今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井を選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢を選択→シナリオ:彼と彼女の秘密→福沢エンディング№23~28
1人目:岩下エンディング№02:二人だけの世界
→2人目:新堂エンディング№03:六本の右足
→3人目:風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
→4人目:細田エンディング№01:イラつく奴
→5人目:荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
→6人目:福沢エンディング№23:彼女は悪魔だった
→7人目のシナリオ包帯の女→特殊七話目№38・39を見る
3週目開始!
1人目は新堂誠を選択→シナリオ:痛みを感じない男→新堂エンディング№11~15
2人目は荒井昭二を選択→シナリオ:呪いのヒトガタ→荒井エンディング№14・15
3人目は、風間望を選択→シナリオ:呪いのコッペッパン→風間エンディング№4・5
4人目は福沢玲子を選択!
福沢玲子は1年G組の生徒。
「突然だけど、坂上君って宗教はなんなの?」
- 親と一緒
- あまり人に言いたくない→シナリオ:彼と彼女の秘密
- 無神論者→岩下の話を聞いている場合はシナリオ:愛と友情の狭間
- 違う話を聞きたい
シナリオ:追いかけてヒトシくん
この学園にはヒトシ君って可愛い名前の妖怪がいる。
ヒトシ君は授業が終わった放課後、廊下に薄暗く夕日が差し込んできた時間に出没する。
何気なく廊下を歩いていると「待ってよぉ、待ってよぉ」と、いかにも切実そうな声とともに、その小さな妖怪は現れる。
ヒトシ君はいつも何か追いかけているが、結局何を追いかけているのかはわからない。
「待ってよぉ、待ってよぉ」
その時、決して言ってはいけない言葉がある。
「ヒトシくんを待ってあげて!」
この言葉を言った人は、ヒトシ君に守護霊様を食べられて、不幸になってしまうそうだ。
ヒトシ君の話は、OLをしている福沢の姉から聞いたそうだ。
福沢の姉はここの卒業生で、現役の時からヒトシ君の噂は広まっていた。
姉とすごく仲が良かった友達の霧島が、ヒトシ君に会った。
霧島は、怖い話にもそれなり興味がある人だった。
「坂上君って、ホラーが好きな子とか興味がある?」
「へえ、興味あるんだ。霧島さんも喜んでくれてると思うよ。でも、残念なことに、その時にはもう彼氏がいたんだよね」
霧島の彼氏は西尾といって、いつも二人は一緒にいて、クラスでは有名なカップルだった。
ある時、二人の間でヒトシ君の話題になったが、西尾は、霊とか妖怪とかの類は信じない人で、鼻で笑い飛ばした。
「でも、一度会ってみたいな。
西尾君だって、河童や宇宙人に会えたらいいなって、思ったことない?」
「ガキの頃はな。でもよー、もうそんな歳じゃねえし」
「もしもの話だよ。
本当にヒトシ君に会えたとしたら、どうする?」
「ちょっとからかってみてぇな。本物のガキだったら大人げないけど、妖怪だったら全然かまわないだろ」
「なるほどね。小学生くらいの男の子を見ると、ちょっといじめたくなるっていうか」
西尾は運動部に入っており、部活がある日は霧島は放課後は図書室で時間を潰して、部活が終わった西尾が迎えに来て、一緒に帰っていた。
ある日の放課後、部活の終わった西尾と、霧島は一緒に図書館を出て、薄暗い廊下を歩いていた。
「ヒトシ君、出るなら今くらいの時間だね」
そんなことを話しながら、二人が昇降口へ進むと、「待ってよぉ、待ってよぉ」と、唐突な声が聞こえて来た。
二人はいっせーので振り返ると、小さな男の子の姿を見つけた。
「ヒトシ君だ・・・
どうする?」
「そういや、言っちゃいけない言葉があるんじゃなかったか?」
「それを言うと、守護霊様を食べられて、不幸になっちゃうんだってさ」
二人は『ヒトシ君を待ってあげて』という言葉を口にしなれけば無害なんだ、と思ったらリラックスできた。
「待ってよぉ、待ってよぉ」
ヒトシ君は繰り返し言いながら、ゆっくりと二人の側を通り抜けていく。
「西尾君って、ヒトシ君を見たら、からかってやりたい、って言ってたよね」
「いっちょやってやるか!妖怪をからかうなんて、この世で俺くらいのもんだ」
西尾はニヤニヤ笑いながらヒトシ君の隣に並んで言った。
「父ちゃんと母ちゃんはどうした?」
ヒトシ君は西尾の方を振り返ったが、これといった反応を見せないで、歩き続けた。
「ひょっとして捨て子の霊なのかな?あはは、可愛そうね」
霧島も参加して、意地悪なことを言いだした。
ヒトシ君が答えないので、二人はだんだん腹が立ってきた。
「無視すんじゃねーぞ!
こんなとこぶらついてないで、さっさと帰んな!」
「本当に守護霊を食べちゃうような力があるの?
こんなにちっこい体なんだもん」
「けっ、妖怪なんざ怖くねえぞ!」
「私だって怖くないよ!」
「うるさい・・・」
ボソっとヒトシ君が口にした。
「なんだって?」
「うっせーって、言ってるんだよ!」
次の瞬間、霧島は温かいシャワーを浴びた。
目の前が真っ赤に染まった。シャワーの蛇口は、西尾の首の断面・・・
ゴトリと恋人の首が足元に落ちると、悲鳴を上げた霧島は魂が抜けたように血の池にへたり込んだ。
「ワシをバカにするなんて・・・」
そう言って、ヒトシ君を霧島に向き直った。
翌日、二人の首なし死体が廊下で見つかった。そこら中が血だらけで、ものすごい騒ぎになった。
最初は変質者の仕業だと考えられていたが、そのすぐ後に両手に男女の首を持ったヒトシ君が目撃された。
その時のヒトシ君の表情が印象的だったそうだ。子供らしい邪悪さっていうか、人間を殺すのなんてどうも思ってないというような・・・
「そういうわけで、ヒトシ君に会ったら、絶対に馬鹿にしちゃいけないの。
いくら子供でも恐ろしい妖怪だからね」
福沢エンディング№14:間違った解釈
CGギャラリー 33/124(70:首を切られて)
今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
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1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
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4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
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5人目は荒井を選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢を選択→シナリオ:彼と彼女の秘密→福沢エンディング№23~28
1人目:岩下エンディング№02:二人だけの世界
→2人目:新堂エンディング№03:六本の右足
→3人目:風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
→4人目:細田エンディング№01:イラつく奴
→5人目:荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
→6人目:福沢エンディング№23:彼女は悪魔だった
→7人目のシナリオ包帯の女→特殊七話目№38・39を見る
3週目開始!
1人目は新堂誠を選択→シナリオ:痛みを感じない男→新堂エンディング№11~15
2人目は荒井昭二を選択→シナリオ:呪いのヒトガタ→荒井エンディング№14・15
3人目は、風間望を選択→シナリオ:呪いのコッペッパン→風間エンディング№4・5
4人目は福沢玲子を選択!
福沢玲子は1年G組の生徒。
「突然だけど、坂上君って宗教はなんなの?」
- 親と一緒
- あまり人に言いたくない→シナリオ:彼と彼女の秘密
- 無神論者→岩下の話を聞いている場合はシナリオ:愛と友情の狭間
- 違う話を聞きたい
シナリオ:追いかけてヒトシくん
この学園にはヒトシ君って可愛い名前の妖怪がいる。
ヒトシ君は授業が終わった放課後、廊下に薄暗く夕日が差し込んできた時間に出没する。
何気なく廊下を歩いていると「待ってよぉ、待ってよぉ」と、いかにも切実そうな声とともに、その小さな妖怪は現れる。
ヒトシ君はいつも何か追いかけているが、結局何を追いかけているのかはわからない。
「待ってよぉ、待ってよぉ」
その時、決して言ってはいけない言葉がある。
「ヒトシくんを待ってあげて!」
この言葉を言った人は、ヒトシ君に守護霊様を食べられて、不幸になってしまうそうだ。
ヒトシ君の話は、OLをしている福沢の姉から聞いたそうだ。
福沢の姉はここの卒業生で、現役の時からヒトシ君の噂は広まっていた。
姉とすごく仲が良かった友達の霧島が、ヒトシ君に会った。
霧島は、怖い話にもそれなり興味がある人だった。
「坂上君って、ホラーが好きな子とか興味がある?」
- 別に興味ない
- 普通
- 興味ある
- どうでもいい
霧島は自分からヒトシ君を見ようとしていた。
なんでも、噂を聞いた聞いたその日から、1日と欠かさず放課後の廊下を歩いてヒトシ君を待ち構えていたそうだ。
ヒトシ君に会いたい、という一心でひたすら待っていた。まあ、見るだけなら身の危険はないだろう、と思っていた節もあった。
「霧島さん、今日も残るの?」
クラスメイトにそう聞かれた霧島は、笑顔で答えた。
「もちろんだよ!今日こそ見つけてやるんだから」
「そう言って、、もうどれくらい経っているのよ」
「大丈夫、世の中努力が報われるようにできてるんだから」
「あーあ、今日もまた会えないのかな」
霧島は呑気なことを言いながら、校舎中を行ったり来たりしていた。
やがて、だいぶ西日が傾くようになって、そろそろ今日も打ち切りかな、とため息をついたちょうどその時だった。
「待ってよぉ、待ってよぉ」
噂通りの声を耳にした霧島は、高鳴る心臓を抑えながら、慎重に背後を振り向いた。
そこには小さな男の子が立っていた。
霧島は、これがヒトシ君に間違いないと直感した。
やっと出会えた、これで苦労が報われる、友達に自慢できる、と霧島は喜びを爆発させた。
ヒトシ君は興奮する霧島にはお構いなしにとぼとぼと歩いている。
霧島は、「ヒトシ君を待ってあげて!」という禁止ワード以外なら、何を言ってもいいと思い、どんな風に声をかけようかと迷った。
そうこうしているうちに、ヒトシ君は廊下の向こうへ歩いて行ったので、霧島はごく自然に「待ってよぉ」と口にした。
するとギョロっとした目でヒトシ君が振り向いた。
霧島は、あまりの怖さに金縛りになってしまった。
そして、ヒトシ君は動けない霧島に向かってゆっくりと近づいて行った。
「お姉ちゃんも僕みたいになりたいんだね?」
そう言って、ヒトシ君は思いっきり飛び掛かって来た。
その翌日、霧島が家に帰っていなくて行方不明になったと学校では大騒ぎになった。
でも、教室には荷物が置かれていて、下駄箱には靴も残っていた。
それで人々は、口々に囁き合った。
「昨日もヒトシ君を探していたんだよね。もしかして、ヒトシ君に殺されちゃったとか」
「それはありえなくない。下手しても不幸になるだけでしょ?」
「そんな妖怪信じてないで、現実的に考えようぜ」
「でも、靴も荷物も置いたままで、絶対普通じゃないだろ」
ああたこうだクラスメイトたちは言い合ったが、結局真実はわかならかった。
それから数日経っても、霧島は発見されなかった。
警察も捜査したが手がかりは全然なかった。
まさに神隠しに遭ったみたいに、忽然と霧島は消えてしまった。
けど、彼女を探すこと諦めない人もした。
霧島のクラスの男子生徒が、連日学校に残っていた。
ヒトシ君が事件の鍵を握っているに違いない、と彼は思い、危険だけど会ってみる価値はある、と考えた。
とにかく、彼は納得できるまで探そうと、根気よく放課後の廊下を歩き回った。
そして、その声が聞こえて来た。
「待ってよぉ、待ってよぉ」
しかし噂に聞く男の声ではなく、女の子の声だった。
彼はおそるおそる振り向いてみたら、予想もしないものを見てしまった。
紛れもなく、霧島だった。正確には、ヒトシ君になってしまった霧島だった。
「待ってよぉ、待ってよぉ」
ボロボロの髪をして、ボロボロの制服を着た彼女は、ひどく悲しい顔をしながらそればかりを繰り返していた。
その男子生徒は、さっさと逃げ出したおかげで難を逃れることができた。
霧島は、ヒトシ君に『待ってよぉ』と言ったせいで、自分も妖怪にされてしまった。
女の子なのにヒトシ君っていうのはおかしいけど、種族としての名前と考えればいい。
その日から、小さな男の子とは別に、女子学生のヒトシ君が現れるっていう、新しい怪談ができた。
「言っちゃいけない言葉は『ヒトシくんを待ってあげて!』と『待ってよぉ』の2つね」
福沢エンディング13:二人目のヒトシ君
CGギャラリー 32/124(69:あたらしいヒトシくん)
シナリオ:最終話:追いかけて修一くん
話を終えた福沢は、坂上に声をかける。
「あ~あ、何だか喋ったら喉乾いてきちゃった。
坂上君、こういう時は、僕が何か買ってきましょうか?って言わなくっちゃ」
「分かりました。買いに行ってきますよ」
福沢が言ったのを皮切りに、他の語り部も坂上に注文をしてきたので、慌てて坂上はメモをとった。
坂上は語り部のみんなに軽くお辞儀をすると、新聞部を出て購買の近くにある自販機に向かった。
部室を出ると、夕闇が迫っていた。
「待ってよぉ」
慌てて振り返ったが、声のした廊下は夕闇に飲まれ、先の方は暗くてよくわからない。
「待ってよぉ」
声と共に誰かが廊下の奥から誰かが近づいてくる気配がする。
廊下の奥から現れたのは、ボロボロの髪をして、ボロボロの制服を着た女子生徒だった。
(彼女が福沢さんが言っていた『ヒトシくん』なのか?)
唖然とする坂上の前を彼女はそのまま通り過ぎていく。
「ま、待ってよぉ!」
思わず口にしてしまったその言葉は、福沢が言っていたヒトシ君に言ってはいけない言葉・・・
「お兄ちゃん」
誰もいないはずの背後から声が聞こえた。
「お兄ちゃんも、僕みたいになりたいんだね?」
(僕はこれから学園の怪異の存在となるのだろう。3人目のヒトシ君として・・・)
最終話追加エンディング02:バッドエンディング 追いかけて修一君
今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井を選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢を選択→シナリオ:彼と彼女の秘密→福沢エンディング№23~28
1人目:岩下エンディング№02:二人だけの世界
→2人目:新堂エンディング№03:六本の右足
→3人目:風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
→4人目:細田エンディング№01:イラつく奴
→5人目:荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
→6人目:福沢エンディング№23:彼女は悪魔だった
→7人目のシナリオ包帯の女→特殊七話目№38・39を見る
3週目開始!
1人目は新堂誠を選択→シナリオ:痛みを感じない男→新堂エンディング№11~15
2人目は荒井昭二を選択→シナリオ:呪いのヒトガタ→荒井エンディング№14・15
3人目は、風間望を選択→シナリオ:呪いのコッペッパン→風間エンディング№4・5
4人目は福沢玲子を選択!
福沢玲子は1年G組の生徒。
「突然だけど、坂上君って宗教はなんなの?」
- 親と一緒
- あまり人に言いたくない→シナリオ:彼と彼女の秘密
- 無神論者→岩下の話を聞いている場合はシナリオ:愛と友情の狭間
- 違う話を聞きたい
シナリオ:追いかけてヒトシくん
この学園にはヒトシ君って可愛い名前の妖怪がいる。
ヒトシ君は授業が終わった放課後、廊下に薄暗く夕日が差し込んできた時間に出没する。
何気なく廊下を歩いていると「待ってよぉ、待ってよぉ」と、いかにも切実そうな声とともに、その小さな妖怪は現れる。
ヒトシ君はいつも何か追いかけているが、結局何を追いかけているのかはわからない。
「待ってよぉ、待ってよぉ」
その時、決して言ってはいけない言葉がある。
「ヒトシくんを待ってあげて!」
この言葉を言った人は、ヒトシ君に守護霊様を食べられて、不幸になってしまうそうだ。
ヒトシ君の話は、OLをしている福沢の姉から聞いたそうだ。
福沢の姉はここの卒業生で、現役の時からヒトシ君の噂は広まっていた。
姉とすごく仲が良かった友達の霧島が、ヒトシ君に会った。
霧島は、怖い話にもそれなり興味がある人だった。
「坂上君って、ホラーが好きな子とか興味がある?」
- 別に興味ない
- 普通
- 興味ある
- どうでもいい
その日、霧島は一人で図書館で調べものをしていた。
調べものは思ったより時間がかかり、終わった頃には周囲はだいぶ薄暗くなっていた。
霧島はなんとなく不安になりながら、昇降口へ急いだ。
「待ってよぉ、待ってよぉ」
かすかに男の子が聞こえて来た。
振り返ると、いつの間にか小柄な男の子いた。
「まさか、ヒトシ君・・・」
ヒトシ君は霧島に気づくことなく、そこらへんを行ったり来たりしながら、「待ってよぉ、待ってよぉ」と繰り返し言っていた。
迷子がうろうろしているように様子に、霧島は思わず声を掛けたい衝動に駆られてしまった。
霧島は言ってはいけない言葉は知っていたが、思わず、「ヒトシ君を待ってあげて!」と言ってしまった。
その途端、ヒトシ君の体が何倍も大きくなり、不快な叫び声を上げた。変貌した彼の形相は、完全な妖怪のものだった。
霧島は逃げ出そうとしたが、あっという間に追いつかれて、捕まってしまった。
次の瞬間、何かに喰いつかれたような感触がしたが、痛みはない代わりに、大切なものを失うような苦しさに襲われて、失神してしまう・・・
霧島の目が覚めると、そこは同じ廊下で、ヒトシ君の姿はなかった。
これといって体に異常はなかったが、心は不安でいっぱいだった。
「守護霊様を食べられちゃったの?」
霧島は廊下をとぼとぼと歩き出した。
そして、階段を下りようとすると、足元にプリントが落ちていて、霧島は足を滑らせた。
その時は軽い怪我が済んだけど、霧島はことあるごとに大変は目に遭うようになった。
今でもしょっちゅう事故にあったり、落とし物をしたり、失敗したり。
そんなもんだから、不幸が移ると周囲も避けて、友達もほとんどできない。
幸い、命に関わるような大怪我とかはないが、この先何十年と生きていく中わからない。
「坂上君、ヒトシ君に出会ったら、絶対に例の言葉、言っちゃダメだよ」
福沢エンディング12:不幸に恵まれて
CGギャラリー:31/124
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1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井を選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢を選択→シナリオ:彼と彼女の秘密→福沢エンディング№23~28
1人目:岩下エンディング№02:二人だけの世界
→2人目:新堂エンディング№03:六本の右足
→3人目:風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
→4人目:細田エンディング№01:イラつく奴
→5人目:荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
→6人目:福沢エンディング№23:彼女は悪魔だった
→7人目のシナリオ包帯の女→特殊七話目№38・39を見る
3週目開始!
1人目は新堂誠を選択→シナリオ:痛みを感じない男→新堂エンディング№11~15
2人目は荒井昭二を選択→シナリオ:呪いのヒトガタ→荒井エンディング№14・15
3人目は、風間望を選択!
風間望は3年生。
いきなり500円を要求してくる。
- は?
- (1人目か3人目)お金、持っていないんですけれど
- 10円ならありますが
- 500円硬貨でいいですか?→岩下と福沢の話を聞いていない場合は、風間エンディング№10:五百円硬貨
- 日野先輩からもらってください
- 持っていても渡しません→風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
シナリオ:呪いのコッペッパン開始!
ここ鳴神学園には購買部があり、お昼ともなると食堂に行く金のない貧乏学生がいっせいに集まってくる。
その時はまさに戦場で、自分が食べたいパンを買うために我先に押しかけてくる。
もし、遅れたらコッペパンしか残っていない。安くてまずいとの評判なので、みんなコッペパだけは買うまいと必死だった。
でも一人だけコッペパンを買う生徒がいた。山田茂吉という名前で、学園でもとびきりの貧乏人として有名だった。
彼は、毎日購買部でコッペパンを3つづつ買っていた。
「理由はわかるかい?」
- 1日3食分を買うため
- お昼を安上がりにするため
- それしか置いてないから
- さあ?
山田のクラスには久留米弘子という子がおり、彼女は貧乏人が嫌いだった。
久留米は毎日教室の隅でコッペパンを食べている山田がとても嫌だった。貧乏そうな彼を見ているとこっちの気持ちまで貧乏になってくる。
「もうコッペパンを食べるのをやめてくれる?」
「どうして?コッペパンはおいしいよ」
「私が嫌なの!恵んであげるから、食堂に行ってランチでも食べてらっしゃいな」
「僕は貧乏じゃないよ。こんなお金いらない。僕はコッペパンが好きだから食べているんだ。それに僕は君に迷惑をかけていないだろ」
「迷惑よ。私の生活空間に、そんな貧乏くさいものを食べている奴が入って来るだけでも嫌なの」
「じゃあ、僕の事を視界に入れなければいいじゃないか」
久留米は、山田がお金を受け取らなかったので余計に怒って、思い切った行動に出た。
久留米は、購買部にあったコッペパンを全部買い占めたのだ。それも毎日続けた。
だから山田が購買部に行っても、いつもコッペパンは売り切れ。
大好きなコッペパンが食べられなくなり、山田は昼の教室でぼーっとしていた。
「最近、コッペパン食べないのね」
「ああ、いつ行っても売り切れなんだ。早めに行っても売り切れてるんだよ。最近、人気があるみたいなんだ」
ある日の昼休み、いつものように山田がコッペパンを買えずに席でぼーっと座っていると、久留米がやって来てこう言った。
「これ、売ってあげてもいいけど。ひとつ1万円、みっつで3万円。どう?」
「そんな・・・」
「あんた、貧乏じゃないって言ったじゃない。だったら払ってみなさいよ」
「・・・」
「貧乏人風情が粋がってんじゃないわよ!」
山田はコッペパンが買えず、その後学校へ来なくなってしまった。
「これで、あいつの顔を見なくてすむ。清々したわ」
その後、山田が餓死したっていう噂が久留米の耳に飛び込んできた。
それでも、久留米はちっとも悪気は感じなかった。山田が死んだのは貧乏だったからで、自分には責任はないと思っていた。
その後、久留米に異変が起きた。
ある日、彼女がお弁当を食べていると、いきなり口にしたハンバーグを吐き出した。
「まずい!このハンバーグ、腐っているの?」
彼女はいろんなものを口に入れたが、どれもこれも同じ味だった。そう、何を食べてもコッペパンの味だった。
「なんでコッペパンの味しかしないのよ!まさか、あいつの呪い?」
彼女は何を食べてもコッペパンを食べているようで、次第に食べ物を受け付けなくなって、痩せ細っていった。
そんなある日、久留米が購買部を通りかかったら、とてもいい匂いに出会った。
彼女は、コッペパンを買った。彼女にはコッペパンがとても芳しい匂いだと感じたのだ。
「おいしい、コッペパンってこんなにおいしいものだったの」
それはもう至福の美味しさだった。
というわけで、それ以来久留米はコッペパンしか食べられなくなり、ついた渾名がヒロコッペ。
「坂上君、君は貧乏なんだろ?さあ、胸を張って『貧乏万歳』と言いたまえ」
- 貧乏じゃないです→風間エンディング№04:ヒロコッペ
- 貧乏万歳
そう言って、風間は坂上に抱きついてきた。
「キミとなら真実の友になれそうだ。実はボク、貧乏なんだ。
これからも色々と仲良くしようじゃないか。あっはっは」
風間エンディング№05:お仲間
CGギャラリー:31/124
今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
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3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井を選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢を選択→シナリオ:彼と彼女の秘密→福沢エンディング№23~28
1人目:岩下エンディング№02:二人だけの世界
→2人目:新堂エンディング№03:六本の右足
→3人目:風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
→4人目:細田エンディング№01:イラつく奴
→5人目:荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
→6人目:福沢エンディング№23:彼女は悪魔だった
→7人目のシナリオ包帯の女→特殊七話目№38・39を見る
3週目開始!
