今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
シナリオ:カエルですか?ネズミですか?
松原さくらは、学校が大好きなのに保健室に通っていた。
彼女は生まれつき身体が弱く、重度の貧血で悩んでいた。
なので、中学生の時からほとんど体育も見学だったし、暑い日や寒い日は学校に来られてたとしても一日保健室で過ごしていた。
鳴神学園は生徒数が数千人を超えるため、保健室は小さな病院と思えるほど大きい。
ベッドは全部で十台以上あるし、診察室も3カ所あり、保健室の先生も何人もいる。
保健室の先生は、保健室に行かない限りほとんど関わらないため、入学してから卒業するまで一度も顔を合わせない生徒もいるのだが、さくらは、保健室の常連だったから、入学して1カ月もたたないうちに保健室の先生たちと仲良くなった。
特にさくらが慕っていたのは、葛城美和というまだ30歳くらいの若くて美しい女の先生だった。
葛城先生は、当時鳴神学園に来たばかりだったが、若くてきれいだったで、男子に相当人気があり、保健の先生のことは名前すら知らなくても、葛城先生のことだけは知っている男子生徒は少なくはなく、仮病を使って会いにいく男子もいたとのこと。
葛城先生は、男勝りで気が強かったので、下手な仮病を使う生徒はどんどん追い返していた。
いつも貧血で歩くだけで疲れてしまうさくらを葛城先生は、強い口調で咤激励してくれていて、さくらにとっても心強い存在だったのだろう。
さくらがつらい思いをしてまで学校に通ったのも、そういう理由があったのかもしれない。
残暑も厳しい9月のある日、身体がつらいさくらは、3時限目から保健室に登校した。
さくらが保健室の扉を開けて声を掛けたが、保健の先生は誰もいなかった。
急な用事が入ったのだろうと思い、さくらは勝手にベッドを使わせてもらうと保健室に入ったが、ふと机の引き出しからはみ出ている紙に目が留まった。
→ベッドに行く
→紙が気になる
さくらは、入口から一番近いベッドに向かった。
ベッドは10台以上あったけど、それぞれが白いカーテンで区切られているため、いちいちカーテンを開けて中を確認しなければならなかった。
さくらが、入口から一番近いベッドのカーテンを開けて中を覗くと、一人の女子生徒がすやすやと眠っていた。
さくらは、そっとカーテンを閉め、隣のベッドに行きそっとカーテンを開けたが、そこにも女子生徒が寝ている。
そっとカーテンを閉め、次のベッドへ行きまたカーテンを開けるが、そこにも同じように生徒が寝ている。
9月だというのに今日はとても暑い。この暑さでは熱中症になるのも無理はない。
さくらは次々とベッドを覗いていったが、ベッドは埋まっている。
しかも、そのすべてに青白い顔をした女子生徒が死んだように眠っている。もちろんみんな別人だ。
とうとう最後のベッドを覗いたが、そこも女子生徒が眠っていた。
すべてのベッドが使用されていたのは、今までに一度もなかった。
その時、さくらは突然息苦しさを感じ始めた。この部屋には嫌な気が満ちている。
とにかく窓を開けてこの悪い空気を入れ替えよう。
ふらつく足取りで窓際に立ったが、なぜか窓は開かなかった。
確認しても鍵はかかっていない。それなのに、何か強い見えない力が窓をしっかりと押さえているようで、ビクともしない。
さくらは、めまいを覚え、さすがに立っていられなくない、ソファに腰を下ろした。
葛城先生が、ここで横になって休んでいるのを何度か見たことがあったので、さくらは、ソファに横になり、目を閉じた。
突然、「おいでヨ」と誰かが呼ぶ声がした。
さくらは目を開け、辺りを見回したが、誰の姿もなかった。
もしかしたら、ベッドで寝ていた誰かが目を覚まして、呼んだのかも、と思ったさくらは、ゆっくりと立ち上がってベッドに歩み寄った。
このカーテン、開ける勇気がある?
→開ける
→開けない
さくらがそっとカーテンを開けると、そのベッドには先ほどと全く同じ姿勢のまま生徒が横たわっていた。
本当に生きているのだろうか、と思ったさくらは、生徒の頬に触れようとしたが、冷たい風がさくらの頬を舐め上げたため、手を引っ込めた。
風がどこから来たのかと、さくらが見回すと、窓を覆っているカーテンが風をはらんで大きく膨らんでいた。
その動きは、まるでカーテンの陰に人が隠れていてバタバタと暴れているようだった。
いつの間に窓があいたのだろうか?
さくらは、ゆっくりと窓に近づいていった。
→開ける→エンディング№363:カエルですか?ネズミですか?
