近やたら手料理を食べさせたがっていると、うんざりした口調で言い出した。
 飛鳥は、見た目がいまいちだから、忙しいってことで、断っていると話す。
 さらに、飛鳥は、家庭的な子と付き合ってみたいと言い出す。
 どうやら、飛鳥のほうは少し冷めかかっているようだ。


 TIPS:モテる飛鳥

 飛鳥は幼稚園の頃から女の子に人気があった。
 異性に囲まれていることが多く、同姓からは一挙手一投足がいやみだとあまり評判が良くなかった。
 しかし合コンでは飛鳥が参加していると女の子のウケがいいので、誰も狙っていない子を受け持つという条件つきでよくかり出された。
 和子とは高校2年生の頃に付き合いだした。一部ではフリーだと面倒だから和子とずっと付き合っているという噂もある。


 和子は、料理が得意ではないが、飛鳥のために、一生懸命つくったのだろう。
 飛鳥は、見た目の文句を言う前に、和子の気持ちを汲むべきだと、弘樹は思った。


 TIPS:飛鳥の好きな食べ物

 飛鳥が好きなのは和食だ。特に高野豆腐に目がなく、それだけあれば他のおかずはいらないほど目がないのだ。
 そんな彼は食べるだけに飽き足らず料理もこなしている。噂によると、料理教室が開けるほどの腕前らしい。


 不愉快になった弘樹は、飛鳥を残して部室をあとにした。


 中庭で、弘樹は、手にバスケット持ち、ベンチに座っている和子を見つけて声をかける。
 和子は、飛鳥にお弁当を作ったが、今日も食べてもらえなかったと話す。


 弘樹が和子の隣に座ると、和子は、飛鳥は他に好きな子ができたのでは?と言い出す。


 :「気になるなら直接聞いてみれば?」


 さっきの飛鳥との会話は、弘樹の口からは言えない。


 TIPS:飛鳥のバレンタインデー

 飛鳥は甘いものが苦手だ。
 毎年バレンタインデーには和子が気を使って極力甘くないチョコレートというのを作って渡すのだが、それすらも辛い。
 飛鳥としてはいい加減チョコレートはやめて欲しいと富もうだが、その手のイベントに口を挟んだときの和子の拗ね方は数日かかってようやく機嫌を直すほどなので、言い出せないでいる。


 和子は、知っているなら教えてほしいと、問い詰めてくる。


 TIPS:恋愛至上主義者・和子

 和子にとって飛鳥との恋人生活は、彼に気に入られようとする日々といっても過言ではない。
 好きなそぶりをあまり見せない飛鳥に、彼女は不安を抱いている。
 だからこそ、少しでも彼好みの女になろうと努力をしているのだ。
 彼女にとって飛鳥は自分の人生そのもの。別れることになったらどうなるのか想像するだけでおそろしい。


 うっとうしくなった弘樹は、直接聞いたほうが早いし、話もこじれないだろ、と、和子に突き放すように言ってしまう。
 和子は、飛鳥に捨てられたくない、と言うので、弘樹は、どうして飛鳥がいいんだ?と尋ねると、和子は、しなきゃいけないことがあるから、と答える。
 そして、和子は、飛鳥にふられたら、飛鳥の前で焼身自殺でもしようかしら、と言い出す。
 さらに、和子は、焼かれて死んだ人間は祟る、と言って、近くにあったゴミ箱に、バスケットを叩き込んだ。
 相手を呪うには、焼身自殺だ、と言って、和子は去っていった。


 弘樹は、関東芸術大学へ行き、三上亮平の知り合いを探し、三上の友人だという男子学生を見つける。
 弘樹は、三上の小学校の頃のクラスメートだとウソをついて、三上のことを聞きだそうとすると、男子学生は、弘樹を、三上が所属する日本絵画サークルの部室に連れて行ってくれる。
 部室の一番奥に、女の絵が置いてあり、見つめていると魂を吸い取られそうな気分になってきた弘樹だが、講義室の机のラクガキと同じ絵であることに気づく。
 男子学生は、三上の遺作だと言い出す。
 三上は、ニュースでも報道されていたが、車の中で体に火をつけて自殺したとのこと。