1人目は新堂誠を選択→シナリオ:痛みを感じない男→新堂エンディング№11~15
2人目は荒井昭二を選択→シナリオ:呪いのヒトガタ→荒井エンディング№14・15
3人目は、風間望を選択!
風間望は3年生。
いきなり500円を要求してくる。
- は?
- (1人目か3人目)お金、持っていないんですけれど
- 10円ならありますが
- 500円硬貨でいいですか?→岩下と福沢の話を聞いていない場合は、風間エンディング№10:五百円硬貨
- 日野先輩からもらってください
- 持っていても渡しません→風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
シナリオ:呪いのコッペッパン開始!
ここ鳴神学園には購買部があり、お昼ともなると食堂に行く金のない貧乏学生がいっせいに集まってくる。
その時はまさに戦場で、自分が食べたいパンを買うために我先に押しかけてくる。
もし、遅れたらコッペパンしか残っていない。安くてまずいとの評判なので、みんなコッペパだけは買うまいと必死だった。
でも一人だけコッペパンを買う生徒がいた。山田茂吉という名前で、学園でもとびきりの貧乏人として有名だった。
彼は、毎日購買部でコッペパンを3つづつ買っていた。
「理由はわかるかい?」
- 1日3食分を買うため→「その通りだよ。本当にキミは心の底から貧乏人だったってわけだね」
- お昼を安上がりにするため→「君はコッペパンが好きなのかい?なるほど、自分が貧乏だと認めたわけだ」
- それしか置いてないから→「貧乏人は考えが浅はかというけど、キミもそうなのか」
- さあ?→「会話のキャッチボールができてないじゃないか」
久留米は毎日教室の隅でコッペパンを食べている山田がとても嫌だった。貧乏そうな彼を見ているとこっちの気持ちまで貧乏になってくる。
「もうコッペパンを食べるのをやめてくれる?」
「どうして?コッペパンはおいしいよ」
「私が嫌なの!恵んであげるから、食堂に行ってランチでも食べてらっしゃいな」
「僕は貧乏じゃないよ。こんなお金いらない。僕はコッペパンが好きだから食べているんだ。それに僕は君に迷惑をかけていないだろ」
「迷惑よ。私の生活空間に、そんな貧乏くさいものを食べている奴が入って来るだけでも嫌なの」
「じゃあ、僕の事を視界に入れなければいいじゃないか」
久留米は、山田がお金を受け取らなかったので余計に怒って、思い切った行動に出た。
久留米は、購買部にあったコッペパンを全部買い占めたのだ。それも毎日続けた。
だから山田が購買部に行っても、いつもコッペパンは売り切れ。
大好きなコッペパンが食べられなくなり、山田は昼の教室でぼーっとしていた。
「最近、コッペパン食べないのね」
「ああ、いつ行っても売り切れなんだ。早めに行っても売り切れてるんだよ。最近、人気があるみたいなんだ」
ある日の昼休み、いつものように山田がコッペパンを買えずに席でぼーっと座っていると、久留米がやって来てこう言った。
「これ、売ってあげてもいいけど。ひとつ1万円、みっつで3万円。どう?」
「そんな・・・」
「あんた、貧乏じゃないって言ったじゃない。だったら払ってみなさいよ」
「・・・」
「貧乏人風情が粋がってんじゃないわよ!」
山田はコッペパンが買えず、その後学校へ来なくなってしまった。
「これで、あいつの顔を見なくてすむ。清々したわ」
その後、山田が餓死したっていう噂が久留米の耳に飛び込んできた。
それでも、久留米はちっとも悪気は感じなかった。山田が死んだのは貧乏だったからで、自分には責任はないと思っていた。
その後、久留米に異変が起きた。
ある日、彼女がお弁当を食べていると、いきなり口にしたハンバーグを吐き出した。
「まずい!このハンバーグ、腐っているの?」
彼女はいろんなものを口に入れたが、どれもこれも同じ味だった。そう、何を食べてもコッペパンの味だった。
「なんでコッペパンの味しかしないのよ!まさか、あいつの呪い?」
彼女は何を食べてもコッペパンを食べているようで、次第に食べ物を受け付けなくなって、痩せ細っていった。
そんなある日、久留米が購買部を通りかかったら、とてもいい匂いに出会った。
彼女は、コッペパンを買った。彼女にはコッペパンがとても芳しい匂いだと感じたのだ。
「おいしい、コッペパンってこんなにおいしいものだったの」
それはもう至福の美味しさだった。
というわけで、それ以来久留米はコッペパンしか食べられなくなり、ついた渾名がヒロコッペ。
「坂上君、君は貧乏なんだろ?さあ、胸を張って『貧乏万歳』と言いたまえ」
- 貧乏じゃないです
- 貧乏万歳
坂上は、風間とこれ以上話をしても無駄だと思ったし、この話を壁新聞に載せてもいいものかどうかと思い始める・・・
風間エンディング№04:ヒロッペ
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今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井を選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢を選択→シナリオ:彼と彼女の秘密→福沢エンディング№23~28
1人目:岩下エンディング№02:二人だけの世界
→2人目:新堂エンディング№03:六本の右足
→3人目:風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
→4人目:細田エンディング№01:イラつく奴
→5人目:荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
→6人目:福沢エンディング№23:彼女は悪魔だった
→7人目のシナリオ包帯の女→特殊七話目№38・39を見る
3週目開始!
1人目は新堂誠を選択→シナリオ:痛みを感じない男→新堂エンディング№11~15
2人目は荒井昭二を選択!
2年B組の荒井昭二が「怖い話が好きなんですか?」と聞いてきた。
- 好き
- 人並程度
- 嫌い
ところで、あなたはどうして鳴神学園を選んだのですか?」
- 自分の意思で
- 親の意思で→シナリオ:誕生日プレゼント
- 設備のよさです
- 答えたくありません
- 美人が多いからです
- 教師陣がすぐれているからです
- 友達を作りたかったからです→シナリオ:ゲーマーの条件
校風として生徒の交友に学校は口を挟んだりしませんから、カップル成立もそこそこ高い。そう踏まえれば、そこから恋人を探すために学園に入学する生徒がいてもおかしくはありませんね。
では、あなたには恋人同士に起きた話をしましょう」
シナリオ:呪いのヒトガタ
荒井が1年生の時、同じクラスに門倉陽司と弘前歩美という一組のカップルがいた。
彼らは新学期早々、周囲に恋人宣言をすると、人目をはばからずいちゃいちゃしだした。
彼らは授業中でも構わずおしゃべりをし、休み時間ともなればずっとべったりくっついていた。
「坂上君、あなたはこんな人たちをどう思いますか?」
- 鬱陶しい→「僕も本当に同感です」
- 羨ましい→「あなたもそういう人種なのですか?」
- 仲を裂いてやりたい→「あなたも随分と子供っぽいところがおありなのですね」
2人の様子を見かねて注意する教師も多かったが、門倉たちは聞く耳を持たなかった。
中には2人の勉強の遅れを心配して、真剣に話をしようとしていた先生もいた。それはクラスの担任の塚本明だった。
しかし、2人は、塚本が独身だから妬いている、と馬鹿にして相手にしなかった。
塚本先生は責任感溢れる教師だったので、2人と話しても埒が明かないと考え、ある日彼らの保護者を学校へ呼び出して話し合いをした。
門倉と弘前の両親は学校での2人の姿を知り、2人を叱りつけた。
そして、門倉と弘前は、罰として成績が元に戻るまでは、学校内での交際を禁じられた。
2人は校内ではべたべたすることはなくなったが、放課後人目を盗んで、塚本先生に仕返しする方法を考えていた。
「それは何だと思いますか?」
- 罠に嵌める→荒井エンディング№15:呪いのヒトガタ
- 呪いをかける
- わからない→荒井エンディング№15:呪いのヒトガタ
自分たちが学校内で問題を起こせば、担任の塚本先生が責任を問われて困ることになるのではないか、と」
弘前は、塚本先生を困らせるため、学校に立てこもろう、と門倉に持ち掛けて、二人で旧校舎へ向かった。
薄暗い階段の突き当りには、人が一人通れるぐらいの鉄の扉があり、弘前が蹴るとゆっくりと開いた。
弘前は、鞄から懐中電灯とロウソクを取り出して言った。
「お菓子もジュースもあるよ!さあ、入ろう」
ロウソクの明かりに照らされて、室内の様子が明らかとなった。6畳ほどの空間で、窓がないせいか、息が詰まるような閉塞感と、かび臭い饐えたような匂いに、門倉は思わず鼻を覆ったが、弘前は非日常的な体験に興奮しているのか、目をキラキラと輝かせて室内と探索していた。
「ねえ、見て見て!この染み、なんか血に見えない?」
剥き出しのコンクリートには、所々に染みがこびり付いていたが、その中の一つが妙に弘前の気を引いたようだ。
門倉は弘前の肩越しにその染みを覗き込んだが、そんなことはもうどうでも良かった。
門倉は後ろから弘前の体に手を回すと、強く抱きしめ、首筋に唇を付けた。
「ロウソク、そこに置けよ」
「うん」
炎が揺れて、二人の重なり合う影が壁に長く伸びたその時、門倉の体の下で、弘前が悲鳴を上げた。
「ひぃ、いやぁ、やめて!殺さないで」
「おい、歩美!」
「お願い、いやぁ、やめて!!!」
その夜、二人はそろって帰宅しなかった。
翌日、捜索願が出されて、学校の先生たちも校内を探したが、旧校舎の鉄の扉の存在にはなかなか気づかなかった。
二人が発見されたのは、行方不明となってから1週間以上経ってのことだった。
見つかった時には、二人とも腐乱が進み、ネズミに食い荒らされて酷い状態だった。二人の死因は窒息死で、お互いの首を絞めて殺し合ったそうだ。
「そうそう、僕と意見の合う坂上君には、いいことを教えてあげましょう。
旧校舎の地下室ですが、あそこでは昔、陰湿な犯罪が行われていたことがあるんです。
昔はこの学園も管理体制が甘く、旧校舎に住み着く不埒な輩も多かったそうです。その中にいたんですよ、殺人鬼が。
その男は夜道で女性を拉致しては、旧校舎の地下室に連れ込んで、乱暴していたそうです。行為の最後には必ず首を絞めて、苦しみながら死んでいく様子を楽しんでいたようですよ」
荒井エンディング№14:地下室の呪い
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今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井を選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢を選択→シナリオ:彼と彼女の秘密→福沢エンディング№23~28
1人目:岩下エンディング№02:二人だけの世界
→2人目:新堂エンディング№03:六本の右足
→3人目:風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
→4人目:細田エンディング№01:イラつく奴
→5人目:荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
→6人目:福沢エンディング№23:彼女は悪魔だった
→7人目のシナリオ包帯の女→特殊七話目№38・39を見る
3週目開始!
1人目は新堂誠を選択→シナリオ:痛みを感じない男→新堂エンディング№11~15
2人目は荒井昭二を選択!
2年B組の荒井昭二が「怖い話が好きなんですか?」と聞いてきた。
- 好き
- 人並程度
- 嫌い
ところで、あなたはどうして鳴神学園を選んだのですか?」
- 自分の意思で
- 親の意思で→シナリオ:誕生日プレゼント
- 設備のよさです
- 答えたくありません
- 美人が多いからです
- 教師陣がすぐれているからです
- 友達を作りたかったからです→シナリオ:ゲーマーの条件
校風として生徒の交友に学校は口を挟んだりしませんから、カップル成立もそこそこ高い。そう踏まえれば、そこから恋人を探すために学園に入学する生徒がいてもおかしくはありませんね。
では、あなたには恋人同士に起きた話をしましょう」
シナリオ:呪いのヒトガタ
荒井が1年生の時、同じクラスに門倉陽司と弘前歩美という一組のカップルがいた。
彼らは新学期早々、周囲に恋人宣言をすると、人目をはばからずいちゃいちゃしだした。
彼らは授業中でも構わずおしゃべりをし、休み時間ともなればずっとべったりくっついていた。
「坂上君、あなたはこんな人たちをどう思いますか?」
- 鬱陶しい
- 羨ましい
- 仲を裂いてやりたい
2人の様子を見かねて注意する教師も多かったが、門倉たちは聞く耳を持たなかった。
中には2人の勉強の遅れを心配して、真剣に話をしようとしていた先生もいた。それはクラスの担任の塚本明だった。
しかし、2人は、塚本が独身だから妬いている、と馬鹿にして相手にしなかった。
塚本先生は責任感溢れる教師だったので、2人と話しても埒が明かないと考え、ある日彼らの保護者を学校へ呼び出して話し合いをした。
門倉と弘前の両親は学校での2人の姿を知り、2人を叱りつけた。
そして、門倉と弘前は、罰として成績が元に戻るまでは、学校内での交際を禁じられた。
2人は校内ではべたべたすることはなくなったが、放課後人目を盗んで、塚本先生に仕返しする方法を考えていた。
「それは何だと思いますか?」
- 罠に嵌める
- 呪いをかける
- わからない
そうですね、僕だったら先生の荷物に盗品を忍び込ませて窃盗の疑いをかけるとか、生徒への破廉恥行為をでっち上げるとか色々と策は思いつくのですが」
彼らは一番単純な方法である呪いをかけることにした。
弘前がたまたま買った雑誌におもしろそうな記事が書かれていたのだ。
それは、紙で人型を作って、そこに陥れたい相手の名前を書き込むという呪いだった。
2人は簡単そうだという理由でこれを選んで、相談を始めた。
雑誌には紙のことは詳しく書かれていなかったが、弘前は効果がありそうだと思い、近所の神社からパクって来た紙垂を取り出した。
紙垂とは、神社の注連縄についているジグザグした形の白い紙のことだ。
2人は雑誌のイラストの通りに紙を切り抜いて、真ん中に『塚本明』と先生の名前を書いた。
そして、門倉はぐしゃぐしゃと丸めて窓から投げ捨てた。
その翌日、窓の下で門倉と弘前の墜落死体が発見された。
2人の死体は体中のあちこちが不自然な方向に捩じれ、まるで大きな手で潰された肉団子のようになっていた。
「そういえば、呪いの藁人形は、内部に呪う相手の体を封じ込めるんでしたね。この場合は、お二人の指紋や手の汗が呪いの向かう矛先になったということは、考えられないでしょうか。
そうそう、あの紙垂は神社のご神木に張られた注連縄から、弘前さんが黙って拝借したものだったようです。
彼女は知らなかったようですが、そのご神木は昔、丑の刻参りの名所として有名だったそうですよ。いひひひ」
荒井エンディング№15:呪いのヒトガタ
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今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下明美を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井を選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢を選択→シナリオ:彼と彼女の秘密→福沢エンディング№23~28
1人目:岩下エンディング№02:二人だけの世界
→2人目:新堂エンディング№03:六本の右足
→3人目:風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
→4人目:細田エンディング№01:イラつく奴
→5人目:荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
→6人目:福沢エンディング№23:彼女は悪魔だった
→7人目のシナリオ包帯の女→特殊七話目№38・39を見る
3週目開始!
1人目は新堂誠を選択!
「お前がどうして新聞に入ったのか教えてくれねえか?」
- なんとなく入りました
- 前から憧れてしました
- 何かお勧めのクラブは?
- ボクシング部
- 空手部
- パフェ同好会
「鳴神学園の空手部は、いい意味でも悪い意味でも有名だ。全国大会でハイレベルの実績を残してはいるが、その厳しさは毎年死人が出るとか行方不明者が出ると言われて程だからな。
お前、空手部に入ってみたいと思うか?」
- 入ってみたい→新堂エンディング№11:奇妙なつながり、新堂エンディング№12:願いの代償、新堂エンディング№13:神頼み
- 入りたくない
空手部は1年は奴隷、2年は丁稚、3年は神様って言われてんだ。奴隷が神様に意見したら殺されても仕方がねえ。
上に服従して素直に練習してりゃあ、確実に強くなれるぜ。なんたって練習量がハンパねえからな。
まあ確かに練習はキツいが、人間に耐えられねえほどじゃねえ。要は根性が据わっているかどうか、上に絶対服従できるかどうかだ」
何年か前に空手部に有馬健一、健二という兄弟がいた。
奴らは一つ違いで、兄の健一が2年の時、弟の健二が1年だった。
兄の健一は1年の時から空手部のエースとして活躍していたが、弟の健二は兄に憧れて入って来ただけで、腕前の方はからっきしだった。
「どうしたら兄貴みたいに強くなれるんだ?」
「毎日の鍛錬さ。地味な毎日の積み重ねが、いつか花開くんだ。その日までの努力努力の連続さ」
「そうは言っても俺はまったく上達しねえぜ。練習したって強くなんかならねえよ。素質がすべてなんだ」
「そんなことはない。周りのみんなはお前の何倍も練習してるんだ。だからお前ももっと練習しろ」
練習でも1年の扱いはひどかった。
「健二、今すぐジュースを買ってこい」
「はい」
「健二、マッサージしろ」
「はい」
「健二、俺の代わりに宿題をやっとけ」
「はい」
3年生は、健二をいいようにパシリに使っていた。
「お前、ジュース買ってくるのにどれだけかかってんだよ?」
「すみません」
「お前のマッサージのせいで余計筋肉痛になったんだけど?」
「すみません」
「てめぇ、宿題の答えが滅茶苦茶じゃねえか」
「すみません」
「お前の兄貴は、俺らの命令を毎回きちんとこなしていたぜ」
「お前ら、本当に兄弟かよ?」
「お前だけ橋の下で拾われたんじゃねえの」
そうやって、健二は事あるごとに兄と比較されて馬鹿にされた。
健一は先輩の手前、健二をかばうことができず、苦笑いを浮かべていただけだった。
そして、健二は、だんだんと不満を募らせていった。理不尽な扱いをする3年連中もそうだが、ただ見て苦笑いしている健一にも。
「お前が思う『強さ』って何だ?」
- 強靭な肉体→新堂エンディング№11:奇妙なつながり
- 何事にも動じない心
掃除の最中に健二は、ふと道場に置いてある神棚が目に入った。
忘れ去られたようにひっそりとたたずむ神棚は、埃をかぶって何年も掃除していないようだった。
道場には真新し神棚があり、そこはいつも榊と水が供えられて、掃除も行き届いてた。
「これも掃除しねえといけねえのかな」
健二はため息をつきながらその古臭い神棚の掃除を始めた。
何年も放っておかれてように汚い神棚は、蜘蛛の巣と埃にまみれ、掃除は大変だったが、一片のチリも残さないように掃除した。
健二は掃除が終わった神棚に手を合わせて、こう願った。
「困ったときの神頼みか。強くなれますように!」
その時、窓なんかないのに、どこからか強い風が吹いて神棚の扉が開いて、また閉まった。
そして、健二の耳元で何者かが囁いた。
「その願い、聞き入れた」
驚いて振り返ったが誰もいない。
健二は他の場所の掃除も終えて、足早に家に帰った。
次の日の部活で、健二は健一に、昨日の神棚の掃除をしていた時のことを話した。
「おかしいな?道場には神棚は一つしかないはずだぞ。もう一つの神棚はどこにあるんだ?」
健一の言葉を聞いた健二は、昨日の神棚の位置を確かめようとしたが、どうしても見つからない。
「寝ぼけてたんじゃねえか」と健一に言われて、健二は二度とこの話はするまいと決め、その出来事を忘れていった。
しかし、その日を境に、健二の空手の腕は上達していった。
健二はここ最近、空手の技を受けても全然痛くないし、どんな訓練をしても、まったく苦しくなかった。だから、何度でも立ち向かっていけるし、どんな苦しい訓練にも耐えられた。
そして、自分がなぜ、こんな風になったのかを考えた時、あの神棚のことを思い出した。
「俺が願掛けしたから?」
神様が俺の願いを聞いてくれたんだ。健二は神様に応援されているような気がして、さらに鍛錬に励んだ。
不思議なことに、痛みや不快な気持ちといったものは、ここ最近めっきりと感じなくなっていた。
ある日のこと、兄弟で組み手をすることになった。
そして組手が始まった時、悲劇が怒った。
組手中、健二の放った蹴りが頭に命中し、健一は意識不明になった。
その後、意識は戻ったが「頭が痛い」と苦しみながら息を引き取った。
死因は、頭部骨折と頭蓋内出血だった。
普通の人間だったら、自分が原因で人が死んだなら、ショックを受けるはずだが、健二は兄を自分の手にかけてしまったのに、何も感じなかった。
そう、弟は全ての痛みを感じなくなっていた。物理的な衝撃の痛みだけでなく、心の痛みまでも・・・
「坂上、全ての痛みから解放された弟は、その後も強くなったと思うか?」
- 強くなった→新堂エンディング№14:生と死を分かつもの
- 弱くなった→「そうか、確かに痛みを感じなければ、恐怖も感じない。痛みに怯えることなく、相手に立ち向かっていけることは、強いことかもしれねえ。
でもよ、痛みは人を弱くもすれば、強くもする。俺は人間が強くなるには、痛みは必要不可欠な要素だと思うぜ。
痛みがあるからこそ、そこから人間は這い上がれる。痛みから逃れるために、足掻くんだ」 - わからない→「わからないなら、教えてやるぜ」
けれど手加減を知らないものだから、兄の後も何人も病院送りにした挙句、また人を殺してしまった。
さすがに二度目は学校もかばい切れず退学になり、そのまま少年院行き。
風の噂によると、今は闇社会で凄腕ノボディガードとして活躍してるそうだ。
「坂上、強くなるってことは何かを犠牲にすることだ。犠牲なしに強くなることは出来ねぇもんだ。
かくゆう俺だって・・・おっと、なんでもねぇ。
坂上、お前も頼んでみるか?なんでも強くなりたい強く思う奴の前にその神棚は現れるそうだぜ。お前も強くなりたいと思ったら空手部に行ってみるといい。きっとお前の望みを叶えてくれるはずだぜ、ふふふ」
(痛みを感じない。
確かに痛みを感じなければ人は強くなるかもれしれない。けれどそれは人間と言えるのだろうか。
人は人の痛みがわかるからこそ、相手を大事にしたり、わかりあえるんじゃないのかな)
新堂エンディング№15:痛みを感じない男
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今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下明美を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井を選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢を選択→シナリオ:彼と彼女の秘密→福沢エンディング№23~28
1人目:岩下エンディング№02:二人だけの世界
→2人目:新堂エンディング№03:六本の右足
→3人目:風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
→4人目:細田エンディング№01:イラつく奴
→5人目:荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
→6人目:福沢エンディング№23:彼女は悪魔だった
→7人目のシナリオ包帯の女→特殊七話目№38・39を見る
3週目開始!