→開けない
カーテンに掛けた手を引っ込めたさくらの背後から声が浴びせかけられた。
さくらが振り返ると、葛城先生だった。
「どこかのベッドで休もうと思ったのですが・・・」
「残念だけど、今は全部ベッドが埋まってしまっているの。もしよかったら、このソファ使う?」
→ソファを使う→エンディング№365:本当に命日?
→ベッドで寝ているのは?
→保健室を出る→エンディング№364:松原さくらは何人いるの?
さくらは疑問に思っていることを直接聞いてみることにした。
「あの、ベッドで寝ているのは誰なんでしょうか?」
葛城先生は少し眉をひそめて答えた。
「あなた、ベッドを覗いたの?まあ、ちょっとソファにでも座って。立ち話を続けるのも何でしょう?」
さくらがソファに腰を下ろすと、葛城先生はゆっくりと口を開いた。
実はね、今日はある女の子の命日なの。その子の名前は八戸安蘭さんといってね、写真部に在籍してたのよ。
私がまだこの学園にやってきたばかりの頃、相談に来てね、こんなことを言うのよ。
「先生、私困っているんです。私が写真を撮るとその人が死んでしまうんです。それでその人が幽霊になって現れるんです」
まだ新人の私をからかおうとしてるんだった思って、笑い飛ばしたのよ。
でもね、「本当なんです、お願いです。信じてください」って真に迫った顔で言うもんだから、私もムキになって言っちゃったのよ。
「それじゃあ私を撮ってみなさいよ。それで私が死んだら信じてあげるから」
彼女、困った顔をしていたけど意を決したのかカメラを取り出して。「先生を撮ることができませんから」と言って、自分にカメラを向けてパシャパシャとシャッターを切り始めたの。
そして突然、ばったりと彼女は意識を失ってしまったの。
慌ててベッドに寝かせて、隣接している鳴神病院に連絡したんだけど、彼女、そのまま亡くなってしまったわ。
それでね、それからというもの命日になると、彼女は幽霊になって私の目の前に現れるの。ベッドで寝ているのよ、彼女の幽霊がね。
「でも、先生。ベッドは全部埋まっていましたよ」
「そうよ、彼女、何枚も写真を撮ったでしょ。そのせいかわからないけど、彼女の幽霊は一人じゃないのよ。だからすべてのベッドで寝ているんだけれど、ベッドだけじゃ足りなくてね。あそこのカーテンの陰とか」
先生が指さしたのは、窓際のカーテンだった。
そういえば、さっきあのカーテンがざわざわと揺れていた。きっと窓は閉まっているはずだ。
それなのに、カーテンが揺れていたということは、まさか八戸さんの霊の仕業?
「それから、そのソファなんだけれど、イギリスの公爵が所有していたものなの。それって、素晴らしく美しい赤い色をしているでしょう。それはね、人間の血、公爵は美しいメイドを屋説くと、その度に惨殺してソファに血を吸わしていたんですって。そのおかげでね、そんな美しい色艶になったのよ。でもね、そういう所以のあるソファでしょ、怨霊がとりついているの。だから、そのソファを使うとだるくなったり、余計につかれたりするのよ。うふふ」
言われてソファを見ると、革張りの表面に何やら人の顔のような模様がいくつも浮き出ている。立ち上がろうとしても立ち上がれない。
「でもね、八戸さんがこの部屋で亡くなってから、そんなことがなくなったのよ。理由はこのカメラ」
そう言って葛城先生が取り出したのは年代物の写真機だった。
「これは八戸さんが所有していたカメラ。人を撮ると死んでしまうカメラよ。でも、これって他の使いかたもあったのよね。霊を撮ると、その霊が写真の中に封じ込められるの。おぁげでソファに棲みついている悪霊がおとなしくなってしまったね。写真に吸い取られるのは人間も幽霊も嫌みたい。うふふ」
そう言ってカメラをソファに向けると、確かに表面に浮かんだ人の顔に見える文様がスススッと隠れてしまった。
「それから八戸さんの霊だけど、このカメラがあるおかげで絶対に悪さをしてこないから、安心して横になってちょうだい」
そんな話を聞いてしまったら、恐ろしくてソファで寝られない。
「もう大丈夫です、失礼します」
そして、さくらは急いで保健室を後にした。
それからというもの、さくらはあまり保健室には寄り付かなくなってしまったんだけれど、食事療法を取り入れて、きちんとした食生活を心掛けることで、貧血がよくなったらしい。
それで卒業するころにはすっかり元気になって、今は社会人として元気に生活している。
「ところで、八戸さんが持っていたカメラは、葛城先生が隠していたのよ。それって証拠隠滅だと思うけど、警察にそんな話をしても誰も信用してくれないでしょうね。不思議なカメラだから見せてほしいっていったら、なんと葛城先生、私に預けてくださったのよ。それで私、いつも持ち歩いているんだけどさ。坂上君、見てみたいでしょ?なんじゃさぁ、このカメラって坂上君が持っていたほうが良さそうだね」
「え?なんで僕が?」
「なんかカメラの声が聞こえたっていうか、このカメラは坂上君にもっていてもらいたいような気がする。だから、これ預かったね」
「こんな恐ろしいカメラ、預かれないよ」
「それ葛城先生からの預かりものだから絶対に壊さないでね。それにどうしてもいらなければ、返せばいいだけのことだし」
「うん、わかったよ」
坂上は、とても大事に使われていただろう年代物のカメラを受け取った。
エンディング数 4/656 達成度0%
エンディング№366:霊を取り込むカメラ
今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
シナリオ:カエルですか?ネズミですか?
