今日の星影の館殺人事件はどうかな?
調べる→血痕
頭から流れ出した血液が、緑の絨毯を赤く染め上げている。
血は黒ずみ、表面が乾燥している。出血から数時間は経過しているようだ。
血痕にはケガを負った際に飛び散ったであろう肉と頭蓋骨の一部が混じっている。
アナタ「ざっとこんなものか。
被害者は頭部に外傷を負い死亡した。
扉と窓は施錠されており現場は完全に密室。
被害者が抵抗した痕跡も、犯人と争った形跡もない。
部屋の中には凶器と思わしきものもなし。
部屋の情報だけを見れば、自殺や事故死を想定してもおかしくない。・・・が、遺体の情報だけみれば、それらの可能性は限りなくゼロに近づき、今度は事件性が高まる。
実に謎の多い事件だ」
アナタ(灯君の言うように殺人事件ならば、持ち去られた凶器を探し、密室の謎を解かなければ)
QUESTION №07
密室の謎:扉と窓は施錠されており、現場は完全に密室状態だった。犯人はどこから部屋に侵入し、どうやって立ち去ったのだろう。この謎を解き明かさなければ、事故死の線を覆すことはできない。
アナタ(そして、何より重要なのは・・・)
QUESTION №08
殺人事件の犯人は?:被害者の外傷には荒々しい殺意が見られるが、完ぺきな密室から冷静な計画性がうかがえる。現場には、無数の謎が残されており、犯人像が見えてこない。
アナタ(最後に現場の見取り図を作成しておこう)
Fileに上面図が追加!
アナタ「今得られる情報はこれくらいだろう。
遺体に毛布を掛けて灯君を呼ぶとするか」
アナタ「灯君、この現場は事件発覚当初から誰も何もいじくっていないだろうね?」
灯「はい、私が外出するまで、この部屋の前でうずくまっておりましたから。なので、ここは誰も出入りできない状況でした」
アナタ「君が僕を探しに行った後は?」
灯「信用できる使用人に部屋の前で見張ってもらっていましたので、大丈夫だと思います」
アナタ「では、こちらの扉はどこへつながっているのかな?」
灯「研究室です。聡お兄様は研究家でしたから」
アナタ「一体何の研究を?」
灯「なんと説明したらいいのか・・・
あっ!すみませんでした、探偵様。この家にお招きするのに同行もでず・・・」
アナタ「それは構わないけど、急にどうしたんだ?」
灯「ここにいらっしゃるまでの道中、何もありませんでしたか?」
アナタ「道を外れた奥から『助けて』と声を掛けられたな。いろいろと思うところがあり、返答しないでおいたが」
灯「そうですか、良かった。今後もぜひそのようにしてください」
アナタ「あの声について何やら秘密があるようだね」
灯「実はあのモノたちは、人の声を喰らうのです。
喰ったものの声を模倣して、新たな獲物を呼び寄せる生き物なのです」
アナタ「そんな生き物がいるなんて、聞いたことない」
灯「はい、やつはこの佐比山にのみ生息する・・・」
突然轟音が響き渡る。
アナタ「なんだ!」
灯「兄です。こんな非常時にどこに行ったのかと思っていましたが、憂さ晴らしに山の中に狩猟に出ていたようです」
アナタ「そういえば山守の男たちは市から狩りを命じられている、と言っていたね」
灯「はい、この山にだけ生息するコワバミドリを駆除するのが、山守の男の仕事です。
声を食む鳥と書いてコワバミドリと読みます」
アナタ「まさか、それがさっき僕に助けを求めてきて声の主だというのか」
灯「間違いありません。コワバミドリは人の腰丈ぐらいの大きさで、するどいくちばしを持っています。例の習性から、別名『子を呼ぶ親』とも呼ばれている、とてもおそろしい怪鳥なんです。
探偵様、実は兄や家の者は今回の事件はウワバミドリの仕業だと思っているんです」
アナタ「そいつがどうやって家の中にいる被害者を?」
灯「奇妙なことに私たちがこの部屋に突入した時に、くちばしを血で濡らした1羽のコワバミドリが部屋の中に立っていたのです」
アナタ「そのトリは今どこに?」
灯「扉を蹴破った音に驚いて、廊下へ逃げていきました。
上の兄が、ヤツが聡お兄様を殺したのだと激高し、猟銃を持って来て射殺したんです」
アナタ「そっちの現場もみせてもらおうか」
次の記事:5本目の黄色の鍵
この記事にコメントする
- HOME -