1人目は新堂誠を選択!
「お前がどうして新聞に入ったのか教えてくれねえか?」
- なんとなく入りました
- 前から憧れてしました
- 何かお勧めのクラブは?
- ボクシング部
- 空手部
- パフェ同好会
「鳴神学園の空手部は、いい意味でも悪い意味でも有名だ。全国大会でハイレベルの実績を残してはいるが、その厳しさは毎年死人が出るとか行方不明者が出ると言われて程だからな。
お前、空手部に入ってみたいと思うか?」
- 入ってみたい→新堂エンディング№11:奇妙なつながり、新堂エンディング№12:願いの代償、新堂エンディング№13:神頼み
- 入りたくない
空手部は1年は奴隷、2年は丁稚、3年は神様って言われてんだ。奴隷が神様に意見したら殺されても仕方がねえ。
上に服従して素直に練習してりゃあ、確実に強くなれるぜ。なんたって練習量がハンパねえからな。
まあ確かに練習はキツいが、人間に耐えられねえほどじゃねえ。要は根性が据わっているかどうか、上に絶対服従できるかどうかだ」
何年か前に空手部に有馬健一、健二という兄弟がいた。
奴らは一つ違いで、兄の健一が2年の時、弟の健二が1年だった。
兄の健一は1年の時から空手部のエースとして活躍していたが、弟の健二は兄に憧れて入って来ただけで、腕前の方はからっきしだった。
「どうしたら兄貴みたいに強くなれるんだ?」
「毎日の鍛錬さ。地味な毎日の積み重ねが、いつか花開くんだ。その日までの努力努力の連続さ」
「そうは言っても俺はまったく上達しねえぜ。練習したって強くなんかならねえよ。素質がすべてなんだ」
「そんなことはない。周りのみんなはお前の何倍も練習してるんだ。だからお前ももっと練習しろ」
練習でも1年の扱いはひどかった。
「健二、今すぐジュースを買ってこい」
「はい」
「健二、マッサージしろ」
「はい」
「健二、俺の代わりに宿題をやっとけ」
「はい」
3年生は、健二をいいようにパシリに使っていた。
「お前、ジュース買ってくるのにどれだけかかってんだよ?」
「すみません」
「お前のマッサージのせいで余計筋肉痛になったんだけど?」
「すみません」
「てめぇ、宿題の答えが滅茶苦茶じゃねえか」
「すみません」
「お前の兄貴は、俺らの命令を毎回きちんとこなしていたぜ」
「お前ら、本当に兄弟かよ?」
「お前だけ橋の下で拾われたんじゃねえの」
そうやって、健二は事あるごとに兄と比較されて馬鹿にされた。
健一は先輩の手前、健二をかばうことができず、苦笑いを浮かべていただけだった。
そして、健二は、だんだんと不満を募らせていった。理不尽な扱いをする3年連中もそうだが、ただ見て苦笑いしている健一にも。
「お前が思う『強さ』って何だ?」
- 強靭な肉体→新堂エンディング№11:奇妙なつながり
- 何事にも動じない心
掃除の最中に健二は、ふと道場に置いてある神棚が目に入った。
忘れ去られたようにひっそりとたたずむ神棚は、埃をかぶって何年も掃除していないようだった。
道場には真新し神棚があり、そこはいつも榊と水が供えられて、掃除も行き届いてた。
「これも掃除しねえといけねえのかな」
健二はため息をつきながらその古臭い神棚の掃除を始めた。
何年も放っておかれてように汚い神棚は、蜘蛛の巣と埃にまみれ、掃除は大変だったが、一片のチリも残さないように掃除した。
健二は掃除が終わった神棚に手を合わせて、こう願った。
「困ったときの神頼みか。強くなれますように!」
その時、窓なんかないのに、どこからか強い風が吹いて神棚の扉が開いて、また閉まった。
そして、健二の耳元で何者かが囁いた。
「その願い、聞き入れた」
驚いて振り返ったが誰もいない。
健二は他の場所の掃除も終えて、足早に家に帰った。
次の日の部活で、健二は健一に、昨日の神棚の掃除をしていた時のことを話した。
「おかしいな?道場には神棚は一つしかないはずだぞ。もう一つの神棚はどこにあるんだ?」
健一の言葉を聞いた健二は、昨日の神棚の位置を確かめようとしたが、どうしても見つからない。
「寝ぼけてたんじゃねえか」と健一に言われて、健二は二度とこの話はするまいと決め、その出来事を忘れていった。
しかし、その日を境に、健二の空手の腕は上達していった。
健二はここ最近、空手の技を受けても全然痛くないし、どんな訓練をしても、まったく苦しくなかった。だから、何度でも立ち向かっていけるし、どんな苦しい訓練にも耐えられた。
そして、自分がなぜ、こんな風になったのかを考えた時、あの神棚のことを思い出した。
「俺が願掛けしたから?」
神様が俺の願いを聞いてくれたんだ。健二は神様に応援されているような気がして、さらに鍛錬に励んだ。
不思議なことに、痛みや不快な気持ちといったものは、ここ最近めっきりと感じなくなっていた。
ある日のこと、兄弟で組み手をすることになった。
そして組手が始まった時、悲劇が怒った。
組手中、健二の放った蹴りが頭に命中し、健一は意識不明になった。
その後、意識は戻ったが「頭が痛い」と苦しみながら息を引き取った。
死因は、頭部骨折と頭蓋内出血だった。
普通の人間だったら、自分が原因で人が死んだなら、ショックを受けるはずだが、健二は兄を自分の手にかけてしまったのに、何も感じなかった。
そう、弟は全ての痛みを感じなくなっていた。物理的な衝撃の痛みだけでなく、心の痛みまでも・・・
「坂上、全ての痛みから解放された弟は、その後も強くなったと思うか?」
- 強くなった
- 弱くなった
- わからない
でもよ、痛みは人を弱くもすれば、強くもする。俺は人間が強くなるには、痛みは必要不可欠な要素だと思うぜ。
痛みがあるからこそ、そこから人間は這い上がれる。痛みから逃れるために、足掻くんだ」
痛みを感じない弊害は、すぐに現れた。
沸かし過ぎて熱湯に近い湯に平然と健二は入り、あわや全身大火傷になるところで、言変に気付いた母親に助け出された。
普段の鍛錬の時もそうだ。いくら走り込みをしても苦しさは感じないし、身体を酷使しても痛みを感じない。それをいいことに連日連夜ハードなトレーニングをした体は、すでに限界だった。
ある日、練習中に健二は突然倒れ、そのまま息を引き取った。心臓麻痺だった。
それ以来、空手部の道場に健二の霊が出るようになった。
痛みを感じない故に生きているのか死んでいるのかもわからず彷徨う、悲しい男の亡霊が・・・
「坂上、強さって何だろうな。
肉体的な強さ、精神的な強さ、いろいろあるだろうよ。
さっきも言ったが、俺はそのどちらも強くするためには痛みが必要だと思う。痛みがあるからこそ、人は強くなれる。俺はそう思うぜ」
新堂エンディング№14:生と死を分かつもの
CGギャラリー31/124
今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下明美を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井を選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢を選択→シナリオ:彼と彼女の秘密→福沢エンディング№23~28
1人目:岩下エンディング№02:二人だけの世界
→2人目:新堂エンディング№03:六本の右足
→3人目:風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
→4人目:細田エンディング№01:イラつく奴
→5人目:荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
→6人目:福沢エンディング№23:彼女は悪魔だった
→7人目のシナリオ包帯の女→特殊七話目№38・39を見る
3週目開始!
1人目は新堂誠を選択!
「お前がどうして新聞に入ったのか教えてくれねえか?」
- なんとなく入りました
- 前から憧れてしました
- 何かお勧めのクラブは?
- ボクシング部
- 空手部
- パフェ同好会
「鳴神学園の空手部は、いい意味でも悪い意味でも有名だ。全国大会でハイレベルの実績を残してはいるが、その厳しさは毎年死人が出るとか行方不明者が出ると言われて程だからな。
お前、空手部に入ってみたいと思うか?」
- 入ってみたい
- 入りたくない
空手部は1年は奴隷、2年は丁稚、3年は神様って言われてんだ。奴隷が神様に意見したら殺されても仕方がねえ。
上に服従して素直に練習してりゃあ、確実に強くなれるぜ。なんたって練習量がハンパねえからな。
まあ確かに練習はキツいが、人間に耐えられねえほどじゃねえ。要は根性が据わっているかどうか、上に絶対服従できるかどうかだ」
何年か前に空手部に有馬健一、健二という兄弟がいた。
奴らは一つ違いで、兄の健一が2年の時、弟の健二が1年だった。
兄の健一は1年の時から空手部のエースとして活躍していたが、弟の健二は兄に憧れて入って来ただけで、腕前の方はからっきしだった。
「どうしたら兄貴みたいに強くなれるんだ?」
「毎日の鍛錬さ。地味な毎日の積み重ねが、いつか花開くんだ。その日までの努力努力の連続さ」
「そうは言っても俺はまったく上達しねえぜ。練習したって強くなんかならねえよ。素質がすべてなんだ」
「そんなことはない。周りのみんなはお前の何倍も練習してるんだ。だからお前ももっと練習しろ」
練習でも1年の扱いはひどかった。
「健二、今すぐジュースを買ってこい」
「はい」
「健二、マッサージしろ」
「はい」
「健二、俺の代わりに宿題をやっとけ」
「はい」
3年生は、健二をいいようにパシリに使っていた。
「お前、ジュース買ってくるのにどれだけかかってんだよ?」
「すみません」
「お前のマッサージのせいで余計筋肉痛になったんだけど?」
「すみません」
「てめぇ、宿題の答えが滅茶苦茶じゃねえか」
「すみません」
「お前の兄貴は、俺らの命令を毎回きちんとこなしていたぜ」
「お前ら、本当に兄弟かよ?」
「お前だけ橋の下で拾われたんじゃねえの」
そうやって、健二は事あるごとに兄と比較されて馬鹿にされた。
健一は先輩の手前、健二をかばうことができず、苦笑いを浮かべていただけだった。
そして、健二は、だんだんと不満を募らせていった。理不尽な扱いをする3年連中もそうだが、ただ見て苦笑いしている健一にも。
「お前が思う『強さ』って何だ?」
- 強靭な肉体→新堂エンディング№11:奇妙なつながり
- 何事にも動じない心
掃除の最中に健二は、ふと道場に置いてある神棚が目に入った。
忘れ去られたようにひっそりとたたずむ神棚は、埃をかぶって何年も掃除していないようだった。
道場には真新し神棚があり、そこはいつも榊と水が供えられて、掃除も行き届いてた。
「これも掃除しねえといけねえのかな」
健二はため息をつきながらその古臭い神棚の掃除を始めた。
何年も放っておかれてように汚い神棚は、蜘蛛の巣と埃にまみれ、掃除は大変だったが、一片のチリも残さないように掃除した。
健二は掃除が終わった神棚に手を合わせて、こう願った。
「困ったときの神頼みか。強くなれますように!」
その時、窓なんかないのに、どこからか強い風が吹いて神棚の扉が開いて、また閉まった。
そして、健二の耳元で何者かが囁いた。
「その願い、聞き入れた」
驚いて振り返ったが誰もいない。
健二は他の場所の掃除も終えて、足早に家に帰った。
次の日の部活で、健二は健一に、昨日の神棚の掃除をしていた時のことを話した。
「おかしいな?道場には神棚は一つしかないはずだぞ。もう一つの神棚はどこにあるんだ?」
健一の言葉を聞いた健二は、昨日の神棚の位置を確かめようとしたが、どうしても見つからない。
「寝ぼけてたんじゃねえか」と健一に言われて、健二は二度とこの話はするまいと決め、その出来事を忘れていった。
しかし、その日を境に、健二の空手の腕は上達していった。
たった1か月で3年生でも勝てなくなり、健一も負かされっぱなしになった。
健一は、このままでは兄のメンツが立たないと、弟の強さの秘密を探ろう必死だった。
そして、いつか健二が話した神棚のことを思い出した。
それから、健一は毎日遅くまで道場に残って、あの神棚が現れないか待った。でも、一向に神棚は現れなかった。
張り込みを始めて1週間め、健一の背後から生暖かい風が吹いた気がして、振り返ると今まで見たこともない小汚い神棚が飾ってあることに気づいた。
「坂上、お前は神頼みして、本当に強くなるなんて思うか?」
- 強くなると思う→新堂エンディング№12:願いの代償
- 変わらないと思う
そして、近くにあったほうきの柄で神棚をめちゃくちゃに壊した。
しばらくすると、めちゃくちゃに壊れた神棚は、すーっと透明になってかき消えてしまった。
しばらくすると、健二は弱くなったというか、奇行が目立つようになった。
何もない壁を指さして「神棚が見える」なんて言い出すようになり、何かにひどく怯えるようになった。当然、部活は続けられなくなり、入院を余儀なくされた。
病院でも健二はうわ言のように、こう呟いていた。
「神棚があるよ。扉の隙間から何かが俺を見つめてるんだ。見るな!見るな!!!!」
健一は、健二が暴れる理由がわかっていた。神棚を壊したからだ。
何日かして、健一が健二の見舞いに病室へ行くと、健二は何か恐ろしいものを見たかのような引きつった表情のまま死んでいた。
多分、健二は神棚の扉から出てきた何かを見てしまったのだろう。
その時、生暖かい風が吹いたので、健一が恐る恐る振り返ると、病室の壁に神棚が飾られていた。そして、神棚の扉がゆっくりと開き始めた。
見たら死ぬ、と直感がそう告げていたが、健一は動けなかった。
扉が完全に開く寸前、健一は、自分の手で、自分の目をくり抜いた。
この考えは正解で、あれ以来、健一の前に神棚は現れなくなって助かったが、永遠に暗闇の世界の住人になってしまった。
「神棚を壊さなけれは、こんなことにならなかったと思うぜ。
まあ、下手な神頼みなんてするもんじゃねえ」
新堂エンディング№13:神頼み
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1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
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3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井を選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢を選択→シナリオ:彼と彼女の秘密→福沢エンディング№23~28
1人目:岩下エンディング№02:二人だけの世界
→2人目:新堂エンディング№03:六本の右足
→3人目:風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
→4人目:細田エンディング№01:イラつく奴
→5人目:荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
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「お前がどうして新聞に入ったのか教えてくれねえか?」
- なんとなく入りました
- 前から憧れてしました
- 何かお勧めのクラブは?
- ボクシング部
- 空手部
- パフェ同好会
「鳴神学園の空手部は、いい意味でも悪い意味でも有名だ。全国大会でハイレベルの実績を残してはいるが、その厳しさは毎年死人が出るとか行方不明者が出ると言われて程だからな。
お前、空手部に入ってみたいと思うか?」
- 入ってみたい
- 入りたくない
空手部は1年は奴隷、2年は丁稚、3年は神様って言われてんだ。奴隷が神様に意見したら殺されても仕方がねえ。
上に服従して素直に練習してりゃあ、確実に強くなれるぜ。なんたって練習量がハンパねえからな。
まあ確かに練習はキツいが、人間に耐えられねえほどじゃねえ。要は根性が据わっているかどうか、上に絶対服従できるかどうかだ」
何年か前に空手部に有馬健一、健二という兄弟がいた。
奴らは一つ違いで、兄の健一が2年の時、弟の健二が1年だった。
兄の健一は1年の時から空手部のエースとして活躍していたが、弟の健二は兄に憧れて入って来ただけで、腕前の方はからっきしだった。
「どうしたら兄貴みたいに強くなれるんだ?」
「毎日の鍛錬さ。地味な毎日の積み重ねが、いつか花開くんだ。その日までの努力努力の連続さ」
「そうは言っても俺はまったく上達しねえぜ。練習したって強くなんかならねえよ。素質がすべてなんだ」
「そんなことはない。周りのみんなはお前の何倍も練習してるんだ。だからお前ももっと練習しろ」
練習でも1年の扱いはひどかった。
「健二、今すぐジュースを買ってこい」
「はい」
「健二、マッサージしろ」
「はい」
「健二、俺の代わりに宿題をやっとけ」
「はい」
3年生は、健二をいいようにパシリに使っていた。
「お前、ジュース買ってくるのにどれだけかかってんだよ?」
「すみません」
「お前のマッサージのせいで余計筋肉痛になったんだけど?」
「すみません」
「てめぇ、宿題の答えが滅茶苦茶じゃねえか」
「すみません」
「お前の兄貴は、俺らの命令を毎回きちんとこなしていたぜ」
「お前ら、本当に兄弟かよ?」
「お前だけ橋の下で拾われたんじゃねえの」
そうやって、健二は事あるごとに兄と比較されて馬鹿にされた。
健一は先輩の手前、健二をかばうことができず、苦笑いを浮かべていただけだった。
そして、健二は、だんだんと不満を募らせていった。理不尽な扱いをする3年連中もそうだが、ただ見て苦笑いしている健一にも。
「お前が思う『強さ』って何だ?」
- 強靭な肉体→新堂エンディング№11:奇妙なつながり
- 何事にも動じない心
掃除の最中に健二は、ふと道場に置いてある神棚が目に入った。
忘れ去られたようにひっそりとたたずむ神棚は、埃をかぶって何年も掃除していないようだった。
道場には真新し神棚があり、そこはいつも榊と水が供えられて、掃除も行き届いてた。
「これも掃除しねえといけねえのかな」
健二はため息をつきながらその古臭い神棚の掃除を始めた。
何年も放っておかれてように汚い神棚は、蜘蛛の巣と埃にまみれ、掃除は大変だったが、一片のチリも残さないように掃除した。
健二は掃除が終わった神棚に手を合わせて、こう願った。
「困ったときの神頼みか。強くなれますように!」
その時、窓なんかないのに、どこからか強い風が吹いて神棚の扉が開いて、また閉まった。
そして、健二の耳元で何者かが囁いた。
「その願い、聞き入れた」
驚いて振り返ったが誰もいない。
健二は他の場所の掃除も終えて、足早に家に帰った。
次の日の部活で、健二は健一に、昨日の神棚の掃除をしていた時のことを話した。
「おかしいな?道場には神棚は一つしかないはずだぞ。もう一つの神棚はどこにあるんだ?」
健一の言葉を聞いた健二は、昨日の神棚の位置を確かめようとしたが、どうしても見つからない。
「寝ぼけてたんじゃねえか」と健一に言われて、健二は二度とこの話はするまいと決め、その出来事を忘れていった。
しかし、その日を境に、健二の空手の腕は上達していった。
たった1か月で3年生でも勝てなくなり、健一も負かされっぱなしになった。
健一は、このままでは兄のメンツが立たないと、弟の強さの秘密を探ろう必死だった。
そして、いつか健二が話した神棚のことを思い出した。
それから、健一は毎日遅くまで道場に残って、あの神棚が現れないか待った。でも、一向に神棚は現れなかった。
張り込みを始めて1週間め、健一の背後から生暖かい風が吹いた気がして、振り返ると今まで見たこともない小汚い神棚が飾ってあることに気づいた。
「坂上、お前は神頼みして、本当に強くなるなんて思うか?」
- 強くなると思う
- 変わらないと思う
健一は神棚に向かって一心不乱に拝んだ。
その時、どこからか強い風が吹いて、神棚の扉が開いて、また閉まった。
「その願い、聞き入れた」
健一の耳元で何者かが囁いたが、振り返っても誰もいない。
願いを聞き届けてもらった、と健一は喜び勇んで家に帰った。
「兄の方はその後、弟と同じように強くなったと思うか?」
- 強くなった
- 変わらなかった
あの神棚に神頼みして以来、健一はさらに強くなった。健二を含め空手部の誰も健一に勝てなかった。
けれど異変はすぐに訪れた。健一は強くなるほど、どんどん痩せ細って行った。1か月もしないうちに、がっしりとした体型は、針金のようにやせ細ってしまった。
でも、健一は部活を休まず、前以上に貪欲に対戦相手を求めるようになった。
「なあ、兄貴、病院に行った方がいいよ。何かの病気なんじゃないか?」
「健二、そんなこと言って、俺が強くなったのが悔しいんだろ?俺は絶対部活を休まないからな!死んでもだ!」
そして、健一は練習中に、突然血を吐いて死んでしまった。
新堂は、健一が死んだのは神棚に「なんでもするから強くなりたい」と神頼みしたせいだと思う、と話した。
そして、同じように神頼みした健二が無事だったのは、神棚を掃除したからだろう、願いを叶えるにはそれ相応の見返りが必要だ、と。
新堂エンディング№12:願いの代償
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3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
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5人目は荒井を選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
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1人目:岩下エンディング№02:二人だけの世界
→2人目:新堂エンディング№03:六本の右足
→3人目:風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
→4人目:細田エンディング№01:イラつく奴
→5人目:荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
→6人目:福沢エンディング№23:彼女は悪魔だった
→7人目のシナリオ包帯の女→特殊七話目№38・39を見る
3週目開始!