松原さくらは、学校が大好きなのに保健室に通っていた。
彼女は生まれつき身体が弱く、重度の貧血で悩んでいた。
なので、中学生の時からほとんど体育も見学だったし、暑い日や寒い日は学校に来られてたとしても一日保健室で過ごしていた。
鳴神学園は生徒数が数千人を超えるため、保健室は小さな病院と思えるほど大きい。
ベッドは全部で十台以上あるし、診察室も3カ所あり、保健室の先生も何人もいる。
保健室の先生は、保健室に行かない限りほとんど関わらないため、入学してから卒業するまで一度も顔を合わせない生徒もいるのだが、さくらは、保健室の常連だったから、入学して1カ月もたたないうちに保健室の先生たちと仲良くなった。
特にさくらが慕っていたのは、葛城美和というまだ30歳くらいの若くて美しい女の先生だった。
葛城先生は、当時鳴神学園に来たばかりだったが、若くてきれいだったで、男子に相当人気があり、保健の先生のことは名前すら知らなくても、葛城先生のことだけは知っている男子生徒は少なくはなく、仮病を使って会いにいく男子もいたとのこと。
葛城先生は、男勝りで気が強かったので、下手な仮病を使う生徒はどんどん追い返していた。
いつも貧血で歩くだけで疲れてしまうさくらを葛城先生は、強い口調で咤激励してくれていて、さくらにとっても心強い存在だったのだろう。
さくらがつらい思いをしてまで学校に通ったのも、そういう理由があったのかもしれない。
残暑も厳しい9月のある日、身体がつらいさくらは、3時限目から保健室に登校した。
さくらが保健室の扉を開けて声を掛けたが、保健の先生は誰もいなかった。
急な用事が入ったのだろうと思い、さくらは勝手にベッドを使わせてもらうと保健室に入ったが、ふと机の引き出しからはみ出ている紙に目が留まった。
→ベッドに行く
→紙が気になる
さくらは、入口から一番近いベッドに向かった。
ベッドは10台以上あったけど、それぞれが白いカーテンで区切られているため、いちいちカーテンを開けて中を確認しなければならなかった。
さくらが、入口から一番近いベッドのカーテンを開けて中を覗くと、一人の女子生徒がすやすやと眠っていた。
さくらは、そっとカーテンを閉め、隣のベッドに行きそっとカーテンを開けたが、そこにも女子生徒が寝ている。
そっとカーテンを閉め、次のベッドへ行きまたカーテンを開けるが、そこにも同じように生徒が寝ている。
9月だというのに今日はとても暑い。この暑さでは熱中症になるのも無理はない。
さくらは次々とベッドを覗いていったが、ベッドは埋まっている。
しかも、そのすべてに青白い顔をした女子生徒が死んだように眠っている。もちろんみんな別人だ。
とうとう最後のベッドを覗いたが、そこも女子生徒が眠っていた。
すべてのベッドが使用されていたのは、今までに一度もなかった。
その時、さくらは突然息苦しさを感じ始めた。この部屋には嫌な気が満ちている。
とにかく窓を開けてこの悪い空気を入れ替えよう。
ふらつく足取りで窓際に立ったが、なぜか窓は開かなかった。
確認しても鍵はかかっていない。それなのに、何か強い見えない力が窓をしっかりと押さえているようで、ビクともしない。
さくらは、めまいを覚え、さすがに立っていられなくない、ソファに腰を下ろした。
葛城先生が、ここで横になって休んでいるのを何度か見たことがあったので、さくらは、ソファに横になり、目を閉じた。
突然、「おいでヨ」と誰かが呼ぶ声がした。
さくらは目を開け、辺りを見回したが、誰の姿もなかった。
もしかしたら、ベッドで寝ていた誰かが目を覚まして、呼んだのかも、と思ったさくらは、ゆっくりと立ち上がってベッドに歩み寄った。
このカーテン、開ける勇気がある?
