今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
1週目クリア
倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る
2週目開始!
倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
1人目は岩下明美を選択!
岩下は3年A組とのこと。
「あなた、私のことどう思う?」
- 優しそうな人
- 厳しそうな人
- 初対面なのでわかりません
- 美しい人(1人目に選択した時のみ)
- モテそうな人
「あら、嬉しいわね。私の第一印象を美しいと言ってくれるなんて。
坂上君、女性を喜ばせる術を心得ているいるなんて、憎いわね。そんなあなたの行為に応えて、私も美しい女性の話をしましょうか。
その女性はね、この鳴神学園の卒業生。
でもね、いつの時代美女には秘密が付き物なの。
秘密は、時にそれを無理に暴こうとする者に、災いをもたらすわ。特に美女の秘密はね」
鳴神学園に女の子が転校してきた。
彼女の名前は名倉寧々。
転校生は自然とクラスになじんでいくものだが、名倉はいつまで経ってもクラスの中で特別な存在だった。
例えるなら、まるでアヒルの群れに白鳥が混じっているような、そんな感じだった。
名倉は美しかったが、際立って美人だったというわけではなかった。
あるものは絶世の美女と言い、あるものは気味が悪いという。そんな個性的で特別な美貌を兼ね備えていた。
そんな彼女だけれど、みんなは一目置いていた。
落ち着いた物腰と思慮深さを感じさせる発現。そして何よりも、彼女からはいつもとてもよい香りがしていた。
香りといっても、ブランド物の香水のように主張が激しいものではなく、彼女の動きに合わせて、ほんのりと空気に混じるような、そんな控えめな香りだった。
名倉とすれ違う時、ふわりと風に乗ったその香りにときめいて、思わず振り返ってしまう男子も多かった。
だから、名倉の香りの秘密の聞きたがる女の子は、後を絶えなかった。
でも、名倉は誰にもでも打ち明けてくれた。
ポケットから可愛らしい小袋を取り出して、匂いの元はこれよって。
その袋の中には、ポプリが入っていた。
ポプリというのは、香りのいい花やハーブ、スパイスなどを乾燥させたものだ。
数種類のドライフラワーを作り、それに何種類か混ぜ合わせてから保留剤に精油を加えて、なじませて、完成まで1カ月ほどかかる。
簡単に作れるが、何のドライフラワーを使うと、そして精油はどんな香りを使うかで完成したときの香りは変わってしまう。
絶妙なバランスがポプリ作りの最も難しいとこであり、また醍醐味でもあると言われている。
女の子たちから、「このポプリ私も欲しい」と言われた名倉は、自分で作っている、と答えた。
作り方を教えてほしい、と言われた名倉は、「特殊な作り方をしているから、みんなにはちょっと難しいと思うわ」と答えて、ポプリを分けてくれた。
あっという間にクラス中の女の子たちの間に、名倉のポプリが広まった。
そして、ポプリが入っていた可愛らしいサシュも、名倉の手作りだった。
「みんながその時点で満足していたら、何も問題は起こらなかったわ。
でも、中にはいるのよね、秘密といわれると、どうしても知りたくなる人。
あなた、名倉さんのポプリがどうやって作られているか、秘密を暴きたいと思っているじゃないかしら?」
- 秘密を暴きたい→エンディング№213:好奇心は猫を殺す
- そんなことはしたくない
他人のプライバシーには、踏み込まない主義なのかしら?