1人目は新堂誠を選択!
「お前がどうして新聞に入ったのか教えてくれねえか?」
- なんとなく入りました
- 前から憧れてしました
- 何かお勧めのクラブは?
- ボクシング部
- 空手部
- パフェ同好会
「鳴神学園の空手部は、いい意味でも悪い意味でも有名だ。全国大会でハイレベルの実績を残してはいるが、その厳しさは毎年死人が出るとか行方不明者が出ると言われて程だからな。
お前、空手部に入ってみたいと思うか?」
- 入ってみたい
- 入りたくない
空手部は1年は奴隷、2年は丁稚、3年は神様って言われてんだ。奴隷が神様に意見したら殺されても仕方がねえ。
上に服従して素直に練習してりゃあ、確実に強くなれるぜ。なんたって練習量がハンパねえからな。
まあ確かに練習はキツいが、人間に耐えられねえほどじゃねえ。要は根性が据わっているかどうか、上に絶対服従できるかどうかだ」
何年か前に空手部に有馬健一、健二という兄弟がいた。
奴らは一つ違いで、兄の健一が2年の時、弟の健二が1年だった。
兄の健一は1年の時から空手部のエースとして活躍していたが、弟の健二は兄に憧れて入って来ただけで、腕前の方はからっきしだった。
「どうしたら兄貴みたいに強くなれるんだ?」
「毎日の鍛錬さ。地味な毎日の積み重ねが、いつか花開くんだ。その日までの努力努力の連続さ」
「そうは言っても俺はまったく上達しねえぜ。練習したって強くなんかならねえよ。素質がすべてなんだ」
「そんなことはない。周りのみんなはお前の何倍も練習してるんだ。だからお前ももっと練習しろ」
練習でも1年の扱いはひどかった。
「健二、今すぐジュースを買ってこい」
「はい」
「健二、マッサージしろ」
「はい」
「健二、俺の代わりに宿題をやっとけ」
「はい」
3年生は、健二をいいようにパシリに使っていた。
「お前、ジュース買ってくるのにどれだけかかってんだよ?」
「すみません」
「お前のマッサージのせいで余計筋肉痛になったんだけど?」
「すみません」
「てめぇ、宿題の答えが滅茶苦茶じゃねえか」
「すみません」
「お前の兄貴は、俺らの命令を毎回きちんとこなしていたぜ」
「お前ら、本当に兄弟かよ?」
「お前だけ橋の下で拾われたんじゃねえの」
そうやって、健二は事あるごとに兄と比較されて馬鹿にされた。
健一は先輩の手前、健二をかばうことができず、苦笑いを浮かべていただけだった。
そして、健二は、だんだんと不満を募らせていった。理不尽な扱いをする3年連中もそうだが、ただ見て苦笑いしている健一にも。
「お前が思う『強さ』って何だ?」
- 強靭な肉体
- 何事にも動じない心
空手部は夏休みに恒例の合宿があるが、健二にとって本当の意味での地獄の特訓となった。
「健二、さっさと起きろ」
「先輩、もう無理っす。ちょっと休ませてくださいよ」
「ちったぁ兄貴を見習わんかい!」
「比べないでくれよ!」
「あんだぁ!その口の聞き方は!」
「すいません。後は俺が面倒を見ます」
健一が割って入った。
「健一、甘やかしたって、こいつのためにならんぞ」
「はい、わかっています」
弟が地獄の合宿にいられたのは兄のおかげだったが、そんな兄の態度が、余計弟には面白くなかった。
合宿最後の日、みんなはへばっていた。
兄は最後尾の弟の横について励ましていた。
ロードワークも終わりに近づいたころ、前をよく見ていなかった兄弟たちは車の接近に気づかず、車に撥ねられてしまった。
健一がとっさに健二をかばったので、健二のほうは奇跡的に軽傷で済み数週間で学校に戻って来たが、健一は意識不明のままだった。
部活に戻った健二は、3年と組み手を始めたが、すべて勝ってしまった。
それまで練習をさぼりがちな健二が急に強くなり、みんなは驚いた。
そして、強くなった健二は、大会の選手に選ばれた。
準決勝で相手の蹴りが健二の胸部に炸裂し、みんながアバラをやったと思われたが、健二は平然とした顔で相手を倒してしまった。
試合後、健二の身体を見ると傷一つついてなかった。
「俺は、無敵ですから」
そして、健二は優勝した。
大会で優勝した後、健二は、未だ意識が戻らない健一の病室を訪れて、大会の報告をした。
そこへ健一の主治医がやってきた。
「お兄さんの容体が良くないんだ。動けるはずないのに、見るたびに体中に怪我をしてるんだ。今日の昼も気が付いたら、胸に大怪我をしているんだ。健二君、何か心当たりはないかい?」
「いや、別に・・・」
健二は、自分がどんなに怪我を負っても痛みを感じず、代わりに健一の身体に傷ができることに気づいていた。
自分の怪我を健一が負っているというのが、健二が無敵である理由だった。
「すまねえな、兄貴。強いっていいもんだな。やっぱ練習じゃねえよ、素質だ。
これからも頼むぜ」
健二が快進撃を続けていたある日、健一の見舞いに行くと、主治医と両親が話し込んでいた。
「脳死・・・これ以上は・・・」
「そんな、これ以上費用は・・・」
「延命かそれとも・・・」
筋肉馬鹿の健二には内容がほとんどわからなかったが、あまり良い雰囲気ではないことに声の調子などで気づいたので、病室には入らず後にした。
次の大会の決勝戦で、健二は突然、息苦しさに襲われて、倒れた。
そして、そのまま死んでしまった。
心臓発作ということになったが、真相は闇の中だ。
後からわかったことだが、同じ時刻、病室では健一の生命維持装置の停止ボタンが押されていた。つまり、弟は兄の苦しみを代わりに受けたのだ。
結局、兄弟は二人とも死んでしまった。
新堂エンディング№11:奇妙なつながり
CGギャラリー31/124
今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下明美を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井を選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢を選択→シナリオ:彼と彼女の秘密→福沢エンディング№23~28
1人目:岩下エンディング№02:二人だけの世界
→2人目:新堂エンディング№03:六本の右足
→3人目:風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
→4人目:細田エンディング№01:イラつく奴
→5人目:荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
→6人目:福沢エンディング№23:彼女は悪魔だった
→7人目のシナリオ:包帯の女へ!
6人の話が終わったが、まだ7人目は現れない。
語り手たちは次々を部室を出て行き、残ったのは細田だけだった。
「坂上君は帰らないの?」
「僕はまだ片付けがありますから」
「ね、一緒に帰ろう」と言って、細田は坂上に顔を近づけた。
「やめてください。僕、一人で帰れますから」
「・・・じゃあ僕は帰るよ」
「はい」
細田も部室を出て行き、坂上は独りで部室を片付け始めたが、机の端にあったコーラのペットボトルを倒してしまい、床にコーラをこぼしてしまった。
その時、坂上の耳に何か濡れた重い何かをひきずる音が聞こえてきた。それは、この新聞部に近づいてきていた。
そして、坂上の背後に少女が立っていた。
「遅れてきてごめんなさい。私が7人目です。話してもいいですか?」
急に現れた少女を見て失禁しそうになってた坂上はただうなずくしかなかった。
少女はうちの学校の制服を着ていたが、顔に包帯を巻きつけていた。
包帯の隙間から見える少女の瞳は、吸い込まれそうなくらい綺麗だった。
坂上は、もしかして彼女は美人かもしれないと思った。
「あの、これ、良かったら、ズボン、濡れてますよ」
「すみません」
こぼしたコーラで坂上のスボンは濡れており、坂上はありがたく彼女のハンカチを受け取り、ズボンを拭いた。
「床の拭かないと」と言って、少女は雑巾で床を拭き始めた。
その姿を見て、坂上は、いい子じゃないか、と思い始めた。
「ハンカチ、ありがと・・・」と言いかけて坂上は、ハンカチが赤黒く染まっていることに気づいた。
さっきは気づかなかったが、スボンを拭いた時、面を変えたのだ。
少女は、ハンカチを奪うとスカートのポケットにねじ込んだ。
「ごめんなさい、ごめんなさい。全部話しますから。聞いて下さい。お願いします」
可哀そうに思った坂上は、思わず「聞きますから」と答えた。
「はい、これから話すのは私の話です。あなたにどうしても聞いてもらいたい話なんです」
少女は二目と見られない顔のため包帯を巻いて生活している。
包帯を巻くようになった原因は火傷だった。
少女が5才のころ、祖母の家にあった反射式ストーブに兄がぶつかり、ストーブにかけていたやかんのお湯が昼寝をしていた少女の顔にかかったのだ。
すぐに皮膚移植の話が出て、当時7歳だった兄が責任を感じて、自分の皮膚を使ってほしい、と言い出し、兄の皮膚が少女に移植されることになった。
少女の顔は綺麗になり幼稚園に通うようになったある日、顔に緑色のシミができて、こするとポロっと取れてしまった。皮膚がとれた後がとてもかゆかったので、かきむしっていたら手が血まみれになっていた。ふと、鏡に映った自分の顔を見ると、皮膚がはがれて肉が剥き出しの真っ赤な筋の上に、緑色のカビがびっしりと生えていた。
拒絶反応が起こり、兄の皮膚との間に隙間ができ、そこにカビが入って繁殖したとのこと。
植皮が怖くなった少女は、植皮を受けないで包帯をまいてすごす人生が始まった。
幼稚園で、包帯を巻いた少女はいじめられるようになってしまった。
少女はいつも馬乗りで下の役ばかりさせらるようになり、リーダー格の子の下敷きになっていた。
ある日、リーダー格の子に顔の包帯を解かれてしまい、化け物のような顔を見られてしまった。
みんなは少女の恐ろしい顔を見て泣き出したが、リーダー格の子だけはそれを見てよだれを垂らしながら笑っており、少女の顔を見せびらかすように連れて歩いた。
その結果、少女は幼稚園を変わることになったが、新しい幼稚園に行くことはなかった。
少女の兄は、自分が守ってやればこんなことにならなかった、とすべてを背負いこんでしまった。
けれど、少女のことが原因で両親は離婚してしまい、兄は跡取りとして父に引きとられ、少女は母に引き取られた。
小学校に上がった少女はクラスに受け入れられたが、上級生から蹴られるなどのいじめを受け、転校することになった。しかし、お金がなく引っ越しできなかったため、近くの学校に行くことになった。
二つ目の小学校に転校したが、すでにグループができていたので少女は独りで過ごしていた。
ある日、太った少年に男子トイレの個室に押し込まれて、「僕達友達だよね。だから、一緒にいじめられてくれるよね」と言われてしまう。
少女はいじめられることよりも、太った子に付きまとわれる方が嫌で、また転校した。
3つ目の学校は少し遠くにあったので、毎日、少女は母親に車で送り迎えしてもらっていた。そのせいで、学校に行きたくない、と言える雰囲気ではなかった。
その学校では、2年間もの間、少女はとある上級生から観察され続けていた。
そして、小学校3年生の時、ついに上級生から「包帯を取った顔を見てみたい」と話しかけられたが、少女は断った。
すると上級生は催涙スプレーを少女の顔に吹き付け、包帯を取った。
少女の顔が見られた上級生は喜び、少女の顔に爪を立てて、頬の肉をそぎ落とした。
彼は皮膚のない顔の肉が欲しくて、2年間も観察していたのだった。
そして、少女はまた学校に行けなくなった。
1年ほど経ってまた転校したが、その学校は少人数クラスの進学校だった。
少女は頭だけは良かったので、奇跡的にその学校に通うことができた。
表面上では少女に対してのいじめはなかったが、とある男子生徒にだけ、「偽善者ぶるのに疲れた」と言われ、ストレスのはけ口としていじめられた。
少女は学校に行けなくなり、体がだるい、と言って卒業まで欠席した。
そして、少女が中学生になり、入学式のあとに女子の先輩から「美術部に入らない?私一人しかいないの」と誘われた。
先輩は、「あなたがどうして包帯をしてるかなんて興味ないの。あなたはとてもきれいで、頭がいいわ。私はそんな子が好きなの。だから私を裏切らないで。毎日ここでお話しましょう」と言ってくれた。
けれど少女は風邪をひいて学校を1日休んでしまった。
翌日の放課後、美術部の部室に行くと、先輩は「あなたも私を裏切ったのね」と言ってカッターを振りかざして来た。
それ以来少女は学校へ行けなくなった。
そして、受験した高校には合格したので、籍はあるが通っていないとのこと。
自分をいじめていた奴のことが夢にまで出てきて、忘れることができず、少女は自殺を考えるようになったが、母親のことを思うと実行できずにいた。
そんなある日、兄が尋ねてきた。
同じ高校に通っており、名簿を見て、様子を窺いにきたのだ。
少女は、今までのことを兄に打ち明けると、兄は鬼のような形相になった。
そして、昨日、兄は復讐計画を少女に打ち明けた。
「学校新聞で学校の七不思議の特集することにした。そこで会を開き、6人に怖い話をさせる。そして7人目に俺が登場して、お前の話をして怖がらせてから、殺す。お前はそれを見届けるんだ」
7人目の日野先輩はまだ現れない。
「私にひどい目を合わせた6人。
馬乗りになった福沢玲子。
理不尽に蹴りつけた新堂誠。
トイレに押し込んだ細田友晴。
頬の肉を削いだ荒井昭二。
偽善者ぶるのに疲れた風間望。
裏切られたとカッターを振りかざした岩下明美。
そして、私への罪悪感に狂った、私の兄、日野貞夫。
あなたは復讐のための先導役だったんです」
「日野先輩はまだ現れてはいない。冗談だよね?」
「裏庭で兄と打ち合わせをしました。兄を止める最後のチャンスだったんです。
気絶させるつもりで、落ちていたレンガを手に取り、兄の頭に振り下ろしました。頭が割れて、血を吹いて兄は死んでしまいました。
ハンカチで手を拭いて・・だから血が付いていたんです」
「大体どうして僕に話すんだ。話すんだったら警察に行けばいい!!!」
「私たちの父親は国家の中枢部と関与している人間です。私と兄の事件をもみ消す力があるんです。だから、あなたに、私のことを学校新聞に書いてほしいんです。真実を!」
「そんな、嘘だよ」
「それなら扉の外を見てください。連れてきたんです、兄を」
坂上が廊下を覗き込むと、血まみれの黒い塊があった。
少女は言った。
「私思うんです。本当に怖いのは幽霊なんかじゃない。
人の恐怖を笑う、理不尽に人を殴る、人を道連れにする、人で自分の好奇心を満たす、人を不満のはけ口にする、人を自分の道理に押し込める、人のためにしか生きられない、そんなことを平気でしてしまう、そんな人間の方がよっぽど怖いって。
私はきっと、そんな狂気を呼び起こさせるものを持っているんですね。
それでなくても、あんなに大切な兄を」
彼女はゆっくりと歩き、窓の前に立って、窓を開けた。
「お母さん、悲しむかなぁ」
彼女は坂上の方を見て、包帯に手をかけた。
「坂上君、巻き込んでしまって、本当にごめんさない」
腐ったような肉の筋、削ぎ落された頬は確かに抉れている。
- 彼女をまっすぐ見る→特殊エンディング№38:包帯の断罪者
- 叫ぶ
あまりのおぞましさに坂上は叫んでしまった。
逃げないと殺される。
「やっぱり怖がるんだね」
「来るな、来るな!!!」
「悔しい・・・私だって普通の人間なんだよ」
「お前は人間なんかじゃない!化け物だよ」
「・・・あなたもそうなんだ」
化け物はそう呟くとパイプ椅子を振り上げて、坂上に振り下ろした。
(痛い)
坂上の意識が一瞬朦朧とした。
「皮膚が付いているくらいで何偉そうにしてるの?」
ガラスの割れる音がした。
彼女は坂上の上に乗って、ガラス片を坂上の頬に押し当てた。
そして、皮膚を引っ張り削ぎ落していった。
「きったない皮膚。こんなの付けているから調子に乗るのよ。
ねえ、聞いてるの?人の話はちゃんと目を見て聞きなさいって習わなかった?
ああ、目がいらないのか」
坂上の左目に激痛が走った。彼女がガラス片を左目に突き立てたのだ。そして、さらに奥まで突っ込み、抉る。
坂上は絶叫した。
「うるさいなぁ。目、要るの?」
坂上は必死に頷いた。
「違うなぁ。残していただけませんか、でしょう」
「の、残して、いただけませんか・・・」
「嫌」
彼女は眼球に指を突っ込んだ。
思わず開いた坂上の口に、彼女は腕を突っ込んだので、坂上は戻してしまった。
「きったない。殺されたいの?」
坂上は首を横に振った。
「今、あんたの喉に毒を塗った。お兄ちゃんが私にくれたの。
3時間後にあんたも死ぬよ。吐いても無駄だから」
「し、死にたくありません・・・どうか、助けていただけませんか・・・」
「よくできました。だったら、3時間以内にあの6人の首をここへ持って来なさい。そしたら解毒してあげる。
6人を説得して私を殺そうとしても無駄だから。そんなことしたらあなたもろとも6人全員を殺す。
逃げてもいいけど、解毒できる病院、この近くにあるかな?
ほら、さっさと行かないと、時間なくなるよ。首切るのってきっと大変よ」
彼女は、血まみれになった坂上の顔に包帯を巻いてくれた。
そして、6人に家を記した地図を渡した。
激痛に耐えながら廊下に出た坂上は、日野だった塊を見つけた。
彼もまた彼女の狂気に魅せられた者の一人だ。
彼女は虐げる側の人間だ。その資格がある。素質がある。
僕がそれを開花させた。その喜びに坂上は打ち震えていた。
(だから僕は抗わない。彼女の仰せの通り、6人の首を持ってくる。それが彼女への崇拝の証)
特殊エンディング№39:崇拝の証
CGギャラリー31/124 今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
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5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
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1人目は岩下明美を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
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4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井を選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢を選択→シナリオ:彼と彼女の秘密→福沢エンディング№23~28
1人目:岩下エンディング№02:二人だけの世界
→2人目:新堂エンディング№03:六本の右足
→3人目:風間エンディング№01:かぐわしきにおひ
→4人目:細田エンディング№01:イラつく奴
→5人目:荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
→6人目:福沢エンディング№23:彼女は悪魔だった
→7人目のシナリオ:包帯の女へ!