→開ける
→開けない
さくらがそっとカーテンを開けると、そのベッドには先ほどと全く同じ姿勢のまま生徒が横たわっていた。
本当に生きているのだろうか、と思ったさくらは、生徒の頬に触れようとしたが、冷たい風がさくらの頬を舐め上げたため、手を引っ込めた。
風がどこから来たのかと、さくらが見回すと、窓を覆っているカーテンが風をはらんで大きく膨らんでいた。
その動きは、まるでカーテンの陰に人が隠れていてバタバタと暴れているようだった。
いつの間に窓があいたのだろうか?
さくらは、ゆっくりと窓に近づいていった。
→開ける→エンディング№363:カエルですか?ネズミですか?
→開けない
カーテンに掛けた手を引っ込めたさくらの背後から声が浴びせかけられた。
さくらが振り返ると、葛城先生だった。
「どこかのベッドで休もうと思ったのですが・・・」
「残念だけど、今は全部ベッドが埋まってしまっているの。もしよかったら、このソファ使う?」
→ソファを使う
→ベッドで寝ているのは?
→保健室を出る→エンディング№364:松原さくらは何人いるの?
さくらはふらふらしていたので、ソファに座らせてもらうことにした。
葛城先生はゆっくりと口を開いた。
実はね、今日はある女の子の命日なの。その子の名前は八戸安蘭さんといってね、写真部に在籍してたのよ。
私がまだこの学園にやってきたばかりの頃、相談に来てね、こんなことを言うのよ。
「先生、私困っているんです。私が写真を撮るとその人が死んでしまうんです。それでその人が幽霊になって現れるんです」
まだ新人の私をからかおうとしてるんだった思って、笑い飛ばしたのよ。
でもね、「本当なんです、お願いです。信じてください」って真に迫った顔で言うもんだから、私もムキになって言っちゃったのよ。
「それじゃあ私を撮ってみなさいよ。それで私が死んだら信じてあげるから」
彼女、困った顔をしていたけど意を決したのかカメラを取り出して。「先生を撮ることができませんから」と言って、自分にカメラを向けてパシャパシャとシャッターを切り始めたの。
そして突然、ばったりと彼女は意識を失ってしまったの。
慌ててベッドに寝かせて、隣接している鳴神病院に連絡したんだけど、彼女、そのまま亡くなってしまったわ。
それでね、それからというもの命日になると、彼女は幽霊になって私の目の前に現れるの。ベッドで寝ているのよ、彼女の幽霊がね。
「でも、先生。ベッドは全部埋まっていましたよ」
「そうよ、彼女、何枚も写真を撮ったでしょ。そのせいかわからないけど、彼女の幽霊は一人じゃないのよ。だからすべてのベッドで寝ているんだけれど、ベッドだけじゃ足りなくてね。あそこのカーテンの陰とか」
先生が指さしたのは、窓際のカーテンだった。
そういえば、さっきあのカーテンがざわざわと揺れていた。きっと窓は閉まっているはずだ。
それなのに、カーテンが揺れていたということは、まさか八戸さんの霊の仕業?
「それから、松原さんが座っているソファ。そこにも3人座っているのよ。何か感じない?」
言われていて気付いた。さくらの両側に誰かが座っている。さっきソファに座ったときにも感じた違和感。
葛城先生の方から覗くように何人もの女子生徒の顔が見えている。
するとそれぞれのベッドのカーテンの向こう側で、むっくりと上半身を起こす人影が動くのが見えた。そして、その人影が一斉にカーテンをそっと開け、そこから顔を覗かせてじっとこっちを見ている。
「松原さん、大丈夫よ、害はないから。ただ、この命日だけは八戸さんに付き合ってあげて。人がいると喜ぶのよ」
そう言うと、保健室にいるすべての八戸さんが一斉に笑った。
そのままさくらは気を失ってしまったんだけれど、命には別条はなかった。
それからというもの、あの命日の日だけは、保健室に近寄らないようにした。
それで無事卒業して、さくらは貧血の症状と戦いながらも頑張って生きている。
ちなみに、命日の日ははっきりとはわからないらしい。
実は他にもあの保健室で幽霊を見たって噂を聞くんだけれど、それは4月だったり、10月だったり様々。
だから、もしかして、あのベッドに寝ている霊は、八戸さんじゃないかもしれない。
葛城先生も意外と謎の多い人じゃない?裏で何をしているのかわからないし、心には不快闇を抱えているかもしれない。
エンディング数 3/656 達成度0%
エンディング№365:本当に命日?
キャラクター数 8/112 達成度7%
八戸安蘭
今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?
シナリオ:カエルですか?ネズミですか?