でも、人間は表の顔と裏の顔を使い分けることができる生き物だわ。あなたも、人前だから綺麗事を口にしただけで、本心はわかったものじゃないわ、
今から話す人みたいなことに、ならないといいのだけれど。うふふふ」
名倉のクラスに八戸安蘭という子がいた。
彼女も、名倉からポプリをもらっていたが、彼女は、他人が少しでも自分より勝っているのが気に食わないという性格だった。
自分も名倉以上にいい香りのポプリを作って、みんなを羨ましがらせないと考えた。
八戸は、名倉からもらったサシュの袋をばらして、中身を見た。中にはたくさんの種類のドライフラワーや、乾燥させたスパイスが入っていた。
それを一つ一つ調べて、同じようなものを用意した。
でも、同じように素材を用意しても、まったく同じものを作ることは難しかった。アロマオイルは香料を混ぜて、オリジナリティを出していたからだ。
八戸は、必死にポプリの匂いをかいで、どんな香料が使われているのか、突き止めようとした。
でも、どんなに同じように作っても、オリジナルには、到底及ばない出来だった。
八戸は悔しい気持ちを必死に隠して、名倉に作り方ノレシピを教えてほしい、と頼み込んだが、名倉は決して教えてくれなかった。
名倉は作り方を独り占めして、自分だけ人気者でいたいに違いない、と八戸は、次第にそんな風に思いつめるようになっていった。
そんなある日、なんとしてもポプリの秘密を知りたかった八戸は、こっそりと名倉の後をつけようと考えた。
もしかしたら材料を仕入れているお店に立ち寄るかもしれないし、家の窓をのぞいたら材料が見られるかもしれない。
名倉が学校を後にすると、八戸が後を付けていることに気づかず確かな足取りで歩いて行った。
名倉は、住宅街を抜け、田畑はあぜ道ばかりが目立つ景色も通り越し、夜の闇が空を覆い始めるころに薄暗い森の入り口に差し掛かった。
木々はうっそうと茂り、先はまったく見えない。
「それで、彼女はどうしたと思う?」
- 後を付ける
- 引き返す→エンディング№213:好奇心は猫を殺す
鬱蒼とした森の中は、すっかり宵闇に包まれていた。
名倉は鞄の中から懐中電灯を取り出した。
懐中電灯は八戸にとっても救いの神だった。懐中電灯の明かりを見失わないように後をつければいい。
しばらく歩いていると、木々が開けて、月の明かりの中に一件の小さな家が浮かび上がった。それは丸太を組んで作られた山小屋のような小さな建物だった。
暗くてよくわからなかったけど、灯りは点いていなかった。ということは家には誰もいない。
名倉は、手慣れた手付きで玄関のドアを開けると中に消えていった。
しばらくして窓に明かりが灯ったことを確認すると、八戸は自分もその小屋に近づいた。
お伽噺に出てくる魔女のおばあさんが住んでそうな、無骨で陰気な木の小屋。
八戸が忍び足で窓辺に歩み寄り、中を覗こうとしたその時、突然家のドアが開いたので、八戸は手近な茂みに姿を隠した。
家から出てきた人物は、八戸の存在に気づく素振りも見せず家の裏手へと歩いていった。
家から出てきた人物は、頭からすっぽりと黒いローブを被っていた。
裾からのぞくスカートは鳴神の制服だったので、きっと名倉だろう、と八戸は思った。
そして、少し離れた木々の間から、その人物の挙動を探ることにした。
黒いローブの人物は、家の裏手にある物置ほどの大きさの小屋に入ったかと思うと、黒い何かを掴んですぐに出てきた。
バタバタを大きな音をたてて暴れ、のどから絞り出すような声を上げていたのは1羽の雄鶏だった。
そして人物はしゃがむと、躊躇うことなく雄鶏の首を両手でつかみ、その場でくびり殺した。
初めて命が奪われる瞬間を目にした八戸は、恐怖のあまり、歯の根が合わなくなるくらいに動揺して、両の目からは涙がぽろぽろとあふれてきた。
(こんなに怖い思いをするぐらいなら、もう帰ったほうがいいかもしれない)
「坂上君なら、どうする?」
- 帰る→エンディング№213:好奇心は猫を殺す
- 帰らない
- やっぱり帰る→エンディング№213:好奇心は猫を
- それでも帰らない
でも、目の前の光景に気をとられていたせいか、後ずさったときに、服に木の枝が引っ掛かって音を立ててしまった。
黒いローブを被った人物は鋭くあたりを見回して、八戸が潜む木陰へと近づいた。
「坂上君、あなたならどうする?」
