チラシの裏~弐位のゲーム日記
社会人ゲーマーの弐位のゲームと仕事とブログペットのことをつづった日記

 今日のかまいたちの夜 輪廻彩声はどうかな?


 序章 ゲレンデにて


 透と真理はスキーを楽しんでいるが、雪国育ちの真理とは違い、初心者の透は転んでばかり。


 選択:ぼくは雪だるま


 A:どうせぼくは滑るよりは転がる方が似合ってますよ
 B:そ、そんなに太ったかな?


 真理は、もう一回滑ろう、と言ってきた。


 選択:もう一回だけ滑ろ?


 A:もう、帰ろうよ
 B:じゃああと一回だけだよ


 リフトでゲレンデに上がってから真理は、最後だからもうちょっと上まで登ろう、と言い出す。


 選択:「もっと上まで」


 A:「ぼくはやめとくよ」
 B:「わかった。行こう。」


 上に上がるころには、日も陰り、ゲレンデの人影もまばらになってきた。
 真理に背中を押されて、滑り出した透だが、曲がり切れず、斜面を転げ落ち、雪まみれになって止まった。
 大丈夫、と真理の声がしたので、透は立ち上がろうとしたが、左足首に激痛が走った。
 どうやら、ひどくひねったようだ。
 すぐに救護員がかけつけて、救護室で見てもらうとただの捻挫で、応急処置で湿布をしてもらい、透と真理はゲレンデを出た。
 駐車場に着くころにはすっかり暗くなっていて、おまけに雪も降り始めていた。
 透は運転が無理そうだったので、真理に運転を代わってもらった。
 真理は運転に自信がないのか、緊張でガチガチになっていた。
 ゲレンデから離れるに従って、雪はひどくなり、街灯もなくなってきた。
 両脇はうずたかく積もった雪と奥深い木立で、真っ暗だ。
 突然、ヘッドライトの中を何かが横切り、真理が急ブレーキを踏みながら急ハンドルを切ると、車は道を外れ雪の塊に突っ込んだ。


 雪の迷路編 車が動かない!


 真理は透に謝る。
 二人ともケガはないようだ。
 真理はエンジンをかけようとしたが、かからない・・・
 透は真理を心配させまいと、できるだけ明るい声で、「歩いて行こう。途中に家があるかもしれないし、誰かが車で通りかかるかもしれない。」と言った。
 車に積んでいた強力なハンドライトを手にして、二人は車を降りて猛吹雪の中を歩き出す。


 雪の迷路編 迷路


 A:東
 B:北
 C:西


 A:北
 B:西
 C:引き返す


 小屋のようなものが見えてきた。バスの待合所らしい。
 が、当然バスは走っていない。


 A:北
 B:東


 真理が動けなくなってきている。


 A:北
 B:南


 透は、車に戻ろうかどうか考え始める。


 A:先に進む
 B:引き返す


 トロフィー:選択肢50%をゲット!


 確かに建物の灯りが見える!


 雪の迷路編 シュプールへの帰還


 やっとシュプールにたどり着いた二人だが、玄関の前に誰かが倒れているのに気付く。
 近づくと、頭から血を流している俊夫さんだった。
 どうみても俊夫さんは死んでいた。
 シュプールに入ろうとした透は、ドアのガラスが割れていることに気付く。
 扉の鍵がかかったままなことから、俊夫さんがガラスを割って外から鍵を開けようとしていたらしい。
 玄関脇のインターフォンを鳴らしてみたが、誰も出てこない。
 仕方がないので、割れたガラスに手を突っ込んで、外から玄関の鍵を開けて、シュプールに入った。
 声をかけたが、誰も出てこず、返事もなかった。
 2階へ上がると、廊下に女性が倒れていた。
 頭から血を流した春子さんだった。
 透が春子さんはさわると、体はもう冷え切っており、死んでいるのは明らかだった。
 「誰か」と大声で透は叫んだが、誰も出てこなかったので、下に降りて、小林夫妻の部屋に向かった。
 真理が部屋に入りたくない、と言い出したので、透だけで部屋に入ると、血の海の中で小林さんが腹に包丁を突き立てたまま床に座り込んでいた。
 吐き気を催した透がバスルームに入ると、裸のままの今日子さんが頭から血を流して倒れていた。
 悲鳴を上げながら透が部屋から飛び出すと、真理は事情を察したようだ。
 真理をつれてフロントに戻り、透は警察に電話しようとしたが、電話が不通になっていることに気付く。
 真理を連れて2階へ上がり、透は自分の部屋に入った。
 ざっと部屋を点検するが誰もいないようだ。
 部屋のドアの鍵をかけた途端、女性の悲鳴が2度聞こえて、静かになった。と、床のきしむ音が聞こえてきた。
 誰かが、乱暴にノブをがちゃがちゃ言わせて、ドアを開けようとしている。


 終:遭難して・・・


 トロフィー:遭難して・・・をゲット!

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 今日のかまいたちの夜 輪廻彩声はどうかな?


 選択:人間関係か現場の様子か


 A:被害者をめぐる人間関係について説明してください
 B:まず現場の様子からお願いします


 真理が現場の様子について警部補に説明を求めると、警部補は説明を始めた。


 被害者は五十嵐鉄雄:42歳、コンピュータソフトの開発販売をやっている会社の社長。
 事件が発覚したのは月曜日。
 11時には必ず出社するはずの五十嵐が昼を回っても出てこず、電話にもでないため、社員の一人が自宅マンションへ出向いた。
 ドアはロックされていて中へ入れなかったが、窓からのぞいてみようと思った、とのこと。
 現場はマンション一階で、簡単なフェンスを乗り越えるだけで、内庭に回ることができ、社員はそこで、リビングでパジャマのまま倒れている五十嵐を窓越しに発見した。
 窓にも鍵がかかっていたため、警察の到着を待って、管理人にドアを開けてもらい中へ入った。
 五十嵐は、自分のネクタイで首を絞められて死んでいた。
 犯人は、五十嵐を殺した後、鍵を奪い、ドアをロックして逃げたのだ。
 死亡推定時刻は、前日の日曜の朝9時から12時ごろ。


 続いて警部補は、被害者をめぐる人間関係について話し始めた。


 
 五十嵐は、もともと別の会社のプログラマーをやっていたが、3年ほど前独立し、今の会社を作ってインターネットのブラウザを大ヒットさせたが、問題も多く抱えていた。
 中島聡:五十嵐が元いた会社の同僚。五十嵐が作ったソフトは自分のプログラムの多くを盗用して作ったものだと訴えた。まだ裁判は係争中だが、どちらも一歩も譲る気配はなく、泥沼化している。
 今村愛美:中島の元婚約者。妻子ある五十嵐に言い寄られて、最初はハナも引っ掛けなかったが、五十嵐が成功した途端こっそりと五十嵐と付き合い始めた。しかし、中島にバレて婚約解消、と同時に五十嵐にも捨てられた。
 五十嵐徳子:五十嵐の妻。愛人の存在を知り、包丁を振り回して、五十嵐に怪我を負わせたが、たいした怪我ではなかったため警察沙汰にはならなかった。それから娘をつれて実家に戻っている。普通女性は愛人の方に怒りが向くことが多いが、話した限り、愛美に対する怒りはなさそうだった。
 野崎和也:五十嵐の会社の元社員。会社の金の使い込みがバレてクビになり、嫁に逃げられ、五十嵐に「殺してやる」と電話をかけていた。


 現場の様子

 警部補は4つのファイルを差し出した。


 :中島聡
 B:今村愛美
 C:五十嵐徳子
 D:野崎和也


 真理はファイルに手を伸ばした。


 中島聡:33歳、独身。身長164センチメートル、体重83キロ。
 「わたしはあいつに人生をめちゃくちゃにされたんだ。他人の功績を横取りしただけじゃ飽き足らなくて、愛美まで。
 殺す?まさか。
 わたしは今あいつと裁判で争っているところなんだ。時間はかかるでしょうが、必ず最後には正しい判決が下ると信じてますよ。
 そうすりゃわたしはあいつからがっぽり賠償金をもらえるってわけです。殺してしまっちゃ元も子もないでしょう。
 愛美のことは・・・でもね、見方を変えりゃもともとその程度の女だったってことでしょ?結婚する前に気付かせてくれたんだから、彼には感謝したっていいのかしれはせんよ。
 日曜日の朝9時から12時ですか?10時過ぎに母親が家に来て、食事だ掃除だと世話を焼いて、昼過ぎに帰っていきましたよ。(確認済み。中島の家から被害者の家までは40分程度)
 裁判これから、どうなるんですかね?死んだ人間からも賠償金って、取れるんでしょうか?」


 :今村愛美
 B:五十嵐徳子
 C:野崎和也


 真理はファイルに手を伸ばした。


 今村愛美:28歳、独身。身長168センチメートル、体重58キロ。左手中指にダイヤの指輪。
 「わたしが馬鹿だったんです。中島さんのことを愛してなかったわけじゃわりません。このままこの人と結婚して本当に大丈夫なのかなって、不安だったんだと思います。そんなときに、あの人が親身に相談に乗ってくれて、そのうちひかれあうようになったんです。いえ、ほんとは彼の狙いがどこにあったのか、今ははっきりわかっています。あの人は、ただ人のものが欲しいだけなんです。だから、わたしと中島さんが分かれた途端、五十嵐さんの態度は豹変しました。憎んでないといえば嘘になりますが、わたしさえしっかりしていればこんなことにはならなかったんです。
 この指輪は、中島さんが婚約指輪としてくれたものです。返そうとしたんですが、いらないから好きにしてと言われました。時間が経てば許してもらえるかもしれないとどこかで思っているから、時々はめているんです。
 日曜の朝ですか?街に出てウィンドウショッピングを楽しんでました。10時半ごろデパートで友達と待ち合わせて、夕方まで一緒でした。(確認済み、犯行現場からデパートまでは約1時間)」


 :五十嵐徳子
 B:野崎和也


 真理はファイルに手を伸ばした。


 五十嵐徳子:38歳、被害者の妻。身長155センチメートル、体重43キロ。
 「殺されるだなんて、まったくあの人にふさわしい死に方をしたものね。
  あたしがやるわけないじゃない。娘の養育費だってこれから一生払ってもらわなきゃならないと思ってたんですからね。
 遺産?離婚したのに遺産が入るんですか?ああ、娘にね。じゃあ、とりあえず養育費の心配はなさそうね。
 日曜の朝は家にいましたよ。娘は11時ごろ友達のところへ遊びに行きました。
 凶器はネクタイ?日曜日はちょうどあの人の誕生日だったんですよ。娘がパパにプレゼントを贈りたいって言うものだから、一緒に選んで朝10時に着くように宅配便で送ったんですよ。」


 真理は、野崎和也のファイルに手を伸ばした。


 野崎和也:44歳、独身、離婚歴あり。身長171センチメートル、体重65キロ。
 「わたしだって、あいつに人生壊されたようなもんですからね、殺せるもんなら殺してやりたいところです。犯人に感謝したいくらいですね。
 使い込み?ちょっと借りただけだったんですよ。株で損をしたところでしてね。すぐに取り返して穴埋めをするはずだったんだ。それをあの野郎、泥棒扱いしやがって。おかげで今じゃ女房にも出ていかれて、こんなありさまですよ。
 日曜の朝だって?さあね、最近午前中に起きることなんてないから、たぶん寝てたと思うけど。)」


 現場の様子で解決


 真理は、「これだけで分かるのは、犯人が誰かってことくらいね」と言った。


 A:中島聡
 B:今村愛美
 :五十嵐徳子
 D:野崎和也


 真理は話し出した。


 ネクタイが届いたのが10時だから、犯行時刻はそれ以降。
 中島のアリバイは成立。
 今村も10時に犯行を犯して10時半にデパートへ着くことは不可能なため、アリバイ成立。
 被害者の五十嵐は野崎に脅されており、野崎が家に訪問してもパジャマ姿で部屋の中に招き入れたりしない。
 つまり、犯人は残った五十嵐徳子だ。


 それを聞いた楠木は、五十嵐を重点的に締め上げる、と言って席を立った。


 数日後、透が、ソフトウェア会社社長殺害事件解決と書かれた新聞を見せに来た。
 やがて、少しずつ依頼人が増え、事務所の経営は軌道に乗り始めた。どうやら警部補の紹介のようだ。
 この時、ペンションバラバラ殺人事件を超える恐ろしい事件に巻き込まれることになろうとは、知る由もなかった・・・


 中島(アリバイ成立)→今村(アリバイ成立)→野崎(訪問許可されない)→五十嵐で、犯人は五十嵐。
 中島(アリバイ成立)→五十嵐(手にケガ)→今村→野崎(訪問許可されない)で、犯人は今村。
 中島(アリバイ成立)→五十嵐(手にケガ)→野崎(訪問許可されない)→今村で、犯人は今村。
 中島(アリバイ成立)→野崎(訪問許可されない)→今村→五十嵐(手にケガ)で、犯人は今村。
 中島(アリバイ成立)→野崎(訪問許可されない)→五十嵐→今村(アリバイ成立)で、犯人は五十嵐。
 今村(アリバイ成立)→中島(アリバイ成立)→五十嵐→野崎(訪問許可されない)で、犯人は五十嵐。
 今村(アリバイ成立)→五十嵐(手にケガ)→中島→野崎(訪問を許可されない)で、犯人は中島。

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 今日のかまいたちの夜 輪廻彩声はどうかな?


 人間関係で解決


 真理は、「これだけで分かるのは、犯人が誰かってことくらいね」と言った。


 A:中島聡
 B:今村愛美

 :五十嵐徳子
 D:野崎和也


 真理は話し出した。


 犯人は二階の窓から飛び降りて逃げた。
 ということは、太っていて足を骨折している中島は犯人とは思えない。
 右後頭部を殴っているということは、犯人は右利きなので、左利きの今村は犯人ではない。
 野崎は、五十嵐のマンションから40分以上離れた居酒屋に9時半から11時半までいたから、9時から12時までのアリバイは成立する。
 つまり、犯人は残った五十嵐徳子になる。


 それを聞いた楠木は、五十嵐を重点的に締め上げる、と言って席を立った。


 数日後、透が、ソフトウェア会社社長殺害事件解決と書かれた新聞を見せに来た。
 やがて、少しずつ依頼人が増え、事務所の経営は軌道に乗り始めた。どうやら警部補の紹介のようだ。
 この時、ペンションバラバラ殺人事件を超える恐ろしい事件に巻き込まれることになろうとは、知る由もなかった・・・


 トロフィー:探偵物語 正解をゲット!


 中島(足を骨折)→今村(利き腕じゃない右指を突き指)→五十嵐(包丁で左指を切った)→野崎(アリバイあり)で、犯人は右利きの五十嵐
 中島(足を骨折)→今村(利き腕じゃない右指を突き指)→野崎→五十嵐(包丁で右指を切った)で、犯人は右利きの野崎
 中島(足を骨折)→五十嵐(包丁で右指を切った)→今村(利き腕じゃない右指を突き指)→野崎(アリバイ成立)で、犯人は右利きの野崎
 中島(足を骨折)→五十嵐(包丁で右指を切った)→野崎→今村(利き腕じゃない右指を突き指)で、犯人は右利きの野崎
 中島(足を骨折)→野崎(アリバイあり)→今村(利き腕じゃない右指を突き指)→五十嵐(包丁で左指を切った)で、犯人は右利きの五十嵐
 中島(足を骨折)→野崎→五十嵐(包丁で左指を切った)→今村(利き腕じゃない右指を突き指)で、犯人は右利きの五十嵐
 今村(利き腕じゃない右指を突き指)→中島(足を骨折)→五十嵐(包丁で左指を切った)→野崎(アリバイあり)で、犯人は右利きの五十嵐
 今村(利き腕じゃない右指を突き指)→中島(足を骨折)→野崎→五十嵐(包丁で右指を切った)で、犯人は右利きの野崎
 今村(利き腕じゃない右指を突き指)→五十嵐(包丁で右指を切った)→中島(左手首捻挫)→野崎(アリバイあり)で、犯人は右利きの中島
 

 トロフィー:シナリオ50%をゲット!

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 今日のかまいたちの夜 輪廻彩声はどうかな?


 プロローグ


 4年前、大学生の時に「ペンションバラバラ殺人事件」として全国に知れ渡った恐ろしい事件に遭遇した真理は、天性の推理力を発揮してそれを解決した。そして、自らの隠れた資質に気付き、大学を卒業してすぐに透を助手にして探偵事務所を開業した。
 といっても、浮気調査だのペット探しだのといった泥臭い依頼はお断り。
 TVドラマのように、最初は家出人探しに見えてもその背後に秘密が隠されていて、やがては連続殺人に結び付くような、そういう依頼しか受けたくない真理の姿勢のため、もう2か月も事務所の家賃を滞納している・・・
 「ペンションバラバラ殺人事件」を解決した二人組といううたい文句で、テレビでも少し紹介され、最初のうちこそいくつか依頼があったもののの、ほとんどが下らないものばかりで、真理が解決するにふさわしいと思った依頼は一握りしかなかった。
 自然客足も遠のき、財政は逼迫する一方だが、大事件に出会うその日に備えて、真理は名探偵としての修行を忘れてはいなかった。
 といっても透曰く、推理小説を読んでいるだけ、だが。


 トロフィー:音楽収集75%をゲット!


 そこへ、捜査課の楠木警部補がやってきた。彼は、真理の遠い親戚の知人だった。


 警部補の話


 「さっそくだが、ひとつお伽話を聞いてくれる」と警部補が話し出した。
 これは守秘義務があった部外者に話せないはずの捜査中の事件について話し始める時の警部補の決まり文句だった。


 「あるソフトウェア会社の社長が自宅で殺された・・・と思ってもらいたい」
 「そういえば1週間ほど前に、そんな記事が新聞に」と透が言い出したので、真理は透の足を踏みつけ、「これはお伽話」と言った。


 選択:人間関係か現場の様子か


 :被害者をめぐる人間関係について説明してください
 B:まず現場の様子からお願いします


 真理が人間関係について警部補に説明を求めると、警部補は説明を始めた。


 被害者は五十嵐鉄雄:42歳、コンピュータソフトの開発販売をやっている会社の社長。
 もともと別の会社のプログラマーをやっていたが、3年ほど前独立し、今の会社を作ってインターネットのブラウザを大ヒットさせたが、問題も多く抱えていた。
 中島聡:五十嵐が元いた会社の同僚。五十嵐が作ったソフトは自分のプログラムの多くを盗用して作ったものだと訴えた。まだ裁判は係争中だが、どちらも一歩も譲る気配はなく、泥沼化している。
 今村愛美:中島の元婚約者。妻子ある五十嵐に言い寄られて、最初はハナも引っ掛けなかったが、五十嵐が成功した途端こっそりと五十嵐と付き合い始めた。しかし、中島にバレて婚約解消、と同時に五十嵐にも捨てられた。
 五十嵐徳子:五十嵐の妻。愛人の存在を知り、包丁を振り回して、五十嵐に怪我を負わせたが、たいした怪我ではなかったため警察沙汰にはならなかった。それから娘をつれて実家に戻っている。普通女性は愛人の方に怒りが向くことが多いが、話した限り、愛美に対する怒りはなさそうだった。
 野崎和也:五十嵐の会社の元社員。会社の金の使い込みがバレてクビになり、嫁に逃げられた。


 警部は、有力な容疑者はこの4人だが、決め手がない、と言って、事件の説明を始めた。


 事件の発覚は月曜日。11時には必ず出社する五十嵐が昼を回っても来なかったので、社員の一人が自宅マンションへ出向いた。
 ロックはされていなかったが、チェーンがかかっていたから、中にいるのは確かだった。
 いくら呼び掛けても返事がなかったので、大変なことが起きたと判断して、チェーンを切って中に入り、死体を発見した。
 ベランダの窓の鍵が開いており、現場が2階ということもあり、犯人はそこから逃走したと思われる。
 五十嵐はパジャマ姿でリビングの床に倒れており、右後頭部を鈍器で殴られたのが死因だった。
 凶器は、彼の部屋にあった青銅の置物で、インドネシアかどこかの神をかたどった人形らしい。結構な重さがあるから、うまく振り下ろせば女でも簡単に殺せただろう。
 死亡推定時刻は、前日の日曜の夜9時から12時頃。


 人間関係


 警部補は4つのファイルを差し出した。


 :中島聡
 B:今村愛美
 C:五十嵐徳子
 D:野崎和也


 真理はファイルに手を伸ばした。


 中島聡:33歳、独身。身長164センチメートル、体重83キロ。右足にギプスをつけ、松葉杖をついている。
 「わたしはあいつに人生をめちゃくちゃにされたんだ。他人の功績を横取りしただけじゃ飽き足らなくて、愛美まで。
 殺す?まさか。
 わたしは今あいつと裁判で争っているところなんだ。時間はかかるでしょうが、必ず最後には正しい判決が下ると信じてますよ。
 そうすりゃわたしはあいつからがっぽり賠償金をもらえるってわけです。殺してしまっちゃ元も子もないでしょう。
 愛美のことは・・・でもね、見方を変えりゃもともとその程度の女だったってことでしょ?結婚する前に気付かせてくれたんだから、彼には感謝したっていいのかしれはせんよ。
 日曜日の夜9時から12時ですか?もちろん家にいました。1週間ほど前に退院したばかりで、まだ静養中なんです。ええ、骨折ですよ。(骨折が感知していないことは確認済み)
 裁判これから、どうなるんですかね?死んだ人間からも賠償金って、取れるんでしょうか?」