松原さくらは、学校が大好きなのに保健室に通っていた。
彼女は生まれつき身体が弱く、重度の貧血で悩んでいた。
なので、中学生の時からほとんど体育も見学だったし、暑い日や寒い日は学校に来られてたとしても一日保健室で過ごしていた。
鳴神学園は生徒数が数千人を超えるため、保健室は小さな病院と思えるほど大きい。
ベッドは全部で十台以上あるし、診察室も3カ所あり、保健室の先生も何人もいる。
保健室の先生は、保健室に行かない限りほとんど関わらないため、入学してから卒業するまで一度も顔を合わせない生徒もいるのだが、さくらは、保健室の常連だったから、入学して1カ月もたたないうちに保健室の先生たちと仲良くなった。
特にさくらが慕っていたのは、葛城美和というまだ30歳くらいの若くて美しい女の先生だった。
葛城先生は、当時鳴神学園に来たばかりだったが、若くてきれいだったで、男子に相当人気があり、保健の先生のことは名前すら知らなくても、葛城先生のことだけは知っている男子生徒は少なくはなく、仮病を使って会いにいく男子もいたとのこと。
葛城先生は、男勝りで気が強かったので、下手な仮病を使う生徒はどんどん追い返していた。
いつも貧血で歩くだけで疲れてしまうさくらを葛城先生は、強い口調で咤激励してくれていて、さくらにとっても心強い存在だったのだろう。
さくらがつらい思いをしてまで学校に通ったのも、そういう理由があったのかもしれない。
残暑も厳しい9月のある日、身体がつらいさくらは、3時限目から保健室に登校した。
さくらが保健室の扉を開けて声を掛けたが、保健の先生は誰もいなかった。
急な用事が入ったのだろうと思い、さくらは勝手にベッドを使わせてもらうと保健室に入ったが、ふと机の引き出しからはみ出ている紙に目が留まった。
→ベッドに行く
→紙が気になる
さくらは、入口から一番近いベッドに向かった。
ベッドは10台以上あったけど、それぞれが白いカーテンで区切られているため、いちいちカーテンを開けて中を確認しなければならなかった。
さくらが、入口から一番近いベッドのカーテンを開けて中を覗くと、一人の女子生徒がすやすやと眠っていた。
さくらは、そっとカーテンを閉め、隣のベッドに行きそっとカーテンを開けたが、そこにも女子生徒が寝ている。
そっとカーテンを閉め、次のベッドへ行きまたカーテンを開けるが、そこにも同じように生徒が寝ている。
9月だというのに今日はとても暑い。この暑さでは熱中症になるのも無理はない。
さくらは次々とベッドを覗いていったが、ベッドは埋まっている。
しかも、そのすべてに青白い顔をした女子生徒が死んだように眠っている。もちろんみんな別人だ。
とうとう最後のベッドを覗いたが、そこも女子生徒が眠っていた。
すべてのベッドが使用されていたのは、今までに一度もなかった。
その時、さくらは突然息苦しさを感じ始めた。この部屋には嫌な気が満ちている。
とにかく窓を開けてこの悪い空気を入れ替えよう。
ふらつく足取りで窓際に立ったが、なぜか窓は開かなかった。
確認しても鍵はかかっていない。それなのに、何か強い見えない力が窓をしっかりと押さえているようで、ビクともしない。
さくらは、めまいを覚え、さすがに立っていられなくない、ソファに腰を下ろした。
葛城先生が、ここで横になって休んでいるのを何度か見たことがあったので、さくらは、ソファに横になり、目を閉じた。
突然、「おいでヨ」と誰かが呼ぶ声がした。
さくらは目を開け、辺りを見回したが、誰の姿もなかった。
もしかしたら、ベッドで寝ていた誰かが目を覚まして、呼んだのかも、と思ったさくらは、ゆっくりと立ち上がってベッドに歩み寄った。
このカーテン、開ける勇気がある?
→開ける
→開けない
さくらがそっとカーテンを開けると、そのベッドには先ほどと全く同じ姿勢のまま生徒が横たわっていた。
本当に生きているのだろうか、と思ったさくらは、生徒の頬に触れようとしたが、冷たい風がさくらの頬を舐め上げたため、手を引っ込めた。
風がどこから来たのかと、さくらが見回すと、窓を覆っているカーテンが風をはらんで大きく膨らんでいた。
その動きは、まるでカーテンの陰に人が隠れていてバタバタと暴れているようだった。
いつの間に窓があいたのだろうか?
さくらは、ゆっくりと窓に近づいていった。
→開ける→エンディング№363:カエルですか?ネズミですか?
→開けない
カーテンに掛けた手を引っ込めたさくらの背後から声が浴びせかけられた。
さくらが振り返ると、葛城先生だった。
「どこかのベッドで休もうと思ったのですが・・・」
「残念だけど、今は全部ベッドが埋まってしまっているの。もしよかったら、このソファ使う?」
→ソファを使う
→ベッドで寝ているのは?