 A:正人の謎めいた言葉だ。


 正人が言っていたことが現実味を帯びてきたので、弘樹は、三上がキャンプに行ったかを尋ねてみると、男子学生は、正人たちが行った屋敷に三上も行ったと答える。
 そして、キャンプのあと、三上は何かに取り付かれたようにその女の絵を描いて、自殺したとのこと。
 弘樹は、正人が言っていたことは本当で、ビジョンを飲むと呪われると、確信する。
 男子学生から、三上の両親から、作品を全部処分してくれと頼まれているので、手伝ってほしいと言われる。
 弘樹は、男子学生に言われるまま、校舎裏の焼却用のドラム缶にすべての絵を放り込む。
 燃えていく女の絵を見ながら、弘樹は、自分も焼身自殺してしまうのだろうか、と心配になる。


 四限の講義が終わり、みんなが部室に集まり、他愛のない話で盛り上がっているが、正人は今日も来てない。
 健吾が部室に飛び込んできて、正人がビルの屋上から体に火をつけて飛び降りて、死んだと、伝える。
 健吾は、正人の親から電話があって、遺書とかはなかったと言っていたと、続ける。
 弘樹は、健吾に、ビジョンなんて飲ませるから、正人が変な幻覚をみて、自殺したんだと詰め寄る。
 飛鳥は、冷静に、飲んだのは正人だけじゃないと言って、弘樹を健吾から引き離す。
 和子も香織も、何ともないと答える。


 TIPS:和子のストーカー被害

 和子はストーカー被害にあったことがある。犯人はなぜか、和子が自分のことを好きなんだと思い込んでいたらしい。執拗につきまとう男を和子は冷たくあしらい続けていると、男は逆ギレして飛鳥に危害を加えようとした。その瞬間、和子もキレた。いままでの証拠を完璧にそろえて警察に被害届を提出、同時に民事訴訟を起こし、完膚なきまでに相手を叩きのめしたという。


 弘樹が健吾に謝ると、健吾は、弘樹のケータイの電源が切れていないかと、聞いてきた。
 正人の母親が、弘樹に連絡しようとしたが、繋がらなかったらしい。
 弘樹がケータイを確認すると、留守番電話のマークがあり、着信時間は、電源を切った直後のようだった。
 弘樹が留守電を再生すると、正人の絶叫が響いた。
 正人は、コゲが、とか、見るなと言っていたが、最後に自分の名前を言ってから絶叫を上げ、通話が終わっていた。
 健吾は、正人は一人だけ、ビジョンを先に飲んだと言い出す。健吾と正人は、キャンプの下見に行ったのだが、そのときに、健吾が正人にビジョンを飲ませたとのこと。
 飛鳥は、健吾に、ビジョンの入手方法を尋ねると、健吾は、ネットだと答える。心霊スポットで飲むと効果がアップするって、ウワサだったとのこと。
 健吾は、全部やるよ、と言って、飛鳥にビジョンを押し付けて、部室から出て行ってしまう。
 飛鳥は、知り合いの医者に頼んで、成分を調べてもらうと話す。


 弘樹が知り合いの通夜に出るのは2回目だった。1回目は京介で、2回目が正人。
 焼香をしながら、弘樹は、正人の話をきちんと聞けばよかったと悔やみ、心の中で何度も正人に謝る。
 正人の親族が、正人に絵画の趣味があったなんて知らなかったと言ってるのが、聞こえてきた。正人に部屋に女の絵がたくさんあったとのこと。
 あの女の絵だろうか?弘樹は、あとで、確認してみようと思った。
 集会所を出て、薄暗い通路を歩いていた弘樹は、前方に人の気配を感じる。
 誰かが立っているようだが、通路の奥は蛍光灯が切れているため、真っ暗だ。
 目をこらすと、正人だった。正人は、爪を弘樹のほうに突き出すが、その爪は、真っ黒に染まっていた。
 ふいに蛍光灯が点き、正人の姿が消えた。

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