 :今村愛美
 B:五十嵐徳子
 C:野崎和也


 真理はファイルに手を伸ばした。


 今村愛美:28歳、独身。身長168センチメートル、体重58キロ。右手人差し指に包帯。
 「わたしが馬鹿だったんです。中島さんのことを愛してなかったわけじゃわりません。このままこの人と結婚して本当に大丈夫なのかなって、不安だったんだと思います。そんなときに、あの人が親身に相談に乗ってくれて、そのうちひかれあうようになったんです。いえ、ほんとは彼の狙いがどこにあったのか、今ははっきりわかっています。あの人は、ただ人のものが欲しいだけなんです。だから、わたしと中島さんが分かれた途端、五十嵐さんの態度は豹変しました。憎んでないといえば嘘になりますが、わたしさえしっかりしていればこんなことにはならなかったんです。
 この指は1週間くらい前、会社でバレーボールをしているときに突き指したんです。もうほとんど治りかけていますし、利き腕じゃないからそんなに困らないんですけどね。
 日曜の夜ですか?自宅にいたと思います。証明してくれる人はいませんけど・・・」


 :五十嵐徳子
 B:野崎和也


 真理はファイルに手を伸ばした。


 五十嵐徳子:38歳、被害者の妻。身長155センチメートル、体重43キロ。
 左手親指に絆創膏。
 「殺されるだなんて、まったくあの人にふさわしい死に方をしたものね。
  あたしがやるわけないじゃない。娘の養育費だってこれから一生払ってもらわなきゃならないと思ってたんですからね。
 遺産?離婚したのに遺産が入るんですか?ああ、娘にね。じゃあ、とりあえず養育費の心配はなさそうね。
 この絆創膏は、包丁でざっくり切っちゃったのよ。
 日曜の夜は家にいましたよ。娘と一緒に。まだ6歳だから、9時には寝てましたけどね。」


 真理は、野崎和也のファイルに手を伸ばした。


 野崎和也:44歳、独身、離婚歴あり。身長171センチメートル、体重65キロ。
 「わたしだって、あいつに人生壊されたようなもんですからね、殺せるもんなら殺してやりたいところです。犯人に感謝したいくらいですね。
 使い込み?ちょっと借りただけだったんですよ。株で損をしたところでしてね。すぐに取り返して穴埋めをするはずだったんだ。それをあの野郎、泥棒扱いしやがって。おかげで今じゃ女房にも出ていかれて、こんなありさまですよ。
 日曜の夜だって?さあね、今じゃ毎日が日曜日なんでね。何してたかってすぐには分からないよ。でもたぶん近所の居酒屋で飲んでたんじゃないかな。聞いてみてくれよ。(居酒屋で確認。9時半から11時半までいたことが判明。そこから現場までは最低40分必要)」


 人間関係で解決


 真理は、「これだけで分かるのは、犯人が誰かってことくらいね」と言った。


 :中島聡
 B:今村愛美
 C:五十嵐徳子
 D:野崎和也


 真理の答えを聞いた警部は、「またお邪魔するよ」とあまり気乗りしない口ぶりで、席を立った。
 その後、警部補からの連絡はない・・・


 終:推理失敗

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 今日のかまいたちの夜 輪廻彩声はどうかな?


 犯人がわかった!


 透は、犯人が分かったんです、と言って、俊夫さんに向かって、最後に時計を合わせたのはいつかを尋ねた。
 俊夫さんは、クォーツだからめったに狂うことがないので、記憶がない、と答えた。
 続けて、透は、鳩時計を合わせたのは誰かを尋ねた。
 俊夫さんが、シーズンが始まる前に、自分が電池を入れ替えて、合わせた、と答えた。
 透が、自分の時計に合わせたことを確認すると、そうだ、と俊夫さんが答えた。
 俊夫さんの時計は、その時から狂っていた、と透は言った。
 そして、透は、香山さんに、香山さんの時計は高そうだから狂ったりしないのかを尋ねた。
 香山さんは、巻き忘れると止まるが、狂ったりはしない、と答えた。
 透は、最後に合わせたのはいつか尋ねると、香山さんは、ハッとした表情を浮かべた。
 透は、今までのことをまとめる、と言って話し出す。


 シュプールの鳩時計は、俊夫さんが合わせたもので、正確な時間より5分進んでいた。
 当然、俊夫さんの時計も5分進んでいる。
 時計以外に時間を知る方法は、テレビ、ラジオ、電話時報、ビデオがあります。
 このシュプールには鳩時計以外時計がないので、ビデオの時間表示は非常に目につくものになっています。
 僕は、ビデオ表示が点滅しているのに気づいていましたが、それが何かはわかりませんでした。


 それを聞いた俊夫さんは、ここのビデオは停電すると、そのことを気付かせるために数字が点滅するようになっている。夕べの停電のせいで、ビデオの時間は全部狂っていた、と告げる。
 ここのビデオは、停電している間はタイマーが止まって、通電が始まると、また動くようになるタイプ、とのこと。
 それを聞いた透は、夕べの停電以降、ビデオの時刻表示は、正確な時刻から11分遅れ、鳩時計を比べると、16分遅れになっていたのだ。
 鳩時計と同じ時刻だったとすると、16分間停電していたことになる、と説明した。
 小林さんが、ビデオの時計を合わせたとき、電話の時報で確認した、と言うと、透は、停電は11分だったが、重要なのは犯行があったと思われる時間だ、と言い出す。


 透は、このペンションには3通りの時間があった、と話し出す。
 鳩時計と俊夫さんの時計、狂ったビデオ、正確だと今は判明している透の時計の3つだ。
 鳩時計と俊夫さんの時計は、俊夫さんが合わせたから、当然同じになる。
 香山さんの時計は、いったいどんな時間だったのか?
 香山さんの時計は、ぼくよりも11分遅れ、俊夫さんよりも16分遅れている。
 不思議なことに、香山さんの時計は、停電で狂ったビデオの表示と同じだ。


 香山さんは、偶然だ、と抗議する。
 透は、昨日の夕食の前、香山さんは鳩時計に合わせていたのを見た、と言って話を続ける。
 昨日の夕食の時点では、香山さんの時計は鳩時計に合っていた。
 田中さんが自室に戻り、停電があり、やがて元に戻った。
 そして次の日、不思議なことに、香山さんの時計は16分も遅れ、狂ったビデオと同じ時間だった。
 つまり、香山さんは、停電以降、ビデオのある部屋に入って、自分の時計を合わせた。


 透は、部屋にビデオがある人に、部屋に香山さんを招き入れたかを確認すると、誰も招き入れていなかった。
 透は、香山さんが、夕べ停電以降、田中さんの部屋に入り、ビデオ表示を見てしまい自分の時計を合わせた、と告げる。
 春子さんが、あなたなの?どうしてなの?と絶叫する。


 透は、犯行の後あわてて同じ凶器で電話線を切っていることから、香山さんが、始めから田中さんを殺す気があったとは思えない。計画的犯行なら、あらかじめ切るだろうから、と言って話し出した。
 最初は落ち着いて話をしていて、その時に時計を合わせた。
 その後、口論するか何かあり、香山さんは田中さんを殺した。
 計画的でないなら、凶器は、田中さんの持ち物だろう。旅行中持っていそうな刃物というとカミソリくらいだろう。


 事件の真相


 香山さんが腹から絞り出すような声で話し出した。


 あいつはマムシのような奴やった。
 あいつは、黒木英治ちゅう元総会屋、いや、ヤクザや。
 会社始めた頃、労働争議やらなんやらで、やくざまがいの連中につい世話になることもあった。
 やっぱりこのままやったらいかん、そう思うて、すっぱり手ぇ切ったんや・・・切ったつもりやったんや。
 そしたら、暴力団新法やなんやができて、金回りが悪なったんやろな・・・あの手この手でたかり始めよったんや。
 昔のつきあいがあるさかい、警察に訴えるわけにもいかへん。
 黒木は、そん中でも一番たちの悪い奴や。こんなことまで追っかけてきよって、五千万よこせ、そやなかったら会社つぶしたるって言いよった。
 そんな金出るわけあらへん。話し合いで何とかならんか思たけど、最後にはあいつ、家族に何かあってもええんかいって・・・
 そいで、わし、かーっとなって、気付いたらあいつの首絞めてたんや。
 ・・・はっとして、手ぇ放したけど、あいつ目ぇ剥いて泡吹いとった。
 カバンからでっかいマイソリが覗いとったさかい、それであいつの喉、切ったったんや。


 みんなが下を向いていると、突然、真理の悲鳴が聞こえてきた。


 逃亡と追跡


 顔を上げると、香山さんが、後ろから真理を抱きかかえるようにして、喉元に茶褐色に汚れたカミソリの刃を押し当てている。
 頼むから動かんといてくれ!この子を傷つけとうない!と、脅迫というより必死に懇願する香山さん。
 お願いだからもうやめて、と春子さんが涙声で訴えるが、香山さんはかぶりを振った。
 すまん、春子、と言いながら、香山さんは、真理を引きづるように談話室から玄関の方へ向かう。
 小林さんが近づくのを見て、香山さんは、車を玄関へ回すんや、と言い放つ。
 小林さんは、車で逃げるのは無理だから、止めた方がいい、と答える。
 香山さんが、ええから持ってこい!と怒鳴ったので、小林さんは、裏の駐車場へ向かった。
 奥さんと、可奈子ちゃんが泣き出した。
 しばらくして、表玄関にエンジンの音が響いてきた。
 真理は半ば意識を失いつつあり、香山さんが支えていなければ、自分からカミソリの刃に向かって倒れていきそうに見える。
 玄関から、雪まみれの小林さんが入ってきて、その子を離せ、と言った。
 香山さんは、みんな、そっちに寄るんや、と怒鳴ったので、みんなは談話室の片隅に集まった。
 「そこでじっとしとるんやで。麓で解放したる。もし下で警察が待ち構えとったりしたら、どうなるか分かっとるやろな?」と香山さんが言いなが、真理を引きずって、玄関ポーチを下り、エンジンをかけたままの車に乗り込んだ。
 透は、玄関のドアを飛び出した。
 白いヴァンが、白い闇の中に溶けるように消えてしまった。
 透は、小林さんに向かって、車を貸してください、と頼んだ。
 俊夫さんが、俺の車で行こう。このあたりの運転なら、俺が一番慣れている、と言った。
 俊夫さんが、車を取り行くと、小林さんは、真理ちゃんを頼む、と透に言った。


 俊夫さんは、ハンドルにしがみつき、できるかぎりのスピードで飛ばしてくれた。
 あっと思った瞬間、車はコマのよにスピンし、衝撃とともに止まった。
 助手席の側から雪の壁に激突したようだ。


 香山の良心


 ペンションから1kmほどは走っただろうか。
 歩いては戻れないし、真理も助けられなかった。
 その時、木々の枝を震わせて、低い爆発音が地鳴りのように響いてきたので、音のした方向へと向かった。
 足元に真新しいタイヤの跡が刻まれているのに気づいた。
 タイヤの跡をたどっていると、白い林が途切れ、視界が開けた。
 道がない。
 急カーブだ、と俊夫さんが言った。
 タイヤの跡は、カーブを無視して、まっすぐに崖っぷちに向かっていた。
 ガードレールが飴細工のように引きちぎられている。
 眼下を見下ろすと、遥か下の沢に火の手が見える。
 真理!と絶叫した透は、がっくりと膝から雪の中に崩れ落ちた。
 透、と声が聞こえたので、振り向くと、真理が透の方へ向かった歩いて来る。
 泣きながら真理が、「あたしを降ろしてくれたの・・それからスピードを出して・・・」と話した。
 香山さんは、真理を道連れにするつもりなど始めからなかったのかもしれない。いや、土壇場で良心が勝ったのかも。

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 今日のかまいたちの夜 輪廻彩声はどうかな?


 雪国


 真理と二泊三日のスキー旅行へ来た透。
 列車を下りて、迎えに来ていたワゴン車に乗る。
 運転手は、真理の叔父の小林二郎さん。ペンション シュプールのオーナーだ。


 ゲレンデへ


 荷物を置くのもそこそこに、着替えを済ませ、スキー一式を借りた。
 小林さんは、もうじきお客さんが来るということなので、二人だけでゲレンデに行ってほしい、と言って、ワゴン車のキーを渡した。
 真理は何度も行ってるらしく、迷うことなく15分後にゲレンデにたどり着いた。
 12時を回っていたので、透は、先に昼飯、と言ったが、真理に、とりあえず1回滑ってから、と拒否されてしまった。
 スキーが初めての透は、1mごとに転び30分かかって初心者コースを降り切った。
 透が、お願いだから、昼飯にしよう、と頼むと、しぶしぶ食堂へ行くことを承知してくれた。
 遅めの昼食のあと、更なる特訓が待ち構えていたが、帰るころには、何とかボーゲンでゆっくりと降りてくることはできるようになっていた。
 日が落ちるにつれて、空は急に曇りはじめ、不穏な風も吹き始めたので、透が、そろそろ帰ろう、と懇願すると、空を見た真理は、「今夜は荒れるから、早めに帰りましょう」と答えた。
 駐車場を出るころには雪が降り始め、ペンションに付く前にすでに本降りになっていた。
 真理が突然、「こんな夜は・・・」と言い出すが、「何でもない」と言って止めてしまう。


 ペンション 『シュプール』


 ペンションにたどり着いてよく観察してみると、ログキャビン風の外観に、白を基調にしたおしゃれな内装で、隅々まで清潔にされていて、気持ちよさそうな宿だった。
 乾燥室へスキー一式を入れて、透と真理は中へ上がった。
 車の音を聞いて小林さんが、出迎えてくれた。
 その時、談話室に中年の夫婦が座ってこちらを見ていることに気が付いた。
 軽く頭を下げると、小林さんが、「自分が昔世話になった人で、大阪で会社をやっておられる香山さんと奥さんの春子さん、こっちは私の姪の真理と、大学の友人の透君です。」と紹介してくれたので、お互いに軽く挨拶をした。
 小林さんは、「夕食は7時からだから、着替えてシャワーでも浴びてくるといい」と言って、キッチンへ戻っていった。
 透と真理の部屋は当然別々だった。
 透は、部屋に付いているユニットバスで軽く汗を流して、服を着るとベッドに倒れ込んだ。
 うとうととまどろんでいると、ノックの音がし、真理が呼びに来てくれていたので、いっしょに談話室へ降りた。
 談話室にはさっきの香山夫妻に加えて、3人の女の子たちがいた。
 真ん中のカナちゃんと呼ばれているやせた髪の長い子が、左手に持った赤ペンで、情報誌に印をつけていた。
 向かって右側にいるのは、ケイコと呼ばれていたぽっちゃりしたかわいらしいショーとカットの女の子だ。
 左側にいるのは、大きなメガネをしており、アキと呼ばれていた。
 突然、真理に、「どの子が好みなの?」と聞かれた。
 透は、「違うって」と言い訳しようとすると、鳩時計が7時を告げた。
 反射的に腕のデジタル時計を見ると、18:55だった。
 舌打ちが聞こえたので、そっちを見ると香山さんが、高級そうな自分の腕時計を合わせていた。
 小林さんが、談話室へ入ってきて、「食事の用意ができました。どうぞ食堂の方へ」と声をあけた。
 食堂のテーブルには、談話室にいた香山さん夫妻とOL3人組に加えて、サングラスをかけた三十前後ぐらいの男が座った。
 アルバイトの女の子と小林さんの奥さんが、料理を運ぶ間、小林さんが、全員の名前を紹介し始めた。
 「こちらの3人は、東京からいらした、渡瀬可奈子さん、北野啓子さん、河村亜希さん。そちらの渋い男性は、田中一郎さんとおっしゃします。」
 三人組は頭を軽く下げたが、田中さんは無反応だった。
 食事はおいしく、そして十分な量があった。
 食後のコーヒーを飲み終えた田中さんは、そそくさと二階へ引き上げていき、残る全員が談話室へ集まった。
 しかし、みんなが腰を落ち着ける間もなく、突然すべての御借りがチカチカと瞬き、そして消え、女の子たちの悲鳴が飛び交った。
 誰かの手が、透の腕をまさぐりきゅっとつかんだ。真理だ。
 透は、安心させるように、自分の手を重ねた。
 闇に浮かぶ腕時計は、20:15を指していた。
 小林さんが、「落ち着いてください、すぐにロウソクを持ってきますから」と声を掛けた。
 小林さんが暗闇の中をスイスイと歩く気配がし、常備してあった懐中電灯を見つけて点けた。
 暗闇の中に小さな光が広がった。
 小林さんは、「今日子、いっしょに来てくれ」と、二人で談話室を出ていくと、再びあたりは闇に包まれた。
 三人組は、ささやきあっていたので、透は真理の手を触れながら、「大丈夫、すぐに元に戻るよ」と言った。
 懐中電灯の明かりが戻ってきた。小林さん夫妻がロウソクを持ってきてくれたようだ。
 広いテーブルの上で、それらを立てて火をともすと、何とか周りの人々の顔が見えるようになった。
 「風が強くなってきたようなので、どこかで送電線が切れたんだとしたら、今晩の復旧は無理かもしれません」と小林さんが申し訳なさそうに言った。
 「見たいテレビがあったのに」と亜希ちゃんが言った。
 小林さんは、「こんなことはめったにないんで、自家発電とかの用意をしていないんです」と言った。
 真理は立ち上がって、窓際に行き、カーテンをめくって外をうかがい、「雪がひどくなってるみたい」と言った。
 アルバイトのみどりさんと言う女の子が、「せっかくこんな雰囲気なんだがら、怪談話なんかするのもいいじゃないですか?」と言い出した。
 啓子ちゃんが嬉しそうに、「そういうの全然ダメなのー」と答える。
 俊夫さんも、「いいね」と賛同する。
 小林さんが、「部屋に戻りたい方がいたら、部屋まで送りますし、ロウソクもお貸しします」と訊ねたが、誰も名乗り出なかった。
 透は、大勢の中で怖い話を聞くのと、一人で暗い部屋にいるのと、どちらが怖いだろうか、と考えていた。
 切れた暖房を補うため、石油ストーブを焚き、みんなで毛布を体に巻き付けると、真理が「これは本当にあった話なんだけど」と話し出した。


 かまいたち


 真理と小林の先祖は、小林久左衛門といって、このあたりの大地主だったが、小作人からは搾り取れるだけ搾り取っていた相当ひどい人だった。
 この地方には、こんなふうに冷たい風の吹く吹雪の夜には、かまいたちで怪我をしたって人が大勢いたが、ほとんどは男性だった。
 だから、この地方では、不幸な死に方をした女の人の魂が、かまいたちになって恨んでいる男に切り付けるんだ、と言われている。
 久左衛門は、ひどい女たらしだったらしく、一度目をつけた女性は必ず手に入れていた。
 ある時、許嫁のいる村の娘に手を出し、娘は久左衛門を呪いながら、舌を噛んで死んだ。
 それ以来、久左衛門は外出するたびにかまいたちに襲われるようになり、ひどいときには服がボロボロになるほどだった。
 それで、久左衛門は、風の強い日には外出しないようになった。
 そして、一年後の女性の命日も、今日みたいにひどい吹雪の晩だった。
 久左衛門は、お屋敷の奥座敷から一歩も外へ出ず、食事も運ばせていたにもかかわらず、翌朝、女中が見に行くと、血の海の中で、喉を切られた久左衛門が死んでいた。
 久左衛門には全身に無数の切り傷があり、不思議なことに彼が寝ていた1畳ほどの部分だけ畳や布団もボロボロだった。


 突然、窓ががしゃんと開き、凍り付くような風と雪が吹き込み、ロウソクの炎が一瞬にして吹き消された。
 みんなの悲鳴が響いた。
 小林さんが、窓を閉め、再びロウソクに火がつけられた。
 小林さんは、「落ち着いて。きちんと閉まってなかったようです。偶然とはいえ、みんなを怖がらせる役には立ってようですね。」と言うと、真理は、「さっき窓のところに毛糸を輪にして結びつけておいたの。引っ張ると留め金が外れるようにね。さらに引くと、輪がはずれて手元に戻ってくるの。」と打ち明けた。
 その時、チカチカと瞬いて、部屋に白い光が充満した。電気が回復したのだ。
 今日子さんが、「お茶でも入れましょう」と声を掛けた。
 可奈子ちゃんが、「お手洗いに」と言い出すと、啓子ちゃんと亜希ちゃんも、「私も」と言って立ち上がった。
 みどりさんまで、一緒になってトイレに向かった。