→保健室を出ていく
「今日は教室に戻ります。どうしても気分が悪くなったら、また来ますんで」と言って、さくらは教室に戻ることにしたが、どうしても辛くて、途中で座り込んでしまった。
そこに通りかかった桃瀬先生が心配して声を掛けてきた。
さくらは限界だったため、桃瀬先生に支えられて保健室に戻り、そそまま葛城先生に抱きかかえられて意識を失った。
そして意識が戻った時、どこかのベッドに寝かされており、誰かにのぞき込まれているのを感じた。
目を閉じていてもはっきりとわかる。自分をのぞき込んでいるのは、自分だった。
ここは保健室のベッド。そこに寝かされている自分、なのに、その自分を見下ろしているもう一人の自分がいる。
彼女が去っていく気配を感じて、さくらはゆっくりと目を開けた。
その時、仕切られたカーテンの向こうで、葛城先生の声が聞こえてきた。
「はい、順調です。被検体、松原さくらのクローン培養には今回も成功しました。彼女は体が弱く保健室登校ですから、しばらくの間、彼女でクローン培養はできると思いますよ」
「さくらさん」
誰かが近づいてきた。
さくらは、慌てて目を閉じて眠っている振りをした。
カーテンが開いて声がした。
「松原さくらさん、起きてください」
さくらはやっと目が覚めたように静かにゆっくりと目を開けた。
目の前には、白い衣服を着た見慣れない男性が立っていた。
「私は、鳴神学園附属総合病院に勤務している高柳稔です。松原さくらさん、ご気分はいかかがですか?」
鳴神病院にまつわる怖い話は何度も聞いたことあるさくらは、強制入院になったらどうしようと、嫌な予感がした。
「気分は・・・いいです」と、さくらはできる限りの愛想笑いを浮かべて答えた。
すると高柳先生はにっこりと微笑んで、「それは良かった。もう放課後なので、気分が良ければいつでもご帰宅されても大丈夫ですよ」と言った。
葛城先生も「遅くならないうちに帰りなさい。それとも、誰か家族に迎えにきてもらおうか?」と声をかけてくれたが、さくらは、「一人で帰れます」と答えて、ベッドから飛び起きて、保健室を逃げるように後にした。
それから、さくらはできる限り保健室には近づかないようにした。
今まではたくさんあった好き嫌いもなくして、何でも食べるようにして、健康であることを心掛けた。
それからというもの、さくらは少しずつ元気になり、無事に卒業した。
でも、さくらはいつも自分そっくりの人間に合わないかとびくびくしている。
だって、さくらのクローンがどれだけ作られていたのかわからないから。
エンディング数 2/656 達成度0%
エンディング№364:松原さくらは何人いるの?
キャラクター数 7/112 達成度6%
高柳稔
桃瀬毬絵
アパシー鳴神学園七不思議のプレイ開始!
イジめで死んだ真美の人形を、イジメてた良江が拾うが、人形の方が、真美をマミちゃん人形と認識しており、良江もヨシエちゃん人形と認識している・・・
新聞部では、日野貞夫が、一学期最後の学校新聞は七不思議の特集をやろう、と言い出す。
倉田恵美も、長年使われていない旧校舎が夏休み中に取り壊されるし、季節的にも受ける、といって賛成する。
日野が学校の怪談好きの七名を集めるとのことで、今度の金曜日の放課後に、新聞部の部室で行うことになった。
日野から、七不思議の記事を書くように言われたのは、主人公の坂上修一だった。
坂上が嫌がっているのに気づいた倉田が、怖い話が好きだから自分がやります、と言い出したので、坂上は、実は怖い話が苦手だ、と打ち明ける。
それを聞いた日野は、新聞部一番の怖がりの坂上だから指名した、と答える。
怖い話を聞いて思いっきり怖がって、その恐怖を記事にしてほしい、という理由からだった。
倉田は、なら自分は語り部をやりたい、と日野に訴えると、日野は、今ここで怖い話をしてみろ、と言い出す。
それくらいできないようじゃ、語り部は務まらないとのこと。
→やります
→あ~、やっぱりいいです
「学校で、実は卒業するまで一度も行かないような場所があるのって知っている?」
→プール
→放送室
→保健室
→トイレ
シナリオ:カエルですか?ネズミですか?