- 逃げる→エンディング№214:薔薇の下で
- 逃げない
八戸は意を決して黒い人物の前に進み出た。
「こんばんは」
その人物は一瞬ギクッと動きを止め、ゆっくりと振り向くとローブに手をかけた。八戸は思った通り、その下から現れたのは見慣れた名倉さんの顔だった。
「あら、八戸さん。こちらには何の御用?」
「ポプリの作り方を教えてほしくって、それで名倉さんの後を付けたの。ごめんなさい」
「そう」
名倉さんは口元に手を当てて、しばらく何かを考えていたみたいだが、ふいにいつもの笑顔に戻って言った。
「いいわ、あなたにだけは教えてあげる、どうぞ、いらっしゃい」
天にも昇るような心地で八戸は、名倉の後をついて家の中に入って行った。
「ぎゃぁ!」
「心配しないで、ちゃんと約束は守るから」
後頭部に鈍い痛みを感じて、八戸はぼんやりと目を覚ました。
彼女の両手は冷たい鉄の枷に嵌められ、一糸まとまぬ姿で天井から吊るされていた。
見ると、両の足首もまとめて枷がはめられており、どんなに暴れても冷たい器具が食い込み、新たな痛みを生み出すだけだった。
「誰かー、助けてー!」
声の限りに叫んでみても、石の壁に反響するばかりで呼びかけに答えるものはなかった。
その時、扉を開けて入ってきた名倉と目が合った。
「こんなことして、ただで済むと思ってんの!」
名倉は八戸の様子など気にも留めずに、部屋の隅へ行き、大きな注射器を手にとった。
注射器の中には緑色の液体が詰まっていた。
「や、やめさないよ!」
名倉は、無表情に八戸の胸に注射器の針を押し当てた。
太い針が八戸の胸の肉に差し込まれると、緑色の液体が流し込まれた。
「人殺し!」
名倉は、恐怖に震えて涙を流す八戸には目もくれず、傍らに置かれた台の上に空になった注射器を置いた。
そして、緑色の血管が息づく八戸の身体を両の手でゆっくりと撫でまわした。
「瑞々しい肌だこと」
そして、置いた注射器の代わりに、今度はメスを手にした。
そして、空いたもう片方の手でいつも学校に持ってきているサシュのような布袋を持った。
名倉は、八戸の腹部を丁寧にさすると、そこにメスでさっくりと切り込みを入れたが、驚くほど八戸には痛みはなかった。
名倉は、切り込みを入れた傷口に、布袋から取り出した小さな黒い物体を押し込んだ。
「ぎゃー!!!痛いよ、死んじゃうよ!」
「死なないから。痛みも慣れると快感よ」
名倉は、袋の中から取り出した黒い粒を八戸の目の前に持っていき、よく見えるように動かした。
「これはね、あのポプリの材料になる特殊な薔薇の種なの。
この薔薇は、不思議なことに、動物の体内の中でないと花を咲かせないの。
しかもね、どういうわけか人間の体内で育てると特に美しい花を咲かせ、あなたも嗅いだあの芳しい香りを放つようになるのよ。
でもね、うまくいって、成功するのは五分五分かしらね。成功すればあなたもあの美しいポプリになれるわ。
失敗すると、体中穴だらけになって醜い死体になってしまう。
私、あなたには期待させていただくわ。その強い執着心で生き抜いて、立派な薔薇の花を拝ませてくださいませ」
八戸は狂ったように暴れたが、名倉は今度は右太ももにメスを走らせ、同じように黒い種子を埋め込んだ。
「お願い、やめて!絶対に誰にも言わないから!」
名倉は、懇願する八戸を余所に淡々と作業を続けた。
「それからも、名倉さんが作るポプリは大人気だったそうよ。
八戸さん、いつの間にかいなくなっていたけど、学校側からも特にこれといった発表はなかったそうよ。
もしかしたら名倉さん、学校側の関係者と特別な関係にあったのかもしれないわね。
どちらにしろ、私は名倉さんのような存在に憧れるし、彼女はとても尊敬できる人よ。
あなたは、名倉さんが怖い?だったら、あなたは八戸さんと同じね。あたなはそちら側の人間だということ。
だって、そうでしょう。人には秘密があるのだから。それに触れてはならないの。
それに触れなければ、八戸さんは今も幸せに生きていることができたでしょうに。ねえ。坂上君。うふふふ」
エンディング№215:媚薬の香り
エンディング数 52/657 達成度7%
キャラクター図鑑 43/122 達成度35%
イラストギャラリー 35/283 達成度12%
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