 ティータイム


 全員がトイレから戻ると、お茶の用意ができていた。
 とてもいい香りのするお茶だ。
 今日子さんは、「ラベンダー・ティーなの」と言う。
 お茶を飲んで落ちついたところで、みどりさんが、真理に、「あれは本当の話なの?」と聞いてきたので、真理が、「本当よ、ね、叔父さん」と答えると、小林さんは眉をひそめながらうなずいた。
 小林さんは、「先祖の一人がひどい死に方をしたのは、昔調べたことがあるから、確かなことなんだ。ただ、かまいたちなど、女の恨みだのなんて信じちゃいないけどね。」と言った。
 亜希ちゃんが、「見たいテレビがあるんだった」と言い出したので、三人組は挨拶をして、部屋に戻ってしまった。
 小林さんが、「ゲームでもどうですか?」と声を掛けると、香山さんが、「若い人たちだけの方がいいから、自分たちは、これで失礼します」と言った。
 壁の鳩時計は、9時を回っていた。
 結局残ったのは、透、真理、みどりさん、俊夫さん、小林さん夫妻の6人だった。
 俊夫さんがトランプを持ち出したので、ナポレオンでひとしきり遊んだ。
 小林さんが、「11時になったから、そろそろお開きにしよう」と言ったので、透と真理は、挨拶をして、それぞれの部屋に戻った。
 シュプールの部屋は、基本的に一人部屋はないので、透と真理の部屋はツインだった。
 服を着替えて、ベッドに入ったとき、ビデオの時刻表示は、23:10だった。
 その数字を見ながら、透は眠りに落ちて行った。


 一夜明けて


 透は、誰かが名前を呼びながら、体をゆすっていることに気付いた。真理だ。
 どうやら鍵を掛け忘れたようだ。
 真理は、「もう8:40よ、朝食は8時半からよ」と言った。
 透がビデオの方を見るが、8:20だった。
 着替えのため真理を追い出し、急いで着替えて下へ降りた。
 テーブルには田中さん以外の全員がそろっていた。
 みどりさんに田中さんのことを聞いてみると、「何度ノックして起きなくて」と答えた。
 結局、田中さんは、みんなが食べ終わっても降りてこなかった。
 みんなで談話室へ移動した。
 窓の外を見ると、雪は相変わらずやむ気配はなかった。
 小林さんは、「予報では、夜中ぐらいまでは低気圧がいすわっているって話だよ。雪崩警報も出ている。」と教えてくれる。
 可奈子ちゃんは、「今日帰らないといけないのに。」と言うと、小林さんは、「危ないから、もう一晩泊まっていきなさい。お金は食事代だけでいいから。」と言った。
 啓子ちゃんと亜希ちゃんは、しょうがないと言うが、可奈子ちゃんは、明日3人とも休んだら、課長にヒステリー起こされる、と文句を言っていたが、結局泊まることにした。
 そして、今度は誰が会社に電話をするか、揉め始めた。
 小林さんは二階は上がっていったが、すぐに降りてきて、「お客さんが起きないんだ。いないのかしれない。」と言い出した。
 部屋には鍵がかかっているが、合鍵をあるとのことで、開けようか迷っているとのこと。
 鳩時計が10時を告げた。
 透の腕時計は、5分遅れの9:55を指していた。
 小林さんが、「一人でお客さんの部屋に入るのはまずいから、一緒に来てほしい」と透に頼んできたので、透は了承し、当然のごとくついてきた真理といっしょに、3人で二階へ上がった。
 「田中さん、いらっしゃいますか」と声を掛けながら、小林さんは、田中さんの部屋の扉をノックしたが、返事はなかった。
 小林さんは、あきらめたように鍵束を出し、ロックをはずした。
 小林さんは、首だけ中に入れたが、体がこわ張るのが分かった。
 小林さんは、中へ踏み込んだ。
 真理は、むせかえるような錆びた鉄のような臭いで、鼻と口を押えた。
 透が部屋に入ると、田中さんが窓に近い方のベッドに横たわっているのが見えた。


 泊り客の死


 田中さんは全身に切り傷を負って、血を流していた。
 一番出血がひどいのは、ぱっくりと開いた喉の傷だ。
 真理は悲鳴を上げて、部屋から飛び出した。
 小林さんが、かまいたち、とつぶやいた。
 真理の悲鳴を聞いて、人々が集まってきた。
 小林さんが、「今日子、そこにいるなら、警察に電話しなさい。泊り客が死んでいると。」とドアの向こう側に声を掛けると、誰かの押し殺した悲鳴が聞こえた。
 小林さんは部屋を出ると、再びドアに鍵をかけ、待ち受けていた人たちを追い立てるようにして、談話室へと降りた。
 フロントで受話器を持った今日子さんが、電話が通じない、と言い出したので、小林さんが受話器を受け取り、フックを何度も押した。
 電話線が切れているみたいだ、部屋の電話は?と小林さんが尋ねると、今日子さんが、寝室の電話も同じように何も聞こえない、と答えた。
 小林さんは、外を見ながら、麓まで下りるのは明日にならないと無理だ、と言った。
 透が、近くに電話を借りれないのかを訪ねると、車さえ動けばいいんだが、この吹雪の中歩くとなると、と首を振った。
 香山さんが、携帯電話があるんや、と言い出すが、小林さんが、このあたりは電波状況が悪くて携帯電話も入らない、と答えた。
 透が、問題は誰があの人を殺したか?その犯人は、まだこの辺りにいるかもしれない、と言い出した。
 透はそう言いながら、この吹雪の中、誰か別の人間が外からこっそり来て田中さんを殺し、またこっそり出て行った、ということは考えにくいから、犯人はこの中にいる?と疑惑を持ち始めた。
 透は、戸締りを確認しましょう、と提案すると、小林さんは賛同し、透、小林さん、香山さん、俊夫さんの4人で、戸締りの確認をすることになった。
 男性陣が確認している間、今日子さんとみどりさんは、女性陣のためにお茶を振舞うことになった。


 男性陣で田中さんの部屋に入る。
 窓には鍵がかかっていた。そして、外から入ったなら濡れた跡があるはずだが、それもなかった。
 透が、乾燥室を調べよう、と言い出した。
 外から来た人物が乾燥室で乾かしてから、ペンションに入れば、濡れることはない。
 乾燥室には鍵がついていないでの、さっきは調べなかったのだ。
 乾燥室の中に置いてあるみんなのスキー板と靴は、しずく一つついていなかった。
 外に通じるドア付近もまったく濡れていなかった。このドアには錠が付いていて、今はしっかりとかかっていた。
 小林さんは、どこからも誰も出入りなんかしていない、と言った。
 犯人はやなりこの中にいるのだ。


 談話室に戻ると、みどりさんがコーヒーを入れてくれた。
 小林さんが、誰かが出入りした様子がなかった、と告げた。
 みどりさんが、かまいたちにやられたのは本当ですか?と尋ねた。
 どうやら、真理がみんなにそう伝えたらしい。
 小林さんが、確かにひどい様子だったが、人間にやったに決まっている、かまいたちなんかいるわけない、と言い切った。
 みどりさんが、犯人は誰なんですか?と尋ねた。
 小林さんは、警察に調べてもらわないと、と答えると、みどりさんは、警察なんか来ないじゃない!それまで人殺しと一緒にいるっての!とヒステリックに叫んだ。
 俊夫さんが、この中に田中さんを知ってた人いますか?と尋ねた。
 小林さんは、宿帳には東京世田谷の田中一郎と書いてあったが、スキーをしに来たわけではなさそうだし、妙だと思っていた、と言い出す。
 それを聞いた俊夫さんは、偽名っぽい、と言った。
 透は、なぜこのペンションを選んだんでしょう?と言うと、小林さんは、何も言ってなかった、と答えた。
 小林さんが、田中さんは2泊したい、と言っていた、と言った。
 やりとりを聞いていた香山さんが、死体が腐る前に田中さんの持ち物を調べよう、と言い出した。
 このペンションの暖房は集中システムのため、田中さんの部屋だけ暖房を切ることができないのだ。かと言って暖房を切ると、全員が凍えてしまう。
 小林さんは、警察が来るまではそのままにしておこう、と答える。
 真理が、犯人は昨夜戸締りが完全になる前に入り込んでいたのでは?と言うと、小林さんも頷くが、出て行ったときにどうやって鍵をかけたのだろう?と尋ねると、真理は、出ていっていないかも、と答えた。
 真理は、車が動かせるようになってから、逃げ出すつもりかも、と言った。
 透は、もしそうなら犯人はできるだけ、警察に連絡するのを遅らせようとするんじゃない?と言った。
 どういう意味かわからない真理に向かって、透は、口を封じようとするかもしれない、と告げた。
 まさかみんな殺すっていうの、と話す真理に、透は、そこまでしないかもしれないけど、電話線を切るとか、と答えた。
 俊夫さんと透が、電話線を調べて繋げよう、というと、香山さんが、電話が通じてもこの天気では警察は来ないから、自分たちが犯人を捕まえよう、と言い出す。
 言い争いを遮るように、小林さんが、捜索だけはしよう、と言って、男性4人での捜索を提案した。


 再度ペンション内を捜索するが誰もいない。
 あとは田中さんの部屋だけになり、香山さんが、鍵がかかっていたし、窓も閉まってたのに、犯人はどこから出たんや?と言い出す。
 犯人は、ずっと田中さんの部屋の中にいたのか?と透が思っていると、小林さんは、ここの鍵は中のボタンを押しておけば自動的にロックされる、と言った。
 小林さんが持っていた鍵でロックを解除して、田中さんの部屋に入った。
 クローゼットの中、バスルーム、ベッドの下を調べたが、誰もいない。
 透は、田中さんの左手に目が行くと、高級そうなデジタルの腕時計をしていることに気付いた。
 表示が11:16、自分の腕時計も同じ時刻を表示している。
 備え付けのビデオは、11:05を示していた。
 不思議に思った透が、香山さんに時刻を聞いてみると、腕時計を見て11:05と答えた。
 誰もいないことを確認して、談話室へ戻った。


 犯人はこの中に?


 戻ってきたメンバーの表情を見た真理は、この中に犯人がいるのね?と言った。
 小林さんは、「今日一日助けを求めることもできないし、ここから出ていくわけにもいかない、人殺しといっしょにね。」と静かに言った。
 小林さんは、「すでに一人殺しているので、自分が逃げるためとなれば、もう一人殺すことだっていとわないだろう。だから私たちは、常に一緒にいる必要がある。」と続けた。
 透が、電話線は?と尋ねたので、小林さんはフロントへ行き、電話線を辿って差込口にちゃんと刺さっていることを確認し、公衆電話のほうも不通なんだし、外に出なきゃならん、と言った。
 香山さんが中に残り、透、小林さん、俊夫さんの3人で外へ出ることになった。


 透と俊夫さんがドアの外に出ると、先に外へでたはずの小林さんの姿が見えない。
 俊夫さんが、透を案内し、階段を下りていくが、途中で透は頭から転んでしまう。
 小林さんの声が聞こえたので、そちらのほうへ歩く透と俊夫さん。
 外壁のところにしゃがみこんでいる小林さんが、箱を指さしている。
 箱からから伸びたゲーブルがすっぱりと断ち切られていた。
 誰かが電話線を切ったんだ、と俊夫さんが言った。
 よく見るとケーブルの断面に茶褐色の汚れたついていた。血だ!田中さんの血だ!


 応急処置


 小林さんが、道具を取ってくれば応急処置ならできると思う、と言った。
 ペンション内に戻り、みんなに事情を説明した。
 今日子さんが入れてくれたホットチョコレートを飲み終わった小林さんは、道具入れを持って立ち上がって、「寒いから一人で行くよ。その代わり、私が外に出ている間、誰もここを出ないでもらいたい。」と言ってから、出て行った。
 その時、鳩時計が12時を告げた。
 透が腕時計に目をやると、11:55を示していた。
 今日子さんが、食事の用意はどうしましょう?と聞いてきたので、透が、小林さんが戻るまで待ちましょう、と答えた。


 小林さんが、何とかなった、と言いながら戻ってきた。
 今日子さんが、フロントの電話の受話器を取り上げて、通じてるみたい、と言った。
 そして、警察に繋がると、小林さんが代わって説明し始めた。
 電話が終わった小林さんは、吹雪が収まり次第来てくれると言っていた、と告げた。
 安心した瞬間、透の頭の中でもやもやしていた考えが、少しずつまとまってきて、「確認したいことがあります」と発言した。
 透は、テレビとビデオはどこに設置しているのかを、小林さんに尋ねた。
 小林さんは、自分たち夫婦の部屋とみどりさんの部屋、客間は、渡瀬さんたち3人組の部屋と透の部屋と田中さんの部屋だ、と答えてくれる。
 続けて透は、ビデオはみんな同じ型かどうかを確認すると、小林さんは、一括購入したから同じものだ、と答えた。
 さらに透は、ビデオのある部屋のある人で、ゆうべ誰かを部屋に入れた人を確認する、と全員が首を振って否定した。
 透は、部屋の時計についても確認すると、小林さんは、この鳩時計しかない、と答えた。
 最後に透は、117に電話をかけると、午後、0時、14分、10秒、とテープが流れた。
 透の腕時計はあっている。
 その瞬間、透は犯人は誰か見当がついた。
 電話を切った透は、みんなに向かって、持っていたら時計を見せてほしい、と言った。
 OL3人組は時計を持っていなかった。部屋に置いてあるケータイが時計代わりだとのこと。
 真理はスキーウェアのポケットの中だ、と答えた。
 小林さん、今日子さん、みどりさん、春子さんは腕時計を持っていなかった。
 腕時計をしていたのは、透、香山さん、俊夫さんだけだった。
 俊夫さんは、12:20:30だと答えた。
 香山さんは、12:04だと答えた。
 それを聞いた透は、さっき117で確認したから、今の正確な時間は12:15だと言ってから、犯人がわかった、と告げた。

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 今日のかまいたちの夜 輪廻彩声はどうかな?


 ミステリー編 選択:腕が折れて・・・


 A:ぼくは無我夢中で叫びながら、美樹本の背中に体当たりした
 B:折れた腕のせいで何もできない自分に歯がゆさを感じていた


 美樹本さんの注意がそれた瞬間、真理は美樹本さんの股間を思い切り蹴り上げた。
 真理が離れると、俊夫さんがとびかかり、美樹本さんの顔を1発殴った。
 そっと美樹本さんの後ろに回った小林さんが、美樹本さんの首に両腕を巻き付けた。
 香山さんと女性たちも、とびかかっていった。
 そんな音を聞きながら、透は床に倒れ込むと、意識を失った。
 透の意識が戻ったのはベッドの上で、いつの間にか右腕にはギブスにくるまれていた。
 隣のベッドには、真理が両腕を枕にして眠っていた。
 いろいろと聞きたいことがあったが、真理が目を覚ましたので、透は「おはよう、真理」と声をかけた。


 ミステリー編 完:必死の体当たり

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 今日のかまいたちの夜 輪廻彩声はどうかな?


 ミステリー編 選択:窓が自動的に割れる仕掛け


 A:猫のジェニーを使ったに違いない
 B:雪を使って何かできないだろうか?


 
 透は、話し出した。


 犯人は、外開きの窓の片側から外に出て、もう片側を風であおられても動かない程度に固定しておき、そこへ1、2mほどのロープを取っ手に引っ掛けておく。
 そのロープに反対側に板状のもの、バックの底板のようなものをつないでおき、その板を屋根に積もった雪の中に突っ込んでおく。
 時間がたって、雪が屋根から滑り落ちるときに、板もいっしょに落ち、窓が勢いよく引っ張られて、外壁に叩きつけられてガラスが割れ、板とロープは雪の下に埋もれてしまう。
 犯人は、いつ窓が割れても確固たるアリバイを作れるよう、服も髪型も変えて、このペンションに戻ってきて、自分たちと一緒に死体を発見したのだ。


 「ねえ、その方がいいと思いませんか、美樹本さん」と透は言った。
 そして、続けて、「田中さんは、ずっとサングラスをして誰とも口を利かなかったので、サングラスをはずし服装を変え、つけひげをつければ、自分たちにはそれが田中さんであるとは気づかない。」と。
 美樹本さんは反論したが、透は、「美樹本さんが来る前は、田中さんを含めて全員がペンションにしたが、美樹本さんが来てから田中さんは目撃されてない。」と答えて、美樹本さんを顎髭を引っ張った。
 べりっという音がして、つけひげがはずれた。
 その瞬間、美樹本さんは、透の腕をつかみ、後ろ手にねじりあげ、透は悲鳴を上げた。
 俊夫さんが、挑戦するように、「全員を相手にして勝てる思っているわけじゃないだろうな?」と言った。


 ミステリー編 選択:ぼくの腕が折られる!


 A:「ぼくのことは気にしないで、早く取り押さえてください」
 B:「俊夫さん、今はこいつの言う通りにしておいて下さい」


 美樹本さんは、あっさりと透の右腕を折り、透は叫んで、美樹本さんの手を逃れてくずれ折れた。
 透の手首がぶらんぶらんしていた。
 美樹本さんが、「そっちも折られたいか?」と言ったとたん、真理が「そんなことはさせない」と叫んで、美樹本さんにぶつかっていった。


 ミステリー編 選択:腕が折れて・・・


 A:ぼくは無我夢中で叫びながら、美樹本の背中に体当たりした
 B:折れた腕のせいで何もできない自分に歯がゆさを感じていた


 真理は美樹本さんを一本背負いで、テーブルにたたきつけ、美樹本さんは白目をむいて失神した。
 真理は、護身用に合気道を習っている、と話した。
 みんなはロープを持ってきて、美樹本さんを縛り上げた。
 真理と今日子さんは、透の腕に副木を当て、応急処置してくれた。
 真理は、心配そうに、「腕、痛くない?」と声をかけてくれた。
 「痛みが軽くなるおなじないしてあげる」と真理は言って、誰も見ていないことを確かめると、透の唇にキスした。
 透は、腕の痛みが少しも気にならなくなったが、「また痛くなってきたので、もう一回おまじないしてくれない?」と言った。


 ミステリー編 完:おまじない

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 今日のかまいたちの夜 輪廻彩声はどうかな?
 犯人がわかったので、今度は犠牲者0を目指します。


 プレイングログ


 エンディング 10/47 21.2%
 シーンタイトル 42/142 29.5%
 アルバム 40/131 30.5%
 ミュージック 27/43 62.7%
 メッセージ 5430 35.6%
 選択肢 133 27.7%
 総プレイ時間 26:07:25


 プライナトロフィーを目指してシーンタイトル100%にするのがめんどくさかった。特に、あの2つ・・・
 ただいま100%になってるところは、序章/香山夫妻到着、ミステリー編/今日の終わり値、就職への誘い、社長やってますわ、遅れ来た客、マネキン人形のように、かまいたち、犯人はペンションの中?、黒猫、決死隊、襲われた美樹本、皆殺しへの恐怖、疑心暗鬼、第二の殺人、醜いあらそい、テレビニュース、みどりさんはなぜ・・・?、廊下で人影に・・・、ひとつの推理、冗談なのに・・・、地下室への監禁、長い夜の始まり、真理の悲鳴、彼女を階段から・・・、地下室へ、犯人は俊夫しかいない!、二つの惨殺死体、チャイムが・・・、サバイバル・ゲーム、彼女にストックで・・・、裏口の血痕、俊夫の自殺、彼女が美樹本を・・・、彼女の部屋で・・・、彼女をモップで・・・、鍵をはずして眠りに・・・。


 ミステリー編 わき上がる疑惑


 透は、ふと疑問が浮かんだ。
 A:犯人はもっと前からペンションの中に入り込んでいたんじゃないだろうか?
 B:ぼく達の中に、アリバイのない人がここにいることに気がついた。


 そして、犯人はゆっくりと時間をかけて、田中さんの体をバラバラにした。


 ミステリー編 選択:死体の処理方法


 窓の割れる音がして、自分たちが駆けつけるまでのあんな短い間で、死体を処理する方法があるのだろうか?


 A:できるわけがない
 B:バナナの手品を応用すれ・・・
 C:部屋自体に、仕掛けがあったとしたら・・・


 犯人は、ずっと以前からペンションに入り込んでいたのだ。
 いつ、どうやって?
 戸締りがきちんとしていた以上、入れたのは、正面入り口と乾燥室の出入り口しか考えられないが、必ず誰かの目に留まったはずだ。


 ミステリー編 選択:犯人の侵入方法


 A:地下から穴を掘って地下室から侵入したんだ!
 B:犯人は中へ入ることなく、外から田中さんを殺したのだ
 C:正面から入ってきたが、誰にも見えなかったのだ


 透は、犯人がわかった、とみんなに告げた。


 ミステリー編 選択:犯人のめやす


 A:犯人は、ぼくだ
 B:犯人は、真理だ
 C:犯人は当然ぼくでもなければ真理でもなく・・・


 ミステリー編 犯人:犯人はこいつだ!


 犯人は、美樹本さんだ。
 透がそういうと、真理が、「美樹本さんは、ここに到着してからほとんど談話室にいた。二階へ上がったのは、荷物を部屋に置きにいった時のほんの2,3分だけだった。」と反論する。


 ミステリー編 選択:犯人は美樹本か?