松原さくらは、学校が大好きなのに保健室に通っていた。
彼女は生まれつき身体が弱く、重度の貧血で悩んでいた。
なので、中学生の時からほとんど体育も見学だったし、暑い日や寒い日は学校に来られてたとしても一日保健室で過ごしていた。
鳴神学園は生徒数が数千人を超えるため、保健室は小さな病院と思えるほど大きい。
ベッドは全部で十台以上あるし、診察室も3カ所あり、保健室の先生も何人もいる。
保健室の先生は、保健室に行かない限りほとんど関わらないため、入学してから卒業するまで一度も顔を合わせない生徒もいるのだが、さくらは、保健室の常連だったから、入学して1カ月もたたないうちに保健室の先生たちと仲良くなった。
特にさくらが慕っていたのは、葛城美和というまだ30歳くらいの若くて美しい女の先生だった。
葛城先生は、当時鳴神学園に来たばかりだったが、若くてきれいだったで、男子に相当人気があり、保健の先生のことは名前すら知らなくても、葛城先生のことだけは知っている男子生徒は少なくはなく、仮病を使って会いにいく男子もいたとのこと。
葛城先生は、男勝りで気が強かったので、下手な仮病を使う生徒はどんどん追い返していた。
いつも貧血で歩くだけで疲れてしまうさくらを葛城先生は、強い口調で咤激励してくれていて、さくらにとっても心強い存在だったのだろう。
さくらがつらい思いをしてまで学校に通ったのも、そういう理由があったのかもしれない。
残暑も厳しい9月のある日、身体がつらいさくらは、3時限目から保健室に登校した。
さくらが保健室の扉を開けて声を掛けたが、保健の先生は誰もいなかった。
急な用事が入ったのだろうと思い、さくらは勝手にベッドを使わせてもらうと保健室に入ったが、ふと机の引き出しからはみ出ている紙に目が留まった。
→ベッドに行く
→紙が気になる
さくらは、入口から一番近いベッドに向かった。
ベッドは10台以上あったけど、それぞれが白いカーテンで区切られているため、いちいちカーテンを開けて中を確認しなければならなかった。
さくらが、入口から一番近いベッドのカーテンを開けて中を覗くと、一人の女子生徒がすやすやと眠っていた。
さくらは、そっとカーテンを閉め、隣のベッドに行きそっとカーテンを開けたが、そこにも女子生徒が寝ている。
そっとカーテンを閉め、次のベッドへ行きまたカーテンを開けるが、そこにも同じように生徒が寝ている。
9月だというのに今日はとても暑い。この暑さでは熱中症になるのも無理はない。
さくらは次々とベッドを覗いていったが、ベッドは埋まっている。
しかも、そのすべてに青白い顔をした女子生徒が死んだように眠っている。もちろんみんな別人だ。
とうとう最後のベッドを覗いたが、そこも女子生徒が眠っていた。
すべてのベッドが使用されていたのは、今までに一度もなかった。
その時、さくらは突然息苦しさを感じ始めた。この部屋には嫌な気が満ちている。
とにかく窓を開けてこの悪い空気を入れ替えよう。
ふらつく足取りで窓際に立ったが、なぜか窓は開かなかった。
確認しても鍵はかかっていない。それなのに、何か強い見えない力が窓をしっかりと押さえているようで、ビクともしない。
さくらは、めまいを覚え、さすがに立っていられなくない、ソファに腰を下ろした。
葛城先生が、ここで横になって休んでいるのを何度か見たことがあったので、さくらは、ソファに横になり、目を閉じた。
突然、「おいでヨ」と誰かが呼ぶ声がした。
さくらは目を開け、辺りを見回したが、誰の姿もなかった。
もしかしたら、ベッドで寝ていた誰かが目を覚まして、呼んだのかも、と思ったさくらは、ゆっくりと立ち上がってベッドに歩み寄った。
このカーテン、開ける勇気がある?
→開ける
→開けない
さくらがそっとカーテンを開けると、そのベッドには先ほどと全く同じ姿勢のまま生徒が横たわっていた。
本当に生きているのだろうか、と思ったさくらは、生徒の頬に触れようとしたが、冷たい風がさくらの頬を舐め上げたため、手を引っ込めた。
風がどこから来たのかと、さくらが見回すと、窓を覆っているカーテンが風をはらんで大きく膨らんでいた。
その動きは、まるでカーテンの陰に人が隠れていてバタバタと暴れているようだった。
いつの間に窓があいたのだろうか?