6人の話が終わったが、まだ7人目は現れない。
語り手たちは次々を部室を出て行き、残ったのは細田だけだった。
「坂上君は帰らないの?」
「僕はまだ片付けがありますから」
「ね、一緒に帰ろう」と言って、細田は坂上に顔を近づけた。
「やめてください。僕、一人で帰れますから」
「・・・じゃあ僕は帰るよ」
「はい」
細田も部室を出て行き、坂上は独りで部室を片付け始めたが、机の端にあったコーラのペットボトルを倒してしまい、床にコーラをこぼしてしまった。
その時、坂上の耳に何か濡れた重い何かをひきずる音が聞こえてきた。それは、この新聞部に近づいてきていた。
そして、坂上の背後に少女が立っていた。
「遅れてきてごめんなさい。私が7人目です。話してもいいですか?」
急に現れた少女を見て失禁しそうになってた坂上はただうなずくしかなかった。
少女はうちの学校の制服を着ていたが、顔に包帯を巻きつけていた。
包帯の隙間から見える少女の瞳は、吸い込まれそうなくらい綺麗だった。
坂上は、もしかして彼女は美人かもしれないと思った。
「あの、これ、良かったら、ズボン、濡れてますよ」
「すみません」
こぼしたコーラで坂上のスボンは濡れており、坂上はありがたく彼女のハンカチを受け取り、ズボンを拭いた。
「床の拭かないと」と言って、少女は雑巾で床を拭き始めた。
その姿を見て、坂上は、いい子じゃないか、と思い始めた。
「ハンカチ、ありがと・・・」と言いかけて坂上は、ハンカチが赤黒く染まっていることに気づいた。
さっきは気づかなかったが、スボンを拭いた時、面を変えたのだ。
少女は、ハンカチを奪うとスカートのポケットにねじ込んだ。
「ごめんなさい、ごめんなさい。全部話しますから。聞いて下さい。お願いします」
可哀そうに思った坂上は、思わず「聞きますから」と答えた。
「はい、これから話すのは私の話です。あなたにどうしても聞いてもらいたい話なんです」
少女は二目と見られない顔のため包帯を巻いて生活している。
包帯を巻くようになった原因は火傷だった。
少女が5才のころ、祖母の家にあった反射式ストーブに兄がぶつかり、ストーブにかけていたやかんのお湯が昼寝をしていた少女の顔にかかったのだ。
すぐに皮膚移植の話が出て、当時7歳だった兄が責任を感じて、自分の皮膚を使ってほしい、と言い出し、兄の皮膚が少女に移植されることになった。
少女の顔は綺麗になり幼稚園に通うようになったある日、顔に緑色のシミができて、こするとポロっと取れてしまった。皮膚がとれた後がとてもかゆかったので、かきむしっていたら手が血まみれになっていた。ふと、鏡に映った自分の顔を見ると、皮膚がはがれて肉が剥き出しの真っ赤な筋の上に、緑色のカビがびっしりと生えていた。
拒絶反応が起こり、兄の皮膚との間に隙間ができ、そこにカビが入って繁殖したとのこと。
植皮が怖くなった少女は、植皮を受けないで包帯をまいてすごす人生が始まった。
幼稚園で、包帯を巻いた少女はいじめられるようになってしまった。
少女はいつも馬乗りで下の役ばかりさせらるようになり、リーダー格の子の下敷きになっていた。
ある日、リーダー格の子に顔の包帯を解かれてしまい、化け物のような顔を見られてしまった。
みんなは少女の恐ろしい顔を見て泣き出したが、リーダー格の子だけはそれを見てよだれを垂らしながら笑っており、少女の顔を見せびらかすように連れて歩いた。
その結果、少女は幼稚園を変わることになったが、新しい幼稚園に行くことはなかった。
少女の兄は、自分が守ってやればこんなことにならなかった、とすべてを背負いこんでしまった。
けれど、少女のことが原因で両親は離婚してしまい、兄は跡取りとして父に引きとられ、少女は母に引き取られた。
小学校に上がった少女はクラスに受け入れられたが、上級生から蹴られるなどのいじめを受け、転校することになった。しかし、お金がなく引っ越しできなかったため、近くの学校に行くことになった。
二つ目の小学校に転校したが、すでにグループができていたので少女は独りで過ごしていた。
ある日、太った少年に男子トイレの個室に押し込まれて、「僕達友達だよね。だから、一緒にいじめられてくれるよね」と言われてしまう。
少女はいじめられることよりも、太った子に付きまとわれる方が嫌で、また転校した。
3つ目の学校は少し遠くにあったので、毎日、少女は母親に車で送り迎えしてもらっていた。そのせいで、学校に行きたくない、と言える雰囲気ではなかった。
その学校では、2年間もの間、少女はとある上級生から観察され続けていた。
そして、小学校3年生の時、ついに上級生から「包帯を取った顔を見てみたい」と話しかけられたが、少女は断った。
すると上級生は催涙スプレーを少女の顔に吹き付け、包帯を取った。
少女の顔が見られた上級生は喜び、少女の顔に爪を立てて、頬の肉をそぎ落とした。
彼は皮膚のない顔の肉が欲しくて、2年間も観察していたのだった。
そして、少女はまた学校に行けなくなった。
1年ほど経ってまた転校したが、その学校は少人数クラスの進学校だった。
少女は頭だけは良かったので、奇跡的にその学校に通うことができた。
表面上では少女に対してのいじめはなかったが、とある男子生徒にだけ、「偽善者ぶるのに疲れた」と言われ、ストレスのはけ口としていじめられた。
少女は学校に行けなくなり、体がだるい、と言って卒業まで欠席した。
そして、少女が中学生になり、入学式のあとに女子の先輩から「美術部に入らない?私一人しかいないの」と誘われた。
先輩は、「あなたがどうして包帯をしてるかなんて興味ないの。あなたはとてもきれいで、頭がいいわ。私はそんな子が好きなの。だから私を裏切らないで。毎日ここでお話しましょう」と言ってくれた。
けれど少女は風邪をひいて学校を1日休んでしまった。
翌日の放課後、美術部の部室に行くと、先輩は「あなたも私を裏切ったのね」と言ってカッターを振りかざして来た。
それ以来少女は学校へ行けなくなった。
そして、受験した高校には合格したので、籍はあるが通っていないとのこと。
自分をいじめていた奴のことが夢にまで出てきて、忘れることができず、少女は自殺を考えるようになったが、母親のことを思うと実行できずにいた。
そんなある日、兄が尋ねてきた。
同じ高校に通っており、名簿を見て、様子を窺いにきたのだ。
少女は、今までのことを兄に打ち明けると、兄は鬼のような形相になった。
そして、昨日、兄は復讐計画を少女に打ち明けた。
「学校新聞で学校の七不思議の特集することにした。そこで会を開き、6人に怖い話をさせる。そして7人目に俺が登場して、お前の話をして怖がらせてから、殺す。お前はそれを見届けるんだ」
7人目の日野先輩はまだ現れない。
「私にひどい目を合わせた6人。
馬乗りになった福沢玲子。
理不尽に蹴りつけた新堂誠。
トイレに押し込んだ細田友晴。
頬の肉を削いだ荒井昭二。
偽善者ぶるのに疲れた風間望。
裏切られたとカッターを振りかざした岩下明美。
そして、私への罪悪感に狂った、私の兄、日野貞夫。
あなたは復讐のための先導役だったんです」
「日野先輩はまだ現れてはいない。冗談だよね?」
「裏庭で兄と打ち合わせをしました。兄を止める最後のチャンスだったんです。
気絶させるつもりで、落ちていたレンガを手に取り、兄の頭に振り下ろしました。頭が割れて、血を吹いて兄は死んでしまいました。
ハンカチで手を拭いて・・だから血が付いていたんです」
「大体どうして僕に話すんだ。話すんだったら警察に行けばいい!!!」
「私たちの父親は国家の中枢部と関与している人間です。私と兄の事件をもみ消す力があるんです。だから、あなたに、私のことを学校新聞に書いてほしいんです。真実を!」
「そんな、嘘だよ」
「それなら扉の外を見てください。連れてきたんです、兄を」
坂上が廊下を覗き込むと、血まみれの黒い塊があった。
少女は言った。
「私思うんです。本当に怖いのは幽霊なんかじゃない。
人の恐怖を笑う、理不尽に人を殴る、人を道連れにする、人で自分の好奇心を満たす、人を不満のはけ口にする、人を自分の道理に押し込める、人のためにしか生きられない、そんなことを平気でしてしまう、そんな人間の方がよっぽど怖いって。
私はきっと、そんな狂気を呼び起こさせるものを持っているんですね。
それでなくても、あんなに大切な兄を」
彼女はゆっくりと歩き、窓の前に立って、窓を開けた。
「お母さん、悲しむかなぁ」
彼女は坂上の方を見て、包帯に手をかけた。
「坂上君、巻き込んでしまって、本当にごめんさない」
腐ったような肉の筋、削ぎ落された頬は確かに抉れている。
- 彼女をまっすぐ見る
- 叫ぶ
彼女は涙を流し、ありがとう、と言って窓枠に足をかけた。
「駄目だ、死んじゃ駄目だ!」
坂上は走り出して手を伸ばしたが、掴んだのは包帯だけだった。
落ちていく彼女から、確かに美しい肌をした笑顔が見えた。そして、彼女が潰れる様を見た。
誰かに連絡しようと坂上は廊下に出た。
「ふくざわ、しんど・・・ほそだ、あらい、かざま、いわした!!!」
日野は生きていた。
頭は割れ、脳みそは垂れ、目玉は飛び出し、鼻と口から血を出した日野が、坂上の腕をつかむ。
そして、日野は折れた指で坂上の手から包帯を奪い、坂上の顔にめちゃくちゃに巻きつけて、絶命した。
坂上は残りの包帯を顔に巻いていく。
(日野先輩が生きていたなら彼女が死ぬ意味なんてどこにもなかったじゃないか!
日野先輩が彼女にお湯をかけなければ彼女は美しいままで生きていられたかもしれない。
彼女が高校に入学しなければ!日野先輩に6人の名前を教えなければ!あの時レンガを振り下ろさなければ、彼女も日野先輩も死なずに済んだかもしれない。
それなのにあの6人は生き残っている。殺さなければならない)
包帯を巻いた少年は、少女の死体を通り過ぎたが一瞥もくれず、校門を抜け闇に消えていった。
特殊七話目№38:包帯の断罪者
CGギャラリー31/12485:包帯の女
86:これでもキレイ・・・
108:朽ちていく肌
109:許さねぇ・・・許さねぇっ!!
今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下明美を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢玲子を選択!
福沢玲子は1年G組の生徒。
「突然だけど、坂上君って宗教はなんなの?」
- 親と一緒
- あまり人に言いたくない
- 無神論者→岩下の話を聞いている場合はシナリオ:愛と友情の狭間
- 違う話を聞きたい
シナリオ:彼と彼女の秘密
八重樫と言う男子生徒がいた。
彼は甘いマクスで、アイドルみたいだって、入学当初からクラスで話題になっており、彼に恋い焦がれる女子も多かった。
女の子たちは、八重樫とお付き合いできたらどんなにいいだろうって、あれこれ頭の中で想像を膨らませていたが、実際にアクションを起こせる人はそんなに多くなく、自分に自信がある女の子だけが、八重樫に果敢にアプローチしていった。
その方法は、みんなの前で堂々と話すのではなくて、ラプレターだった。だから、八重樫の机や下駄箱には、しょっちゅう可愛い封筒のラブレターが入っていた。
そして、校舎裏あたりに呼び出された八重樫は、女の子たちからの真剣な告白を受けるが、八重樫にも細かい好みがあるらしく、なかなか応えてあげることができず、女の子たちは軒並み討ち死にだった。
しまいにはいったい誰と付き合うんだろう、って女の子間では噂になっていった。
その日も登校した八重樫が机の中を確認すると、ラブレターが入っていた。
そして日課のように、彼は放課後になると呼び出し場所に向かった。
そこで佇んでいたのは、同じクラスの美津見だった。
この瞬間、美津見はとりたてて美人というわけじゃないが、どこか惹かれる魅力を持っている女の子だと、八重樫は感じだ。
「一目見た時から好きでした。私と付き合ってください」
「ああ、いいよ」
晴れて恋人同士になった八重樫と美津見は、周囲に見せつけるようなことはなくて、初々しく健全な学生らしいお付き合いをしていた。
キスなんて当然してないし、手をつなぐこともない。そんな二人を周囲は静かに見守っていた。
八重樫にふられた子たちも、腹いせに嫌がらせをするとかもなく、美津見にとっては穏やかな、そして甘い時間を過ごすことができた。
実は八重樫は不良グループの一員だった。
彼は、表向きは優等生で通っていたが、裏ではケンカに万引き、不良が通る道は一通り済ませているっていうなかなかの不良だった。
そして、ケンカもなかなか強かった。
ルックスが爽やかな美少年だから、親や先生には全然バレず、暇さえあれば不良仲間とつるんでいた。
そんな八重樫だったが、美津見のために悪い連中とは縁を切ったほうがいいんじゃないか、と思い始めた。
八重樫は、美津見の告白を受けた時、自分が本当は不良だなんてことはもちろん言えなかった。
でも、そういうグループから抜けるのって、すごく勇気がいる。
暴力に訴えられなくても、悪い噂を流されるかもしれない。それも真っ赤な嘘じゃなくて、さんざん仲間と繰り返してきた真実だから、否定することは無理だった。
そんなことされたら、美津見に知られるどころか学校中に広まってしまう。
結局、八重樫は、美津見に不良グループのことを話せず、脱退する決意を持てず、そのままずるずると隠しながら付き合うことを続けた。
八重樫と美津見は休日になるたびに、つつましくデートを重ねていった。
でも、楽しい時間を過ごす一方で、八重樫は、このままでいいのだろうかって、複雑な気持ちだった。
不良ってことがバレたら、きっと美津見は悲しみ、怒る。そして、別れを切り出されてしまう。
それはなんとしてでも避けたいというのが、八重樫の一番の望みだった。
八重樫は、彼女ができてからは、不良連中と会う頻度を減らしていたが、最近付き合いが悪いことに、リーダーに気づかれてしまった。
「なあ、最近付き合い悪くね?」
「まあ、ちょっといろいろ忙しいもんで」
「まさか、女でもできなんじゃないだろうなあ?」
「いや、それは・・・」
「おいおい、図星かよ。それで、最近は呼んでも断ってきたんだな。
でよう、どんな彼女なんだ?」
「可愛っすよ」
「八重樫よ、彼女ができたからって、俺らと疎遠になるってことはないよな?」
「そんなことはないっす。彼女ができたのは初めてなんで、なるべく構ってやりたかったんですよ。これからはグループの付き合いもちゃんと参加させていただきますから」
八重樫はしばらく、美津見と彼氏と不良グループの一員という二足のわらじを、3対7くらいの割合で履いていた。
美津見は八重樫と一緒にいられる時間が少し減ったが、特に疑問に思わなかった。むしろ、短い時間で濃密なデートを求めようとした。
「手、繋いでみていい?」
「うん」
そっと握った美津見の手は、とても女の子らしい柔らかさと温かさがあって、ますます八重樫は美津見がいとおしくなった。
同時に、自分の秘密が明らかになることを恐れた。幻滅されたくない、この子に、自分が不良だということを、絶対に知られたくない、と。
不良仲間に気を遣って、つるんでいる時間をなるべく増やしていた八重樫だが、彼女と一緒にいるほうが楽しいし、この仲間から離れたい、と思っているせいか、思っていることが顔に出てしまっていた。
ある時、リーダーから「お前の彼女さ、俺たちに紹介してくれねえ?」と言われた八重樫だが、自分が不良だってことを誰よりも知られたくないので、無理に決まっていた。
けどリーダーは八重樫よりも大柄で腕っぷしも強かった。
「もし、あなたにそんな友達がいたら、どう思う?」
- そんな人には関わりたくない
- 見て見ぬ振りをする→福沢エンディング№26:邪教の信徒
- わからない→福沢エンディング№27:不愉快な僕
翌日、八重樫は美津見を遊びに誘った。
「今日は友達を紹介したいんだ。そいつらも一緒に遊ぼうと思ってるんだけど、いいかな」
「わかったわ。初めての友達が一緒なら、おめかししていかないとね」
八重樫が美津見を連れて、待ち合わせ場所まで向かうと、すでに不良仲間たちは全員そろっていた。
ニヤニヤ笑いながら、不良たちは舐めるように美津見を品定めした。
美津見は、目つきは悪いし、髪を染めていたり、ピアスをしている不良たちをみて、ビックリしていた。
不良たちは八重樫と美津見を連れて、ゲーセンにカラオケと回ったが、誰にも憚らずタバコをふかしていた。
八重樫が美津見の顔を覗き見ると、あからさまに嫌そうな顔はしていなかったが、楽しそうな表情でもなかった。
リーダーが、アジトへ行くか、と声を掛けた。
不良たちは、人気の少ないところにある誰も使っていない廃墟をたまり場にしていた。
アジトに着くと、いきなりリーダーは八重樫を殴りつけて、「本当はグループを抜けたいって、顔に出まくりなんだよ。そんなこと許すわけねえだろうが!」と怒鳴った。
「俺らの子と内心バカにしてだんたろう?ああ」と他のメンバーもガシガシと蹴ってくる。
そして吉川は、「ナメた野郎には、お灸を据えてやらなきゃな。へへ、お前の目の前で、この女を・・・」と言って、美津見を無理やり地面に押し倒した。
「ねえ、八重樫君はこの状況で、いったい何をしたと思う?」
- 諦めた
- 諦めずに抵抗した→福沢エンディング№24:悪魔の力を借りし者
- 相手を脅した→福沢エンディング№25:彼女はオレが守る!
- わからない→福沢エンディング№28:サイッテーな男
為す術がないまま、自分も美津見もボロボロにされる、と八重樫が絶望して顔を背けたその時、自分の頭に何か生ぬるいものが降りかかった。
リーダーの悲鳴が聞こえて、八重樫は反射的に顔を上げると、そこには全身が黒くて、闇の世界から生まれ出てきたような異様な姿の生き物いた!
周囲からはもうもうとした煙が立っていて、気温が急激に冷えてきた。少なくとも、それは人間じゃなかった。
その傍らには頭が破裂している美津見を押さえつけていた不良メンバーが転がっていたが、美津見の姿は見当たらない。
リーダーが「てめえ」と言うと、怪物が「情けないわね」と聞き覚えのある女性の声で答えた。
リーダーが一目散に駆け出した途端、頭が風船みたに弾け飛んで、脳やら頭蓋骨やらの破片がその場にぶちまけられた。
他のメンバーも蜘蛛の子を散らすように逃げるが、数歩も行かないまま、頭が破裂していった。
そして、不思議なことに死体が霧のように消えていき、地面に染み付いた夥しい血も最初から何もなかったように消えて行って、その場には倒れたままの八重樫と怪物だけが残された・・・
「美津見さんなのか?」
「そう、私よ。私は人間じゃない。この世界では悪魔と呼ばれているわ。
それより、知られたくなかったのに・・・私の正体を知った人間は許さない」
これから自分は、あいつらみたいに頭を吹っ飛ばされて死ぬんだ、と八重樫が思っていると、
「怖がらないで。八重樫君は私の彼氏だから、特別に許してあげるわ。
でも、誰かに言ったら、その時は許さないから。
あなたはずっと私のもの。殺させないでね。いい?」
「不良グループや行方不明ってことで処理されたみたい。
八重樫君は、今も美津見さんとお付き合いと続けているよ。でも、相手は悪魔だから、内心は、ビクビクしまくりだと思うな。
いつどんな理由で殺されるか、わかったもんなないよ。
ん?どうして今の話を知ることができたのか気になるんだ。
私が知っているってことは、八重樫君が死んでなきゃおかしいよね。
実はさあ、私も八重樫君に告白したことがあってさ。ふられちゃったけど・・・その後すぐ、八重樫君は、美津見さんと付き合いだしたの。
納得いかないじゃん。どうして私がダメで、美津見さんなのかって。だから私、しょっちゅうあの二人を尾行してたんだ。
それで、あの事件に出くわしたんだ。映画なんか比較できないくらい、リアルだったよ。
ねえ、坂上君、今の話、絶対に記事にしてよね。
これを記事にしたら、美津見さんの正体がみんなに知られるでしょ。情報の出どころが八重樫君だって、美津見さんは思うだろうね。
八重樫君、殺されちゃうんじゃないかって?私を振ったような男、死んだって構わないじゃない。
私、八重樫君に復讐するために、この話をしたんだよ。きゃはははは。」
福沢エンディング№23:彼女は悪魔だった
CGギャラリー27/12473:女悪魔降臨
今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下明美を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢玲子を選択!
福沢玲子は1年G組の生徒。
「突然だけど、坂上君って宗教はなんなの?」
- 親と一緒
- あまり人に言いたくない
- 無神論者→岩下の話を聞いている場合はシナリオ:愛と友情の狭間
- 違う話を聞きたい
シナリオ:彼と彼女の秘密
八重樫と言う男子生徒がいた。
彼は甘いマクスで、アイドルみたいだって、入学当初からクラスで話題になっており、彼に恋い焦がれる女子も多かった。
女の子たちは、八重樫とお付き合いできたらどんなにいいだろうって、あれこれ頭の中で想像を膨らませていたが、実際にアクションを起こせる人はそんなに多くなく、自分に自信がある女の子だけが、八重樫に果敢にアプローチしていった。
その方法は、みんなの前で堂々と話すのではなくて、ラプレターだった。だから、八重樫の机や下駄箱には、しょっちゅう可愛い封筒のラブレターが入っていた。
そして、校舎裏あたりに呼び出された八重樫は、女の子たちからの真剣な告白を受けるが、八重樫にも細かい好みがあるらしく、なかなか応えてあげることができず、女の子たちは軒並み討ち死にだった。
しまいにはいったい誰と付き合うんだろう、って女の子間では噂になっていった。
その日も登校した八重樫が机の中を確認すると、ラブレターが入っていた。
そして日課のように、彼は放課後になると呼び出し場所に向かった。
そこで佇んでいたのは、同じクラスの美津見だった。
この瞬間、美津見はとりたてて美人というわけじゃないが、どこか惹かれる魅力を持っている女の子だと、八重樫は感じだ。
「一目見た時から好きでした。私と付き合ってください」
「ああ、いいよ」
晴れて恋人同士になった八重樫と美津見は、周囲に見せつけるようなことはなくて、初々しく健全な学生らしいお付き合いをしていた。
キスなんて当然してないし、手をつなぐこともない。そんな二人を周囲は静かに見守っていた。
八重樫にふられた子たちも、腹いせに嫌がらせをするとかもなく、美津見にとっては穏やかな、そして甘い時間を過ごすことができた。
実は八重樫は不良グループの一員だった。
彼は、表向きは優等生で通っていたが、裏ではケンカに万引き、不良が通る道は一通り済ませているっていうなかなかの不良だった。
そして、ケンカもなかなか強かった。
ルックスが爽やかな美少年だから、親や先生には全然バレず、暇さえあれば不良仲間とつるんでいた。
そんな八重樫だったが、美津見のために悪い連中とは縁を切ったほうがいいんじゃないか、と思い始めた。
八重樫は、美津見の告白を受けた時、自分が本当は不良だなんてことはもちろん言えなかった。
でも、そういうグループから抜けるのって、すごく勇気がいる。
暴力に訴えられなくても、悪い噂を流されるかもしれない。それも真っ赤な嘘じゃなくて、さんざん仲間と繰り返してきた真実だから、否定することは無理だった。
そんなことされたら、美津見に知られるどころか学校中に広まってしまう。
結局、八重樫は、美津見に不良グループのことを話せず、脱退する決意を持てず、そのままずるずると隠しながら付き合うことを続けた。
八重樫と美津見は休日になるたびに、つつましくデートを重ねていった。
でも、楽しい時間を過ごす一方で、八重樫は、このままでいいのだろうかって、複雑な気持ちだった。
不良ってことがバレたら、きっと美津見は悲しみ、怒る。そして、別れを切り出されてしまう。
それはなんとしてでも避けたいというのが、八重樫の一番の望みだった。
八重樫は、彼女ができてからは、不良連中と会う頻度を減らしていたが、最近付き合いが悪いことに、リーダーに気づかれてしまった。
「なあ、最近付き合い悪くね?」
「まあ、ちょっといろいろ忙しいもんで」
「まさか、女でもできなんじゃないだろうなあ?」
「いや、それは・・・」
「おいおい、図星かよ。それで、最近は呼んでも断ってきたんだな。
でよう、どんな彼女なんだ?」
「可愛っすよ」
「八重樫よ、彼女ができたからって、俺らと疎遠になるってことはないよな?」
「そんなことはないっす。彼女ができたのは初めてなんで、なるべく構ってやりたかったんですよ。これからはグループの付き合いもちゃんと参加させていただきますから」
八重樫はしばらく、美津見と彼氏と不良グループの一員という二足のわらじを、3対7くらいの割合で履いていた。
美津見は八重樫と一緒にいられる時間が少し減ったが、特に疑問に思わなかった。むしろ、短い時間で濃密なデートを求めようとした。
「手、繋いでみていい?」
「うん」
そっと握った美津見の手は、とても女の子らしい柔らかさと温かさがあって、ますます八重樫は美津見がいとおしくなった。
同時に、自分の秘密が明らかになることを恐れた。幻滅されたくない、この子に、自分が不良だということを、絶対に知られたくない、と。
不良仲間に気を遣って、つるんでいる時間をなるべく増やしていた八重樫だが、彼女と一緒にいるほうが楽しいし、この仲間から離れたい、と思っているせいか、思っていることが顔に出てしまっていた。
ある時、リーダーから「お前の彼女さ、俺たちに紹介してくれねえ?」と言われた八重樫だが、自分が不良だってことを誰よりも知られたくないので、無理に決まっていた。
けどリーダーは八重樫よりも大柄で腕っぷしも強かった。
「もし、あなたにそんな友達がいたら、どう思う?」
- そんな人には関わりたくない→福沢エンディング№24:悪魔の力を借りし者、福沢エンディング№25:彼女はオレが守る!、福沢エンディング№28:サイッテーな男
- 見て見ぬ振りをする→福沢エンディング№26:邪教の信徒
- わからない
福沢エンディング№27:不愉快な僕
CGギャラリー26/124 今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下明美を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢玲子を選択!