 A:確かにそんなことはできないね
 B:美樹本さんが実はもっと早く到着していたとしたら、田中さんをバラバラにするのも可能になる


 ミステリー編 選択:それは無理でもこれならできる


 A:死体をバラバラにする時間はなかったが、田中さんを殺すだけなら十分できた
 B:田中さんを殺すことができなかったのは確かだけど、鈴木さんなら殺せたんじゃないかな


 何を言ってるのかよくわかってない真理に向かって、透は、バラバラ死体は、誰のものかわからないけど、田中さんじゃない、と説明した。
 美樹本さんもほかの誰かも、田中さんを殺してバラバラにすることができなかったが、あそこにバラバラ死体があるということは、死体は田中さんじゃないということだ。
 小林さんが、被害者はどこから入ってきたのか?と聞いてきたので、透は、被害者は、すでに殺されてバラバラにされた状態でスポーツバックに中に入れられて、田中さんと一緒に正面玄関から入ってきた、と答えた。
 透は、脅迫状の文面から、犯人は死体の発見を12時頃になると考えていたようだが、発見が早すぎたのが最大の誤算だった、と話し出した。


 犯人は、部屋に死体を置いて、窓を割って出たと思われたが、外に出るには窓を割る必要はまったくない。
 実際の犯行時間を誤認させてアリバイを作るため、犯人がわざわざ窓を割って、自分たちの注意を引き、死体を発見するように仕向けたのだ。
 あの時、犯人はとっくに部屋から抜け出しており、窓が自動的に割れる仕掛けをしてたのだ。


 ミステリー編 選択:窓が自動的に割れる仕掛け


 A:猫のジェニーを使ったに違いない
 B:雪を使って何かできないだろうか?


 
 透は、ジェニーを使った仕掛けを説明したが、みどりに、鍵のかかっていた部屋からどうやってジェニーが出たのか?と反論されて、推理に失敗する。
 すると、真理が、わかった、と言って話し出す。


 犯人は、外開きの窓の片側から外に出て、もう片側を風であおられても動かない程度に固定しておき、そこへ1、2mほどのロープを取っ手に引っ掛けておく。
 そのロープに反対側に板状のもの、バックの底板のようなものをつないでおき、その板を屋根に積もった雪の中に突っ込んでおく。
 時間がたって、雪が屋根から滑り落ちるときに、板もいっしょに落ち、窓が勢いよく引っ張られて、外壁に叩きつけられてガラスが割れ、板とロープは雪の下に埋もれてしまう。
 犯人は、いつ窓が割れても確固たるアリバイを作れるよう、服も髪型も変えて、このペンションに戻ってきて、自分たちと一緒に死体を発見したのだ。


 「ねえ、その方がいいと思いませんか、美樹本さん」と真理は言った。
 そして、続けて、「田中さんは、ずっとサングラスをして誰とも口を利かなかったので、サングラスをはずし服装を変え、つけひげをつければ、自分たちにはそれが田中さんであるとは気づかない。」と。
 美樹本さんは反論したが、真理は、「美樹本さんが来る前は、田中さんを含めて全員がペンションにしたが、美樹本さんが来てから田中さんは目撃されてない。」と答えて、美樹本さんを顎髭を引っ張った。


 トロフィー:名探偵をゲット!


 べりっという音がして、つけひげがはずれた。
 その瞬間、美樹本さんは、真理の腕をつかみ、後ろ手にねじりあげた。
 美樹本さんが、自分が犯人だと告白すると、真理は美樹本さんを一本背負いで、テーブルにたたきつけ、美樹本さんは白目をむいて失神した。
 真理は、護身用に合気道を習っている、と話した。
 みんなはロープを持ってきて、美樹本さんを縛り上げた。
 香山さんが、真理に、探偵事務所を開けばいい、と言い出すと、真理も、まんざらでもない様子で、その時は、透を助手にしてあげてもいい、と答えた。
 しかし、美樹本さんの犯行動機や、被害者は不明のままだ。


 トロフィー:事件解決をゲット!


 A Novel、真理の探偵物語開放!


 ミステリー編 完:一本背負い

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 今日のかまいたちの夜 輪廻彩声はどうかな?
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 ミステリー編 選択:犯人のめぼし


 真理に、みどりさんを殺した犯人だけわかったの?と、聞かれる透。


 A:犯人は、僕だ
 B:犯人は、真理だ

 C:犯人は、僕でも真理でもなく・・・


 ミステリー編 犯人:犯人の名前


 犯人は、美樹本さんだ。
 窓が割られた田中さんの部屋には雪が積もっており、自分があの部屋を調べたから廊下に出たら転々と濡れた後をつけてしまった。
 しかし、そんな濡れた跡は、ペンションのほかの場所で見たことはない。
 つまり、この吹雪の間中、誰かが玄関以外の場所から入っては来てないということで、犯人はこの中の誰かに違いない。
 死体発見時、死体が一瞬人形のように見えたのは、あまり血が流れておらず、半ば凍りかけていたから。
 バスルームを調べたが、血液どころか水滴さえも付いていなかったので、バスルームで死体切断したわけではない。


 と、透が説明したところ、真理が、外で殺してバラバラにして、窓から放り込んだ、と言い出したが、透は、部屋の中にガラスの破片がほとんど落ちていなかったから違う、と答えた。
 そして、透は、「田中さんは誰にも殺されなかったし、バラバラにもされなかったですよね?田中さん」と、美樹本さんに声を掛けた。
 動揺している美樹本さんに向かった、透が、つけひげがはずれかけている、と言うと、美樹本さんは、思わず顎のあたりを触ってしまい、「こんな子供だましに引っかかるとは」と言って観念した。


 あの死体は、田中=美樹本さんが殺して、バラバラにした誰かだ。
 美樹本さんは、死体が田中さんだと思わせるために、自分が掛けていたサングラスをわざと死体の近くに置いた。美樹本さんの思惑通り、田中さんの素顔を知らなかったみんなは、スーツとサングラスで、死体は田中さんだと誤認したのだ。
 被害者は、田中さんのスキーバックに入って、玄関から入ってきた。
 スキーバックが空だったのは、バラバラにされた死体を出したから。
 田中さんは、夕食後、自分の部屋に戻ると、死体を魔出際において、ある仕掛けをして、窓から外へ飛び降りた。そして、離れたことに隠しておいた車に乗り、駅にいると偽って、公衆電話から電話を掛けた。
 その仕掛けは、窓ガラスが自動的に割れるような仕掛けだ。
 犯人は、外開きの窓の片側から外に出て、もう片側を風であおられても動かない程度に固定しておき、そこへ1、2mほどのロープを取っ手に引っ掛けておく。
 そのロープに反対側に板状のもの、バックの底板のようなものをつないでおき、その板を屋根に積もった雪の中に突っ込んでおく。
 時間がたって、雪が屋根から滑り落ちるときに、板もいっしょに落ち、窓が勢いよく引っ張られて、外壁に叩きつけられてガラスが割れ、板とロープは雪の下に埋もれてしまう。
 田中さんは仕掛けが作動する時間を12時頃だと予測したので、あんな脅迫状を書き、三人組を部屋から出ないようにさせた。
 そして、窓の下を調べられたくなかったので、田中さんはケガしたふりをして、見回りを中止させた。
 仕掛けが作動した結果、アリバイがなかった俊夫さんに疑いを向けることができた。


 美樹本さんが、つけひげをはずした。


 トロフィー:並探偵をゲット!


 その瞬間、俊夫さんが、「てめぇがやったのか?」と言いながら、美樹本さんに飛びかかり、喉を締め上げたが、いつの間にか、俊夫さんが後ろ手にソファに組み敷かれていた。


 美樹本さんは、俊夫さんを組み敷きながら、「最初は、偽名で田中一郎と名乗ってチェックインした。サインは、あいつを真似たので、警察が疑うことはないはずだった。」と話したところで、俊夫さんを解放し、オートマチックの拳銃を取り出して、しゃべり始めた。



 みどりさんが死体のある部屋を調べると言ったのを聞いたので、一人きりになるのを待って様子を見ていたが、廊下で出くわした時に、「あなたが田中さんでしょ?」と言われたので、その場で殺した。
 ここを選んだのは、偶然で、人里離れた宿で、俺たち二人の顔を知っている奴の来そうにないところならどこでもよかった。
 あいつは、あの銀行強盗の相棒だが、いっしょに仕事をしたのは、あれが最初で最後。
 俺が計画して段取りをし、南とかいうあいつが仕事をした。
 仕事のあと、最初に決めていた取り分より多くよこせ、とあいつが言い出したので、片付けた。
 金を宅配便でここへ送っているので、ここへ来る必要があった。
 死体は、下手に隠すのはやめようと判断して、あんなことをした。
 南には前科があるので、すぐに身元が割れて、仲間割れで殺された、とすぐに警察にはわかるだろう。
 自分は前科がないし、犯人が外へ逃げたと細工し、アリバイも作ったので、同じ宿に泊まっている自分が疑われることはないはず。


 みどりさんは、小林さんと俊夫さんと親しかったので、二人が美樹本さんを殴るとは思えず、美樹本さんの狂言に気付いて、そこから推理して、美樹本さんが犯人だと気付いたのだ、と透は思った。


 美樹本さんは、「大量殺人は好みじゃないから、金が届くのを待って、逃げるだけさ。その間、君たちはお互いに体をロープで縛り合ってもらう。」と言って、告白を終えた。
 美樹本さんは、小林さんにロープを持ってくるよう命令するが、聞きいられなかったので、今日子さんに拳銃を向けた。
 仕方なく小林さんが応じ、慌てて立ち上がった。
 美樹本さんは、誰か一人でも反抗するようなことがあったら、全員の責任だから、見せしめで誰かを殺す、と宣言した。
 洗濯ロープを持って小林さんが戻ってきた。
 美樹本さんの指示通りに、小林さんは、1本のロープで透と俊夫さんを後ろ手に縛った。
 そして、香山さんと春子さん、今日子さんと可奈子ちゃん、亜希ちゃんと啓子ちゃんを縛る。
 美樹本さんは、最後に、真理に、小林さんを縛るように命令した。
 その時、俊夫さんが、「何とかしなきゃ!これだけはっきり顔を見られているから、このままじゃ全員殺される。」と、透の耳元でささやいた。
 俊夫さんが、自分のズボンのポケットに果物ナイフが入っているから、それでロープを切れ、とささやいた。
 美樹本さんが、小林さんの結び目の確認したが、緩かったので、真理をフロントのところまで離れさせて、よりきつく縛りなおし始めた。
 透のロープが切れた瞬間、美樹本さんの背後で、真理がストックを振り上げているのが見えた。
 透は、美樹本さんに飛びかかった。
 美樹本さんは、透と真理のどちらに銃口を向けるのか、一瞬迷った隙に、透の体が美樹本さんにぶち当たり、二人は床に転がった。
 拳銃は、美樹本さんの手から飛び、真理の足元へ転がった。
 透は急所を蹴り上げられ、股間を押さえて床に転がった。
 真理が拳銃を両手て構えて、美樹本さんに向けている。
 美樹本さんが、返すんだ、と言いながら真理に近づいていった。
 次の瞬間、轟音が響いた。
 手を縛られたままなのに、俊夫さんの手は体の前にあり、モップを持って、美樹本さんの後ろに立っていた。
 やがて美樹本さんは、崩れ落ちるように膝を付き、前のめりに倒れた。
 「真理ちゃんの弾をあそこだよ」と、俊夫さんが天井を指さした。
 俊夫さんは、「体が柔らかいのが自慢でね」と言いながら、縛られた両手の間に足を入れて、手を後ろに回した。
 真理が拳銃をその場に落として、透の方へ駆け寄ってきた。
 俊夫さんは、あのナイフで、みんなのロープを切っていった。
 気絶している美樹本さんは、ぐるぐる巻きに縛り上げられた。
 床に落ちた拳銃を拾った俊夫さんは、何かの操作をして、弾倉を外して、透に向かって放り投げた。
 透が何とか落とさずに受け取ると、俊夫さんは、「預かっててくれ。俺は彼女のところへ行ってくる。」と言って、談話室を出て行った。
 ふと俊夫は、オートマッチックの場合弾丸が本体に残っていることを思い出した。
 その瞬間、建物のどこかで銃声が響いた。


 ミステリー編 終:俊夫の自殺

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 ミステリー編 選択:ぼくは犯人じゃない


 A:あいつだ
 B:真理だ


 犯人は、美樹本だ。


 トロフィー:数打ちゃ当たるをゲット!


 その時悲鳴が聞こえてきたので、透はいそいで一階へ上がり、二階へ上がる途中に、春子さんが廊下に倒れているのを見つけた。
 廊下に人影がないので、あいつは自分の部屋に戻ったのだろう。
 一目見ただけで、春子さんはもう助からないことがわかった。
 ぱっくりと割れた額から流れた大量の血、すでの何も見てないうつろな瞳・・・
 透は、美樹本さんの部屋のドアを開けると、美樹本さんは最後に見たときと同じようにベッドに横たわっていた。
 「もう死体のふりをしなくてもいいんですよ」と、透が声を掛けた。


 トロフィー:迷探偵をゲット!


 美樹本さんは、体をおこすと両足をベッドから降ろしながら、なんでわかったんだ?と聞いてきたので、透は、「あなたの手は冷たすぎたから。ここよりも寒いところにいた香山さんよりも冷たかった。まるで雪か氷をずっと触っていたみたいだった。」と答えた。
 美樹本さんは舌打ちしながら、服の下から丸めたタオルを取り出した。
 これを脇の下にはさんで、腕を強く押さえつけると、手首の脈を止めることができる。
 美樹本さんは、誰かが調べに来るのを予想して、手を窓の外の雪で冷やし、脇の下に丸めたタオルを挟み込んで待っていたのだ。
 美樹本さんは、ゆっくりと透の方に近づいてきた。
 透は叫びながらモップを振り下ろしたが、美樹本さんはすいとかわした。
 次の瞬間、透の背後に回り、首に腕を巻き付けていた。
 美樹本さんの手には、いつの間にか取り出したのか、飛び出しナイフが握られていた。
 「透?」という声が聞こえた途端、美樹本さんがふらついた。
 透は、ナイフを持った手を両手でつかんで、ひねりながら逃げた。
 美樹本さんは、ナイフを取り落としたが、すぐに透の腕をねじあげて、ベッドに押し倒し、首を締めあげていく。
 ふと、上にのしかかっていた体重が消え失せた。
 目を開けると、血まみれの両手を呆然と見つめている真理が開いたドアの前に立っていた。
 真理は、透を助けるために、美樹本さんを刺したのだ。
 床に倒れた美樹本さんは、もう動かなかった。
 真理が死に物狂いでぶちあった勢いで、ナイフは美樹本さんの背中の真ん中に、柄まで突き立っていた。
 しかし、美樹本さんがこんなことをした理由がわからない。


 ミステリー編 終:彼女が美樹本を・・・

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 ミステリー編 選択:犯人がかわった


 A:あいつだ
 B:真理だ
 C:ぼくだ


 おふざけはいい加減にしよう。
 自分じゃないことは、自分がよく知っている。


 ミステリー編 選択:ぼくは犯人じゃない


 A:あいつだ
 B:真理だ


 ①犯人は、ジェニーだ。


 トロフィー:猫が犯人?をゲットして、終:彼女の部屋で・・・になった。


 ②犯人は、だ→選択:ぼくは犯人じゃないへ。

 ③真理終:彼女をモップで・・・へ。


 ④可奈子ちゃん、亜希ちゃん、啓子ちゃん、三人組小林さん、今日子さん、香山さん、俊夫さん、みどりさん、田中さん→終:彼女の部屋で・・・になった。


 ③犯人は、春子さんだ。
 春子さん一人ではすべての殺人は不可能なので、香山さんが共犯だ。
 春子さんは、最後に香山さんを階段から突き落として殺したのだ。
 その時、女性の悲鳴が聞こえたので、透は急いで二階へ上がり、三人組の部屋のドアをノックした。
 中から、「誰?」と真理の声が聞こえたので、透は、「開けてくれ!俊夫さんも外でやられていた」と叫ぶと、ドアが開いた。
 ドアが開き、真理が透に抱き着いてきた。
 春子さんの姿が見えないことに気付いた透が、春子さんのこと聞いてみると、この部屋には来ていない、と言われる。
 ここにいないのは犯人の春子さんだけなのに、あの悲鳴はいったい誰?
 気が付くと、三人組がにらんでいる。
 亜希ちゃんが、「さっきの悲鳴はちゃんと聞いた。騙されないわ。」と叫んだ。
 透は、自分が春子さんを殺したと思われていることに気付いた。
 透は、救いを求めて真理の方を見ると、複雑の顔をしていた。
 真理は、「透を人殺しだとは思ってないが、悲鳴が聞こえたとき、自分たちはここにいた。」と言った。
 犯人は香山さん夫妻で、春子さんは最後に共犯の香山さんを殺した。さっきの悲鳴は春子さんの芝居で、誰かをおびきよせるためだ、と、透は自分の推理を話した。
 真理は、もしそうじゃなかったら、春子さんを見殺しにしてしまう、と言い出したので、思わず透は、手遅れに決まっている、と言ってしまう。
 それを聞いた真理は、一人で見てくる、と言って、透の制止を振り切って部屋を飛び出したので、透も後を追いかけた。
 真理は、香山さんの部屋のドアをノックしたが返事がなかったので、ノブを回すが鍵がかかっており開かなかった。
 真理は、下から鍵をとってきて、と叫んだので、透は、真理に部屋に戻るように言った。
 真理が三人組の部屋に戻ったことを確認した透は、一階へ降りた。
 透は、フロントで鍵を探すが、どれがあの部屋の鍵だかわからなかった。
 その時、すべての明かりが消え、三人組の悲鳴が聞こえてきた。
 暗闇の中、透が二階へ上がると、「透?」という真理の声が聞こえた。
 廊下に出てきた真理を抱きしめた透は、真理の腕を組むようにして、牢かを進んだ。
 なんどか部屋を間違えたが、三人組の部屋にたどり着いたが、ドアには鍵がかかっていなかった。
 二人で部屋の中に入り、鍵をかけた。
 ベッドにたどり着き座るところを探していると、何か柔らかいものを踏んだ透は、真理のほうへ倒れ掛かった。
 部屋の明かりがつくと、部屋の中は血の海だった。
 三人組は、みんな喉を切り裂かれ、大量の血を噴き出していた。
 さっきの悲鳴が聞こえたとき、三人組の喉を切り裂くことができたのは、同じ部屋にいた真理だけであることに気付いた透は、真理に話しかけられても何も答えることができなくなってしまった。
 透の様子から、自分が疑われていることに気付いた真理は、殺人鬼といっしょにいたくないでしょうから、自分の部屋に戻る、と冷たい口調で言って、部屋から出て行った。
 真理を止めることができない透も、部屋を出て、自分の部屋に戻り、鍵をかけて、ベッドに倒れ込んだ。
 その時、真理の悲鳴が聞こえてきた。
 真理が自分を殺そうと仕掛けた罠の可能性か、別の殺人鬼が真理を殺した可能性のどちらかだ。
 どうでもよくなっていた透は、どちらの可能性でも同じだとドアの鍵をはずし、ベッドに横たわった。
 そのうち犯人がやってきて自分を殺すだろう。真理の手にかかって死ぬのなら、それも仕方ない。
 そして、真理がすでに死んでいるのなら、すぐに一緒になれるだろう。


 ミステリー編 終:鍵をはずして眠りに・・・

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 ミステリー編 選択:俊夫まで殺したあいつ


 A:一人では無理なら複数なら・・・
 B:もしや香山さんが・・・


 透は香山さんの脈をとってなかったことを思い出し、死んだふりをしただけだったのでは?と思った。


 ミステリー編 選択:香山は本当に死んでいた?


 A:香山さんは確かに死んでいた
 B:香山さんが本当にしんでいることを確認する必要があると思った


 透はモップを持って地下室の階段を下りていった。
 半分も下りないうちに、香山さんの死体が見えた。
 発見した時と同じように、階段の下で倒れていた。
 小林さん夫妻と俊夫さんか殺して、また地下室へ戻ったのか?
 モップで、香山さんの体をつついてみたが、何の反応もなかったので、香山さんの手首に触れたら、冷たく、脈はなかった。
 香山さんは死んでいる、と確認できた透は、犯人がわかってしまった。


 ミステリー編 選択:犯人がかわった


 A:あいつだ
 B:真理だ
 C:ぼくだ


 トロフィー:選択肢25%をゲット!


 犯人が真理だと気付いた透は、重い足取りで2階へ上がると、三人組の部屋のドアが開いていた。


 トロフフィー:アルバム収集25%をゲット!


