チラシの裏~弐位のゲーム日記
社会人ゲーマーの弐位のゲームと仕事とブログペットのことをつづった日記

 今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る


 2人目は岩下明美を選択!


 岩下は3年A組とのこと。


 「あなた、私のことどう思う?」
  • 優しそうな人
  • 厳しそうな人
  • 初対面なのでわかりません
  • 愛に生きる人(2人目に選択した時のみ)
 シナリオ:窓枠の中で


 岩下は、愛に生きる人と表現したくれた想いに応えて愛の話をしてくれる。


 「あなた、話したこともない相手に恋をしたことはある?テレビのタレントや、あまり話したことのない同級生、電車の中で見かける人、近所のコンビニのスタッフとか。毎日見掛けるうちに、ついさっきまで意識さえしなかった存在が、ある日突然、特別な存在として胸の内に浮かび上がってくるこだってあるでしょうね。その人が、いつものようにさりげなく視界に登場するだけで、退屈な日々が燃え上がる恋の物語へと置き換わっていく。そういった経験はないかしら?」
  • ある
  • ない
 「じゃあ、あなたが好きになった相手って、どんな人かしら?私に教えてくれる?」
  • 教える
  • 教えない
 「その相手って誰かしら?」
 「何ですって、私?もしかして、私たちって以前出会ったことがあるのかしら?
 私の記憶違いでなければ、坂上君とは今日初めて会うはずだけれど。それとも、どこかで私のことを見ていたとか?
 確かに私は演劇部で舞台に立つことがあるわ。もし去年の学園祭に遊びに来て、その舞台で私を見て好きになってくれたというなら、それはとても光栄なことだわ。素直に喜びたい。
 でも、どこかで私を偶然見かけてストーカーをしていたというのなら、いただけないわね。私、そういう卑怯で姑息で厭らしい最低な男はこの世から消えた方がいいと思っているから。
 もし今日が初めてというのなら、まさか一目惚れ?
 ひょっとして会う女性皆に一目惚れしているわけじゃないでしょうね?
 ふふふっ、冗談よ。あなたはがそんな人じゃないことはわかっている。
 でも、初対面の男性に告白されるのって素敵ね。それがあなたの本心から生まれた言葉なのだとしたら、私もそれなりの誠意をもって応えてあげてもよくってよ。
 そうね、もしあなたの心が本当に私のものだというのなら、あなたの肌にカッターで私の名前を刻みつけてもいいわよね?二度と消えない永遠の愛の証に。
 あら?そんなに怖がらなくてもいいのに。それとも今の言葉は、その場限りの口からでまかせだったとでも言うの?
 だったら私、あなたを殺してもいいわよね。あなただって、それぐらいの覚悟を持って、私の名前を口にしたのでしょう?
 私は裏切られるのが嫌いだから、裏切られるうらいなら、あんたを殺してやるわ。よく覚えておくがいい。私の期待を裏切らないようにね、うふふふ。
 なんて冗談よ。私、演劇部だって言ったでしょ?さあ、笑って。
 だって、あなたが私を好きって言ってくれたのも、この集会を和ませるためのリップサービスでしょう?だから、そのお返し。
 それとも、本気で私を好きだというの?だったら、こんな場所で言うのは反則ね。
 あとで二人になったとき、そこでゆっくり話を聞いてあげるから。うふふふ
 
 よく恋は盲目と言うでしょう?絵画の中の人物や造形物に本気で恋をしてしまう人もいるわ。キリシア神話に登場する自分の作り出した彫刻を愛したピュグマリオンの話は有名よね。現代でも二次元コンプレックスといって、アニメやゲームの登場人物に惚れこんでしまう人たちがいるじゃない。まあ周りがどうあれ、自分の心の中で愛情を傾ける限り、それが実在する人物かどうかは関係ないことなのかもしれないわね。これから私が罠すのは、そんな自分の心の中の人に恋をしてしまった、ある少女のお話よ」