福沢玲子は1年G組の生徒。
「突然だけど、坂上君って宗教はなんなの?」
- 親と一緒
- あまり人に言いたくない
- 無神論者→岩下の話を聞いている場合はシナリオ:愛と友情の狭間
- 違う話を聞きたい
シナリオ:彼と彼女の秘密
八重樫と言う男子生徒がいた。
彼は甘いマクスで、アイドルみたいだって、入学当初からクラスで話題になっており、彼に恋い焦がれる女子も多かった。
女の子たちは、八重樫とお付き合いできたらどんなにいいだろうって、あれこれ頭の中で想像を膨らませていたが、実際にアクションを起こせる人はそんなに多くなく、自分に自信がある女の子だけが、八重樫に果敢にアプローチしていった。
その方法は、みんなの前で堂々と話すのではなくて、ラプレターだった。だから、八重樫の机や下駄箱には、しょっちゅう可愛い封筒のラブレターが入っていた。
そして、校舎裏あたりに呼び出された八重樫は、女の子たちからの真剣な告白を受けるが、八重樫にも細かい好みがあるらしく、なかなか応えてあげることができず、女の子たちは軒並み討ち死にだった。
しまいにはいったい誰と付き合うんだろう、って女の子間では噂になっていった。
その日も登校した八重樫が机の中を確認すると、ラブレターが入っていた。
そして日課のように、彼は放課後になると呼び出し場所に向かった。
そこで佇んでいたのは、同じクラスの美津見だった。
この瞬間、美津見はとりたてて美人というわけじゃないが、どこか惹かれる魅力を持っている女の子だと、八重樫は感じだ。
「一目見た時から好きでした。私と付き合ってください」
「ああ、いいよ」
晴れて恋人同士になった八重樫と美津見は、周囲に見せつけるようなことはなくて、初々しく健全な学生らしいお付き合いをしていた。
キスなんて当然してないし、手をつなぐこともない。そんな二人を周囲は静かに見守っていた。
八重樫にふられた子たちも、腹いせに嫌がらせをするとかもなく、美津見にとっては穏やかな、そして甘い時間を過ごすことができた。
実は八重樫は不良グループの一員だった。
彼は、表向きは優等生で通っていたが、裏ではケンカに万引き、不良が通る道は一通り済ませているっていうなかなかの不良だった。
そして、ケンカもなかなか強かった。
ルックスが爽やかな美少年だから、親や先生には全然バレず、暇さえあれば不良仲間とつるんでいた。
そんな八重樫だったが、美津見のために悪い連中とは縁を切ったほうがいいんじゃないか、と思い始めた。
八重樫は、美津見の告白を受けた時、自分が本当は不良だなんてことはもちろん言えなかった。
でも、そういうグループから抜けるのって、すごく勇気がいる。
暴力に訴えられなくても、悪い噂を流されるかもしれない。それも真っ赤な嘘じゃなくて、さんざん仲間と繰り返してきた真実だから、否定することは無理だった。
そんなことされたら、美津見に知られるどころか学校中に広まってしまう。
結局、八重樫は、美津見に不良グループのことを話せず、脱退する決意を持てず、そのままずるずると隠しながら付き合うことを続けた。
八重樫と美津見は休日になるたびに、つつましくデートを重ねていった。
でも、楽しい時間を過ごす一方で、八重樫は、このままでいいのだろうかって、複雑な気持ちだった。
不良ってことがバレたら、きっと美津見は悲しみ、怒る。そして、別れを切り出されてしまう。
それはなんとしてでも避けたいというのが、八重樫の一番の望みだった。
八重樫は、彼女ができてからは、不良連中と会う頻度を減らしていたが、最近付き合いが悪いことに、リーダーに気づかれてしまった。
「なあ、最近付き合い悪くね?」
「まあ、ちょっといろいろ忙しいもんで」
「まさか、女でもできなんじゃないだろうなあ?」
「いや、それは・・・」
「おいおい、図星かよ。それで、最近は呼んでも断ってきたんだな。
でよう、どんな彼女なんだ?」
「可愛っすよ」
「八重樫よ、彼女ができたからって、俺らと疎遠になるってことはないよな?」
「そんなことはないっす。彼女ができたのは初めてなんで、なるべく構ってやりたかったんですよ。これからはグループの付き合いもちゃんと参加させていただきますから」
八重樫はしばらく、美津見と彼氏と不良グループの一員という二足のわらじを、3対7くらいの割合で履いていた。
美津見は八重樫と一緒にいられる時間が少し減ったが、特に疑問に思わなかった。むしろ、短い時間で濃密なデートを求めようとした。
「手、繋いでみていい?」
「うん」
そっと握った美津見の手は、とても女の子らしい柔らかさと温かさがあって、ますます八重樫は美津見がいとおしくなった。
同時に、自分の秘密が明らかになることを恐れた。幻滅されたくない、この子に、自分が不良だということを、絶対に知られたくない、と。
不良仲間に気を遣って、つるんでいる時間をなるべく増やしていた八重樫だが、彼女と一緒にいるほうが楽しいし、この仲間から離れたい、と思っているせいか、思っていることが顔に出てしまっていた。
ある時、リーダーから「お前の彼女さ、俺たちに紹介してくれねえ?」と言われた八重樫だが、自分が不良だってことを誰よりも知られたくないので、無理に決まっていた。
けどリーダーは八重樫よりも大柄で腕っぷしも強かった。
「もし、あなたにそんな友達がいたら、どう思う?」
- そんな人には関わりたくない→福沢エンディング№24:悪魔の力を借りし者、福沢エンディング№25:彼女はオレが守る!、福沢エンディング№28:サイッテーな男
- 見て見ぬ振りをする
- わからない
「ダメだ。彼女は関わらせたくない」
「なんだと?」
「俺はもう、このグループを抜けます。不良はもう辞めます」
「ふざけるな!おう、お前らやっちまえ!」
八重樫はあっという間に取り囲まれ、ボコボコにされて、病院に担ぎ込まれた。
「八重樫君、どうしてこんなことに」
何も知らずに見舞いにきた美津見は、涙を浮かべて聞いてきた。
「はは、ちょっとチンピラのケンカに巻き込まれて」
八重樫は、決して本当の理由を言おうとはしなかったが、美津見は疑ってかかった。
「この前から、何かに悩んでいる風だったよね。それが関係あるんじゃないの?」
「そんなことないよ」
「嘘つかないで。やっぱりそうなのね。わかった」
美津見はやけに悲壮な顔をして、何かを決意したみたいだった。
「私に任せて。あなたの悩み、取り除いてあげるから!」
そう言って美津見は病室を出て行った。
そして数日後、事件は起きた。
「これ、見て」
八重樫を見舞いに来た美津見が、とっても嬉しそうな顔をして新聞を持ってきた。
八重樫が言われるがままに記事に目を通すと、『集団自殺か』なんて見出しで、駅のホームで事故が起こったとあった。
鳴神学園の男子生徒数名が、いきなり手を繋いでそのまま線路に飛び込んで電車に轢かれたってことが書かれていた。
そこに書かれている名前は、あの不良グループのメンバーだった。
「もう、あなたを困らせて奴らはいないわよね」
「ああ」
そう言いかけて、八重樫はおかしいと思った。いつ、どうやって彼女は、自分と不良グループとの関係を知ったのかって。
「どうして君が、こいつらのことを」
そう質問すると、美津見は背筋が寒くなるような微笑みを浮かべた。
「私ね、学校に棲んでいる悪魔にお願いしたの。あなたの悩みを取り除いてほしいって」
「え?」
「前から、旧校舎に悪魔が済んでいるって噂は耳にしていたの。それと契約すれば、どんなことも思いのままだって。
噂は本当だったわ。儀式をしたら本当に悪魔が出てきて。私は迷わず、契約したよ。あなたを守るために」
「嘘だろう、そんなこと」
「嘘じゃないわ。契約内容はね、私の死後の魂を差し出すこと。
そして私は、あなたを苦しめていた連中の始末を頼んだわ。ふふ、確かな効果があったわ。
悪魔はね、他に人間の魂を差し出せば、また願いを聞いてくれるって言うのよ。
うふふ、これからも、悪魔の力であなたを守ってあげるからね」
「八重樫君は悪い仲間からは解放されたけど、彼女が悪魔に心を奪われちゃったわけ。邪教の信徒っていうのかな。
今も八重樫君は美津見さんと交際を続けているけど、別れるのは無理だよね。
そんなことしたら、悪魔の力で殺されちゃうんだもん。一生、彼女と一緒にいなきゃいけないんだ」
福沢エンディング№26:邪教の信徒
CGギャラリー26/12475:旧校舎で悪魔召喚
今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
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1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
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6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下明美を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢玲子を選択!
福沢玲子は1年G組の生徒。
「突然だけど、坂上君って宗教はなんなの?」
- 親と一緒
- あまり人に言いたくない
- 無神論者→岩下の話を聞いている場合はシナリオ:愛と友情の狭間
- 違う話を聞きたい
シナリオ:彼と彼女の秘密
八重樫と言う男子生徒がいた。
彼は甘いマクスで、アイドルみたいだって、入学当初からクラスで話題になっており、彼に恋い焦がれる女子も多かった。
女の子たちは、八重樫とお付き合いできたらどんなにいいだろうって、あれこれ頭の中で想像を膨らませていたが、実際にアクションを起こせる人はそんなに多くなく、自分に自信がある女の子だけが、八重樫に果敢にアプローチしていった。
その方法は、みんなの前で堂々と話すのではなくて、ラプレターだった。だから、八重樫の机や下駄箱には、しょっちゅう可愛い封筒のラブレターが入っていた。
そして、校舎裏あたりに呼び出された八重樫は、女の子たちからの真剣な告白を受けるが、八重樫にも細かい好みがあるらしく、なかなか応えてあげることができず、女の子たちは軒並み討ち死にだった。
しまいにはいったい誰と付き合うんだろう、って女の子間では噂になっていった。
その日も登校した八重樫が机の中を確認すると、ラブレターが入っていた。
そして日課のように、彼は放課後になると呼び出し場所に向かった。
そこで佇んでいたのは、同じクラスの美津見だった。
この瞬間、美津見はとりたてて美人というわけじゃないが、どこか惹かれる魅力を持っている女の子だと、八重樫は感じだ。
「一目見た時から好きでした。私と付き合ってください」
「ああ、いいよ」
晴れて恋人同士になった八重樫と美津見は、周囲に見せつけるようなことはなくて、初々しく健全な学生らしいお付き合いをしていた。
キスなんて当然してないし、手をつなぐこともない。そんな二人を周囲は静かに見守っていた。
八重樫にふられた子たちも、腹いせに嫌がらせをするとかもなく、美津見にとっては穏やかな、そして甘い時間を過ごすことができた。
実は八重樫は不良グループの一員だった。
彼は、表向きは優等生で通っていたが、裏ではケンカに万引き、不良が通る道は一通り済ませているっていうなかなかの不良だった。
そして、ケンカもなかなか強かった。
ルックスが爽やかな美少年だから、親や先生には全然バレず、暇さえあれば不良仲間とつるんでいた。
そんな八重樫だったが、美津見のために悪い連中とは縁を切ったほうがいいんじゃないか、と思い始めた。
八重樫は、美津見の告白を受けた時、自分が本当は不良だなんてことはもちろん言えなかった。
でも、そういうグループから抜けるのって、すごく勇気がいる。
暴力に訴えられなくても、悪い噂を流されるかもしれない。それも真っ赤な嘘じゃなくて、さんざん仲間と繰り返してきた真実だから、否定することは無理だった。
そんなことされたら、美津見に知られるどころか学校中に広まってしまう。
結局、八重樫は、美津見に不良グループのことを話せず、脱退する決意を持てず、そのままずるずると隠しながら付き合うことを続けた。
八重樫と美津見は休日になるたびに、つつましくデートを重ねていった。
でも、楽しい時間を過ごす一方で、八重樫は、このままでいいのだろうかって、複雑な気持ちだった。
不良ってことがバレたら、きっと美津見は悲しみ、怒る。そして、別れを切り出されてしまう。
それはなんとしてでも避けたいというのが、八重樫の一番の望みだった。
八重樫は、彼女ができてからは、不良連中と会う頻度を減らしていたが、最近付き合いが悪いことに、リーダーに気づかれてしまった。
「なあ、最近付き合い悪くね?」
「まあ、ちょっといろいろ忙しいもんで」
「まさか、女でもできなんじゃないだろうなあ?」
「いや、それは・・・」
「おいおい、図星かよ。それで、最近は呼んでも断ってきたんだな。
でよう、どんな彼女なんだ?」
「可愛っすよ」
「八重樫よ、彼女ができたからって、俺らと疎遠になるってことはないよな?」
「そんなことはないっす。彼女ができたのは初めてなんで、なるべく構ってやりたかったんですよ。これからはグループの付き合いもちゃんと参加させていただきますから」
八重樫はしばらく、美津見と彼氏と不良グループの一員という二足のわらじを、3対7くらいの割合で履いていた。
美津見は八重樫と一緒にいられる時間が少し減ったが、特に疑問に思わなかった。むしろ、短い時間で濃密なデートを求めようとした。
「手、繋いでみていい?」
「うん」
そっと握った美津見の手は、とても女の子らしい柔らかさと温かさがあって、ますます八重樫は美津見がいとおしくなった。
同時に、自分の秘密が明らかになることを恐れた。幻滅されたくない、この子に、自分が不良だということを、絶対に知られたくない、と。
不良仲間に気を遣って、つるんでいる時間をなるべく増やしていた八重樫だが、彼女と一緒にいるほうが楽しいし、この仲間から離れたい、と思っているせいか、思っていることが顔に出てしまっていた。
ある時、リーダーから「お前の彼女さ、俺たちに紹介してくれねえ?」と言われた八重樫だが、自分が不良だってことを誰よりも知られたくないので、無理に決まっていた。
けどリーダーは八重樫よりも大柄で腕っぷしも強かった。
「もし、あなたにそんな友達がいたら、どう思う?」
- そんな人には関わりたくない
- 見て見ぬ振りをする
- わからない
翌日、八重樫は美津見を遊びに誘った。
「今日は友達を紹介したいんだ。そいつらも一緒に遊ぼうと思ってるんだけど、いいかな」
「わかったわ。初めての友達が一緒なら、おめかししていかないとね」
八重樫が美津見を連れて、待ち合わせ場所まで向かうと、すでに不良仲間たちは全員そろっていた。
ニヤニヤ笑いながら、不良たちは舐めるように美津見を品定めした。
美津見は、目つきは悪いし、髪を染めていたり、ピアスをしている不良たちをみて、ビックリしていた。
不良たちは八重樫と美津見を連れて、ゲーセンにカラオケと回ったが、誰にも憚らずタバコをふかしていた。
八重樫が美津見の顔を覗き見ると、あからさまに嫌そうな顔はしていなかったが、楽しそうな表情でもなかった。
リーダーが、アジトへ行くか、と声を掛けた。
不良たちは、人気の少ないところにある誰も使っていない廃墟をたまり場にしていた。
アジトに着くと、いきなりリーダーは八重樫を殴りつけて、「本当はグループを抜けたいって、顔に出まくりなんだよ。そんなこと許すわけねえだろうが!」と怒鳴った。
「俺らの子と内心バカにしてだんたろう?ああ」と他のメンバーもガシガシと蹴ってくる。
そして吉川は、「ナメた野郎には、お灸を据えてやらなきゃな。へへ、お前の目の前で、この女を・・・」と言って、美津見を無理やり地面に押し倒した。
「ねえ、八重樫君はこの状況で、いったい何をしたと思う?」
- 諦めた
- 諦めずに抵抗した→福沢エンディング№24:悪魔の力を借りし者
- 相手を脅した→福沢エンディング№25:彼女はオレが守る!
- わからない
あなた男の子としてサイテーだと思うな、私。
これ以上、あなたに話しても無駄だと思うな。私の話はこれまでね。」
福沢エンディング№28:サイッテーな男
CGギャラリー25/124 今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下明美を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢玲子を選択!
福沢玲子は1年G組の生徒。
「突然だけど、坂上君って宗教はなんなの?」
- 親と一緒
- あまり人に言いたくない
- 無神論者→岩下の話を聞いている場合はシナリオ:愛と友情の狭間
- 違う話を聞きたい
シナリオ:彼と彼女の秘密
八重樫と言う男子生徒がいた。
彼は甘いマクスで、アイドルみたいだって、入学当初からクラスで話題になっており、彼に恋い焦がれる女子も多かった。
女の子たちは、八重樫とお付き合いできたらどんなにいいだろうって、あれこれ頭の中で想像を膨らませていたが、実際にアクションを起こせる人はそんなに多くなく、自分に自信がある女の子だけが、八重樫に果敢にアプローチしていった。
その方法は、みんなの前で堂々と話すのではなくて、ラプレターだった。だから、八重樫の机や下駄箱には、しょっちゅう可愛い封筒のラブレターが入っていた。
そして、校舎裏あたりに呼び出された八重樫は、女の子たちからの真剣な告白を受けるが、八重樫にも細かい好みがあるらしく、なかなか応えてあげることができず、女の子たちは軒並み討ち死にだった。
しまいにはいったい誰と付き合うんだろう、って女の子間では噂になっていった。
その日も登校した八重樫が机の中を確認すると、ラブレターが入っていた。
そして日課のように、彼は放課後になると呼び出し場所に向かった。
そこで佇んでいたのは、同じクラスの美津見だった。
この瞬間、美津見はとりたてて美人というわけじゃないが、どこか惹かれる魅力を持っている女の子だと、八重樫は感じだ。
「一目見た時から好きでした。私と付き合ってください」
「ああ、いいよ」
晴れて恋人同士になった八重樫と美津見は、周囲に見せつけるようなことはなくて、初々しく健全な学生らしいお付き合いをしていた。
キスなんて当然してないし、手をつなぐこともない。そんな二人を周囲は静かに見守っていた。
八重樫にふられた子たちも、腹いせに嫌がらせをするとかもなく、美津見にとっては穏やかな、そして甘い時間を過ごすことができた。
実は八重樫は不良グループの一員だった。
彼は、表向きは優等生で通っていたが、裏ではケンカに万引き、不良が通る道は一通り済ませているっていうなかなかの不良だった。
そして、ケンカもなかなか強かった。
ルックスが爽やかな美少年だから、親や先生には全然バレず、暇さえあれば不良仲間とつるんでいた。
そんな八重樫だったが、美津見のために悪い連中とは縁を切ったほうがいいんじゃないか、と思い始めた。
八重樫は、美津見の告白を受けた時、自分が本当は不良だなんてことはもちろん言えなかった。
でも、そういうグループから抜けるのって、すごく勇気がいる。
暴力に訴えられなくても、悪い噂を流されるかもしれない。それも真っ赤な嘘じゃなくて、さんざん仲間と繰り返してきた真実だから、否定することは無理だった。
そんなことされたら、美津見に知られるどころか学校中に広まってしまう。
結局、八重樫は、美津見に不良グループのことを話せず、脱退する決意を持てず、そのままずるずると隠しながら付き合うことを続けた。
八重樫と美津見は休日になるたびに、つつましくデートを重ねていった。
でも、楽しい時間を過ごす一方で、八重樫は、このままでいいのだろうかって、複雑な気持ちだった。
不良ってことがバレたら、きっと美津見は悲しみ、怒る。そして、別れを切り出されてしまう。
それはなんとしてでも避けたいというのが、八重樫の一番の望みだった。
八重樫は、彼女ができてからは、不良連中と会う頻度を減らしていたが、最近付き合いが悪いことに、リーダーに気づかれてしまった。
「なあ、最近付き合い悪くね?」
「まあ、ちょっといろいろ忙しいもんで」
「まさか、女でもできなんじゃないだろうなあ?」
「いや、それは・・・」
「おいおい、図星かよ。それで、最近は呼んでも断ってきたんだな。
でよう、どんな彼女なんだ?」
「可愛っすよ」
「八重樫よ、彼女ができたからって、俺らと疎遠になるってことはないよな?」
「そんなことはないっす。彼女ができたのは初めてなんで、なるべく構ってやりたかったんですよ。これからはグループの付き合いもちゃんと参加させていただきますから」
八重樫はしばらく、美津見と彼氏と不良グループの一員という二足のわらじを、3対7くらいの割合で履いていた。
美津見は八重樫と一緒にいられる時間が少し減ったが、特に疑問に思わなかった。むしろ、短い時間で濃密なデートを求めようとした。
「手、繋いでみていい?」
「うん」
そっと握った美津見の手は、とても女の子らしい柔らかさと温かさがあって、ますます八重樫は美津見がいとおしくなった。
同時に、自分の秘密が明らかになることを恐れた。幻滅されたくない、この子に、自分が不良だということを、絶対に知られたくない、と。
不良仲間に気を遣って、つるんでいる時間をなるべく増やしていた八重樫だが、彼女と一緒にいるほうが楽しいし、この仲間から離れたい、と思っているせいか、思っていることが顔に出てしまっていた。
ある時、リーダーから「お前の彼女さ、俺たちに紹介してくれねえ?」と言われた八重樫だが、自分が不良だってことを誰よりも知られたくないので、無理に決まっていた。
けどリーダーは八重樫よりも大柄で腕っぷしも強かった。
「もし、あなたにそんな友達がいたら、どう思う?」
- そんな人には関わりたくない
- 見て見ぬ振りをする
- わからない
翌日、八重樫は美津見を遊びに誘った。
「今日は友達を紹介したいんだ。そいつらも一緒に遊ぼうと思ってるんだけど、いいかな」
「わかったわ。初めての友達が一緒なら、おめかししていかないとね」
八重樫が美津見を連れて、待ち合わせ場所まで向かうと、すでに不良仲間たちは全員そろっていた。
ニヤニヤ笑いながら、不良たちは舐めるように美津見を品定めした。
美津見は、目つきは悪いし、髪を染めていたり、ピアスをしている不良たちをみて、ビックリしていた。
不良たちは八重樫と美津見を連れて、ゲーセンにカラオケと回ったが、誰にも憚らずタバコをふかしていた。
八重樫が美津見の顔を覗き見ると、あからさまに嫌そうな顔はしていなかったが、楽しそうな表情でもなかった。
リーダーが、アジトへ行くか、と声を掛けた。
不良たちは、人気の少ないところにある誰も使っていない廃墟をたまり場にしていた。
アジトに着くと、いきなりリーダーは八重樫を殴りつけて、「本当はグループを抜けたいって、顔に出まくりなんだよ。そんなこと許すわけねえだろうが!」と怒鳴った。
「俺らの子と内心バカにしてだんたろう?ああ」と他のメンバーもガシガシと蹴ってくる。
そして吉川は、「ナメた野郎には、お灸を据えてやらなきゃな。へへ、お前の目の前で、この女を・・・」と言って、美津見を無理やり地面に押し倒した。
「ねえ、八重樫君はこの状況で、いったい何をしたと思う?」
- 諦めた
- 諦めずに抵抗した→福沢エンディング№24:悪魔の力を借りし者
- 相手を脅した→
- わからない
八重樫は大声で怒鳴った。
でも結局、不良たちは全然止まらない。
突如として八重樫の目の前が、白くまぶしく爆発し、そのまま気を失った。
次に気づいた時、八重樫は自分の足で立っており、目の前の光景は様変わりしていた。
一面が血の海だった。不良たちが全員、首を掻き切られて倒れ死んでいた。
見れば、八重樫は彼らから受けた返り血で、真っ赤になっていた。どう考えてみて、殺したのは自分・・・
「うわああああ!」
あまりの不可解さに、八重樫が錯乱してしまうと、優しい女の声が聞こえた。
「八重樫君」
美津見が、血の海の真ん中に立っていた。彼女は何事もなく、衣服もまったく汚れていなかった。
「ありがと、八重樫君。私を助けてくれて」
惨状の中で美津見はうっとりと笑った。そこで、ついに八重樫が壊れた。
「そうだね、俺は君を守ったんだ。あははは」
「その後八重樫君は警察に逮捕されたよ。
たった一人で、どうやってここまで殺せるのかって、警察も頭を悩ませてみたいだけど、八重樫君があくまでも自分がやったって言い張ったから、そのまま彼は牢屋行き。
でも彼はね、今は病院にいるの。
八重樫君、ひたすら美津見さんのことをつぶやいているそうでさ。
ま、ある意味で幸せなのかな?あの愛する美津見さんのせいで、人生を台無しにさせられたってことを知らないで済むんだから。
不良を殺したのは、美津見さんが八重樫君を操ったからなんだよ。美津見さんの正体は悪魔なの。その悪魔の能力でもって、八重樫君に不良を殺させたんだ。
実はさ、事件があった時、私も現場にいたんだよ。
実は私も八重樫君に告白したことがあるんだけど、ふられちゃって。そのすぐあと、八重樫君は美津見さんと付き合いだしたの。で、納得がいかなかったから、あの二人を監視してたよの。
私が見ていた限りでは周囲が光ったかと思うと、次の瞬間には八重樫君が不良たちを殺しにかかっていてね。
それで私、はっきり見たんだ。殺戮を見守る美津見さんの影が、漫画で見るような悪魔の形になっているのを。
美津見さんは今もこの学校にいるけど、近づかないほうがいいよ。悪魔なんだから、何かの拍子に殺されちゃうかもしれないからね」
福沢エンディング№25:彼女はオレが守る!