 ベッドの上で、可奈子ちゃんが、血は流れていなかったが、首が奇妙な報告に折れ曲がったまま、仰向けに倒れていた。
 亜希ちゃんは、壁際にもたれて座っていたが、その壁にはスイカをたたきつけたみたいに赤い血しぶきが飛び散っていた。
 啓子ちゃんは、窓から逃げようとしたみたいで、頭からガラスに突っ込んでいたが、その背中は、血まみれで、服はズタズタに切り裂かれていた。ナイフかなにかで滅多突きにされたようだ。
 透は自分の部屋のドアを開けて中を覗いたが、誰もいなかった。
 振り返ると、真理が自分の部屋から出てくるのが見えた。
 真理は右手を後ろに回した状態で、笑みを浮かべて、透に近づいてきた。
 透まであと数歩のところで、真理が透に飛びかかってきたので、透は、手にしたモップを真理めがけて振り下ろした。
 いやな手ごたえがして、どさりと倒れる音がした。
 真理は、顔を抑えて床に倒れていた。真理の顔を抑えた指の間から、真っ赤な血があふれていた。
 透は、真理の傍らに、十字架のついたネックレスが落ちていることに気付いた。
 真理はこれを取りに自分の部屋に戻っていたのだが、透は凶器を隠し持っていると勘違いしたのだ。
 真理の眼がくるりと反転し、白目になった。
 誰かが目の前に立っているのに気づき、透は顔を上げたが、涙でいっぱいの眼にうつったのは、ぼんやりとした輪郭でしかなかった。
 ただ風を切る音が聞こえ、脳天からつま先まで衝撃が走った。
 世界が回り、やがて暗闇が押し寄せた。


 ミステリー編 終:彼女をモップで・・・

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 ミステリー編 選択:助けに行くか?助けを呼ぶか?


 A:一刻も早く真理の元へ行こうと思った
 B:ドアをたたきまわって助けを呼ぼうと思った

 透はおそるおそる階段を下りたが、談話室には誰もいなかった。
 そして、地下室の扉が開いていた。
 足音が聞こえ、透が振り向くと、真理がいた。
 真理は透の胸に飛び込んできて、「おじさんとおばさんが・・・」と話す。
 透が、まさか小林さんたちまで?と尋ねると、真理は何度もうなずいた。


 ミステリー編 選択:小林夫妻の死?香山が?


 A:香山さんが地下室にいるのかどうか、確認するのが先だと思った
 B:一刻も早く小林さんたちの様子を見に行こうと思った


 ミステリー編 地下室へ


 透は真理の手を取り、地下室へと向かった。
 地下室の扉のところから、香山さん、と呼び掛けたが、返事はなかったので、透と透は階段を下りて行った。
 ワイン蔵で、香山さんはうつぶせに倒れていた。
 香山さんの顔を中心として半径1mほどの血だまりができていた。
 真理は、透にしがみつきながら泣いている。


 トロフィー:シナリオ25%をゲット!


 とりあえず真理を引きずるようにして、透は階段を上り、玄関で何をするべきかと考え、生きている人間に知らせよう、と思った。
 透は真理を連れて、二階へ戻り、みんなの部屋のドアをたたいて回った。
 三人組の部屋の扉がほんの少し開き、可奈子ちゃんの顔が見えた。
 春子さんも廊下に出てきた。
 透は、ご主人が・・・、と伝えると、春子さんは察したようだった。
 主人はどこで?と聞かれた透が、地下室で、と答えると、春子さんは一階へと降りて行った。
 透が、香山さんだけでなく小林さん夫妻も、と告げると、可奈子ちゃんはいきなりドアを閉めてしまった。
 これだけ騒がしいのに美樹本さんが起きてこないので、透は美樹本さんの部屋のドアのノックしたが、返事はなかった。
 ノブを回すと、鍵はかかっておらず、あっさりとドアが開いた。
 美樹本さんはベッドに横たわっていたので、透は、起きてください、と声をかけたが、美樹本さんはぴくりとも動かない。
 透がシーツの上から出ている美樹本さんの腕を触ると、氷のように冷え切っていたので、脈をとると、完全に脈は止まっていた。
 透は、美樹本さんの死因は、頭を殴られて脳内出血を起こしていたかも、と言い出す。


 ミステリー編 犯人は俊夫しかいない!


 みんなを殺したのは俊夫さんしかいない。
 真理が、春子さんは大丈夫かしら?と言い出した。


 ミステリー編 選択:俊夫と対決できるのか・・・


 A:真理の前では弱音が吐けない
 B:もう、こんな所は逃げ出した方がいい


 透は、春子さんと三人組に警告を出すことと、小林さん夫妻の様子を見に行くことを、真理に提案したが、真理は、あそこへは行きたくない、と拒絶した。
 透が、三人組の部屋のドアをノックして、真理と一緒にいてあげてほしい、と頼むと、亜希ちゃんが、真理さんだけ、と言ってドアを開けて、真理を部屋の中に入れてくれた。
 透は、今から下の様子を見てくる、と伝えて、一階へ降りた。
 地下室の扉から春子さんを呼ぶと、春子さんは上がってきた。
 透は、春子さんに、女の子たちと一緒にいてください、と声をかけると、春子さんは二階へと上がっていった。
 透は、談話室に転がっていたモップを手に取り、食堂へと入っていった。
 突然、鳩時計が鳴りだし、驚く透。時刻は、4:25だった。


 ミステリー編 二つの惨殺死体


 一番突き当りの部屋のドアを押して、部屋の中へ入った。
 ごく一般的な家庭のダイニングだ。
 小林さんが、壁に背中をつけて、床に座り込んでいたが、その腹には包丁が突き立っていて、あたりは血の海と化していた。
 吐きそうになった透はバスルームへ飛び込こもうとしてドアを開けると、血まみれの手が降ってきた。
 バスルームの中は血だらけて、今日子さんは裸で、バスタブにもたれていた。
 透は、一目散に走りだしたが、裏口を過ぎるとき、ドアノブに血のようなものがついているのに気が付いた。
 透が立ち止まってよく見ると、ノブだけでなく、床のあたりにも血のようなどす黒い跡がある。


 ミステリー編 選択:血のついた裏口のドアノブ


 A:無視することにした
 B:ごくりと唾を飲み込んで、ドアに近づいた


 ドアノブを回そうとしたが鍵がかかっていた。
 ということは、俊夫さんがここから出て行ったわけではなさそうだ。小林さん夫妻を殺したあと、ここを通るときにノブに触れてしまったのだろう。


 ミステリー編 選択:裏口のドア・・・そこには鍵が


 それにしては、血の量が多いな、と透は思った。


 A:真理のことが心配になって、ぼくは再び駆け出した
 B:ぼくは慎重にロックをはずすと、ドアを小さく押し開いた


 ミステリー編 裏口の血痕


 雪の中に赤いものが見えた。大量の血だ。


 ミステリー編 選択:雪の上の大量の血


 また誰かが殺されているのか、それとも俊夫さんが、誰かを殺すときに抵抗されてケガをしたのか?


 A:ぼくは意を決して、荒れ狂う吹雪の中に足を踏み出した
 B:一刻も早く、真理のもとへ戻ろうと思った


 突然吹雪の中から、影が叫び声をあげてとびかかってきた。
 恐ろしい力が透の首を絞めつけ、頭を雪の中に沈める。
 誰だ!と透が叫ぶと、透君か、と俊夫さんの声がした。
 上ののしかかっていた力が急に消え失せ、どさりと倒れ込む音がした。
 透が体を起こすと、雪の中に倒れていいる俊夫さんの姿があった。
 俊夫さんは、額が血まみれだった。
 俊夫さんは、今にも消え入りそうな声で、「やっぱりあいつだった。妙な音がしたから廊下に出たら、オーナーの部屋のドアが開いていたので、中を覗き込んだとたん、頭を殴られた。俺は必至で裏口まで逃げて、ドアを飛び出して外に逃げたが、中から鍵をかけられた。あいつはきっと全員を・・・」と言ったが、それが最後の言葉だった。
 透は、俊夫さんの体を引きずって、裏口から中に入れた。
 俊夫さんの心臓に耳を近づけたが、鼓動は聞こえなかった。
 犯人は、俊夫さんではなかった。
 俊夫さんと小林さん夫妻は、あいつにやられたらしい。


 ミステリー編 選択:俊夫まで殺したあいつ


 A:一人では無理でも複数なら・・・
 B:もしや香山さんが・・・


 そうなら真理は殺人犯たちといっしょにいることに気付いた透は、階段を駆け上がり、「真理、無事か」と叫びながら、三人組の部屋のドアをノックした。
 ドアが開き、真理が透に抱き着いてきた。
 春子さんの姿が見えないことに気付いた透が、春子さんのこと聞いてみると、この部屋には来ていない、と言われる。
 透は、真理を連れて自分の部屋に戻り、犯人は俊夫さんじゃなかった、と告げた。
 透は、俊夫さんが犯人に襲われて死んだことを話し、犯人は三人組しか考えられない、と断言した。
 信じられない、と言う真理に向かって、透は、もうみんな殺されたんだ、と怒鳴る。
 真理だってみんなの死体を見たし、自分は俊夫さんの心臓が止まっていることを確認した、と透が言った瞬間、部屋の明かりが消えた。
 しばらくじっとしていると、ドアの開く音と女性の悲鳴が聞こえ、何かぶつかる鈍い音と、人が床に倒れるような音が聞こえてきた。
 春子さんが三人組に襲われているのだ。
 やがて建物には再び静寂が戻った。
 透は、モップを手に持ち、ドアに耳を押し当てて廊下の物音を聞いた。
 何も聞こえなかったので、透はノブに手をかけてそろそろと回した。
 廊下を覗くと春子さんらしき姿が廊下に倒れていた。
 透はドアを閉め、鍵をかけて、やっぱりやられている、と真理に告げた。
 真理は、あの子たちを助けなきゃ、と言って部屋を出ようとするので、透は、あいつらが犯人だったらどうするんだ、と叫びながら、おやっと思った。
 俊夫さんは、死ぬ前にあいつにやられた、と言っていた。三人組によってたかって襲われたわけじゃなさそうだ。
 三人組が犯人じゃないと知った真理は、確かめてくる、と言って部屋の外に出ようとする。
 透は止めるが、真理は、見殺しになんかできない、と言って透を押しのけようとした。
 透は、真理だけは危険な目に合わせたくなかったので、自分が代わりに見に行くから、真理に絶対にここから外に出ないように、と提案すると、真理は了承してくれた。
 透が三人組の部屋のドアをノックすると、亜希ちゃんの、誰?と言う声が聞こえた。
 可奈子ちゃんの、来ないで、とヒステリックにわめく声が聞こえた。
 透は、さっき春子さんが襲われたみたいで、残っているのはこの部屋の3人と、真理と自分だけになってしまったので、みんなで一緒の部屋にいよう、と提案したが、騙されるもんですか、と可奈子ちゃんに拒絶された。
 透は、説得するのをあきらめて、絶対にドアを開けないことと、何かあったら大声を上げるように、と話している途中に、悲鳴が聞こえてきた。
 真理だ。
 いそいで自分の部屋に戻ると、ドアが開いている。
 真理、と声を掛けるが返事はない。
 部屋の中に入ると、ベッドの上に黒い影が横たわっているのがぼんやりと見えた。
 ベッドに近づいた時、背後に気配を感じた透は、振り返った。
 何かが目の前に振り下ろされ、頭の中で閃光が炸裂した。
 ゆっくりと倒れながら、最後に見たその人は、意外にも・・・


 ミステリー編 終:彼女の部屋で・・・

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 ミステリー編 選択:助けに行くか?助けを呼ぶか?


 A:一刻も早く真理の元へ行こうと思った
 B:ドアをたたきまわって助けを呼ぼうと思った


 透は、廊下を走りながらほとんどのドアをノックして回った。
 背後から階段のきしむ音が聞こえた。


 ミステリー編 選択:誰かが二階へ上がってくる!

 A:真理に違いない
 B:犯人に違いない


 透が振り向くと、真理がいた。
 真理は透の胸に飛び込んできて、「おじさんとおばさんが・・・」と話す。
 透が、まさか小林さんたちまで?と尋ねると、真理は何度もうなずいた。
 透が下へ降りようとすると、真理は、あそこに戻るのはイヤ、と言い出す。
 ついてきてくれるだけどいい、と透が言うと、真理はしぶしぶ承知してくれた。
 透は、床に落ちていたモップを握りしめ、地下室の様子を見に行くことにした。
 地下室の扉は開いていたので、いそいで小林さん夫妻の部屋へ向かった。
 一番突き当りの部屋の前で、真理が止まった。
 透は真理の手を放し、部屋の中へ入った。
 ごく一般的な家庭のダイニングだ。
 小林さんが、壁に背中をつけて、床に座り込んでいたが、その腹には包丁が突き立っていて、あたりは血の海と化していた。
 吐きそうになった透はバスルームへ飛び込こもうとしてドアを開けると、血まみれの手が降ってきた。
 バスルームの中は血だらけて、今日子さんは裸で、バスタブにもたれていた。
 慌てて部屋を出ると、真理が涙を一杯にうかべて立っていた。
 その時、通路の向こうを人影がよぎったような気がしたが、真理を連れて談話室へ戻った。
 地下室の扉のところから、香山さん、と呼び掛けたが、返事はなかったので、透と透は階段を下りて行った。
 ワイン蔵で、香山さんはうつぶせに倒れていた。
 香山さんの顔を中心として半径1mほどの血だまりができていた。
 真理は、透にしがみつきながら泣いている。
 透は真理を連れて、二階へ戻り、みんなの部屋のドアをたたいて回った。
 三人組の部屋の扉がほんの少し開き、可奈子ちゃんの顔が見えた。
 春子さんも廊下に出てきた。
 透は、ご主人が・・・、と伝えると、春子さんは察したようだった。
 主人はどこで?と聞かれて、透は、地下室で、と答えた。
 さらに透は、小林さん夫妻も、と可奈子ちゃんに伝えて、みんな一緒にいたほうがいいから、春子さんだけでも部屋に入れてあげてほしい、と頼み、春子さんは三人組の部屋に入っていった。
 透は可奈子ちゃんに、美樹本さんの様子を見てくる、と声をかけて、美樹本さんの部屋のドアのノックしたが、返事はなかった。
 ノブを回すと、鍵はかかっておらず、あっさりとドアが開いた。
 美樹本さんはベッドに横たわっていたので、透は、起きてください、と声をかけたが、美樹本さんはぴくりとも動かない。
 透がシーツの上から出ている美樹本さんの腕を触ると、氷のように冷え切っていたので、脈をとると、完全に脈は止まっていた。
 透は、美樹本さんの死因は、頭を殴られて脳内出血を起こしていたかも、と言い出す。


 ミステリー編 犯人は俊夫しかいない!


 みんなを殺したのは俊夫さんしかいない。
 透は真理の手を取り、美樹本さんの部屋を飛び出し、三人組の部屋に入り、ドアを閉めてロックした。
 透は、生きているのは俊夫さんを除いて僕たちだけ、と伝えた。
 真理は、俊夫さんは仇を討ったつもりかもしれない、と言った。
 香山さんが、田中さんとみどりさんを殺したので、俊夫さんは、香山さんを殺すために、地下室の鍵を持っていた小林さんたちを殺したのだ。
 透が、このまま朝まで待っていれば、電話も天候も回復して、誰かが来てくれるかもしれない、と話すが、真理は、このまま何も変わらなかったら、と言うので、透は、いずれ天気は回復するから、その時に山を下りたらいい、と答えた。
 沈黙のまま5時になった。
 窓から外を見るが、天候は相変わらずだった。
 三人組も真理も、泣きはらしてひどい顔になっていたが、春子さんだけが、一番普通の顔に見えた透は、春子さんが香山さんの共犯ではないか?と疑い始める。


 ミステリー編 チャイムが・・・


 その時、玄関のチャイムが何度かなった。


 トロフィー:音楽収集50%をゲット!


 ミステリー編 選択:このチャイムは、ワナか救いか


 可奈子ちゃんが、誰かが助けに来てくれた!と言って、部屋のドアを開けようとした。


 A:助けになんか来るはずない、これはワナだ
 B:よかった、これで助かった


 透は、可奈子ちゃんの腕を掴んで制止しながら、「俊夫さんが鳴らしているのかもしれない!もしかして、風で何かが飛んできて、インターフォンに当たってるかもしれない」とわめいた。
 可奈子ちゃんは、助けに来た人が帰ってしまう、と言って、透の手を振り払った。
 もうこんなところに閉じこもっているのはイヤ、と可奈子ちゃんは叫んで部屋から飛び出していった。


 ミステリー編 選択:飛び出した可奈子


 A:やはり、彼女一人を放っておくわけにはいかない
 B:彼女を助けに行っている間に俊夫さんがこの部屋に入って来るかもしれない


 透は、真理に、自分が戻ってくるまでは誰も外には出さないで、と声を掛けて、モップを手にして廊下へ飛び出した。
 一階へ降りると、可奈子ちゃんは玄関前で立ちすくんでいた。
 玄関の方を見ると、ドアのガラスが割られ、誰かの手がノブへと伸びていた。どうやら、誰かがドアのカギを開けようとしているらしい。
 ドアから突っ込まれた手は、血まみれだった。
 透が、モップで手をつついたが、反応はなかった。
 透がノブのロックをはずして、ドアを開けると、ドアに寄り掛かるようになっていた死体が、ゆっくりと仰向けに倒れた。
 「俊夫さん」と透はつぶやき、ドアを閉めて、ペンションに戻った。
 可奈子ちゃんが座り込んで泣いていた。
 可奈子ちゃんが、透が追いつくまでの間に、俊夫さんを殺したとは考えにくい。
 どうやら犯人は、外で俊夫さんを襲ったようだ。
 突然、「透」と真理が呼ぶ声が聞こえてきた。
 真理は、透がなかなか戻ってこないから、と言いながら、階段を降りてきた。
 透は、真理に、外で俊夫さんが誰かに襲われて死んだことを伝えた。
 真理は、もうここには自分たち以外誰もいないのに!と叫んだ。
 透が、クマにやられたかも?と言うと、真理は、ちゃんと調べて、と言い出す。
 仕方なく透は、もう一度玄関を開けて外へ出た。
 俊夫さんの顔の上には、もう1cmほどの雪が積もっていたので、手で払い落とすと、俊夫さんの額のあたりに真っ赤な雪がこびりついていた。
 額から大量の出血をしたようなので、額の上の雪をこそげ落とすと。醜い傷跡が現れた。
 額や紙の生え際のあたりがクチャグチャにつぶれていた。素人目に、固いものに何度も殴られたように見えた。
 ペンションに戻った透は、クマじゃなさそうで、どこか高いところから落ちて頭を打ったかもしれない、と報告した。
 その時、二階から悲鳴が聞こえてきた。
 みんな死ぬ、とつぶやき続ける可奈子ちゃんを置いて、透と真理は、二階へ上がった。
 二階へ上がる切る前に、廊下に誰かが倒れているのが見えた。
 春子さんのようだ。
 仰向けに倒れた春子さんの頭の下から、血が流れだしている。
 脈をとってが、死んでいた。
 さっき外で俊夫さんを殺した犯人が、いつの間に二階へ侵入した?階段を通ったはずはない。
 啓子ちゃんと亜希ちゃんとどうしているのだろう?と、透が思った瞬間、恐ろしい考えが浮かんだ。
 もし三人組が共犯だったら?


 ミステリー編 サバイバル・ゲーム


 三人組が共犯だったら、真理が部屋を出るのを見計らい、春子さんを殴り殺すことができる。
 今、このペンションで生き残っているのは、透と真理と三人組だけだ。
 三人組が襲ってくるかもしれない、と思った透は、真理を連れて、自分の部屋に駆け込んで鍵をかけた。
 不思議そうな顔をしている真理に向かって、透が、生き残っているのは自分たちと三人組だけだ、と言うと、真理は意味がわかったようだ。
 誰かが階段をゆっくりと上ってくる足音が聞こえた。
 押し殺したような悲鳴が聞こえて、足音は走りだし、どこかの部屋に入ったようだ。
 どうやら可奈子ちゃんのようだ。
 真理は、三人がみんな共犯とは限らないかも、と言い出す。
 真理は、可奈子ちゃんのあの様子は、何も知らなかったように思う、と言った。
 真理は、確かめてくる、と言って部屋の外に出ようとする。
 透は止めるが、真理は、見殺しになんかできない、と言って透を押しのけようとした。
 透は、真理だけは危険な目に合わせたくなかったので、自分が代わりに見に行くから、真理に絶対にここから外に出ないように、と提案すると、真理は了承してくれた。
 透がモップを手に持ち、廊下に春子さん以外誰もいないことを確認してから、部屋から出ると、真理が部屋のロックボタンを押す音が聞こえた。
 透は、三人組の部屋に向かうと、中から誰かのすすり泣く声が聞こえてきた。
 透がノブを回すと、ロックされておらず、ドアが開いた。
 その瞬間、髪を振り乱した可奈子ちゃんが、ストックを振りかざして襲い掛かってきた。
 透は、あわてて一歩下がったが、右肩に激痛が走った。ストックが、服を貫き、肉を突き刺していた。
 恐怖のあまり、透は手にいたモップをやみくもに振り回した。
 ガツンと音がして、こめかみに当たり、可奈子ちゃんは一瞬ひるんだが、再び、ストックを突き出してきた。
 透は、後ろに大きく下がり、よけようとしたが壁だった。
 突き出されたストックを思わず、左手で受け止めてしまい、掌が熱くなり、血が流れる。
 殺される、と思った透は、ストックをつかんだまま、右手に持ったモップを、可奈子ちゃんの額めがけて振り下ろした。
 何度か殴ると、可奈子ちゃんの顔から鮮血がほとばしり、透にもかかる。
 可奈子ちゃんはゆっくりと崩れ落ち、体がけいれんし始めた。
 ほかの二人はなぜ可奈子ちゃんの助けに来なかったのだろう?と思いながら、部屋の中を調べると、頭から血を流した亜希ちゃんと啓子ちゃんがベッドの上に倒れていた。
 頭を殴られて殺されたようだ。
 透よりも先に部屋を出て、透より後に二階へ上がった可奈子ちゃんは、少なくとも春子さん殺しの犯人ではない。可奈子ちゃんが持っていたのはストックで、殴り殺すころはできない。
 背後に人の気配がしたので、透が振り向くと、ストックを構えた真理が廊下に立っていた。
 人殺し!と叫んで、真理はストックを突き出した。
 透は、喉を抑えて、そこから血があふれ出しているのを感じた。
 透は、真理が犯人?と思ったが、春子さんは殺せない。
 目の前はただの赤。自分の喉からあふれ出す血。
 最後に思ったのは、一人残った真理はどうするのだろう、ということだけだった。


 ミステリー編 終:彼女にストックで・・・

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 今日のかまいたちの夜 輪廻彩声はどうかな?
 どんどんバッドエンディング見ていくよ。


 ミステリー編 選択:田中の部屋の調査・・・俊夫と?