 不知火美鶴の席は教室の窓際で、彼女はこの席がお気に入りだった。
 とても見晴らしがよくて、グラウンドから校門まで見渡せた。
 不知火は合唱部に所属する2年生で、岩下が部長をしている演劇部と一緒にミュージカルを企画するイベントがあり、二人は仲良くなったとのこと。
 引っ込み思案の不知火は、活発に校庭を駆け回る男子生徒たちの動きを、よく羨望の眼差しで見つめていた。
 やがて、不知火は、ある特定の男子生徒に恋をした。
 名も知らないその相手は、子供っぽくて、いつもテンションが高くて、がむしゃらで、無駄な動きが多い、どこにでもいるような愛すべき男の子だった。
 どんな撞木でも彼が活躍した時のむじゃくな喜びようや、へとへとに疲れながらも最後までひたむきに全力を尽くす様子が心に引っかかっているうちに、いつの間にか意識するようになってしまった。
 ある日、不知火はこの気持ちが恋なのではないかと気が付いた。
 自覚すれば、もうその想いを無視することはできず、不知火の彼に対する思慕はどんどん加速していった。
 彼の仕草の一つ一つにときめいて、遠くから眺めているだけで、全身に幸福感が押し寄せてきて、退屈な授業が愛しい彼との逢瀬のひとときに変わった。
 彼を見ることができるのは、彼が体育の時間の時だけだったけれど、不知火にはそれで十分だった。
 彼がなんという名前で、どのクラスに在籍していた、どんな部に入っていて、どこに住んでいて、どんな女の子が好きで、決まった相手はいるのか。その気になれば簡単に調べることもできたのに、不知火はそれをしようとしなかった。
 不知火は一度だけ廊下で、その彼とすれ違ったことがあったが、不知火は顔を伏せて、足早に歩き去ってしまった。
 不知火は、目に映る風景の中に走り回る彼を愛したのであって、そこに自分が介入することなんて考えもしなかった。
 まるで教室の窓枠が大きな額縁で、彼はその絵の登場人物であるかのように。
 不知火は、彼の正体をしって幻滅したり、失恋したときの衝撃で自分の心が傷つくのが怖くて嫌だった。
 不知火は、自分の描いた世界の中だけで、彼と恋をしたかった。
 そんな不知火と彼との一方的な逢瀬の時は、ある日あっけなく終わりを迎えた。
 席替えのくじで廊下側の席を引き当ててしまった不知火は、彼の登場する風景を愛でる機会を、一瞬にして失ってしまった。


 不知火は、最初は授業中に教室で目を閉じて、脳裏に彼のいる風景を思い描いた。
 最初は思い通りの彼を描けずに困っていたが、次第に想像上の彼を自由に動かせるようになり、不知火は元の幸福感を取り戻すことができた。
 不知火は、自分でも気づかなかったみたいだが、エア充体質だった。
 才能が開花した観察力と想像力は、並大抵のものじゃなかった。
 目を閉じて意識を集中するだけで、風景の細部まではっきりと思い描くことができ、そこを舞台に動き回る彼の姿も、とても生き生きとしたものだった。
 それまで見たことのある光景を再生するだけでなく、不知火の中で新たな命を得た彼は、まるで生きているように動き回った。
 そして想像力が増していくと、ついには彼を取り巻くクラスメイトたちまで再現され、それぞれにふさわしい役割を演じていた。
 ただここまでくると、それはもう想像とは呼べず、不知火の作り出した妄想の世界。
 窓際で見つめていたころは、体育の時間だけという限りがあったから歯止めがきいていたが、彼の姿をいつまでも好きなだけ眺めていられるようになった不知火は、もう現実の世界に帰ってこられなくなった。
 授業中はもちろん休み時間まで不知火は妄想の世界に入り浸った。先生に注意されても、友達に呼ばれても、目を閉じて幸せそうに微笑んでいるだけ。
 それは家でも続き、すぐ自分の部屋にこもってしまうし、食事の手はしょっちゅう止まるし、何時間もお風呂に入ったまま出てこない。
 やがて不知火は、妄想ならリスクがないという打算かしら、それまで自分が登場していなかった世界に、ついに自分を登場させようかと考え始めた。
 そして、ついに不知火は、妄想の世界で告白してみようと決心した。