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2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下明美を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井選択→シナリオ:ゲーマーの条件→荒井エンディング№01~02
6人目は福沢玲子を選択!
福沢玲子は1年G組の生徒。
「突然だけど、坂上君って宗教はなんなの?」
- 親と一緒
- あまり人に言いたくない
- 無神論者→岩下の話を聞いている場合はシナリオ:愛と友情の狭間
- 違う話を聞きたい
シナリオ:彼と彼女の秘密
八重樫と言う男子生徒がいた。
彼は甘いマクスで、アイドルみたいだって、入学当初からクラスで話題になっており、彼に恋い焦がれる女子も多かった。
女の子たちは、八重樫とお付き合いできたらどんなにいいだろうって、あれこれ頭の中で想像を膨らませていたが、実際にアクションを起こせる人はそんなに多くなく、自分に自信がある女の子だけが、八重樫に果敢にアプローチしていった。
その方法は、みんなの前で堂々と話すのではなくて、ラプレターだった。だから、八重樫の机や下駄箱には、しょっちゅう可愛い封筒のラブレターが入っていた。
そして、校舎裏あたりに呼び出された八重樫は、女の子たちからの真剣な告白を受けるが、八重樫にも細かい好みがあるらしく、なかなか応えてあげることができず、女の子たちは軒並み討ち死にだった。
しまいにはいったい誰と付き合うんだろう、って女の子間では噂になっていった。
その日も登校した八重樫が机の中を確認すると、ラブレターが入っていた。
そして日課のように、彼は放課後になると呼び出し場所に向かった。
そこで佇んでいたのは、同じクラスの美津見だった。
この瞬間、美津見はとりたてて美人というわけじゃないが、どこか惹かれる魅力を持っている女の子だと、八重樫は感じだ。
「一目見た時から好きでした。私と付き合ってください」
「ああ、いいよ」
晴れて恋人同士になった八重樫と美津見は、周囲に見せつけるようなことはなくて、初々しく健全な学生らしいお付き合いをしていた。
キスなんて当然してないし、手をつなぐこともない。そんな二人を周囲は静かに見守っていた。
八重樫にふられた子たちも、腹いせに嫌がらせをするとかもなく、美津見にとっては穏やかな、そして甘い時間を過ごすことができた。
実は八重樫は不良グループの一員だった。
彼は、表向きは優等生で通っていたが、裏ではケンカに万引き、不良が通る道は一通り済ませているっていうなかなかの不良だった。
そして、ケンカもなかなか強かった。
ルックスが爽やかな美少年だから、親や先生には全然バレず、暇さえあれば不良仲間とつるんでいた。
そんな八重樫だったが、美津見のために悪い連中とは縁を切ったほうがいいんじゃないか、と思い始めた。
八重樫は、美津見の告白を受けた時、自分が本当は不良だなんてことはもちろん言えなかった。
でも、そういうグループから抜けるのって、すごく勇気がいる。
暴力に訴えられなくても、悪い噂を流されるかもしれない。それも真っ赤な嘘じゃなくて、さんざん仲間と繰り返してきた真実だから、否定することは無理だった。
そんなことされたら、美津見に知られるどころか学校中に広まってしまう。
結局、八重樫は、美津見に不良グループのことを話せず、脱退する決意を持てず、そのままずるずると隠しながら付き合うことを続けた。
八重樫と美津見は休日になるたびに、つつましくデートを重ねていった。
でも、楽しい時間を過ごす一方で、八重樫は、このままでいいのだろうかって、複雑な気持ちだった。
不良ってことがバレたら、きっと美津見は悲しみ、怒る。そして、別れを切り出されてしまう。
それはなんとしてでも避けたいというのが、八重樫の一番の望みだった。
八重樫は、彼女ができてからは、不良連中と会う頻度を減らしていたが、最近付き合いが悪いことに、リーダーに気づかれてしまった。
「なあ、最近付き合い悪くね?」
「まあ、ちょっといろいろ忙しいもんで」
「まさか、女でもできなんじゃないだろうなあ?」
「いや、それは・・・」
「おいおい、図星かよ。それで、最近は呼んでも断ってきたんだな。
でよう、どんな彼女なんだ?」
「可愛っすよ」
「八重樫よ、彼女ができたからって、俺らと疎遠になるってことはないよな?」
「そんなことはないっす。彼女ができたのは初めてなんで、なるべく構ってやりたかったんですよ。これからはグループの付き合いもちゃんと参加させていただきますから」
八重樫はしばらく、美津見と彼氏と不良グループの一員という二足のわらじを、3対7くらいの割合で履いていた。
美津見は八重樫と一緒にいられる時間が少し減ったが、特に疑問に思わなかった。むしろ、短い時間で濃密なデートを求めようとした。
「手、繋いでみていい?」
「うん」
そっと握った美津見の手は、とても女の子らしい柔らかさと温かさがあって、ますます八重樫は美津見がいとおしくなった。
同時に、自分の秘密が明らかになることを恐れた。幻滅されたくない、この子に、自分が不良だということを、絶対に知られたくない、と。
不良仲間に気を遣って、つるんでいる時間をなるべく増やしていた八重樫だが、彼女と一緒にいるほうが楽しいし、この仲間から離れたい、と思っているせいか、思っていることが顔に出てしまっていた。
ある時、リーダーから「お前の彼女さ、俺たちに紹介してくれねえ?」と言われた八重樫だが、自分が不良だってことを誰よりも知られたくないので、無理に決まっていた。
けどリーダーは八重樫よりも大柄で腕っぷしも強かった。
「もし、あなたにそんな友達がいたら、どう思う?」
- そんな人には関わりたくない
- 見て見ぬ振りをする
- わからない
翌日、八重樫は美津見を遊びに誘った。
「今日は友達を紹介したいんだ。そいつらも一緒に遊ぼうと思ってるんだけど、いいかな」
「わかったわ。初めての友達が一緒なら、おめかししていかないとね」
八重樫が美津見を連れて、待ち合わせ場所まで向かうと、すでに不良仲間たちは全員そろっていた。
ニヤニヤ笑いながら、不良たちは舐めるように美津見を品定めした。
美津見は、目つきは悪いし、髪を染めていたり、ピアスをしている不良たちをみて、ビックリしていた。
不良たちは八重樫と美津見を連れて、ゲーセンにカラオケと回ったが、誰にも憚らずタバコをふかしていた。
八重樫が美津見の顔を覗き見ると、あからさまに嫌そうな顔はしていなかったが、楽しそうな表情でもなかった。
リーダーが、アジトへ行くか、と声を掛けた。
不良たちは、人気の少ないところにある誰も使っていない廃墟をたまり場にしていた。
アジトに着くと、いきなりリーダーは八重樫を殴りつけて、「本当はグループを抜けたいって、顔に出まくりなんだよ。そんなこと許すわけねえだろうが!」と怒鳴った。
「俺らの子と内心バカにしてだんたろう?ああ」と他のメンバーもガシガシと蹴ってくる。
そして吉川は、「ナメた野郎には、お灸を据えてやらなきゃな。へへ、お前の目の前で、この女を・・・」と言って、美津見を無理やり地面に押し倒した。
「ねえ、八重樫君はこの状況で、いったい何をしたと思う?」
- 諦めた
- 諦めずに抵抗した
- 相手を脅した
- わからない
やっぱり諦めたくない。そう思った八重樫は、頭の血管が切れそうなほどに叫んで身をよじった。
でも、無駄な足掻きで、八重樫は頭を掴まれ、固い地面にガンガン叩きつけられ、頭が割れて血まみれになった。
もっと俺に力があれば、こんなことには・・・際限のない怒りが八重樫を支配したその時、周囲の気温がものすごく高くなっていった。
立ち上がった八重樫の瞳が、炎のように赤く燃え盛っていた。熱は彼の全身から発散されて、まるで砂漠の真ん中にでもいるかのようだった。
八重樫の全身が赤く燃えていた。
「てめぇら、許さねえ!」
次の瞬間、八重樫はリーダーをぶんなぐっていた。
リーダーは軽く10メートルは吹っ飛んで、口から血と折れた歯をまき散らして、そのまま失神した。
我先にと逃げ出す不良たちだが、八重樫はチーターみたいな瞬発力で回り込み、クマみたいなパンチで殴ると、誰も彼も一撃で地面に倒れて行った。
最後の一人を倒すと、リーダーから失神から目覚めた。
状況を理解したリーダーは、八重樫が何も言わないうちに、ものすごい勢いで土下座をした。
「やめてくれえええ!俺らが悪かった!」
八重樫はリーダーに近づくと、その頭を靴の裏でグリグリとした。
「なら、これから俺がリーダーだ。俺に忠誠を誓うか?」
「誓う!」
不良たちは順に目覚めていったけど、八重樫を同じように踏んづけて、自分に忠誠を誓わせていった。
そして、すべてを見守っていた美津見は、
「ありがとう、八重樫君。諦めず、私を助けようとしてくれて」
と言って、悪魔のような力をふるった彼氏に、何も恐れず寄り添った。
八重樫は大声で笑って、彼女の肩を抱き寄せた。
「俺、すごくいい気分だ。何か、不思議な力が宿ったような気がするぜ。これからも君を守ってみせるよ」
「ええ、頼りにしているわ」
「こうして八重樫君はグループの新しいリーダーになったの。今も彼らはつるんでいるわ。
私さ、八重樫君に告白したけどふられちゃって。それなのに、彼ってば、美津見さんと付き合したもんだから、納得できなくてさ。
それでいつも、二人を監視してたの。まさか、あんな場面がみられるなんてねえ。
その時私、しっかり確認したんだ。八重樫君に寄り添う美津見さんの影が、悪魔の形になっているのをさ。
多分、美津見さんは悪魔で、八重樫君が不良たちを叩きのめせたのは、美津見さんの能力を分け与えらえれたからなんだよ。
八重樫君のグループは、下手な暴力団よりも強くて、恐ろしい雰囲気を纏ってるって、噂されてる。きっと美津見さんの力がメンバー全体に伝染してるのよ。
多分、美津見さんは悪魔で、八重樫君が不良たちを叩きのめせたのは、美津見さんの能力を分け与えらえれたからなんだよ。
八重樫君のグループは、下手な暴力団よりも強くて、恐ろしい雰囲気を纏ってるって、噂されてる。きっと美津見さんの力がメンバー全体に伝染してるのよ。
このことを新聞に書いたら、坂上君が報復されるかもしれないねえ。」
福沢エンディング№24:悪魔の力を借りし者
福沢エンディング№24:悪魔の力を借りし者
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74:悪魔に逆らった男
今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
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1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下明美を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井昭二を選択!
2年B組の荒井昭二が「怖い話が好きなんですか?」と聞いてきた。
- 好き
- 人並程度
- 嫌い
ところで、あなたはどうして鳴神学園を選んだのですか?」
- 自分の意思で
- 親の意思で→シナリオ:誕生日プレゼント
- 設備のよさです
- 答えたくありません
- 美人が多いからです
- 教師陣がすぐれているからです
- 友達を作りたかったからです
坂上君は、どうやって友達を作りたいと考えていますか?」
- 趣味を通じて
- 気の合う人間を探す
- アドバイスはありますか?
シナリオ:ゲーマーの条件
「確かに趣味を通じて見つけた友人とは話が合うでしょうね。
あなた、ゲームで遊びますか?
僕もね、多少はゲームをたしなむんですよ。ええ、自分もちょっとコンピュータを扱えますのでね。僕がたしなむのはパソコンのゲームです。
知ってますか、同人ソフトを即売会。
ゲーム好きな人たちが集まって作った自主制作したソフトなんですけどね、商売を考えるより先に、自分の作りたいものを作る傾向が強いんです。
ですから、僕はそういう即売会があると、暇を見つけては顔を出すことにしてるんです」
この学校の2年生の赤川哲也も同人ソフトマニアの一人で、荒井とは気が合い、即売会があれば一緒に出掛けている。
同人ソフトの即売会は年に数回大きなものが開かれ、かなりの同人サークルが集まり、大々的にソフトの販売が行われている。
数か月前、赤川がパソコン通信で、聞いたこともないサークルばかりが集まる即売会が行われて、しかも入場料が1万円もかかる、という情報を仕入れた。
高すぎる入場料のため乗り気でなかった荒井は、妙に乗り気だった赤川に仕方なくついて行くことになった。
会場はS駅からほど遠い古びたビルの6階だった。
入場料1万円がネックになっているのか、人気はなく閑散としていた。
受付には全身黒づくめの男が一人いるだけで、人形にように座っていた。
テーブルの上にはクッキーの缶が置かれており、中には何枚もの1万円札が入っていた。
荒井と赤川は、そこへ1万円ずつ入れて、会場へ入った。
会場の中に長テーブルが置かれており、全身黒づくめの男たちが身動きもせず座っていた。
そして、テーブルの上には茶封筒が置かれており、表にはタイトルと起動させるためのハード名が書きなぐられていた。
荒井たちより前に入ったマニアたちは、あからさまに不機嫌そうな顔で、さっさと会場を出て行ってしまった。
赤川がそのうちの一つの茶封筒を裏をひっくり返すと、6万円と書かれていた。
赤川は、最愛の恋人でに手に入れたように、その封筒を撫でまわしていた。封筒には、タイトルと機種と値段しかかかれていないのだが。
「『アクシデント』か。どんなゲームなんだろう?」と言いながら、赤川は、販売員に「これ、どんなゲームでしょうか」と尋ねたが、男は売る気がないのか何も答えなかった。
「もしあなたなら、この『アクシデント』というゲームを6万円で買いますか?」
- 買う→荒井エンディング№02:アクシデント
- 買わない
しかし、諦めきれなかった赤川は、他のテーブルを回り始めたが、どの茶封筒も6万円の値段がつけられていた。
そして、2時間ほど歩き回っていた赤川は、一つの茶封筒を握り締めた。
「いったいどんなゲームなんだろう?僕は一刻も早くこのゲームをプレイしたくてたまらないんだよ。ねえ、良かったら君も僕んちで一緒にやろう」
荒井は6万円もするゲームに興味があったので、赤川について彼の家に行った。
茶封筒には『スクール・デイズ』と書かれているだけで、何のゲームかさっぱりわからなかった。
茶封筒の中身を取り出すと、レポート用紙1枚とフローピーディスクが1枚だけだった。
赤川は、自分のパソコンにそのフローピーディスクを差し込んだ。
しばらくすると、立ち上がったウィンドウには画面中央に『スクール・デイズ』と書かれているだけで、BGMも流れていなかった。
赤川は、マニュアルを読みもせず、ゲームをスタートさせた。
画面に表示された内容を要約すると、どうも学校を作るというシミュレーション・ゲームらしく、プレイヤーは校長先生となり、学校を運営するようだ。
赤川は、マニュアルを読むと、ゲームを始めた。
かろうじて入口だと思われる場所をカーソルでクリックしてみると、次の画面が現れたが、真っ黒な画面に名前と生年月日文字を入力するように指示があるだけだった。
赤川は学校の名前を、パラダイス学園と名付けた。
このゲームは、先生や生徒の名前を入力することができたが、赤川は最初から使用できるものをそのまま使用し、一人を自分の名前に変え、もう一人を荒井の名前に変えて、プレイをした。
ゲーム画面を見ていた荒井は、イベントなどは細かく作ってあるようだが、決して面白そうなゲームではないな、と思い、「明日、ゲームの結果を教えてくれよ」と言って、家に帰った。
翌日、晴れ晴れとした顔の赤川に挨拶された荒井は、昨日のゲームのことを尋ねると、赤川は、「あれだけ面白いゲームは初めてだからね。今日も学校が終わるのが待ち遠しいよ」と答えた。
その言葉を聞いた荒井は、昨日買っておけば良かったと悔しくてたまらない気分になり、あのソフトを買わなかった自分が許せなくなってしまった。
放課後、塾をさぼった荒井は、ありったけ貯金の46万円をおろして、昨日の即売会の会場へむかったが、そのビルがあった場所は空き地になっていた。
荒井は、空き地の前の駄菓子屋で、ビルのことを尋ねると、5年以上前に取り壊された、と言われてしまった。
なんでも、そのビルの6階にコンピュータ・ゲームの会社が入っていたが、小遣いをあげるからとか、高いコンピュータに触らせるから、とか言って中学生や高校生を連れ込んで、ゲームを作らせていたとのこと。連れ込まれた子供たちは、不眠不休でゲームを作っていたが、子供が行方不明になっているとのことで、警察の捜査が入った。警察がビルに踏み込んだ時、何人かの子供が亡くなっており、生きていた子供たちも栄養失調で餓死寸前だったとのこと。
その会社の社員たちは逮捕される前に自決したのだが、その会社は悪魔を崇拝する怪しい組織だったとのこと。
駄菓子屋の話を聞いて、荒井は、昨日あそこにいたのは社員の幽霊で、死んだ少年たちが作ったゲームを売っていたのだ、と思った。
そして、あれはこの世にたった一つしかの存在しないゲームだと思うと、荒井は我慢ができなくなり、赤川の家に向かった。
赤川の部屋に通された荒井は、スクール・デイスで遊んでいる赤川の画面を見て驚いた。
美しいBGMに載せて美しいグラフィックが流れ、キャラクターが肉声聞き間違えるくらい鮮明な声でしゃべっていた。
赤川は、画面を見つめたまま、「『スクール・デイズ』は進化するゲームなんだ」と言った。
そして、赤川は荒井の方へ向き直り、「このゲームは、プレイヤーの上達に合わせて、システム自体がまるで魂を持ったように形態を変えていくのさ」と言った。
荒井は、「ここに46万円あるから、売ってくれないか?」と言ったが、赤川は鼻で笑った。
仕方がないので、荒井は、「頼む!言われた金額を必ず用意するから、金額を言ってくれ」と言ったが、赤川は、「いくら詰まれようが、そのソフトを売る気はないよ。さあ、帰ってくれ」と答えた。
その時、「生徒同士のケンカが発生しました。2年B組の赤川哲也と荒井昭二です」とコンピュータがしゃべった。
画面を見ると、まるで実写のようなグラフィックの教室の中で、赤川と荒井がにらみ合ったまま対峙していた。
「大変です。どちらかが死ぬまで、このケンカは終わりそうにありません」とコンピュータが言うと、ゲームの中の荒井と赤川が、今この場で実際に言いそう内容でなじり出した。
それを聞いた赤川は、「そんな風に思ってたんだ」と逆上し始めた。
再びコンピュータが「何と、赤川君は切り出しナイフを持っていました。これで、荒井君のことを刺すつもりです」と言うと、ゲームの中の赤川はナイフを取り出し、荒井の目の前にいる赤川も切り出しナイフを手にして「帰らないと、本当に刺すぞ」と言った。
コンピュータが「荒井君はチェーンで応戦します。さあ、死闘の始まりです」と言った瞬間、どこから現れたのか、画面の中の荒井と現実の荒井の手にチェーンが握られていた。
チェーンの方がリーチが長かったので、荒井の一撃が赤川の頬を撃ち、赤川は「痛いよ、やめてくれ」と言って戦意喪失した。
しかし、荒井は攻撃を止めず、無抵抗な赤川にチェーンを何度も振り下ろす。
やがて、赤川は動く無くなり、悲鳴も上げなくなった。
コンピュータが「決着はつきました。赤川君は荒井君に殺されて、ケンカは無事終了しました。死亡により、赤川君の存在は削除されます」と言った瞬間、荒井の足元に転がっていた赤川の死体が消えあてしまい、ゲームの中の赤川もいなくなった。
そして、荒井が握っていたチェーンも跡形もなく消えていた。
荒井は、『スクール・デイズ』を手にして、赤川の家を出た。
次の日から、赤川のことを知っている人は誰もいなくなった。
そして、スクール・デイズは初期化されてしまい、動かなくなってしまった。
荒井は、誰かがスクール・デイズを盗んだと思っており、ゲームを取り戻し、犯人を見つけて制裁を加えてやる、と言って話を終えた。
荒井エンディング№01:ゲーマーの条件
CGギャラリー24/124
47:ゲームの行方は
今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下明美を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田を選択→シナリオ:魅惑のトイレ→細田エンディング№01~03
5人目は荒井昭二を選択!