 A:俊夫さん、いっしょに行きましょう
 B:すいませんけど、ほかの人にしてください


 透、真理、俊夫さんの3人で田中さんの部屋へ。
 あまりの寒さのため、とりあえずバスルームを調べることになった。


 ミステリー編 選択:ユニットバス


 A:セッケンを使ったかどうか、調べることにし
 B:バスタブを使ったあとがあるかどうか、調べることにした
 C:バスタオルが湿っているかどうか、調べることにした


 バスタブを調べると、濡れた跡もなく、使った形跡がなかった。
 洗面台の下、洋式便器の中をのぞくが、何もなかった。
 天井を見上げると、四角い切れ目があった。天井裏があるのだ。
 透は真理を肩車して立ち上がった。
 真理は頭上の板をはずして、天井裏に首を突き出したが、何にもない、と言った。


 俊夫さんが、早くしてくれ、と言い出したので、バスルームを出て、クロゼットを調べ出す。
 ハンガーには、グレーのコートがかけられているだけで、その下には、スキー用の大きなキャスター付きバッグが置いてあった。
 バッグを開けるが、中には何も入っていなかった。ポケットにも何も入っていない。
 真理が、犯人が盗んだのね、と言い出す。


 ミステリー編 選択:空のスキーバッグ


 A:「たぶんね」
 B:「いや違う、犯人が盗んだんじゃない」


 何を盗んだんだろう?と、透が言うと、真理が、二億円かな?と答えた。
 俊夫さんが、着替えは?と聞いてきたので、逃亡犯なら、用意するヒマがなかったのかも、と透は答えた。
 真理が、コートのポケットを調べたが、財布なんかもない、と話す。


 次は部屋の中を調べる。
 さっと見渡し、ベッドの下も調べたが何もない。
 最後にベッドを回り込んで、死体の周りを覗こうとすると、雪が覆っていて何も見えなかったので、透が雪を払うと、バラバラの死体が姿を現す。
 触った様子がないことから、みどりさんは死体を調べたわけではなさそうだった。


 寒さに耐えられなくなり、談話室へ戻った。
 真理が、「何もなかった。どうやら犯人は、田中さんの持ち物をあらいざらい取っていったみたい」と報告する。
 その時、窓の外から大きな音がしたが、屋根の雪がずり落ちる音だと気付く。


 ミステリー編 ひとつの推理


 透の頭の中では、ある考えが形を取り始めていた。


 ミステリー編 選択:・・・を殺した犯人


 A:田中さんを殺した犯人は分かったよ!
 B:みどりさんを殺した犯人は分かったよ!
 C:すべての事件の犯人が分かったよ!
 D:・・・いや、やっぱり、今の時点では犯人は限定できない


 透は話し始める。


 窓が割れた音がしたとき、俊夫さん以外の全員が談話室にいたので、最初は俊夫さんが一番怪しいと思った。
 でも、トリックを使えば、あの時、談話室にいた人間にも犯行が可能だった、と気づいた。
 窓が割れる音を聞いて、二階へ駆けつけたが、あの時に本当に窓が割れたかどうかはわからない。
 犯人は就職後、田中さんの部屋を訪れて殺し、死体をバラバラにし、音を立てずに窓を割った。
 それから犯人は、あらかじめ用意したテープレコーダーをあの部屋ではないどこかにおいて鳴らした。


 真理が、あんな大きな音がを出そうとしたら、相当大きなテープレコーダーがいるし、あれは録音の音じゃないと思う、と言い出した。
 小林さんも、あらかじめガラスの割れる音を録音したテープを持ってきたのも、妙だ、と言い出す。
 そう言われた透は、あの窓が割れる音は、犯人の用意した別のガラスの割れる音だった、と推理を訂正した。
 すると、真理は、ガラスをどうやってどこで割った?それと、どうやってガラスを持ち込んだ?と指摘してきた。
 透は、この推理でなければ、俊夫さんが犯人になってしまうが、俊夫さんがみどりさんを殺したとは思えない、と話す。


 透は、ガラスの割れる音を出す方法があれば、談話室にいた人間でも犯行が可能だから、二階へ行かなかった人を消去しよう、と言い出す。
 まず、真理と透は、夕食後から最後まで食堂にいて二階へは行かず、それを裏付けてくれる人間は何人もいる。
 小林さんは、夕食後フロントにいて、その後、透たちと一緒にいた。
 今日子さんは、しばらく見かけなかったがキッチンで後片付けをしていただろう。
 美樹本さんは、ここへ来たのは夕食が終わってからだいぶたってからだった。二階へ上がったのも、ほんのちょっとで、荷物を置いてくるのが精いっぱいだった。
 三人組は、二階へ上がったが、脅迫状の件ですぐに一階へ降りてきた。
 つまり残ったのは、香山さん夫妻だけだ。


 香山さんは、犯人扱いされて怒り出す。
 そして、ずっと春子といっしょにいた、と言い出し、春子さんも、うなづく。


 透は、第二の事件について話し出す。
 美樹本さんが襲われた時、外にいたのは、透、小林さん、俊夫さんで、それ以外は一人を除いて談話室にいた。
 その一人は、香山さんだった。
 香山さんは、携帯電話を試すため、二階へ行っていたのだ。
 美樹本さんが襲われたのは、田中さんの部屋の真下だった。
 田中さんの部屋は、廊下を挟んで香山さんの部屋の前にある。
 ロープの先に重くて硬い石か何かを結びつけて、下に犠牲者が来るのを待って、投げ落とすなり、振り回してぶつけるだけだ。
 だから、すぐ近くにいた俊夫さんや小林さんが、誰も見てなかったのだ。


 突然、俊夫さんが、香山さんに襲いかかった。
 俊夫さんは狂ったように叫びながら、香山さんの首を絞める。
 香山さんの苦しそうなうめき声を聞いて、小林さんが止めに入った。
 それを見て美樹本さんも我に返り、あわてて俊夫さんを抑えにかかった。
 狂犬のように暴れる俊夫さんを二人がかりで、引き離した。
 俊夫さんは、羽交い絞めにされながら、絶対に殺してやる!と叫んでいる。
 俊夫さんの頬を、小林さんが平手打ちする、俊夫さんは驚く。
 小林さんは、「確かな証拠もないのに、香山さんを犯人だと決めつけるわけにはいかない!透君、根拠のない当て推量はやめたまえ!みんな混乱するだけだ。」と言い出す。
 真理が、透の推理が間違いなら反論してみせて、と言ったが、小林さんは何も答えなかった。
 突然、亜希ちゃんが、香山さんと一緒にいたくないから部屋に戻る、と言い出し、可奈子ちゃんと啓子ちゃんも立ち上がった。
 小林さんが、みんなと一緒にいるほうが安全だ、と説得したが、亜希ちゃんは、香山さんをどこかに縛り付けてよ、と怒鳴る。
 三人組は、今夜は絶対に部屋から出ない、と宣言し、二階へ上がってしまう。
 香山さんと俊夫さんが罵り合っていると、今日子さんが泣き崩れた。
 今日子さんは、こんなのは嘘、全部夢なんだわ、つぶやく。


 ミステリー編 選択:犯人は香山。その推理に自信は?


 俊夫さんに、自分の推理に自信はあるのか?と聞かれる透。


 A:「あります」
 B:「自信ないです」


 俊夫さんが、どうしたらいいと思う?と尋ねたが、透は、考え込んでいて答えることができなかった。


 ミステリー編:地下室への監禁 


 恐る恐る美樹本さんが、香山さんが犯人だと言い切る自信はないし、何の関係もなかったら申し訳ないが、香山さんには地下室かどこかに入ってもらうしかない、と提案する。
 香山さんは、首を振りながら、地下室なんてめちゃめちゃ寒いんとちゃうか!絶対に入れへん、と言ったが、俊夫さんは、ワイン蔵だから、適温の保たれている、と冷たく言い放った。
 透も、鍵を小林さんに持ってもらえば、夜中に俊夫さんや、あなた以外の真犯人に襲われることもない、と香山さんを説得する。
 香山さんは、しぶしぶうなづいた。
 俊夫さんは、フロントから鍵を一つ取る。
 真理は、小林さんから毛布、香山さんから雑誌を持ってきて、と頼まれたので、二階へ上がり、目的のものを持ってすぐに降りてくる。
 頼んだものを渡された香山さんは、おやすみ、と言って、地下室の扉をくぐった。
 香山さんの背中が見えなくなると、俊夫さんは扉を閉めて、鍵をかけ、その鍵を小林さんに押し付けた。
 小林さんは、まだ泣きづつけている今日子さんの肩に手を回し、立ち上がらせた。
 残っているのは、透、真理、俊夫さん、美樹本さん、春子さんになった。
 春子さんは、本当に主人が犯人なんでしょうか?と聞いてきた。
 透は、状況から推理しただけです、と答えると、俊夫さんは、あいつ以外犯人は考えられない、と言い切って、部屋へ戻る。
 春子さんは、自分は後妻だ、と打ち明ける。
 春子さんは、「あの人は自分や子供たちにはやさしいが、仕事では鬼社長とか人でなしと言われている。仕事のことは何も言わないから、実際どんなことをしたのかは知りません。私、あの人のほんの一面しか知らないんです。」と言った。
 透は、香山さんがあくどいことをしたとしても、恨まれる理由にはなっても、殺す理由にはならない、と思わず香山さんをかばってしまう。
 美樹本さんは、殺されそうになったら、逆にころしてしまうこともある、と言い出す。
 真理ができるだけ明るい声で、これ以上考えても何もわからないから、休みませんか?と提案すると、春子さんは立ち上がり、ゆっくりと階段を上がっていった。
 美樹本さんも、部屋に戻る、と言い出した。


 ミステリー編 長い夜の始まり


 透は部屋に戻ると、真理と離れ離れになってしまうのが不安だった。


 ミステリー編 選択:真理と一緒に過ごすか?

 A:一晩をどちらかの部屋で過ごそうと声をかけるのも何だかためらわれた
 B:「真理、ぼくの部屋に来ないか」


 灯をつけたまま、透、真理、美樹本さんと階段を上がるが、途中で、美樹本さんがふらついて、透のほうへ倒れ掛かってきた。
 何とか、美樹本さんは、自分の足で部屋までたどり着き、気を付けて、と言って、自分の部屋に入った。
 真理が突然、一人にするつもりじゃないよね、と言い出したので、透は、自分の部屋に来るように言った。
 真理を自分の部屋に入れて、ベッドに座らせ、透はその向かいのベッドに座った。
 真理は、朝まで一緒に起きててくれる?と言い、透は、うなづいた。


 ミステリー編 選択:真理の隣に座って


 A:ぼくは黙って手を伸ばすと、彼女の手を軽く握った
 B:ぼくは彼女の隣に座ると、肩に腕を回した


 真理は、一瞬体をこわばらせたが、何も言わなかった。


 ミステリー編 選択:真理の方に腕を回して


 A:真理の体を引き寄せ、キスしようとした
 B:こんな状況では、とてもいちゃつく気になどなれなかった


 ほんの少し触れ合い、安心したことで、二人とも寄り添ったまま、いつしか眠ってしまったようだった。
 ふと透が目を覚ますと、一人ベッドに倒れ込んでいた。
 部屋の中を見回すが、真理の姿がない。
 腕時計を見ると、3:50だ。
 透は立ち上がってドアに近づくと、開いている。
 真理が自発的に部屋から出て行ったのだ。
 透を起こさないよう気を使って、自分の部屋へ、何かを取りにかシャワーを浴びへ戻ったらしい。
 透は、真理の部屋の前までやってきて、ドアをノックして、呼びかけたが、返事がない。
 耳をドアに押し当てて、中の音に耳を澄ますが、風の音しか聞こえない。
 バスルームはドアのすぐ近くにあるから、シャワーを使っていたとしても、何も聞こえないはずはない。
 透は、ノブをつかんでひねると、あっさりとドアが開いた。


 ミステリー編 真理の悲鳴


 透が、真理、と呼び掛けた瞬間、階下から悲鳴が聞こえてきた。


 ミステリー編 選択:助けに行くか?助けを呼ぶか?


 A:一刻も早く真理の元へ行こうと思った
 B:ドアをたたきまわって助けを呼ぼうと思った


 透は、廊下を走りながらほとんどのドアをノックして回った。
 背後から階段のきしむ音が聞こえた。


 ミステリー編 選択:誰かが二階へ上がってくる!

 A:真理に違いない
 B:犯人に違いない


 透は、あと一歩で足跡が階段を上りきる、というところですばやく飛び出し、そこに立っている人影に向けて両手を思い切り突き出した。
 人影は悲鳴を上げながら階段を転げ落ちて行った。
 階段の下で、手足と首を妙な角度に折り曲げ、ヒエロのような恰好をしたまま動かなくなったのは、真理だった・・・
 透の呼びかけにも、真理は何の反応を示さない。
 透が真理の体を抱き起すと、真理の首はがくんと後ろへ折れ曲がった。
 透は、靴も履かずに玄関から外へ飛び出した。
 何も見えない吹雪の中を透は走り続け、いつの間にかふわふわとクッションのような雪の中に倒れたまま、起き上がることもできなくなっていた。


 ミステリー編 終:彼女を階段から・・・

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 今日のかまいたちの夜 輪廻彩声はどうかな?
 どんどんバッドエンディング見ていくよ。


 ミステリー編 選択:・・・を殺した犯人



 A:田中さんを殺した犯人は分かったよ!
 B:みどりさんを殺した犯人は分かったよ!
 C:すべての事件の犯人が分かったよ!
 D:・・・いや、やっぱり、今の時点では犯人は限定できない


 ミステリー編 選択:田中を殺した犯人


 真理に、本当にわかったのか?と聞かれた透。


 A:「もちろんだ!」
 B:「田中さんを殺した犯人?そんな奴知らないね」


 ミステリー編 選択:犯人のめぼし


 真理に、みどりさんを殺した犯人だけわかったのか?と、聞かれる透。


 A:犯人は、僕だ
 B:犯人は、真理だ
 C:犯人は、僕でも真理でもなく・・・

 ぽかんとしているみんなの前で、笑いながら、「殺したかったから殺した」と話す透に、包丁を握った俊夫さんが襲い掛かった。
 透が、冗談だ、と言おうとする前に、包丁が透の腹に突き刺さり、透は前のめりに倒れる。


 ミステリー編 終:冗談なのに・・・

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 今日のかまいたちの夜 輪廻彩声はどうかな?
 まずは皆殺しエンドを目指します。


 ミステリー編 わき上がる疑惑


 透は、ふと疑問が浮かんだ。
 A:犯人はもっと前からペンションの中に入り込んでいたんじゃないだろうか?
 B:ぼく達の中に、アリバイのない人がここにいることに気がついた。


 窓が割れたとき談話室にいなかったただ一人の人物は、俊夫さんだった。
 しかし、この人の良さそうな男が犯人だろうか?やはり、犯人は外へ逃げたのだ。殺された田中さんもヤクザか何かで、別のヤクザに殺された、と透は無理やりに思い込もうとした。


 ミステリー編 決死隊

 突然小林さんが立ち上がり、外を調べてくる、と言った。
 小林さんが、足跡とかタイヤの跡とかの痕跡があるかもしれない、と言うと、俊夫さんは、この雪じゃとっくに消えている、と答える。


 ミステリー編 選択:外を調べに行く小林


 小林さんは、何もしないわけにはいかない、と言い張る。
 A:「ぼくもいっしょに行きます」
 B:真理のそばにいてやろうと思って、黙っていた。


 透は、「ぼくもいっしょに行きます」と言った。
 香山さんを誘ったが、なんやからと断られてしまい、結局、透、小林さん、俊夫さん、美樹本さんの4人で外を見回ることになった。
 全員部屋に戻って着替えて、10時ジャストに玄関に落ち合った。
 ドアを開けた途端、カミソリのような風が、雪とともに襲ってくる。
 小林さんが、右と左からぐるっと一回りしよう、と提案し、透と小林さんは時計周りに、俊夫さんと美樹本さんが半時計周りに見回ることになった。


 ミステリー編 選択:雪、雪、雪。右か左か?


 二手に分かれて、小林さんと見回りを始めた透だが、吹雪で何も見えず、小林さんの姿を見失ってしまう。
 A:とにかく右側に進んでみた
 B:なんとなく左側に進んでみた


 透はとにかく右側に進んで見たが、手掛かりになるようなものが何もない。


 ミステリー編 渦巻く雪。進むか戻るか?


 透は、「小林さん、どこですか?」と叫ぶが返事はない。
 A:さらに進むことにした
 B:元に戻ったほうがいいと思った


 透は、さらに進むことにしたが、どこまで行っても雪しかない。
 その時、誰かの叫び声が聞こえてきた。
 小林さんの声だった。
 「透君、こっちだ!早く来てくれ!」
 透が目を上げると、シュプールの壁がそこにあった。
 透は、ここにいます、と叫び返して、壁伝いに歩き出した。
 やっとの思いで、建物の裏側の角にたどり着き、回り込んだところで、小林さんの背中が目に入った。
 小林さんの足元には、美樹本さんが倒れていて、俊夫さんが抱き起そうとしていた。


 ミステリー編 襲われた美樹本

 倒れている美樹本さんを見ると、こめかみから赤い筋が垂れている。血だ。
 俊夫さんが、誰かに殴られたらしい、早く中へ運んで手当てしないと、と言った。
 俊夫さんとはぐれている間に、美樹本さんは殴られたとのこと。
 透は、犯人はこの吹雪の中へ逃げようとするか?と疑問がわくと同時に、ここには自分たち以外誰もいなかったはず、ということは、俊夫さんが殴ったのでは?という考えた浮かぶ。
 透と俊夫さんで、美樹本さんを抱え、小林さんが裏口へと案内する。
 やがて、裏口へついた小林さんは、ベルを鳴らすと、しばらくして裏口のドアが開いた。
 中では、今日子さんが透たちの様子を見て、立ち尽くしていた。
 美樹本さんが出血していることに気付いた今日子さんは、ちょっと来て、みどりさん、と大声を出す。
 やがてきたみどりさんと、小林さん夫妻で、美樹本さんを中へ運んでいった。
 俊夫さんは、裏口のドアを閉めるが、透はその場から立ち上がる気力もなかった。
 俊夫さんは、美樹本さんが襲われた場所は、田中さんの部屋の外だったが、犯人は田中さんを殺してから、あんな寒いところでずっと待っていたのか?と言い出す。
 透は、犯人は何か理由があって戻ってきたところだったのは?と答えると、俊夫さんは、何か証拠を残していそいで戻ってきたのかも、と言い出すが、透の疑念は晴れない。
 そして、小林さんも、透とはぐれている間に、美樹本さんを襲う機会があったと透は思いつくが、透たちと一緒に談話室にいたため田中さんを殺すことはできなかったことに気付く。
 俊夫さんが自分の部屋に戻ったのを見届けてから、透は談話室の方へ向かった。
 透が談話室を通ったとき、春子さんと真理しかいなかった。
 ほかの人は?と透が尋ねると、真理は、香山さんはもう一度携帯を試すため自分の部屋に戻り、3人組は3人一緒にトイレに行き、みどりさんは小林夫妻といっしょに美樹本さんを部屋に連れて行った、と答える。
 透が自室で着替えを済ませ、廊下へ出たところ、同じように部屋から出てきた香山さんに出くわした。
 香山さんは、携帯は使えなかった、と話す。


 ミステリー編 皆殺しへの恐怖


 透と香山さんが談話室へ行くと、相変わらず真理と今日子さんだけだった。
 部屋にずっといて何も知らない香山さんに、透が、美樹本さんが誰かに襲われたが、犯人は美樹本さんしか見ていない、と告げる。
 ケガの具合を香山さんが聞いてきたので、透は、今手当をしているところで、わらかない、と答える。