さくらは、ゆっくりと窓に近づいていった。
→開ける
→開けない
さくらがカーテンをかき分けようとしたら、その奥から何か手のようなものが伸びてきた。
あれは黒ずんでいたけれど人間の、ミイラのような手だった。
その時、風に煽られたカーテンが膨れ上がると、まるで腹をすかせた獣のようにさくらに襲い掛かってきた。
生暖かい風が、さくらの頬を舐めまわすように撫でていく。
そしてカーテンは何事もなかったように動かなくなった。
カーテンが襲い掛かる一瞬で、さくらは、窓が固く閉ざされたままだったことを確認した。
それを裏付けるように、カーテンは全く動かなくなり、どこからか吹いていた風もピタリと止んだ。
さくらは身の危険を感じ、この保健室を一刻も早く立ち去ることに決めたが、目眩がどんどんひどくなっていった。
さくらが、近くにあったベッドに手をつくと、なぜかそのベッドは空いている。いつの間に帰ったのだろう。
さくらは、そのベッドに身を任せた。
「おいでヨ」
またさくらを呼ぶ声を聞こえてきた。
見ると、さくらの枕元のカーテンに大きな影を映っていた。
その影はひょろりとやせており妙に背が高く、天井に打ち付けられているカーテンレールを越えてしまいそうなほどの身長だった。
ゆうに2メートル以上はある。これは人間の影じゃない。
すると影はゆっくりと左右に揺れ動き始めた。
ひょろよろとした影はうねうねと身をくねらせながらどんどん伸びていき、その頭の部分が天井にあるカーテンレールの留め金にたどり着いた。
影は留め金と天井の隙間から、赤くて大きな目でこちらをじっと見ていた。
次の瞬間、ベッドの周りを覆っていたカーテンが一瞬にして開いた。
そして、カーテンが開くと同時に影は消えていた。
「来たよ」
さくらの耳元で突殿声がした。
「来てくれないから、来たよ」
その声の主は子供のようだった。
というのは、ベッドから見えているのは頭だけで、その体はベッドの下に隠れて見えなかった。
身長は1メートルほどだが、子供の顔は見えない。
何故かというと、頭には医者が手術の時にかぶるメディカルキャップと、顔が全部隠れるほどの大きなマスクを着けていたから。
メディカルキャップとマスクの間から辛うじて赤い目だけが見えていた。白目と黒目というものがなく、眼球自体が赤かった。
「君は貧血だね」
「はい」と答えてしまうさくら。
その時さくら、子供の顔がおかしいことに気付く。
まるで、鼻と口をつかんで引き延ばしたというか、犬やキツネのように尖った顔がマスクの上から見てもわかった。
「貧血には血が必要だね。それでは輸血をしましょう。カエルとネズミ、どっちがいいですか?」
言葉の意味の恐ろしさを察したさくらは、声を出すことのできないため、ただただ首を振り抵抗した。
「それではネズミにしましょう」
そう要ったが早いがスタンドの輸血バッグを引っ掛けるフックに、巨大な透明なポリ袋がひっかけられた。
その中には何十匹という生きたネズミが押し詰められ、逃げ出そうと必死でもがいていた。
「輸血は生きのいい血に限ります」
そう言いながら、赤い目の子供はポリ袋の上からネズミを1匹ずつ握りつぶしていった。
「こんなに生きのいい血を輸血してもらえるなんて、君は本当に幸せ者だね」
そしてポリ袋の底に貼り付けられた、まるでゴムホースにように太い筒の先をさくらにチラつかせた。
筒の先には、のこぎりの歯のようなトゲがびっしりと生えている。
そしてその刃が左腕に突き刺さり血管にねじ込まれた瞬間、あまりの痛みにさくらは気を失ってしまった。
「さくらさん、大丈夫?」
さくらは、葛城先生の声で目が覚めた。
先生の顔を見た途端、さくらは大声をあげて泣き出した。
葛城先生は、さくらを落ち着かせて何があったのか話を聞き、口を開いた。
その保健室では、昔ある事件がおきた。
いつもいじめられいる女子生徒がいて、彼女はいじめっ子たちから逃げるためによく保健室を利用していた。
しかし、保健室の先生が外出している隙を見計らって、いじめっ子たちは彼女にネズミはカエルを食べさせるひといいじめをしていた。
いじめられた彼女は、喉にネズミを詰まらせて死んでしまった。
それが起きたのがちょうど今日のことで、その日は彼女の命日としていまだに一部の関係者は彼女の魂を偲んで弔い慎んでいる。
さくらは、たまたまその日に保健室に来てしまい、奇妙な体験をしてしまった。
ちなみにこの体験をしたのさくらは、倉田の知り合いの姉で、今はすっかり元気になってOLをしている。
なんでも、この奇妙な体験をしてからというもの、ネズミの血のおかげか、貧血が治ったとのこと。
ただ貧血が治った代わり、さくらはネズミはカエルを見ると「おいしそう」と言って、赤い舌をチロチロとのぞかせている。
倉田は、この事件が事実かどうかを調べてみたら、本当にあった。
いじめっ子グループは、学校側の調査の結果、いじめはなかったと判断されて何の罪にも問われたかった。
それから1カ月と経たないうちに、いじめっ子グループのメンバー全員が、保健室で大量の睡眠薬を飲んで集団自殺を図った。ヘッドの上で仰向けになって、まるで眠るように死んでいたらしいが、学校側はひたすら隠して表沙汰にはならなかった。
いじめられて亡くなった被害者の名前は、葛城聡子。
葛城っていうのは、現在調査中とのこと。
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エンディング№363:カエルですか?ネズミですか?
キャラクター図鑑 5/112 達成率 4%
坂上修一
日野貞夫
倉田恵美
松原さくら
葛城美和
イラストギャラリー 3/272 達成度1%
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