2年B組の荒井昭二が「怖い話が好きなんですか?」と聞いてきた。
- 好き
- 人並程度
- 嫌い
ところで、あなたはどうして鳴神学園を選んだのですか?」
- 自分の意思で
- 親の意思で→シナリオ:誕生日プレゼント
- 設備のよさです
- 答えたくありません
- 美人が多いからです
- 教師陣がすぐれているからです
- 友達を作りたかったからです
坂上君は、どうやって友達を作りたいと考えていますか?」
- 趣味を通じて
- 気の合う人間を探す
- アドバイスはありますか?
シナリオ:ゲーマーの条件
「確かに趣味を通じて見つけた友人とは話が合うでしょうね。
あなた、ゲームで遊びますか?
僕もね、多少はゲームをたしなむんですよ。ええ、自分もちょっとコンピュータを扱えますのでね。僕がたしなむのはパソコンのゲームです。
知ってますか、同人ソフトを即売会。
ゲーム好きな人たちが集まって作った自主制作したソフトなんですけどね、商売を考えるより先に、自分の作りたいものを作る傾向が強いんです。
ですから、僕はそういう即売会があると、暇を見つけては顔を出すことにしてるんです」
この学校の2年生の赤川哲也も同人ソフトマニアの一人で、荒井とは気が合い、即売会があれば一緒に出掛けている。
同人ソフトの即売会は年に数回大きなものが開かれ、かなりの同人サークルが集まり、大々的にソフトの販売が行われている。
数か月前、赤川がパソコン通信で、聞いたこともないサークルばかりが集まる即売会が行われて、しかも入場料が1万円もかかる、という情報を仕入れた。
高すぎる入場料のため乗り気でなかった荒井は、妙に乗り気だった赤川に仕方なくついて行くことになった。
会場はS駅からほど遠い古びたビルの6階だった。
入場料1万円がネックになっているのか、人気はなく閑散としていた。
受付には全身黒づくめの男が一人いるだけで、人形にように座っていた。
テーブルの上にはクッキーの缶が置かれており、中には何枚もの1万円札が入っていた。
荒井と赤川は、そこへ1万円ずつ入れて、会場へ入った。
会場の中に長テーブルが置かれており、全身黒づくめの男たちが身動きもせず座っていた。
そして、テーブルの上には茶封筒が置かれており、表にはタイトルと起動させるためのハード名が書きなぐられていた。
荒井たちより前に入ったマニアたちは、あからさまに不機嫌そうな顔で、さっさと会場を出て行ってしまった。
赤川がそのうちの一つの茶封筒を裏をひっくり返すと、6万円と書かれていた。
赤川は、最愛の恋人でに手に入れたように、その封筒を撫でまわしていた。封筒には、タイトルと機種と値段しかかかれていないのだが。
「『アクシデント』か。どんなゲームなんだろう?」と言いながら、赤川は、販売員に「これ、どんなゲームでしょうか」と尋ねたが、男は売る気がないのか何も答えなかった。
「もしあなたなら、この『アクシデント』というゲームを6万円で買いますか?」
- 買う
- 買わない
「いったいどんなゲームなんだろう?僕は一刻も早くこのゲームをプレイしたくてたまらないんだよ。ねえ、良かったら君も僕んちで一緒にやろう」
荒井は6万円もするゲームに興味があったので、赤川について彼の家に行った。
茶封筒に入っていたのはフローピーディスクが1枚だけで、説明書が入っていないどころか、タイトルさえラベルされていなかった。
赤川は、自分のパソコンにそのフローピーディスクを差し込んだ。
しばらくすると、立ち上がったウィンドウには『accident』という単語のみが並んでいるだけだった。
かろうじて入口だと思われる場所をカーソルでクリックしてみると、次の画面が現れたが、真っ黒な画面に名前と生年月日文字を入力するように指示があるだけだった。
赤川が、そこに自分の名前と生年月日を入力し、エンターキーを押すと、ようやくメッセージ画面らしきものに辿り着いた。
黒い画面に白い文字が流れていく。
『カフク ハ アザナエル ナワノゴトシ コウフクノ カゲデ サイヤクハ コウカツナ ヘビノゴトク キミヲ マチウケテイル
アカガワ テツヤ キミノ ジンセイヲ ボウガイスル アクシデント ヲ トリノゾコウ』
どうやら主人公は赤川のようだ。
『タイカハ キミノ L・・・』
「L?なんだろうね?それに、どうしてここだけローマ字なのかなあ」
「さあ?」
先に進むためリターンキーを押すと、目の前に黄色の帯状のグラフィックが現れ、黄色の帯の下には、
『アカガワ テツヤ L 6800
L ヲ ツカイマスカ?
ハイ
イイエ』
と、書かれていた。「Lってなんのことだろう?」
ゲーム中には細かい説明はまったくなかった。
「使ってみますかっていうんだから、ポイントか何かじゃない?6800もあるんだから、もし失敗しても取返しがききそうだよ」
赤川は迷っていたが、結局『ハイ』を選択した。
すると、画面が変わり『デハ キミノ L ヲ モチイテ キミノ ジンセイヲ オビヤカス サイヤクヲ トリノゾコウ』と表示された。
しばらくモニタを見つめていたが、それ以上は何の変化もなかった。
「これだけ?」
「そうみたいだね」
赤川は大きなため息をついた。
翌日、学校で抜き打ち手荷物検査が行われた。
学校は自由な校風で抜き打ちの検査は滅多に行われることがなかったので、皆油断しており、禁止されていた私物はすべて取り上げられてしまった。
荒井も、たまたま持ってきていたベクシンスキーの画集を没収されてしまった。
ふと赤川を見ると涼しい顔をしている。普段ならパソコンの雑誌やパーツやらを常に持ち歩いているはずなのに。
さらにその日は、抜き打ちのテストがあったり、突然の食中毒騒ぎで学食が閉鎖になり、多くの生徒が昼食にあぶれたり、災難続きだった。
しかし赤川は、その日はたまたまテストに出たところを予習していたり、その日に限ってお弁当を持参してきたりて、難を逃れていた。
放課後、荒井は赤川に声を掛けた。
「今日は調子いいみたいだね」
「うん、なぜか昨日勉強しようかなって気分になったり、お母さんがお弁当をつくってくれたり、不要物も持ってこなくてよかったよ。ボクってついてるな」と赤川はにっこりと笑って言った。
それから、赤川が異常に運がいい男だと評判になった。
赤川がたまたま体調を崩して休んだ日の体育がハードな持久走だったり、急な雨に日もたまたま傘を持っていたり、他にも些細な幸運を上げればキリがなかった。
極めつけは、繁華街の交差点で横断中の歩行者にトラックが突っ込むという事件があったのだが、赤川だけが無傷で生き残った。
赤川が運が良いのは良いのだが、宝くじに当たるという彼だけが良い目を見るという運の良さではなく、まるで彼一人だけが災厄を逃れるという感じの運の良さだった。
赤川は次々と身に降りかかるアクシデントを回避していた。きっかけはあの『アクシデント』をプレイしてからだ。
しかし、荒井は赤川の変化に気づいた。
急激に赤川は髭が濃くなり、背が伸びてすっかり青年といった容貌になっていた。
そして即売会から1か月ほど経つと、赤川はすっかりフケてしまい、担任の先生より年上に見えるようになってしまった。
さらにしばらくたった頃、赤川の頭に白髪が混じり始め、赤川の父親だと紹介されても通用してしまいそうだった。
荒井は思い切って、自分の考えを赤川に伝えた。
『アクシデント』が赤川の身体の変化に関係ある、と。
その日、荒井は、赤川と一緒に彼の家に行ったが、途中で、二人の目の前で車がガードレールに突っ込んできたが、赤川といっしょにいた荒井はアクシデントを避けることができた。
その直後、赤川を見た荒井は、白髪が増えていることに気づいた。
そして、家に帰って『accident』を起動したところ、画面は『アカガワ テツヤ L 170』に変わっていた。
どうやらLという数値が減ることと、赤川の身体の変化には何か関係があるようだ。
おそらく、赤川はLを消費することによって、人生を脅かす災厄=アクシデントを取り除いていたらしい。
その時、激しい衝突音とともに窓から何かが飛び込んできた。
墜落していた小型セスナ機で、荒井の鼻先を掠めて、反対側の壁に激突して止まった。
荒井は「赤川君」と声を掛けたが返事がなかったので、瓦礫をかき分けて赤川を探し始めた。
そして、瓦礫に埋もれて横たわっていたすでに息絶え、カサカサのミイラ状の死体を見つけて気を失った。
やがて、荒井が気が付くと病室にいた。
「おそらくLはLife、生命のことでしょう。赤川君は、自分の身に起こるアクシデントを取り除いてもらうことと引き換えに、自分の命の最後の一滴までも搾り取られてしまったのです。
そうそう、あのゲームの行方なんですが、退院して家に戻ったら、僕の机の上にあの見慣れた茶封筒が置かれていたのですよ。表書きに『アクシデント』と殴り書きされてね。
どうでしょうか、これでもまだ何もアクシデントのない人生をお望みですか?
そう思うなら、あのゲームをお譲りしましょう。ただしあなたのその後の人生は、坂道を転がり落ちるように短いものとなってしまうでしょうけどね。いひひひひ」
荒井エンディング№02:アクシデント
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45:老いて行く体
46:受付の男
今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下明美を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田友晴を選択!
「坂上君も楽しみにしていましたか?」
- 楽しみにしていた
- 特に気にしていない
- あまり乗り気ではなかった→風間と岩下の話を聞いていない場合はシナリオ:夜泣き石
そうかぁ、坂上君はそんなに気にしてないのかぁ、少し残念かも」
友達がいない細田は、坂上と友達になりアピールの長話をさんざんした後、自分は霊感が強い体質で、特にトイレで霊を強く感じるといった内容に長話をする。
「僕の話、退屈ですか?」
- 正直、退屈です
- 面白いですよ
- トイレ以外の話をしてください
「やっぱり僕の話なんて聞いても面白くありませんよね。
退屈な話だったら、やめたほうがいいですかね?」
- すいません、続けてください→細田エンディング№03:魅惑のトイレ、細田エンディング№02:パラレル・ワールドの細田
- やめたほうがいいですね
「そこまではっきり言われると、僕も何も言い返せなくなちゃうな。でも、一応日野さんに呼ばれたわけですし、役目だけは果たさせてください」
そう言うと、細田は何やらぶつぶつとトイレにまつわる怪談を話し始めたが、慌てているのか話が聞き取れない。
(やめてくれ、僕のほうが気が狂いそうだ)と思いながら話を聞かされている坂上。
「すいません、終わりました」
どうやら、終わったようだ。
坂上は細田から解放されたものの、まだいら立ちは収まらなかった。
細田エンディング№01:イラつく奴
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今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下明美を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田友晴を選択!
「坂上君も楽しみにしていましたか?」
- 楽しみにしていた
- 特に気にしていない
- あまり乗り気ではなかった→風間と岩下の話を聞いていない場合はシナリオ:夜泣き石へ
そうかぁ、坂上君はそんなに気にしてないのかぁ、少し残念かも」
友達がいない細田は、坂上と友達になりアピールの長話をさんざんした後、自分は霊感が強い体質で、特にトイレで霊を強く感じるといった内容に長話をする。
「僕の話、退屈ですか?」
- 正直、退屈です
- 面白いですよ→次の選択肢の1を選択したパターンへ進む
- トイレ以外の話をしてください
「やっぱり僕の話なんて聞いても面白くありませんよね。
退屈な話だったら、やめたほうがいいですかね?」
- すいません、続けてください
- やめたほうがいいですね
友達のいない細田は、休み時間はトイレの個室で過ごしていたのだが、細田が2年生になってすぐ、入ると不思議な感覚に襲われるトイレに入った。
気に入ってしまった細田は、休み時間になるとそのトイレで用を足すようになった。
細田は、自分をいじめる吉川と星野とは2年のクラス替えで一緒のクラスになりたくないと思っていたが、またクラスメートになってしまい、いじめられる日が続いていた。
ある日、吉川と星野は、細田に対し今日一日はトイレにいかないようにと命令した。
昼休みに尿意が我慢できなくなっている細田に気づいた吉川と星野は、細田をからかい、細田は漏らすまいと必死に我慢をした。
結局、細田は我慢できず、5時間目が終わるころに小便どころか大便までも漏らしてしまい、吉川と星野を大いに喜ばせた。
細田は泣きながら、例のトイレに駆け込んだ。
細田はおんおん泣きながら、一生トイレから出なくてもすむものならいいなあ、と思っていると、まるでトイレが細田を慰めてくれるような感覚に襲われた。母親の胎内にいるような暖かくて懐かしい気持ちにさせられたのだ。
どれくらいの時間が経ったのかわからないが、「細田君」と誰かがドアを激しく叩く音で、我に返った細田は、汚れていたはずのパンツもズボンを汚れが綺麗に取れていることに気づいた。
細田がドアを開けると担任の稲垣先生が立っており、「さあ、教室に戻ろう」と優しく声を掛けてくれて、細田を連れだした。
クラスメートがどういう風に自分を迎えてくれるのかと心配していた細田だったが、クラスメートは笑って暖かく迎え入れてくれた。
いじめた吉川と星野も愛想笑いしていた。
放課後、いつものように一人で下校しようとしていた細田は、吉川と星野から、「勉強を教えて欲しい」と頭を下げながら頼まれた。
吉川と星野は確かに成績は悪かったが、成績がビリである細田に頼んできたので、細田はどんないじめをするつもりなのかと身構えて、「今日は勘弁してほしい」と答えた。
細田は、断ったことで吉川と星野に殴られると思っていたが、二人は、「急にこんなことを頼んできて虫が良すぎた。ごめん」と言ってあっさりと引き下がった。
細田が唖然としていると、普段は絶対に細田に近寄ろうとしないクラスメートたちが、「一緒に帰ろう」と声を掛けてきた。
驚いた細田は、気を悪くさせないようできるだけ丁寧に「今日は独りでいたいんだよ。ごめんさない。勘弁してください」とみんなに告げて、その場から逃げるように帰った。
翌日、細田が学校に行くと、みんながニコニコしながら声を掛けてきた。
みんなの話によると、昨日、細田は漏らしていないことになっていた。昨日の5時間目に細田は気分が悪くなり、教室を出て行って、先生が迎えに行ったことになっていた。
そして、信じられないことだが、細田は勉強も運動もできるクラスの人気者になっており、友達が増えた。
それから細田は、トイレに時間を潰すようなことがなくなったため、あのトイレには行かなくなった。
しかし中間試験で細田は失敗して、成績が中間あたりになってしまった。
元いた世界の細田の成績はビリだが、今いる世界の細田は万年1位だったので、周囲の見る目が変わってしまった。
細田は、元いた世界の自分と今いる世界の自分が入れ替わっているのではないか、と思うようになった。
細田はみんなに失望される恐怖に怯えて、またトイレにこもるようになってしまった。
細田はあのトイレが異次元の扉だと推理し、あのトイレに入り浸るようになった。
「僕の推理は当たっているとは思いませんか?」
- そう思う→細田エンディング№03:魅惑のトイレ
- それは違うと思う
あのう坂上君ならどう推理するか教えてもらえますか?」
- 全部、夢
- 頭がおかしくなった
- ただの作り話
- 学校の七不思議ではないですよね
誰にも認められなくても、僕は僕だってわかっている。僕は僕なんだ!」
細田エンディング02:パラレル・ワールドの細田
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今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
1週目クリア
1人目は荒井昭二を選択→シナリオ:誕生日プレゼント→荒井エンディング№03~05
2人目は風間望を選択→シナリオ:五百円硬貨→風間エンディング№10
3人目は細田友晴を選択→シナリオ:夜泣き石→細田エンディング№13・14
4人目は岩下明美を選択→シナリオ:命の値段→岩下エンディング№03~05
5人目は福沢玲子を選択→シナリオ:愛と友情のはざま→福沢エンディング№20~22
6人目は新堂誠を選択→シナリオ:呪いのマンシール→新堂エンディング№06~08
7人目はシナリオ:記憶のほころび→七話目エンディング№01~03
2週目プレイ開始!
1人目は岩下明美を選択→シナリオ:偽りの愛→岩下エンディング№01・02
2人目は新堂を選択→シナリオ:高木ババア→新堂エンディング№01~05
3人目は風間を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01
4人目は細田友晴を選択!
「坂上君も楽しみにしていましたか?」
- 楽しみにしていた
- 特に気にしていない
- あまり乗り気ではなかった→風間と岩下の話を聞いていない場合→シナリオ:夜泣き石
そうかぁ、坂上君はそんなに気にしてないのかぁ、少し残念かも」
友達がいない細田は、坂上と友達になりアピールの長話をさんざんした後、自分は霊感が強い体質で、特にトイレで霊を強く感じるといった内容に長話をする。
「僕の話、退屈ですか?」
- 正直、退屈です
- 面白いですよ
- トイレ以外の話をしてください
やっぱり僕の話なんて聞いても面白くありませんよね。
退屈な話だったら、やめたほうがいいですかね?」
- すいません、続けてください
- やめたほうがいいですね
友達のいない細田は、休み時間はトイレの個室で過ごしていたのだが、細田が2年生になってすぐ、入ると不思議な感覚に襲われるトイレに入った。
気に入ってしまった細田は、休み時間になるとそのトイレで用を足すようになった。
細田は、自分をいじめる吉川と星野とは2年のクラス替えで一緒のクラスになりたくないと思っていたが、またクラスメートになってしまい、いじめられる日が続いていた。
ある日、吉川と星野は、細田に対し今日一日はトイレにいかないようにと命令した。
昼休みに尿意が我慢できなくなっている細田に気づいた吉川と星野は、細田をからかい、細田は漏らすまいと必死に我慢をした。
結局、細田は我慢できず、5時間目が終わるころに小便どころか大便までも漏らしてしまい、吉川と星野を大いに喜ばせた。
細田は泣きながら、例のトイレに駆け込んだ。
細田はおんおん泣きながら、一生トイレから出なくてもすむものならいいなあ、と思っていると、まるでトイレが細田を慰めてくれるような感覚に襲われた。母親の胎内にいるような暖かくて懐かしい気持ちにさせられたのだ。
どれくらいの時間が経ったのかわからないが、「細田君」と誰かがドアを激しく叩く音で、我に返った細田は、汚れていたはずのパンツもズボンを汚れが綺麗に取れていることに気づいた。
細田がドアを開けると担任の稲垣先生が立っており、「さあ、教室に戻ろう」と優しく声を掛けてくれて、細田を連れだした。
クラスメートがどういう風に自分を迎えてくれるのかと心配していた細田だったが、クラスメートは笑って暖かく迎え入れてくれた。
いじめた吉川と星野も愛想笑いしていた。
放課後、いつものように一人で下校しようとしていた細田は、吉川と星野から、「勉強を教えて欲しい」と頭を下げながら頼まれた。
吉川と星野は確かに成績は悪かったが、成績がビリである細田に頼んできたので、細田はどんないじめをするつもりなのかと身構えて、「今日は勘弁してほしい」と答えた。
細田は、断ったことで吉川と星野に殴られると思っていたが、二人は、「急にこんなことを頼んできて虫が良すぎた。ごめん」と言ってあっさりと引き下がった。
細田が唖然としていると、普段は絶対に細田に近寄ろうとしないクラスメートたちが、「一緒に帰ろう」と声を掛けてきた。
驚いた細田は、気を悪くさせないようできるだけ丁寧に「今日は独りでいたいんだよ。ごめんさない。勘弁してください」とみんなに告げて、その場から逃げるように帰った。
翌日、細田が学校に行くと、みんながニコニコしながら声を掛けてきた。
みんなの話によると、昨日、細田は漏らしていないことになっていた。昨日の5時間目に細田は気分が悪くなり、教室を出て行って、先生が迎えに行ったことになっていた。
そして、信じられないことだが、細田は勉強も運動もできるクラスの人気者になっており、友達が増えた。
それから細田は、トイレに時間を潰すようなことがなくなったため、あのトイレには行かなくなった。
しかし中間試験で細田は失敗して、成績が中間あたりになってしまった。
元いた世界の細田の成績はビリだが、今いる世界の細田は万年1位だったので、周囲の見る目が変わってしまった。
細田は、元いた世界の自分と今いる世界の自分が入れ替わっているのではないか、と思うようになった。
細田はみんなに失望される恐怖に怯えて、またトイレにこもるようになってしまった。
細田はあのトイレが異次元の扉だと推理し、あのトイレに入り浸るようになった。
「僕の推理は当たっているとは思いませんか?」
- そう思う
- それは違うと思う
だから、トレイに感謝すれば、また同じようなことが起きるかもしれないと思い、あのトイレに入り浸って、トイレをピカピカに磨いているのだが、あの感覚が感じられない、と細田は言った。
2か月後の実力試験で、細田はビリになり、とうとう元居た世界の同じようにみんなから相手にされなくなってしまった上、吉川と星野からいじめられるようになってしまった。
細田エンディング03:魅惑のトイレ
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