 ミステリー編 選択:一人ずつ順番に殺される


 香山さんが、「まさか、一人ずつ順番に殺していこうっちゅう訳やないやろうな」と物騒なことと言い出す。
 A:「そうかもしれませんね」
 B:「冗談じゃないですよ」


 「そうかもしれませんね」と、透が答ると、真理が大きな声で、滅多なことを言わないで、と言う。
 香山さんは、みんなを殺せば、通報されることもないし、ここで吹雪がやむまで待てるし、逃げる方法もゆっくりと考えられる、と言い出す。
 透は怯えている真理に向かって、外に出ない限り大丈夫、なるべく一緒にいて一人にならないようにしていれば、と話しかける。
 真理は、電話が通じないのに、どうやって助けを呼ぶの?と言い出したので、透は、あの寒さの中朝まで生きていられるわけがないから、朝まで持ちこたえれば大丈夫、と答える。
 説得に失敗したらしく真理は、だったら死に物狂いで襲ってくる、と話す。
 そうこうしているうちに小林さん夫妻が2階から降りてきた。
 小林さんは、美樹本さんの意識は戻ったが、いきなり襲われたため何も見てない、と言っている、と話す。
 真理は、頭のどこを殴られていたの?と聞いてきたので、小林さんは、右のこめかみのあたりだ、と答える。
 真理は、犯人を見てないから後ろから右のこめかみを殴られたっとことになると、犯人は右利きだ、と言うが、透は、あの吹雪じゃ前にいても何も見えなかったし、もしかしたら横からや上からかもしれない、と反論する。
 そこへ俊夫さんがやってきて、美樹本さんの怪我の具合や、犯人の顔について聞いてきたので、小林さんがさっきと同じよう答えた。
 俊夫さんが、みどりさんと3人組の姿がないことに気付いて、小林さんに尋ねると、みどりさんは先に降りたはず、と答える。
 それを聞いた真理が、みどりさんはまだ降りてきていない、と言うと、小林さんは、みどりさんが「気になることがある」と言ってたから、死体のある部屋へいったんじゃ?と言い出す。
 俊夫さんが、呼んできます、と言って立ち上がると、真理が、3人組の様子も見てくる、と言ってさっさと2階へ上がっていった。
 透が、様子を見に行こうかどうしようか考えているうちに、真理が降りてきた。


 ミステリー編 疑心暗鬼

 真理は、自分たち以外の誰かが犯人かもしれないので3人だけでいる、と3人組が言っている、と伝える。
 これを聞いて、驚いた様子を見せたのは小林夫妻だけだった。
 香山さんは、もしかしたらこの中にアイツをようしったやつをいるかもしれん、と言い出す。
 それを聞いた小林さんは、みんなこの中に犯人がいるって考えていたのか?と言うので、透はうなずいた。


 ミステリー編 選択:死体の処理時間


 小林さんは、誰が田中さんを殺してバラバラにする時間があった?と聞いてきた。
 A:「30分もあれば、なんとかなるんじゃないですか」
 B:「10分くらいかな」
 C:「うーむ」


 透は「30分もあれば、なんとかなるんじゃないですか」と答えた。
 小林さんは、夕食後にそんな時間があった人間はいるのか?と聞いてきた。
 そういえば、スタッフは夕食の片づけをしてたし、ほかの人間は談話室にいたので、バラバラにする時間はなさそうだ。
 たしか夕食が終わったのは8時ごろで、食堂を出たら3人組が脅迫状件で騒いでいた。そのあと、香山夫妻と降りてきて、小林夫妻と3人組がいっしょになって、それから美樹本さんが8時半ごろに到着し、それ以降、俊夫さん以外の全員が談話室にいた。
 一応、みんなには死体をバラバラにする時間はなさそうだ。
 透は、犯人の侵入経路はどこから?とみんなに尋ねると、今日子さんは、2階の窓を割って入ったんじゃないの、と答えた。
 ガラスの割れる音が聞こえて、死体を発見するまでは、せいぜい15分くらいしかかってないので、死体をバラバラにする時間はなかった、と透は話した。
 それを聞いた今日子さんは、田中さんが窓を開けて、犯人をいれたかも、と言い出す。
 俊夫さんは、それなら、夕食を終えて部屋に戻ってきた田中さんを、殺してバラバラにする時間は十分にある、と言ったところで、そういえばみどりさんはどこだ、と言い出す。
 それを聞いた真理は、田中さんの部屋に入る気がしなくて、部屋の外からみどりさんを呼んでみたが、返事がなかった、と答える。
 犯人がまた2階の窓から侵入する可能性があるので、みんなで2階を捜索することになった。


 ミステリー編 第二の殺人


 全員で田中さんの部屋の前に立って、ドアを開け部屋の中に入った。
 小林さんは、バスルームを覗き、それから死体のあるあたりを見て、すぐに戻ってきて、ここにはいないようだ、と言う。
 「オーナー、ジェニーが!」と俊夫さんが、廊下の突き当りを指さしながら叫ぶ。
 さっき調べた物置の前で、ジェニーが鳴いている。
 小林さんが物置のドアを開けると、人形かなにかをしまっておくみたいに体を折りたたまれたみどりさんが、無造作に押し込められていた!目は大きく見開き、おどろいているみたいに見えたが、その瞳はぴくりとも動かなかった。
 小林さんが、いそいでみどりさんの脈をみたが、何も言わず首を振った。
 俊夫さんは、「畜生!なんてことを」と気が狂ったみたいにわめき出し、みどりさんの亡骸にすがりついて泣きじゃくった。
 みどりさんは、殴り殺されていた。頭が割れ、長い髪に大量の血がからまっていた。
 俊夫さんは、床に置いてあったモップの柄をつかんで立ち上がり、「出てこい!この人殺し野郎!」と大声を張り上げ、壁や客室のドアをたたきながら廊下を歩き出す。
 俊夫さんは、止めようとする小林さんを振り払い暴れる。
 騒ぎを聞きつけ可奈子ちゃんかドアから顔を出したが、狂ったように暴れる俊夫さんを見て、慌ててドアを閉めた。
 突然、俊夫さんは廊下の真ん中でしゃがみこんで号泣を始めた。
 俊夫さんの様子からすると、みどりさんは彼にとってはもっともっと親しい間柄だったのかもしれない。
 透は、真理に、3人組を説得して呼んでくるように頼み、自分は、美樹本さんの部屋に向かった。
 透が、美樹本さんの部屋に入ると、美樹本さんは頭に包帯を巻かれて、ベッドに横たわっていた。
 透が美樹本さんに、みんなと一緒にいるほうが安全だ、と声をかけると、美樹本さんはふらつきながら立ち上がった。
 部屋を出ると、3人組もいた。
 透が、談話室へ行こう、とみんなに声をかけると、小林さんは、みどりさんのそばにひざまずく俊夫さんを見ながら、俊夫さんをしばらく放っておいてやってくれ、と言った。
 俊夫さん以外が談話して降りて5分ほどたってから、俊夫さんがみどりさんを背負って降りてきた。
 俊夫さんは、みんなの前を通り過ぎると、廊下の奥へ消えていった。みどりさんを部屋に返しにいったのだろう。
 俊夫さんは思ったより早く、談話室へ戻ってきた。
 透は、これ以降絶対に一人だけ離れたりすることがないようにしてください、とみんなに話しかけた。
 何も知らない啓子ちゃんは、何があったのかを尋ねてきたので、透は、みどりさんが誰かに殴られて・・・とだけ答えると、3人組は察したようだった。
 可奈子ちゃんが、やっぱり部屋に戻る!とヒステリックに叫んだので、透は、みどりさんが殺された思われる時間に、2階にいたのは美樹本さんと3人組だけで、みどりさんを殺した可能性があるからここにいてもらわないと困る、と言い切る。
 透は、「自分たちの中に犯人がいるかもしれないし、ペンションの中のどこかに隠れているかもしれないし、吹雪の中こちらの様子をうかがっているかもしれない。いずれにしろ全員一緒にいれば、犯人は手を出しにくいはずだ。」とみんなに伝えたが、逆にみんなを疑心暗鬼に陥らせてしまったようだ。
 ガラスが割れる音がしたとき、美樹本さんと3人組は談話室にいたし、人をバラバラにする時間はなかったはずなので、田中さんを殺せなかったが、みどりさんを殺さなかったことにはならない。
 透は、見ず知らずのみどりさんを殺す理由が見当たらない、と思っていると、あることを思い出し、小林さんに尋ねた。
 「みどりさんは、田中さんの部屋を見たいと言った時、正確にはなんと言っていたのですか?」
 小林さんは、みどりさんが「ちょっと思いつくことがあるから、田中さんの部屋を調べたいの」と言っていた、と答える。
 みどりさんは、田中さんの部屋を調べたとき、犯人の正体を知ったんじゃないだろうか?そして、犯人に殺されてしまった、と考えるのが一番自然のような気がする、と透は思った。
 もちろん、ほかの考え方もあり、みどりさんをよく知る小林夫妻や俊夫さんが、実はみどりさんを憎んでいて、ということがあるかもしれないが、とりあえず今は、田中さん殺しの犯人が口封じのために、みどりさんを殺したと考えるべきだろう。
 田中さんを殺せたのは俊夫さんだけだが、俊夫さんには、みどりさんを殺す機会はなかった。みどりさんを殺せたのは、美樹本さんと3人組だけだが、田中さんを殺せない。
 そう透が考えていると、真理が、「犯人は自分たち以外の誰かで、そいつがこの近くろウロウロしている。自分たちが考えるべきことは、どうやって自分たちの身を守るかよ。」と言い出し、それを聞いたみんなは、大きくうなづいた。
 春子さんが、「今はみんなを信じ合わなくっちゃ」と言うと、香山さんは、「きれいごとだけじゃあかん。透くんの言う通り、どんな可能性でも考えといたほうがええ。そやなかったら朝まで生き残れへん」と言い返し、春子さんは黙ってしまう。


 ミステリー編 醜いあらそい


 透が、「神出鬼没の殺人鬼がペンションのどこかにいるのか、一見虫も殺さないように見える人が実は人殺しなのか、どちらを信じたらいいかわからない。」と話すと、俊夫さんが、「まるで自分だけは関係ないという口ぶりだな。君だって容疑者の一人さ。」と、吐き捨てるように言った。
 透は、自分は夕食後は2階へ上がってないので、田中さんは殺せないし、みどりさんもだ、と反論すると、俊夫さんは、君がそう言っているだけで、自分はこの目で見たわけじゃない、と言い出す。
 腹が立った透は、美樹本さんは襲ったのは、美樹本さんの後ろにいた俊夫さんじゃないのか?と言い出すと、俊夫さんは、そんなことあるもんか、小林さんのほうが美樹本さんのところへ早くたどり着いた、と答え、小林さんもうなずく。
 突然、今日子さんが、もうやめて!これ以上傷つけあうのはやめて、と叫び、泣きだす。
 鳩時計が鳴り、11時半になっていた。


 ミステリー編 テレビニュース


 突然、香山さんが、ニュースや!ニュースを見るのを忘れとった、と言い出し、誰の意見も聞かずにリモコンを取り上げ、テレビのスイッチを入れた。
 チャンネルを次々に変えていくと、ちょうどニュースのヘッドラインをやっていた。
 「最初にお届けするのは、逃走中の銀行強盗のニュースです。昨日白昼堂々、三友銀行新宿支店を襲い、現金2億円」余りを強奪した犯人の行方は依然つかめておりません。目撃者の証言によれば、犯人は身長165cm前後、瘦せ型の男だということです。逃走用に使ったと思われる黒のクーペを、警察は各所に検問を設けて、捜索を続けています。」
 透は、車でこちらへ向かう途中、ラジオで聞いたことを思い出し、まだ犯人は逃げているんだ、と思った。
 香山さんは、犯人は今頃は東南アジアかどっかに高飛びしとるわ、と言った。
 透は、香山さんがみんなの気持ちをほぐそうとして、わざとそんな話をしているのだと思い、話に乗ることにした。
 透「現金2億円持って、飛行機には乗らないでしょ?」
 香山「2億円なんか、たいしてかさばるもんやない。新札やったらスーツケースに十分入るやろ。」
 二人の会話に真理も乗ってきた。
 真理「持って行けたとしても、海外じゃすぐに使えないでしょ?銀行に行ったりしたら、番号ですぐにばれるだろうし。」
 香山「闇で交換してくれる連中がどこにでにおるもんなんや。」
 話した方が気がまぎれるようで、俊夫さんも加わってきた。
 俊夫「俺だったら日本にいたいね。しばらく田舎町でほとぼりがさめるのを待つね。」
 香山「あかんあかん、田舎町やったら人の出入りがする分かる。外国へ行けへんのやったら都会の方がええ。」
 透「でも、犯行現場の近くにはいたくないでしょ。」
 香山「そこをぐっとこらえんから、みんなつかまりよるんや。」
 真理「観光地だったら、よそものもたくさん出入りするわよね。」
 香山「シーズン中のスキー場とか。」
 それを聞いて、みんなの顔色が変わったことに透は、気付く。
 自分と同じ考えの人間が何人かいると思った透は、「殺された田中さんは、逃走中の銀行強盗だったりして」と言った。
 透は、小林さんに、田中さんの身長を訪ねると、小林さんは、175cm以上あった、と答えた。
 ニュースで言っていた犯人像と違う。
 俊夫さんは、田中さんはでかいスキー用のバッグは持ってきてたが、とてもスキーをしに来た感じには見えなかった、と話す。
 真理が、銀行強盗には最低運転役の共犯者が必要で、田中さんは運転役のほうで、仲間割れで豹販社に殺されたのでは?と言い出す。
 それならあり得ると思った透が、犯人は165cmの痩せ型の男だとしたら、小林さんが一番近い、と小林さんを見つめると、視線に気づいた小林さんは、冗談はよしてくれ、と言う。
 香山さんが、小林さんは、毎日ここで働いているから、東京で銀行強盗するのは無理やで、と言った。
 真理は、田中さんはスキーしに来たように見えなかったし、人目を避けていたから、こんなところに来たのは何か後ろ暗い理由があったに違いない、と話す。
 透は、犯人は田中さんの死体をバラバラにしなければいけない理由が何かあったのだろうか?と疑問がわいた。


 ミステリー編 選択:死体をバラバラにする理由


 A:身元を隠すため?
 B:どこかへ運ぶため?
 C:恨み?


 身元を隠すためなら、首を切って隠すだろう。あそこまでバラバラにする必要はないし、首だけどこか別の場所に隠さなければおかしい。


 3人組が、帰りたい、と泣き出した。
 今日子さんが立ち上がり、何か落ち着くようなものでも、と話すが、3人組は、人殺しかもしれない人のいれたものなんて、飲めるわけない、と拒否する。
 透は、今日子さんは犯人のわけないし、今までさんざん飲み食いしてきたから大丈夫、と声をかけると、香山夫妻も同意してくれて、3人組は納得してくれた。
 真理が、いっしょに行く、と言って立ち上がり、今日子さんとキッチンへ向かった。


 俊夫さんが、「犯人が全員殺すつもりだったら、こんなまどろっこしい方法をとると思うか?俺だったら、みんなが警戒してないうちに、もっとたくさん殺しておく。」と言い出すと、美樹本さんが、「残った人間に恐怖を味合わせるのが目的かも。つまり犯人は、この中の誰かに強い恨みを抱いていて、ただ殺すだけじゃ飽き足らず、おびえさせた後で最後に殺すつもりじゃないか。」と答える。
 啓子ちゃんが、恨まれている人以外は無関係?と言うと、美樹本さんは、自分は殴られたが殺意は感じなかったから、無関係な人間を殺すつもりはないのかもしれない、と答える。
 俊夫さんは、みどりはどうなるんだ!犯人はすでに無関係な人間を殺している、と怒りで大声になりながら言った。
 美樹本さんは、犯人はどうしても殺さざるえないときだけ、殺しているような気がする、と言うと、俊夫さんは、みどりに殺されなきゃいけないどんな理由があったんだ、と泣きながら答える。


 ミステリー編 みどりさんはなぜ・・・?


 透は、みどりさんが田中さんの部屋に行くと言って殺されたことを思い出し、田中さんの部屋に手掛かりがあることに気付く。
 真理と今日子さんが、カップを運んできて、熱々のココアが全員に配られた。
 みんなが飲み始め、落ち着いたのを見届けてから、透は、真理に向かって、田中さんの部屋を調べるからいっしょについてきて、と頼んだ。
 「みどりさんは殺される前に田中さんの部屋に行こうとしていた。みどりさんは、あの部屋で何か事件の真相について調べようとして、あまりに真相に近づきすぎて殺された。だから、あの部屋を徹底的に調べないと。」と、透は話した。
 俊夫さんが、君が犯人で証拠を隠滅しないという保証がどこにある?と聞いてきた。
 透は、真理も一緒に、と答えると、俊夫さんは、彼女と共犯でないという証拠もない、と言い出す。
 透は、俊夫さんに、3人で行く、と答え、俊夫さんに、もう一人いっしょに行く人間を選んで下さい、と言ったら、俊夫さんが、自分が行く、と言い出した。


 ミステリー編 選択:田中の部屋の調査・・・俊夫と?


 A:俊夫さん、いっしょに行きましょう
 B:すいませんけど、ほかの人にしてください


 透が、俊夫さんの同行を拒否したので、俊夫さんは、美樹本さんを指名し、美樹本さんは了承した。
 透、真理、美樹本さんの3人で、田中さんの部屋に入る。
 割れた窓から吹き込む雪で凍えそうになった透は、思わずバスルームへ飛び込むと、後ろの方で何かが倒れた音が聞こえてきた。
 透が振り向くと、誰もいない。
 透が廊下を見ようとドアから顔を出した途端、強い衝撃が頭蓋骨から突き抜け、床に倒れる。
 やけに暖かい汗がこめかみから床に落ちる。
 それを汗ではなく、透の血だった。
 目の前に誰かの足があり、透は頭を上げようとするが、目が霞んでいるせいで、真黒な人影がだれなのかわかならい。
 その人影がゆっくりと何かを振り上げるのが最後にちらりと見えた。
 人影が何かを振り下ろし風を切る音が、透の耳に・・・


 ミステリー編 終:廊下で人影に・・・

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 今日のかまいたちの夜 輪廻彩声はどうかな?