 実は、岩下は、不知火から何度も相談を受けていた。
 「すいません、岩下さん、またお呼びだけしてしまって」
 「いいのよ、気にしないで。私もあなたの話には巨にあるから。で、妄想世界の彼とはうまくいっているの?」
 「しれが、まだ本当に私が飛び込んでしまっていいものか悩んでいるんです」
 「この前は告白する決心がついたって言ってたのに、まだ出会ってもいないの?」
 「突然私なんかが彼の前に現れたら迷惑するんじゃないかと思って」
 「そんなことないわ。彼はきっとあなたのことを受け入れてくれる。それで彼の名前くらいはかわったんでしょうね?」
 「いえ、まだ聞き出せなくて」
 「呆れたわね。彼は仲の良い友達と伊一緒なんでしょ?彼らは何て呼んでいるの?」
 「・・・」
 「ニックネームもないの?」
 「はい、友ダリはいつも、ようとかお前とかそんな呼び方ばかりなので」
 「困ったものね。それだったらもう、あなたが出ていくしかないじゃない。一歩踏み出すのも大事じゃなくて?そのためにはあなたが必要よ。そして告白しちゃいなさい」
 「告白して断られたら、私、もう生きていけない。ううっ・・・」
 「泣かないで、不知火さん。私も考えるから。そうね、現実の世界に合わせればいいんじゃない?体育の授業はいつなのかはわかっているんでしょう?その授業の時に彼はグラウンドんじいるんだから、玄逸の彼とあなたの想いをシンクロさせるのよ。そして、そこであなたは彼と出会うの。今、彼が何をしているのか現実と妄想がシンクロすれば、あなた自身も妄想の世界に登場しやすいんかないかしら?」
 「現実の世界とのシンクロ。ありがとうございました、岩下さん。私、やってみます」
 「頑張って告白しなさい。必ず、あなたにとっていい返事が聞けるから」


 決心がついてから、一日千秋の思いで待ちわびていた体育の時間がやっと訪れた。
 もちろん窓から遠くなった不知火の目には見えないのだけど、彼女はいつものように目を瞑り、彼が生き生きと活躍する様を思い描いた。


 「ねぇ、不知火さんはどんな形で彼に想いを伝えたと思う?」
 「悩んでも仕方ないわ、どうせ私の想像の世界なんだし」
 不知火は妄想の世界で立ち上がって窓を開け、ありったけの勇気を振り絞って、グラウンドの彼に叫んだ。
 「好き!あなたが好きです!」
 告白した後我に返って、恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして、不知火はサッと窓を閉めた。
 なんと、声に気付いた彼が、こちらに向かって手を振ってくれている。
 不知火は、もう一度窓を開けると、彼に見えるように大きく手を振り返した。
 「うれしいです!私、あなたが大好きです!」
 喜びのあまり、思わず身を乗り出した不知火は、バランスを崩して、そのまま窓の外に頭から落下してしまった。
 その時、初めて彼女は、自分が落下している世界を見つめながら、現実の世界に引き戻された。
 不知火は、妄想世界で告白したつもりでいたけれど、現実世界とシンクロしようとするあまり、実際に声を出して告白していた。
 授業中わざわざ窓際まで駆け寄って、あっけにとられるクラスメイトたちの前で、彼女はありったけの声を振り絞って告白したのだ。
 「きゃあああああ!!」
 静かだった教室に、落下していく不知火の悲鳴が響き渡った。
 2階の高さから落ちただけのに真っ逆さまに勢いよく地面に衝突したためか、首があらぬ方向に曲がった状態で、ほぼ即死だったらしい。


 「不知火さん、現実と妄想の世界が本当にシンクロしてしまったのね。これも彼女の想いが強すぎたためかしら?
 ねえ、坂上君、妄想するのもいいけどほどほどにいないとね。うふふふ」


 エンディングNa312:現実と妄想の狭間で
 エンディング数 22/656 達成度3%


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 現在の夢:ゲームする時間の確保、サービス残業時間減少、年棒アップ
 将来の夢:がんばってお金を稼いで、ニートでゲーム三昧の日々を送ること
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