 前回いきなりバッドエンドになったので、最後の選択肢を違う方にしてみて進めていく。


 ミステリー編 選択:「じゃあもう会えないわね」  


 真理は、残念そうに、「じゃあもう会えないわね」と言う。
 A:「真理、結婚して、一緒に大阪に来てくれ」
 B:「すみません、香山さん、やっぱりちょっとまだ・・・」


 真理と離れずらい透は、「すみません、香山さん、やっぱりちょっと・・・」と断りを入れるが、香山さんは怒り出す。
 そこへ、香山夫人が現れて、「困ってらっしゃるじゃありませんか」と香山に声をかける。
 香山さんは、妻の春子だ、とみんなに紹介する。
 春子さんは、小林さんに、おいしいお食事でした、と話し出し、親密な空気が流れる。
 それを察した香山さんは、喉が渇いたから、ビール!と言い出す。


 ミステリー編 選択:「君たちもビール飲むか?」


 小林さんは、取り繕うように真理と透にも、「君たちもビール飲むか?」と聞いてきた。
 A:「ぼくも少しだけ」
 B:「ワンケースもあれば十分です」
 C:「タダですか」


 真理が「ちょっとだけ」と答えて、透も「ぼくも少しだけ」と答えると、小林さんはキッチンへ消えた。
 突然、窓の外でどさっと何か重たいものの落ちる音がした。(なんか効果音間違うてる気がする。どう聞いても物が落ちる音には聞こえん、なんか雷が落ちた音みたい・・・)
 真理は、屋根の雪が落ちた音だ、と言う。


 ミステリー編 遅れてきた客


 透が窓の外を見つめているろ、遠くでぼんやりと明かりがちらつくのに気づく。
 急速に近づいてきて、エンジン音も聞き取れるようになった。
 どうやら遅れてきた客のようだ。
 やがて玄関ポーチに人の足音がし、二十二なったドアの開く音が聞こえてきた。
 すいません、美樹本です、という声がしたので、小林さんが食堂から走ってくる。
 美樹本さんは、大柄でひげ面のいかにも山男といった感じの人だった。
 小林さんが、もう夕食は終わったが軽食くらいなら用意できます、と声をかけると、美樹本は、途中で食べたからお腹はすいていないので、紅茶か何かがほしい、と答える。
 美樹本さんは、ここでもらう、と言ったので、小林さんは部屋の鍵を渡して、荷物を置いたら、また下りてきてください、と声をかける。
 美樹本さんが2階の部屋に向かった時、鳩時計が1回だけ鳴った。8時半だ。
 小林さんは、勝手に飲んでていいよ、と声をかけて台所へ戻る。
 それを聞いて、香山さん、真理、透の3人は、グラスを手に取り、乾杯のポーズをして、飲み始める。
 春子さんは、飲めないのか、手は出さない。


 ミステリー編 選択:「ぷはーっ。最高のぜいたくや」


 ビールを飲んだ香山さんは、「ぷはーっ。最高のぜいたくや」と話す。
 A:「そうですね」
 B:「そうは思いませんね」


 透は、「そうですね」と相槌を打った。
 そこへ、美樹本さんが降りてきた。
 小林さんが追加のビールを運んできて、その後ろから、今日子さんとみどりさんがティーポットとカップをのせたお盆を持ってやってきた。
 ビールの飲めない春子さんに向かって、今日子さんが、紅茶とケーキを勧めると、春子さんは、いただきます、と答えた。
 ひげ面の美樹本さんは年齢不詳だが、声の感じから30代半ばだと思われた。
 美樹本さんが、お客さんはこれで全部?と尋ねると、小林さんは、あと4人いると答え、みどりさんに、残りのお客さんをお茶に誘うよう頼んだ。
 みどりさんは、男の田中さんに声をかけるのを嫌がり、小林さんも、田中さんが人付き合いよさそうなタイプでないし、と言ったため、みどりさんは、3人組だけにフロントから内線電話を掛けた。


 ミステリー編 選択:みどりの言葉づかい


 しばらくして、みどりさんは、「飲みたいそうで、今からこっちへ来るって」と大声で小林さんに叫んだ。
 それを聞いた小林さんは、もうちょっと丁寧な言葉遣いができんこのかな、とボヤく。
 A:特に何も言わなかった
 B:「ほんとうですね」
 C:「ああいうのって、上司のしつけなんですよね」


 透は特に何も言わなかった。
 今日子さんは、3人組の分を用意しにキッチンへ戻った。
 すぐに3人組が降りてきて、同時に今日子さんが紅茶も持ってやってきた。
 今日子さんは、俊夫さんにも声をかけたが、テレビを見ているからと言われた、と話す。


 ミステリー編 鳩のなく夜


 鳩時計が鳴り、時計を見ると9時だった。
 外の風の音が大きくなってきた。
 亜希ちゃんが、雪崩が起きないか、心配し始め、可奈子ちゃんが、さっきあんなことがあって気持ち悪い、と言い出す。


 ミステリー編 選択:「何があったの?」


 それを聞いた美樹本さんが、「何があったの?」と聞いてきた。
 A:「大雪で閉じ込められて、飢え死になんて、って言ってたんです」
 B:「スープにゴキブリが入っていたんです」
 C:「今夜、誰かが死ぬ、なんて脅迫状があったんですよね」


 透が、「大雪で閉じ込められて、飢え死になんて、って言ってたんです」と答えると、美樹本さんは、それはない、と笑った。
 それを見た亜希ちゃんは、美樹本さんに、ペンションの人間かを聞いてきて、美樹本さんは、お客だ、と答えて、フリーのカメラマンの美樹本洋介だと、自己紹介をした。
 すると、ガラスの割れたような音が聞こえてきた!
 小林さんが、様子を見てくると言って中座し、しばらくして、俊夫さんを連れてきて、1階は異常がなかったので、各自の部屋の窓を見てきてほしい、と話す。
 みんなで2階へあがり、透は、自分の部屋を点検するが、異常はなかった。
 真理、香山夫妻、美樹本さん、3人組も部屋から出てきたが、何もなかったらしい。
 空き部屋を調べていた、小林さんも、何もなかったようだ。
 残る部屋はあと一つだけ、田中さんの部屋だ。
 小林さんが、田中さんの部屋をノックしたが、返事はない。
 耳を澄ますと、中から何かが風であおられているような音がする。
 小林さんが、ドアノブに手を掛けるが、鍵がかかっていた。
 小林さんは、手にした鍵を鍵穴に差し込んで、ロックを外した。
 失礼します、と言って、小林さんはドアを開けた。
 が、開けた途端、ドアの隙間から、ひどい冷気とともに、一陣の風が吹き抜けた。
 室内からは、ばたばたと揺れるカーテンの音と、ガタンガタンと何かたたきつけられる音がする。
 部屋の中に入ると、開け放たれた窓から吹き込む雪が狂ったように乱舞していた。
 重いカーテンが、カーテンレールからひきつぎられそうなほど、ばたついている。
 窓側のベッドに少し雪とガラスの破片が散らばっているだけで、人の姿はなかった。
 小林さんは、バスルームの扉を開けたが、だれもいない。
 意を決した小林さんは、窓に近寄った。


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 ミステリー編 マネキン人形のように


 窓とベッドとの間は数十戦地開いており、その床の上に、マネキン人形の部品のようなものが落ちていた。
 手足や胴体の中に糸が通っていて、それを緩めるとぐしゃりとつぶれる人形のおもちゃがある。それらのように積み重なっていた。
 小林さんは、人間の死体だ、と叫んだ。


 ミステリー編 かまいたち


 数十分後、シュプールのお客とスタッフは全員、1階の談話室に集まっていた。
 死体を見たのは、透、真理、小林さんだけで、後の人間は、小林さんが追い払ったのだった。
 みどりさんが、何があったか教えてほしい、と言ったので、透は、あそこでバラバラになって死んでいる、と答えた。
 それを聞いて亜希ちゃんが泣き出した。
 みどりさんは、脅迫状と一緒で、よくできた人形かなにかで、いたずらじゃないのか、と聞いてくる。
 透は、切断面を思い出しながら、人形と人間を見間違えたりしない、と断言する。
 小林さんは、血もついていたし、あれは人間だ、と断言した。
 亜希ちゃんは、泣きながら、脅迫状は本物だった、と叫んだ。
 美樹本さんは、かまいたちについて話し出した。
 このあたりでは、昔から、何もないところで、突然、服が切り裂かれたり、怪我をしたりすることが知られていた。
 土地の人たちは鎌を持ったイタチのような生き物の仕業だと考えて、かまいたちと呼んだとのこと。
 真理は、かまいたちは、自然現象で、真空状態が発生して切れたりする、と話すと、美樹本さんは、これほどの激しい風なら、めったにできないような恐ろしい真空ができたんじゃないか?と答える。
 可奈子ちゃんは、脅迫状は人間のしわざでしょ、と言い出すと、脅迫状のことを知らない香山さんが、なんの話かと聞いてきたので、小林さんはぼつぼつと話し始めた。
 聞き終わった後、全員が絶句していたが、香山さんが、警察に連絡や、と言ったところ、小林さんは、慌てた様子で電話に近寄り、受話器に耳を当てた。
 しかし、小林さんは、すぐにガチャガチャとイラついたようにフックを押し始め、電話が通じていない、と言い出す。
 小林さんは、どこかで電話線が切れたようだ、と告げる。
 香山さんが、携帯電話だ、と言うと、小林さんは、この辺りは電波が届かないから、使えません、と答える。
 透が、この天候で山を下りることができるのか?と尋ねると、小林さんと俊夫さんは、首を振った。
 俊夫さんは、歩いて降りたら凍死、車だったら運が良くて立往生、運が悪けりゃ沢に転落しかねない、と答える。
 透は、犯人はこのペンションの中に隠れようとするんじゃないでしょうか?と言い出すと、全員が息をのんだ。
 香山さんは、警察に来てもらえん以上、自分らで捕まえるしかない、と言い出すと、美樹本さんは、下手に手を出すより、みんなでじっとしていたほうがいい、と反対する。
 香山さんが、寝ている間に皆殺しにされるかも、と言い出したので、透は、そこまでしないと思うから、戸締りだけでもしっかりしよう、と答えた。
 香山さんは、現にすでに一人殺してるし、戸締りちゅうても、中に入り込んどったらしゃあない、と言い出す。
 香山さん曰く、除雪してない裏手から、2階の窓を割って、入ったのでは、とのこと。
 透は、ドアの鍵がかかっていたから、犯人は窓から逃げた、と言うと、香山さんは、客室のドアはすべて押しボタン式の鍵だから、内側からドアのボタンを押してドアを閉めたら済む、と話す。
 真理が、武器になるような物をもったほうがいい、と言うと、みんなは賛成する。
 しかし、みんなが手にしたのは、スキーのストック、果物ナイフ、モップの柄だった。(包丁はかえって危ないので、却下された)
 いつの間にか香山さんがリーダーシップをとりだし、男性5名で、ペンション内を捜索することになった。


 ミステリー編 犯人はペンションの中に?


 真理は透に向かって、気を付けて、と声をかけた。


 ミステリー編 選択:何階から調べる?


 小林さんが、どこから手を付けたらいいかを聞いてきた。
 :1階から
 B:2階から


 透は、「1階から調べましょう」と答えた。
 1階はここ談話室を除くと、食堂、キッチン、スタッフルーム、小林さん夫婦の部屋、乾燥室があり、しらみつぶしに調べたが結局何も見つからなかった。
 2階の客室を調べたが、何も見つからない。
 廊下の突き当りの物置の近づくと、ガサっという音が聞こえてきた。


 ミステリー編 黒猫

 その瞬間、ドアが勢いよく開いて中から黒い影が飛び出してきた。
 俊夫さんが、ここで飼っている黒猫のジェニーだ、と言った。
 2階を調べ終わり、小林さんに残っている場所を訪ねると、鍵のかかっているワイン藏だけだ、と言われる。
 談話室に戻ると、今日子さんがコービーを入れてくれていた。
 真理が、誰もいなくて、結局犯人は外へ逃げたってこと?と尋ねると、俊夫さんは、うなづいた。

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 今日のかまいたちの夜 輪廻彩声はどうかな?


 序章からミステリー編に突入!


 ミステリー編 選択:「透のいたずら?」


 真理は、「もしかして透じゃないの?」と言い出す。
 A:「冗談じゃないよ」
 B:「実はそうなんだ」


 「冗談じゃないよ」と透が抗議すると、真理は信じてくれる。
 その時、フロントの電話が鳴り始め、小林さんが出る。
 どうやら美樹本という人が、雪で遅れて到着するようだ。


 ミステリー編 今日の終わり値


 小林さんが電話を終えると、2階から香山さんが下りてきた。
 香山さんは、透に許可をとると、テレビをつけチャンネルを次々に変えだすが、見たい番組がなかったらしく、すぐにテレビを消した。
 香山さんは、今日の終わり値はいくらだったかを、訪ねてきた。
 小林さんが、香山さんに、仕事を忘れて、夫婦水入らずの旅行に来たのでは?と声をかける。
 小林さんは、姪の真理と、甥になるかもしれない透だ、と香山さんに紹介する。
 香山さんは、小林さんが前の仕事をしていたころにお世話になった人で、大阪で社長をしている、とのこと。


 ミステリー編 就職への誘い


 香山さんは、透に向かって、就職は決まったのか?と聞いてくる。
 透が、まだだ、と答える。


 ミステリー編 選択:「どや、うち来んか」


 透の答えを聞いた香山さんは、「どや、うち来んか」と言い出す。
 A:「まだ先の話なんで」
 B:「はい!ぜひお願いします」


 「はい!ぜひお願いします」と力強く答える透。


 ミステリー編 選択:「どや、うち来んか」2


 香山さんは、人の話を聞いてないらしく、また「どや、うち来んか」と言い出す。
 A:「ええ、ですから、お願いします」
 B:「やっぱり、もう少しよく考えてみます」


 「ええ、ですから、お願いします」と透が答えると、香山さんは、学歴なんか関係ないから、すぐに大学をやめて、大阪へ働きに来るように、と言い出す。


 ミステリー編 選択:「じゃあもう会えないわね」


 真理は、残念そうに、「じゃあもう会えないわね」と言う。
 A:「真理、結婚して、一緒に大阪に来てくれ」
 B:「すみません、香山さん、やっぱりちょっとまだ・・・」


 透は、「真理、結婚して、一緒に大阪に来てくれ」とプロポーズするが、真理に断られてしまう・・・
 透は旅行が終わると退学届けを出し、大阪へ旅立ち、二度と真理に会うことなく20年が過ぎた。
 香山社長は体を壊して引退し、今では透が会社を引き継いでいる。
 結婚して、子供も二人いる。
 そして、今、透は妻と二人、思い出のペンションへとやってきた。
 出迎えてくれた小林さんもすっかり白髪だ。
 その時、透は、恐ろしい殺人事件にお開きこまれるとは思いもせんかった・・・


 エンディング12 ミステリー編 終:社長やってますわ


 トロフィー:かまいたちの夜・終をゲット!

拍手[0回]


 かまいたちの夜 輪廻彩声のプレイ開始!


 オリジナルはプレイ済なんだが、オープニングがネタバレ満載じゃねえか!ミステリー編の解決編に行くかどうかの選択肢見えてるし、犯人の絵もあったよ。
 まぁ、ミステリー編開始!
 音楽はオリジナルのままで、落ち着くわぁ。声有もいいね。
 しかし、絵はギャルゲぽくって自分好みじゃないなぁ・・・


 序章 ゲレンデにて


 主人公の透は、雪国育ちの真理といっしょにスキーを楽しんでいたが、天候が悪化してきたため、ゲレンデから、真理の叔父の小林さんから借りた4WDに乗ってペンションへ戻ることになった。
 透と真理は今年の4月に大学で知り合い、透が何度かアタックして、ようやく秋になってデートをする関係にこぎつけた。
 そして真理から、叔父の小林二郎さんが信州でペンションを経営していて、格安で止めてもらえるから、そこにスキー旅行に行こう、と誘われて、もちろん透はOKし、本日12月21日、信州へやってきたのだった。


 序章 ペンション「シュプール」

 トロフィー:俯瞰風景をゲット!

 小林夫妻の経営するペンション「シュプール」は、外観はログキャビン風で、内装は白を基調にしたおしゃれなペンションだった。
 料理のメニューも多国籍というか無国籍というか、とにかく多彩で、その上、味も満足のいくものばかり。


 トロフィー:ようこそ、シュプールへをゲット!


 透と真理の部屋は残念なことに別々にとってある。


 序章 選択:一旦部屋に戻って・・・


 ペンションの到着して、
 A:一旦部屋まで戻って着替えると、玄関脇の談話室で落ち合った。
 B:一旦部屋に戻って着替えてから、夕食までどちらかの部屋で話でもしようということになった。


 透と真理は夕食が始まるまでの間、談話室で待つことにした。
 そこへ2階から女の子たちの声が聞こえてきた。
 OL風で、透たちと同い年くらいの3人組が、階段を下りてきた。


 序章 選択:「どの子が好みなの?」


 髪の長い子は、ゲレンデから遠いこととボヤいており、スナックを食べながら降りてきたぽっちゃりな子は、ここの料理がおいしいここに書いていると、雑誌を見せ、メガネの子も、雰囲気がいいし、サービスもいい、と髪の長い子をなだめにかかっていた。
 3人組を見た真理は、透に「どの子が好みなの?」と聞いてきた。
 
 A:「何言ってんだよ!」
 B:「愚問だよ、ハニー。僕の好みはベイビー、君だけさ!」
 C:「ちょっと待って、じっく吟味するから」


 「何言ってんだよ!」と透は答えた。
 隣に真理がいるというのに、ほかの女の子に目移りなんかするはずがない!
 そこへメガネの子が、カメラを差し出しながら、シャッターを押しもらえますか?と頼みに来た。
 透は気軽に引き受け、3人組に向かってシャッターを切った。
 3人組は、透に向かって頭を下げ、自己紹介を始めた。
 髪の長い子は渡瀬可奈子、ぽっちゃりな子は北野啓子、メガネの子は河村亜希で、18歳のOLとのこと。
 可奈子はさっきついたばかりなので、透にゲレンデの様子を聞いてきた。
 初めてスキーに来た透には答えられなかったので、代わりに真理が答えてくれて、二人ともスキーが好きらしく話が弾みだした。


 序章 香山夫妻到着


 エンジン音が近づいてきてペンションの表で止まった。
 しばらくすると、玄関ドアに取り付けられたベルの音とともに、大きな声の大阪弁が聞こえてきた。
 男女の二人連れで、五十前くらいの小太りで赤ら顔に男性と、三十代後半らしいほっそりと背の高い女性だった。
 小林さんが奥から出てきて、二人を出迎える。
 窓の外を見ると、さきまではそれほどでもなかった雪がどんどん勢いを増している。
 壁の古臭い鳩時計が7時を告げた。
 透は自分のデジタル時計を見ると、まだ18:55だった。
 食堂からアルバイトのみどりさんが出てきて、お食事の用意ができました、と言ったので、みんなで食堂へ向かうことになった。


 序章 選択:「きれいな人ね」


 香山夫人を見た真理は、「きれいな人ね」とつぶやく。
 A:「うん」と正直に答えた
 B:「真理の方がずっときれいさ」とお世辞を言った。

 透を答えを聞いた真理は、「おおいう吹けば飛ぶような感じの人が女らしいと思う?」と聞いてきた。
 透は、「真理だって女らしいこともあるよ」と答えるが、真理は「『も』ってどういうこと?」と言って、ぷいっと顔をそむけて、食堂へ行ってしまい、あわてて後を追う透。


 序章 夕食だ!

 真理の座った席の向かいに座った透。


 序章 選択:とっておきの谷啓

 A:「きれいだ」
 B: 「君の瞳に乾杯」
 C:「セクシーだよ」
 D:「ガチョーン!」


 「きれいだ」と外国映画の男優のようにスマートに決めたかった透だが、恥ずかしくて口に出すことができず、だまって真理を見つめていた。
 小林さんの奥さんの今日子さんと、みどりさんの二人が、料理をテーブルに運ぶ。
 泊り客は、透と真理、3人娘、香山夫妻だけだと思っていたら、食堂の隅にコートの男がいた。
 食事中だと言うのに、上着も帽子も脱がず、黒いサングラスまでかけている。
 スキー客にももちろん、仕事で来ている営業マンにも見えない。


 序章 選択:こんなところにヤクザが?


 透の第一印象はヤクザだった。
 A:「しかし、ヤクザがこんなところに?」
 B:「あの人、ヤクザかな?」


 「しかし、ヤクザがこんなところに?」と思わず口にしてしまう透だが、料理が目の前に運ばれてくると、そんなことどうでもよくなってしまった。
 どの料理も味も量も満足のいくものばかりで、あちこちからため息に近い声が聞こえてきた。
 食後のコーヒーを飲みながら、透は、料理は今日子さんが作っているの?と、真理に聞くと、真理は、料理を作っているのは小林さんの方だ、と教えてくれる。
 小林さんは子供のころから料理人になりたかったのだが、いったんあきらめてサラリーマンになった。子供ができなかったこともあり、小林さんの父親で、真理の母方の祖父が、このあたりの土地を持っていたので、脱サラしてペンションを始めたとのこと。
 デジタル時計を見ると19:55になっており、食事を終えた人々は食堂を出て行った。
 真理が、これからナイターに行こう、と言い出す。
 それを聞いたみどりさんが、天気予報を聞いてる限りナイターどころじゃなさそうで、当分ここから出ない方がいい、と声をかけてくる。
 みどりさんは年齢不詳で、暇なときはずっとゲレンデにいるらしく顔も髪もすっかり雪焼けしている。
 もう一人のアルバイトの久保田俊夫さんもやってきて、近年にない大雪になりそうだ、とはなしだす。
 俊夫さんは自称大学6年生で、スキー好きが高じて、単位そっちのけでこんなとこでバイトを続けているとのこと。身長は180センチを軽く超えていて、いかにもスポーツ万能といって体つきをしており、日焼け具合もみどりさんといい勝負だ。
 透が、ここに閉じ込められて飢え死になんてことないでしょうね、と尋ねると、俊夫さんは、町から離れているから、食料だけは十分用意しており、この人数なら3週間は腹いっぱい食わせられる、と答える。


 序章 選択:「滞在延びてもいいよな」


 俊夫さんから、明日滑るのは無理からもしれない、と言われる。
 真理は、事情が事情だから、叔父さんは余分に泊めてくれるかもしれない、と答える。
 そして、透はどう?と真理が聞いてきた。
 A:「もちろん」
 B:「いやだよ、バイトもあるのに」
 C:「もちろん宿泊代はタダなんだろうね」


 本当はバイトがあるのだが、そっちは断っても構わないと思い、「もちろん」と透は笑顔で答える。
 ホールの方で、さわめきが聞こえてきたので、透と真理は食堂を出た。


 序章 謎のメッセージ


 フロントで3人組が小林さんに向かって喚いていた。
 可奈子が、今部屋に戻ったら、床にこんなものがあった、と言って、小さな紙切れを差し出す。
 透が横から覗き込むと、赤マジックのようなもので、「こんや、12じ、だれかがしぬ」と書かれていた。
 小林さんは、誰かのいたずらだ、と言うが、可奈子は、誰かが部屋に入ってこれを置いていったんで、気持ち悪くてあの部屋では寝れない、と言い出す。
 小林さんは、ドアの鍵を掛けていたなら、ドアの下の隙間から差し込んだのだろう、と話す。
 亜希が、やっぱり気持ち悪い、と言うので、小林さんは、空き部屋もあるので、部屋を替えますか?と尋ねる。
 啓子が、部屋にテレビがあるかを確認すると、小林さんは、テレビがおいてある部屋は、今3人組が止まっている部屋と、もう一部屋だけで、その部屋は塞がっている、と答える。
 3人組は相談を始めるが、啓子が見たいテレビがあると言って譲らず、結局、つまらないいたずらで部屋替えをすることもない、と結論が出て、部屋に戻っていった。

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